以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図20に基づいて説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。このため、中枠12は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠12に装着される。また、前枠14には、窓口14aのほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部16aと、左側枠用ランプ部16bと、右側枠用ランプ部16cとが配置されている。各枠用ランプ部16a〜16cは、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズで覆って構成されている。
前枠14には、窓口14aの左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ17aと、右スピーカ17bとが配置されている。左スピーカ17aと右スピーカ17bは、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ17a及び右スピーカ17bの装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル19が装着されている。また、前枠14には、下皿18の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ17cが配置されている。下スピーカ17cは、中枠12に装着されている。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の図示しない払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路15aが連設されており、さらに右方側に貯留通路15a内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路15aにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル19の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、上皿15の上面15bには、遊技者が操作可能な演出用操作手段としての演出用ボタンBTが設けられている。演出用ボタンBTには、図示しない発光体(ランプやLEDなど)が内蔵されており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲーム中、大当り遊技中やデモンストレーション中など)に、その操作が有効とされるようになっている。そして、演出用ボタンBTの操作が有効である場合には演出用ボタンBTに内蔵した図示しないランプが点灯するとともに、演出用ボタンBTの操作が無効である場合には演出用ボタンBTに内蔵したランプが消灯するようになっている。また、下皿18には、上皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口18aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部18bが遊技球の出口18aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路20aが形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)21が装着されている。表示枠体21の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口21aが形成されており、当該セット口21aに整合して表示枠体21には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置22が装着されている。演出表示装置22には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置22の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置22の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、表示枠体21には、発光により発光演出を行う盤用ランプ部21bが装着されている。
図2に示すように、表示枠体21において画像表示部GHの右下方には、複数個(本実施形態では7個)の発光体(本実施形態ではLED)の特別図柄発光部23a〜23gを備えた特別図柄表示装置23が設けられている。特別図柄表示装置23では、7個の特別図柄発光部23a〜23gのうち、所定個数(1個以上)の特別図柄発光部の発光体を点灯させて、その点灯した特別図柄発光部の位置と個数によって区別される組み合わせを導出する図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームで点灯又は消灯する特別図柄発光部を特別図柄として扱っている。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
演出表示装置22と特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置23では発光体の点灯及び消灯することで特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置22では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置22と特別図柄表示装置23には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄(大当り表示結果)又ははずれ図柄(はずれ表示結果)が確定的に停止表示される。このとき、特別図柄表示装置23と演出表示装置22では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定的に停止表示(確定停止表示)され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。また、本実施形態において演出表示装置22には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置22の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置23の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置22を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置23よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、予告演出(リーチ演出))が行われる演出表示装置22の表示内容に注目し、該演出表示装置22の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせ(確定停止図柄)から大当り又ははずれを認識することになる。演出表示装置22に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせ(確定停止図柄)が飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置22に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせ(確定停止図柄)が飾り図柄によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、本実施形態において、演出表示装置22における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置22において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一図柄となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾り図柄を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾り図柄を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾り図柄を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、演出表示装置22には、特別図柄表示装置23の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。特別図柄表示装置23に表示される特別図柄と、演出表示装置22に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特別図柄表示装置23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特別図柄表示装置23にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置22では、図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。本実施形態において特別図柄表示装置23の図柄変動ゲームで導出される大当り図柄とはずれ図柄は、特別図柄表示装置23を構成する発光体において発光した発光体の組み合わせによって構成される。
図1及び図2の説明に戻り、表示枠体21において特別図柄表示装置23の下方には、複数個(本実施形態では4個)の特別図柄保留発光部24a〜24dを備えた特別図柄保留記憶表示装置(始動保留球数表示手段)24が設けられている。そして、特別図柄保留記憶表示装置24は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体21の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口28と下始動入賞口29)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、前記始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
そして、特別図柄保留記憶表示装置24は、特別図柄保留発光部24a〜24dの点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数(始動保留球の個数)を遊技者に報知する構成となっている。具体的に言えば、特別図柄保留記憶表示装置24は、保留記憶数が「1」の場合には1つの特別図柄保留発光部24aのみが点灯して1回の図柄変動ゲームが保留中であることを報知し、保留記憶数が「2」の場合には2つの特別図柄保留発光部24a,24bが点灯して2回の図柄変動ゲームが保留中であることを報知する。また、特別図柄保留記憶表示装置24は、保留記憶数が「3」の場合には3つの特別図柄保留発光部24a〜24cが点灯して3回の図柄変動ゲームが保留中であることを報知し、保留記憶数が「4」の場合には全ての特別図柄保留発光部24a〜24dが点灯して4回の図柄変動ゲームが保留中であることを報知する。なお、特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、全ての特別図柄保留発光部24a〜24dが消灯している。
そして、図柄変動ゲームの終了時に、大当り遊技が開始されることがないとともに特別図柄用の保留記憶数が存在しない(0(零)である)場合、図柄変動ゲームが行われていない状態(変動停止中)となる。すなわち、図柄変動ゲームが途切れている次回の図柄変動ゲームの開始を待機する待機状態となる。待機状態は、一旦生起させると該待機状態中に図柄変動ゲームの始動条件が成立することを終了条件として該終了条件が成立するまで継続される。
また、表示枠体21において特別図柄表示装置23の右方には、複数個(本実施形態では2個)の普通図柄発光部25a,25bを備えた普通図柄表示装置25が設けられている。普通図柄表示装置25では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根30の開動作により下始動入賞口29を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態においては、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄として上側の普通図柄発光部25aを点灯させるとともに、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームで下側の普通図柄発光部25bを点灯させる。このため、遊技者は、普通図柄表示装置25の普通図柄変動ゲームで確定的に上側の普通図柄発光部25aが点灯することにより当りを認識できるとともに、前記普通図柄変動ゲームで確定的に下側の普通図柄発光部25bが点灯することによりはずれを認識できる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、普通図柄変動ゲームで点灯及び消灯する普通図柄発光部を普通図柄として扱っている。
また、表示枠体21において特別図柄表示装置23及び普通図柄表示装置25の下方には、複数個(本実施形態では4個)の普通図柄保留発光部26a〜26dを備えた普通図柄保留記憶表示装置26が設けられている。そして、普通図柄保留記憶表示装置26は、機内部で記憶した普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体21の左方に配置される普通図柄作動ゲート27へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球を始動保留球として記憶し、その始動保留球の個数を普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート27に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート27へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
そして、普通図柄保留記憶表示装置26は、普通図柄保留発光部26a〜26dの点灯個数により保留中の普通図柄変動ゲームの回数(始動保留球の個数)を遊技者に報知する構成となっている。具体的に言えば、普通図柄保留記憶表示装置26は、保留記憶数が「1」の場合には1つの普通図柄保留発光部26aのみが点灯して1回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを報知し、保留記憶数が「2」の場合には2つの普通図柄保留発光部26a,26bが点灯して2回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを報知する。また、普通図柄保留記憶表示装置26は、保留記憶数が「3」の場合には3つの普通図柄保留発光部26a〜26cが点灯して3回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを報知し、保留記憶数が「4」の場合には全ての普通図柄保留発光部26a〜26dが点灯して4回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを報知する。なお、普通図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、全ての普通図柄保留発光部26a〜26dが消灯している。
また、表示枠体21の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口28aを有する上始動入賞口28と遊技球の入球口29aを有する下始動入賞口29が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口28は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口28aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口29は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根30を備えており、開閉羽根30が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口29aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口29は、開閉羽根30が開動作して入球口29aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口28と下始動入賞口29の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1,SW2(図7に示す)が配設されている。上始動入賞口28と下始動入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口29は開閉羽根30が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根30が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
また、下始動入賞口29の下方の遊技領域H1には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉31を備えた入賞手段としての大入賞口(特別電動役物)32が配設されている。大入賞口32の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図7に示す)が配設されている。大入賞口32は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉31の開動作によって大入賞口32が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉31の開動作により大入賞口32が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(例えば、16回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口扉31の開動作により大入賞口32が開放されてから大入賞口扉31の閉動作により大入賞口32が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口32は、規定入球個数(例えば、9球)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(例えば、25秒)が経過するまでの間、開放される。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、表示枠体21の左方の遊技領域H1には、普通図柄作動ゲート27が配設されている。普通図柄作動ゲート27の奥方には、該普通図柄作動ゲート27へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図7に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート27は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口32よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口33が形成されている。アウト球口33を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率状態(当選確率状態)が低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動する確変状態を付与する機能である。確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率状態が高確率抽選状態に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、100種類の特別図柄の大当り図柄のうち、60種類の特別図柄が確変大当りとなる特別図柄(特定図柄)に設定されているとともに、40種類の特別図柄が非確変大当りとなる特別図柄(非特定図柄)に設定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置22に表示される飾り図柄のうち、奇数図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせのうち[777]が、確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ(確変確定の大当り図柄)として設定されている。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置22に表示される飾り図柄のうち、奇数図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせのうち[111]、[333]、及び[555]と偶数図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせ[222]、[444]、[666]及び[888]が、確変大当り及び非確変大当りの何れかであることを認識し得る図柄組み合わせ(確変非確定の大当り図柄)として設定されている。すなわち、飾り図柄による大当りの図柄組み合わせ[777]は、確変大当りが決定されている場合に演出表示装置22の図柄変動ゲームで導出可能な組み合わせとされている。また、飾り図柄による大当りの組み合わせ[111]、[222]、[333]、[444]、[555]、[666]、及び[888]は、確変大当り及び非確変大当りの何れが決定されている場合でも、演出表示装置22の図柄変動ゲームで導出可能な組み合わせとされている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート27の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率状態(普通当りの当選確率)が低確率抽選状態から高確率抽選状態に変動する変短状態を特典として付与する機能である。また、変短状態が付与されている場合と変短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口29の開閉羽根30は、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、変短状態が付与されていない時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根30が第1回数(例えば1回)分開放し、開放してから第1開放時間(例えば、300ms)経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、変短状態が付与されている時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根30が開放する回数が増加(例えば、3回)して第1回数よりも多い第2回数となり、1回の開放において開放してから第1開放時間よりも長い第2開放時間(例えば、1400ms)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根30は、変短状態が付与されている場合、変短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。変短状態中は、開閉羽根30が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口29への遊技球の入球率が向上するので、変短状態は入球率向上状態となる。そして、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、変短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。なお、変短状態が付与される前記回数は、大当りに当選した時の遊技状態に応じて変化する。
