JP2013148039A - 蒸気タービン - Google Patents

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研太郎 谷
Naoki Shibukawa
直紀 渋川
Sakae Kawasaki
榮 川崎
Akihiro Onoda
昭博 小野田
Tomohiko Tsukuda
知彦 佃
Shinichiro Ohashi
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Abstract

【課題】静翼の表面を加熱するための加熱蒸気の流量を抑制しつつ、静翼の表面などに付着した凝縮水を気化させて除去することができる蒸気タービンを提供する。
【解決手段】実施形態の蒸気タービン10は、最終のタービン段落において、静翼25が静翼中空部30を備える。ダイアフラム外輪23は、上半側ダイアフラム外輪中空部40を有する上半側ダイアフラム外輪23a、下半側ダイアフラム外輪中空部41を有する下半側ダイアフラム外輪23b、ダイアフラム外輪連通孔44、45を備える。ダイアフラム内輪24は、上半側ダイアフラム内輪中空部60を有する上半側ダイアフラム内輪24a、下半側ダイアフラム内輪中空部61を有する下半側ダイアフラム内輪24b、ダイアフラム内輪連通孔64、65を備える。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、蒸気タービンに関する。
蒸気タービンにおいて、静翼(ノズル)や動翼は流れに対して抵抗となるため、静翼間や動翼間を蒸気が通過する際には、流れ場が乱れ、損失を伴う。蒸気タービンの翼列内で発生する主な損失として、翼素損失(以下、プロファイル損失)、翼列の根元部と先端部の壁面近傍から発生する二次損失、蒸気の一部が静止部と回転部の隙間を流れることによる漏洩損失などが挙げられる。
また、火力発電用の低圧タービンや原子力発電用の蒸気タービンにおいては、蒸気が水滴と混合した湿り蒸気であるため、上記した損失の他に湿り損失が発生する。湿り蒸気が通過する翼列内における湿り損失は、上記した他の損失と比較しても無視できないほど大きい。
湿り蒸気が作用する翼列内において、水滴は、翼列内で遠心力により先端部方向に移流する。また、半径方向の所定の高さにおける断面では、水滴は、蒸気よりも遅い流速で動翼に進入するため、水滴の速度三角形と蒸気の速度三角形とは大きく異なる。その結果、水滴は動翼に衝突する。湿り損失として、水滴発生時の熱力学的損失の他に、蒸気が水滴を加速させることによって発生する加速損失や、動翼の回転運動に対して水滴の衝突がブレーキとなることで発生する制動損失などがある。
湿り蒸気中の水滴のうち、静翼の表面に付着した水滴は、粗大水滴となって静翼の後縁から吹き千切れ、動翼に衝突する。これによって、例えば、動翼先端などにおいてエロージョン(侵食)が発生する。動翼が長翼化される近年では、特にエロージョンを発生しやすい条件となり、エロージョンの抑制は、高性能化とともに重要な課題である。
そこで、静翼の表面に付着した水滴を除去する方法として、様々な検討がなされている。例えば、静翼の表面に付着した水滴を除去する方法として、中空の静翼内に加熱媒体を流し、静翼の表面を加熱して水滴を気化させる技術などが検討されている。
特許第3617212号公報
しかしながら、従来における、静翼の表面を加熱して水滴を気化させる方法では、加熱するために使用される加熱蒸気の流量が多く、システム全体としての効率の向上を図ることは困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、静翼の表面を加熱するための加熱蒸気の流量を抑制しつつ、静翼の表面などに付着した凝縮水を気化させて除去することができる蒸気タービンを提供するものである。
実施形態の蒸気タービンは、タービンロータの周方向に複数の動翼を植設して構成された動翼翼列と、ダイアフラム外輪とダイアフラム内輪との間に周方向に複数の静翼を取り付けて構成され、前記動翼翼列とタービン段落を構成する静翼翼列とを備え、低圧となるタービン段落に湿り蒸気が流れる。
少なくとも最終のタービン段落において、前記静翼の少なくとも1つが、内部に静翼中空部を備える。また、前記ダイアフラム外輪が、前記静翼中空部を備える前記静翼を支持する部分に対応して周方向に形成された上半側ダイアフラム外輪中空部を有する上半側ダイアフラム外輪と、前記静翼中空部を備える前記静翼を支持する部分に対応して周方向に形成された、前記上半側ダイアフラム外輪中空部と連通しない下半側ダイアフラム外輪中空部を有する下半側ダイアフラム外輪と、前記上半側ダイアフラム外輪および前記下半側ダイアフラム外輪の内壁に形成され、支持する前記静翼の前記静翼中空部と前記上半側ダイアフラム外輪中空部または前記下半側ダイアフラム外輪中空部とを連通させるダイアフラム外輪連通孔と、前記上半側ダイアフラム外輪に一端が接続され、前記上半側ダイアフラム外輪中空部に加熱蒸気を供給する加熱蒸気供給管と、前記下半側ダイアフラム外輪に一端が接続され、前記下半側ダイアフラム外輪中空部から加熱蒸気を排出する加熱蒸気排出管とを備える。
前記ダイアフラム内輪が、前記上半側ダイアフラム外輪中空部と連通する前記静翼に対応して周方向に形成された上半側ダイアフラム内輪中空部を有する上半側ダイアフラム内輪と、前記下半側ダイアフラム外輪中空部と連通する前記静翼に対応して周方向に形成された、前記上半側ダイアフラム内輪中空部と連通する下半側ダイアフラム内輪中空部を有する下半側ダイアフラム内輪と、前記上半側ダイアフラム内輪および前記下半側ダイアフラム内輪の外壁に形成され、支持する前記静翼の前記静翼中空部と前記上半側ダイアフラム内輪中空部または前記下半側ダイアフラム内輪中空部とを連通させるダイアフラム内輪連通孔とを備える。
