以下、上記図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の説明における「役決定処理」とは予め設定された複数の役決定結果番号(1つまたは複数の遊技役またはハズレ(ハズレを設定しない場合は除く)により構成される)の中から、1つまたは複数の役決定結果番号を無作為に選択するために、電子機器等を用いて実行される抽選等の選択行為(「役決定」とも称する)を意味している。ここで、役決定結果番号とは、当該役決定結果番号が決定(選出)された遊技において成立することが許容される1つもしくは複数の遊技役(「成立許容役」や「当選役」とも称する)またはハズレを規定するものである。
また、「遊技役が成立する」及び「遊技役の成立」等と記載する場合の「成立」とは、決定された役決定結果番号に対応する遊技役(遊技メダルの払出しがある遊技役(小役)か、払出しのない遊技役(再遊技役や特別役)かは問わない)を構成する図柄組合せ(対応図柄)が、所定の停止態様(例えば、後述の有効ライン上に並ぶ態様)で表示されたことを示す概念として用いている。ただし、成立のタイミングについては、例えば、遊技役の対応図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能なタイミングでリール停止操作が行われた時点や、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示された時点、スロットマシンが、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示されたことを識別した時点や、識別した結果を記憶領域に格納した時点等、適宜のタイミングとすることができる。
また、以下の説明において、遊技者による、後述のメダル投入口21への遊技メダルの投入操作(手入れする操作)と、クレジット(貯留)された遊技メダルのうち、遊技を行うために必要な規定数の遊技メダルを遊技の用に供するための、1-BETスイッチ22またはMAX-BETスイッチ23の押圧操作を総称してベット操作と称する。また、このベット操作と、遊技者による、後述の清算スイッチ24の押圧操作、スタートレバー(「スタートスイッチ」とも称する)25の傾動操作、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作を総称して遊技操作と称する。なお、一般的に、スロットマシンにおける「投入」とは、遊技メダルを「スロットマシン内に入れる」という意味で用いられる場合と、遊技メダルを「遊技の用に供する」という意味で用いられる場合とがある。以下の説明では、基本的に、前者の意味において「投入」という語を用い、後者の意味においては「ベット」という語を用いることとする。
また、遊技メダルの「払出数」とは、1回の遊技において払い出される予定(遊技者が獲得する予定)の遊技メダル数を意味する。また、遊技メダルを払い出すという行為には、遊技メダルを実際にスロットマシンから外部に払い出すという行為(「実払出し」とも称する)と、スロットマシン内に貯留される遊技メダルとして、電磁気的に記憶される数値を増加させるという行為(「貯留加算払出し」とも称する)とがある。なお、本明細書においては、遊技メダルの「払出数」を、遊技メダルの「獲得数」と同義で用いる。
また、遊技メダルの「総差数」とは、所定期間(任意に設定可)における、払い出された遊技メダルの総数と、ベットされた遊技メダルの総数との差数を意味する。
また、「フリーズ」とは、遊技の進行に係る所定の制御処理の実行が一定の時間遅延されることをいう。フリーズとしては、スタートレバー25の操作が受け付けられたときにセットされるフリーズ(「リール回転開始時フリーズ」とも称する)と、全リールの回転停止後にセットされるフリーズ(「リール回転停止時フリーズ」とも称する)とを適宜設けることができる。フリーズの期間は、遊技者による遊技操作が有効に受け付けられない状態となる。
以下の説明において、「押しナビ」とは、役決定により選出された遊技役の成立をアシストするために押し順や押し位置を報知する処理(行為)をいう。押しナビのうち、特に再遊技役の成立をアシストするものを「RPナビ」(RPはリプレイの略)、入賞役(小役)の成立をアシストするものを「入賞ナビ」とも称する。また、主制御手段側で行われる押しナビと副制御手段側で行われる押しナビとを区別したいときは、前者を「メイン側押しナビ」(「メイン側RPナビ」、「メイン側入賞ナビ」)とも称し、後者を「サブ側押しナビ」(「サブ側RPナビ」、「サブ側入賞ナビ」)とも称したり、「押しナビ演出」(「RPナビ演出」、「入賞ナビ演出」)とも称したりもする。
また、以下の説明及び図面においては、数値を、十進数の他に、二進数または十六進数で表記することがある。そこで、これらを区別するため、二進数で表記する場合は数値の末尾に「B」を付記し、十六進数で表記する場合は数値の末尾に「H」を付記することとする。また、十進数で表記する場合は数値の末尾には特に何も付記しないこととする。
図1には、本発明に係る遊技機の一実施形態としてのスロットマシン1を示しており、以下このスロットマシン1の基本的な構成について図1~図12を参照しながら説明する。
<スロットマシンの外観>
スロットマシン1は、図1に示すように、本体筐体の前面に開閉可能に取り付けられた前扉2を備えており、この前扉2の前面には、上部から順に、上パネルアセンブリ10、中パネルアセンブリ20、下パネルアセンブリ30及び受け皿アセンブリ40が取り付けられている。
上パネルアセンブリ10の中央部には、その裏面側に配された画像表示装置(「液晶表示装置」とも称する)11(図2参照)の表示画面11aが前方を臨むように配置されており、その周辺部には、第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13b、第3演出ランプ14a,14bが配置されている。また、表示画面11aの下方左右には、一対の上部スピーカ15a,15bが配置されている。
中パネルアセンブリ20の中央部には、本体筐体内に横並びに配設された3個のリール3a,3b,3cの表面が臨む表示窓Wが設けられており、この表示窓Wの下方には、遊技メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口21、クレジットされた範囲内で1枚の遊技メダルをベットするための1-BETスイッチ22、最大ベット許容数(例えば3枚)の遊技メダルを一度にベットするためのMAX-BETスイッチ23、ベットされた遊技メダル、および/または、クレジットされた遊技メダルを払い出すための清算スイッチ24、全リール3a,3b,3c(リールのことを「回胴」とも称する)を回転開始させる際に操作されるスタートレバー25、各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26c(図中左側のストップスイッチ26aはリール3aに対応し、中央のストップスイッチ26bはリール3bに対応し、右側のストップスイッチ26cはリール3cに対応する)、及びメダル投入口21から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ27等が設けられている。