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉羽根30の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。一方、大当り遊技の終了後における開閉羽根30の単位時間あたりの開放時間を増加させない非変短状態が、開放時間非増加状態となる。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について、図3をもとに詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、規定ラウンド数を「16回」とする3種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技を付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において100種類の特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、図柄A、図柄B及び図柄Cの3種類に分類されている。なお、本実施形態では、図柄A〜Cのそれぞれに複数種類の特別図柄を分類することで、特別図柄が図柄A〜Cのいずれに分類されているかを遊技者に認識させ難くしている。
そして、例えば、図柄Aには50種類の大当り図柄が、図柄Bには10種類の大当り図柄が、図柄Cには40種類の大当り図柄が、それぞれ属している。このように特別図柄を振分けた場合、図柄Aに基づく大当り遊技は大当り全体の50%(100分の50)となり、図柄Bに基づく大当り遊技は大当り全体の10%(100分の10)となり、図柄Cに基づく大当り遊技は大当り全体の40%(100分の40)となる。そして、これら図柄A,B,Cには、所定個数ずつの大当り図柄がそれぞれ属している。各図柄A,B,Cに属する大当り図柄の割合により、各大当り遊技が付与される割合が定められる。
図柄A〜Cによって付与される各大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口32を「1回」開放させることにより、大当り遊技中に大入賞口32を「16回(16ラウンド×1回)」開放させるようになっている。また、各大当り遊技は、オープニング演出時間として「10000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25000(ms)」が、エンディング演出時間として「8000(ms)」が設定されている。また、各大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「9球」に設定されている。
そして、図柄Aに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態(リミットなし(次回大当りまで))と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合を「リミットなし」と表記している。以下、図柄Aに基づく大当り遊技を「16R確変大当り遊技」と示す場合もある。
また、図柄Bに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態(リミットなし(次回大当りまで))が付与される一方で、大当り遊技終了後、100回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与されるようになっている。すなわち、図柄Bに基づく大当り遊技は、大当り遊技終了後に100回(所定回数)の図柄変動ゲームが行われるまでの間、確変状態と変短状態が付与されるが、101回目からの図柄変動ゲームでは変短状態が付与されず、確変状態のみが付与されることになる。以下、図柄Bに基づく大当り遊技を「16R特別確変大当り遊技」と示す場合もある。
また、図柄Cに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、非確変状態が付与される一方で、100回(最大値)の図柄変動ゲームを対象として変短状態が付与されるようになっている。すなわち、図柄Cに基づく大当り遊技は、大当り遊技終了後に100回の図柄変動ゲームが行われるまでの間、変短状態が付与されるが、101回目からの図柄変動ゲームでは変短状態が付与されなくなる。以下、図柄Cに基づく大当り遊技を「16R非確変大当り遊技」と示す場合もある。
図柄Aに基づく大当り遊技と図柄Bに基づく大当り遊技は、変短状態が付与される図柄変動ゲームの回数に制限が加えられるか否かの点で異なり、大当り遊技中の態様(大入賞口32の開放態様など)は同一に設定されている。このため、図柄Aに基づく大当り遊技と図柄Bに基づく大当り遊技の大当り遊技を比較すると、リミットなし(次回大当りまで)変短状態が付与される図柄Aに基づく大当り遊技の方が、図柄Bに基づく大当り遊技よりも遊技者によって有利となり、遊技者が獲得し得る利益が大きくなる。
また、図柄Bに基づく大当り遊技と図柄Cに基づく大当り遊技は、大当り遊技中の態様(大入賞口32の開放態様など)が同一に設定されている。このため、図柄Bに基づく大当り遊技と図柄Cに基づく大当り遊技を比較すると、リミットなし(次回大当りまで)で確変状態が付与される図柄Bに基づく大当り遊技の方が、図柄Cの大当り遊技よりも遊技者にとって有利となり、遊技者が獲得し得る利益が大きくなる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、変短状態の終了条件を同一条件に設定した図柄Bに基づく大当り遊技と図柄Cに基づく大当り遊技を備えることで、これらの大当りに基づく大当り遊技終了後に確変状態が付与されているか否かを遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技終了後、少なくとも変短状態が付与される図柄変動ゲームの回数に制限が加えられるまでの図柄変動ゲームを対象に変短状態を付与する図柄A〜Cに基づく大当り遊技を備えることで、これらの大当りに基づく大当り遊技終了後の確変状態が付与されているか否かを少なくとも変短状態が付与される図柄変動ゲームの回数に制限が加えられるまでの図柄変動ゲームを対象に確変状態が付与されているか否かを遊技者に推測させるゲーム性を作り出している。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、図4に示すように、演出表示装置22で行われる演出として、大当り抽選の抽選確率状態(遊技状態)が高確率抽選状態(確変状態)であるのか、低確率抽選状態(非確変状態)であるのかを遊技者に示唆する複数(本実施形態では3つ)の演出モード(示唆演出)を実行可能に構成されている。具体的には、大当り抽選の抽選確率状態(遊技状態)が高確率抽選状態(確変状態)であることを遊技者に示唆(報知)する高確率確定演出としての確変モードMKが演出表示装置22で実行可能に構成されている。また、大当り抽選の抽選確率状態(遊技状態)が高確率抽選状態(確変状態)であることに対して期待を持つことができることを遊技者に示唆(報知)する示唆演出としての確変示唆モードMSが演出表示装置22で実行可能に構成されている。また、大当り抽選の抽選確率状態(遊技状態)が低確率抽選状態(非確変状態)である可能性が高いことを示唆(報知)する示唆演出としての通常モードMFが演出表示装置22で実行可能に構成されている。そして、本実施形態では、確変モードMKと、確変示唆モードMSと、通常モードMFのいずれかの演出モードが行われるようになっている。また、本実施形態においては、通常モードMF<確変示唆モードMS<確変モードMKの順に、大当り抽選の抽選確率が高確率抽選状態である期待度が高い演出として位置付けられている。
そして、確変モードMKにおいて演出表示装置22では、図4に示すように、確変モード用の背景画像GKのもと「確変モード」が画像表示される。なお、確変モードは、遊技状態が確変状態でさらにリミットなしの変短状態となる、「高確+変短あり(リミットなし)」の場合に出現する(実行される)演出モードとなっている。また、確変示唆モードMSにおいて演出表示装置22では、図4に示すように、確変示唆モード用の背景画像GSのもと「確変示唆モード」が画像表示される。なお、確変示唆モードMSは、遊技状態が確変状態又は非確変状態でさらに100回を上限とする変短状態となる、「高確+変短あり(100回)」又は「低確+変短あり(100回)」の場合に出現する(実行される)ようになっており、確変状態及び非確変状態のいずれの抽選確率状態も存在する演出モードとなっている。また、通常モードMFにおいて演出表示装置22では、図4に示すように、通常モード用の背景画像GFのもと「通常モード」が画像表示される。なお、通常モードは、遊技状態が確変状態又は非確変状態で非変短状態となる、「高確+変短なし」、「低確+変短なし」の場合に出現する(実行される)ようになっており、確変状態及び非確変状態のいずれの抽選状態も存在する演出モードとなっている。
そして、本実施形態において、演出表示装置22では、図柄変動ゲームに関連して画像表示される背景画像が画像表示され、当該背景画像に重なるように各列の飾り図柄が画像表示されて、これら飾り図柄が変動表示されることで図柄変動ゲームが実行されるようになっている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置22に画像表示される背景画像により各種演出モードを実行させ、背景画像の種類から遊技者に現在滞在している演出モードの種類を遊技者に把握させて確変状態であることに対して期待を持つことができるかどうかを報知したり、確変状態であることを報知したりするようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機10における背景画像は、図柄変動ゲームで表示される図柄を除いて構成し得る画像であり、図柄変動ゲームで変動表示される飾り図柄毎に対応付けて画像表示されるものとは異なっている。
次に、遊技の進行に伴う各種モードの移行態様について、図4に基づき説明する。なお、各種演出モード中の統括制御用CPU36aの制御内容については後で詳述する。また、図4では、16R確変大当り遊技を「16R確変」、16R特別確変大当り遊技を「16R特別確変」、16R非確変大当り遊技を「16R非確変」と示している。
大当り遊技に当選した場合には、いずれの演出モードに滞在していたとしても確変モードMK又は確変示唆モードMSに移行するようになっている。なお、本実施形態では、16R確変大当り遊技に当選した場合、確変モードMKに移行し、16R特別確変大当り遊技及び16R非確変大当り遊技に当選した場合、確変示唆モードMSに移行する。また、確変モードMK及び確変示唆モードMSは、各大当り遊技の終了とともに開始(付与)されるようになっている。そして、本実施形態では、各大当り遊技の終了とともに対応する演出モードの実行が指示されることとなり、各大当り遊技の終了に伴って各大当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームが開始されるまでの間に演出モードの実行が指示されることとなる。
また、確変示唆モードMSの滞在中には、該確変示唆モードMSの開始から他の演出モードに移行することなく101回目の図柄変動ゲームで変短状態が継続しないこと、すなわち、変短状態の付与が終了されて変短状態から非変短状態となることを契機に、通常モードMFに移行するようになっている。なお、変短状態の終了を契機とする通常モードMFは、変短状態の終了後(100回目の図柄変動ゲームの終了後)、次の図柄変動ゲーム(101回目の図柄変動ゲーム)の開始とともに開始(付与)されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、図柄変動ゲーム中に、当該図柄変動ゲームが大当りとなる可能性とともにいずれの大当りとなる可能性を示唆する予告演出を実行させるように構成されている。そして、本実施形態では、予告演出によって大当りとなる可能性とともに16R確変大当り遊技が付与される可能性(大当り遊技終了後が確変モードMKとなる可能性)を大当り期待度として示唆するようになっている。本実施形態では、演出表示装置22を用いて予告演出が行われる。また、本実施形態では、予告演出を確変モードMKである条件下で実行可能とし、確変モードMKの滞在中に大当りとともに確変モードMKが継続的に付与される可能性を示唆するようになっている。なお、確変示唆モードMS及び通常モードMFでは、確変モードMKで展開される演出とは異なる演出態様の予告演出が展開される。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、複数種類の予告演出が用意されており、1回の図柄変動ゲームにおいて複数の予告演出を実行可能に構成されている。これら予告演出では、それぞれに実行タイミングを予め定めており、実行タイミングが前後となる予告演出間において、これらの演出内容が関連付けされるようになっている。演出内容が関連付けされるとは、前に実行される予告演出の演出内容からその後に実行される予告演出の演出内容を連想可能になっていることであり、後に実行される予告演出の演出内容からもその前に実行された予告演出の演出内容を時系列に遡って連想可能になっている。
このようにして本実施形態では、複数種類の予告演出が互いに関連付けられることでこれら予告演出を通して1つのストーリー(物語)を創り上げるように構成されている。なお、本実施形態では、遊技者を見立てた味方キャラが運転操作する車と敵キャラ(ライバルキャラ)が運転操作する車とがサーキットでバトル(競争)するストーリー(物語)が創り上げられるようになっている。そして、バトルの結果、味方キャラが「勝利」する演出結果の導出によっては16R確変大当り遊技の当選とともに確変モードMKへの移行(確変モードMKの継続)が確定する。また、バトルの結果、味方キャラが「敗北」する演出結果の導出によっては16R特別確変大当り遊技、16R非確変大当り遊技の当選とともに確変示唆モードMSへの移行(確変モードMKの終了)が確定する。また、バトルの結果、敵キャラとの勝敗が付かない「引分け」する演出結果の導出によってははずれとともに確変モードMKの継続が確定する。すなわち、確変モードMKにおいては、バトルの結果が「勝利」となる場合には確変確定の大当り図柄が確定停止表示され、バトルの結果が「敗北」となる場合には確変非確定の大当り図柄が確定停止表示され、バトルの結果が「引分け」となる場合にははずれ図柄が確定停止表示されることとなる。このように、確変モードMKに関しては、予告演出(バトルの結果)から大当りの種類とともに演出モードの移行先が示唆されるようになっている。
そして、これら複数種類の予告演出による展開は、これらの予告演出が互いに関連付けられることで、1種類以上の予告演出の展開から構成される導入演出部SZと、1種類以上の予告演出の展開から構成される主要演出部MZと、1種類以上の予告演出の展開から構成される結果導出演出部EZにそれぞれ分類されている。また、これら各演出部からなる予告演出は、1回の図柄変動ゲームに跨って展開されるようになっており、1回の図柄変動ゲームの時間経過に合わせて順番に出現(到来)する。このため、複数種類の予告演出は、それぞれに各演出部のいずれかに分類されるものとなっている。図5には、1回の図柄変動ゲームの時間経過に合わせて出現(到来)する各演出部の順序を示している。図5に示すように、1回の図柄変動ゲームでは、当該図柄変動ゲームの経過に合わせて導入演出部SZが最も先に出現(到来)し、当該導入演出部SZの後に主要演出部MZが出現(到来)し、当該主要演出部MZの後に結果導出演出部EZが出現(到来)する。そして、予告演出は、演出表示装置22における図柄変動ゲームに合わせて展開され、当該図柄変動ゲームにおける各列の図柄が変動を開始して確定停止表示に合わせて展開される。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10で用意された予告演出について図6(a)〜(e)にしたがって詳しく説明する。
本実施形態では、予告演出を、コースMAP演出、コメント演出、ズームイン演出(ライバルキャラ演出)、タッチ演出、ライバルバトル演出の演出態様の異なる5種類としている。なお、本実施形態において、予告演出の演出態様とは、予告演出で遊技者に大当り期待度を把握させることとなる要素(予告演出で主体とするテーマなど)ことであり、この要素が異なる場合に予告演出の演出態様が異なるとしている。また、これら予告演出は、いずれも演出表示装置22で展開される演出となっている。なお、タッチ予告に関しては、演出自体は演出表示装置22で展開されるものの演出を展開させるにあたっては演出用ボタンBTを用いた演出としている。
そして、コースMAP演出の「テーマ」は、予告画像としてコースMAP画像W1とコースMAP上に味方キャラ位置W1aと敵キャラ(ライバルキャラ)位置W1bを表示させることを主体としている。また、コースMAP演出には、味方キャラ位置W1aのみを表示する1種類と、味方キャラ位置W1aと敵キャラA、敵キャラB及び敵キャラCのいずれかの敵キャラ位置W1bを表示する3種類と、これら3種類毎に味方キャラ位置W1aと敵キャラ位置W1bとの距離が遠い、又は近いとなる2種類があり、合計7種類の演出内容が設定されている。そして、コースMAP演出では、敵キャラ位置W1bが表示されるか否かと、表示された敵キャラ位置W1bが示す敵キャラの種類と、味方キャラ位置W1aと敵キャラ位置W1bの距離によって、大当り期待度の高低が変化するようになっている。具体的には、敵キャラ位置W1bが「表示されない」<「表示される」の順に大当り期待度が高まり、敵キャラ位置W1bが示す敵キャラが「敵キャラA」<「敵キャラC」<「敵キャラB」の順に大当り期待度が高まり、味方キャラ位置W1aと敵キャラ位置W1bの距離が「遠い」<「近い」の順に大当り期待度が高まる。なお、コースMAP演出では、演出自体が実行されない場合もあり、実行される場合に大当り期待度が高まる。「大当り期待度の高低」とは、大当り抽選で大当りに当選して16R確変大当り遊技に当選した時に出現される割合と大当り抽選で大当りに当選しなかった及び16R確変大当り遊技に当選しなかった場合に出現される割合をもとに算出される。このため、本実施形態において、「大当り期待度」とは、大当りの中でも16R確変大当り遊技に当選する期待度で、確変状態であることが遊技者に報知される確変モードMKに移行することとなる期待度となる。すなわち、本実施形態で「大当り期待度」は、確変大当り期待度と定義することもできる。なお、本実施形態では、見た目上に16R非確変大当り遊技と同一態様での展開となる16R特別確変大当り遊技も確変状態への移行契機となるが、確変状態であることを遊技者に認識させ難くしている点からも16R確変大当り遊技とは異なる取扱いをしている。そして、本実施形態では、大当り抽選で16R確変大当り遊技に当選した場合及び16R確変大当り遊技に当選しなかった場合の全体の出現率に対して、大当り抽選で16R確変大当り遊技に当選した場合の出現率が高くなるほど、大当り期待度の高い演出内容となる。また、コースMAP演出が実行される結果、演出表示装置22では、図6(a)に示すように、コースMAP画像W1が表示されるとともに、味方キャラ位置W1aが表示され、敵キャラが表示される場合には敵キャラ位置W1bが表示される。なお、敵キャラ位置W1bでは、キャラを示す画像を描写することでどの敵キャラであるかを示している。
また、コメント演出の「テーマ」は、予告画像としてコメント画像W2を表示させることを主体としている。また、コメント演出には、味方キャラ、敵キャラA、敵キャラB及び敵キャラCのいずれかによるコメント画像W2を表示する合計4種類の演出内容が設定されている。そして、コメント演出では、どのキャラによるコメントであるかによって、大当り期待度の高低が変化するようになっている。具体的には、コメントするキャラが「味方キャラ」<「敵キャラA」<「敵キャラC」<「敵キャラB」の順に大当り期待度が高まる。なお、コメント演出では、演出自体が実行されない場合もあり、実行される場合の方が大当り期待度が高まる。また、コメント演出が実行される結果、演出表示装置22では、図6(b)に示すように、コメント画像W2が表示される。なお、コメント画像W2では、コメントするキャラを示す画像を描写することでどのキャラによるコメントであるかを示している。
また、ズームイン演出の「テーマ」は、予告画像として敵キャラと遭遇する場面を表示させることを主体としている。また、ズームイン演出には、遭遇場面が「敵キャラと遭遇しない」と「敵キャラ前から遭遇」と「敵キャラ後ろから遭遇」の遭遇画像W3が表示される3種類が設定されている。そして、ズームイン演出では、遭遇場面によって、大当り期待度の高低が変化するようになっている。具体的には、遭遇場面が「敵キャラと遭遇しない」<「敵キャラ後ろから遭遇」<「敵キャラ前から遭遇」の順に大当り期待度が高まる。なお、ズームイン演出では、遭遇する敵キャラによっても大当り期待度の高低が変化するようになっており、「敵キャラA」<「敵キャラC」<「敵キャラB」の順に大当り期待度が高まるようになっている。また、ズームイン演出として演出内容としては、3種類の演出内容を3種類の敵キャラで共用することとなるが、実際に展開される演出としては対応する敵キャラによるズームイン演出が展開される。なお、ズームイン演出では、演出自体が実行されない場合もあり、実行される場合の方が大当り期待度が高まる。また、ズームイン演出が実行される結果、演出表示装置22では、図6(c)に示すように、敵キャラとの遭遇画像W3がズームイン(連続的に接近する)態様で表示される。なお、図6(c)では、「敵キャラ後ろから遭遇」の場合を示しており、味方キャラの運転操作する車中のルームミラーを模した画像W3aに、敵キャラの運転操作する車が接近していることを示している。なお、遭遇画像W3では、遭遇(接近)する敵キャラを示す画像を描写することでどのキャラと遭遇するかを示している。
