以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシンの機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理を説明する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1は、スロットマシン100の概略的な機械的構成を説明するための外観図である。スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方で、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下方でメダル払出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。
前面下扉106の上部には前方に突出した操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットボタン126、スタートスイッチ128、ストップボタン130等が配設されている。
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、遊技媒体としてのメダルの投入を受け付ける。遊技者により規定数(例えば3枚)のメダルが投入されるとスタートスイッチ128の操作が可能となり、引き続き規定数を超えてメダルが投入されると、その追加された分のメダルがスロットマシン100の内部に貯留(以下、単にクレジットという。)される。前面下扉106の背面にはメダルセレクタ(図示せず)が設けられ、メダル投入部124に投入された規格外のメダルはメダルセレクタによってメダル払出口108aから受け皿部108に排出される。ベットボタン126は、クレジットされているメダルを投入状態にする、押圧式のボタンスイッチである。以下、メダルを投入するという表現には、メダル投入部124に実際にメダルを投入することの他に、クレジットされたメダルをベットボタン126を通じて投入(ベット)することも含む。
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なスタートレバーまたは押圧操作を検出可能なボタンスイッチで形成され、遊技者による開始操作を検出する。
前面上扉104の下部略中央位置に位置するリールユニット134には、例えば21に等分された各領域に複数種類の図柄のいずれかが配置された複数の回転リール134a、134b、134cが、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136を通じてその回転リール134a、134b、134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。
操作部設置台122の中央に位置するストップボタン130は、複数の回転リール134a、134b、134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチ130a、130b、130cであり、複数の回転リール134a、134b、134cを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。
前面上扉104の上部略中央位置には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部138が設けられている。また、液晶表示部138の左右位置や受け皿部108の内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成されるランプ部142が設けられる。
(スロットマシン100の電気的構成)
図2は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図2に示すように、スロットマシン100は、主として、主制御基板200と、副制御基板202とによって制御されている。ここでは、処理能力を高くできる副制御基板202に演出に関する重い処理負荷を担わせることで、処理能力が制限された主制御基板200でも、スロットマシン100を円滑に制御することが可能となる。また、指令信号を、主制御基板200から副制御基板202への一方向に制限することで、主制御基板200に対する不正処理を防止する。
主制御基板200は、中央処理装置(CPUやDSP)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。また、主制御基板200では、ROMに格納されたプログラムに基づいてCPUやRAMが協働することで、遊技開始手段210と、スタートスイッチ抽選手段212と、リール回転制御手段214と、入賞判定手段216と、遊技状態移行制御手段218と、払出制御手段220と、終了ウェイト時間抽選手段222と、終了ウェイト実行手段224としても機能する。以下、各手段の具体的な処理を図2および図3を用いて説明する。
(1遊技における主制御基板200の処理)
図3は、図2における主制御基板200の処理の一例を示したフローチャートである。ここでは、メダルの投入を契機として1度の払い出しを受け得る一連の遊技である1遊技に沿って各手段の処理を説明している。
遊技者によるメダル投入部124へのメダルの投入が検出されると、または、遊技者によるベットボタン126への押圧操作を通じてクレジットされているメダルの投入が検出されると(S300のYES)、遊技開始手段210は、スタートスイッチ128を有効化し、1遊技を進めることが可能な状態に移行させる(S302)。
