JP5917275B2 - 蒸気タービン翼および蒸気タービン - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は,蒸気タービン翼および蒸気タービンに関する。
発電システム等で蒸気タービンが用いられている。ボイラ等で発生した蒸気が流入することで,蒸気タービンが回転される。蒸気タービンは,例えば,高圧タービン,中圧タービン,低圧タービン等の複数のタービンに区分され,順に蒸気が流入する。蒸気タービンを通過した蒸気は復水器で凝縮し水となる。
図10は,従来の蒸気タービンの内,低圧タービン10xの最終段付近を表す断面図である。図10は,低圧タービン10xを子午面から見た断面を表す。低圧タービン10xは,回転軸11,内周側部材12,外周側部材13,静翼14,動翼15を有する。
回転軸11は,動翼15(および図示しないロータ)の回転の中心軸である。
内周側部材12は,低圧タービン10xの内周側に配置される部材,例えば,静翼14の内輪や動翼15が繋がっているロータの一部である。外周側部材13は,低圧タービン10xの外周側に配置される部材,例えば,静翼14の外輪やダイヤフラムやケーシングである。内周側部材12,外周側部材13の間が,動作流体たる蒸気(蒸気流31)が流れる蒸気流路16となる。
静翼14,動翼15は,回転軸11に沿って,交互に複数(n段)が配置される。即ち,静翼14,動翼15は,例えば,初段静翼14(1),初段動翼15(1),……,最終直前段静翼14(n−1),最終直前段動翼15(n−1),最終段静翼14(n),最終段動翼15(n)のように順に配置される。但し,図10では,最終直前段静翼14(n−1),最終直前段動翼15(n−1),最終段静翼14(n),最終段動翼15(n)以外の静翼14,動翼15の記載を省略している。
静翼14は,回転しないように固定されている。動翼15は,蒸気によって回転される。蒸気流31の上流側,下流側の,静翼14,動翼15の端部が前縁17,後縁18である。後縁18の外周側が外周側外縁181である。
低圧タービン10xに導入された蒸気流31は,蒸気流路16内を回転軸11に沿って流れ,膨張する。この膨張過程で蒸気の温度,圧力が低くなっていく。そして,低圧タービン10xの最終段,最終直前段付近において,圧力が充分に低くなり,蒸気流31中の蒸気の一部が,蒸気流路16内で凝縮し水滴32が発生する。即ち,蒸気流31の状態が,蒸気(気体)のみの状態(乾き蒸気)から,蒸気(気体)と水滴32(微小な液体)の双方を含む状態(湿り蒸気)に変化する。
この水滴32は,通常,最終段静翼14(n)より上流,例えば,図10では,最終直前段動翼15(n−1)付近にて発生し,蒸気流31の下流方向に流される。その際,水滴32は蒸気流31に沿わず,経路Rに示すように,内周側部材12側から外周側部材13側に向かいながら下流に流れていく。
一部の水滴32は最終段静翼14(n)の表面に衝突,付着し,この表面上を後縁18に向かって流れる。このとき,水滴32同士が合体して水膜を形成する場合もある。最終段静翼14(n)の後縁18に達した水滴32は,その表面から剥がれて,蒸気流31中に戻り,その内の一部は最終段動翼15(n)の表面に衝突する。最終段静翼14(n)に衝突しなかった水滴32の一部も最終段動翼15(n)の表面に衝突する。このように最終段動翼15(n)表面に水滴32が衝突することが,エロージョン(侵食)の原因になる。
水滴32の衝突は最終段動翼15(n)の回転に対する制動作用をもたらすほか,水滴32の加速のために蒸気のエネルギが消費されるなど,湿り損失としてタービン効率低下の原因になる。
最終段静翼14(n)の翼長方向に垂直な断面とした翼断面を図11に示し,その内の後縁18付近を図12に示す。
翼背側141,翼腹側142それぞれにて,背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が水滴流れ方向D1,D2に示すように流れる。後縁18に到達した背側水滴32(1),腹側水滴32(2)は合体して,大きな合体水滴32(3)になることがある。その後,合体水滴32(3)は最終段静翼14(n)表面から剥がれ,方向D3に向かって蒸気流31中に離脱していく。