また、タッチ演出の「テーマ」は、予告画像として味方キャラとともに敵キャラを表示させて、最終的に味方キャラ及び敵キャラのいずれかを表示させることを主体としている。また、タッチ演出には、途中に「味方攻撃確定」又は「ピンチ」のタッチ画像W4が表示される2種類の演出内容が設定されている。そして、タッチ演出では、途中で「味方攻撃確定」が表示されるか否かによって、大当り期待度の高低が変化するようになっている。具体的には、最終的に「ピンチ」となる<途中で「味方攻撃確定」となるの順に大当り期待度が高まる。なお、タッチ演出では、味方キャラとともに表示される敵キャラによっても大当り期待度の高低が変化するようになっており、「敵キャラA」<「敵キャラC」<「敵キャラB」の順に大当り期待度が高まるようになっている。また、タッチ演出として演出内容としては、2種類の演出内容を3種類の敵キャラで共用することとなるが、実際に展開される演出としては対応する敵キャラとタッチ演出が展開される。また、タッチ演出が実行される結果、演出表示装置22では、図6(d)に示すように、味方キャラと敵キャラが表示されるタッチ画像W4が最終的に味方キャラを表示させるのか敵キャラを表示させるのか左右に揺れる態様で表示される。そして、演出表示装置22では、図6(d)に示すように、途中で「味方攻撃確定」となる場合に、敵キャラを画面上から追いやる態様で味方キャラが表示される。また、演出表示装置22では、図6(d)に示すように、最終的に「ピンチ」となる場合に、味方キャラを画面上から追いやる態様で敵キャラが表示される。なお、タッチ画像W4では、敵キャラを示す画像を描写することでどのキャラとのタッチ演出であるかを示している。
また、ライバルバトル演出の「テーマ」は、予告画像として敵キャラ(ライバルキャラ)とバトル(競り合う)場面を表示させることを主体としている。また、ライバルバトル演出には、「味方キャラが攻撃する」と「敵キャラが攻撃する」と「敵キャラの攻撃後、復活する」のバトル画像W5を表示する3種類の演出内容が設定されている。そして、ライバルバトル演出では、バトル場面によって、大当り期待度の高低が変化するようになっている。具体的には、バトル場面が「敵キャラが攻撃する」<「味方キャラが攻撃する」<「敵キャラの攻撃後、復活する」の順に大当り期待度が高まる。なお、ライバルバトル演出では、バトルを展開する敵キャラによっても大当り期待度の高低が変化するようになっており、「敵キャラA」<「敵キャラC」<「敵キャラB」の順に大当り期待度が高まるようになっている。また、ライバルバトル演出として演出内容としては、3種類の演出内容を3種類の敵キャラで共用することとなるが、実際に展開される演出としては対応する敵キャラとバトル演出が展開される。また、ライバルバトル演出が実行される結果、演出表示装置22では、図6(e)に示すように、敵キャラとのバトル画像W5が、「どちらの攻撃」が表示される開始場面画像W5a、「こちらの攻撃」又は「敵の攻撃」が表示される攻撃場面画像W5b、「敵の攻撃」の後に「復活」が表示される復活場面画像W5cの複数場面に亘って表示される。なお、バトル画像W5では、バトルを展開する敵キャラを示す画像が場面毎に出現することでどのキャラと遭遇するかを示している。そして、ライバルバトル演出では、これらの展開後、最終的に「勝利」、「引分け」及び「敗北け」のいずれかの演出結果が導出される。
以上に説明した予告演出は、図7に示すように、図柄変動ゲームが開始してから(変動開始)、図柄変動ゲームが終了する迄の間に、予め定めたタイミングでそれぞれが実行されるようになっている。図7では、図柄変動ゲームの途中でリーチが形成される場合を示している。
具体的に言えば、図柄変動ゲームにおいて、変動開始からリーチ形成までの間には、コースMAP演出とコメント演出について実行タイミングが定められている。なお、これらの予告演出に関しては、コースMAP演出→コメント演出の順に実行タイミングが定められている。また、図柄変動ゲームにおいて、コメント演出の実行タイミング後でリーチ形成直前には、ズームイン演出について実行タイミングが定められている。なお、ズームイン演出は、図7のようにリーチが形成される場合、リーチ形成を跨ぐようにして展開されるようになっている。また、ズームイン演出の実行タイミング後でリーチ形成後から変動終了までの間には、タッチ演出とライバルバトル演出について実行タイミングが定められている。なお、これらの予告演出に関しては、タッチ演出→ライバルバトル演出の順に実行タイミングが定められている。本実施形態では、リーチを形成しない場合、コースMAP演出とコメント演出が実行される展開(ズームイン演出が実行されない展開)と、これらに加えてズームイン演出が実行される展開がある。そして、リーチを形成しないでズームイン演出が実行されない展開では、コメント演出の実行後、間もなくして図柄変動ゲームが変動終了することとなる。また、リーチを形成しないでズームイン演出が実行される展開では、ズームイン演出の実行後、間もなくして図柄変動ゲームが変動終了することとなり、リーチを跨ぐことなくズームイン演出も終了することとなる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、これら予告演出を伴う図柄変動ゲームにおいて、ズームイン演出、タッチ演出、ライバルバトル演出によって構成されるリーチ形成後の演出がリーチ演出と位置付けられる演出となる。具体的には、リーチを形成する場合、ズームイン演出の途中にリーチが形成されるので、ズームイン演出以後の実行タイミングを定める予告演出がリーチ演出として位置付けられる演出となる。本実施形態では、これら予告演出の実行中も変動している図柄の様子や、リーチを形成する様子(いずれの飾り図柄によるリーチであるか)を遊技者に認識可能となるように、これら予告演出と並行して飾り図柄による図柄変動ゲームも遊技者に認識可能になっている。なお、ズームイン演出では、リーチを形成する場合に「敵キャラと遭遇する」2種類の演出内容となる。一方では、リーチを形成しない場合ズームイン演出の途中にリーチが形成されないので、リーチ演出として位置付けられないこととなる。なお、ズームイン演出では、リーチを形成しない場合に「敵キャラと遭遇しない」演出内容となる。このため、本実施形態では、「敵キャラと遭遇する」2種類の演出内容となるズームイン演出がリーチ演出に位置付けられる一方、「敵キャラと遭遇しない」の演出内容となるズームイン演出がリーチ演出に位置付けられないこととなる。すなわち、リーチを形成する前提においては、ズームイン演出がリーチ演出に位置付けられる。
そして、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて、変動開始からリーチ形成までの間の期間を導入演出部SZに規定するようになっている。このため、導入演出部SZは、コースMAP演出による展開と、コメント演出による展開と、ズームイン演出による展開のうちリーチ形成前までの展開から構成され、1種類以上の予告演出による展開から構成される。また、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて、リーチ形成後から変動終了までの間の期間を主要演出部MZと結果導出演出部EZに規定するようになっている。このため、主要演出部MZは、ズームイン演出による展開のうちリーチ形成からの展開と、タッチ演出と、ライバルバトル演出による展開のうち最終的な結果が導出される前までの展開から構成され、1種類以上の予告演出の展開から構成される。また、結果導出演出部EZは、ライバルバトル演出による展開のうち最終的な結果が導出される展開から構成され、1種類以上の予告演出の展開から構成される。
すなわち、本実施形態では、コースMAP演出とコメント演出とズームイン演出が導入演出部SZに、ズームイン演出とタッチ演出とライバルバトル演出が主要演出部MZに、ライバルバトル演出が結果導出演出部EZにそれぞれ分類される。また、ズームイン演出に関しては、導入演出部SZと主要演出部MZに重複して分類される。また、ライバルバトル演出に関しては、主要演出部MZと結果導出演出部EZに重複して分類される。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図8に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38が装着されている。本実施形態では、サブ統括制御基板36と、演出表示制御基板37と、音声・ランプ制御基板38によって副制御装置が構成されている。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38を統括的に制御する。演出表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置22の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板38は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部16a〜16c,21bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ17a〜17cの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aの制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されている。また、主制御用CPU35aには、上始動入賞口28に入球した遊技球を検知する始動手段としての上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口29に入球した遊技球を検知する始動手段としての下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU35aには、大入賞口32に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU35aには、図柄表示基板39を介して、特別図柄表示装置23と特別図柄保留記憶表示装置24が接続されている。また、主制御用CPU35aには、図柄表示基板39を介して、普通図柄表示装置25と普通図柄保留記憶表示装置26が接続されている。図柄表示基板39は、特別図柄表示装置23、特別図柄保留記憶表示装置24、普通図柄表示装置25及び普通図柄保留記憶表示装置26と対応する位置にそれぞれ装着されており、主制御基板35が出力する制御信号を入力し、特別図柄表示装置23、特別図柄保留記憶表示装置24、普通図柄表示装置25及び普通図柄保留記憶表示装置26の表示内容を制御する。
また、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM35cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、主制御用CPU35aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用CPU35aには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM35bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM35bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置22及び特別図柄表示装置23において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置22及び特別図柄表示装置23において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、大当り演出用(大当り演出用(大当り変動用))、はずれリーチ演出用(はずれリーチ変動用)及びはずれ演出用(通常変動用)からなる変動内容毎に分類されている。
大当り演出用の変動パターンに基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される大当り演出である。また、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、はずれ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置22の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、特別図柄表示装置23では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。また、はずれ演出用の変動パターンに基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、前回(直近)の大当り遊技の当選時に特別図柄として決定した図柄の種類に基づく遊技状態に応じた選択条件によって、選択し得る変動パターンを定めている。本実施形態では、図9に示すように、選択条件に対応させた参照テーブルA〜E毎に選択し得る変動パターンを定めており、参照テーブルA〜Eに基づいて変動パターンが選択される。また、本実施形態では、図9に示すように、参照テーブルA〜E毎に大当り抽選ではずれを決定する場合にリーチ演出(はずれリーチ演出)を実行させるか否かを抽選するリーチ判定で肯定とする割合(リーチ確率)を定めている。そして、参照テーブルの特定に関して主制御用CPU35aは、変動パターンの選択毎に各選択条件に応じて参照するべき参照テーブルの種類を特定する。また、本実施形態において主制御用CPU35aは、大当り遊技を付与すると該大当り遊技がいずれの特別図柄(大当り図柄)に基づく大当り遊技であったのかを特定可能なメイン用種別情報(フラグなど)を主制御用RAM35cに記憶(設定)するようになっている。主制御用CPU35aは、メイン用種別情報により前回(直近)の大当り遊技の当選時に特別図柄として決定した図柄の種類を特定可能となっている。そして、主制御用CPU35aは、メイン用種別情報に基づいて選択条件を特定するとともに参照テーブルを特定することとなる。
次に、参照テーブルA〜Eについて図9に基づき説明する。
図9に示すように、前回の大当り遊技の当選時に特別図柄として図柄B,Cが決定された且つ前回の大当り遊技の当選から100回の図柄変動ゲームが経過しているとする選択条件に対しては、参照テーブルA,B,Cが対応付けされている。さらにこの選択条件に対しては、図柄変動ゲームの開始に伴い当該変動分を減算した残りの保留記憶数が「0」及び「1」である場合に参照テーブルAが、減算した残りの保留記憶数が「2」である場合に参照テーブルBが、減算した残りの保留記憶数が「3」である場合に参照テーブルCがそれぞれ対応付けされている。参照テーブルA〜Cを参照する場合の遊技状態は、「低確+変短なし」及び「高確+変短なし」のいずれかである。この場合には、図4によれば通常モードMFの滞在中となる。すなわち、参照テーブルA〜Cは、通常モードMFの滞在中の図柄変動ゲームにおける変動パターンの選択の際に参照されることとなる。なお、参照テーブルA〜Cには、対応する大当り演出用、はずれリーチ演出用、及びはずれ演出用の複数種類の変動パターンが振分けられている。
また、前回の大当り遊技の当選時に特別図柄として図柄B,Cが決定された且つ前回の大当り遊技の当選から100回の図柄変動ゲームが経過していないとする選択条件に対しては、参照テーブルDが対応付けされている。この場合の遊技状態は、「低確+変短あり(リミットあり)」及び「高確+変短あり(リミットあり)」のいずれかである。この場合には、図4によれば16R特別確変大当り遊技又は16R非確変大当り遊技に基づく確変示唆モードMSの滞在中の図柄変動ゲームにおける変動パターンの選択の際に参照されることとなる。すなわち、参照テーブルDは、確変示唆モードMSの滞在中の図柄変動ゲームにおける変動パターンの選択の際に参照されることとなる。なお、参照テーブルDには、対応する大当り演出用、はずれリーチ演出用、及びはずれ演出用の複数種類の変動パターンが振分けられている。
また、前回の大当り遊技の当選時に特別図柄として図柄Aが決定されたとする選択条件に対しては、参照テーブルEが対応付けされている。参照テーブルEを参照する場合の遊技状態は、「高確+変短あり(リミットなし)」である。この場合には、図4によれば確変モードMKの滞在中となる。すなわち、参照テーブルEは、確変モードMKの滞在中の図柄変動ゲームにおける変動パターンの選択の際に参照されることとなる。なお、参照テーブルEには、対応する大当り演出用、はずれリーチ演出用、及びはずれ演出用の複数種類の変動パターンが振分けられている。
また、主制御用ROM35bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる判定値であり、特別図柄用の大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1548までの全1549通りの整数)の中から定められている。さらに、大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがあり、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では40個)は、非確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1597分の4(=399.25分の1)となり、確変状態における大当り抽選で大当りに当選する確率が、1597分の40(=39.925分の1)となる。また、主制御用RAM35cには、大当り判定時に使用する大当り判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、大当り判定用乱数は、各始動入賞口28,29へ遊技球が入賞したことを契機に取得されるようになっている。また、主制御用RAM35cには、大当り決定時に大当り図柄となる特別図柄の種類を決定する際に用いる特図振分用乱数が記憶されている。各特別図柄には、この特図振分用乱数が所定個数(本実施形態では1個)ずつ振り分けられており、主制御用CPU35aは、大当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合)、取得した特図振分用乱数に基づき大当り図柄を決定する。この特図振分用乱数は、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「99」の全100通りの整数)の数値を取り得るように、主制御用CPU35aが所定の周期毎(2ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、主制御用CPU35aは、更新後の値を特図振分用乱数の値として主制御用RAM35cに記憶し、既に記憶されている特図振分用乱数の値を書き換えることで特図振分用乱数の値を順次更新するようになっている。本実施形態において、特図振分用乱数は、各始動入賞口28,29へ遊技球が入賞したことを契機に取得されるようになっている。
また、主制御用ROM35bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、はずれを決定する場合にはずれリーチ演出を実行するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。また、主制御用RAM35cには、リーチ判定時に使用するリーチ判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、リーチ判定用乱数は、リーチ判定時に取得されるようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、各参照テーブル毎にリーチ判定値の個数を定めるようになっており、各参照テーブル毎にリーチ判定用乱数の取り得る数値のうちリーチ判定値となるリーチ確率を定めるようになっている。そして、図9に示すように、参照テーブルAではリーチ確率が35/241になるように241通りのリーチ判定用乱数のうち35通りの乱数がリーチ判定値に定められている。また、図9に示すように、参照テーブルBではリーチ確率が16/241になるように241通りのリーチ判定用乱数のうち16通りの乱数がリーチ判定値に定められている。また、図9に示すように、参照テーブルCではリーチ確率が5/241になるように241通りのリーチ判定用乱数のうち5通りの乱数がリーチ判定値に定められている。また、図9に示すように、参照テーブルDではリーチ確率が16/241になるように241通りのリーチ判定用乱数のうち16通りの乱数がリーチ判定値に定められている。また、図9に示すように、参照テーブルEではリーチ確率が9/241になるように241通りのリーチ判定用乱数のうち9通りの乱数がリーチ判定値に定められている。
すなわち、図4によれば、通常モードMFの滞在中には、図柄変動ゲームの開始に伴い当該変動分を減算した残りの保留記憶数が「0」及び「1」の場合に参照テーブルAが参照される結果、リーチ確率が35/241となる。また、図4によれば、通常モードMFの滞在中には、図柄変動ゲームの開始に伴い当該変動分を減算した残りの保留記憶数が「2」の場合に参照テーブルBが参照される結果、リーチ確率が16/241となる。また、図4によれば、通常モードMFの滞在中には、図柄変動ゲームの開始に伴い当該変動分を減算した残りの保留記憶数が「3」の場合に参照テーブルCが参照される結果、リーチ確率が5/241となる。また、図4によれば、確変示唆モードMSの滞在中には、参照テーブルDが参照される結果、リーチ確率が16/241となる。また、図4によれば、確変モードMKの滞在中には、参照テーブルEが参照される結果、リーチ確率が9/241となる。このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、参照テーブルが参照される結果、演出モード毎にリーチ確率を対応付けするとともに演出モード毎にリーチ確率を変化可能に構成されている。このように、本実施形態によれば、確変状態と非確変状態で同じ演出モードを選択し得る場合には、同じ演出モードで選択し得る変動パターンやリーチ確率を同じにできるだけでなく、演出モード単位で選択し得る変動パターンやリーチ確率を異ならせるといったことの実現が容易にできる。
また、主制御用ROM35bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)で用いる判定値であり、普通当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)の中から定められている。なお、普通当り判定値は、変短状態が付与されているか否かでその数が異なっており、変短状態が付与されている時の普通当り判定値の数(本実施形態では250個)は、変短状態が付与されていない時の普通当り判定値の数(本実施形態では15個)よりも多く設定されている。また、主制御用RAM35cには、普通当り判定時に使用する普通当り判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、普通当り判定用乱数は、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過したことを契機に取得されるようになっている。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、統括制御用ROM36bには、統括制御プログラムに加え、各種演出を決定する際に参照する各種テーブルが記憶されている。なお、各種テーブルについての詳細は、後述する。
