JP5470285B2 - 軸流タービン - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気タービンなどの軸流タービンに関する。
蒸気タービンなどの軸流タービンは、軸受装置に回転可能に支承されたロータと、このロータを内包し、作動流体主流が流れる作動流体主流路を内部に有するケーシングと、ケーシング、またはケーシングに固定された外周側ダイアフラムに固定された静翼と、ロータに固定された動翼とを備える。軸流タービンは、ケーシング内の高圧部から低圧部に向かって作動流体が膨張する時に生じる運動エネルギーを、静翼と動翼から構成される段落によりロータの回転力に変える機能を有する。
このような軸流タービンでは、段落一段当たりの出力を増加させるために、単位時間当たりに段落を流れる流体の質量である流量を増加させたい要求がある。段落一段当たりの出力を増すことができると、例えば発電用蒸気タービンなどの多段落型の軸流タービンの場合には、段落数を変えずに発電量を増加させることが可能となる。
単位時間当たりに段落を流れる作動流体の流量を増加させるためには、作動流体が流れる流路の回転軸方向からみた面積である環帯面積を大きくすることが有効である。軸流タービンの場合には、環帯面積は、翼長と、翼の外周端直径と内周端直径とを足して2で割った平均直径との積に円周率をかけたものとなるため、環帯面積の増加のために、翼長と平均直径を大きくすることが行われている。
しかしながら、蒸気タービンのような軸流タービンでは、環帯面積を大きくする、すなわち翼長や平均直径を大きくすると、動翼先端側の水滴によるエロージョン量が大きくなる。エロージョン量は、動翼先端周速の約三乗に比例して増加する。従って、翼長や平均直径を大きくすると、動翼先端周速も増すので、それに応じてエロージョン量も増加してしまう。一般的に、エロージョンを引き起こす液滴は、動翼上流側の作動流体主流路壁面を構成する側壁や、静翼翼面に形成された水膜が、作動流体主流路を流れる作動流体中に再放出されることで発生する。
エロージョン対策に関する従来技術としては、特許文献1で示されているように、静翼を中空にし、そこに上流の高温高圧蒸気を導入して静翼翼面の水膜を蒸発させた後、高温高圧蒸気を静翼の後縁部から流路中に吹き出すものがある。
特開昭50−112604号公報
特許文献1に記載の従来技術は、静翼翼面に形成される水膜を再蒸発させることで、下流側動翼のエロージョンを防止することを目的とするものである。
しかしながら、水膜は翼面だけでなく、静翼の外周側側壁にも多く存在し、動翼先端にエロージョンを引き起こすのは、むしろ外周側側壁の水膜の影響が大きいと考えられる。従って、環帯面積を大きくする、すなわち翼長や平均直径を大きくするにあたっては、動翼先端側の水滴によるエロージョン量の増大を防ぐため、特に静翼外周側側壁の水膜について対策が必要であるが、特許文献1ではこの点については考慮さていない。
ところで、一般的には、段落入口における、単位質量当たりのエンタルピー(比エンタルピー)と流速の二乗を2で割った単位質量当たりの運動エネルギーとの和である比全エンタルピーH0は、回転軸に近い内周側から外周側にかけて、ほぼ一定の値とされる。一方、静翼と動翼との間の比エンタルピーh1は、静動翼間の旋回流とバランスするように内周側に比べ外周側にいくほど大きくなる。したがって、比エンタルピー差H0−h1は、外周側ほど小さくなる。静翼から出る流れの速度は、この比エンタルピー差H0−h1の二乗根に比例する。すなわち、静翼流出速度は外周側ほど小さくなる。背景技術で述べたように、環帯面積を大きくする、すなわち翼長や平均直径を大きくすると、外周側の比エンタルピー差H0−h1は、ますます小さくなり、静翼流出速度もますます小さくなる。このように、環帯面積を大きくすることにより、外周側の比エンタルピー差H0−h1と静翼流出速度が小さくなる。一方、動翼周速は半径に比例して大きくなる。これらのことは、さらに以下に述べるような二つの問題を引き起こす可能性がある。
一つ目は、動翼の相対流入マッハ数が超音速となり、損失が増加する可能性が増えることである。翼長や平均直径を大きくすると、動翼の回転速度である周速が大きくなる。動翼の周速は半径位置が一番大きい外周端、すなわち動翼先端部で最も大きくなる。先端部の周速を音速で割った周速マッハ数が1を越えて超音速となると、静翼からの流れの回転方向成分が十分でないと、動翼に流入してくる流れの相対速度が超音速となる。半径位置が大きくなると周速は大きくなり、静翼流出速度は半径位置が大きくなると小さくなるために、半径位置が大きくなるほど、動翼に対する相対流入速度が超音速となる可能性は大きくなる。相対流入速度が超音速となると、動翼上流側で不連続な圧力上昇を伴う衝撃波が発生する。衝撃波そのものによるエントロピー上昇に加え、衝撃波が翼面の境界層と干渉して、その不連続な圧力上昇により境界層厚さが増加する、さらに、はく離を生じさせることなどによるエントロピー上昇が生じる。この衝撃波によるエントロピー上昇により、タービン段落の環帯面積を増加させ、作動流体の流量を増加させたにも関わらず、増加流量に相当する回転力すなわち出力が増えないことがある。そのため、限界周速を越えて環帯面積を大きくすることにより、段落当たりの出力増加を実現するためには、動翼流入部で生じる衝撃波を無くす、もしくは弱くすることが重要であり、そのためには、動翼相対流入速度を小さくする必要がある。