第1の実施の形態の蒸気タービンの鉛直方向の子午断面を示す図である。 第1の実施の形態の蒸気タービンが示された図1のA−A断面を示す図である。 第1の実施の形態の蒸気タービンが示された図2のB−B断面を示す図である。 第1の実施の形態の蒸気タービンにおける静翼の他の構成を示す断面図であり、図2のB−B断面に相当する断面を示している。 第1の実施の形態の蒸気タービンにおける静翼のさらに他の構成を示す断面図であり、図2のB−B断面に相当する断面を示している。 図5に示された第1の実施の形態の蒸気タービン10における、さらに他の構成の静翼を背側から見たときの斜視図である。 第1の実施の形態の蒸気タービンにおける静翼のさらに他の構成を示す断面図であり、図2のB−B断面に相当する断面を示している。 第2の実施の形態の蒸気タービンにおける静翼の構成を示す断面図であり、図2のB−B断面に相当する断面を示している。 第3の実施の形態の蒸気タービンにおける静翼の斜視図である。 第3の実施の形態の蒸気タービンにおける静翼のキャンバーラインに沿う断面を展開して示す図である。 第3の実施の形態の蒸気タービンにおける他の構成の静翼のキャンバーラインに沿う断面を展開して示す図である。 第4の実施の形態の蒸気タービンの断面を示す図であり、図1のA−A断面に相当する断面を示している。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の蒸気タービン10の鉛直方向の子午断面を示す図である。また、以下において、同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図1に示すように、蒸気タービン10は、ケーシング20を備え、このケーシング20内には、動翼21が植設されたタービンロータ22が貫設されている。動翼21を周方向に複数植設して動翼翼列を構成し、この動翼翼列をタービンロータ軸方向に複数段備えている。タービンロータ22は、図示しないロータ軸受によって回転可能に支持されている。
ケーシング20の内周には、タービンロータ22の軸方向に動翼21と交互になるように、ダイアフラム外輪23とダイアフラム内輪24に支持された静翼25(ノズル)が配設されている。静翼25を周方向に複数植設して静翼翼列を構成し、静翼翼列と直下流側に位置する動翼翼列とで一つのタービン段落を構成している。
タービンロータ22とケーシング20との間には、蒸気の外部への漏洩を防止するために、グランドシール部26が設けられている。
蒸気タービン10には、内部に蒸気を導入するための蒸気入口管27がケーシング20を貫通して設けられている。
なお、図示しないが、最終のタービン段落の下流側には、タービン段落において膨張仕事をした蒸気を排気するための排気流路が設けられている。この排気流路は、復水器(図示しない)に連通されている。また、ここで示された蒸気タービン10として、例えば、火力発電所などに備えられる低圧タービンなどが挙げられる。
次に、低圧となり湿り蒸気が流れるタービン段落の構成について説明する。
図2は、第1の実施の形態の蒸気タービン10が示された図1のA−A断面を示す図である。図3は、第1の実施の形態の蒸気タービン10が示された図2のB−B断面を示す図である。
なお、図2では、加熱蒸気の流れを矢印で示している。また、ここでは、蒸気タービン10における最終のタービン段落に、水滴や水膜などの凝縮水を気化させて除去する構成を備えた一例を示しているが、この構成に限られるものではない。例えばさらに上流側のタービン段落で凝縮水が発生する場合には、そのタービン段落に凝縮水を気化させて除去する構成を備えることができる(以下の他の実施の形態においても同じ)。
図2に示すように、ダイアフラム外輪23とダイアフラム内輪24との間に、静翼25が設けられている。静翼25は、図3に示すように、中空構造からなり、静翼25の内部には、静翼中空部30を有している。
ダイアフラム外輪23は、2つ割り構造で構成され、上半側ダイアフラム外輪23aおよび下半側ダイアフラム外輪23bから構成されている。上半側ダイアフラム外輪23aには、静翼中空部30を備える静翼25を支持する部分に対応して、周方向に広がる上半側ダイアフラム外輪中空部40が形成されている。すなわち、静翼中空部30を備える静翼25を支持する部分の上半側ダイアフラム外輪23aには、上半側ダイアフラム外輪中空部40が形成されている。
なお、ここでは、上半側のすべての静翼25が静翼中空部30を有するため、上半側の静翼25を支持する上半側ダイアフラム外輪23aの分割端部を除く周方向の範囲に上半側ダイアフラム外輪中空部40が形成されている。
下半側ダイアフラム外輪23bにも、上半側ダイアフラム外輪23aと同様に、静翼中空部30を備える静翼25を支持する部分に対応して、周方向に広がる下半側ダイアフラム外輪中空部41が形成されている。すなわち、静翼中空部30を備える静翼25を支持する部分の下半側ダイアフラム外輪23bには、下半側ダイアフラム外輪中空部41が形成されている。
なお、ここでは、下半側のすべての静翼25が静翼中空部30を有するため、下半側の静翼25を支持する下半側ダイアフラム外輪23bの分割端部を除く周方向の範囲に下半側ダイアフラム外輪中空部41が形成されている。
また、図2に示すように、上半側ダイアフラム外輪23aと下半側ダイアフラム外輪23bとの連結部は、それぞれ封鎖されており、上半側ダイアフラム外輪中空部40と下半側ダイアフラム外輪中空部41とがそれぞれ連通しない構成となっている。
上半側ダイアフラム外輪23aの内壁42には、上半側ダイアフラム外輪23aが支持する各静翼25の静翼中空部30と、上半側ダイアフラム外輪中空部40とを連通させるダイアフラム外輪連通孔44が形成されている。また、下半側ダイアフラム外輪23bの内壁43には、下半側ダイアフラム外輪23bが支持する各静翼25の静翼中空部30と、下半側ダイアフラム外輪中空部41とを連通させるダイアフラム外輪連通孔45が形成されている。
また、上半側ダイアフラム外輪23aには、上半側ダイアフラム外輪中空部40に加熱蒸気HSを供給する加熱蒸気供給管50の一端が接続されている。ここで、加熱蒸気HSとして、例えば、湿り蒸気が流れるタービン段落よりも上流側のタービン段落からの抽気、グランドシール部26からの抽気、ボイラからの抽気、高圧タービンまたは中圧タービンからの抽気などを使用することができる。
