JP5469980B2 - 吐出ポンプ - Google Patents
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次に、押下ヘッドの押し下げを解除すると、上方付勢力によってピストン及びステムが押し上げられると共にシリンダ内(内容物の収容空間)が減圧され、容器内の内容物がシリンダ内に流入する。そして、押し下げ前の状態に戻る。
この作用効果は、特にピストン及びステムの押し下げ移動量を大きく設定し、一回の押し下げ動作による吐出量を多くする場合に奏功させることができる。
また、押下ヘッドを上下方向に沿って押し下げた際に支持凸部がシリンダの内周面と摺接しないため、ピストンとシリンダとの間の摺動抵抗が過度に増大することを抑制し、押下ヘッドの押し下げ動作による内容物の均一な吐出をより確実に行える。さらに、押下ヘッドを上下方向に対して傾いた方向に押し下げた際に、支持凸部がシリンダ内面に当接するため、上側及び下側のシール筒部のシール性を維持することができる。
この発明では、上側及び下側シール筒部の連結部分である基部の外周面に支持凸部を設けることで、上側及び下側シール筒部それぞれの柔軟性を阻害せずに上記作用効果を奏功させることができ、これにより、ピストンのシリンダ内における摺動抵抗が増大することを防ぐことができる。
本実施形態における吐出ポンプ1は、内容物を収容した容器の口部(図示略)に装着される吐出器であり、図1から図3に示すように、有頂筒状の装着キャップ2、筒状のシリンダ3、筒状のピストン4、コイルスプリング5、筒状のステム6、棒状のバルブ7、押下ヘッド8及び有頂筒状の補助キャップ9を備えている。上記容器内に収容される内容物としては、例えばアルコール消毒液のように比較的粘度の低い液体が挙げられるが、低粘度の液体に限られない。
図示の例では、装着キャップ2、シリンダ3、ピストン4、コイルスプリング5、ステム6、バルブ7及び有頂筒状の補助キャップ9は、それぞれ共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸を軸線Oと称し、軸線O方向に沿って押下ヘッド8側(図1から図3における上側)を上方とし、その反対側(図1における下側)を下方とする。また、軸線O方向を軸方向、軸線Oに直交する方向を径方向、軸線O回りの方向を周方向とする。
天壁部11は、平面視ほぼ円環状をなしている。また、周壁部12は、上下方向に延在するほぼ円筒状をなしており、内周面には、上記容器の口部に螺着される装着雄ネジ部12Aが形成されている。
フランジ部24は、平面視ほぼ円環状をなしており、直筒部22の外周面に沿って全周にわたって形成されている。そして、フランジ部24は、装着キャップ2の内側に嵌合され、装着キャップの天壁部11の下面に当接している。また、このフランジ部24の上面には、ほぼ円筒状をなす立上筒部25が立設されている。
立上筒部25は、装着キャップ2の天壁部11の内側に挿通され、天壁部11よりも上方に突出している。
さらに、直筒部22の上端部外側には、フランジ部24と上記容器の口部の上端面との間に介在する円環状をなすパッキン26が嵌装されている。
また、下筒部23の下端には、軸線Oを中心軸線として上下方向に沿うほぼ円筒状をなす連結筒部28が連設されている。連結筒部28には、ディップチューブ29が嵌合されている。ディップチューブ29は、下端が上記容器内に開放され、上端が連結筒部28に嵌合されてシリンダ3の下端に連結されている。
外筒部31は、軸線Oを共通軸として直筒部22と同軸上に配設されており、ほぼ円筒状をなしている。そして、外筒部31は、上側に配設された上側シール筒部35と、下側に配設された下側シール筒部36と、平面視ほぼ円環状をなして上側及び下側シール筒部35、36を連結する基部37と、基部37の外周面に設けられた支持凸部38と、を備えている。
下側シール筒部36は、下方に向かうにしたがって漸次径方向外方に向けて延びるほぼ円筒状をなしており、上側シール筒部35と同様に、下端部が直筒部22の内周面に対して全周にわたって液密に摺接されている。
支持凸部38は、平面視ほぼ円環状をなしており、基部37の外周面から径方向外方に向けて突出する。なお、支持凸部38の外周面と直筒部22の内周面との間には、空隙が形成されている。
したがって、外筒部31は、上下方向の中間部分が径方向内方に向けて陥没した湾曲形状をなしている。
連結部33は、平面視ほぼ円環状をなしており、外筒部31の基部37と内筒部32の上下方向の中間部分とを連結する。
上側弁座部34は、上下方向に延在するほぼ円筒状をなしており、内筒部32の上端に連設されている。上側弁座部34の上部は、上方に向かうにしたがって漸次縮径されたテーパ状をなしている。
また、ステム6の下端部の内周面には、ピストン4の内筒部32の上部が嵌合されており、ステム6の内側には、ピストン4の上側弁座部34が配置されている。さらに、ステム6の上端部の内側には、下方に向かうにしたがって漸次縮径するテーパ状をなす球弁用座部41が設けられている。この球弁用座部41の上面には、球状をなす弁体42が離間可能に着座されている。