二つ目は、外周側の拡大流路部で、はく離が起きる可能性が増大することである。段落の環帯面積を大きくすると、子午面流路の拡大率、すなわち段落入口流路高さに対する、段落出口の流路高さの増加率が大きくなる。一方、段落の環帯面積を大きくしても、段落の軸方向長さはタービン全体の長さに制約があるために一般にはあまり大きくできず、子午面流路の拡大率の増大は、静翼部の外周端や内周端の子午面流路形状の拡がり角を大きくすることで実現されることが一般的である。子午面流路形状の拡がり角が大きくても、静翼部の比エンタルピー差H0−h1が大きいと、翼間で流れが加速されためはく離が起きるなどの問題は起きないが、環帯面積を大きくするために、翼長や平均直径を大きくすると、外周側の静翼部の比エンタルピー差H0−h1が小さくなり、子午面流路の外周端の拡大流路部で、流れの加速が小さくなり、流れが翼面や側壁面からはく離して、損失が増大する可能性が大きくなる。
そこで本発明の目的は、翼長や平均直径を大きくすることで軸流タービンの環帯面積を増加させた場合においても、外周側で静翼流出速度が小さくなるにもかかわらず動翼周速が大きくなることにより動翼流入部で生じる衝撃波損失を、無くすまたは小さくすることと、静翼外周側の拡大流路部で比エンタルピー差が小さいために起きやすくなるはく離などによる損失を、無くすまたは小さくすることにより、タービンの効率を向上させること、およびエロージョン量を低減することで信頼性を高めることにある。
上記目的を達成するために、本発明は、外周側静翼支持体に固定された静翼と、該静翼の作動流体流れ方向下流側でロータに固定された動翼とを有するタービン段落を備える軸流タービンであって、静翼入口部の半径方向高さに対し静翼出口部の半径方向高さが大きい静翼を有するタービン段落が、外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に、静翼まわりを流れる作動流体よりも高温高圧の作動流体が導入され、導入された作動流体を前記静翼外周側側壁から作動流体主流路の下流側に向って噴出する構造を備える。また、外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入される前記作動流体は、前記タービン段落の作動流体流れ方向上流側に設けられた上流側タービン段落の抽気部から導入するとともに、外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入された前記作動流体を、前記静翼間の最も流路幅が狭くなるスロート部に沿って噴出する。または、外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入される前記作動流体は、前記タービン段落の作動流体流れ方向上流側に設けられた上流側タービン段落の抽気部から導入するとともに、外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入された前記作動流体を、隣り合う前記静翼の互いに対向する正圧面と負圧面の圧力が等しい点を結ぶ線に沿って噴出する。または、外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入される前記作動流体は、前記タービン段落の作動流体流れ方向上流側に設けられた上流側タービン段落の抽気部から導入するとともに、外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入された前記作動流体を、前記静翼の作動流体流れ方向下流側から作動流体主流の静翼流出方向に沿って噴出することを特徴とする。
本発明によれば、翼長や平均直径を大きくすることで軸流タービンの環帯面積を増加させた場合においても、外周側で静翼流出速度が小さくなるにもかかわらず動翼周速が大きくなることにより動翼流入部で生じる衝撃波損失を、無くすまたは小さくすることと、静翼外周側の拡大流路部で比エンタルピー差が小さいために起きやすくなるはく離などによる損失を、無くすまたは小さくすることにより、タービンの効率を向上させること、およびエロージョン量を低減することで信頼性を高めることができる。