なお,水滴32同士が合体して形成された水膜は,最終段静翼14(n)表面を下流側に進んだ後,後縁18に到達して蒸気流31中へ離脱する際,複数の水滴32に分裂しながら剥がれていく。その水滴32についても背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が合体し大きな合体水滴32(3)になることがある。この合体水滴32(3)は最終段静翼14(n)表面から剥がれ,方向D3に向かって蒸気流31中に離脱していく。
上記では最終段静翼14(n)表面上の水滴32について説明しているが,蒸気が湿り域である領域であれば,最終段静翼14(n)以外の静翼14でも同様の状態となる。例えば,最終直前段静翼14(n−1)の表面においても,蒸気が湿り域であれば水滴32が流れ,翼長方向に垂直な断面では図11,図12と同様に,背側水滴32(1)と腹側水滴32(2)が後縁18で合体して,大きな合体水滴32(3)になることがある。その後,合体水滴32(3)は最終直前段静翼14(n−1)表面から方向D3に向かって剥がれていく。最終直前段静翼14(n−1)表面から剥がれた水滴32は蒸気流れ31中に戻り,その内の一部は最終直前段動翼15(n−1)の表面に衝突する。最終直前段動翼15(n−1)表面に水滴32が衝突することが,最終段動翼15(n)と同様にエロージョンや湿り損失の原因になる。最終直前段動翼15(n−1)に衝突しなかった水滴32の一部は最終段静翼14(n)表面に衝突し,それにも衝突しなかった水滴32の一部は最終段動翼15(n)表面に衝突する。
最終直前段動翼15(n−1)に衝突した水滴32は,最終直前段動翼15(n−1)表面上にて,動翼が回転しているため遠心力を受け,下流側だけでなく外周側部材13側にも向かって流れようとする。翼断面上における流れ方向に限定して断面図上に示すとすれば,図11,図12の水滴流れ方向D1,D2と同じになる。最終直前段動翼15(n−1)表面を下流側に進んだ後,後縁18に到達し,蒸気流中へ離脱する。この際,この水滴32についても,背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が合体し大きな合体水滴32(3)になり,その後,最終直前段動翼15(n−1)表面から剥がれ,蒸気流31中に離脱していく。水滴32の一部は最終段静翼14(n)表面に衝突し,それにも衝突しなかった水滴32の一部は最終段動翼15(n)表面に衝突し,エロージョンや湿り損失の原因になる。
特開2009−138540号公報
最終段動翼15(n)や最終直前段動翼15(n−1)に衝突する水滴32の粒径が充分に小さければ,時間当たりの水滴32の合計質量が同じであっても,エロージョンや湿り損失は小さくなる。よって,水滴32の粒径が大きくなることを抑制し,エロージョンや湿り損失の低減を図ることが好ましい。そのために,最終段静翼14(n),最終直前段静翼14(n−1),および最終直前段動翼15(n−1)の後縁18にて剥がれる水滴32の粗大化を防止することが望ましい。
本発明は,蒸気タービンの最終段付近の翼に衝突する水滴の粒径の粗大化を抑制し,翼でのエロージョンや湿り損失の低減を図った蒸気タービン翼および蒸気タービンを提供することを目的とする。
実施形態の蒸気タービン翼は,蒸気タービン内部の湿り蒸気が流通する箇所に配置された静翼であり,前記静翼の翼本体の後縁端の全部または一部に配置される翼長方向の溝と,を具備する。
本発明によれば,蒸気タービンの最終段付近の翼に衝突する水滴の粒径の粗大化を抑制し,翼でのエロージョンや湿り損失の低減を図れる。
第1の実施形態に係る低圧タービンの一部断面図である。 第1の実施形態に係る静翼の断面図である。 第1の実施形態に係る静翼(動翼)の一部拡大断面図である。 第1の実施形態の変形例に係る静翼(動翼)の一部拡大断面図である。 第2の実施形態に係る低圧タービンの一部断面図である。 第3の実施形態に係る低圧タービンの一部断面図である。 第3の実施形態に係る静翼の断面図である。 第3の実施形態に係る静翼(動翼)の一部拡大断面図である。 第4の実施形態に係る低圧タービンの一部断面図である。 従来例に係る低圧タービンの一部断面図である。 従来例に係る静翼の断面図である。 従来例に係る静翼(動翼)の一部拡大断面図である。