メダル投入口21の内部は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路(後述のホッパー50に通ずる)と、投入された遊技メダルが受け入れられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路(後述の遊技メダル払出口41に通ずる)とに分岐しており、その分岐部には、ブロッカ48(図2参照)が設けられている。このブロッカ48は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路に導き、それ以外の期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを返却通路に導くように、受入通路と返却通路を選択的に、一方を開状態に他方を閉状態にできるように構成されている。以下の説明において、ブロッカ48がON状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれる状態(遊技メダル受入可能状態)を示し、ブロッカ48がOFF状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが返却通路に導かれる状態(遊技メダル受入不可状態)を示すものとする。
また、メダル投入口21の内部には、遊技メダルを検知するための3つの投入メダルセンサ28a,28b,28c(図2参照)が設けられている。投入メダルセンサ28aは、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたことを検出するものであり、投入された遊技メダルが流下する通路上において、ブロッカ48が設置された位置よりも上流側の位置に設置されている。投入メダルセンサ28bは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれ有効に受け入れられたことを検出するものであり、ブロッカ48が設置された位置よりも下流側(後述のホッパー50寄り)の位置に配置されている。投入メダルセンサ28cは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが、受入通路と返却通路との分岐部を通過したことを検出するものであり、当該分岐部近傍(ブロッカ48が設置された位置よりも少し投入メダルセンサ28b寄りの位置)に配置されている。
投入メダルセンサ28a及び投入メダルセンサ28bが共に遊技メダルを検出した場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入され、かつ投入された遊技メダルが有効に受け入れられたことを意味する。一方、投入メダルセンサ28aは遊技メダルを検出したが、投入メダルセンサ28bは遊技メダルを検出しない場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたが、投入された遊技メダルが有効に受け入れられずに返却されたことを意味する。また、3つの投入メダルセンサ28a,28b,28cが所定の順序(28a,28c,28bの順序)とは異なる順序で遊技メダルの通過を検出した場合や一部の投入メダルセンサで遊技メダルの通過が検出されない場合は、遊技メダルが逆流するなどの異常通過が起きたことを意味する。
表示窓Wは、3個のリール3a~3cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。リール3aの上段、リール3bの中段、及びリール3cの下段の各図柄表示領域を斜めに結ぶ右下がりの入賞ライン29は、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効化される入賞ラインであり、有効化された入賞ライン上に停止表示された図柄組合せにより遊技役の成立の有無が判定されるように構成されている。有効化された入賞ラインのことを「有効ライン」とも称する。
また、スロットマシン1には、LEDランプ等により構成される各種の表示用ランプが配置されている。本実施形態では、表示用ランプとして、MAX-BETスイッチ表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、及び払出数表示ランプ46jを備えている。これらの表示用ランプは、後述の主制御基板60(主制御手段100)により制御されるように構成されている。
MAX-BETスイッチ表示ランプ46aは、遊技メダルをベットすることができる状況下で点灯されるものであり、MAX-BETスイッチ23の内部に配置され、点灯時にはMAX-BETスイッチ23を部分的または全体的に光らせるようになっている。その他の表示用ランプは、中パネルアセンブリ20において表示窓Wの側部または下部に配置されている。
BET数表示ランプ46b(以下「BETランプ46b」とも称する)は、ベットされた遊技メダルの枚数を表示するもので、ベットされた遊技メダルが、1枚の場合に点灯される1-BET表示ランプ46bCと、2枚の場合に点灯される2-BET表示ランプ46bBと、3枚の場合に点灯されるMAX-BET表示ランプ46bAとから構成されている。投入可能表示ランプ46cは、遊技メダルを投入することができる状況下で点灯されるものであり、遊技開始表示ランプ46dは、スタートレバー25を操作して遊技を開始させることができる状況下で点灯されるものである。再遊技表示ランプ46eは、任意の遊技において後述の再遊技役が成立し、後述の自動ベット処理により遊技メダルが自動的にベットされた際に点灯されるものである。
状態表示ランプ46fは、貯留(クレジット)されている遊技メダルを清算するときに点灯されるものであり、回数表示ランプ46gは、ATが設定されたときに、ATゲーム数の初期値(例えば「30」)を表示するとともに、その後毎遊技、ATゲーム数の表示値を1ずつ減算し、ATゲーム数の上乗せ数が決定されたときにはその上乗せ数を加算して表示するものである。貯留枚数表示ランプ46h(以下「CREランプ46h」とも称する)は、貯留された遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものであり、払出数表示ランプ46jは、後述の小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものである。貯留枚数表示ランプ46hや払出数表示ランプ46jは、上位桁の数字及び下位桁の数字を表示するため、各々2つの8セグメント表示器(7つのセグメントランプ、小数点を表すセグメントランプから成る)で構成されている。