下半側ダイアフラム外輪23bには、上半側ダイアフラム外輪中空部40から加熱蒸気HSを排出する加熱蒸気排出管51の一端が接続されている。加熱蒸気排出管51の他端は、例えば、復水器(図示しない)に接続される。
ダイアフラム内輪24は、2つ割り構造で構成され、上半側ダイアフラム内輪24aおよび下半側ダイアフラム内輪24bから構成されている。上半側ダイアフラム内輪24aには、静翼中空部30を備える静翼25を支持する部分に対応して、周方向に広がる上半側ダイアフラム内輪中空部60が形成されている。すなわち、上半側ダイアフラム外輪中空部40と連通する静翼25を支持する部分の上半側ダイアフラム内輪24aには、上半側ダイアフラム内輪中空部60が形成されている。
なお、ここでは、上半側のすべての静翼25が静翼中空部30を有するため、上半側の静翼25を支持する上半側ダイアフラム内輪24aの周方向の全体に亘って上半側ダイアフラム内輪中空部60が形成されている。
下半側ダイアフラム内輪24bにも、上半側ダイアフラム内輪24aと同様に、静翼中空部30を備える静翼25を支持する部分に対応して、周方向に広がる下半側ダイアフラム内輪中空部61が形成されている。すなわち、下半側ダイアフラム外輪中空部41と連通する静翼25を支持する部分の下半側ダイアフラム内輪24bには、下半側ダイアフラム内輪中空部61が形成されている。
なお、ここでは、下半側のすべての静翼25が静翼中空部30を有するため、下半側の静翼25を支持する下半側ダイアフラム内輪24bの周方向の全体に亘って下半側ダイアフラム内輪中空部61が形成されている。
また、図2に示すように、上半側ダイアフラム内輪24aと下半側ダイアフラム内輪24bとの連結部において、上半側ダイアフラム内輪中空部60と下半側ダイアフラム内輪中空部61とがそれぞれ連通する構成となっている。
上半側ダイアフラム内輪24aの外壁62には、上半側ダイアフラム内輪24aが支持する各静翼25の静翼中空部30と、上半側ダイアフラム内輪中空部60とを連通させるダイアフラム内輪連通孔64が形成されている。また、下半側ダイアフラム内輪24bの外壁63には、下半側ダイアフラム内輪24bが支持する各静翼25の静翼中空部30と、下半側ダイアフラム内輪中空部61とを連通させるダイアフラム内輪連通孔65が形成されている。
ここで、蒸気タービン10の動作について、図1〜図3を参照して説明する。
蒸気入口管27を経て蒸気タービン10内に流入した蒸気は、各タービン段落の静翼25、動翼21を備える、徐々に拡大する蒸気通路28を膨張仕事をしながら通過し、タービンロータ22を回転させる。
下流に行くに伴って蒸気の圧力および温度は低下し、蒸気は凝縮して水滴となる。発生した水滴の一部は、静翼25や動翼21の表面に衝突して付着する。例えば、最終のタービン段落よりも一段上流側のタービン段落の動翼21によって外周側に飛ばされた水滴は、最終のタービン段落の静翼25の前縁付近や翼面上に付着して水膜流となって下流側に移動する。
加熱蒸気供給管50から上半側ダイアフラム外輪中空部40に供給された加熱蒸気HSは、周方向に広がり、各ダイアフラム外輪連通孔44を介して、上半側の各静翼25内の静翼中空部30に流入する。静翼中空部30に流入した加熱蒸気HSは、上半側の静翼25を全体的に加熱する。この際、上半側の静翼25に付着した凝縮水は、加熱されて気化され、静翼25の翼面上から除去される。また、上半側ダイアフラム外輪中空部40を加熱蒸気HSが通過する際、上半側ダイアフラム外輪23aの内壁42も加熱されるため、内壁42の表面に付着した凝縮水も加熱されて気化され、除去される。
上半側の静翼25を加熱した加熱蒸気HSは、ダイアフラム内輪連通孔64を介して上半側ダイアフラム内輪中空部60に流入する。上半側ダイアフラム内輪中空部60に流入した加熱蒸気HSは、周方向に広がり、下半側ダイアフラム内輪中空部61に流入する。
下半側ダイアフラム内輪中空部61に流入した加熱蒸気HSは、各ダイアフラム内輪連通孔65を介して、下半側の各静翼25内の静翼中空部30に流入する。静翼中空部30に流入した加熱蒸気HSは、下半側の静翼25を全体的に加熱する。この際、下半側の静翼25に付着した凝縮水は、加熱されて気化され、静翼25の翼面上から除去される。
下半側の静翼25を加熱した加熱蒸気HSは、ダイアフラム外輪連通孔45を介して下半側ダイアフラム外輪中空部41に流入する。下半側ダイアフラム外輪中空部41に流入した加熱蒸気HSは、加熱蒸気排出管51に流入し、復水器(図示しない)に排出される。ここで、下半側ダイアフラム外輪中空部41を加熱蒸気HSが通過する際、下半側ダイアフラム外輪23bの内壁43も加熱されるため、内壁43の表面に付着した凝縮水も加熱されて気化され、除去される。
上記したように、第1の実施の形態の蒸気タービン10によれば、上半側の静翼25の加熱に使用した加熱蒸気HSを下半側の静翼25の加熱にも使用することができる。そのため、加熱蒸気HSの流量を抑制することができ、システム全体としての効率の向上を図ることができる。
また、静翼25の翼面に付着した凝縮水は、気化させて除去されるため、静翼25の直下流に位置する動翼21におけるエロージョンを防止することができる。さらに、蒸気が水滴を加速させることによって発生する加速損失や、動翼の回転運動に対して水滴の衝突がブレーキとなることで発生する制動損失などの発生を防止することができる。そのため、タービン効率の向上を図ることができる。
ここで、第1の実施の形態の蒸気タービン10における静翼25の構成は、上記した構成に限られるものではない。図4は、第1の実施の形態の蒸気タービン10における静翼25の他の構成を示す断面図であり、図2のB−B断面に相当する断面を示している。