以下,図面を参照して,実施形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態を説明する。図1は,第1の実施形態に係る低圧タービン10の一部断面図である。図2は,翼長方向に垂直な断面とした静翼14の断面図であり,図3はその一部を拡大した拡大断面図である。
低圧タービン10は,従来例の低圧タービン10x同様,回転軸11,内周側部材12,外周側部材13,静翼14,動翼15を有する。低圧タービン10は,最終段静翼14(n)が溝41を有する点で,低圧タービン10xと異なる。その他の点で,低圧タービン10は,従来例の低圧タービン10xと実質的に異なるところが無いので,共通する箇所についての説明を省略する。
この溝41は,図3に示すように,最終段静翼14(n)の後縁18に,翼長方向に設けられる。図1では,溝41は,外周側外縁181(後縁18の全長の半分の位置を基準とする外周側半分)に配置される。即ち,溝41の両端が,後縁18の(1)外周端と(2)外周端と内周端の中央に配置される。図1の経路Rに示すように,水滴32が内周側から外周側に移動する傾向があることから,水滴32が付着する場所は最終段静翼14(n)の外周寄りが多くなり,後縁18にても内周側より,外周側での水滴32が多く存在するからである。後縁18の内,水滴32が存在しないあるいは少ない場所に溝41を設けないことで,後縁18に溝41を設けるという容易ではない加工の分量がより少なくなる。
但し,場合により,外周側外縁181の一部のみ,あるいは外縁181の全長に亘って,溝41を配置しても良い。
図3では,溝41の断面形状は,矩形であるが,矩形としなくても良い。例えば,図4に示すように溝41の断面形状をV字形状としても良いし,U字形状等とすることも可能である。背側水滴32(1),腹側水滴32(2)の合体が防止できれば,溝41の断面形状は問われない。
図2,図3に示すように,翼背側141,翼腹側142それぞれにて背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が水滴流れ方向D1,D2に示すように流れる。後縁18に到達した背側水滴32(1),腹側水滴32(2)は溝41の存在のために,それぞれその場の尖り部分にて最終段静翼14(n)表面から剥がれ,非合体水滴32(4),32(5)として,蒸気流32中に方向D4,D5に離脱する。よって,背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が合体して,大きな合体水滴32(3)になることはない。
水滴32同士が合体して形成された水膜が後縁18にて複数の水滴32に分裂した際の水滴32についても,背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が合体し大きな合体水滴32(3)になることはない。
よって,最終段動翼15(n)や最終直前段動翼15(n−1)に衝突する水滴32の粒径を粗大化することを抑制され,エロージョンや湿り損失は小さくなる。
本実施形態では最終段静翼14(n)に溝41を配置しているが,低圧タービン10内部の流通蒸気が湿り蒸気である場所に設置した静翼14であれば,溝41を設けることで,水滴32の粒径の粗大化を防止できる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態を説明する。図5は,第2の実施形態に係る低圧タービン10aの一部断面図である。低圧タービン10aは,最終段静翼14(n)ではなく最終直前段動翼15(n−1)が溝41を有する点で,低圧タービン10と異なる。その他の点で,低圧タービン10aは,第1の実施形態の低圧タービン10と実質的に異なるところが無いので,共通する箇所についての説明を省略する。
この溝41は,最終直前段動翼15(n−1)の後縁18に,翼長方向に設けられる。図5では,溝41は,外周側外縁181(後縁18の全長の半分の位置を基準とする外周側半分)に配置される。即ち,溝41の両端が,後縁18の(1)外周端と(2)外周端と内周端の中央と,に配置される。第1の実施形態と同様に,図5の経路Rに示すように,水滴32が内周側から外周側に移動する傾向があることから,水滴32が衝突し付着する場所は最終直前段動翼15(n−1)の外周寄りが多くなり,さらに最終直前段動翼15(n−1)に衝突した水滴32は動翼表面上にて,動翼が回転しているため遠心力を受け,下流側だけでなく外周側にも向かって流れようとし,後縁18にても内周側より,外周側での水滴32が多く存在するからである。後縁18の内,水滴32が存在しないあるいは少ない場所に溝41を設けないことで,後縁18に溝41を設けるという容易ではない加工の分量がより少なくなる。