また、この払出数表示ランプ46jは、スロットマシン1に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示す文字(アルファベット)や数字を表示するようにも構成されている。本実施形態において設定されるエラーとしては、HPエラー、HEエラー、H0エラー、CEエラー、CPエラー、CHエラー、C0エラー、C1エラー、FEエラー、E1エラー、E5エラー、E6エラー、E7エラー等がある。HPエラーは、後述するホッパー50のメダル払出口で遊技メダルが滞留したと判断した場合エラーであり、HEエラーは、ホッパー50の中の遊技メダルが空と判断した場合のエラー(ホッパーエンプティエラー)であり、H0エラーは、遊技メダルが払出センサを異常通過したと判断したときのエラーである。CEエラーは、投入メダルセンサにより遊技メダルが滞留したと判断した場合のエラー(遊技メダル滞留エラー)であり、CPエラーは、投入された遊技メダルが不正通過したと判断した場合のエラーであり、C0エラーは、投入メダルセンサに異常入力があったと判断したときのエラーであり、C1エラーは投入メダルセンサの通過に異常があったと判断した場合のエラーである。FEエラーは、後述の補助収納庫85が満杯と判断した場合のエラー(補助収納庫満杯エラー)であり、E1エラーは、電源投入時に記憶装置(RAM)の内容が正常でない場合のエラー(RAMエラー)であり、E5エラーは、全回胴停止時の図柄の組合せが異常(成立許容役以外の役を構成する対応図柄が停止表示)となる場合のエラー(回胴停止エラー)である。E6エラーは、役決定確率を定めるための後述の設定値の値(設定値)が範囲外となる場合のエラー(設定値エラー)であり、E7エラーは、各抽選等において用いる内蔵乱数の更新状態の異常を検知した場合のエラー(内蔵乱数エラー)である。E1、E5、E6、E7の各エラー(これらを総称して「E系エラー」とも称する)は、後述の設定変更により解除され、その他のエラーは、後述のリセットスイッチ82の操作により解除されるようになっている。
さらに、この払出数表示ランプ46jは、ストップスイッチ26a~26cの操作順(押し順)を示す、後述のナビ番号を表示する機能も有している。ナビ番号を表示する際の払出数表示ランプ46jのことを「メイン側押し順表示器」とも称する。また、この払出数表示ランプ46jは、後述する設定確認時及び設定変更時において、後述の設定値を表示する機能も有している。設定値を表示する際の払出数表示ランプ46jのことを「設定値表示器」とも称する。
下パネルアセンブリ30の中央部には、透明な下パネルカバー31が取り付けられており、その左右両端部には、飾りランプ32a,32bが配置されている。なお、下パネルカバー31の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベース及び下パネル照明灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
受け皿アセンブリ40には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口41が開設されているとともに、遊技メダル払出口41に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿42が設けられており、この遊技メダル貯留皿42の左には、灰皿43が設けられている。また、遊技メダル払出口41の左右には、受け皿アセンブリ40の背面側に配置された一対の下部スピーカ44a,44b(図2参照)の前面に対向して、多数の小孔からなるスピーカ口45a,45bが形成されている。
さらに、本体筐体内には、遊技の結果、所定の入賞態様が構成された場合に獲得される遊技メダルを払い出すためのホッパー50(図2参照)が設けられており、このホッパー50には遊技メダルを検出するためのメダル検出部51(図2参照)が設けられている。また、このホッパー50は、投入されて有効に受け入れられた遊技メダルを物理的に収容する機能を有している。さらに、ホッパー50の近傍位置には、ホッパー50から溢れた遊技メダルを収納するための補助収納庫85(図2参照)が設けられるとともに、この補助収納庫85が満杯状態(補助収納庫85から遊技メダルが溢れる可能性のある状態)であるか否かを検出する満杯検出部86(図2参照)が設けられている。
<リール>
各リール3a,3b,3cはそれぞれステッピングモータ35a,35b,35c(図2参照)の駆動により回転するように構成されている。また、各リール3a,3b,3cは透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄(図3参照)が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、各リール3a,3b,3cの内面側には、バックランプ38a,38b,38c(図2参照)が配設されており、このバックランプ38a,38b,38cを点灯させることにより、表示窓W内に臨む各リール3a,3b,3cの領域を内面側から全体的に照明したり、各リール3a,3b,3c上に停止表示された所定の図柄組合せ(例えば、有効ライン29上や、有効ライン29上とは異なる位置に並んだ遊技役の対応図柄等)を目立たせるように各リール3a,3b,3cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。
<遊技を行うための基本操作>
スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口21に遊技メダルを投入することによりベットするか、1-BETスイッチ22またはMAX-BETスイッチ23の何れかを操作してクレジットの範囲内で規定数の遊技メダルをベットすることにより、入賞ライン29を有効化する。本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する非RT、RT1、RT2の各RT状態のいずれにおいても3枚に設定される。ただし、規定数についてはこれに限定されるものではなく、RT状態等に応じて規定数を異なる値に設定するなど、適宜変更することが可能である。また、複数の入賞ラインを設け、遊技メダルのベット数に応じて、有効化される入賞ラインの数等を変更するようにしてもよい。
次に、遊技者がスタートレバー25を操作すると、ベット数が確定する(ベットされた遊技メダルが遊技の用に供される)とともに、後述する役決定処理が行われ、その後、最小遊技時間(1つの遊技において全リールが回転開始してから、次の遊技において全リールを回転開始させるまでに最低限確保しなければならないとされる時間(例えば、4.1
秒間)のこと)が経過したことを確認した後、各リール3a~3cが回転を開始し、リール3a~3cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上下に(通常、上から下に)移動表示される。そして、リール3a~3cの回転が所定の速度に達して定速回転となると各ストップスイッチ26a~26cが有効化され(ストップスイッチの操作が有効に受付け可能とされ)、遊技者がストップスイッチ26aを操作するとリール3aの回転が停止し、ストップスイッチ26bを操作するとリール3bの回転が停止し、ストップスイッチ26cを操作するとリール3cの回転が停止するように構成されている。
ここで、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパー50により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
<制御基板と各機器との接続>
本実施形態では、スロットマシン1を制御する主な制御基板として図2に示すように、主制御基板60、サブメイン制御基板70A、及びサブサブ制御基板70Bの3つの制御基板を備えている(サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bを総称して副制御基板70と称する)。遊技の進行に係る主たる制御(リール3a~3cの駆動制御や役決定処理等を含む)が主制御基板60上に配設された制御回路により行われ、バックランプ38a~38c等のランプによる照明制御等は、サブメイン制御基板70A上に配設された制御回路により行われるように構成されている。また、画像表示装置11による演出画像表示制御、上部スピーカ15a,15b等のスピーカからの音声発生制御は、主に、サブサブ制御基板70B上に配設された制御回路により行われるように構成されている。さらに、主制御基板60と副制御基板70との間の情報伝達は、主制御基板60からサブメイン制御基板70Aへの一方向のみ行うことが可能となっており、サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bとの間の情報伝達は、双方向で行うことが可能となっている。