次に、演出表示制御基板37について説明する。
演出表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示装置22が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び演出表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板35について説明する。本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき以下の各種処理を実行する主制御基板35の主制御用CPU35aが、大当り抽選手段として機能する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、上始動入賞口28又は下始動入賞口29へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。例えば、主制御用CPU35aは、書き換え後の特別図柄用の保留記憶数が「3」の場合、3つの保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当り遊技を付与するか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。なお、大当り判定において主制御用CPU35aは、遊技状態が非確変状態(当選確率が低確)である場合には、低確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態(当選確率が高確)である場合には、高確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU35aは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した特図振分用乱数の値を読み出し、該値に基づいて特別図柄表示装置23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。特別図柄の大当り図柄は、前述したように大当り遊技の種類毎に設定されていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。また、大当りを決定した主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU35aは、大当り演出用の変動パターンの選択に際し、種別情報に基づく選択条件に応じて参照するべき参照テーブルを特定し、特定した参照テーブルに振分けられている大当り演出用の変動パターンの中から取得した変動パターン振分用乱数の値をもとに1つの変動パターンを選択する。
また、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄表示装置23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU35aは、リーチ判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値と主制御用ROM35bに記憶されているリーチ判定値とを比較し、はずれリーチ演出を実行するか否かを決定するリーチ判定を実行する。そして、主制御用CPU35aは、リーチ判定の実行に際し、種別情報に基づく選択条件に応じて参照するべく参照テーブルを特定し、特定した参照テーブルに基づきリーチ判定用乱数の値をもとにリーチ判定を実行する。
そして、リーチ判定の判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに、はずれリーチ演出用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU35aは、はずれリーチ演出用の変動パターンの選択に際し、種別情報に基づく選択条件に応じて参照するべき参照テーブルを特定し、特定した参照テーブルに振分けられているはずれリーチ演出用の変動パターンの中から取得した変動パターン振分用乱数の値をもとに1つの変動パターンを選択する。
一方、リーチ判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した値をもとに、はずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU35aは、はずれ演出用の変動パターンの選択に際し、種別情報に基づく選択条件に応じて参照するべき参照テーブルを特定し、特定した参照テーブルに振分けられているはずれ演出用の変動パターンの中から取得した変動パターン振分用乱数の値をもとに1つの変動パターンを選択する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、所定の制御コマンドを生成し、その生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、該変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU35aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを生成し、該停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU35aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを生成し、該図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置23の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲーム終了後(図柄停止コマンドの出力後)、インターバル期間(本実施形態では500ms)を経たときに保留記憶数が「0(零)」でない場合、始動保留球に基づき次の図柄組み合わせゲームを開始させるための処理を実行する。そして、前記処理の実行後、主制御用CPU35aは、次の図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力し、当該ゲームを開始させる。なお、次の図柄変動ゲームは、前の図柄変動ゲームの終了後、前記インターバル期間を経て開始される。
また、主制御用CPU35aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。また、主制御用CPU35aは、今回の大当り遊技に対応する種別情報を主制御用RAM35cに記憶(設定)する。
主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力するとともに、オープニング時間(10000(ms))の計測を開始する。次に、主制御用CPU35aは、オープニング時間が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく1ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(最大で25000(ms))の計測を開始し、さらに開放信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の開始に伴って大入賞口32の大入賞口扉31が開放される。そして、主制御用CPU35aは、1ラウンド目のラウンド遊技において終了条件が満たされると、閉鎖信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の終了に伴って大入賞口32の大入賞口扉31が閉鎖される。
1ラウンド目のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU35aは、2ラウンド目のラウンド遊技を開始させるために、1ラウンド目と2ラウンド目の間に設定されるラウンド間インターバルのインターバル時間(1000(ms))の経過後に、2ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、2ラウンド目のラウンド遊技で終了条件が満たされると、同様に2ラウンド目のラウンド遊技を終了する。以降同様に、主制御用CPU35aは、3ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技を制御する。そして、主制御用CPU35aは、最終ラウンドのラウンド遊技が終了すると、最終開放インターバル時間(1000(ms))の経過後にエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間(8000(ms))の計測を開始する。そして、主制御用CPU35aは、エンディング時間の経過後、大当り遊技を終了させる。
その際、主制御用CPU35aは、16R確変大当り遊技を付与した場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。また、主制御用CPU35aは、16R特別確変大当り遊技を付与した場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定し、変短状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定する。また、主制御用CPU35aは、16R非確変大当り遊技を付与した場合には、確変フラグに「0」を設定するとともに、作動フラグに「1」を設定し、変短状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定する。
なお、確変フラグに「1」が設定されている場合には、確変状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、確変状態が付与されていないことを示している。同様に、作動フラグに「1」が設定されている場合には、変短状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、変短状態が付与されていないことを示している。また、作動回数は、図柄変動ゲームが実行される毎に1減算され、値が0となると、作動フラグがクリアされる(「0」が設定される)。また、各フラグは、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。また、各フラグは、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。
そして、主制御用CPU35aは、各大当り遊技の終了後、遊技状態として「高確+変短あり」を付与する場合には高確率指定コマンドと変短作動コマンドを出力し、「低確+変短あり」を付与する場合には低確率指定コマンドと変短作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU35aは、各大当り遊技の終了後、遊技状態として「高確+変短なし」を付与する場合には高確率指定コマンドと変短非作動コマンドを出力し、「低確+変短なし」を付与する場合には低確率指定コマンドと変短非作動コマンドを出力する。
なお、大当り遊技を終了させた主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了時点の特別図柄用の保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球数をもとに、次の図柄変動ゲームを開始させる。一方、主制御用CPU35aは、大当り遊技の終了時点の特別図柄用の保留記憶数が「0」の場合、始動入賞口に遊技球が入球し、始動条件が成立するまで、図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
また、主制御基板35の主制御用CPU35aは、普通図柄作動ゲート27へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した普通図柄変動スイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている普通図柄変動ゲームの保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの普図保留判定を行う。普図保留判定の判定結果が肯定(普図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの保留記憶数を1加算(+1)し、普通図柄変動ゲームの保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、普図保留判定を肯定判定している場合、普通当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その取得した普通当り判定用乱数の値を普通図柄変動ゲームの保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、普図保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える普図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普通当り判定用乱数の値を取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した普通当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した普通当り判定用乱数の値と主制御用ROM35bに記憶されている普通当り判定値とを比較し、普通当りか否かの普通当り判定を行う。普通当り判定において主制御用CPU35aは、遊技状態として変短状態が付与されていない場合には低確率用の普通当り判定値と普通当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態として変短状態が付与されている場合には高確率用の普通当り判定値と普通当り判定用乱数の値を比較する。
普通当り判定の判定結果が肯定(普通当り判定用乱数の値と普通当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、普通当りを決定する。普通当りを決定した主制御用CPU35aは、普通図柄表示装置25で行われる普通図柄変動ゲームで確定停止表示させる普通当り図柄(普通図柄)を決定する。一方、普通当り判定の判定結果が否定(普通当り判定用乱数の値と普通当り判定値とが不一致)の場合、主制御用CPU35aは、普通はずれを決定する。普通はずれを決定した主制御用CPU35aは、普通図柄表示装置25で行われる普通図柄変動ゲームで確定停止表示させる普通はずれ図柄(普通図柄)を決定する。
そして、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置25の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(普通当り図柄又は普通はずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普通図柄変動ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、変短状態が付与されていない場合には変動時間として「10000(ms)」を設定し、変短状態が付与されている場合には変動時間として変短状態が付与されていない場合よりも短い時間となる「1100(ms)」を設定する。これにより、変短状態が付与されている場合に行われる普通図柄変動ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる図柄変動ゲームの変動時間よりも短縮される。
そして、主制御用CPU35aは、普通当りを決定した場合、決定した普図変動パターンに基づく普通図柄変動ゲームの終了後、普通当り遊技に関する制御を実行する。主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームが終了したとき、変短状態が付与されている場合には、開閉羽根30を3回開放させるとともに、各回の開放において開放してから1600(ms)が経過するまで開放状態を維持するように制御する。一方、主制御用CPU35aは、普通図柄変動ゲームが終了したとき、変短状態が付与されていない場合には、開閉羽根30を1回開放させ、開放してから300(ms)経過するまで開放状態を維持するように制御する。
なお、主制御用CPU35aは、開放してから規定時間経過する前であっても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根30を閉鎖させるように制御する。同様に、主制御用CPU35aは、所定回数開放していなくても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根30を閉鎖させるように制御する。
次に、サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示装置22に確定停止表示させる飾り図柄を決定し、決定した飾り図柄を指示する確定図柄指定(コマンド)を各列毎(第1指定(コマンド)、第2指定(コマンド)、第3指定(コマンド))に演出表示制御基板37に出力する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると該大当り遊技がいずれの特別図柄(大当り図柄)に基づく大当り遊技であったのかを特定可能な統括用種別情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに記憶(設定)するようになっている。統括制御用CPU36aは、統括用種別情報により前回(直近)の大当り遊技の当選時に特別図柄として決定した図柄の種類を特定可能となっている。そして、統括制御用CPU36aは、統括用種別情報により抽選確率状態、変短状態、演出モードの付与態様を把握する。
また、統括制御用CPU36aは、高確率指定コマンドや変短作動コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、高確率指定コマンドを入力すると確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定し、低確率指定コマンドを入力すると非確変状態が付与されることを統括制御用RAM36cに設定する。また、統括制御用CPU36aは、変短作動コマンドを入力すると変短状態が付与されていることを統括制御用RAM36cに設定し、変短非作動コマンドを入力すると非変短状態が付与されていることを統括制御用RAM36cに設定する。そして、統括制御用CPU36aは、高確率指定コマンド、低確率指定コマンド、変短作動コマンド、及び変短非作動コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM36cに記憶維持させる。統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cの前記設定内容によって、パチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態であるか否かや変短状態であるか否かを把握している。また、統括制御用CPU36aは、高確率指定コマンド、低確率指定コマンド、変短作動コマンド及び変短非作動コマンドのこれらコマンドを入力すると、それぞれのコマンドを演出表示制御基板37、音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。なお、統括制御用CPU36aは、これらコマンドから変短状態の開始及び終了を把握可能である一方で、変短状態がリミットありなのかリミットなしなのかに関しては把握することができない。このため、統括制御用CPU36aは、変短状態がリミットありなのかリミットなしなのかに関しては統括用種別情報により把握するようになっている。
また、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄用の停止図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄(特別図柄)に基づき、演出表示装置22に表示させる飾り図柄による図柄組み合わせ(液晶図柄)を決定する。なお、確変モードMKで予告演出を伴うに際しては各予告演出の演出内容に対応付けて飾り図柄による図柄組み合わせを決定するようになっており、その決定手法に関しては後述する。
統括制御用CPU36aは、左列(第1停止表示列)に停止させる飾り図柄を第1指定(コマンド)で指定し、中列(第2停止表示列)に停止させる飾り図柄を第2指定(コマンド)で指定し、右列(第3停止表示列)に停止させる飾り図柄を第3指定(コマンド)のこれら確定図柄指定で指定するようになっている。
統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、大当りに対応する大当り図柄(図柄A,B,C)の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、大当りを認識し得る図柄組み合わせを決定する。そして、この場合には、第1〜第3指定(コマンド)のこれら全てで同じ飾り図柄を指定する。このとき、統括制御用CPU36aは、停止図柄(特別図柄)が16R確変大当り遊技に対応する大当り図柄(図柄A)である場合、確定停止表示させる飾り図柄として、確変確定の大当り図柄([777])を決定する。そして、この場合には、第1〜第3指定(コマンド)のこれら全てで[7]の飾り図柄を指定する。このように確定停止表示させる飾り図柄を決定した場合、演出表示装置22の図柄変動ゲームでは、最終的に確変確定の大当り図柄([777])が導出され、図柄変動ゲーム中に16R確変大当り遊技に当選していることが報知されることになる。また、統括制御用CPU36aは、停止図柄(特別図柄)が16R特別確変大当り遊技又は16R非確変大当り遊技に対応する大当り図柄(図柄B又は図柄C)である場合、確定停止表示させる飾り図柄として、確変非確定の大当り図柄([777]以外)を決定する。そして、この場合には、第1〜第3指定(コマンド)のこれら全てで[7]以外の同じ飾り図柄を指定する。このように確定停止表示させる飾り図柄を決定した場合、演出表示装置22の図柄変動ゲームでは、最終的に確変非確定の大当り図柄([777]以外)が導出され、図柄変動ゲーム中に16R特別確変大当り遊技又は16R非確変大当り遊技に当選していることが報知される。