続いて、遊技者によるスタートスイッチ128の開始操作が検出されると(S304のYES)、その開始操作が為されたことを示す開始信号が主制御基板200に伝達される。スタートスイッチ抽選手段212は、開始信号を受信したタイミングで、出現率が均等な乱数を発生する乱数発生器256から乱数を取得し、ハズレまたは複数種類の当選役のいずれかを抽選する(S306)。具体的に、スタートスイッチ抽選手段212は、現在の遊技状態が通常状態または後述する第1リプレイタイムであれば、通常状態用の当選役抽選テーブルに基づいて、乱数発生器256から取得した乱数に対応した当選役を抽出し、現在の遊技状態が後述する第2リプレイタイムであれば、第2リプレイタイム用の当選役抽選テーブルに基づいて当選役を抽出し、ボーナス状態中であれば、ボーナス状態用の当選役抽選テーブルに基づいて当選役を抽出する。
ここで、当選役抽選テーブルで抽出される当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役、ハズレ等がある。そして、このような当選役を構成する図柄を、入賞を判定するための入賞有効ライン上に揃えた状態を入賞、当選役に当選してから入賞するまでの状態を内部当選という。リプレイ役は、次回の遊技に際してメダルの投入が不要になる役であり、小役は、その入賞により所定数のメダルの払出を受けることができる。かかるリプレイ役、小役、ボーナス役は、それぞれ他の当選役と重複して当選させることもできる(重複当選)。
また、ボーナス役は、その入賞により、遊技状態を有利状態の一つであるボーナス状態に移行させることができる当選役であり、ボーナス状態は、小役の当選確率が通常状態より極めて高い1遊技を複数回連続させることで、比較的多数のメダルを獲得することができる遊技状態である。また、ボーナス状態は、所定の条件が満たされたとき、例えば、払い出しメダル枚数が所定枚数を超えたときに終了する。また、払い出しメダル枚数が比較的多いボーナス状態をビッグボーナス、払い出しメダル枚数が比較的少ないボーナス状態をレギュラーボーナスと呼ぶこともある。
第1リプレイタイムや第2リプレイタイム(以下、両方のリプレイタイムを示すとき単にリプレイタイムという。)は、リプレイ役の当選確率を10/73以上の所定の値に設定した遊技状態である。本実施形態において、第1リプレイタイムは、通常状態への中継処理といった遊技状態を担うべく、リプレイ役の当選確率が通常状態と等しく設定されており、第2リプレイタイムは、リプレイ役の当選確率が通常状態より極めて高い1遊技を複数回連続させることで、メダルの新たな投入機会を抑えつつ他の当選役の抽選を受けることができる。リプレイタイムは、ボーナス状態の当選、入賞、終了時、入賞有効ライン上に所定の図柄の組合せが揃ったとき、リプレイタイム中に1遊技の消化数が所定回数を超えたときのいずれかの契機で開始または終了する。
本実施形態では、上述した、ボーナス状態、第2リプレイタイム、後述する、アシストタイム、および、第2リプレイタイムとアシストタイムが並行して実行されるアシストリプレイタイムに滞在している状態を有利状態とし、有利状態以外における、所持メダル枚数が減っていく状態を通常状態とする。
図4は、当選役抽選テーブルを説明するための説明図である。図4(a)に示した通常状態用の当選役抽選テーブルでは、当選エリア1〜4が当選役中のリプレイ役に、当選エリア5〜10が小役に、当選エリア11、12がボーナス役に対応している。ここで、例えば、小役「スイカ」の当選確率(選択確率)は655/65536≒1/100なので、1遊技を100回続ければ小役「スイカ」を大凡1回入賞させることができることとなる。
ただし、当選エリア6〜8では、複数の小役(ここではベルとスイカ)が重複当選しており、このような重複当選の下ではその当選状態に応じて図柄の停止パターンを変更することが可能なので、ストップボタン130の押し順によって入賞する小役を異ならせることができる。例えば、当選エリア6の重複役が当選した場合、ボタンスイッチ130aを最初に操作するとベル図柄を引き込むように制御され、ボタンスイッチ130bまたは130cを最初に操作するとスイカ図柄を引き込むように制御される。また、当選エリア7の重複役が当選した場合、ボタンスイッチ130bを最初に操作するとベル図柄を引き込むように制御され、ボタンスイッチ130aまたは130cを最初に操作するとスイカ図柄を引き込むように制御される。さらに、当選エリア8の重複役が当選した場合、ボタンスイッチ130cを最初に操作するとベル図柄を引き込むように制御され、ボタンスイッチ130aまたは130bを最初に操作するとスイカ図柄を引き込むように制御される。ここで、図柄の配列の関係からベルは入賞有効ラインに100%揃うが、スイカは揃わない場合がある。そうすると、当選エリア6〜8では、ストップボタン130の押し順を条件として入賞確率が異なることとなる。例えば、3択の押し順に正解するとベルが入賞するが、不正解だとスイカを揃えることしかできず、所定の確率でスイカを取りこぼしてしまう。このような押し順を条件とする小役(重複役)が当選した場合、後述するアシストタイムではそのストップボタン130の押し順が案内されるので、小役を確実に入賞させることが可能となり、通常状態より小役の獲得枚数を多くすることができる。