本発明の第1の実施形態に係る軸流タービンのタービン段落部の要部構造を表す子午面断面図である。 一般的な蒸気タービンのタービン段落部の基本構造を表す子午面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸流タービンの静翼外周側側壁面上での、静翼と噴出口開口部との関係を示した図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸流タービンの静翼外周側側壁面上での、静翼と噴出口開口部との図3とは別の関係を示した図である。 図4に示した開口部位置を決めるための、静翼翼面圧力分布の図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸流タービンの静翼外周側側壁面上での、静翼と噴出口開口部との図3および図4とは別の関係を示した図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸流タービンの噴出口開口部の形状を説明する子午面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸流タービンの噴出口開口部の別の形状を説明する子午面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸流タービンの噴出口開口部のさらに別の形状を説明する子午面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る軸流タービンの静翼外周側側壁面上での、静翼と噴出口開口部との図3,図4,図6とは別の関係を示した、外周側側壁上で見た図である。 図10に示した噴出口の形状を、子午面で見た図である。 図10に示した噴出口の形状を、外周側から見た図である。 一般的な軸流タービンのタービン段落部の、動翼相対流入マッハ数の翼高さ方向分布である。 動翼の周速が大きい場合の、静翼を出た流れ、動翼周速と、動翼の相対流入速度との関係を模式的に表す図である。 本発明による、動翼の周速が大きい場合の動翼の相対流入速度の増加を低減する効果を模式的に表す図である。 本発明の第2の実施形態に係る軸流タービンの要部構造を表す子午面断面図である。
本発明の実施例として、蒸気タービンの最終段を例にとって、以下に説明する。ただし、本発明の効果は、排気室を下流段の入口部と読み替えれば、最終段落に限定されない。また、動翼相対流入速度を低減し、衝撃波損失を低減する効果は、蒸気、空気などの作動流体によらず有効である。
まず始めに、図2を用いて、一般的な蒸気タービンのタービン段落部の基本構造を説明する。図2は、一般的な蒸気タービンのタービン段落部の基本構造を表す子午面断面図である。
蒸気タービン1は、図示しない軸受装置に回転可能に支承されたタービンロータ2と、タービンロータ2を内包し、作動流体である蒸気が流れる作動流体主流路4を内部に有するタービンケーシング3と、円環状に形成された作動流体主流路4の外周側壁面を構成する外周側ダイアフラム5と、作動流体主流路4の内周側壁面を構成する内周側ダイアフラム6とを備える。23は中空部で、外周側ダイアフラムと静翼とを組み立てた際に形成される空間である。
図2に記した矢印10は作動流体主流路4を流れる蒸気の流れ方向を表す。図2に示すように、蒸気タービンのタービン段落は、タービンケーシング3内部の作動流体流れ方向上流側(以下単に上流側と記載する)の高圧部P0と作動流体流れ方向下流側(以下単に下流側と記載する)の低圧部P1との間に設けられている。
タービン段落は、タービンケーシング3の内周側に固設された外周側ダイアフラム5と内周側ダイアフラム6との間に固設された静翼7と、タービン中心軸20周りに回転するタービンロータ2に設けられた動翼8とからなる。タービン段落が複数の段落から構成される蒸気タービンの場合、この段落構造が作動流体流れ方向に複数回繰り返されて設けられている。各段落において、静翼の下流側に動翼が対向する。
蒸気タービンは、タービンケーシング3内の高圧部P0と低圧部P1との差圧によって誘起された蒸気の流れを静翼7で加速し、動翼8で回転運動に変換する。タービンロータ2には図示しない発電機が接続されており、タービンロータ2の回転運動が電力に変換される。
ここで、蒸気タービンでは、タービンケーシング3の内周側に外周側ダイアフラム5が設けられる場合と設けられない場合がある。外周側ダイアフラム5が設けられる場合には、静翼7は外周側ダイアフラム5に支持され、外周側ダイアフラム5が設けられない場合には、静翼7はタービンケーシング3の内周側壁部に支持される。そこで、静翼7を外周側から支持する静止体を「外周側静翼支持体」と定義し、外周側ダイアフラム5が設けられる場合には、外周側ダイアフラム5が「外周側静翼支持体」に該当し、外周側ダイアフラム5が設けられない場合には、タービンケーシング3の内周側壁部が「外周側静翼支持体」に該当する。
外周側静翼支持体の内周側壁面は、作動流体主流路4の外周側流路壁面を構成する。そこで、外周側静翼支持体の内周側壁面のうち、静翼7が接続された部分を「静翼外周側側壁面9」と定義する。外周側ダイアフラム5が設けられる場合には、外周側ダイアフラム5の内周側壁面の静翼7が接続された部分が「静翼外周側側壁面9」に該当し、外周側ダイアフラム5が設けられない場合には、タービンケーシング3の内周側壁部のうち、静翼7が接続された部分が「静翼外周側側壁面9」に該当する。