また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)が、はずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。そして、この場合には、第1〜第3指定(コマンド)のこれら全てで同じ飾り図柄にならないように指定する。このとき、統括制御用CPU36aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチの図柄組み合わせ(リーチ形成図柄)を含むはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。そして、この場合には、第1,第3指定(コマンド)のそれぞれで同じ飾り図柄を指定し、第2指定(コマンド)で第1,第3指定(コマンド)とは異なる飾り図柄を指定する。一方、統括制御用CPU36aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチの図柄組み合わせ(リーチ形成図柄)を含まないはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。そして、この場合には、第1,第3指定(コマンド)のそれぞれで異なる飾り図柄を指定し、第2指定(コマンド)に関してはどの飾り図柄を指定してもよい。
また、統括制御用CPU36aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、これらのコマンドに応じてオープニング演出の演出内容、ラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、決定した演出内容を指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板37、及び音声・ランプ制御基板38にそれぞれ出力する。
次に、統括制御用CPU36aが実行する演出モードに係る制御内容を説明する。
統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aが出力する特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の作動/非作動(終了)に係る各作動コマンドをもとに、演出モードの移行態様を制御する。本実施形態において統括制御用CPU36aは、滞在中の演出モードの種類を示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに記憶しており、その情報により滞在中の演出モードの種類を特定可能となっている。また、統括制御用CPU36aは、各大当り遊技の終了後や、滞在中の演出モードから他の演出モードへの移行を決定する場合、決定した演出モードの種類を示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM36cに記憶するようになっている。また、統括制御用CPU36aは、各大当り遊技の終了後や、滞在中の演出モードから他の演出モードへの移行を決定する場合、決定した演出モードの種類を特定可能な演出指示コマンドを所定のタイミングで演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力する。そして、統括制御用CPU36aは、決定した演出モードの種類を特定可能な演出指示コマンドを出力することで決定した演出モードの開始を指示し、当該演出モードを開始させるようになっている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10において、統括制御用CPU36aは、演出指示コマンドを出力して背景画像の種類を指示することで、演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)に対応する背景パターンに基づく背景画像の演出表示装置22への画像表示を指示するようになっている。
また、統括制御用CPU36aは、各演出モード滞在中の制御において、各種演出に係る処理の結果、各種演出の実行や各種決定内容を指示する内容を個々に特定可能な演出指示コマンドを所定のタイミングで演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に出力するようになっている。そして、統括制御用CPU36aは、演出指示コマンドの出力に際してはコマンドで指示する内容を統括制御用RAM36cにもその都度設定する(記憶させる)ようになっており、演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38に指示した内容や演出表示装置22などで実行されている各種遊技演出の演出内容を自由に統括制御用RAM36cから読み出して把握(確認)することが可能となっている。
そして、図10に示すように、統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aが出力する特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された大当り図柄の種類(統括用種別情報)が図柄A(特定図柄)の場合、確変モードMKへの移行を指示するようになっている。すなわち、統括制御用CPU36aは、統括用種別情報が図柄Aである場合、確変モードMKへの移行を指示する。また、統括制御用CPU36aは、主制御用CPU35aが出力する特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された大当り図柄の種類が図柄B(特定図柄)及び図柄C(非特定図柄)の場合、確変示唆モードMSへの移行を指示するようになっている。すなわち、統括制御用CPU36aは、統括用種別情報が図柄B(特定図柄)又は図柄C(非特定図柄)である場合、確変示唆モードMSへの移行を指示する。このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、主制御用CPU35aが出力する特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された大当り図柄の種類に基づき対応する演出モードへの移行が指示されるようになっている。
そして、統括制御用CPU36aは、確変モードMKへの移行を指示する場合、他の演出モードに移行するまでの間、すなわち、大当り遊技に当選するまでの間、確変モードMKを継続させる。統括制御用CPU36aは、確変モードMKの滞在中に大当り遊技に当選する場合、該大当り遊技の種類に応じた演出モードへの移行を指示する。
また、統括制御用CPU36aは、確変示唆モードMSへの移行を指示する場合、他の演出モードに移行するまでの間、すなわち、大当り遊技に当選する又は他の演出モードに移行することなく100回の図柄変動ゲームが経過するまでの間、確変示唆モードMSを継続させる。統括制御用CPU36aは、確変示唆モードMSの滞在中に大当り遊技に当選する場合、該大当り遊技の種類に応じた演出モードへの移行を指示する。また、統括制御用CPU36aは、確変示唆モードMSの滞在中(実行を指示してから)他の演出モードに移行することなく(大当り遊技に当選することなく)100回の図柄変動ゲームの経過を契機に、すなわち、変短状態から非変短状態に移行することを契機に、通常モードMFへの移行を指示する。
また、統括制御用CPU36aは、通常モードMFへの移行を指示する場合、他の演出モードに移行するまでの間、すなわち、大当り遊技に当選するまでの間、通常モードMFを継続させる。統括制御用CPU36aは、通常モードMFの滞在中に大当り遊技に当選する場合、該大当り遊技の種類に応じた演出モードへの移行を指示する。
次に、予告演出に係る制御内容を説明する。
本実施形態では、以下に説明する予告演出に係る制御内容において、図柄変動ゲームで実行させる予告演出を決定する統括制御用CPU36aが、予告決定手段となる。また、本実施形態では、統括制御用CPU36aが決定した予告演出の演出内容にしたがって演出表示装置22に予告演出を実行させる表示制御用CPU37aが、予告実行制御手段となる。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、大当り抽選の抽選結果をもとに図柄変動ゲームの変動時間を特定可能な変動パターンを決定し、その決定した変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを、統括制御用CPU36aに出力する。また、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、図柄変動ゲームが開始されることを認識し、当該図柄変動ゲームで実行させる予告演出の演出内容を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、予告演出の演出内容を決定すると、これらの内容を指示する予告指定コマンドを、演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)、及び音声・ランプ制御基板38に出力する。なお、以下では、確変モードMKの滞在中における制御内容を説明するが、確変示唆モードMS及び通常モードMFの滞在中にはそれぞれに応じた予告演出に関する制御が実行されるようになっている。このため、以下では、確変モードMKの滞在中であることを前提とする。また、本実施形態では、コースMAP演出、コメント演出、ズームイン演出、タッチ演出、及びライバルバトル演出のこれら予告演出による図柄変動ゲームを、確変モードMKにおける図柄変動ゲームでのみ実行可能としている。
本実施形態において統括制御用CPU36aは、図11に示すように、予告演出の決定に際し、最初に、ズームイン演出の演出内容を特定して決定する。なお、統括制御用CPU36aは、ズームイン演出の演出内容を特定するために、ズームイン指定(コマンド)を特定することで演出内容を決定する。次に、統括制御用CPU36aは、決定したズームイン演出の演出内容をもとに、ライバルバトル演出の演出内容を特定して決定する。なお、統括制御用CPU36aは、ライバルバトル演出の演出内容を特定するために、ライバルバトル指定(コマンド)を特定し、その特定したライバルバトル指定(コマンド)をもとにライバルキャラ指定(コマンド)を特定することで演出内容を決定する。次に、統括制御用CPU36aは、決定したズームイン演出の演出内容と、ライバルバトル演出の演出内容をもとに、対象となる図柄変動ゲームで確定停止表示させる確定停止図柄を特定して決定する。確定停止図柄としては、大当りの図柄であればいずれの数字の確定停止図柄とするかを決定し、はずれの図柄であってリーチを形成する場合であればいずれの数字によるリーチを形成するかを決定する。なお、統括制御用CPU36aは、確定停止図柄を特定するために、確定図柄指定(コマンド)を特定することで確定停止図柄を決定する。次に、統括制御用CPU36aは、ズームイン演出の演出内容とライバルバトル演出の演出内容をもとに、コメント演出の演出内容を特定して決定する。なお、統括制御用CPU36aは、コメント演出の演出内容を特定するために、コメント指定(コマンド)を特定することで演出内容を決定する。次に、統括制御用CPU36aは、ライバルバトル演出の演出内容とコメント演出の演出内容をもとに、コースMAP演出の演出内容を特定して決定する。なお、統括制御用CPU36aは、コースMAP演出の演出内容を特定するために、コースMAP指定(コマンド)を特定することで演出内容を決定する。次に、統括制御用CPU36aは、ライバルバトル演出の演出内容をもとに、タッチ演出の演出内容を演出用ボタンBTの操作に合わせてタッチ指定(コマンド)を特定することで変化させるように決定する。なお、統括制御用CPU36aは、タッチ演出に関しては予め演出内容を特定するのではなく演出用ボタンBTの操作に合わせて変化させるように決定し、ライバルバトル演出の演出内容をもとにその変化態様を異ならせるように決定している。
すなわち、統括制御用CPU36aは、これまでに決定している少なくとも1種類の予告演出に関する決定事項(演出内容)をもとに、予告演出の演出内容を特定して決定する。その結果、本実施形態において統括制御用CPU36aは、各予告演出について、これらの演出内容を関連付けながら決定するようになっている。
また、統括制御用CPU36aは、演出部としては、主要演出部MZを構成する主な予告演出、結果導出演出部EZを構成する主な予告演出、導入演出部SZを構成する主な予告演出の順に予告演出の演出内容を決定する。なお、本実施形態では、タッチ演出に関しては主要演出部MZを構成するものの予告演出のうち最も最後に決定するようになっている。これは、本実施形態においてタッチ演出は、演出用ボタンBTの操作に合わせて図柄変動ゲームの経過とともに演出内容が変化するように決定されるためである。このような点からも本実施形態では、タッチ演出をもとに演出内容を決定するような予告演出が設定されていない。さらに、統括制御用CPU36aは、リーチ演出として位置付けられる主要演出部MZと結果導出演出部EZに関して言えば、図柄変動ゲームの経過に伴う(時系列にしたがう)最も先の実行タイミングを定めているズームイン演出の演出内容を最初に決定する。その後、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームの経過に伴う(時系列にしたがう)ズームイン演出の実行タイミング後の実行タイミングを定めているライバルバトル演出の演出内容を決定する。こうすることで、統括制御用CPU36aは、主要演出部MZと結果導出演出部EZを構成する主な予告演出に関しては図柄変動ゲームの経過に伴う(時系列にしたがう)順序で予告演出の演出内容を決定する。また、統括制御用CPU36aは、導入演出部SZに関して言えば、図柄変動ゲームの経過に伴う(時系列にしたがう)最も後の実行タイミングを定めているズームイン演出の演出内容を最初に決定する。その後、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームの経過に遡る(時系列に遡った)ズームイン演出の実行タイミングよりも前の実行タイミングを定めているコメント演出、さらに前の実行タイミングを定めているコースMAP演出の各演出内容を決定する。こうすることで、統括制御用CPU36aは、導入演出部SZを構成する主な予告演出に関しては図柄変動ゲームの経過に遡った(時系列に遡った)順序で予告演出の演出内容を決定する。
まず、ズームイン演出の演出内容を特定するズームイン指定(コマンド)について図12(a)〜(c)に基づき説明する。
ズームイン演出を決定するに際して統括制御用CPU36aは、図12(b),(c)に示すズームイン演出振分けテーブルZT1,ZT2にしたがって、図12(a)に示すいずれのズームイン指定(コマンド)に基づく演出内容とするかを決定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図12(a)に示すように、ズームイン演出の演出内容を特定する3種類のズームイン指定(コマンド)が用意されている。そして、ズームイン指定(コマンド)には、「敵キャラと遭遇しない」となる演出内容を特定するズームイン指定ガセ(CMDZ0)がある。なお、「敵キャラと遭遇しない」となる演出内容は、ズームイン演出を実行するもののリーチを形成しない場合に出現する予告演出であってリーチが形成されるとみせかけて形成しないこととなる、所謂、「ガセ演出」である。また、ズームイン指定(コマンド)には、「敵キャラ前から遭遇」となる演出内容を特定するズームイン指定1(CMDZ1)がある。また、ズームイン指定(コマンド)には、「敵キャラ後ろから遭遇」となる演出内容を特定するズームイン指定2(CMDZ2)がある。
そして、図12(b),(c)に示す各ズームイン演出振分けテーブルZT1,ZT2は、統括制御用ROM36bに記憶されている。本実施形態において、ズームイン演出振分けテーブルZT1,ZT2は、対象となる図柄変動ゲームにおいて特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている特別図柄に応じたテーブルが用意されている。そして、ズームイン演出振分けテーブルZT1は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合に応じた図柄A用のズームイン演出振分けテーブルとなる。また、ズームイン演出振分けテーブルZT2は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドではずれ図柄を含む図柄A以外が指定されている場合に応じた図柄A以外用のズームイン演出振分けテーブルとなる。これらズームイン演出振分けテーブルZT1,ZT2では、はずれの変動パターンと大当りの変動パターンに対し、「無し」、「CMDZ0」、「CMDZ1」、「CMDZ2」の何れかを選択可能なように乱数の値(「0」〜「250」の全251通りの整数)が振分けられている。「無し」は、ズームイン演出を実行しないことを示し、「CMDZ0」は、ズームイン指定ガセに基づく演出を示し、「CMDZ1」は、ズームイン指定1に基づく演出を示し、「CMDZ2」は、ズームイン指定2に基づく演出を示している。なお、各図においては、はずれの変動パターンとして変動パターンHP1(リーチなし)、変動パターンHP2(はずれリーチ)をそれぞれ示している。また、各図においては、大当りの変動パターンとして変動パターンAP1(確変確定及び非確変確定の大当り図柄に対応)、変動パターンAP2(確変確定の大当り図柄に対応)を、それぞれ示している。本実施形態では、変動パターンAP1に基づく図柄変動ゲームで確定停止図柄が確変確定及び確変非確変の大当り図柄となり、変動パターンAP2に基づく図柄変動ゲームで確定停止図柄が確変確定の大当り図柄となる。すなわち、本実施形態において、主制御用CPU35aは、特別図柄として大当り図柄を決定している場合に変動パターンAP1,AP2のいずれも選択可能な一方で、特別図柄として図柄Aによる大当り図柄を決定している場合にのみ変動パターンAP2を選択可能になっている。また、本実施形態において、主制御用CPU35aは、特別図柄として図柄Aによる大当り図柄を決定している場合、変動パターンAP2よりも変動パターンAP1を選択し易くなっている。
ズームイン演出の演出内容(ズームイン指定)の決定に際して統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている特別図柄及び変動パターンをもとにズームイン演出の演出内容を決定する。例えば、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている条件下で、変動パターンAP1が指示されている場合は、ズームイン演出振分けテーブルZT1(図柄A用)にしたがって乱数の値をもとに、「無し」、「CMDZ0」〜「CMDZ2」の中から何れか1つを決定する。なお、ズームイン演出振分けテーブルZT1(図柄A用)は、変動パターンHP1,HP2の選択時に参照されないので、これらに関して「無し」にのみ乱数を振分けている。また、ズームイン演出振分けテーブルZT2(図柄A以外用)は、変動パターンAP2の選択時に参照されないので、これに関して「無し」にのみ乱数を振分けている。
各ズームイン演出振分けテーブルZT1,ZT2は、図12(b),(c)に示すように、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合にはずれ図柄を含む図柄A以外が指定されている場合よりも演出内容として大当り期待度が高い演出内容が選択され易く構築されている。なお、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合には、変動パターンAP2よりも変動パターンAP1が選択され易いので、変動パターンAP1による選択態様が遊技に反映され易い傾向となっている。また、各ズームイン演出振分けテーブルZT1,ZT2は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合に大当り期待度が高まる構成のもと、図柄A以外の図柄B,Cが指定されている場合にはずれ図柄が指定されている場合よりも演出内容として大当り期待度が高い演出内容が選択され易く構築されている。また、各ズームイン演出振分けテーブルZT1,ZT2は、リーチなしの変動パターンHP1に関してのみズームイン演出「無し」を決定し得るようになっている。そして、図12(b),(c)に示すように、このように構成された本実施形態では、選択可能なズームイン指定(ズームイン演出の演出内容)と選択可能なズームイン指定(ズームイン演出の演出内容)の選択割合(選択し易さやし難さ)とが、変動パターンと特別図柄用の停止図柄指定コマンドとをもとに予め対応付けされている。このため、図柄変動ゲームのもととなる変動パターンや特別図柄に関連付けられるようにズームイン指定に大当り期待度が設定される。
次に、ライバルバトル演出の演出内容を特定するライバルバトル指定(コマンド)とライバルキャラ指定(コマンド)について説明する。
まず、ライバルバトル演出の演出内容を特定するライバルバトル指定(コマンド)について図13(a)〜(e)に基づき説明する。
ライバルバトル演出を決定するに際して統括制御用CPU36aは、図13(b)〜(e)に示すライバルバトル演出振分けテーブルBT1〜BT4にしたがって、図13(a)に示すいずれのライバルバトル指定(コマンド)に基づく演出内容とするかを決定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図13(a)に示すように、ライバルバトル演出の演出内容を特定する3種類のライバルバトル指定(コマンド)が用意されている。そして、ライバルバトル指定(コマンド)には、「敵キャラが攻撃する」となる演出内容を特定するライバルバトル指定1(CMDB0)がある。また、ライバルバトル指定(コマンド)には、「味方キャラが攻撃する」となる演出内容を特定するライバルバトル指定2(CMDZ1)がある。また、ライバルバトル指定(コマンド)には、「敵キャラの攻撃後、復活する」となる演出内容を特定するライバルバトル指定3(CMDB2)がある。
そして、図13(b)〜(e)に示す各ライバルバトル演出振分けテーブルBT1〜BT4は、統括制御用ROM36bに記憶されている。本実施形態において、ライバルバトル演出振分けテーブルBT1〜BT4は、対象となる図柄変動ゲームにおいて特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている特別図柄に応じたテーブルが用意されている。そして、ライバルバトル演出振分けテーブルBT1は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている且つズームイン指定1(CMDZ1)である場合に応じた、図柄A且つ敵前から用のライバルバトル演出振分けテーブルとなる。また、ライバルバトル演出振分けテーブルBT2は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている且つズームイン指定2(CMDZ2)である場合に応じた、図柄A且つ敵後ろから用のライバルバトル演出振分けテーブルとなる。また、ライバルバトル演出振分けテーブルBT3は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄A以外が指定されている且つズームイン指定1(CMDZ1)である場合に応じた、図柄A以外且つ敵前から用のライバルバトル演出振分けテーブルとなる。また、ライバルバトル演出振分けテーブルBT4は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄A以外が指定されている且つズームイン指定2(CMDZ2)である場合に応じた、図柄A以外且つ敵後ろから用のライバルバトル演出振分けテーブルとなる。これらライバルバトル演出振分けテーブルBT1〜BT4では、はずれの変動パターンと大当りの変動パターンに対し、「無し」、「CMDB0」、「CMDB1」、「CMDB2」の何れかを選択可能なように乱数の値(「0」〜「250」の全251通りの整数)が振分けられている。「無し」は、ライバルバトル演出を実行しないことを示し、「CMDB0」は、ライバルバトル指定1に基づく演出を示し、「CMDB1」は、ライバルバトル指定2に基づく演出を示し、「CMDB2」は、ライバルバトル指定3に基づく演出を示している。