また、当選エリア2〜4では、リプレイ役が重複して当選しており、上述した当選エリア6〜8同様、その押し順によって、引き込むリプレイ図柄を異ならせる(例えば、リプレイ1としての通常のリプレイ役の図柄とリプレイ2としての特殊リプレイ役の図柄)ことができる。ただし、リプレイ役は100%引き込まなくてはならず、かつ、次回の遊技に際してメダルの投入が不要になる点で重複した各リプレイ役の役割は同じである。ここでは、停止したリプレイ図柄によってそれ以降の遊技状態を異ならせることができる点で遊技性を高めている。このように押し順を条件として入賞有効ラインに揃うリプレイ図柄が異なる場合であっても、後述するアシストタイムではそのストップボタン130の押し順が案内されるので、遊技者にとって有利な遊技状態に移行可能なリプレイ図柄を揃えることができる。
また、図4(b)に示した第2リプレイタイム用の当選役抽選テーブルでは、図4(a)に示した通常状態用の当選役抽選テーブルと比べ当選エリア1のリプレイ役の当選確率が異なっており、通常状態より極めて高い当選確率でリプレイ役が選択されることとなる。さらに、図4(c)に示したボーナス状態用の当選役抽選テーブルでは、重ねてボーナス役が当選することはないが、小役の当選確率が極めて高くなっており、多くのメダルを獲得することが可能となる。このような当選役抽選テーブルや後述する種々のテーブルにおける当選確率は、スロットマシン100の機械割設定、入賞有効ライン数によって異ならせることができる。
リール回転制御手段214は、スタートスイッチ128の開始操作が為されたタイミングで、リール駆動制御部258に開始動作指令を送信し(S308)、リール駆動制御部258は、遊技間ウェイトとして設定された遊技間ウェイト時間(例えば、4.1秒)が経過しているか否かを判定して(S310)、遊技間ウェイト時間が経過していなければ(S310のNO)、遊技間ウェイト時間が経過するまで遊技間ウェイトを実行する(S312)。そして、リール回転制御手段214は、リールユニット134における回転リール134a、134b、134cの回転を開始する(S314)。
このように、リール駆動制御部258は、単位時間当たりの遊技への投資額が大きくなり徒に射幸心を煽ることを防止するため、遊技間隔を適切に維持すべく、回転リール134a、134b、134cの前回の回転開始から今回の回転開始までを所定の遊技間ウェイト時間以上確保して遊技の進行を意図的に遅らせる。かかる遊技間ウェイトは、遊技間隔を実質的に確保できれば、回転開始間の時間確保に限らず、投入操作、開始操作や停止操作を無効化することによっても実現できる。
リール駆動制御部258は、回転位置検出回路260が検出した各回転リール134a、134b、134cの回転位置情報(インデックス信号)に応じて、ステッピングモータ262に駆動パルスを出力し、回転リール134a、134b、134cの回転速度を制御する。そして回転リール134a、134b、134cの速度が定常回転速度になると(S316のYES)、リール回転制御手段214は、ストップボタン130の停止操作を有効化する(S318)。
続いて、遊技者によるストップボタン130の押圧操作が検出されると(S320のYES)、リール回転制御手段214は、ストップボタン130からの入力信号を受け付け、入力信号に対応した回転リール134(134a、134b、134cのいずれか1つ)を、その押圧タイミングにおける回転位置に従って停止させる(S322)。ただし、リール回転制御手段214は、当選役が当選しているときには、その当選役を示す図柄が入賞有効ラインに揃い易くなるように停止制御を行い、逆に、何ら当選していないときには、入賞有効ラインに当選役を狙ったとしても入賞が回避されるように停止制御を行う。そして、リール回転制御手段214は、回転リール134a、134b、134cが全て停止されたか否か、即ち、ストップボタン130が3つとも押圧されたか否か判定し(S324)、未だ回転リール134a、134b、134cが全て停止されていない場合(S324のNO)、他のストップボタン130の待ち受け処理(S320)に戻る。
こうして、回転リール134a、134b、134cが全て停止されると(S324のYES)、入賞判定手段216は、入賞判定を行う(S326)。入賞判定は、リールユニット134の回転リール134a、134b、134cが停止された結果、入賞有効ライン上に揃った停止図柄の組合せが当選役であるか否かによって行われる。遊技状態移行制御手段218は、入賞判定手段216による入賞判定結果に基づいて、ボーナス役を示す図柄が入賞すると(S328のYES)、遊技状態をボーナス状態に切り換える(S330)。また、遊技状態移行制御手段218は、通常状態のみにおける1遊技の消化数が所定回数、例えば1200回を超え、所謂天井に到達すると(S332のYES)、遊技状態を第1リプレイタイムに切り換える(S334)。また、遊技状態が第1リプレイタイムであると(S336のYES)、入賞有効ライン上に所定の図柄の組合せが揃っているか否かが判定され、例えば、図4に示した通常状態用の当選役抽選テーブルの当選エリア2〜4におけるリプレイ役が入賞している場合に、遊技状態移行制御手段218は、その停止したリプレイ図柄によって、遊技状態を通常状態に切り換えたり、第2リプレイタイムに切り換えたりする(S338)。