図2に示すように、タービン段落の段落入口部は、段落出口部に比べて作動流体の比容積が小さいため、段落入口流路高さは段落出口流路高さよりも小さくなる。つまり、静翼7の外周部は、タービン中心軸20を含む面(子午面)とこの静翼7の外周部との交線である外径線が前段落の動翼出口部から同じ段落を構成する動翼入口部にかけて径方向外側に傾斜しており、静翼7の部分では直線的に(あるいは単調に)作動流体主流路4の半径が増している。即ち、静翼の入口部の半径方向高さ(段落入口流路高さ)に対して該静翼の出口部の半径方向高さが高くなっている。
以上を踏まえ、本発明の実施形態を以下に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る蒸気タービンのタービン段落部の要部構造を表す子午面断面図である。この図において、先の図と同様の部分に相当する箇所には同符号を付して説明を省略する。
図1に示すように、本実施の形態では、静翼7の外周側ダイアフラム5を周方向に連結された中空部11を持つ構造とし、中空部11と作動流体主流路4とを連通する構造を有する。
中空部11は、外周側静翼支持体である外周側ダイアフラム5の内部に形成されており、後述する抽気部14,作動流体導入流路13を介して高温高圧の作動流体(蒸気)が導入される空間である。中空部11は、外周側ダイアフラム5の静翼外周側側壁面9の外周側に位置するように設けられており、静翼外周側側壁面9に沿うように周方向に延伸した円環状の空間である。また、中空部11は、外周側ダイアフラム5を貫通して静翼外周側側壁面9に開口する噴出口12と繋がっており、この噴出口12を介して作動流体主流路4と連通している。よって、抽気部14,作動流体導入流路13を介して中空部11に導入された高温高圧の作動流体は、噴出口12から作動流体主流路4に向って噴出する。なお、中空部11は、外周側ダイアフラム5に静翼7を組み立てた際に形成される空間を利用して形成しても良い。
また、外周側ダイアフラム5には、中空部11に高温高圧の作動流体(蒸気)を導入するための流路として作動流体導入流路13が連結されている。作動流体導入流路13は、例えば上流側のタービン段落の抽気部14、またはさらに上流側のタービン段落の抽気部15と連結されており、該抽気部で抽気した、上流の高温高圧の作動流体を中空部11に導入する。抽気部14または15から中空部11に導入された蒸気は、中空部11を有する外周側ダイアフラム5が支持する静翼7まわりの蒸気よりも高温高圧である。従って、中空部11に導入された蒸気は外周側ダイアフラム5を加熱して、中空部11を有する外周側ダイアフラム5が支持する静翼7まわりの作動流体主流の温度よりも高くする。そのため作動流体主流温度と同じ温度で、静翼外周側側壁面9を流下してくる水膜は、中空部11を有する外周側ダイアフラム5の静翼外周側側壁面9で加熱され、一部は蒸発し、残りは周囲の蒸気より高温となることで蒸発しやすい状態になる。
一般的に静翼外周側側壁面9を流下する水膜は、側壁面上の二次流れ渦などで巻き上げられることなどにより、主流中に再放出され、動翼先端部に衝突して、動翼のエロージョンを引き起こす。また、エロージョン量は、動翼先端周速の約三乗に比例して増加する。従って、翼長や平均直径を大きくすると、動翼先端周速も増すので、それに応じてエロージョン量も増加する。しかし、本実施の形態によれば、静翼外周側側壁面9の水膜量が低減されているため、動翼、特に動翼先端部に衝突する水滴の量を減らし、エロージョン量を減らすことができる。従って、本実施の形態は、翼長や平均直径を大きくすることで軸流タービンの環帯面積を増加させた場合に特に好適である。
中空部11に導入された作動流体は噴出口12を通して作動流体主流中に放出される。本実施の形態によれば、中空部11に導入された作動流体は、静翼外周側側壁面9から放出されるため、静翼後縁部から放出するのに比べて作動流体主流の流れへの影響を小さくできる。そのため作動流体主流の流れの乱れによる損失を小さくでき、タービン効率の低下を抑制することができる。
なお、中空部11に導入する作動流体は、中空部11を有するタービン段落自身とその下流側直近のタービン段落との間ではなく、中空部11を有するタービン段落の上流側に設けられたタービン段落間の抽気部14,15から抽気する必要がある。なぜならば、タービン段落自身とその下流側直近のタービン段落との間を流れる作動流体の温度は、中空部11を有する外周側ダイアフラム5が支持する静翼7まわりの作動流体主流の温度と略同じであるため、この作動流体を中空部11に導入しても、外周側ダイアフラム5の温度を、中空部11を有する外周側ダイアフラム5が支持する静翼7まわりの作動流体主流の温度よりも高くすることが困難だからである。また、圧力も略同じであるので、中空部11から作動流体主流路に向って噴出口から作動流体を放出することが困難だからである。
作動流体導入流路13は、流路の一部をタービンケーシング3内に形成し、流路のその他の部分は配管部材を別途設けるなどして構成すれば良い。