図4に示すように、静翼中空部30は、静翼25の翼長方向(図4では紙面に垂直な方向)に亘る2つの中空部31、32で構成されてもよい。この場合、中空部31と中空部32との間は壁部33で区分されている。中空部31、32は、図4に示すように、静翼25の前縁部および後縁部に形成されていることが好ましい。
この場合、各中空部31、32に加熱蒸気HSを供給し、各中空部31、32から加熱蒸気HSを排出できるように構成されている。すなわち、ダイアフラム外輪連通孔44、ダイアフラム内輪連通孔64、ダイアフラム内輪連通孔65、ダイアフラム外輪連通孔45は、例えば、各中空部31、32に対応する位置に、それぞれ複数形成される。
なお、ここでは、静翼中空部30が2つの中空部31、32から構成された一例を示しているが、静翼中空部30は、3つ以上の中空部から構成されてもよい。この場合においても、中空部は、静翼25の少なくとも前縁部および後縁部に形成されることが好ましい。
このように静翼25を構成することで、静翼25の前縁部および後縁部を局所的に加熱することができる。また、同じ流量の加熱蒸気HSを流す場合、図3のように静翼中空部30を1つの中空部で構成するよりも、流路断面積が小さくなる。そのため、加熱蒸気HSの流速が増加し、加熱蒸気HSと中空部の内壁面との熱伝達を向上させることができる。
図5および図7は、第1の実施の形態の蒸気タービン10における静翼25のさらに他の構成を示す断面図であり、図2のB−B断面に相当する断面を示している。図6は、図5に示された第1の実施の形態の蒸気タービン10における、さらに他の構成の静翼25を背側25aから見たときの斜視図である。
なお、ここでは、図4に示した静翼中空部30を2つの中空部31、32で構成したものを基本構造とした一例を示しているが、図3に示された、静翼中空部30が1つの中空部で構成される場合にも適用できる。
図5に示すように、静翼中空部30、すなわち中空部31、32が形成された領域に対応する静翼25の翼面に、凹部状の溝部34、35を形成してもよい。この溝部34、35は、例えば、前縁側から後縁側に、静翼25の翼面と滑らかにつながる凹部で構成されている。ここでは、中空部31が形成された部分に対応する静翼25の背側25aの翼面に溝部34が形成され、中空部32が形成された部分に対応する静翼25の腹側25bの翼面に溝部35が形成されている。
この溝部34、35は、静翼25の翼長方向(図5では紙面に垂直な方向)に形成されている。例えば、溝部34、35を静翼25の翼長方向の全域に亘って形成してもよいし、翼長方向の一部に形成してもよい。溝部34、35を翼長方向の一部に形成する場合、水滴群や翼面を移動しながら流れる水脈が形成される、例えば半径方向外周側の領域などに、溝部34、35を形成することが好ましい。
例えば、図6に示すように、翼面を移動しながら静翼25の後縁側に流れる水脈36は、静翼25の翼長方向に不均一な流れを形成する。このため、溝部34によって水脈36を構成する凝縮水を収集することで、静翼25の翼長方向に均一な水膜を形成することができる。これによって、溝部34に収集された凝縮水を静翼25の翼長方向に均一に加熱して気化させることができる。なお、溝部35においても同様の作用効果が得られる。
図7に示すように、静翼中空部30、すなわち中空部31、32が形成された領域に対応する静翼25の翼面に、前縁側から後縁側に段状に翼面が窪む段部37、38を形成してもよい。ここでは、中空部31が形成された部分に対応する静翼25の背側25aの翼面に段部37が形成され、中空部32が形成された部分に対応する静翼25の腹側25bの翼面に段部38が形成されている。
この段部37、38は、静翼25の翼長方向(図7では紙面に垂直な方向)に形成されている。例えば、段部37、38を静翼25の翼長方向の全域に亘って形成してもよいし、翼長方向の一部に形成してもよい。段部37、38を翼長方向の一部に形成する場合、水滴群や翼面を移動しながら流れる水脈が形成される、例えば半径方向外周側の領域などに、段部37、38を形成することが好ましい。
この構成においても、段部37、38、すなわち窪んだ部分に、水脈36を構成する凝縮水を収集して、静翼25の翼長方向に均一な水膜を形成することができる。これによって、段部37、38に収集された凝縮水を静翼25の翼長方向に均一に加熱して気化させることができる。
(第2の実施の形態)
図8は、第2の実施の形態の蒸気タービン11における静翼25の構成を示す断面図であり、図2のB−B断面に相当する断面を示している。
第2の実施の形態の蒸気タービン11では、最終のタービン段落の静翼25の構成が、第1の実施の形態の蒸気タービン10における最終のタービン段落の静翼25の構成と異なる。なお、それ以外の構成は、第1の実施の形態の蒸気タービン10の構成と同じである。
図8に示すように、静翼中空部30は、静翼25の翼長方向に亘る2つの中空部70、71で構成されている。中空部70と中空部71との間は壁部33で区分されている。中空部70、71は、図8に示すように、静翼25の前縁部および後縁部に形成されていることが好ましい。
また、中空部70は、分割壁72によって、翼厚圧方向に2分割され、分割中空部70a、70bが構成されている。中空部71も中空部70と同様に、分割壁73によって、翼厚圧方向に2分割され、分割中空部71a、71bが構成されている。
分割壁72、73には、それぞれ、加熱蒸気HSを噴出するための噴出部74、75が形成されている。噴出部74、75は、静翼25の翼長方向に形成された、複数の貫通孔、または1つもしくは複数のスリットで構成される。
例えば、噴出部74、75を複数の貫通孔や複数のスリットで構成する場合、例えば、分割壁72、73の中央の静翼25の翼長方向に、所定の間隔をあけて複数の貫通孔や複数のスリットが形成される。例えば、噴出部74、75を1つのスリットで構成する場合、例えば、分割壁72、73の中央の静翼25の翼長方向に亘って、連続する隙間からなる1つのスリットが形成される。