また、終了ウェイト時間抽選手段222は、遊技状態が有利状態であれば、今回の1遊技によって所定の終了条件が満たされたか否か、例えば、今回の1遊技がボーナス状態における最終の入賞や第2リプレイタイムにおける最終の1遊技であるか否かを判断し(S340)、最終入賞または最終の1遊技であれば(S340のYES)、遊技状態移行制御手段218は、その有利状態を終了させ、遊技状態を第1リプレイタイムに切り換え(S342)、後述する終了ウェイト実行手段224が実行する終了ウェイト時間を、所定の下限値(例えば2秒)以上の相異なる複数の時間から抽選する(S344)。ここで、終了ウェイト時間抽選手段222は、入賞判定手段216が入賞判定を実行した後、終了ウェイト時間の抽選を行っているが、かかる場合に限られず、開始操作、停止操作(具体的にボタンスイッチ130a、130b、130cいずれかの停止操作)、払出における最後のメダルの放出等様々なタイミングで実行することが可能である。かかる終了ウェイト時間抽選手段222の具体的な処理については後ほど詳述する。また、ここでは、有利状態が終了しても即座に通常状態に戻さず、第1リプレイタイムを経由させ、所定の図柄の組合せ(例えば、後述する転落リプレイを示す図柄)が揃うのを待って通常状態に戻している。このような遊技状態の遷移に関しては、後のスロットマシン100の状態遷移において詳述する。
払出制御手段220は、入賞された当選役に応じたメダルの払出枚数をメダル払出装置264に伝達し、メダル払出装置264は、その枚数分のメダルを払い出す(S346)。
最後に、終了ウェイト実行手段224は、終了ウェイト時間の抽選が実行されたか否か、即ち、有利状態が終了したか否かを判定し(S348)、終了ウェイト時間の抽選が実行されていれば(S348のYES)、終了ウェイト時間抽選手段222が抽選した終了ウェイト時間が経過するまで遊技を進行させない終了ウェイトを実行する(S350)。終了ウェイトは、メダルおよびクレジットの投入操作を無効化することで実行されるが、終了ウェイト時間を実質的に確保できれば、開始操作、停止操作を無効化することによっても実現できる。かかる終了ウェイト実行手段224の具体的な処理については後ほど詳述する。
図2における副制御基板202は、中央処理装置、ROM、RAM等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からの指令信号に基づき、特に演出を実行する。
ここで、演出とは、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、ランプ部142を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選役の抽選結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。また、たとえ何らの当選役が当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。
副制御基板202では、ROMに格納されたプログラムに基づいてCPUやRAMが協働することで、有利状態抽選手段230と、当選役演出制御手段232と、アシスト演出制御手段234と、終了演出制御手段236と、逆転演出制御手段238と、遊技状態移行制御手段240としても機能する。以下、各手段の具体的な処理を図2および図5を用いて説明する。
(1遊技における副制御基板202の処理)
図5は、図2における副制御基板202の処理の一例を示したフローチャートである。副制御基板202においては、各手段の処理が、1遊技の進行に拘わらず図5の如く常に繰り返され、主制御基板200における各手段の処理に応じて都度遂行される。また、このような繰り返し処理に限らず、割り込みの発生によるサブルーチンとして各処理を実行することもできる。副制御基板202や上述した主制御基板200のいずれの基板においても、個々の処理は遊技の進行に影響を及ぼさない極めて短い時間で遂行される。
主制御基板200の終了ウェイト実行手段224によって終了ウェイト時間の抽選が行われた場合(S400のYES)、有利状態抽選手段230は、乱数発生器256から乱数を取得し、相異なる複数の有利状態抽選テーブルのうち、抽選された終了ウェイト時間に対応した有利状態抽選テーブルに基づいて、アシストタイムを抽選する(S402)。かかる有利状態抽選手段230の具体的な処理については後ほど詳述する。また、終了ウェイト時間の抽選が行われておらず(S400のNO)、通常状態における1遊技の消化数が所定回数に到達し(所謂天井)、第1リプレイタイムに移行している場合(S404のYES)、遊技状態移行制御手段240は、遊技状態にアシストタイムを付加する(S406)。
ここで、アシストタイムは、ストップボタン130の所定の押し順では一定の割合で特定の図柄が停止しない重複リプレイ役(例えば、図4(a)の当選エリア2〜4の重複役)または一定の割合で特定の小役が入賞しない重複小役(例えば、図4(a)の当選エリア6〜8の重複役)が当選した場合において、その停止位置または押し順を案内(アシスト)すること(案内演出)で特定の図柄を容易に停止または特定の小役を容易に入賞させる1遊技を複数回連続させ、所持メダル枚数を増加させることができる遊技状態である。アシストイタイムは、ボーナス状態の当選、入賞、終了時、入賞有効ライン上に所定の図柄の組合せが揃ったとき、リプレイタイム中に1遊技の消化数が所定回数を超えたとき等様々な契機で開始または終了する。
また、ここでは、アシストタイムが当選する前提として第1リプレイタイムに移行しており、第1リプレイタイムが、所定の図柄の組合せが揃うと終了してしまう(通常状態に移行してしまう)状況下においても、アシストタイムによる押し順案内によって、その所定の図柄を意図的に揃えないことで、第1リプレイタイムを維持、または他の有利状態(ここでは第2リプレイタイム)に昇格することが可能となる。したがって、アシストタイムが所定の終了条件を満たすまで、リプレイタイムも継続されるので、アシストタイムの当選は、アシストリプレイタイムの当選に相当する。本実施形態ではこのようなアシストタイムおよびアシストリプレイタイムも有利状態として扱う。
