JP5470066B2 - 吐出容器 - Google Patents
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Description
この容器は、吐出口(注ぎ口)と空気穴とを同じ方向に働くスプリングの付勢力により同一方向から同時に密閉し、さらに空気穴を利用した釦をスプリングの付勢に抗して押すことで、吐出口と空気穴とを同時に開口させて内容物を吐出できるようにした開閉機構を備えている。
(1)本発明に係る吐出容器は、内容物が収容され、外層に対して内層が剥離可能に積層された積層剥離型の容器体と、該容器体の口部に装着され、容器体の内部に連通する流出開口が天壁部に形成された有頂筒状の吐出キャップと、前記流出開口を上方から覆うように前記天壁部上に重ねられ、流出開口の径方向外側に位置する外周縁部が周方向に沿って天壁部にシールされたフィルムと、を備え、前記吐出キャップは、前記口部に装着され、前記容器体の内部に連通する第1連通路を有するキャップ本体と、該キャップ本体に対して相対移動可能に装着され、前記天壁部が形成されていると共に前記流出開口に連通する第2連通路を有する吐出ヘッドと、を備え、前記フィルムの外周縁部には、部分的に前記シールが解かれた非シール部が形成されており、該非シール部と前記天壁部とで前記流出開口から流出された前記内容物を吐出させる吐出口を画成し、前記容器体の肩部と前記口部との間に位置する首部には、内方に押圧変形可能な押圧変形部が形成され、前記容器体の内部と前記流出開口とは、前記吐出ヘッドの相対移動に伴って、前記第1連通路及び前記第2連通路を通じて互いに連通状態又は遮断状態に切り替わることを特徴とする。
また、吐出が終了した後、フィルムに内容物の自重がかからない姿勢に容器体を戻すと、フィルムに付与されていた押圧力が解除され、ドーム状に変形していたフィルムが元の状態に戻って天壁部に密着する。そのため、流出開口が再度フィルムによって閉塞されると共に吐出口が閉止される。これにより、容器体の密閉性を確保することができる。
ところで、内容物が吐出されると、これに伴って容器体の内層が外層から徐々に剥離して減容変形しはじめる。そのため、容器体の内部への外気の侵入が抑制され、内容物の品質劣化を防止することができると共に、内容物をスムーズに吐出させることができる。
そこで、容器体の首部に形成されている押圧変形部を指先等で押圧して、内方に凹むように押圧変形させる。これにより首部をスクイズ変形させることによる容器内圧(内層の内圧)を上昇させることができる。すると、この上昇した内圧はフィルムを外方に押し上げるように作用する。従って、少量の内容物が自重によってフィルムを押し上げようとする力をアシストすることができ、流出開口と吐出口を繋ぐ吐出路を画成させることができる。
その結果、少量の内容物であってもスムーズに吐出させることができ、内容物を残すことなく使いきり易い。
そして、吐出が終了した後、保管等を行う場合には、吐出ヘッドをキャップ本体に対して再び相対移動させて元の状態に戻す。これにより、さきほど連通していた容器体の内部と流出開口とを遮断させることができる。従って、誤って容器体を傾けてしまったとしても、流出開口から内容物が流出してしまうことを防止することができる。
このように、使用状況に応じて流出開口への流通ルートを連通或いは遮断することができるので、意図しないときに内容物を吐出させてしまい難い。
また、底部が凸曲面状に形成されていたとしても、容器体をスタンドに嵌め込むことで、該容器体を直立状態で支えることができる。従って、容器体が倒れて吐出口から内容物が漏れてしまう不具合が生じ難い。
しかも、スタンドを把持する際に、指当て部に指先をあてながら把持できるので、指先が滑り難く、スタンド及び容器体を傾け易い。この点においても、内容物の吐出操作を行い易い。
一方、流通時或いは販売陳列時の段階では、切取片が天壁部のうち吐出口を画成している部分に連結されており、吐出口が密封されている。そのため、容器体を傾けたとしても、内容物が吐出されることがない。よって、使用前の段階で内容物の漏出を確実に防止することができる。
本実施形態の吐出容器1は、図1及び図2に示すように、液体状の内容物W(図5参照)が収容される容器体2と、この容器体2の口部2eに装着される吐出キャップ3と、を備えている。