上記した構成を備える静翼25において、中空部70においては、分割中空部70aに加熱蒸気HSが供給されるように、ダイアフラム外輪連通孔44、ダイアフラム内輪連通孔65が形成されている。また、中空部70においては、分割中空部70bに噴出された加熱蒸気HSを上半側ダイアフラム内輪中空部60または下半側ダイアフラム外輪中空部41に導入できるように、ダイアフラム内輪連通孔64、ダイアフラム外輪連通孔45が形成されている。そして、分割中空部70aに供給された加熱蒸気HSは、噴出部74から分割中空部70bの内壁に向けて噴出される。
一方、中空部71においては、分割中空部71aに加熱蒸気HSが供給されるように、ダイアフラム外輪連通孔44、ダイアフラム内輪連通孔65が形成されている。また、中空部71においては、分割中空部71bに噴出された加熱蒸気HSを上半側ダイアフラム内輪中空部60または下半側ダイアフラム外輪中空部41に導入できるように、ダイアフラム内輪連通孔64、ダイアフラム外輪連通孔45が形成されている。そして、分割中空部71aに供給された加熱蒸気HSは、噴出部75から分割中空部71bの内壁に向けて噴出される。
次に、加熱蒸気HSの流れについて説明する。
加熱蒸気供給管50から上半側ダイアフラム外輪中空部40に供給された加熱蒸気HSは、周方向に広がり、各ダイアフラム外輪連通孔44を介して、上半側の各静翼25内の分割中空部70a、71aに流入する。
分割中空部70a、71aに流入した加熱蒸気HSは、それぞれ噴出部74、75を通過することで噴流となり、分割中空部70b、71bの内壁に衝突する。これにより、加熱蒸気HSと分割中空部70b、71bの内壁との熱伝達が促進され、静翼25の前縁部の背側25aおよび後縁部の腹側25bにおける凝縮水の加熱が促進される。なお、中空部70、71に加熱蒸気HSを導入することで、上半側の静翼25の全体も加熱される。
この際、上半側の静翼25に付着した凝縮水は、加熱されて気化され、静翼25の翼面上から除去される。また、上半側ダイアフラム外輪中空部40を加熱蒸気HSが通過する際、上半側ダイアフラム外輪23aの内壁42も加熱されるため、内壁42の表面に付着した凝縮水も加熱されて気化され、除去される。
分割中空部70b、71bに流入した加熱蒸気HSは、ダイアフラム内輪連通孔64を介して上半側ダイアフラム内輪中空部60に流入する。上半側ダイアフラム内輪中空部60に流入した加熱蒸気HSは、周方向に広がり、下半側ダイアフラム内輪中空部61に流入する。
下半側ダイアフラム内輪中空部61に流入した加熱蒸気HSは、各ダイアフラム内輪連通孔65を介して、下半側の各静翼25内の分割中空部70a、71aに流入する。
分割中空部70a、71aに流入した加熱蒸気HSは、それぞれ噴出部74、75を通過することで噴流となり、分割中空部70b、71bの内壁に衝突する。これにより、加熱蒸気HSと分割中空部70b、71bの内壁との熱伝達が促進され、静翼25の前縁部の背側25aおよび後縁部の腹側25bにおける凝縮水の加熱が促進される。なお、中空部70、71に加熱蒸気HSを導入することで、下半側の静翼25の全体も加熱される。
この際、下半側の静翼25に付着した凝縮水は、加熱されて気化され、静翼25の翼面上から除去される。
分割中空部70b、71bに流入した加熱蒸気HSは、ダイアフラム外輪連通孔45を介して下半側ダイアフラム外輪中空部41に流入する。下半側ダイアフラム外輪中空部41に流入した加熱蒸気HSは、加熱蒸気排出管51に流入し、復水器(図示しない)に排出される。ここで、下半側ダイアフラム外輪中空部41を加熱蒸気HSが通過する際、下半側ダイアフラム外輪23bの内壁43も加熱されるため、内壁43の表面に付着した凝縮水も加熱されて気化され、除去される。
上記したように、第2の実施の形態の蒸気タービン11によれば、上半側の静翼25の加熱に使用した加熱蒸気HSを下半側の静翼25の加熱にも使用することができる。そのため、加熱蒸気HSの流量を抑制することができ、システム全体としての効率の向上を図ることができる。
また、分割壁72、73に形成された噴出部74、75から加熱蒸気HSを噴出して、分割中空部70b、71bの内壁に衝突させることで、局所的な熱伝達の促進を図ることができる。水膜などが発生し易い、例えば前縁部の背側25aや後縁部の腹側25bの凝縮水の気化を促進することができる。
また、静翼25の翼面に付着した凝縮水は、気化させて除去されるため、静翼25の直下流に位置する動翼21におけるエロージョンを防止することができる。さらに、蒸気が水滴を加速させることによって発生する加速損失や、動翼の回転運動に対して水滴の衝突がブレーキとなることで発生する制動損失などの発生を防止することができる。そのため、タービン効率の向上を図ることができる。
なお、ここでは、静翼中空部30を2つの中空部70、71で構成した一例を示したが、静翼中空部30が1つの中空部で構成されている場合にも、上記した構成を適用することができる。すなわち、噴出部を有する分割壁を備えて中空部を2つの分割中空部に分割してもよい。この場合においても、上記した場合と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、第1の実施の形態の蒸気タービン10と同様に、静翼中空部30、すなわち中空部70、71が形成された領域に対応する静翼25の翼面に、凹部状の溝部を形成してもよい(図5および図6参照)。例えば、中空部70が形成された部分に対応する静翼25の背側25aの翼面に溝部を形成し、中空部71が形成された部分に対応する静翼25の腹側25bの翼面に溝部を形成することができる。
また、第1の実施の形態の蒸気タービン10と同様に、静翼中空部30、すなわち中空部70、71が形成された領域に対応する静翼25の翼面に、前縁側から後縁側に段状に翼面が窪む段部を形成してもよい(図7参照)。例えば、中空部70が形成された部分に対応する静翼25の背側25aの翼面に段部を形成し、中空部71が形成された部分に対応する静翼25の腹側25bの翼面に段部を形成することができる。