続いて、当選役演出制御手段232は、主制御基板200のスタートスイッチ抽選手段212によって抽選された当選役に応じて当選役の当選または非当選を示唆する当選役演出を実行する(S408)。このように、スタートスイッチ抽選手段212によって当選役の抽選が為された後、当選役演出制御手段232が、ストップボタン130の停止操作が行われる前に当選役を示唆する演出を実行することで、遊技の知識が乏しい初心者でも当選役を察知することができ、不公平感を抱くことなく遊技を楽しむことが可能となる。また、遊戯中にどのような演出が行われるかは、遊技者が遊技するスロットマシン100を選択したり、遊技の開始および終了タイミングを判断したりする上で重要な要素の一つとなっており、近年、演出の方法に工夫が凝らされたスロットマシン100が主流となっている。
そして、アシスト演出制御手段234は、現在、アシストタイムが実行されているか否かを判定し(S410)、アシストタイム中であれば(S410のYES)、例えば、スタートスイッチ抽選手段212の抽選結果である当選役が、図4(a)の当選エリア2〜4や6〜8に示すようなストップボタン130の押し順を条件とした重複リプレイ役や重複小役であった場合、特定の図柄が揃うように、また、特定の小役が入賞するように、ストップボタン130の押し順の案内演出を実行する(S412)。このような案内演出によって、遊技者は、特定の図柄で示されるリプレイ役を確実に揃えること、および、特定の小役を確実に入賞させることが可能となり、通常状態と比較して多くのメダルを獲得することができる。
終了演出制御手段236は、終了ウェイト実行手段224が終了ウェイトを実行しているか否か判断し(S414)、終了ウェイトが実行されていれば(S414のYES)、その終了ウェイトに並行して、所定の終了条件を満たした有利状態の終了を報知する終了報知演出を実行する(S416)。続いて、逆転演出制御手段238は、終了演出制御手段236が所定の終了条件を満たした有利状態の終了を報知する終了報知演出を実行している条件下で、さらに、アシストタイムに当選していれば(S418のYES)、終了ウェイト時間中の所定の契機において、終了報知演出を完了すると共に、有利状態抽選手段230でアシストタイムに当選したことを報知する当選報知演出を実行する(S420)。かかる逆転演出制御手段238の具体的な処理については後ほど詳述する。本実施形態においては、アシストタイムに当選すると同時にアシストタイムが開始される。ただし、アシストタイムは副制御基板202で制御されるため、例えば、主制御基板200で制御される第1リプレイタイムや第2リプレイタイムといった他の遊技状態と並行して実行することができる。
最後に、遊技状態移行制御手段240は、現在の遊技状態がアシストタイムであれば、上述したアシストタイムの所定の終了条件が満たされたか否か、ここではアシストタイムとして割り当てられた遊技回数に到達したか否かを判断し(S422)、到達していれば(S422のYES)、そのアシストタイムを終了させる(S424)。
(スロットマシン100の状態遷移)
以上の説明ではスロットマシン100における1遊技の処理を説明したが、以下では、スロットマシン100における遊技全体に亘るマクロ的動作を、通常状態と有利状態との遊技状態の状態遷移を示しながら説明する。
図6は、スロットマシン100の状態遷移の一例を示した状態遷移図である。ここでは遊技状態として、通常状態と、有利状態としてのボーナス状態と、有利状態としての第2リプレイタイムとを挙げ、通常状態と有利状態との間の中継処理を担う第1リプレイタイムも設けられている。また、本実施形態では、上記の遊技状態の移行に重ねて有利状態としてのアシストタイムを設けている。
通常状態や第1リプレイタイムではリプレイ役の当選確率が10/73に抑えられているのに対し、第2リプレイタイムではリプレイ役の当選確率が11/17と高く、メダルの新たな投入機会を抑えつつ、案内演出と他の当選役の抽選を受けることができる。さらに、第2リプレイタイムにおいてアシストタイムも実行されている場合、所定の押し順では一定の割合で特定の小役が入賞しない重複小役(例えば、図4(b)の当選エリア6〜8の重複役)が当選した場合においても、その特定の小役を容易に入賞させることができるので、純増メダル枚数(獲得メダル総数から遊技に際して使用したメダル枚数を減算した枚数)は徐々に増えることとなる。また、ボーナス状態は、小役の当選確率が極めて高いため、多数のメダルを安定して獲得することができる。このように複数種類の遊技状態を準備することで遊技が単調になるのを回避できる。
通常状態の開始契機は、図6に括弧を伴う番号で示したように、(1)第1リプレイタイムにおいて所定の図柄の組み合わせである転落リプレイ(例えば、図4(a)の当選エリア2〜4の押し順によって揃うリプレイ図柄の一つ)に係るリプレイ役が揃ったときである。通常状態の終了契機は、(2)スタートスイッチ抽選手段212においてボーナス役が当選したとき、または(3)通常状態における1遊技の消化数が所定回数に到達したとき(所謂天井)である。ボーナス役が当選した場合、その入賞により、遊技状態は通常状態からボーナス状態に移行する。一方、1遊技の消化数が所定回数に到達した場合、遊技状態は通常状態から第1リプレイタイムに移行する。ただし、1遊技の消化数が所定回数に到達した場合、同時にアシストタイムも付加されるため、後述する(6)昇格リプレイ(例えば、図4(a)の当選エリア2〜4の押し順によって揃うリプレイ図柄のうち転落リプレイと異なるリプレイ図柄)に係るリプレイ役を揃えることができ、第2リプレイタイム(この場合実際にはアシストリプレイタイム)へ移行する。