主制御基板60には、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU61と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM62と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM63(「RAM」のことを「RWM」とも称する)とが配設されており、ROM62に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における遊技の進行に係る制御が行われるようになっている。なお、ROM62及びRAM63は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
メインCPU61には、クロックパルス(クロック信号)を発生するためのクロックパルス発生器64、クロックパルス発生器64で発生したクロックパルスを分周するための分周器65、クロックパルス(または分周されたクロックパルス)に基づいて、役決定等に用いる乱数を発生するための乱数発生器66、及び乱数発生器66で発生した乱数を取り込むための乱数取込回路67が接続されている。クロックパルス発生器64は、2つの発振器(図示略)から構成され、それぞれの発振器から、互いに非同期のクロック信号が出力されている。以下、一方の発振器から出力される所定周波数のクロック信号のことを内部クロックと称し、他方の発振器から出力される所定周波数(内部クロックとは異なる周波数とするが同じでもよい)のクロック信号のことを外部クロックと称する。例えば、内部クロックは、メインCPU61の動作クロックや役決定以外の所定の抽選に用いられる乱数の更新クロックとして利用され、外部クロックは、役決定で用いられる乱数の更新クロックとして利用される。なお、メインCPU61、ROM62、RAM63、分周器65、乱数発生器66、乱数取込回路67、インターフェイス回路68等を1つのICチップ上に搭載し、ワンチップマイクロコンピュータとして構成してもよい。また、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、モータ駆動回路36a、表示用ランプ制御回路47、ホッパー駆動回路52及び副制御基板70に対して信号を送信するとともに、リール位置検出回路37a,37b,37c、払出検出信号回路53及び収納状態信号回路87からの信号を受信するように構成されている。
モータ駆動回路36aは、リール3a,3b,3cをそれぞれ回転駆動するステッピングモータ35a,35b,35cの回転・停止制御を行うための回路であり、表示用ランプ制御回路47は、上述した各種の表示用ランプの制御を行うための回路である。リール位置検出回路37a,37b,37cは、リール3a,3b,3cの各々に設置されたリールセンサ(図示せず)からの各検出信号を主制御基板60に送信する回路である(検出回路37aはリール3aに対応し、検出回路37bはリール3b、検出回路37cはリール3cに対応する)。ホッパー駆動回路52は、小役が成立した際に、ホッパー50を駆動して遊技メダルの払出しを行わせる回路であり、払出検出信号回路53は、ホッパー50から遊技メダルが払い出されたことがメダル検出部51により検出された際に、主制御基板60に払出検出信号を送信する回路である。収納状態信号回路87は、補助収納庫85が満杯状態であるか否かを示す収納状態信号を、満杯検出部86の検出結果に応じて、主制御基板60に送信する回路である。
また、スロットマシン1には、電源装置80からの電力が主制御基板60を介して供給されるようになっている。この電源装置80には、電源スイッチ81、リセットスイッチ82及び設定鍵型スイッチ83が接続されており、これら各スイッチからの信号がインターフェイス回路68を介して、メインCPU61に送信されるように構成されている。さらに、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、設定変更スイッチ84からの信号を受信するように構成されている。
電源スイッチ81は、電源装置80からスロットマシン1への電源投入及び電源断の操作を受け付けるスイッチであり、リセットスイッチ82は、スロットマシン1において所定のエラー(上述のE系エラーを除くエラー)が発生した場合に、エラーの原因が取り除かれてエラーが解消された際に遊技店員等により操作されるスイッチである。このリセットスイッチ82が操作されることにより、主制御基板60及び副制御基板70において記憶されたエラー発生の情報がクリアされ、それに伴いエラー解消時の処理が主制御基板60及び副制御基板70により実行される。また、設定鍵型スイッチ83は、役決定確率の高低の程度(ランク)を定める設定値の設定確認及び設定変更を行う場合に操作されるスイッチであり、設定変更スイッチ84は、設定値を複数段階(本実施形態では6段階)で変更するためのスイッチである。
前扉2が開いた状態(「ドア開状態」とも称する)で、かつ、スロットマシン1に電源が供給されている状態(電源スイッチ81がON状態)において、設定鍵型スイッチ83がON状態に操作されることにより、設定確認が可能となる。また、ドア開状態であり、かつ、スロットマシン1に電源が供給されていない状態(電源スイッチ81がOFF状態)において、設定鍵型スイッチ83がON状態に操作され、その状態のまま電源スイッチ81がON状態に操作される(スロットマシン1に電源が投入される)ことにより、設定変更が可能となる。さらに、その状態で設定変更スイッチ84を操作するごとに、設定値を1段階ずつ更新することができる。なお、設定鍵型スイッチ83は、所定の鍵部材(設定キー)を、本体側に設けられた所定の錠部材に差し込んで回動させることにより、ON状態とOFF状態が切り替えられるようになっている。また、設定確認及び設定変更は、遊技実行中の状態(遊技メダルがベットされている状態(自動ベットされた場合を含む)や、リールが回転している状態)では実行することができず、遊技待機中の状態でのみ実行することが可能となっている。なお、設定確認時及び設定変更時において、設定値は「1~6」の6個の整数値を用いて、払出数表示ランプ46jに表示されるようになっている。