下側弁体部51は、下側弁座部27に対して着座可能であり、上側弁体部52は、上側弁座部34に対して離間可能に着座している。そして、上側弁体部52は、上側弁座部34の上端部の内側に嵌め込まれている。また、上側弁体部52の下部の外周面は、上側弁座部34の上端部の外周面と全周にわたって当接可能であり、これによって上側弁座部34の上端を閉塞する。
周面部62は、天面部61の外縁から下方に垂下しており、ほぼ円筒状をなしている。
連通筒部63は、周面部62よりも径方向内方において天面部61の下面から下方に垂下しており、ほぼ円筒状をなしている。そして、連通筒部63の下部には、ステム6の上端部が嵌合しており、連通筒部63は、ステム6と連通している。さらに、連通筒部63の外周面には、ヘッド雄ネジ部63Aが形成されている。
外筒壁部72と内筒壁部73との間には、立上筒部25が嵌合されている。また、内筒壁部73の内側には、ステム6が挿通されている。そして、内筒壁部73の内周面には、ヘッド雄ネジ部63Aと螺合するヘッド雌ネジ部73Aが形成されている。さらに、内筒壁部73の下端には、ステム6の押し込む動作を上下方向に沿って案内すると共に、ステム6の抜け出しを防止するガイド筒部74が形成されている。
まず、吐出ポンプ1を備える容器の搬送時や店舗における陳列時などの使用開始前の状態では、図2に示すように、押下ヘッド8の連通筒部63のヘッド雄ネジ部63Aが補助キャップ9の内筒壁部73のヘッド雌ネジ部73Aに螺着されており、押下ヘッド8が押し下げ状態で保持されている。これにより、押下ヘッド8が不用意に操作されて内容物が吐出することが防止される。
そして、ステム6の内圧によってステム6内の弁体42が上方に押し上げられてステム6内の球弁用座部41が開放され、ステム6内の内容物が球弁用座部41の内側を通って押下ヘッド8の連通筒部63内に流入し、連通筒部63内からノズル部64内を通ってノズル部64の先端から外部に吐出される。
このとき、収容室21(シリンダ3)内の圧力が低下することにより、上記容器内の内容物がディップチューブ29の下端からディップチューブ29内に流入してディップチューブ29内を流通し、ディップチューブ29の上端から下側弁座部27内を通って収容室21内に流入する。
そして、図1に示すように、ピストン4が上死点の位置まで上昇することによってピストン4の上側弁座部34にバルブ7の上側弁体部52が着座して上側弁座部34が閉塞される。以上のようにして、内容物を吐出する。
このように、押下ヘッド8の押し下げストロークが比較的長くなっていることから、押下ヘッド8を軸線Oに沿って押し下げる際、軸線Oに沿って上下方向に押し下げることができずに軸線Oに対して傾いた方向に押下ヘッド8を押し下げることがある。この場合、ステム6と共に押し下げられるピストン4の外周面の一部分が直筒部22の内周面に対して押し付けられた状態で押し下げられる。
また、支持凸部38が上側及び下側シール筒部35、36の連結部分である基部37の外周面に設けられているため、上側及び下側シール筒部35、36それぞれの端部における弾性変形が阻害されて摺動抵抗が増大することを防止できる。さらに、支持凸部38が直筒部22の内周面と摺接せず、ピストン4とシリンダ3との間の摺動抵抗が過度に増大しないため、押下ヘッド8の押し下げ動作による内容物の均一な吐出がより確実に行える。
例えば、上記実施形態では、支持凸部は、基部の外周面に設けられているが、ピストンの外周面(外筒部の外周面)であれば他の箇所に設けられてもよい。
支持凸部は、上側及び下側シール筒部によるシリンダとピストンとの間の液密性を阻害せず、ピストンとシリンダの内周面との間の摺動抵抗を過度に大きくしなければ、シリンダの内周面と摺接してもよい。
支持凸部は、外筒部の外周面において全周にわたって設けられているが、周方向で間隔をあけて複数設けられてもよく、軸方向に複数設けられてもよい。
ピストンは、ステムと連係して上下動すれば、ステムと一体であったり、外筒部及び内筒部が別体であったり、他の構成であってもよい。
内容物の吐出量は、多くなくてもよく、また、内容物を吐出するための押し下げ移動量は、大きくなくてもよい。
Claims (2)
- 内容物を収容した容器内に配置されるシリンダと、
前記シリンダの内側に配置され、前記シリンダの内周面に液密に摺接される環状のピストンと、
前記ピストンに連係されると共に、前記シリンダの上方に上方付勢状態で押し込み可能に突出されたステムと、
前記ステムの上端部に装着され、前記ステムに連通するノズル部が設けられた押下ヘッドと、
を備える吐出ポンプであって、
前記ピストンは、上側に配置されると共に下方から上方に向かうにしたがって漸次径方向外方に向けて延びる上側シール筒部と、下側に配置されると共に上方から下方に向かうにしたがって漸次径方向外方に向けて延びる下側シール筒部と、前記上側シール筒部と前記下側シール筒部とを連結する基部と、を備え、
前記ピストンの外周面には、径方向外方に向けて突出する支持凸部が設けられており、
前記支持凸部は、前記シリンダの内周面から離間していることを特徴とする吐出ポンプ。 - 前記支持凸部は、前記基部の外周面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吐出ポンプ。
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