第1リプレイタイムの開始契機は、上述した(3)通常状態における1遊技の消化数が所定回数に到達したとき、(4)ボーナス状態の所定の終了条件を満たしたとき、(5)第2リプレイタイムの終了条件を満たしたとき(ここでは、第2リプレイタイムにおける1遊技の消化数が所定回数に到達したとき)である。第1リプレイタイムの終了契機は、(1)上述した転落リプレイに係るリプレイ役が揃うか、または(6)昇格リプレイに係るリプレイ役が揃うか、(7)スタートスイッチ抽選手段212においてボーナス役が当選したかである。ここで、転落リプレイに係るリプレイ役と昇格リプレイに係るリプレイ役とは、上述したように重複当選しており、例えば、出現率が均等な3択のストップボタン130の押し順によって、昇格リプレイに係るリプレイ役が1/3の確率で揃い、転落リプレイに係るリプレイ役が2/3の確率で揃うようになっている。したがって、昇格リプレイに係るリプレイ役が揃う3択の押し順に正解しない限り、遊技状態は通常状態に移行し、3択の押し順に正解すると、遊技状態は改めて第2リプレイタイムに移行する。また、第1リプレイタイムに移行する際、既にアシストタイムに当選していれば、上記3択の押し順が案内されるので、容易に昇格リプレイを入賞させることができ、遊技状態を第2リプレイタイムに確実に移行することが可能となる。一方、アシストタイムによる案内を受けることなく昇格リプレイに当選した場合(自力当選)、遊技状態は、アシストタイムが付加されていない単なる第2リプレイタイムとなる。
ボーナス状態の開始契機は、上述した(2)通常状態や(7)第1リプレイタイムにおいてボーナス役が当選した場合に加え、(8)第2リプレイタイム中に、スタートスイッチ抽選手段212においてボーナス役が当選した場合であり、ボーナス状態の終了契機は、上述した(4)ボーナス状態の所定の終了条件(ここでは、払い出しメダル枚数が所定枚数を超えたとき)を満たしたときである。第2リプレイタイムの開始契機は、(6)昇格リプレイが揃ったときであり、第2リプレイタイムの終了契機は、上述した(5)第2リプレイタイムの終了条件を満たしたときと、(8)ボーナス役が当選したときである。ただし、本実施形態の第2リプレイタイムは、その1遊技の消化数が所定回数に到達するまで継続できる所謂完走型のリプレイタイムなので、ボーナス役の当選によっては第2リプレイタイムを継続できる権利が終了しない。
ここでは、リプレイ役の当選確率が変化する見かけ上のリプレイタイムが第1リプレイタイムに適用されているように説明したが、(3)通常状態における1遊技の消化数が所定回数に到達したとき(所謂天井)に遊技状態を移行といった見かけ上の通常状態の終了契機を実現するため、実際は、第1リプレイタイムが内部的な通常状態であり、本実施形態で説明している見かけ上の通常状態には、内部的な通常状態(第1リプレイタイム)よりリプレイ役の当選確率が低い内部的なリプレイタイムが適用されている。本実施形態では、理解を容易にするため、内部的な通常状態とリプレイタイムに関する記載を省略し、見かけ上の通常状態とリプレイタイムで説明している。
(終了ウェイト時間抽選手段222、有利状態抽選手段230、終了ウェイト実行手段224、逆転演出制御手段238の具体的処理)
本実施形態においては、第1リプレイタイムの開始契機である、(4)ボーナス状態の所定の終了条件を満たしたとき、または(5)第2リプレイタイムの終了条件を満たしたときに、図6の如く、終了ウェイトが実行される。終了ウェイトでは、上述したように、終了ウェイト時間抽選手段222によって抽選された終了ウェイト時間に対応した有利状態抽選テーブルに基づいて、有利状態抽選手段230が有利状態を抽選し、終了ウェイト実行手段224が、その終了ウェイト時間、終了ウェイトを実行すると共に、有利状態に当選していれば逆転演出制御手段238がその有利状態の当選を報知する。以下、終了ウェイト時間抽選手段222、有利状態抽選手段230、終了ウェイト実行手段224、逆転演出制御手段238の具体的な処理を詳述する。ここでは、リプレイタイムに移行していることを前提に有利状態としてアシストタイムが抽選される例を挙げる。
終了ウェイト時間抽選手段222は、終了ウェイト時間抽選テーブルに基づき、相異なる複数の時間から終了ウェイト時間を抽選する。
図7は、終了ウェイト時間抽選テーブルを説明するための説明図である。図7に示した終了ウェイト時間抽選テーブルでは、当選エリア1が終了ウェイト時間「2秒」に対応し、当選エリア2が終了ウェイト時間「5秒」に対応している。したがって、8割以上の出現確率で「2秒」の時間が選択されることになる。このような終了ウェイト時間抽選テーブルにおける出現確率は、スロットマシン100の機械割設定によって異ならせてもよい。
そして、有利状態抽選手段230は、相異なる複数の有利状態抽選テーブルのうち、終了ウェイト時間抽選手段222が抽選した終了ウェイト時間に対応する有利状態抽選テーブルに基づいてアシストタイムを抽選する。以下では、アシストタイムの抽選と共にアシストタイムの遊技回数を抽選しているが、アシストタイムの遊技回数50回が第2リプレイタイムの終了条件である1遊技の消化数に相当し、アシストタイムの遊技回数が50の倍数となっている場合は、第2リプレイタイムが一旦終了しても(終了の形をとっても)アシストタイムが継続することを示す。このように構成することで、その倍数分だけ第2リプレイタイムも開始と終了とを繰り返し、結果的に第2リプレイタイムもアシストタイムと同じ1遊技の回数だけ継続することとなる。