但し,場合により,外周側外縁181の一部のみ,あるいは外縁181の全長に亘って,溝41を配置しても良い。
第1の実施形態と同様に,溝41の断面形状は,矩形,V字形状,U字形状等,種々の形状とすることが可能である。背側水滴32(1),腹側水滴32(2)の合体が防止できれば,溝41の断面形状は問われない。
静翼14と異なり,動翼15は回転する。このため,動翼15上の水滴32は,動翼15の回転による遠心力を受け,下流側だけでなく,外周側部材13側にも向かって流れようとする。この流れの方向に沿う,動翼15の断面形状を考えると,実質的に図2,図3と同様な形状の図となる。
図2,図3と同様に,最終直前段動翼15(n−1)の背側,腹側それぞれにて背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が流れる。後縁18に到達した背側水滴32(1),腹側水滴32(2)は溝41の存在のために,それぞれその場の尖り部分にて最終直前段動翼15(n−1)表面から剥がれ,非合体水滴32(4),32(5)として,蒸気流32中に方向D4,D5に離脱する。よって,背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が合体して,大きな合体水滴32(3)になることはない。
水滴32同士が合体して形成された水膜が後縁18にて複数の水滴32に分裂した際の水滴32についても,背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が合体し大きな合体水滴32(3)になることはない。
よって,最終段動翼15(n)や最終直前段動翼15(n−1)に衝突する水滴32の粒径を粗大化することを抑制され,エロージョンや湿り損失は小さくなる。
本実施形態では最終直前段動翼15(n−1)に溝41を配置しているが,低圧タービン10内部の流通蒸気が湿り蒸気である場所に設置した動翼15であれば,溝41を設けることで,水滴32の粒径の粗大化を防止できる。なお,最終段動翼15(n)に溝41を配置しても,最終段より下流には水滴32が衝突する動翼15が存在しないため,エロージョンや湿り損失は小さくなることはない。
<第3の実施形態>
第3の実施形態を説明する。図6は,第3の実施形態に係る低圧タービン10bの一部断面図である。図7は,静翼14の翼方向に垂直な断面とした断面図であり,図8はその一部を拡大した拡大断面図である。
低圧タービン10bは,最終段静翼14(n)が,溝41ではなく,撥水性(疎水性)部42を有する点で,低圧タービン10aと異なる。その他の点で,低圧タービン10aは,第1の実施形態の低圧タービン10と実質的に異なるところが無いので,共通する箇所についての説明を省略する。
撥水性(疎水性)部42は,撥水性処理あるいは疎水性処理を施した表面部分であり,即ち,撥水性(または疎水性)を有する材料からなる被覆層である。撥水性,疎水性は,水に対する親和性が低く,水をはじく性質を有することを意味する。撥水性は,水をはじく性質を,疎水性は,水に対する親和性に着目しているが,ここでは,実質的に共通すると考えることとする。
最終段静翼14(n)に撥水性(または疎水性)を有する材料の層を形成することで,撥水性(疎水性)部42を形成できる。最終段静翼14(n)に接している蒸気は高温ではないので,撥水性(疎水性)材料として,一例として,非晶質炭素もしくはプラズマ重合したポリマーを利用できる。これらの材料は、水の表面張力と比較して低い表面エネルギを有し、疎水性もしくは撥水性を生じる。また,非晶質炭素もしくはプラズマ重合したポリマーは、典型的な翼材料上への付着性が良好である。