ライバルバトル演出の演出内容(ライバルバトル指定)の決定に際して統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている特別図柄、変動パターン及びズームイン指定をもとにライバルバトル演出の演出内容を決定する。例えば、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている条件下で、変動パターンAP1が指示され、ズームイン指定1を決定している場合は、ライバルバトル演出振分けテーブルBT1にしたがって乱数の値をもとに、「無し」、「CMDB0」〜「CMDB2」の中から何れか1つを決定する。なお、ライバルバトル演出振分けテーブルBT1,BT2は、変動パターンHP1,HP2の選択時に参照されないので、これらに関して「無し」にのみ乱数を振分けている。また、ライバルバトル演出振分けテーブルBT3,BT4は、変動パターンAP2の選択時に参照されないので、これに関して「無し」にのみ乱数を振分けている。また、ライバルバトル演出振分けテーブルBT1〜BT4は、リーチを形成しないことでライバルバトル演出を実行しないリーチなしの変動パターンHP1に関しては「無し」にのみ乱数を振分けている。
各ライバルバトル演出振分けテーブルBT1〜BT4は、図13(b)〜(e)に示すように、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合にはずれ図柄を含む図柄A以外が指定されている場合よりも演出内容として大当り期待度が高い演出内容が選択され易く構築されている。なお、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合には、変動パターンAP2よりも変動パターンAP1が選択され易いので、変動パターンAP1による選択態様が遊技に反映され易い傾向となっている。また、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている条件下で、変動パターンAP2が選択されている場合には、ライバルバトル指定3のみが選択されるように構築されている。また、各ライバルバトル演出振分けテーブルBT1〜BT4は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合に大当り期待度が高まる構成のもと、図柄A以外の図柄B,Cが指定されている場合にはずれ図柄が指定されている場合よりも演出内容として大当り期待度が低い演出内容が選択され易く構築されている。さらに言えば、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄B,Cが指定されている条件下で、変動パターンAP1が選択されている場合には、ライバルバトル指定1のみが選択されるように構築されている。そして、図13(b)〜(e)に示すように、このように構成された本実施形態では、選択可能なライバルバトル指定(ライバルバトル演出の演出内容)と選択可能なライバルバトル指定(ライバルバトル演出の演出内容)の選択割合(選択し易さやし難さ)とが、変動パターンと特別図柄用の停止図柄指定コマンドとズームイン指定(ズームイン演出の演出内容)をもとに予め対応付けされている。このため、ズームイン指定に関連付けられるようにライバルバトル指定に大当り期待度が設定される。
続いて、ライバルバトル演出の演出内容を特定するライバルキャラ指定(コマンド)について図14(a)〜(e)に基づき説明する。
ライバルバトル演出を決定するに際して統括制御用CPU36aは、図14(b)〜(e)に示すライバルキャラ演出振分けテーブルKT1〜KT4にしたがって、図14(a)に示すいずれのライバルキャラ指定(コマンド)に基づく演出内容とするかを決定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図14(a)に示すように、ライバルバトル演出の演出内容を特定する3種類のライバルキャラ指定(コマンド)が用意されている。そして、ライバルキャラ指定(コマンド)には、バトルする敵キャラが「敵キャラA」となる演出内容を特定するライバルキャラ指定1(CMDK0)がある。また、ライバルキャラ指定(コマンド)には、バトルする敵キャラが「敵キャラB」となる演出内容を特定するライバルキャラ指定2(CMDK1)がある。また、ライバルキャラ指定(コマンド)には、バトルする敵キャラが「敵キャラC」となる演出内容を特定するライバルキャラ指定3(CMDK2)がある。
そして、図14(b)〜(e)に示す各ライバルキャラ演出振分けテーブルKT1〜KT4は、統括制御用ROM36bに記憶されている。本実施形態において、ライバルキャラ演出振分けテーブルKT1〜KT4は、対象となる図柄変動ゲームにおいて特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている特別図柄に応じたテーブルが用意されている。そして、ライバルキャラ演出振分けテーブルKT1は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている且つライバルバトル指定1,2(CMDB0,1)である場合に応じた、図柄A且つ非復活用のライバルキャラ演出振分けテーブルとなる。また、ライバルキャラ演出振分けテーブルKT2は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている且つライバルバトル指定3(CMDB2)である場合に応じた、図柄A且つ復活用のライバルキャラ演出振分けテーブルとなる。また、ライバルバトル演出振分けテーブルKT3は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄A以外が指定されている且つライバルバトル指定2(CMDB1)である場合に応じた、図柄A以外且つ味方攻撃用のライバルキャラ演出振分けテーブルとなる。また、ライバルキャラ演出振分けテーブルKT4は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄A以外が指定されている且つライバルバトル指定1(CMDB0)である場合に応じた、図柄A以外且つ敵攻撃用のライバルキャラ演出振分けテーブルとなる。これらライバルキャラ演出振分けテーブルKT1〜KT4では、はずれの変動パターンと大当りの変動パターンに対し、「無し」、「CMDK0」、「CMDK1」、「CMDK2」の何れかを選択可能なように乱数の値(「0」〜「250」の全251通りの整数)が振分けられている。「無し」は、ライバルキャラ演出を実行しないことを示し、「CMDK0」は、ライバルキャラ指定1に基づく演出を示し、「CMDK1」は、ライバルキャラ指定2に基づく演出を示し、「CMDK2」は、ライバルキャラ指定3に基づく演出を示している。
ライバルバトル演出の演出内容(ライバルキャラ指定)の決定に際して統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている特別図柄、変動パターン及びライバルバトル指定をもとにライバルバトル演出の演出内容を決定する。例えば、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている条件下で、変動パターンAP1が指示され、ライバルバトル指定1,2を決定している場合は、ライバルキャラ演出振分けテーブルKT1にしたがって乱数の値をもとに、「無し」、「CMDK0」〜「CMDK2」の中から何れか1つを決定する。なお、ライバルキャラ演出振分けテーブルKT1,KT2は、変動パターンHP1,HP2の選択時に参照されないので、これらに関して「無し」にのみ乱数を振分けている。また、ライバルキャラ演出振分けテーブルKT3は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄B,Cが指定されている条件下で、変動パターンAP1の選択時に参照されないので、「無し」にのみ乱数を振分けている。また、ライバルキャラ演出振分けテーブルKT1,KT3,KT4は、変動パターンAP2の選択時に参照されないので、これに関して「無し」にのみ乱数を振分けている。また、ライバルキャラ演出振分けテーブルKT1〜KT4は、リーチを形成しないことでライバルバトル演出を実行しないリーチなしの変動パターンHP1に関しては「無し」にのみ乱数を振分けている。
各ライバルキャラ演出振分けテーブルKT1〜KT4は、図14(b)〜(e)に示すように、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合には図柄A以外が指定されている場合よりも演出内容として大当り期待度が高い演出内容が選択され易く構築されている。なお、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合には、変動パターンAP2よりも変動パターンAP1が選択され易いので、変動パターンAP1による選択態様が遊技に反映され易い傾向となっている。また、各ライバルキャラ演出振分けテーブルKT1〜KT4は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合に大当り期待度が高まる構成のもと、図柄A以外の図柄B,Cが指定されている場合にはずれ図柄が指定されている場合よりも演出内容として大当り期待度が低い演出内容が選択され易く構築されている。そして、図14(b)〜(e)に示すように、このように構成された本実施形態では、選択可能なライバルキャラ指定(ライバルバトル演出の演出内容)と選択可能なライバルキャラ指定(ライバルバトル演出の演出内容)の選択割合(選択し易さやし難さ)とが、変動パターンと特別図柄用の停止図柄指定コマンドとライバルバトル指定をもとに予め対応付けされている。このため、ライバルバトル指定に関連付けられるようにライバルキャラ指定に大当り期待度が設定される。
続いて、確定停止図柄を特定する確定図柄指定(コマンド)について図15(a)〜(d)に基づき説明する。
確定停止図柄を決定するに際して統括制御用CPU36aは、図15(b)〜(d)に示す確定停止図柄振分けテーブルKZT1〜KZT3にしたがって、図15(a)に示す基本ルールに基づきいずれの確定停止図柄とするかを決定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図15(a)に示す基本ルールに基づき確定停止図柄を決定するようになっている。そして、基本ルールでは、大当りとなる場合において、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されているとき、[777]で大当りとなることが規定されている。また、基本ルールでは、大当りとなる場合において、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄B,C(図柄A以外)が指定されているとき、[777]以外で大当りとなることが規定されている。また、基本ルールでは、リーチを形成する場合において、ライバルバトル指定がライバルバトル指定2(味方キャラが攻撃する)のとき、[7]でリーチとなることが規定されている。また、基本ルールでは、リーチを形成する場合において、ライバルバトル指定がライバルバトル指定1,3(敵キャラが攻撃する)のとき、[1]〜[8]のどれでもリーチとなることが規定されている。
そして、図15(b)〜(d)に示す各確定停止図柄振分けテーブルKZT1〜KZT3は、統括制御用ROM36bに記憶されている。本実施形態において、確定停止図柄振分けテーブルKZT1〜KZT3は、対象となる図柄変動ゲームにおいて特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている特別図柄に応じたテーブルが用意されている。そして、確定停止図柄振分けテーブルKZT1は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合に応じた、図柄A用の確定停止図柄振分けテーブルとなる。また、確定停止図柄振分けテーブルKZT2は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄A以外の大当り図柄が指定されている、又は図柄A以外のはずれ図柄が指定されている且つライバルバトル指定1,3(CMDB0,2)である場合に応じた、図柄A以外大当り又ははずれ時敵攻撃用の確定停止図柄振分けテーブルとなる。また、確定停止図柄振分けテーブルKZT3は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄A以外のはずれ図柄が指定されている且つライバルバトル指定2(CMDB1)である場合に応じた、はずれ時味方攻撃用の確定停止図柄振分けテーブルとなる。これら確定停止図柄振分けテーブルKZT1〜KZT3では、第1〜第3指定(コマンド)に対して「00H」〜「07H」の何れかを選択可能なように乱数の値(「0」〜「69」の全70通りの整数)が振分けられている。「00H」は、[1]による飾り図柄を示し、「01H」は、[2]による飾り図柄を示し、「02H」は、[3]による飾り図柄を示し、「03H」は、[4]による飾り図柄を示し、「04H」は、[5]による飾り図柄を示している。また、「05H」は、[6]による飾り図柄を示し、「06H」は、[7]による飾り図柄を示し、「07H」は、[8]による飾り図柄を示している。
確定停止図柄(確定図柄指定)の決定に際して統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている特別図柄及びライバルバトル指定をもとに確定停止図柄を決定する。例えば、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合は、確定停止図柄振分けテーブルKZT1にしたがって乱数の値をもとに、「00H」〜「07H」の中から何れか1つを決定する。なお、確定停止図柄振分けテーブルKZT1では、基本ルールに規定されるように第1〜第3指定(コマンド)で[7]に対応する「06H」にのみ乱数が振分けられている。また、確定停止図柄振分けテーブルKZT2では、基本ルールに規定されるように第1〜第3指定(コマンド)で[7]以外に対応する「00H」〜「05H」,「07H」に乱数が振分けられている。また、確定停止図柄振分けテーブルKZT3では、基本ルールに規定されるように第1〜第3指定(コマンド)で[7]に対応する「06H」にのみ乱数が振分けられている。
また、ここでいう「はずれ時」とは、はずれリーチのことを示しており、第1〜第3指定(コマンド)が同じ飾り図柄で特定された後に、統括制御用CPU36aによる確定図柄指定(コマンド)の出力時に、第2指定(コマンド)が第1,第3指定(コマンド)とは異なる飾り図柄とした確定図柄指定(コマンド)が出力されることとなる。例えば、統括制御用CPU36aは、はずれリーチに関して確定停止図柄振分けテーブルKZT2に基づいて確定停止図柄として[6]を決定した場合、確定図柄指定(コマンド)の出力時に、第1,第3指定(コマンド)として「05H」、第2指定(コマンド)として「05H」以外による確定図柄指定(コマンド)を出力することとなる。また、リーチなしの場合には、統括制御用CPU36aによる確定図柄指定(コマンド)の出力時に、第1,第3指定(コマンド)で異なる飾り図柄とした確定図柄指定(コマンド)が出力されることとなる。なお、リーチなしとなる場合とは、ズームイン指定で「無し」、「CMDZ0」が決定されている場合であって、ライバルバトル演出も実行されない場合である。
各確定図柄指定振分けテーブルKZT1〜KZT3は、図15(b)〜(d)に示すように、図15(a)に示す基本ルールにしたがうように構築されている。その結果、ライバルバトル指定1,3が決定されている場合には、[7]でリーチが形成されることを条件に、最終的に「勝利」の結果が導出されることが確定するようになっている。そして、確定停止図柄を、このようなタイミング(ズームイン演出、ライバルバトル演出の決定後)で決定する場合には、予告演出の演出内容をリーチを形成する図柄に対して好適に反映させることで予告演出を主体とした遊技性を実現することができる。例えば、確定停止図柄を、予告演出の決定に先立って決定する場合には、リーチを形成する図柄によって予告演出が引き摺られてしまい、予告演出を主体とした遊技性の実現が困難になってしまう。さらに、確定停止図柄を決定するタイミングとしては、リーチ演出として位置付けられる予告演出の決定後とすることで、リーチを形成する図柄の種類によってリーチ演出に位置付けられる予告演出の演出内容を遊技者に推測させる遊技性も実現している。そして、図15(b)〜(d)に示すように、このように構成された本実施形態では、選択可能な確定図柄指定(確定停止図柄)と選択可能な確定図柄指定(確定停止図柄)の選択割合(選択し易さやし難さ)とが、特別図柄用の停止図柄指定コマンドとライバルバトル指定をもとに予め対応付けされている。このため、ライバルバトル指定に関連付けられるように確定図柄指定に大当り期待度が設定される。
続いて、コメント演出の演出内容を特定するコメント指定(コマンド)について図16(a)〜(d)及び図17(a)〜(d)に基づき説明する。
コメント演出を決定するに際して統括制御用CPU36aは、図16(b)〜(d)及び図17(a)〜(d)に示すコメント演出振分けテーブルCT1〜CT7にしたがって、図16(a)に示すいずれのコメント指定(コマンド)に基づく演出内容とするかを決定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図16(a)に示すように、コメント演出の演出内容を特定する4種類のコメント指定(コマンド)が用意されている。そして、コメント指定(コマンド)には、「味方キャラによるコメント」となる演出内容を特定するコメント指定1(CMDC0)がある。また、コメント指定(コマンド)には、「敵キャラAによるコメント」となる演出内容を特定するコメント指定2(CMDC1)がある。また、コメント指定(コマンド)には、「敵キャラBによるコメント」となる演出内容を特定するコメント指定3(CMDC2)がある。また、コメント指定(コマンド)には、「敵キャラCによるコメント」となる演出内容を特定するコメント指定4(CMDC3)がある。
そして、図16(b)〜(d)及び図17(a)〜(d)に示す各コメント演出振分けテーブルCT1〜CT7は、統括制御用ROM36bに記憶されている。本実施形態において、コメント演出振分けテーブルCT1〜CT7は、対象となる図柄変動ゲームにおいて特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている特別図柄に応じたテーブルが用意されている。そして、コメント演出振分けテーブルCT1は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドではずれ図柄が指定されている且つライバルキャラ指定「無し」である場合に応じた、敵なし用のコメント演出振分けテーブルとなる。また、コメント演出振分けテーブルCT2は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている且つライバルキャラ指定1(CMDK0)である場合に応じた、図柄A且つ敵キャラA用のコメント演出振分けテーブルとなる。また、コメント演出振分けテーブルCT3は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄A以外が指定されている且つライバルキャラ指定1(CMDK0)である場合に応じた、図柄A以外且つ敵キャラA用のコメント演出振分けテーブルとなる。また、コメント演出振分けテーブルCT4は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている且つライバルキャラ指定2(CMDK1)である場合に応じた、図柄A且つ敵キャラB用のコメント演出振分けテーブルとなる。また、コメント演出振分けテーブルCT5は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄A以外が指定されている且つライバルキャラ指定2(CMDK1)である場合に応じた、図柄A以外且つ敵キャラB用のコメント演出振分けテーブルとなる。また、コメント演出振分けテーブルCT6は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている且つライバルキャラ指定3(CMDK2)である場合に応じた、図柄A且つ敵キャラC用のコメント演出振分けテーブルとなる。また、コメント演出振分けテーブルCT7は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄A以外が指定されている且つライバルキャラ指定3(CMDK2)である場合に応じた、図柄A以外且つ敵キャラC用のコメント演出振分けテーブルとなる。
これらコメント演出振分けテーブルCT1〜CT7では、はずれの変動パターンと大当りの変動パターンに対し、「無し」、「CMDC0」、「CMDC1」、「CMDC2」、「CMDC3」の何れかを選択可能なように乱数の値(「0」〜「250」の全251通りの整数)が振分けられている。「無し」は、コメント演出を実行しないことを示し、「CMDC0」は、コメント指定1に基づく演出を示し、「CMDC1」は、コメント指定2に基づく演出を示し、「CMDC2」は、コメント指定3に基づく演出を示し、「CMDC3」は、コメント指定4に基づく演出を示している。
コメント演出の演出内容(コメント指定)の決定に際して統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている特別図柄、変動パターン及びライバルキャラ指定をもとにコメント演出の演出内容を決定する。例えば、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている条件下で、変動パターンAP1が指示され、キャラ指定1を決定している場合は、コメント演出振分けテーブルCT2にしたがって乱数の値をもとに、「無し」、「CMDC0」〜「CMDC3」の中から何れか1つを決定する。なお、コメント演出振分けテーブルCT2,CT4,CT6は、変動パターンHP1,HP2の選択時に参照されないので、これらに関して「無し」にのみ乱数が振分けている。また、コメント演出振分けテーブルCT3,CT5,CT7は、変動パターンAP2の選択時に参照されないので、これに関して「無し」にのみ乱数が振分けている。また、コメント演出振分けテーブルCT1は、ライバルキャラ指定「無し」の場合を特定するので、コメント演出振分けテーブルCT2〜CT7でリーチなしの変動パターンHP1に関しては「無し」にのみ乱数が振分けられている。