図8は、有利状態抽選テーブルを説明するための説明図である。有利状態抽選テーブルは、終了ウェイト時間の選択肢の数分、ここでは終了ウェイト時間「2秒」と「5秒」の2つ分準備される。図8(a)に示す終了ウェイト時間「2秒」に対応した有利状態抽選テーブルでは、アシストタイムの遊技回数(1遊技の回数)が0回(非当選)となる当選エリアしか選択されないのでアシストタイムには移行しない。即ち、終了ウェイト時間が2秒を超過しない限り第1リプレイタイムを経由して通常状態に戻ってしまう可能性が高くなる。それに対して図8(b)に示した終了ウェイト時間「5秒」に対応した有利状態抽選テーブルでは、8割以上の当選確率でアシストタイムが当選することとなり、終了ウェイト時間が2秒を超過するだけで、遊技者はアシストタイムの当選を期待できることとなる。
有利状態抽選手段230によってアシストタイムが当選した場合、図8(a)、図8(b)の有利状態抽選テーブルに「書き換え」500が指示されているので、逆転演出制御手段238によって演出の書き換えが実行され、予め設定された終了報知演出を、最終的には当選報知演出が行われる逆転演出に書き換える。かかる逆転演出の具体的な表示態様に関しては後ほど詳述する。
また、有利状態抽選手段230においてアシストタイムが当選していない場合であっても、図8(b)の有利状態抽選テーブルに「書き換え」502が指示されているので、終了演出制御手段236は、終了ウェイト時間「2秒」にしか対応していない終了報知演出を、終了ウェイト時間抽選手段222で選択した終了ウェイト時間「5秒」の終了報知演出に書き換える。しかし、ここでは、アシストタイムが当選していないので、最終的に当選報知演出に変化(昇格)することはない。このとき、有利状態抽選手段230は、抽選契機がボーナス状態後であったかアシストタイム後であったかに応じて、また、選択された終了ウェイト時間やアシストタイムの遊技回数(期待獲得枚数)に応じて、書き換える終了演出を異ならせることもできる。
また、有利状態抽選テーブルは、終了ウェイト時間抽選手段222によって抽選された終了ウェイト時間が長いほどアシストタイムに当選しやすいように設定されてもよい。
図9は、終了ウェイト時間抽選テーブルおよび有利状態抽選テーブルの他の例を説明するための説明図である。図9(a)に示した終了ウェイト時間抽選テーブルでは、当選エリア1〜4がそれぞれ終了ウェイト時間「2秒」、「5秒」、「6秒」、「10秒」に対応している。ここで、例えば、最短「2秒」の終了ウェイト時間は、8/11といった高い出現確率で出現するのに対し、最長「10秒」の終了ウェイト時間は1/65といった低い出現確率でしか出現しない。したがって、期待を持てる長い終了ウェイト時間が抽選されること自体稀なこととなる。
図9(b)〜図9(e)に示した有利状態抽選テーブルはそれぞれ終了ウェイト時間「2秒」、「5秒」、「6秒」、「10秒」に対応し、各有利状態抽選テーブルでは、当選エリア2〜5を総合したアシストタイムに移行する当選確率に加えて、アシストタイムにおける期待獲得枚数に相当する遊技回数にも相対的に当選確率が設定されている。したがって、終了ウェイト時間に応じてアシストタイムの当否のみならず、期待獲得枚数も異なることとなる。また、有利状態抽選テーブルや上述した終了ウェイト時間抽選テーブルを、ボーナス状態後とアシストタイム後で異ならせることもできる。例えば、アシストタイム終了後に抽選される終了ウェイト時間が、ボーナス状態終了後に抽選される終了ウェイト時間に比べて全体的に短くなるように設定することが可能となる。こうすることでボーナス状態の終了後は長い終了ウェイト時間を通じて余韻に浸ることができ、アシストタイムの終了後は速やかに次の遊技に移行することが可能となる。
ここでは、長い終了ウェイトに対応した有利状態抽選テーブルにおいて、アシストタイムの当選確率や遊技回数の多いアシストタイムの当選確率が高く設定されているため、終了ウェイト時間の相違のみで当選結果を容易に推測できてしまう単調性を回避し、終了ウェイト時間が長ければ長いほど有利状態の当選確率が高くなり、終了ウェイト時間の長さに対する遊技者の煩わしいという思いを、むしろ嬉しい抽選結果が得られるという期待感に代えることができる。こうして、終了ウェイト自体の遊技性をさらに高めることが可能となる。
また、有利状態抽選手段230は、抽選された終了ウェイト時間の具体的な秒数によってアシストタイムの当選確率やアシストタイムにおける遊技回数が異なる有利状態抽選テーブルを選択してもよい。
例えば、相異なる複数の終了ウェイト時間に対応した有利状態抽選テーブルを、偶数秒のグループと奇数秒のグループに分け、偶数秒のグループでは、アシストタイム自体の当選確率は高いが、高い期待獲得枚数が望めず、奇数秒のグループでは、アシストタイム自体の当選確率は低いものの、当選した暁には高い期待獲得枚数が望めるというように設定することができる。
かかる構成により、終了ウェイト時間が長いのみならず、その時間が偶数秒か奇数秒かによって期待度や遊技性が異なるので、遊技が単調になるのを回避できる。また、遊技者は、抽選された遊技回数を推測するため、有利状態の終了演出が開始されてからの経過時間をカウントすることとなり、終了演出に注目を集めることができる。
終了ウェイト実行手段224は、メダルおよびクレジットの投入操作を無効化し、以下の終了演出制御手段236や逆転演出制御手段238による演出以外の遊技を進めないことで終了ウェイトを実行する。そして、終了演出制御手段236は、終了ウェイト時間抽選手段222によって抽選された終了ウェイト時間に基づく終了ウェイトに並行して、終了報知演出を実行し、有利状態抽選手段230で新たにアシストタイムに当選していれば、逆転演出制御手段238が、終了ウェイト時間中の所定の契機において、終了報知演出を完了すると共に当選報知演出を実行する。