この撥水性(疎水性)部42は,最終段静翼14(n)の後縁18に,翼長方向に設けられる。図6では,撥水性(疎水性)部42は,外周側外縁181(後縁18の全長の半分の位置を基準とする外周側半分)に配置される。即ち,撥水性(疎水性)部42の両端が,後縁18の(1)外周端と(2)外周端と内周端の中央に配置される。図6の経路Rに示すように,水滴32が内周側から外周側に移動する傾向があることから,水滴32が付着する場所は最終段静翼14(n)の外周寄りが多くなり,後縁18にても内周側より,外周側での水滴32が多く存在するからである。後縁18の内,水滴32が存在しないあるいは少ない場所に撥水性(疎水性)部42を設けないことで,後縁18に撥水性(疎水性)部42を設けるという容易ではない加工の分量がより少なくなる。
但し,場合により,外周側外縁181の一部のみ,あるいは外縁181の全長に亘って,溝41を配置しても良い。
図7,図8に示すように,翼背側141,翼腹側142それぞれにて背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が水滴流れ方向D1,D2に示すように流れる。後縁18に到達した背側水滴32(1),腹側水滴32(2)は撥水性(疎水性)部42により,最終段静翼14(n)表面から剥がれやすくなる。そのため,それぞれ撥水性(疎水性)部42に入った場所にて最終段静翼14(n)表面から剥がれ,非合体水滴32(4),32(5)として蒸気流中に離脱する。よって,背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が合体して,大きな合体水滴32(3)になることはない。
水滴32同士が合体して形成された水膜が後縁18にて複数の水滴32に分裂した際の水滴32についても背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が合体し大きな合体水滴32(3)になることはない。
よって,最終段動翼15(n)や最終直前段動翼15(n−1)に衝突する水滴32の粒径を粗大化することを抑制され,エロージョンや湿り損失は小さくなる。
本実施形態では最終段静翼14(n)に撥水性(疎水性)部42を配置しているが,低圧タービン10内部の流通蒸気が湿り蒸気である場所に設置した静翼14であれば,撥水性(疎水性)部42を設けることで,水滴32の粒径の粗大化を防止できる。
<第4の実施形態>
第4の実施形態を説明する。図9は,第4の実施形態に係る低圧タービン10cの一部断面図である。低圧タービン10cは,最終段静翼14(n)ではなく最終直前段動翼15(n−1)が撥水性(疎水性)部42を有する点で,低圧タービン10bと異なる。その他の点で,低圧タービン10cは,第3の実施形態の低圧タービン10bと実質的に異なるところが無いので,共通する箇所についての説明を省略する。
この撥水性(疎水性)部42は,最終直前段動翼15(n−1)の後縁18に,翼長方向に設けられる。図9では,撥水性(疎水性)部42は,外周側外縁181(後縁18の全長の半分の位置を基準とする外周側半分)に配置される。即ち,撥水性(疎水性)部42の両端が,後縁18の(1)外周端と(2)外周端と内周端の中央に配置される。図9の経路Rに示すように,水滴32が内周側から外周側に移動する傾向があることから,水滴32が衝突し付着する場所は,最終直前段動翼15(n−1)の外周寄りが多くなり,さらに最終直前段動翼15(n−1)に衝突した水滴32は動翼表面上にて動翼が回転しているため遠心力を受け,下流側だけでなく外周側にも向かって流れようとし,後縁18の内周側より,外周側での水滴32が多く存在するからである。後縁18の内,水滴32が存在しないあるいは少ない場所に撥水性(疎水性)部42を設けないことで,後縁18に撥水性(疎水性)部42を設けるという容易ではない加工の分量がより少なくなる。
但し,場合により,外周側外縁181の一部のみ,あるいは外縁181の全長に亘って,溝41を配置しても良い。
静翼14と異なり,動翼15は回転する。このため,動翼15上の水滴32は,動翼15の回転による遠心力を受け,下流側だけでなく,外周側部材13側にも向かって流れようとする。この流れの方向に沿う,動翼15の断面形状を考えると,実質的に図7,図8と同様な形状の図となる。
図7,図8と同様,最終直前段動翼15(n−1)の背側,腹側それぞれにて背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が流れる。後縁18に到達した背側水滴32(1),腹側水滴32(2)は撥水性(疎水性)部42により,最終直前段動翼15(n−1)表面から剥がれ,非合体水滴32(4),32(5)として,蒸気流32中に方向D4,D5に離脱する。よって,背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が合体して,大きな合体水滴32(3)になることはない。