底部2aは平坦に形成されており、容器体2を床面上に安定して載置することが可能とされている。胴部2bは、横断面視楕円状に形成されている。肩部2cは、胴部2bの上部に連設された部分であり、上方に向かって漸次縮径するように形成されている。首部2dは、肩部2cの上部に連設された部分であり、横断面視円形状に形成されている。特にこの首部2dには、径方向外方に向けて膨らんだ断面円弧状の膨出部(押圧変形部)5が首部2dの全周に亘って環状に形成されている。
内筒部11及び突出筒部13の内側は、吐出キャップ3の装着状態において、容器体2の内部に連通する連通路R1として機能する。
ところで、本実施形態の天壁部14は、凹曲面状に形成されているうえ容器軸Oに対して傾斜するように形成されている。具体的には、まず天壁部14は、図2及び図3に示すように、突出筒部13の上端を塞ぐように形成されていると共に、楕円状の胴部2bの長軸に沿って縦長の長方形状に形成されている。しかも、天壁部14の一方側は、長軸に沿って径方向外側に突出するように形成されている。以下、この突出している側を天壁部14の先端部14aといい、容器軸Oを挟んで先端部14aとは反対側を基端部14bという。
具体的に、この切取片20は、弱化部21を介して天壁部14のうち後述する吐出口24を画成している部分である先端部14aに、径方向外側に突設するように連結されている。弱化部21は、下側に切り欠きが形成された薄肉部とされており、切取片20を上方や下方に向けて捩ったり、側方に引っ張ったりするように操作することで図4に示すように容易に破断できるようになっている。
なお、図4は、図3に示す状態から切取片20を取り外した状態を示す図である。
なお、前記フィルム22としては、破れ難い一般的なフィルム(伸縮性を有さない)を使用することもできるが、伸縮性を有するフィルムを用いることが好ましい。
そして、このフィルム22は、切取片20を天壁部14から分離させると共に破断する。そして、分離後の天壁部14に着目すると、図2に示すようにフィルム22の外周縁部の一部は、部分的にシールが解かれた非シール部23となっている。この非シール部23は、フィルム22の破断部分に形成される。
つまり、本実施形態では、切取片20を天壁部14から分離させる前の段階では、図2に示すように、切取片20上において周方向に沿って外周縁部がシールされたフィルム22によって、吐出口24は密封されている。そして、切取片20を天壁部14から分離させることで、この分離に伴って切取片20上にシールされたフィルム22が破断し、図4に示すように吐出口24が天壁部14の先端部14aに現れるようになっている。
また、上述したように天壁部14は、先端部14aの方が基端部14bよりも上方に位置するように傾斜しているので、吐出口24の方が流出開口15よりも上方に位置するようになっている。
はじめに、流通時或いは販売陳列時の段階では、図1から図3に示すように、天壁部14の先端部14aには弱化部21を介して切取片20が連結されている。そのため、吐出口24はこの切取片20によって密封された状態となっている。そこで、使用するにあたって、まずこの切取片20を天壁部14から取り外す。つまり、図4に示すように、摘み部20aを引っ張り操作することで弱化部21を破断して、切取片20を天壁部14から分離させる。これにより、吐出口24の密封を解くことができる。
従って、流出開口15から流出した内容物Wをこの吐出路R2を通じて吐出口24に導き、該吐出口24から外部に吐出させることができる。
ところで、内容物Wが吐出されると、これに伴って容器体2の内層4bが外層4aから徐々に剥離して萎むように減容変形しはじめる。なお、外層4aには、外層4aの内外を連通させる図示しない空気孔が(例えば、口部2e、首部2d又は底部2aに)形成されており、これにより内層4bは内容物Wの吐出に伴って減容変形する。
その結果、少量の内容物Wであってもスムーズに吐出させることができ、内容物Wを残すことなく使いきり易い。
即ち、流通時或いは販売陳列時の段階では、切取片20が天壁部14に連結されており、吐出口24が密封されている状態であるので、容器体2を傾けたとしても内容物Wが吐出されることがない。よって、使用前の段階で、内容物Wの漏出を確実に防止することができる。
また、切取片20を天壁部14から分離する際、摘み部20aを利用して切取片20に力を効率良く伝えることができるので、スムーズに弱化部21を破断することができる。従って、切取片20を弱化部21に沿って分離し易くなる。