電源装置80からの電力は、主制御基板60を介してサブメイン制御基板70Aに供給され、さらにサブメイン制御基板70Aを介してサブサブ制御基板70Bに供給されるようになっている(電源装置80から直接、サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bに電力を供給するようにしてもよい)。電源装置80から主制御基板60に電力を供給する回路上と、主制御基板60を介してサブメイン制御基板70Aに電力を供給する回路上には、電圧の供給状態を監視する供給電圧監視回路(図示略)がそれぞれ設けられている。各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値まで低下したときに電源断と判定し電源断検出信号をメインCPU61、後述のサブメインCPU71に出力するようになっている。また、各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値(電源断判定のための電圧値とは異なる値(例えば、高い値)とするが、同じ値としてもよい)まで復帰したときに電源投入と判定し電源投入検出信号をメインCPU61、サブメインCPU71に出力するようになっている。なお、主制御基板60の電源断を検出するときの電圧値は、サブメイン制御基板70Aの電源断を検出するときの電圧値よりも高い値に設定され、サブメイン制御基板70Aよりも先に主制御基板60が、電源断時に実行するようにプログラムされた処理(電源断処理)を行うように構成されている(電源投入に関しても同様としてもよい)。
また、メインCPU61には、スイッチ基板90に接続されているかまたはスイッチ基板90上に搭載されている、リール停止信号回路91、スタートレバー25、投入メダルセンサ28a,28b,28c、1-BETスイッチ22、MAX-BETスイッチ23及び清算スイッチ24からの各信号が、インターフェイス回路68を介して入力されるようになっている。
また、メインCPU61には、インターフェイス回路68を介してブロッカ48が接続されており、このブロッカ48をON・OFF制御するように構成されている。以下の説明において、ブロッカ48をON・OFF制御するための信号を「ブロッカ信号」とも称する。さらに、図示は省略しているが、スロットマシン1には、前扉2の開閉状態を検出するドアセンサが設けられており、このドアセンサからの信号が、インターフェイス回路68を介してメインCPU61に入力されるようになっている。メインCPU61は、ドアセンサからの信号により、前扉2が閉じた状態(「ドア閉状態」とも称する)であるか開いた状態(ドア開状態)であるかを判断するようになっている。
また、図示は省略しているが、メインCPU61は、所定の遊技状態(例えば、AT状
態やボーナス状態)となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外部接続用端子基板等を介して所定の信号(「外端信号」とも称する)を出力し、この外端信号により、所定の遊技状態に設定された回数等を管理したり遊技者に提示したりできるように構成されている。
一方、サブメイン制御基板70Aには、主に演出の管理に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU71と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM72と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM73とが配設されており、ROM72に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における画像演出や音声演出の管理に関する制御、ランプ演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、ROM72及びRAM73は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。また、サブメインCPU71には、不図示のクロックパルス発生器及び分周器が接続されており、このクロックパルス発生器及び分周器により生成したクロック信号に応じて、所定の処理を実行するようになっている。
サブメインCPU71は、インターフェイス回路74を介して、主制御基板60からの各種信号を受信し、ランプ制御回路18に対し信号を送信するように構成されている。ランプ制御回路18は、バックランプ38a~38c等のランプの点灯を制御する回路である。
また、サブメインCPU71は、インターフェイス回路74を介して、サブサブ制御基板70Bに各種信号を送信するとともに、サブサブ制御基板70Bから各種信号を受信するように構成されている。以下、主制御基板60からサブメイン制御基板70Aに送信される信号(制御信号)を「制御コマンド」とも称し、サブメイン制御基板70Aからサブサブ制御基板70Bに送信される信号(報知信号や演出信号)を「演出コマンド」とも称する。また、サブサブ制御基板70Bからサブメイン制御基板70Aに送信される信号(状態信号)を「状態コマンド」とも称する。
サブサブ制御基板70Bには、主に画像演出及び音声演出の制御に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU75と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM76と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM77とが配設されており、ROM76に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、画像演出や音声演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、ROM76及びRAM77は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
サブサブCPU75は、インターフェイス回路78を介して、サブメイン制御基板70Aからの報知信号または演出信号を受信し、表示装置制御回路16、スピーカ制御回路17に対し信号を送信するとともに、サブメイン制御基板70Aに状態信号を送信するように構成されている。表示装置制御回路16は、画像表示装置11を制御して所定の演出画像を表示させる回路であり、スピーカ制御回路17は、上部スピーカ15a,15b等のスピーカから発生させる音声等の種類や音量を制御する回路である。なお、画像表示装置11は、ストップスイッチ26a~26cの操作順(押し順)を表示する押し表示器(「サブ側押し順表示器」とも称する)としても機能するように構成されている。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a~3cが表示する図柄が、図3に示すように配置されている(図3中の「左リール」、「中リール」、「右リール」は、リール3a,3b,3cをそれぞれ表す)。すなわち、各リール3a~3cには、「赤セブン」、「黄セブン」、「キャラクタ」、「バー」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」、「スイカ」、「チェリー」及び「リプレイ」の10種類の図柄が所定数ずつ配置されている。以下、リール3a,3b,3cのことを、それぞれ、左リール、中リール、右リールとも称する。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、各リール3a~3cにおいて停止表示される図柄組合せが、図4~図8に示すように設定されており、その多くが遊技役を構成する図柄組合せ(対応図柄)となっている。本実施形態における遊技役としては、再遊技役1~9の9個の再遊技役と、小役1~32の32個の小役との計41個が設定されている。それぞれの遊技役が成立するための図柄組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出数等は、図4~図8に示す通りである。なお、本実施形態では設けていないが、役決定における所定の小役の当選確率が通常よりも高く設定された状態で行われる特別遊技(ボーナス遊技)を実行する契機となる特別役(ボーナス役)を遊技役として設けてもよい。