また、外周側ダイアフラム5を設けない蒸気タービンでは、中空部11,噴出口12,作動流体導入流路13は、直接タービンケーシング3内に設ければ良い。
また、中空部11に導入する作動流体は、中空部11を有するタービン段落を流下する作動流体より高温高圧であれば、作動流体主流中ではなく、外部から導入しても良い。
次に、本実施の形態のさらなる効果を説明するために、ここで、動翼への作動流体の超音速流入の課題について説明する。
図14は、翼長や平均半径が大きくなることにより外周端の半径位置が大きくなるために、動翼周速が大きくなるときの、静・動翼間の一般的な速度三角形の模式図である。高圧P0の蒸気30は、静翼7によって加速,転向され速度Vの流れとなる。この流れVを動翼8と一緒に回転する相対座標系で見ると、動翼8は方向31、周速Uで回転しているため、図14に示すようにベクトルVとベクトルUの合成により、動翼相対流入速度は速度Wの流れとなる。このベクトルV,ベクトルUとベクトルWから構成される三角形を速度三角形と呼ぶ。速度三角形から明らかなように、動翼周速Uが大きくなると動翼に流入する相対流速Wは大きくなる。動翼相対流入速度Wを小さくするためには、静翼流出速度Vを大きくする必要がある。段落入口の蒸気の状態量が固定されているとき、静翼流出速度Vを大きくするには、静・動翼間での比エンタルピーh1を小さくして、静翼の比エンタルピー差Δhを大きくする必要があるが、静・動翼間での比エンタルピーh1は静翼出口の旋回速度場によって外周側ほど大きくなり、翼長が長くなるほど、旋回速度場の影響が強くなり、h1を小さくすることは難しくなる。すなわちVを大きくすることは難しくなる。
翼長や平均半径が大きくなることにより動翼外周端の半径位置が大きくなるために、動翼周速が大きくなり、動翼8に流入する作動流体の音速で動翼8の入口外周部の回転周速を割った動翼外周端周速マッハ数が1.0を超えると、動翼8に流入する作動流体の動翼8に対する相対速度が超音速となる可能性がある。動翼外周端周速マッハ数が1.7を超えると、動翼8に対する作動流体の相対速度は完全に超音速となる。動翼に対する作動流体の相対速度が超音速となると、動翼前縁,後縁部に衝撃波が発生し、衝撃波損失が生じてしまう。そのため、タービン効率の低下が生じてしまう。
図13は、翼長や平均半径が大きくなることにより外周端の半径位置が大きくなるために、動翼周速が大きくなるときの、動翼相対流入マッハ数Mr1の翼高さ方向分布である。図14で説明したように、外周側では、マッハ数が1.0を越え、超音速流入となっていることがわかる。
ここで、外周側の静翼の比エンタルピー差Δhを大きくするために、段落のエンタルピー差H0−h2自体を大きくすると、内周端の動翼相対流入マッハ数が1.0を越え超音速流入となるために、段落全体のエンタルピー差を大きくすることでは、超音速流入の問題を解決することは難しい。
本実施の形態の説明に戻る。図3に、静翼外周側側壁面9上での、静翼7と高温高圧作動流体を放出するための噴出口12の開口部16との関係を示す。噴出口12の開口部16は、静翼翼間流路の最も狭くなったスロートと呼ばれる部分近傍に設ける。また、開口部16の形状は、スロートに沿ったスリットとする。さらに、図1に示すように、静翼7の外周部は、タービン中心軸20を含む面(子午面)とこの静翼7の外周部との交線である外径線が前段落の動翼出口部から同じ段落を構成する動翼入口部にかけて径方向外側に傾斜しており、静翼7の部分では直線的に(あるいは単調に)作動流体主流路4の半径が増している。即ち、静翼の入口部の半径方向高さ(段落入口流路高さ)に対して該静翼の出口部の半径方向高さが高くなっている。そこで、スリット状の開口部16自体は、タービン中心軸方向に向って開口させる。なお、必ずしもタービン軸方向とする必要はなく、若干外周側に向って開口させても良い。開口部16をタービン中心軸方向もしくは若干外周側に向って開口させることで、中空部11の作動流体を、作動流体主流の流れ方向下流側に向かって噴出し、開口部から噴出される作動流体の流れを静翼外周側側壁面に沿った流れにでき、作動流体の流れへの影響を小さくすることができる。
噴出口12の開口部16を、静翼翼間流路の最も狭くなったスロートと呼ばれる部分近傍に設けた理由について説明する。静翼の翼間流路において、静翼入口部からスロート部までは、流路面積が減少するため圧力は減少し、スロートでは圧力はほぼ一定となる。一方、その下流では、子午面の拡がりによりむしろ圧力は増加する。そのため、作動流体主流路4の半径が増し、外周側側壁面の外周側への拡がり角が大きい場合には、圧力上昇も大きくなり、外周側側壁面の側壁境界層が巻き上がり、強い二次流れ渦が生じる。長翼化により外周側側壁面の外周側への拡がり角がさらに大きくなった場合には、はく離が起きる可能性もある。本実施の形態では、開口部16をスロート部分に設けることで、スロート部からの作動流体の吹き出しにより、側壁近傍の流れに運動エネルギーが与えられ、加速されるため、境界層厚さの増加やはく離を抑制することができる。