しかも天壁部14は、傾斜しているだけでなく凹曲面状に形成されており、最深部に流出開口15が形成されている。よって、この点においても吐出路R2内に残っている内容物Wが天壁部14の湾曲を利用して自然に流出開口15側に戻り、この流出開口15を通じて容器体2の内部に流れ易い。
このように、天壁部14の形状に応じてフィルムの材料を適宜変更し、内容物Wの自重によって反転変形や弾性変形等の各種変形を起こさせて、吐出口24に繋がる吐出路R2が確実に画成されるようにすれば良い。
更に、膨出部5を首部2dの全周に亘って環状に形成したが、環状にする必要はなく、凸状に膨らむ膨出部5を1箇所形成しても構わないし、周方向に間隔を開けながら複数形成しても構わない。
なお、図7は、容器体2の口部2eに装着された吐出キャップ30の断面図であって、上方移動の前後状態を示した図である。但し、切取片20は既に取り除かれている状態を示す。
ガイド筒44は、吐出ヘッド50の上下動をガイドする筒であり、天壁部14の傾斜に合わせて開口端が斜めにカットされている。ガイド筒44の内周面の一部には、容器軸Oに沿って延在する縦長のガイド溝44aが開口端から下方に向かって形成されている。
ところで、栓体45の周面の一部には、スリット状の切欠溝45aが容器軸Oに沿って形成されており、栓体45の内部と外部とを連通させている。また、頂壁部43には、この切欠溝45aに連通するように切欠孔43bが形成されている。よって、第1連通路R3は、これら切欠溝45a及び切欠孔43bを通じて開放された状態となっている。
そして、この吐出ヘッド50は、外側スライド筒51と内側スライド筒52との間にキャップ本体40のガイド筒44が嵌り込むように、キャップ本体40に対して組み合わされており、ガイド筒44にガイドされながら上下動可能とされている。この際、内側スライド筒52の外周面には、キャップ本体40側に形成されたガイド溝44aに上下動可能に嵌る縦リブ52aが形成されている。
これにより、吐出ヘッド50は、周方向への回転が規制された状態でキャップ本体40に組み合わされ、回転することなく上下動するようになっている。
即ち、容器体2の内部と流出開口15とは、吐出ヘッド50の上下動に伴って、第1連通路R3及び第2連通路R4を通じて互いに連通状態又は遮断状態に切り替わるようになっている。
この場合には、吐出ヘッド50をキャップ本体40に対して上方移動させる。すると、この移動に伴って、キャップ本体40の栓体45の上部が嵌入孔53aから抜けて離脱した状態となる。これにより、第2連通路R4の遮断が解かれるので、容器体2の内部と流出開口15とが第1連通路R3及び第2連通路R4を通じて互いに連通した状態となる。従って、これ以降、容器体2を傾けることで内容物Wを吐出させることができる。
なお、図8は、容器体2の口部2eに装着された吐出キャップ60の断面図であって、回転前後の状態を示した図である。但し、切取片20は既に取り除かれた状態を示す。
内筒部72の内側は、キャップ本体70の装着状態において、容器体2の内部に連通する第1連通路R3として機能する。
しかしながら、内側回転筒82の一部には、スリット状の縦溝82aが容器軸Oに沿って形成されている。この縦溝82aは、当接リブ81bが縦リブ74bに当接して吐出ヘッド80の回転位置が規制され、吐出口24の向きが一方向に位置決めされたときに、キャップ本体70側の切欠溝75aに連通するようになっている。これにより、第1連通路R3と第2連通路R4とが、互いに連通するようになっている。つまり、容器体2の内部と流出開口15とが、第1連通路R3及び第2連通路R4を通じて互いに連通するようになっている。
即ち、容器体2の内部と流出開口15とは、吐出ヘッド80の回転移動に伴って、第1連通路R3及び第2連通路R4を通じて互いに連通状態又は遮断状態に切り替わるようになっている。
この場合には、容器軸Oを中心として吐出ヘッド80をキャップ本体70に対して回転させる。すると、吐出ヘッド80が半回転した時点で当接リブ81bが縦リブ74bに当接して、吐出ヘッド80の向きが一方向に位置決めされる。また、この時点で吐出ヘッド80の縦溝82aとキャップ本体70の切欠溝75aとが、連通した状態となる。これにより、容器体2の内部と流出開口15とが第1連通路R3及び第2連通路R4を通じて互いに連通した状態となる。従って、これ以降、容器体2を傾けることで内容物Wを吐出させることができる。
また、この場合の吐出容器90は、容器体2が容器軸Oに沿って離脱可能に嵌め込まれ、該容器体2を直立状態で支持する外ケースであるスタンド91を備えている。