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態の蒸気タービン12における静翼25の斜視図である。図10は、第3の実施の形態の蒸気タービン12における静翼25のキャンバーラインに沿う断面を展開して示す図である。図11は、第3の実施の形態の蒸気タービン12における他の構成の静翼25のキャンバーラインに沿う断面を展開して示す図である。
第3の実施の形態の蒸気タービン12では、最終のタービン段落の静翼25の構成が、第1の実施の形態の蒸気タービン10における最終のタービン段落の静翼25の構成と異なる。なお、それ以外の構成は、第1の実施の形態の蒸気タービン10の構成と同じである。
図9および図10に示すように、静翼中空部30は、静翼25の翼長方向に亘る2つの中空部80、81で構成されている。中空部80と中空部81との間は壁部33で区分されている。中空部80、81は、静翼25の前縁部および後縁部に形成されていることが好ましい。
中空部80、81には、図10に示すように、前縁側の内壁面から対向する後縁側の内壁面に向かって突出する板状の複数の第1突出部材90が、静翼25の翼長方向に所定の間隙をあけて設けられている。また、後縁側の内壁面から前縁側の内壁面に向かって、突出する板状の複数の第2突出部材91が、第1突出部材90と交互に設けられている。すなわち、第1突出部材90間に第2突出部材91が突出した構成、換言すれば、第2突出部材91間に第1突出部材90が突出した構成となっている。また、第1突出部材90の先端縁は、第2突出部材91の先端縁よりも後縁側に位置し、第2突出部材91の先端縁は、第1突出部材90の先端縁よりも前縁側に位置している。
このように第1突出部材90および第2突出部材91を備えることで、中空部80、81における加熱蒸気HSが流れる流路が、曲がりくねったサーペンタイン構造となる。
この場合、上半側の静翼25の各中空部80、81に加熱蒸気HSを供給でき、下半側の静翼25の各中空部80、81から加熱蒸気HSを排出できるように構成されている。すなわち、ダイアフラム外輪連通孔44、ダイアフラム内輪連通孔64、ダイアフラム内輪連通孔65、ダイアフラム外輪連通孔45は、例えば、各中空部80、81に対応する位置に、それぞれ複数形成される。
第3の実施の形態の蒸気タービン12によれば、中空部80、81内に第1突出部材90および第2突出部材91を備え、加熱蒸気HSが流れる流路をサーペンタイン構造とすることで、中空部80、81の内壁面と加熱蒸気HSとの熱伝達を向上させることができる。
また、静翼25の翼面に付着した凝縮水は、気化させて除去されるため、静翼25の直下流に位置する動翼21におけるエロージョンを防止することができる。さらに、蒸気が水滴を加速させることによって発生する加速損失や、動翼の回転運動に対して水滴の衝突がブレーキとなることで発生する制動損失などの発生を防止することができる。そのため、タービン効率の向上を図ることができる。
なお、ここでは、中空部80、81の双方に、第1突出部材90および第2突出部材91を備えた一例を示したが、第1突出部材90および第2突出部材91は、いずれか一方の中空部80、81のみに備えられてもよい。
また、図11に示すように、第1突出部材90のみを備える構成であってもよい。なお、ここでは、第1突出部材90のみを備える構成を示しているが、第2突出部材91のみを備える構成であってもよい。すなわち、第1突出部材90のみを備える構成であってもよいし、第2突出部材91のみを備える構成であってもよい。この場合においても、中空部80、81の内壁面と加熱蒸気HSとの熱伝達を向上させることができる。
(第4の実施の形態)
図12は、第4の実施の形態の蒸気タービン13の断面を示す図であり、図1のA−A断面に相当する断面を示している。なお、図12では、加熱蒸気の流れを矢印で示している。
図12に示すように、ダイアフラム外輪23とダイアフラム内輪24との間に、静翼25が設けられている。静翼25として、中空構造からなり、静翼25の内部に、静翼中空部30を有する静翼と、中実構造からなり、静翼中空部を有しない静翼とを備えている。ここでは、中空構造からなる静翼を25Hと示し、中実構造からなる静翼を25Sと示す。なお、ここでは、静翼25Hとして、図3に示した静翼を備えたものとして説明する。
ダイアフラム外輪23は、2つ割り構造で構成され、上半側ダイアフラム外輪23aおよび下半側ダイアフラム外輪23bから構成されている。上半側ダイアフラム外輪23aには、静翼中空部30を備える静翼25Hを支持する部分に対応して、周方向に広がる上半側ダイアフラム外輪中空部40が形成されている。すなわち、静翼25Hを支持する部分の上半側ダイアフラム外輪23aには、上半側ダイアフラム外輪中空部40が形成されている。
ここでは、図12において、上半側の右半分に静翼25Hを備えているため、上半側ダイアフラム外輪23aの右半分に上半側ダイアフラム外輪中空部40が形成されている。なお、上半側の左半分の静翼は、静翼25Sが備えられており、上半側ダイアフラム外輪23aの左半分は、中空部を有しない中実構造となっている。
下半側ダイアフラム外輪23bにも、上半側ダイアフラム外輪23aと同様に、静翼中空部30を備える静翼25Hを支持する部分に対応して、周方向に広がる下半側ダイアフラム外輪中空部41が形成されている。すなわち、静翼25Hを支持する部分の下半側ダイアフラム外輪23bには、下半側ダイアフラム外輪中空部41が形成されている。
ここでは、図12において、下半側の右半分に静翼25Hを備えているため、下半側ダイアフラム外輪23bの右半分に下半側ダイアフラム外輪中空部41が形成されている。なお、下半側の左半分の静翼は、静翼25Sが備えられており、下半側ダイアフラム外輪23bの左半分は、中空部を有しない中実構造となっている。
また、図12に示すように、上半側ダイアフラム外輪23aと下半側ダイアフラム外輪23bとの連結部は、それぞれ封鎖されており、上半側ダイアフラム外輪中空部40と下半側ダイアフラム外輪中空部41とがそれぞれ連通しない構成となっている。