また、高温の作動流体が噴き出され、側壁上の水膜と混合されることで、水膜は蒸発し、蒸発しきれなかった水膜も開口部16からの噴流との激しい混合により微細化されて主流中に放出される。微細化された液滴は作動流体主流とほぼ同じ速度で流れ、その大部分は動翼と衝突することなく、動翼翼間を流れるため、エロージョン量は低減できる。従って、本実施の形態によれば、噴出口12の開口部16を、静翼翼間流路の最も狭くなったスロートと呼ばれる部分近傍に設けることにより、長翼化によって外周側側壁面の外周側への拡がり角が大きくなった場合においても、境界層厚さの増加やはく離を抑制でき、タービン効率を向上させることができる。
次に、図15に、本実施の形態により動翼の相対流入速度の増加が低減される効果を模式的に表す。本実施の形態によれば、噴出口12の開口部16を、静翼翼間流路の最も狭くなったスロートと呼ばれる部分近傍に設け、開口部16の形状を、タービン軸方向もしくは外周側に向って開口する、スロートに沿ったスリット状にしたことで、噴出口12からの吹き出し流れにより、外周側静翼流出速度の流速をV1からV2に大きくすることが可能となる。外周側静翼流出速度の流速をV1からV2に加速することで、その旋回速度成分もVT1からVT2に大きくすることができ、周速Uが同じにもかかわらず、動翼に流入する相対速度W1をW2に減速させることができる。本実施形態によれば、動翼に流入する相対速度W1をW2に減速でき、これにより超音速流入を回避できる。従って、動翼入口の衝撃波の発生を抑制し、それに伴う損失の増加を回避することが可能となる。
本効果は、特に低圧タービン最終段落に好適である。
次に、図4に、静翼外周側側壁面9上での、静翼7と高温高圧の作動流体を放出するための噴出口12との図3とは別の関係を示す。
子午面上での外周側側壁の拡がり角が大きい場合、静翼間では絞り流路となっていても、翼高さ方向の流路の拡がりが大きいために、三次元的には拡大流路となることがある。その場合、側壁での二次流れの巻き上がりやはく離は、静翼翼間のスロートより上流で起きる可能性がある。その場合、外周側ダイアフラム5の中空部11から高温高圧の作動流体を噴き出すスリットをより上流に設置することで、先に説明した本実施形態の効果をより確実に得ることができる。その場合、噴出口12の開口部16は、スロート部より作動流体流れ方向上流側に設け、図5に示す静翼の翼面静圧分布において、翼正圧面24の圧力P6と翼負圧面25の圧力P5が等しくなる、隣り合う静翼の互いに対向する翼正圧面24と翼負圧面25とを結ぶ線に沿った位置に設けると、吹き出し流れが、より翼間の主流に沿って流れやすくなる。この場合、開口部16の形状は、タービン軸方向、もしくは外周側に向って開口し、翼正圧面24の圧力P6と翼負圧面25の圧力P5が等しくなる点を結んだスリット状にするのが望ましい。
次に、図6に、噴出口12の変形例として、静翼外周側側壁面9上での、高温高圧蒸気を放出するための噴出口12を複数設けた図を示す。最下流側に設置する噴出口12の開口部16aとしては、前述した図3または図4に示した噴出口12の開口部構造を採用すれば良い。また最下流側に設置した噴出口12の上流側に設ける噴出口12の開口部16bとしては、図4に示した噴出口12の開口部構造を採用すれば良い。本変形例のような複数の噴出口12を設けることは、製作工程の増加につながるが、本実施形態の、超音速流入の回避,二次流れ巻き上がりやはく離を抑制,エロージョン量低減の効果をより大きく得ることが可能となる。
図10に、静翼外周側側壁面9上での、静翼7と高温高圧の作動流体を放出するための噴出口12とのさらに別の関係を示す。静翼の翼間にスリット状の開口部16を設けるためには、静翼翼間分のスリットを製作する必要がある。図10の構造では、開口部16は静翼出口の下流部に円周状に、周方向に延伸するスリット状に設ける。そして、その開口部16の内部に、開口部16から吹き出す流れ方向を静翼流出方向に合わせる案内板17を設ける。図11は、図10の構造を子午面で見た図であり、図12は、図10の構造を図11の矢印50で示す外周側から、面51で切り取って見た図である。また図12には、実際には面51より内周側にある静翼7の翼型を点線で示した。
図11に示すように、噴出口12はタービン軸方向に外周側ダイアフラム5を貫通し、中空部11と作動流体主流路4に連通している。そのため、開口部16は、タービン軸方向に開口している。また、図12に示すように、噴出口12の内部に、案内板17を静翼流出方向に傾けて、周方向に間隔を置いて複数個設けることで、噴出し流れ18の流れ方向を、静翼7からの作動流体主流の流出方向と合わせることが可能となる。
次に、図7に、作動流体吹き出しのための噴出口12の開口部16の形状(噴出口出口形状)を詳細に示す。噴出し流れ18が静翼外周側側壁面9に沿って流れるように、開口部16の下流側壁面を、タービン軸方向下流側に向って開口部外径が拡径するように曲面形状に形成する。子午面上では、開口部16の下流側壁面は、曲線部19となっている。