図4の図柄組合せ-1では、再遊技役1~9の対応図柄等を示している。再遊技役1~9は、成立した場合に遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく(新たに遊技メダルを投入することなく)、次の遊技を行うことが許可される遊技役(再遊技役)である。それらのうち再遊技役2は、その成立が、後述のRT1状態またはRT2状態から非RT状態への移行条件とされており、再遊技役3~7は、その成立が、RT1状態からRT2状態への移行条件とされている。このことから、再遊技役2のことを「非RT移行RP」とも称し、再遊技役3~7のことを「RT2移行RP」とも称する。
図3(リール図柄)に示すように、再遊技役1を構成する、左リール、中リール及び右リールの各リール上の図柄「リプレイ」は、各リール上において5図柄以内毎に配置されている。これにより、再遊技役1が当選した場合、その対応図柄「リプレイ・リプレイ・リプレイ」は、各リール回転停止操作(ストップスイッチ26a,26b,26cの各操作)の実行タイミング(有効に受付けられたタイミング(押し位置))に拘わらず、有効ライン29上に停止表示させる(「引き込む」とも称する)ことが可能である。この再遊技役1のように、各ストップスイッチの操作タイミングに拘わらず、その対応図柄(複数組ある場合にはそのうちのいずれか)を有効ライン29上に引き込むことが可能な役を、「100%引込み可能な遊技役」とも称する。なお、再遊技役2~4も、再遊技役1と同様、100%引込み可能な遊技役である。
再遊技役1が成立すると、図柄「リプレイ」が右下がりの有効ライン29上に揃うので、再遊技役1のことを「右下がりRP」とも称する。同様に、再遊技役2が成立すると、図柄「リプレイ」が、左リール、中リール及び右リールの各上段の図柄表示領域に、水平横並びに揃うので、再遊技役2のことを「上段RP」とも称する。再遊技役5が成立するときは、押し位置によっては図柄「赤セブン」が表示窓W内に揃い、再遊技役6または再遊技7が成立するときは、押し位置によっては図柄「キャラクタ」が表示窓W内に揃い、再遊技役8が成立するときは、押し位置によっては図柄「黄セブン」が表示窓W内に揃う。このことから、再遊技役1のことを「赤7RP」、再遊技6,7のことを「キャラクタRP」、再遊技役8,9のことを「黄7RP」とも称する。
図5の図柄組合せ-2、図6の図柄組合せ-3、図7の図柄組合せ-4及び図8(A)の図柄組合せ-5では、小役1~32の対応図柄等を示している。小役1~32は、成立時に所定数の遊技メダルが払い出されるように構成された遊技役(入賞役)である。小役1は、成立時にその対応図柄「ベルA・ベルA・ベルA/B/C」(「/」は「または」の
意)が表示窓W内の各上段の図柄表示領域に表示される入賞役であり、小役2は、成立時にその対応図柄「ベルA・ベルA・ベルA/B/C」が表示窓W内の有効ライン29上に表示される入賞役である。このことから、小役1,2のことを、「ベル役」とも称する。また、小役1,2は、後述の押し順ベル(YK番号18~29)において、遊技者によるストップスイッチ26a,26b,26cの操作順(押し順)が後述の正解押し順であった場合に成立する役となっている。小役1,2は、100%引込み可能な遊技役であり、その成立時の遊技メダルの払出数は8枚に設定されている。
小役3~23は、押し順ベル(YK番号18~29)において、遊技者による押し順が正解押し順とは異なる所定の押し順であった場合に、押し位置によっては成立することがある入賞役であり、成立時の遊技メダルの払出数は、小役1,2成立時の払出数(8枚)よりも少ない1枚に設定されている。このことから、小役3~23のことを「ベル外し1枚役」とも称する。小役24は、押し位置によっては成立することがある遊技役であり、成立時には図柄「スイカ」が右下がりの有効ライン29上に揃うように構成されている。小役32は、100%引き込み可能な遊技役であり、左リールにおける押し位置によっては、図柄「スイカ」が表示窓W内の各中段の図柄表示領域に横一列に揃うように構成されている。このことから、小役24のことを「右下がりスイカ役」とも称し、小役32のことを「中段スイカ役」とも称する。
小役25~27,31は、成立時には左リールにおいて図柄「チェリー」が表示窓W内に停止表示可能に構成された入賞役である。このことから、小役25~27,31を総称して「チェリー役」とも称する。小役28は、成立時には図柄組合せ「ベルA・ベルA・ベルA/B/C」が、表示窓W内の左リールの下段、中リールの中段、右リールの中段の各図柄表示領域に停止表示されるように構成されている。小役29は、成立時には図柄組合せ「ベルA・ベルA・ベルA/B/C」が、表示窓W内の左リールの下段、中リールの中段、右リールの下段の各図柄表示領域に停止表示されるように構成されている。小役30は、成立時には図柄組合せ「ベルA・ベルA・ベルA/B/C」が、表示窓W内の左リールの上段、中リールの中段、右リールの上段の各図柄表示領域に停止表示されるように構成されている。これらのことから、小役28のことを「ベル折れ役」とも称し、小役29のことを「小山ベル役」とも称し、小役30のことを「小Vベル役」とも称する。なお、小役25~31は、100%引き込み可能な遊技役である。
図8(B)の図柄組合せ-6では、特定図柄の図柄組合せを示している。本実施形態では、図示のように、パターン01からパターン03までの3個の特定図柄が設定されている。これらは、遊技役の対応図柄ではなく、押し順ベル(YK番号18~29のいずれか)が選出された際に、ストップスイッチの押し順と押し位置によって、ベル役(小役1、2)またはベル外し役1枚役(小役3~23)を成立させることができなかった場合に、その取りこぼし目として有効ライン29上に停止表示されるようになっている。また、パターン01~03の特定図柄は、有効ライン29上に停止表示されることが、後述の非RTからRT1への移行条件とされている。このため、パターン01~03の特定図柄のことを「RT1移行図柄」とも称する。これらの特定図柄は、遊技役の対応図柄ではなくハズレの図柄に相当するものであるので、停止表示された場合でも遊技メダルの払出しはない。
<役決定結果番号>
本実施形態における役決定処理(役決定)は、1回の遊技において1回行われ、そこで1つまたは複数の役決定結果番号(「YK番号」とも称する)が役決定結果として選出されるようになっている。図9,10には、役決定処理により選出されるYK番号の種類と、それに対応する当選役を示している。なお、図9,10に示す「当選名称」とは、各YK番号を区別し易くするために便宜的に付したものである。本実施形態では図示するように「0」から「38」までの39個のYK番号が設定されている。
YK番号0は、役決定結果がハズレ(いずれの遊技役も非当選)の場合に対応付けられており、その他のYK番号1~39には、当選役として各遊技役が対応付けられている。例えば、YK番号2(再遊技A2)には再遊技役2,9が重複当選役として対応付けられ、YK番号23(入賞B2)には小役1,13,14,20,23が重複当選役として対応付けられ、YK番号36(入賞G2)には小役29,30が重複当選役として対応付けられている。以下、具体的にいくつかのYK番号の内容について説明する。