図10は、終了演出制御手段236および逆転演出制御手段238が表示する演出を説明するための説明図である。終了演出制御手段236は、演出として、終了報知演出が設定されている場合には、図10(a)に示すような終了画面を液晶表示部138に表示する。また、図10(b)に示すように、終了報知演出から当選報知演出に変化する逆転演出に書き換えられている場合には、逆転演出制御手段238がその書き換えられた逆転演出を実行する。終了ウェイトにおける逆転演出の存在を知っている遊技者は、これまでの有利状態が終了し、終了報知演出が開始されたとしてもなお、通常状態に戻る直前まで、新たなアシストタイムの当選を継続して期待することができる。
また、ここでは、アシストタイムの当選を示す当選報知演出を有利状態終了後に行う例を挙げているが、アシストタイムの内部当選状態で、一旦、終了報知演出を行い、通常状態に戻った後、任意のタイミングで当選報知演出を行ってもよい。
また、遊技者にベットボタン126を操作させ、アシストタイムの抽選結果を報知するタイミングを遊技者の意志に委ねることを敢えて回避し、スロットマシン100側が主体となって、有利状態終了後の終了ウェイト時間で一様かつ強制的に抽選結果を報知する構成により、遊技終了時の満足感からすぐに抽選結果報知の緊張感に強制的に切り換えさせることができ、遊技性を高めることも可能となる。
本実施形態では、上述したように、主制御基板200で終了ウェイト時間を抽選し、その後、副制御基板202で終了ウェイト時間に基づいて新たにアシストタイムを抽選している。したがって、有利状態の開始時には新たな有利状態に関する非当選の示唆があったとしても、遊技者は、その非当選の示唆に落胆することなく、一様にアシストタイムの当選を期待することができる。
ところで、上記の説明において、有利状態抽選手段230は、抽選された終了ウェイト時間に応じて相異なる終了演出に書き換え可能なことを述べた。ここでは、有利状態抽選手段230が、終了ウェイト時間の長さに対応して発展的な終了演出に書き換えた場合の終了演出制御手段236および逆転演出制御手段238の処理について説明する。
図11は、終了演出制御手段236および逆転演出制御手段238が表示する他の終了演出を説明するための説明図である。図9(a)の終了ウェイト時間抽選テーブルに基づき、終了ウェイト時間として「2秒」が選択されている場合、予め設定されている終了報知演出として、図11(a)に示す、獲得枚数とコメント「遊技終了!」とが描かれた終了画面が表示される。ここで、終了ウェイト時間として「5秒」が選択されている場合、終了演出制御手段236は、書き換えられた終了演出に従って、2秒を超えた時点で図11(b)に示すように「・・・」の文言が追加された終了画面を表示し、さらにアシストタイムに当選している場合には、逆転演出制御手段238が図10(b)に示したようなアシストタイムに当選したことを表す勝利画面を表示する。また、最長の時間である「10秒」が選択されている場合、終了演出制御手段236は、2秒を超えた時点で「・・・」の文言を追加し、さらに5秒を追加した時点で図11(c)に示すように「まだまだ」の文言を追加し、6秒を追加した時点で図11(d)に示すように「続く!」の文言を追加し、最後に逆転演出制御手段238がアシストタイムに当選したこと表す勝利画面を表示する。
かかる構成により、遊技者は、終了ウェイト時間が延長され期待度が高まっているのを、時間をカウントすることなく、実際の表示を通じて実感できる。また、複数段階の終了ウェイト時間に識別可能な大きな時間差を設けなくても、その終了ウェイト時間の経過を視覚的に認識できるので、終了ウェイト時間を無駄に延長しなくてすむ。
また、本実施形態では、図9(e)の有利状態抽選テーブルのように、終了ウェイト時間の所定の時間以上、ここでは7秒以上である「10秒」に関しては、アシストタイム非当選の確率を0%に、即ち、アシストタイムの当選確率を100%にすることもできる。このとき逆転演出制御手段238は、終了ウェイト中、予め設定されている終了報知演出を継続させ、終了ウェイト時間が満了した際に当選報知演出を行うこととなる。しかし、終了ウェイト時間「10秒」の有利状態抽選テーブルではアシストタイムの当選確率が100%となっているので、遊技者は、終了ウェイト時間が6秒を超過した時点で、アシストタイムの当選を示す演出を待つことなく、アシストタイムの当選を確信することができる。
このようにして、アシストタイムに当選していなければ、即ち、終了演出制御手段236が、終了報知演出を行っただけであれば、遊技状態は、第1リプレイタイムを経由して通常状態に移行する。また、アシストタイムに当選していれば、即ち、逆転演出制御手段238が、最終的に当選報知演出を行っていれば、第1リプレイタイム中にアシストタイムへの所定の図柄の組み合わせを揃えることができ、遊技状態はアシストタイムに移行する。
以上、説明したスロットマシン100によって、煩わしくなりがちな終了ウェイト自体に遊技性を設けることで、その終了演出においても、体感的(終了ウェイト時間の長さ)および視覚的(逆転演出)に遊技を楽しませることができ、興趣を高めると共に報知演出の多様化を図ることが可能となる。
また、コンピュータによって、上記スロットマシン100として機能するプログラムやそのプログラムを記録可能な記録媒体も提供される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、本明細書の主制御基板200や副制御基板202の各処理工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。