さらに、図8に示すように、開口部16の下流側壁面に形成された曲面部は、子午面上で見ると、下流側のタービン軸方向の幅を、上流側より小さくすることで、噴出し流れ8は、より確実に外周側側壁面9に沿って流れる。
さらに、図9に示すように、開口部16の上流側壁部に、開口部16から流出する噴出し流れ8の方向を、開口部下流側の静翼外周側側壁面に向って転向させる突起部21をフローガイドとして設けることで、噴出し流れ18を、より確実に外周側側壁面9に沿って流すことができる。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
図16は、本発明の一実施の形態に係る軸流タービンのタービン段落部の要部構造を表す子午面断面図である。この図において、先の第1の実施形態と同様の部分に相当する箇所には同符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、先に説明した第1の実施形態の構造に加えて、外周側ダイアフラム5の静翼外周側側壁面9上に多孔質のシート状構造体22をコーティング等により設ける。シート状構造体22は、多孔質であるため、静翼外周側側壁面9上を流れる水膜はシート状構造体22内に入り込む。そのため、中空部11に導入された高温の作動媒体で温度が高くなった外周側ダイアフラム5から、液滴が熱をもらうための面積が増加し、より多くの水膜を蒸発させることができる。
以上、本発明の実施形態を、軸流タービンの一例として作動媒体に蒸気を用いる蒸気タービンを例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、作動媒体に湿分が付加される軸流タービン、例えば高湿分利用ガスタービンにも適用可能である。
1 蒸気タービン
2 タービンロータ
3 タービンケーシング
4 作動流体主流路
5 外周側ダイアフラム
6 内周側ダイアフラム
7 静翼
8 動翼
9 静翼外周側側壁面
11,23 中空部
12 噴出口
13 作動流体導入流路
14,15 抽気部
16 開口部
17 案内板
18 噴出し流れ
19 曲線部
21 突起部
22 シート状構造体
24 翼正圧面
25 翼負圧面

Claims (11)

  1. 外周側静翼支持体に固定された静翼と、該静翼の作動流体流れ方向下流側でロータに固定された動翼とを有するタービン段落を備える軸流タービンであって、
    静翼入口部の半径方向高さに対し静翼出口部の半径方向高さが大きい静翼を有する前記タービン段落は、外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に、該タービン段落の静翼まわりを流れる作動流体よりも高温高圧の作動流体が導入され、導入された作動流体を前記静翼外周側側壁から作動流体主流路の下流側に向って噴出する構造を備え
    外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入される前記作動流体は、前記タービン段落の作動流体流れ方向上流側に設けられた上流側タービン段落の抽気部から導入し、
    外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入された前記作動流体を、前記静翼間の最も流路幅が狭くなるスロート部に沿って噴出することを特徴とする軸流タービン。
  2. 外周側静翼支持体に固定された静翼と、該静翼の作動流体流れ方向下流側でロータに固定された動翼とを有するタービン段落を備える軸流タービンであって、
    静翼入口部の半径方向高さに対し静翼出口部の半径方向高さが大きい静翼を有する前記タービン段落は、外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に、該タービン段落の静翼まわりを流れる作動流体よりも高温高圧の作動流体が導入され、導入された作動流体を前記静翼外周側側壁から作動流体主流路の下流側に向って噴出する構造を備え、
    外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入される前記作動流体は、前記タービン段落の作動流体流れ方向上流側に設けられた上流側タービン段落の抽気部から導入し、
    外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入された前記作動流体を、隣り合う前記静翼の互いに対向する正圧面と負圧面の圧力が等しい点を結ぶ線に沿って噴出することを特徴とする軸流タービン。
  3. 外周側静翼支持体に固定された静翼と、該静翼の作動流体流れ方向下流側でロータに固定された動翼とを有するタービン段落を備える軸流タービンであって、