上半側ダイアフラム外輪23aには、上半側ダイアフラム外輪中空部40に加熱蒸気HSを供給する加熱蒸気供給管50の一端が接続されている。下半側ダイアフラム外輪23bには、上半側ダイアフラム外輪中空部40から加熱蒸気HSを排出する加熱蒸気排出管51の一端が接続されている。加熱蒸気排出管51の他端は、例えば、復水器(図示しない)に接続される。
ダイアフラム内輪24は、2つ割り構造で構成され、上半側ダイアフラム内輪24aおよび下半側ダイアフラム内輪24bから構成されている。上半側ダイアフラム内輪24aには、静翼中空部30を備える静翼25Hを支持する部分に対応して、周方向に広がる上半側ダイアフラム内輪中空部60が形成されている。すなわち、上半側ダイアフラム外輪中空部40と連通する静翼25Hを支持する部分の上半側ダイアフラム内輪24aには、上半側ダイアフラム内輪中空部60が形成されている。
ここでは、図12において、上半側の右半分に静翼25Hを備えているため、上半側ダイアフラム内輪24aの右半分に上半側ダイアフラム内輪中空部60が形成されている。なお、上半側の左半分の静翼は、静翼25Sが備えられており、上半側ダイアフラム内輪24aの左半分は、中空部を有しない中実構造となっている。
下半側ダイアフラム内輪24bにも、上半側ダイアフラム内輪24aと同様に、静翼中空部30を備える静翼25Hを支持する部分に対応して、周方向に広がる下半側ダイアフラム内輪中空部61が形成されている。すなわち、下半側ダイアフラム外輪中空部41と連通する静翼25Hを支持する部分の下半側ダイアフラム内輪24bには、下半側ダイアフラム内輪中空部61が形成されている。
ここでは、図12において、下半側の右半分に静翼25Hを備えているため、下半側ダイアフラム内輪24bの右半分に下半側ダイアフラム内輪中空部61が形成されている。なお、下半側の左半分の静翼は、静翼25Sが備えられており、下半側ダイアフラム内輪24bの左半分は、中空部を有しない中実構造となっている。
また、図12に示すように、上半側ダイアフラム内輪24aと下半側ダイアフラム内輪24bとの連結部において、上半側ダイアフラム内輪中空部60と下半側ダイアフラム内輪中空部61とがそれぞれ連通する構成となっている。
なお、上半側ダイアフラム外輪23aの内壁42に形成されるダイアフラム外輪連通孔44、下半側ダイアフラム外輪23bの内壁43に形成されるダイアフラム外輪連通孔45、上半側ダイアフラム内輪24aの外壁62に形成されるダイアフラム内輪連通孔64、下半側ダイアフラム内輪24bの外壁63に形成されるダイアフラム内輪連通孔65は、それぞれ第1の実施の形態で説明したものと同様である。
ここで、蒸気タービン13における加熱蒸気HSの動作について、図12を参照して説明する。
加熱蒸気供給管50から上半側ダイアフラム外輪中空部40に供給された加熱蒸気HSは、周方向に広がり、各ダイアフラム外輪連通孔44を介して、上半側の各静翼25H内の静翼中空部30に流入する。静翼中空部30に流入した加熱蒸気HSは、上半側の静翼25Hを全体的に加熱する。この際、上半側の静翼25Hに付着した凝縮水は、加熱されて気化され、静翼25Hの翼面上から除去される。また、上半側ダイアフラム外輪中空部40を加熱蒸気HSが通過する際、上半側ダイアフラム外輪中空部40が形成された部分の上半側ダイアフラム外輪23aの内壁42も加熱されるため、内壁42の表面に付着した凝縮水も加熱されて気化され、除去される。
上半側の静翼25Hを加熱した加熱蒸気HSは、ダイアフラム内輪連通孔64を介して上半側ダイアフラム内輪中空部60に流入する。上半側ダイアフラム内輪中空部60に流入した加熱蒸気HSは、周方向に広がり、下半側ダイアフラム内輪中空部61に流入する。
下半側ダイアフラム内輪中空部61に流入した加熱蒸気HSは、各ダイアフラム内輪連通孔65を介して、下半側の各静翼25H内の静翼中空部30に流入する。静翼中空部30に流入した加熱蒸気HSは、下半側の静翼25Hを全体的に加熱する。この際、下半側の静翼25Hに付着した凝縮水は、加熱されて気化され、静翼25Hの翼面上から除去される。
下半側の静翼25Hを加熱した加熱蒸気HSは、ダイアフラム外輪連通孔45を介して下半側ダイアフラム外輪中空部41に流入する。下半側ダイアフラム外輪中空部41に流入した加熱蒸気HSは、加熱蒸気排出管51に流入し、復水器(図示しない)に排出される。ここで、下半側ダイアフラム外輪中空部41を加熱蒸気HSが通過する際、下半側ダイアフラム外輪中空部41が形成された部分の下半側ダイアフラム外輪23bの内壁43も加熱されるため、内壁43の表面に付着した凝縮水も加熱されて気化され、除去される。
上記したように、第4の実施の形態の蒸気タービン13によれば、静翼のうちの一部の静翼25Hのみを加熱して、その静翼25Hの翼面に付着した凝縮水を気化させて除去することができる。このように、一部の静翼のみを部分的に加熱することで、加熱蒸気HSの流量を大幅に削減し、システム全体としての効率の向上を図ることができる。
また、静翼25Hの翼面に付着した凝縮水は、気化させて除去されるため、静翼25Hの直下流に位置する動翼21におけるエロージョンを防止することができる。さらに、蒸気が水滴を加速させることによって発生する加速損失や、動翼の回転運動に対して水滴の衝突がブレーキとなることで発生する制動損失などの発生を防止することができる。そのため、タービン効率の向上を図ることができる。
ここでは、上半部の半分の静翼および下半部の半分の静翼を、静翼中空部30を備える静翼25Hで構成した一例を示したが、静翼25Hと静翼25Sとの割合は、システム全体としてのエネルギバランスに応じて適宜に設定することができる。例えば、静翼25Hを半分より多く備えたり、半分より少なく備えることもできる。
なお、ここでは、静翼25Hとして、図3に示した静翼を備えたものとして説明したが、前述した実施の形態で説明した、他の構成の、静翼中空部30を備える静翼25も適用することができる。