各コメント演出振分けテーブルCT1〜CT7は、図16(b)〜(d)及び図17(a)〜(d)に示すように、コメント演出振分けテーブルCT2,CT4,CT6、又はコメント演出振分けテーブルCT3,CT5,CT7で選択可能なコメント指定を同じ態様で決定するようになっている。このため、各コメント演出振分けテーブルCT1〜CT7は、ライバルキャラ指定の大当り期待度に依存するように構築されている。すなわち、各コメント演出振分けテーブルCT1〜CT7は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合には図柄A以外が指定されている場合よりも演出内容として大当り期待度が高い演出内容が選択され易く構築されていることとなる。なお、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合には、変動パターンAP2よりも変動パターンAP1が選択され易いので、変動パターンAP1による選択態様が遊技に反映され易い傾向となっている。また、各コメント演出振分けテーブルCT1〜CT7は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合に大当り期待度が高まる構成のもと、図柄A以外の図柄B,Cが指定されている場合にはずれ図柄が指定されている場合よりも演出内容として大当り期待度が低い演出内容が選択され易く構築されている。また、コメント演出振分けテーブルCT1は、変動パターンHP1のはずれ時において、大当り期待度が低い演出内容を選択し易く、大当り期待度が高い演出内容を選択し難く構築されている。そして、図16(b)〜(d)及び図17(a)〜(d)に示すように、このように構成された本実施形態では、選択可能なコメント指定(コメント演出の演出内容)と選択可能なコメント指定(コメント演出の演出内容)の選択割合(選択し易さやし難さ)とが、変動パターンと特別図柄用の停止図柄指定コマンドとライバルキャラ指定をもとに予め対応付けされている。このため、ライバルキャラ指定に関連付けられるようにコメント指定に大当り期待度が設定される。
続いて、コースMAP演出の演出内容を特定するコースMAP指定(コマンド)について図18(a)〜(e)に基づき説明する。
コースMAP演出を決定するに際して統括制御用CPU36aは、図18(b)〜(e)に示すコースMAP演出振分けテーブルCT1〜CT4にしたがって、図18(a)に示すいずれのコースMAP指定(コマンド)に基づく演出内容とするかを決定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図18(a)に示すように、コースMAP演出の演出内容を特定する7種類のコースMAP指定(コマンド)が用意されている。そして、コースMAP指定(コマンド)には、「味方キャラのみ表示」となる演出内容を特定するコースMAP指定1(CMDM0)がある。また、コースMAP指定(コマンド)には、「味方キャラ+敵キャラA表示(遠)」となる演出内容を特定するコースMAP指定2(CMDM1)がある。また、コースMAP指定(コマンド)には、「味方キャラ+敵キャラB表示(遠)」となる演出内容を特定するコースMAP指定3(CMDM2)がある。また、コースMAP指定(コマンド)には、「味方キャラ+敵キャラC表示(遠)」となる演出内容を特定するコースMAP指定4(CMDM3)がある。また、コースMAP指定(コマンド)には、「味方キャラ+敵キャラA表示(近)」となる演出内容を特定するコースMAP指定5(CMDM4)がある。また、コースMAP指定(コマンド)には、「味方キャラ+敵キャラB表示(近)」となる演出内容を特定するコースMAP指定6(CMDM5)がある。また、コースMAP指定(コマンド)には、「味方キャラ+敵キャラC表示(近)」となる演出内容を特定するコースMAP指定7(CMDM6)がある。
そして、図18(b)〜(e)に示す各コースMAP演出振分けテーブルMT1〜MT4は、統括制御用ROM36bに記憶されている。本実施形態において、コースMAP演出振分けテーブルMT1〜MT4は、対象となる図柄変動ゲームにおいてライバルキャラ指定に応じたテーブルが用意されている。そして、コースMAP演出振分けテーブルMT1は、ライバルキャラ指定が「無し」である場合に応じた、敵なし用のコースMAP演出振分けテーブルとなる。また、コースMAP演出振分けテーブルMT2は、ライバルキャラ指定1(CMDK0)である場合に応じた、敵キャラA用のコースMAP演出振分けテーブルとなる。また、コースMAP演出振分けテーブルMT3は、ライバルキャラ指定2(CMDK1)である場合に応じた、敵キャラB用のコースMAP演出振分けテーブルとなる。また、コースMAP演出振分けテーブルMT4は、ライバルキャラ指定3(CMDK2)である場合に応じた、敵キャラC用のライバルキャラ演出振分けテーブルとなる。
これらコースMAP演出振分けテーブルMT1〜MT4では、はずれの変動パターンと大当りの変動パターンに対し、「無し」、「CMDM0」、「CMDM1」、「CMDM2」、「CMDM3」、「CMDM4」、「CMDM5」、「CMDM6」の何れかを選択可能なように乱数の値(「0」〜「250」の全251通りの整数)が振分けられている。「無し」は、コースMAP演出を実行しないことを示し、「CMDM0」は、コースMAP指定1に基づく演出を示し、「CMDM1」は、コースMAP指定2に基づく演出を示し、「CMDM2」は、コースMAP指定3に基づく演出を示し、「CMDM3」は、コースMAP指定4に基づく演出を示している。また、「CMDM4」は、コースMAP指定5に基づく演出を示し、「CMDM5」は、コースMAP指定6に基づく演出を示し、「CMDM6」は、コースMAP指定7に基づく演出を示している。
コースMAP演出の演出内容(コースMAP指定)の決定に際して統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値と変動パターン及びライバルキャラ指定をもとにコースMAP演出の演出内容を決定する。例えば、変動パターンAP1が指示され、ライバルキャラ指定1を決定している場合は、コースMAP演出振分けテーブルMT2にしたがって乱数の値をもとに、「無し」、「CMDM0」〜「CMDM6」の中から何れか1つを決定する。なお、コースMAP演出振分けテーブルMT1では、ライバルキャラ指定「無し」の場合を特定するので、コースMAP演出振分けテーブルMT2〜MT4でリーチなしの変動パターンHP1に関しては「無し」にのみ乱数が振分けられている。
各コースMAP演出振分けテーブルMT1〜MT4は、図18(b)〜(e)に示すように、コースMAP演出振分けテーブルMT2〜MT4で選択可能なコースMAP指定を同じ態様で決定するようになっている。このため、各コースMAP演出振分けテーブルMT1〜MT4は、ライバルキャラ指定の大当り期待度に依存するように構築されている。このため、各コースMAP演出振分けテーブルMT1〜MT4は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合には図柄A以外が指定されている場合よりも演出内容として大当り期待度が高い演出内容が選択され易く構築されていることとなる。なお、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合には、変動パターンAP2よりも変動パターンAP1が選択され易いので、変動パターンAP1による選択態様が遊技に反映され易い傾向となっている。また、各コースMAP演出振分けテーブルMT1〜MT4は、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合に大当り期待度が高まる構成のもと、図柄A以外の図柄B,Cが指定されている場合にはずれ図柄が指定されている場合よりも演出内容として大当り期待度が低い演出内容が選択され易く構築されている。また、コースMAP演出振分けテーブルMT1は、変動パターンHP1のはずれ時において大当り期待度が低い演出内容を選択し易く、大当り期待度が高い演出内容を選択し難く構築されている。そして、図18(b)〜(e)に示すように、このように構成された本実施形態では、選択可能なコースMAP指定(コースMAP演出の演出内容)と選択可能なコースMAP指定(コースMAP演出の演出内容)の選択割合(選択し易さやし難さ)とが、変動パターンと特別図柄用の停止図柄指定コマンドとライバルキャラ指定をもとに予め対応付けされている。このため、ライバルキャラ指定に関連付けられるようにコースMAP指定に大当り期待度が設定される。
本実施形態では、予告演出の演出内容のうち、ズームイン演出の演出内容が最も先に決定される。これにより、変動パターンや特別図柄に基づく大当り期待度が図柄変動ゲームを通して演出の主要な部分(リーチ演出に位置付けられる)に好適に反映されることとなる。例えば、コースMAP演出から順に図柄変動ゲームの時系列にしたがって各予告演出を決定する場合には、最も先に決定することとなるコースMAP演出に基づく大当り期待度にその後に決定される演出内容が引き摺られてしまう結果、コースMAP演出の演出内容からその後の展開を容易に把握させてしまう可能性がある。また、このような仕様のもと、コースMAP演出からその後の展開を容易に把握させ難くするようにコースMAP指定の振分け態様に差を設けない構成とする場合には、その後の展開にも差が生じ難くなる可能性がある。
また、本実施形態では、予告演出の演出内容のうち、ズームイン演出の演出内容を決定した後に、ライバルバトル演出が決定される。これにより、最終的にリーチ演出の結果としてどのような結果を導出させるかの調整に際しては、ライバルバトル演出を調整すればよく、ライバルバトル演出の調整に伴ってズームイン演出を再調整しなくても済むこととなる。例えば、ライバルバトル演出から順に図柄変動ゲームの時系列に遡って各予告演出を決定する場合には、予告演出の演出内容の出現割合の調整の作業に関して、ライバルバトル演出を調整するに際しては全ての予告演出に関しても調整が必要になってくる。さらに予告演出の演出内容の出現割合の調整の作業に関して言えば、図柄変動ゲームを通して演出の結果となるライバルバトル演出に関して調整する可能性が高いので、その調整に伴う作業が煩雑になる可能性が高い。
また、本実施形態では、予告演出の演出内容のうち、ズームイン演出及びライバルバトル演出を決定した後に、コメント演出、コースMAP演出の順に決定される。これにより、大当り期待度が好適に反映されている部分から順に時系列に遡って演出内容が決定されることで、大当り期待度が予告演出全体を通しては勿論のことコースMAP演出及びコメント演出に関しても好適に反映されることとなる。
以上のように図11に示したズームイン演出からコメント演出までの予告演出の演出内容を決定した統括制御用CPU36aは、決定した予告演出の演出内容を指示するコマンド(予告指定コマンド)を、予告演出別に演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)及び音声・ランプ制御基板38に出力する。また、統括制御用CPU36aは、タッチ演出を実行させる場合、図柄変動ゲームの実行中にタッチ演出の実行タイミングで所定のタッチ指定(コマンド)を順次、決定して演出表示制御基板37(表示制御用CPU37a)及び音声・ランプ制御基板38に順次、出力する。なお、統括制御用CPU36aは、各予告演出に関して「無し」を決定する結果、演出の実行を指示しない場合には対応するコマンドを出力しないようになっている。また、統括制御用CPU36aは、ライバルバトル演出の実行を指示する場合、ライバルバトル演出で最終的に導出する演出結果として、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定されている図柄に応じた演出結果の導出も合わせて指示するようになっている。そして、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで図柄Aが指定されている場合、非復活及び復活を含む「勝利」の演出結果を、図柄B,Cが指定されている場合、「敗北」の演出結果を、はずれ図柄が指定されている場合、「引分け」の演出結果を、それぞれ対応付けて指示する。そして、各コマンドを入力した演出表示制御基板37及び音声・ランプ制御基板38は、予告演出を指示するコマンドにしたがって演出表示装置22の表示内容、各種ランプ部16a〜16c,21bの発光、及びスピーカ17a〜17cからの音声出力を制御する。
次に、タッチ演出の演出内容を特定するタッチ指定(コマンド)について図19(a)〜(c)に基づき制御内容と合わせて説明する。
タッチ演出を決定するに際して統括制御用CPU36aは、所定のタイミングに合わせて所定のタッチ指定(コマンド)を順次出力するとともに、図19(b),(c)に示す各振分け抽選テーブルTT1,TT2にしたがって、図19(a)に示すタッチ指定(コマンド)の出力態様を特定することで演出内容を決定する。なお、タッチ演出に関して言えば、タッチ指定(コマンド)によって演出内容が決定されるのではなく、タッチ指定(コマンド)の出力態様が特定される結果、演出内容が決定されることとなる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図19(a)に示すように、タッチ演出の演出内容を特定する5種類のタッチ指定(コマンド)が用意されている。そして、タッチ指定(コマンド)には、タッチ演出の開始を示すとともに、演出用ボタンBTの操作を有効とする操作有効期間が設定されたことを遊技者に報知する「ボタン画像表示」となる演出内容を特定するタッチ指定1(CMDT0)がある。また、タッチ指定(コマンド)には、タッチ演出の終了を示すとともに、操作有効期間が終了されたことを遊技者に報知する「ボタン画像非表示」となる演出内容を特定するタッチ指定2(CMDT1)がある。また、タッチ指定(コマンド)には、演出用ボタンBTが操作される毎にその操作を有効として判定されたことを遊技者に報知する「画面変化」となる演出内容を特定するタッチ指定3(CMDT2)がある。また、タッチ指定(コマンド)には、演出用ボタンBTの操作によって「味方が表示される」に近づいたことを遊技者に報知する「画面変化(領域拡大)」となる演出内容を特定するタッチ指定4(CMDT3)がある。また、タッチ指定(コマンド)には、演出用ボタンBTの操作によって「味方が表示される」とされたことを遊技者に報知する「画面変化(味方攻撃確定)」となる演出内容を特定するタッチ指定5(CMDT4)がある。
そして、統括制御用CPU36aは、リーチを伴う図柄変動ゲームでタッチ演出を実行するようになっており、図柄変動ゲームの開始からタッチ演出の実行タイミング(例えば、変動開始から21532(ms)の経過時)に操作有効期間を設定する。また、統括制御用CPU36aは、操作有効期間の設定に伴い、タッチ指定1(CMDT0)を出力することで、タッチ演出の開始を指示する。また、統括制御用CPU36aは、操作有効期間を設定すると、演出用ボタンBTに内蔵されているランプを消灯→点灯へ切替制御する。そして、操作有効期間を終了した統括制御用CPU36aは、操作有効期間の終了時までに、演出用ボタンBTのボタン操作がされたか否か、すなわち演出用ボタンBTの操作信号がOFF→ONへ立ち上がったか否かを判定する。また、統括制御用CPU36aは、図柄変動ゲームを開始させてからタッチ演出を終了させるタイミング(例えば、変動開始から25500(ms)の経過時)に操作有効期間を終了(操作有効期間の設定を解除)させる。また、統括制御用CPU36aは、操作有効期間の終了(操作有効期間の設定の解除)に伴い、タッチ指定2(CMDT1)を出力することで、タッチ演出の終了を指示する。また、統括制御用CPU36aは、操作有効期間を終了すると、演出用ボタンBTに内蔵されているランプを点灯→消灯へ切替制御する。
また、統括制御用CPU36aは、タッチ演出の開始に伴い、図19(b)に示すボタン重さ振分けテーブルTT1に基づき「味方攻撃確定」に近づくための「ボタン重さ」を選択して決定する。本実施形態では、演出用ボタンBTの操作回数が「ボタン重さ」の回数だけ操作されることを「成功」1回として、「味方攻撃確定」に近づくようになっている。図19(b)に示すボタン重さ振分けテーブルTT1は、統括制御用ROM36bに記憶されている。ボタン重さ振分けテーブルTT1では、ライバルキャラ指定に対し、「3回」、「2回」、「1回」の何れかを選択可能なように乱数の値(「0」〜「99」の全100通りの整数)が振分けられている。
「ボタン重さ」の決定に際して統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値とライバルキャラ指定をもとに「ボタンの重さ」を決定する。例えば、ライバルキャラ指定(コマンド)が「CMDK0(ライバルキャラ指定1)」の場合は、ボタン重さ振分けテーブルTT1にしたがって乱数の値をもとに、「3回」、「2回」、「1回」の中から何れか1つを決定する。
また、統括制御用CPU36aは、タッチ演出の開始に伴い、図19(c)に示す味方攻撃確定回数振分けテーブルTT2に基づき「画面変化(味方攻撃確定)」に到達するまでに必要な「確定回数」を選択して決定する。なお、統括制御用CPU36aは、ライバルバトル指定としてライバルバトル指定2(「味方キャラが攻撃する」)を決定している条件下で、「確定回数」を決定し得るようになっている。本実施形態では、演出用ボタンBTの操作による「成功」の回数が「確定回数」の回数となることを条件にして、「味方攻撃確定」となるようになっている。図19(c)に示す味方攻撃確定回数振分けテーブルTT2は、統括制御用ROM36bに記憶されている。味方攻撃確定回数振分けテーブルTT2では、ライバルキャラ指定に対し、「255回」、「10回」、「5回」の何れかを選択可能なように乱数の値(「0」〜「99」の全100通りの整数)が振分けられている。
「確定回数」の決定に際して統括制御用CPU36aは、統括制御用RAM36cから乱数の値を取得し、その取得した乱数の値とライバルキャラ指定をもとに「確定回数」を決定する。例えば、ライバルキャラ指定(コマンド)が「CMDK0(ライバルキャラ指定1)」の場合は、味方攻撃確定回数振分けテーブルTT2にしたがって乱数の値をもとに、「255回」、「10回」、「5回」の中から何れか1つを決定する。
ボタン重さ振分けテーブルTT1は、図19(b)に示すように、ライバルキャラ指定の大当り期待度が高いほど「ボタン重さ」として少ない回数が選択され易く構築されている。これにより、タッチ演出では、ライバルキャラ指定の大当り期待度が高いほど「画面変化(領域拡大)」が実行され易い構成となっている。また、味方攻撃確定回数振分けテーブルTT2は、図19(c)に示すように、ライバルバトル指定2(「味方キャラが攻撃する」)を決定している条件下で、ライバルキャラ指定の大当り期待度が高いほど「確定回数」として少ない回数が選択され易く構築されている。これにより、タッチ演出では、ライバルキャラ指定の大当り期待度が高いほど「画面変化(味方攻撃確定)」が実行され易い構成となっている。そして、図19(b)及び図19(c)に示すように、このように構成された本実施形態では、タッチ演出で「画面変化(味方攻撃確定)」の変化割合(変化し易さやし難さ)が、ライバルキャラ指定をもとに予め対応付けされている。このため、ライバルキャラ指定に関連付けられるようにタッチ演出の変化態様が変化することとなり、その変化態様に対して大当り期待度が設定される。
そして、統括制御用CPU36aは、操作有効期間中に演出用ボタンBTの操作に伴い、タッチ指定3(CMDT2)を出力することで、「画面変化」の実行を指示する。また、統括制御用CPU36aは、演出用ボタンBTの操作回数の「ボタン重さ」の回数への到達に伴い、タッチ指定4(CMDT3)を出力することで、「画面変化(領域拡大)」の実行を指示する。また、統括制御用CPU36aは、演出用ボタンBTの操作回数の「ボタン重さ」の回数への到達毎に、「ボタン重さ」を上述した同じ要領で選択して決定するようになっている。また、統括制御用CPU36aは、「確定回数」を決定している条件下で、演出用ボタンBTの操作による「成功」回数の「確定回数」への到達に伴い、タッチ指定5(CMDT4)を出力することで、「画面変化(味方攻撃確定)」の実行を指示する。なお、統括制御用CPU36aは、タッチ指定5(CMDT4)を出力した後においては演出用ボタンBTの操作があってもタッチ指定3(CMDT3)を出力しないようになっている。また、統括制御用CPU36aは、「確定回数」を決定していない条件下で、演出用ボタンBTによる「成功」回数が何回になったとしてもタッチ指定5(CMDT4)を出力しないようになっており、「画面変化(領域拡大)」が所定回数実行されるとそれ以上演出内容が変化しないようになっている。その後、統括制御用CPU36aは、タッチ演出の終了のタイミングでタッチ指定2(CMDT2)を出力することで、操作有効期間を終了させるとともにタッチ演出の終了を指示する。なお、タッチ指定5(CMDT4)が出力されることなくタッチ演出が終了される場合には、「ピンチ」となる演出内容のタッチ演出が展開される。これに関しては、ライバルバトル指定2(「味方キャラが攻撃する」)が決定されているか否かにかかわらず、タッチ指定5(CMDT4)が出力されることなくタッチ演出が終了される場合の展開となる。
次に、演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、確定図柄指定(コマンド)で指示された飾り図柄を演出表示装置22に確定停止表示させるように表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。また、表示制御用CPU37aは、統括制御用CPU36aにより大当り遊技に係るオープニング演出などの演出指示がされる場合に、演出指示された演出に対応する演出内容(オープニング演出、ラウンド遊技演出、エンディング演出といった演出)を選択し、該演出内容で大当り遊技中の演出を行わせるように演出表示装置22の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU37aは、演出指示された演出内容をもとに表示制御用ROM37bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始や各種演出の開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置22に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