図9の役決定結果-1に示すYK番号1~17は、当選役が再遊技役で構成される役決定結果に対応するものである。図9の備考欄には、各YK番号に対応した当選役がどのような場合に成立するのか、成立した場合に表示される図柄、及び、当選役が成立した場合のRT状態の移行等を記している。YK番号1(再遊技A1)とYK番号2(再遊技A2)は、非RT移行RP(再遊技役2)を当選役に含む役決定結果に対応付けられており、そのいずれかが選出された場合には、押し順や押し位置に拘らず再遊技役2が必ず成立するようにリール停止制御が行われる。
YK番号3~8(再遊技B1~B6)は、RT2移行RPである再遊技役3または再遊技役4と、非RT移行RPである再遊技役2とを含む複数の再遊技役が重複当選役として対応付けられており、そのいずれかが選出された場合には、次のようなリール停止制御が行われる。すなわち、各ストップスイッチが所定の押し順(「正解押し順」とも称する)に従って操作されたとき(「押し順正解時」とも称する)には、RT2移行RPである再遊技役3または再遊技役4が必ず成立し、各ストップスイッチが正解押し順に従わずに操作されたとき(「押し順不正解時」とも称する)には、重複当選している非RT移行RPである再遊技役2が必ず成立するようになっている。このYK番号3~8は、後述のRT1中でのみ選出可能に設定されており、押し順によって、RT状態を昇格させるのか(RT1からRT2へ移行させるか)、転落させるのか(RT1から非RTへ移行させるか)が制御される役決定結果として設定されている。なお、図9の表中の備考欄に記載している「左」、「中」、「右」は、ストップスイッチ26a,26b,26cを意味しており、その並び順は各ストップスイッチの操作順(押し順)を意味している。例えば、「左右中」はストップスイッチを26a,26c,26bの順序で操作する押し順を表し、「中第一」はストップスイッチ26bを1番目に操作する押し順(2番目以降の押し順は不問)を表すという具合である。
YK番号9(再遊技C)とYK番号10(再遊技D)は、RT2移行RPである再遊技役4~7のうちの複数の再遊技役が重複当選役として対応付けられている。このYK番号9,10は、後述のRT1中でのみ選出可能(当選確率は極めて低い)に設定されており、これが選出された場合には、押し順や押し位置に拘らずRT2移行RPが必ず成立するように制御され、RT2に移行されるようになっている。なお、YK番号9の選出時には、押し位置によって表示窓W内に図柄「赤セブン」が揃い、YK番号10の選出時には、押し位置によって図柄「キャラクタ」が揃うように制御される。また、このYK番号9、10は、選出されることが後述する遊技モード0,1から遊技モード3への移行契機とされていることから、チャンス役とも称する。
YK番号13~15(再遊技F1~F3)は、再遊技役1と、非RT移行RPである再遊技役2とを含む複数の再遊技役が重複当選役として対応付けられている。YK番号13~15のいずれかが選出された場合、遊技者による押し順が正解押し順のときは必ず再遊技役1が成立し、不正解押し順のときは必ず再遊技役2が成立するように制御される。このYK番号13~15は、後述のRT2中でのみ選出可能に設定されており、押し順によって、RT状態を維持するか(RT2に留まるか)、転落させるか(RT2から非RTへ移行させるか)が制御される役決定結果として設定されている。
YK番号16,17(再遊技G1,G2)は、後述のRT2中でのみ選出可能に設定されている。YK番号16が選出されたときは、押し位置によって表示窓W内に図柄「黄セブン」が揃うように制御される。本実施形態では、YK番号1~9及びYK番号13~15を総称して「押し順RP」とも称する。
図10(A)の役決定結果-2には、ベル役である小役1または小役2と、複数のベル外し1枚役とが重複当選役として対応付けられたYK番号18~29を示している。本実施形態では、このYK番号18~29を総称して「押し順ベル」とも称する。押し順ベルには、それぞれ3つの押し順(対応押し順1~3)が設定されており、それぞれ次のようなリール停止制御が行われる。すなわち、YK番号18~21(入賞A1~A4)が選出されたときは、遊技者による押し順が「左第一」(正解押し順に相当する)のときは必ずベル役である小役1が成立し、「中第一」のときと「右第一」のときは略1/4の確率(
目押しせず無作為に押し位置を決めた場合の確率、以下同様)でベル外し1枚役が成立するように制御される。
YK番号22~21(入賞B1~B4)が選出されたときは、遊技者による押し順が「中第一」(正解押し順に相当する)のときは必ずベル役である小役1が成立し、「左第一」(「左中右」のときと「左右中」のときとで成立可能な役が異なる)のときと「右第一」のときは略1/4の確率でベル外し1枚役が成立するように制御される。YK番号26
~29(入賞C1~C4)が選出されたときは、遊技者による押し順が「右第一」(正解押し順に相当する)のときは必ずベル役である小役2が成立し、「左第一」(「左中右」のときと「左右中」のときとで成立可能な役が異なる)のときと「右第一」のときは略1/4の確率でベル外し1枚役が成立するように制御される。なお、押し順ベルの選出時に
、ベル役もベル外し1枚役も成立させることができなかった場合には、その取りこぼし目として有効ライン29上に、パターン01~03の特定図柄のいずれかが停止表示される。
図10(B)の役決定結果-3には、押し順ベルには該当しない、その他の入賞に係るYK番号30~38を示している。YK番号30(入賞D)は、ベル役である小役1,2が重複当選役として対応付けられた役決定結果(「共通ベル」とも称する)である。これが選出された場合には、押し順や押し位置に拘らず、必ず小役1または小役2を成立させるリール停止制御が行われる。YK番号31(入賞E1)は、右下がりスイカ役である小役24が単独当選役として対応付けられた役決定結果(「弱スイカ」とも称する)である。これが選出された場合には、押し位置によって小役24を成立させ、有効ライン29上に図柄「スイカ」を揃えるリール停止制御が行われる。YK番号32(入賞E2)は、小役24と中段スイカ役である小役32とが重複当選役として対応付けられた役決定結果(「強スイカ」とも称する)である。これが選出された場合には、押し位置によって小役32を成立させ、表示窓W内の中段に図柄「スイカ」を揃えるリール停止制御が行われる。
YK番号33(入賞F1)は、チェリー役である小役25~27が重複当選役として対応付けられた役決定結果(「弱チェリー」とも称する)である。これが選出された場合には、押し位置によって表示窓W内の左リール上に図柄「チェリー」を停止表示させるリール停止制御が行われる。YK番号34(入賞F2)は、チェリー役である小役25,27が重複当選役として対応付けられた役決定結果(「中段チェリー」とも称する)。これが選出された場合には、押し位置によって表示窓W内の左中段に図柄「チェリー」を停止表示させるリール停止制御が行われる。
YK番号35(入賞G1)は、ベル役である小役1と折れベル役である小役28が重複当選役として対応付けられた役決定結果(「ベル折れ入賞」とも称する)である。これが選出された場合には、押し順や押し位置に拘らず、必ず小役28を成立させ、表示窓W内の左下段、中中段、右中段に図柄「ベル」を停止表示させるリール停止制御が行われる。YK番号36(入賞G2)は、小山ベル役である小役29と小Vベル役である小役30が重複当選役として対応付けられた役決定結果(「ベル小山/小V入賞」とも称する)であ