    静翼入口部の半径方向高さに対し静翼出口部の半径方向高さが大きい静翼を有する前記タービン段落は、外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に、該タービン段落の静翼まわりを流れる作動流体よりも高温高圧の作動流体が導入され、導入された作動流体を前記静翼外周側側壁から作動流体主流路の下流側に向って噴出する構造を備え、
    外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入される前記作動流体は、前記タービン段落の作動流体流れ方向上流側に設けられた上流側タービン段落の抽気部から導入し、 外周側静翼支持体の静翼外周側側壁の外周側に導入された前記作動流体を、前記静翼の作動流体流れ方向下流側から作動流体主流の静翼流出方向に沿って噴出することを特徴とする軸流タービン。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、
    前記タービン段落は、前記動翼の先端部の回転周速をこの動翼先端部に流入する作動流体の音速で割った動翼先端周速マッハ数が1.0を超えることを特徴とする軸流タービン。
  5. 外周側静翼支持体に固定された静翼と、該静翼の作動流体流れ方向下流側でロータに固定された動翼とを有するタービン段落を備える軸流タービンであって、
    静翼入口部の半径方向高さに対し静翼出口部の半径方向高さが大きい静翼を有する前記タービン段落の外周側静翼支持体に、該タービン段落の静翼まわりを流れる作動流体よりも高温高圧の作動流体が導入される中空部と、該中空部と連通し、前記中空部に導入された作動流体を作動流体主流路に噴出する噴出口とを形成し、
    前記中空部を有するタービン段落の作動流体流れ方向上流側に設けられたタービン段落の抽気部で抽気した作動流体を前記中空部に導入し、
    前記噴出口は、前記静翼間の最も流路幅が狭くなるスロート部に沿って開口するスリット状の開口部を有することを特徴とする軸流タービン。
  6. 外周側静翼支持体に固定された静翼と、該静翼の作動流体流れ方向下流側でロータに固定された動翼とを有するタービン段落を備える軸流タービンであって、
    静翼入口部の半径方向高さに対し静翼出口部の半径方向高さが大きい静翼を有する前記タービン段落の外周側静翼支持体に、該タービン段落の静翼まわりを流れる作動流体よりも高温高圧の作動流体が導入される中空部と、該中空部と連通し、前記中空部に導入された作動流体を作動流体主流路に噴出する噴出口とを形成し、
    前記中空部を有するタービン段落の作動流体流れ方向上流側に設けられたタービン段落の抽気部で抽気した作動流体を前記中空部に導入し、
    前記噴出口は、隣り合う前記静翼の互いに対向する正圧面と負圧面の圧力が等しい点を結ぶスリット状の開口部を有することを特徴とする軸流タービン。
  7. 外周側静翼支持体に固定された静翼と、該静翼の作動流体流れ方向下流側でロータに固定された動翼とを有するタービン段落を備える軸流タービンであって、
    静翼入口部の半径方向高さに対し静翼出口部の半径方向高さが大きい静翼を有する前記タービン段落の外周側静翼支持体に、該タービン段落の静翼まわりを流れる作動流体よりも高温高圧の作動流体が導入される中空部と、該中空部と連通し、前記中空部に導入された作動流体を作動流体主流路に噴出する噴出口とを形成し、
    前記中空部を有するタービン段落の作動流体流れ方向上流側に設けられたタービン段落の抽気部で抽気した作動流体を前記中空部に導入し、
    前記噴出口は、前記静翼の作動流体流れ方向下流側に設けられ、タービン周方向に延伸して開口するスリット状の開口部を有し、
    前記噴出口内部に、該開口部から流出する作動流体の流れ方向を、作動流体主流の静翼流出方向に転向させる案内板を設けたことを特徴とする軸流タービン。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、
    前記噴出口の開口部外径がタービン軸方向下流側に向って拡径するように、前記噴出口の開口部の下流側壁面を曲面形状に形成したことを特徴とする軸流タービン。
  9. 請求項8記載の軸流タービンにおいて、
    前記噴出口の開口部の上流側壁部に、前記開口部から流出する作動流体の流れ方向を、該開口部下流側の静翼外周側側壁面に向って転向させるフローガイド部を設けたこと
    を特徴とする軸流タービン。
  10. 請求項5乃至9のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、
    前記中空部を有するタービン段落は、前記動翼の先端部の回転周速をこの動翼先端部に流入する作動流体の音速で割った動翼先端周速マッハ数が1.0を超えることを特徴とする軸流タービン。
  11. 請求項5乃至10のいずれか1項記載の軸流タービンにおいて、
    前記外周側静翼支持体の静翼外周側側壁面上に多孔質状のシートを設けたことを特徴とする軸流タービン。
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