また、表示制御用CPU37aは、各演出モードへの移行を指示する演出指示コマンドを入力すると、該コマンドに指示される演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU37aは、各演出モードへの移行を指示する演出指示コマンドを入力すると、該コマンドに指定される背景パターンで演出表示装置22の表示内容を制御する。なお、表示制御用CPU37aは、次に各演出モードへの移行を指示する演出指示コマンドを入力するまでの間、現在の背景画像を切替えることなく継続的に演出表示装置22の表示内容を制御する。
また、各予告演出の指示に関するコマンドを入力した演出表示制御基板37は、予告演出を指示するコマンドにしたがって演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU37aは、各予告演出に関するコマンドを入力すると、当該コマンドにしたがう演出内容に対応する表示画像を演出表示装置22に画像表示し、各予告演出を予め定めた図7に示すような実行タイミングで実行させる。なお、表示制御用CPU37aは、各予告演出に関するコマンドのうち入力しないものに関しては対応する予告演出を実行させないようになっている。
次に、表示制御用CPU37aの制御による図柄変動ゲームの流れに基づく予告演出の実行態様について、表示制御用CPU37aの制御と合わせて図20(a)〜(j)に基づき説明する。
なお、予告演出においては、図20(a)〜(j)に示すように、演出表示装置22の大部分で各予告演出が展開される一方で、図柄変動ゲーム用領域22aにおいて図柄変動ゲームが遊技者に視認可能なように展開されるようになっている。また、図20(a)〜(j)では、コースMAP演出とコメント演出として「無し」が選択されていない場合を前提としている。
予告演出を伴う図柄変動ゲームにおいて、表示制御用CPU37aがコースMAP演出を実行させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22では、図20(a)に示すように、対応する演出内容の展開となる「コースMAP演出」が実行される。これにより、遊技者は大当り期待度とともに今後の予告演出の展開を推測可能となっている。また、演出表示装置22の図柄変動ゲーム用領域22aでは、図柄変動ゲームが展開されている。これにより、遊技者は図柄変動ゲームを視認しながらもコースMAP演出の展開に対して集中可能となっている。
また、表示制御用CPU37aがコメント演出を実行させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22では、図20(b)に示すように、対応する演出内容の展開となる「コメント演出」が実行される。これにより、遊技者は大当り期待度とともに今後の予告演出の展開を推測可能となっている。また、演出表示装置22の図柄変動ゲーム用領域22aでは、図柄変動ゲームが展開されている。これにより、遊技者は図柄変動ゲームを視認しながらもコメント演出の展開に対して集中可能となっている。
ここで、対象となる図柄変動ゲームがリーチなしであってズームイン演出の実行が指示されていない場合、表示制御用CPU37aがはずれの図柄組み合わせを導出させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22では、図20(b)→図20(f)に示すように、はずれ(ここでは、[653])によるはずれの図柄組み合わせ(確定停止図柄)が確定停止表示される。また、図柄変動ゲームの終了に伴い、演出表示装置22では、図柄変動ゲーム用領域22aで導出された確定停止図柄が大きく画面表示される。これにより、遊技者は図柄変動ゲームにおける結果を認識することとなる。
また、表示制御用CPU37aがズームイン演出を実行させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22では、図20(c)に示すように、対応する演出内容の展開となる「ズームイン演出」が実行される。これにより、遊技者は大当り期待度とともに今後の予告演出の展開を推測可能となっている。また、演出表示装置22の図柄変動ゲーム用領域22aでは、図柄変動ゲームが展開されている。これにより、遊技者は図柄変動ゲームを視認しながらもズームイン演出の展開に対して集中可能となっている。
ここで、対象となる図柄変動ゲームがリーチなしであってズームイン演出の実行が指示されている場合、表示制御用CPU37aがはずれの図柄組み合わせを導出させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22では、図20(c)→図20(f)に示すように、はずれ(ここでは、[653])によるはずれの図柄組み合わせ(確定停止図柄)が確定停止表示される。また、図柄変動ゲームの終了に伴い、演出表示装置22では、図柄変動ゲーム用領域22aで導出された確定停止図柄が大きく画面表示される。これにより、遊技者は図柄変動ゲームにおける結果を認識することとなる。
一方、対象となる図柄変動ゲームがリーチありの場合、表示制御用CPU37aがリーチを形成させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22(図柄変動ゲーム用領域22a)では、図20(c)→図20(d)に示すように、リーチが形成される。これにより、遊技者は大当り期待度とともに今後の予告演出の展開を推測可能となっている。
また、表示制御用CPU37aがタッチ演出を実行させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22では、図20(e)に示すように、対応する演出内容の展開となる「タッチ演出」が実行される。これにより、遊技者は大当り期待度とともに今後の予告演出の展開を推測可能となっている。また、演出表示装置では、タッチ演出で「味方攻撃確定」及び「ピンチ」のいずれかが画像表示される。「味方攻撃確定」により、遊技者はライバルバトル演出で「味方キャラが攻撃する」となることを認識可能となっている。また、「ピンチ」により、遊技者はライバルバトル演出で「敵キャラが攻撃する」となるかもしれないことを認識可能となっている。
また、表示制御用CPU37aがライバルバトル演出を実行させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22では、図20(g)に示すように、対応する演出内容の展開となる「ライバルバトル演出」が実行される。これにより、遊技者は大当り期待度とともに今後の予告演出の展開を推測可能となっている。また、演出表示装置22の図柄変動ゲーム用領域22aでは、図柄変動ゲームが展開されている。これにより、遊技者は図柄変動ゲームを視認しながらもライバルバトル演出の展開に対して集中可能となっている。なお、この場面において、遊技者は継続してリーチを形成している飾り図柄を認識可能となっている。
ここで、対象となる図柄変動ゲームが16R確変大当り遊技の当選に基づく場合、表示制御用CPU37aがライバルバトル演出で最終的に「勝利」の演出結果を導出させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22では、図20(g)→図20(h)に示すように、確変確定図柄(ここでは、[777])による大当りの図柄組み合わせ(確定停止図柄)が確定停止表示される。また、図柄変動ゲームの終了に伴い、演出表示装置22では、図柄変動ゲーム用領域22aで導出された確定停止図柄が大きく画面表示される。これにより、遊技者は図柄変動ゲームにおける結果を認識することとなる。
また、対象となる図柄変動ゲームが大当りの非当選(はずれ)に基づく場合、表示制御用CPU37aがライバルバトル演出で最終的に「引分け」の演出結果を導出させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22では、図20(g)→図20(i)に示すように、はずれのリーチ(ここでは、[767])によるはずれの図柄組み合わせ(確定停止図柄)が確定停止表示される。また、図柄変動ゲームの終了に伴い、演出表示装置22では、図柄変動ゲーム用領域22aで導出された確定停止図柄が大きく画面表示される。これにより、遊技者は図柄変動ゲームにおける結果を認識することとなる。
また、対象となる図柄変動ゲームが16R特別確変大当り遊技又は16R非確変大当り遊技の当選に基づく場合、表示制御用CPU37aがライバルバトル演出で最終的に「敗北」の演出結果を導出させるように演出表示装置22を制御することで、演出表示装置22では、図20(g)→図20(j)に示すように、確変確定図柄(ここでは、[666]([777]以外))による大当りの図柄組み合わせ(確定停止図柄)が確定停止表示される。また、図柄変動ゲームの終了に伴い、演出表示装置22では、図柄変動ゲーム用領域22aで導出された確定停止図柄が大きく画面表示される。これにより、遊技者は図柄変動ゲームにおける結果を認識することとなる。
なお、音声・ランプ制御基板38は、演出表示装置22の表示内容に同調させて、発光や音声出力を実行させる。したがって、本実施形態では、各予告演出を実行させる演出表示装置22、各種ランプ部16a〜16c,21b、及びスピーカ17a〜17cが予告実行手段となる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)図柄変動ゲームの経過に合わせて出現することで前後の予告演出で演出内容が関連付けされるように構成される予告演出においては、主要演出部の演出内容を大当り抽選の抽選結果をもとに決定することで、図柄変動ゲームで先に出現する導入演出部を大当り抽選の抽選結果をもとに決定する場合よりも大当り抽選の抽選結果を予告演出の演出内容に対して好適に反映させることができる。また、このように構成される予告演出においては、主要演出部の演出内容を大当り抽選の抽選結果をもとに決定することで、図柄変動ゲームで後に出現する結果導出演出部を大当り抽選の抽選結果をもとに決定する場合よりも開発段階における予告演出の演出内容の出現割合などの調整の作業を容易にすることができる。その結果、複数種類の予告演出を実行可能な遊技機において、予告演出の演出内容をパターン化しないことで、予告演出に対するマンネリ化を解消することができる。さらにマンネリ化を解消した上で、対象となる図柄変動ゲームの大当り期待度を好適に反映させつつ開発段階における作業が煩雑になることを抑制することができる。
(2)本実施形態では、予告演出のうち、ズームイン演出を最も先に決定することで、変動パターンや特別図柄に基づく大当り期待度が図柄変動ゲームを通して演出の主要な部分(リーチ演出に位置付けられる)に好適に反映されることとなる。このため、コースMAP演出から順に図柄変動ゲームの時系列にしたがって各予告演出を決定することで、最も先に決定することとなるコースMAP演出に基づく大当り期待度にその後に決定される演出内容が引き摺られてしまうことを防止するとともに、その後の展開にも差が生じ難くなくなってしまうことを防止することができる。
(3)また、本実施形態では、予告演出の演出内容のうち、ズームイン演出の演出内容を決定した後に、ライバルバトル演出を決定することで、最終的にリーチ演出の結果としてどのような結果を導出させるかの調整に際しては、ライバルバトル演出を調整すればよく、ライバルバトル演出の調整に伴ってズームイン演出を再調整しなくても済むこととなる。このため、ライバルバトル演出から順に図柄変動ゲームの時系列に遡って各予告演出を決定することで、予告演出の演出内容の出現割合の調整の作業に関して、ライバルバトル演出を調整するに際しては全ての予告演出に関して調整するような作業が必要なくなる。さらに予告演出の演出内容の出現割合の調整の作業に関して言えば、図柄変動ゲームを通して演出の結果となるライバルバトル演出に関して調整する可能性が高いので、その調整に伴う作業が煩雑になることを抑制することができる。
(4)1回の図柄変動ゲームに跨って展開されるように構成される予告演出においてリーチ状態を形成し得る図柄変動ゲームでは、いずれかの予告演出の出現タイミングでリーチ状態が出現することとなり、その出現タイミング以降の予告演出がリーチ演出に位置付けされることとなる。このため、リーチ演出に位置付けされる演出に対して図柄変動ゲームの大当り期待度を好適に反映させるようにすることで、予告演出の興趣のみならず図柄変動ゲーム自体の興趣の向上に寄与することができる。
(5)リーチ状態の出現時は、そのリーチ状態を形成する図柄から大当り表示結果が表示されることで獲得し得る利益の大小を遊技者に把握させることができるので、遊技者の注目が集中する場面でもある。このため、結果導出演出部の出現に先立ってリーチ状態を形成させることで、リーチ演出は、結果導出演出部よりも前の出現時期が設定される導入演出部又は主要演出部から開始されることとなる。その結果、遊技者の注目が集中するような主要演出部の演出内容を大当り抽選の抽選結果に基づいて決定するようにすることで、大当り期待度を好適に反映させる場面と遊技者の注目する場面とが重なることとなる。
(6)また、リーチ状態の出現時は、そのリーチ状態を形成する図柄の組み合わせから大当り期待度を遊技者に把握させることができるので、遊技者の注目が集中する場面でもある。このため、結果導出演出部の出現に先立ってリーチ状態を形成させることで、リーチ演出は、結果導出演出部よりも前の出現時期が設定される導入演出部又は主要演出部から開始されることとなる。その結果、遊技者の注目が集中するような主要演出部の演出内容を大当り抽選の抽選結果に基づいて決定するようにすることで、大当り期待度を好適に反映させる場面と遊技者の注目する場面とが重なることとなる。
(7)導入演出部を複数種類の予告演出から構成する場合、導入演出部を構成する予告演出を、図柄変動ゲームの時系列で最も後の出現時期となる予告演出から順に、時系列で遡って決定することで、主要演出部に時系列で近い予告演出から順に決定することとなる。すなわち、大当り抽選の抽選結果による大当り期待度が好適に反映されている部分から順に時系列に遡って演出内容を決定することで、予告演出全体を通しては勿論のこと導入演出部の細部に関しても大当り期待度を好適に反映させることができる。
(8)また、本実施形態では、予告演出の演出内容のうち、ズームイン演出及びライバルバトル演出を決定した後に、コメント演出、コースMAP演出の順に決定される。これにより、大当り期待度が好適に反映されている部分から順に時系列に遡って演出内容が決定されることで、大当り期待度が予告演出全体を通しては勿論のことコースMAP演出及びコメント演出に関しても好適に反映されることとなる。
(9)本実施形態では、確変モードMKにおいて予告演出を実行可能にし、16R確変大当り遊技である可能性を大当り期待度として予告演出で示唆可能に構成した。確変状態が次に大当り遊技が付与されるまで継続する仕様のもと、確変モードMKでは、大当り遊技が付与されるか否かよりもいつまで確変モードMK(確変状態)が継続されるかに遊技者の注目が集まることとなる。このような確変モードMKでは、大当り期待度として単に大当り遊技が付与されるのではなく、確変モードMKの継続に繋がる大当り遊技の可能性を大当り期待度として示唆することで、より遊技者の盛り上がりを後押しすることができる。すなわち、演出モード毎に遊技者が抱く期待に応じた期待度を示唆する構成とすることで、演出モード毎の遊技に変化を与えることで遊技のマンネリ化を抑制し、ひいては遊技の興趣の向上に寄与することができる。
(10)また、このような予告演出の中に演出用ボタンBTを用いて展開されるタッチ演出を設定するようにした。したがって、確変モードMKでタッチ演出を設定することで、演出用ボタンBTの操作を遊技者に好適に促すことができる。加えて確変モードMKでタッチ演出を設定することで、確変モードMKにおけるマンネリ化をさらに抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・本実施形態では、演出態様(「テーマ」)の異なる複数部分から構成されていればよく、予告演出の区切りを演出態様毎に区切らなくてもよく、コースMAP演出とコメント演出で1つの予告演出を構成したりする構成であってもよい。例えば、複数種類の予告演出(コースMAP演出、コメント演出、ズームイン演出、タッチ演出、ライバルバトル演出)は、1回の図柄変動ゲーム単位で実行される予告演出(リーチ演出)として捉えることもでき、すなわち、演出態様(「テーマ」)毎に区切られた1つの予告演出(リーチ演出)として捉えることもできる。
・本実施形態では、導入演出部を構成する予告演出の決定に関しては図柄変動ゲームの時系列に沿って前から順に決定する構成とすることもできる。
・本実施形態では、予告演出の実行中にリーチを形成している状態や、リーチを形成する場合の飾り図柄の種類を遊技者に把握できないような構成としてもよい。
・本実施形態では、確定停止図柄を大当り遊技の種類や大当り遊技の終了後の演出モードに対応付けた構成としなくてもよい。すなわち、遊技者は、リーチを形成する飾り図柄を視認したとしても、単にリーチが形成されていることを認識するのみとなる。このような構成においては、予告演出の展開中に図柄変動ゲームを特に遊技者に把握可能にする必要もない。なお、この場合、確定停止図柄を決定するタイミングは、各予告演出の決定前や決定後のどのタイミングでもよくなる。
・本実施形態では、各予告演出が1回の図柄変動ゲームのうち一部分に亘って実行可能に構成されていればよく、最終的な演出結果としては、リーチが形成されるか否かを示唆したり、リーチを形成する飾り図柄の種類を示唆したりするように、最終的に大当り抽選の抽選結果を導出するものでなくてもよい。
・この場合、各予告演出の実行タイミングは、リーチを形成するよりも前に設定してもよい。また、各予告演出の実行タイミングは、全てリーチの形成後に設定することもできる。すなわち、各予告演出によって示唆する内容に応じて、各予告演出の実行タイミングを任意に設定することができる。
・本実施形態では、大当り期待度として16R確変大当り遊技、16R特別確変大当り遊技、及び16R非確変大当り遊技を含む大当りの可能性を示唆するものであってもよい。この場合において「大当り期待度の高低」とは、大当り抽選で大当りに当選した時に出現される割合と大当り抽選で大当りに当選しなかった場合に出現される割合をもとに算出される。そして、このような場合には、大当り抽選で大当りに当選した場合及び大当りに当選しなかった場合の全体の出現率に対して、大当り抽選で大当りに当選した場合の出現率が高くなるほど、大当り期待度の高い演出内容となる。なお、この場合、各振分けテーブルにおける乱数の振分け態様を大当りの場合に大当り期待度の高い演出内容を選択し易くなるように構成することが好ましい。
・また、パチンコ遊技機10の仕様によっては、16R確変大当り遊技、及び16R特別確変大当り遊技のような確変状態が付与される大当りの可能性を大当り期待度として示唆する構成とする場合もある。なお、この場合には、各振分けテーブルにおける乱数の振分け態様を大当りの場合に大当り期待度の高い演出内容を選択し易くなるように構成することが好ましい。
・本実施形態では、特別図柄用の停止図柄指定コマンドが図柄Aである場合に大当り期待度が高い演出内容を特定可能に各振分けテーブルを構築していればよく、細かい乱数の振分け態様を変更することもできる。また、はずれ時と16R特別確変大当り遊技及び16R非確変大当り遊技とを比較した場合の乱数の振分け態様に関しても遊技性に合わせて任意に変更することができる。
・本実施形態では、コースMAP演出、コメント演出、ズームイン演出、タッチ演出、及びライバルバトル演出による予告演出を確変モードMKで実行可能にしたが、これら予告演出に関しては通常モードMFや確変示唆モードMSでも実行可能にしてもよい。
・本実施形態では、導入演出部、主要演出部、及び結果導出演出部を有していればよく、構成する予告演出を変更したり、これらを1種類の予告演出で構成したりしていてもよい。この変更に伴っては、各予告演出の位置付けが変化する場合もある。
・本実施形態では、コースMAP演出、コメント演出、ズームイン演出、タッチ演出、及びライバルバトル演出による予告演出の種類を増減させてもよい。
・本実施形態において、各予告演出の演出態様は、主体とする「テーマ」が異なっていれば任意に変更してもよく、演出用可動体などによる可動演出としたりしてもよい。
・また、本実施形態では、各予告演出によって構成されるストーリーに関しても遊技性に応じて任意に変更してもよい。
・本実施形態において、演出モードの構成を変更してもよく、例えば、通常モードMFや確変示唆モードMSの種類を複数設定することもできる。この場合の構成は、確変モードMKにも適用してもよい。このような確変モードMKに適用する場合には、種類毎に予告演出の演出態様を異ならせたり、演出内容に設定される大当り期待度の対応付けを変更したりと、種類毎に特徴を見出すような構成とすることもできる。
・本実施形態は、確変機能を備えないパチンコ遊技機で実現することもできる。この場合には、確変モードMKや確変示唆モードMSといった演出モードを設定しなくてもよい。
・本実施形態では、確変状態であるか否かを遊技者に秘匿することなく報知する仕様のパチンコ遊技機10に適用することもできる。すなわち、遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に認識させ得る報知ランプを備えるようにしてもよい。
・本実施形態において、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの決定に関する各種乱数を、各始動入賞口28,29の入賞時に全て主制御用RAM35cから取得するようにしてもよい。
・本実施形態では、大当り(16R確変大当り遊技)を確定的に報知する演出内容を設けるようにし、当該演出内容に関しては大当り期待度の高い演出内容としての位置付けで設定することもできる。
・本実施形態では、演出表示装置22を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としてもよいし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としてもよい。
・本実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、複数の特別図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
・本実施形態において、主制御用CPU35a(主制御用基板35)、表示制御用CPU37a(表示制御基板37)及び音声・ランプ制御基板38の何れかを、予告決定手段として機能させてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追加する。
(イ)前記導入演出部は、前記図柄変動ゲームにおける出現時期をそれぞれに異なるように設定された複数種類の予告演出から構成され、前記予告決定手段は、前記導入演出部の予告演出の演出内容を決定するに際し、前記導入演出部を構成する予告演出のうち前記図柄変動ゲームの時系列で最も後の出現時期となる予告演出の演出内容から順に、前記図柄変動ゲームの時系列で遡った出現時期となる予告演出の演出内容を決定する請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。