水滴32同士が合体して形成された水膜が後縁18にて複数の水滴32に分裂した際の水滴32についても,背側水滴32(1),腹側水滴32(2)が合体し大きな合体水滴32(3)になることはない。
よって,最終段動翼15(n)や最終直前段動翼15(n−1)に衝突する水滴32の粒径を粗大化することを抑制され,エロージョンや湿り損失は小さくなる。
本実施形態では最終直前段動翼15(n−1)に撥水性(疎水性)部42を配置しているが,低圧タービン10内部の流通蒸気が湿り蒸気である場所に設置した動翼15であれば,撥水性(疎水性)部42を設けることで,水滴32の粒径の粗大化を防止できる。なお,最終段動翼15(n)に撥水性(疎水性)部42を配置しても,最終段より下流には水滴32が衝突する動翼15が存在しないため,エロージョンや湿り損失は小さくなることはない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが,これらの実施形態は,例として提示したものであり,発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は,その他の様々な形態で実施されることが可能であり,発明の要旨を逸脱しない範囲で,種々の省略,置き換え,変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は,発明の範囲や要旨に含まれるとともに,特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
第1の実施形態では,静翼14に,第2の実施形態では,動翼15に,溝41を形成した。これに対して,静翼14,動翼15の双方に溝41を形成しても良い。第3の実施形態では,静翼14に,第4の実施形態では,動翼15に,撥水性(疎水性)部42を形成した。これに対して,静翼14,動翼15の双方に撥水性(疎水性)部42を形成しても良い。
また,溝41と撥水性(疎水性)部42が混在して配置されても良い。例えば,静翼14に溝41を動翼15に撥水性(疎水性)部42を形成しても良く,また溝41と撥水性(疎水性)部42の配置をこの逆としても良い。
10 低圧タービン
11 回転軸
12 内周側部材
13 外周側部材
14 静翼
15 動翼
16 蒸気流路
17 前縁
18 後縁
32 水滴
41 溝
42 撥水性(疎水性)部
141 翼背側
142 翼腹側

Claims (7)

  1. 蒸気タービン内部の湿り蒸気が流通する箇所に配置された静翼であり,
    前記静翼の翼本体の後縁端の全部または一部に配置される翼長方向の溝,
    を具備する蒸気タービン翼。
  2. 蒸気タービン内部の湿り蒸気が流通する箇所に配置された最終段でない動翼であり,
    前記動翼の翼本体の後縁端の全部または一部に配置される翼長方向の溝,
    を具備する蒸気タービン翼。
  3. 前記溝が,蒸気タービン外周側半分の場所の全部あるいは一部に配置される
    請求項1または2に記載の蒸気タービン翼。
  4. 蒸気タービン内部の湿り蒸気が流通する箇所に配置された静翼であり,
    前記静翼の翼本体の腹側と背側との境界である後縁端のみの全部または一部に翼長方向に配置され撥水性処理または疎水性処理を施した表面,
    を具備する蒸気タービン翼。
  5. 蒸気タービン内部の湿り蒸気が流通する箇所に配置された最終段でない動翼であり,
    前記動翼の翼本体の後縁端の全部または一部に翼長方向に配置される撥水性処理または疎水性処理を施した表面,
    を具備する蒸気タービン翼。
  6. 前記撥水性処理または疎水性処理を施した表面が,蒸気タービン外周側半分の場所の全部あるいは一部に配置される
    請求項4または5に記載の蒸気タービン翼。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の蒸気タービン翼を有する蒸気タービン。
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