以上説明した実施形態によれば、静翼の表面を加熱するための加熱蒸気の流量を抑制しつつ、静翼の表面などに付着した凝縮水を気化させて除去することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10,11,12,13…蒸気タービン、20…ケーシング、21…動翼、22…タービンロータ、23…ダイアフラム外輪、23a…上半側ダイアフラム外輪、23b…下半側ダイアフラム外輪、24…ダイアフラム内輪、24a…上半側ダイアフラム内輪、24b…下半側ダイアフラム内輪、25,25H,25S…静翼、25a…背側、25b…腹側、26…グランドシール部、27…蒸気入口管、28…蒸気通路、30…静翼中空部、31,32,70,71,80,81…中空部、33…壁部、34,35…溝部、36…水脈、37,38…段部、40…上半側ダイアフラム外輪中空部、41…下半側ダイアフラム外輪中空部、42,43…内壁、44,45…ダイアフラム外輪連通孔、50…加熱蒸気供給管、51…加熱蒸気排出管、60…上半側ダイアフラム内輪中空部、61…下半側ダイアフラム内輪中空部、62,63…外壁、64,65…ダイアフラム内輪連通孔、70a,70b,71a,71b…分割中空部、72,73…分割壁、74,75…噴出部、90…第1突出部材、91…第2突出部材、HS…加熱蒸気。

Claims (9)

  1. タービンロータの周方向に複数の動翼を植設して構成された動翼翼列と、ダイアフラム外輪とダイアフラム内輪との間に周方向に複数の静翼を取り付けて構成され、前記動翼翼列とタービン段落を構成する静翼翼列とを備え、低圧となるタービン段落に湿り蒸気が流れる蒸気タービンであって、
    少なくとも最終のタービン段落において、
    前記静翼の少なくとも1つが、
    内部に静翼中空部を備え、
    前記ダイアフラム外輪が、
    前記静翼中空部を備える前記静翼を支持する部分に対応して周方向に形成された上半側ダイアフラム外輪中空部を有する上半側ダイアフラム外輪と、
    前記静翼中空部を備える前記静翼を支持する部分に対応して周方向に形成された、前記上半側ダイアフラム外輪中空部と連通しない下半側ダイアフラム外輪中空部を有する下半側ダイアフラム外輪と、
    前記上半側ダイアフラム外輪および前記下半側ダイアフラム外輪の内壁に形成され、支持する前記静翼の前記静翼中空部と前記上半側ダイアフラム外輪中空部または前記下半側ダイアフラム外輪中空部とを連通させるダイアフラム外輪連通孔と、
    前記上半側ダイアフラム外輪に一端が接続され、前記上半側ダイアフラム外輪中空部に加熱蒸気を供給する加熱蒸気供給管と、
    前記下半側ダイアフラム外輪に一端が接続され、前記下半側ダイアフラム外輪中空部から加熱蒸気を排出する加熱蒸気排出管と
    を備え、
    前記ダイアフラム内輪が、
    前記上半側ダイアフラム外輪中空部と連通する前記静翼に対応して周方向に形成された上半側ダイアフラム内輪中空部を有する上半側ダイアフラム内輪と、
    前記下半側ダイアフラム外輪中空部と連通する前記静翼に対応して周方向に形成された、前記上半側ダイアフラム内輪中空部と連通する下半側ダイアフラム内輪中空部を有する下半側ダイアフラム内輪と、
    前記上半側ダイアフラム内輪および前記下半側ダイアフラム内輪の外壁に形成され、支持する前記静翼の前記静翼中空部と前記上半側ダイアフラム内輪中空部または前記下半側ダイアフラム内輪中空部とを連通させるダイアフラム内輪連通孔と
    を備えたとことを特徴とする蒸気タービン。
  2. 前記静翼中空部が、前記静翼の翼長方向に亘る1つの中空部、または壁部を介して区分された、前記静翼の翼長方向に亘る複数の中空部で構成されていることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン。
  3. 前記中空部を複数備える場合、前記中空部は、前記静翼の少なくとも前縁部および後縁部に形成されていることを特徴とする請求項2記載の蒸気タービン。
  4. 前記静翼中空部を構成する前記中空部に、
    前記静翼の翼長方向に所定の間隙をあけて、一方の内壁面から対向する他方の内壁面に向かって突出する板状の複数の第1突出部材と、
    前記第1突出部材と前記静翼の翼長方向に交互に設けられ、他方の前記内壁面から一方の前記内壁面に向かって突出する板状の複数の第2突出部材と
    を備えることを特徴とする請求項2または3記載の蒸気タービン。
  5. 前記静翼中空部を構成する前記中空部に、
    前記静翼の翼長方向に所定の間隙をあけて設けられ、一方の内壁面から対向する他方の内壁面に向かって突出する板状の複数の突出部材を備えることを特徴とする請求項2または3記載の蒸気タービン。
  6. 前記静翼中空部を構成する前記中空部に、
    前記中空部を翼厚圧方向に2分割する、前記静翼の翼長方向に亘る分割壁と、
    前記分割壁に形成された、加熱蒸気を噴出するための噴出部と
    を備え、
    前記分割壁によって分割された一方の中空部から他方の中空部へ、前記噴出部を介して加熱蒸気を噴出することを特徴とする請求項2または3記載の蒸気タービン。
  7. 前記噴出部が、前記静翼の翼長方向に形成された、複数の貫通孔、または1つもしくは複数のスリットで構成されていることを特徴とする請求項6記載の蒸気タービン。
  8. 前記静翼中空部が形成された領域に対応する前記静翼の翼面に、凹部状の溝部が、前記静翼の翼長方向に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の蒸気タービン。
  9. 前記静翼中空部が形成された領域に対応する前記静翼の翼面に、前縁側から後縁側に段状に翼面が窪む段部が、前記静翼の翼長方向に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の蒸気タービン。
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