周壁部92は、容器体2を嵌め込んだ際に、容器体2の胴部2bの上部部分を露出させるような高さに設計されている。また、この周壁部92には、スタンド91内に嵌め込まれた容器体2の胴部2bの一部を露出させる把持用の開口部92aが容器軸Oを挟んで向かい合うように大きく形成されている。
そのため、内容物Wの吐出に伴って、容器体2の内層4bを外層4aから抵抗少なく剥離させることができる。よって、内層4bをより確実に減容変形させることができる。
即ち、図11及び図12に示すように、スタンド91の周壁部92に内方に凹んだ指当て部92bを形成しても構わない。なお、図11は、吐出容器90の側面図(一部断面図)である。図12は、図11に示す矢印C−C線に沿った断面図である。
W…内容物
R3…第1連通路
R4…第2連通路
1、90…吐出容器
2…容器体
2a…容器体の底部
2c…容器体の肩部
2d…容器体の首部
2e…容器体の口部
3、30、60…吐出キャップ
4a…容器体の外層
4b…容器体の内層
5…膨出部(押圧変形部)
14…天壁部
15…流出開口
20…切取片
21…弱化部
22…フィルム
23…非シール部
24…吐出口
40、70…キャップ本体
50、80…吐出ヘッド
91…スタンド
92…スタンドの周壁部
92a…スタンドの開口部
92b…スタンドの指当て部
95…係合部
Claims (7)
- 内容物が収容され、外層に対して内層が剥離可能に積層された積層剥離型の容器体と、
該容器体の口部に装着され、容器体の内部に連通する流出開口が天壁部に形成された有頂筒状の吐出キャップと、
前記流出開口を上方から覆うように前記天壁部上に重ねられ、流出開口の径方向外側に位置する外周縁部が周方向に沿って天壁部にシールされたフィルムと、を備え、
前記吐出キャップは、
前記口部に装着され、前記容器体の内部に連通する第1連通路を有するキャップ本体と、
該キャップ本体に対して相対移動可能に装着され、前記天壁部が形成されていると共に前記流出開口に連通する第2連通路を有する吐出ヘッドと、を備え、
前記フィルムの外周縁部には、部分的に前記シールが解かれた非シール部が形成されており、該非シール部と前記天壁部とで前記流出開口から流出された前記内容物を吐出させる吐出口を画成し、
前記容器体の肩部と前記口部との間に位置する首部には、内方に押圧変形可能な押圧変形部が形成され、
前記容器体の内部と前記流出開口とは、前記吐出ヘッドの相対移動に伴って、前記第1連通路及び前記第2連通路を通じて互いに連通状態又は遮断状態に切り替わることを特徴とする吐出容器。 - 請求項1に記載の吐出容器において、
前記容器体が離脱可能に嵌め込まれ、該容器体を支える有底筒状のスタンドを備え、
前記容器体は、胴部が横断面視楕円状で、且つ、底部が凸曲面状に形成されていることを特徴とする吐出容器。 - 請求項2に記載の吐出容器において、
前記スタンドの周壁部には、前記容器体の胴部の一部を露出させる把持用の開口部が形成されていることを特徴とする吐出容器。 - 請求項2に記載の吐出容器において、
前記スタンドの周壁部には、内方に凹んだ指当て部が形成され、
前記容器体の胴部には、前記指当て部に係合して、前記スタンドに対する容器体の移動を規制する係合部が形成されていることを特徴とする吐出容器。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の吐出容器において、
前記天壁部のうち前記吐出口を画成している部分には、破断可能な弱化部を介して切取片が前記径方向外側に向けて突設され、
前記フィルムは、前記切取片の上面を覆うように延在していると共に、その外周縁部が周方向に沿って前記切取片上にシールされて前記吐出口を密封していることを特徴とする吐出容器。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の吐出容器において、
前記天壁部は、前記流出開口よりも前記吐出口の方が上方に位置するように傾斜していることを特徴とする吐出容器。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の吐出容器において、
前記天壁部は、凹曲面状に形成され、
前記流出開口は、前記天壁部の最深部に形成されていることを特徴とする吐出容器。
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