る。これが選出された場合には、押し位置によって、小役29を成立させて表示窓W内の左下段、中中段、右下段に図柄「ベル」を停止表示させるか、または、小役30を成立させて表示窓W内の左上段、中中段、右上段に図柄「ベル」を停止表示させるリール停止制御が行われる。
<役決定確率と設定差>
役決定処理において、各々のYK番号が選出される確率(役決定確率)は、適宜設定し得るが、本実施形態では、図11,12に示すように、役決定における抽選置数を設定している。図11に示す役決定における抽選置数-1(再遊技)と図12に示す役決定における抽選置数-2(入賞)の各表には、役決定に用いる乱数(乱数範囲0~65535)に対して各YK番号に割り当てた抽選置数の値を、RT状態別及び設定値別に記している。
図11に示すように、再遊技役が当選役に含まれるYK番号(YK番号1~17)は、RT状態(非RT,RT1,RT2)によって異なる役決定確率を設定している。例えば、YK番号1,2(再遊技A1,A2)は、RT2中では役決定確率を0(抽選置数=0)に設定する(当選しないようにする)一方で、非RT,RT1中においては当選可能に設定する。ただし、RT1中よりも非RT中の方が、役決定確率を高めに設定している。なお、再遊技役が当選役に含まれるYK番号であっても、各RT状態における役決定確率を同一に設定したものを設けてもよい。
図12に示すように、入賞役(小役)が当選役に含まれるYK番号(YK番号18~38)については、RT状態が移行しても役決定確率が変わらないように、それぞれの抽選置数を全RT共通に設定している。YK番号が異なれば、それらのYK番号に対して互いに異なる役決定確率を設定することができるが、異なるYK番号同士の役決定確率を同一に設定してもよい。例えば、本実施形態では、押し順ベルであるYK番号18~29のそれぞれの役決定確率を互いに同一(抽選置数=1610)に設定している。なお、本実施形態では特別役を設けていないが、特別役を設けてもよい。その場合、特別役の成立を契機として開始される特別遊技(ボーナス遊技)中では、非ボーナス遊技中とは異なる役決定確率を設定してもよい。
YK番号の役決定確率は、遊技店員等により設定される上述の設定値に応じて変更できるように構成することが可能である。本実施形態では、設定1~6の6段階の設定値構成となっており、設定値に応じて役決定確率が変更されるYK番号と、設定値が変わっても役決定確率が不変であるYK番号とを設けている。以下、設定値に応じて役決定確率が変更されるように設定することを「設定差を設ける」と称する。設定差を設けるYK番号(「設定差有りのYK番号」とも称する)と、設定差を設けないYK番号(「設定差無しのYK番号」とも称する)とをどのように振り分けるのかについては、任意に定めることが可能である。一例として、スロットマシン1における出玉率(遊技の用に供された遊技メダル数に対する払出数の割合)に影響を及ぼす抽選の抽選契機となるYK番号については設定差無しのYK番号とし、抽選契機とはならないYK番号については設定差を設けても設けなくてもよいとすることが挙げられる。
次に、図13~17を追加参照しながら、本実施形態に係るスロットマシンの特徴構成の概要について説明する。
<機能ブロック>
図13に示すように、本実施形態に係るスロットマシンは、機能的な観点から説明すれば主に、遊技メダルをベットするためのベット操作(例えば、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作、1-BETスイッチ22またはMAX-BETスイッチ23の押圧操作)や、停止中の各リール3a~3cを回転させるためのリール回転開始操作(例えば、スタートレバー25の傾動操作)、複数種類の図柄を可変表示する3個のリール3a,3b,3cの回転を停止させるための各リール回転停止操作(例えば、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作)、ベットまたは貯留(クレジット)された遊技メダルを払い出すための清算操作(例えば、清算スイッチ24の押圧操作)等の、遊技者によりなされる各遊技操作に対応した信号(「遊技操作信号」とも称する)を出力する操作信号出力手段95と、遊技の進行に係る主要な制御を行う主制御手段100(主制御基板60に対応する)と、遊技の状況に応じて所定の演出制御を行う副制御手段200(副制御基板70に対応する)とを備えてなる。
主制御手段100は、大別すると、主に遊技状態を管理する遊技状態管理手段110と、主に遊技進行を管理する遊技進行管理手段130と、主制御手段100における通信を制御するメイン通信制御手段150とを備えて構成されている。このうち、遊技状態管理手段110は、設定値制御手段111、RT状態制御手段112、再遊技作動制御手段113、ボーナス遊技制御手段114、フリーズ制御手段115、遊技モード制御手段116、及び乱数発生・取込手段117を備えている。
また、遊技進行管理手段130は、受容メダル管理手段131、役決定手段132、演出グループ番号決定手段133、リール制御手段134、停止表示図柄判定手段135、払出メダル管理手段136、ブロッカ制御手段137、表示用ランプ制御手段138、押し順管理手段139、及び抽選グループ番号決定手段140を備えており、メイン通信制御手段150は、制御コマンド送信手段151と外端信号送信手段152を備えている。なお、主制御手段100における上述の各手段は、図2に示す主制御基板60上に配されたメインCPU61、ROM62、RAM63、電子回路等のハードウエア及びROM62等に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(遊技状態管理手段110を構成する各手段)
設定値制御手段111は、役決定確率の設定値(設定1~設定6の6段階構成)を内部的に管理するための数値(「管理用設定値」とも称する)を制御するように構成されている。本実施形態では、管理用設定値として1から6までの連続する整数値(1~6の整数値は設定1~設定6にそれぞれ対応する)を用いている。管理用設定値のデータは、RAM63の所定の記憶領域に記憶されるようになっており、役決定処理において設定値を確認する際に参照されるとともに、設定確認時または設定変更時において、設定値表示器(払出数表示ランプ46j)に設定値を表示する際に参照されるようになっている。また、管理用設定値は、遊技店員による設定変更操作に応じて変更される。具体的には、設定鍵型スイッチ83がON状態に操作され、その状態で設定変更スイッチ84をするごとに、1ずつ更新されるようになっている。
RT状態制御手段112は、図14に示すように、非RT、RT1、RT2の3つのRT状態の設定を制御するように構成されている。非RTは、本実施形態において標準となるRT状態であり、役決定において再遊技役が選出される確率(非RT中で選出可能なYK番号1,2の選出確率の合計)が標準的な値(略「1/7.3」)に設定されている。
また、RAM(RAM63)が初期化された場合は、この非RTに設定されるようになっている。この非RT中において、条件P1が充足されたことを契機としてRT1に移行されるようになっている。条件P1とは、上述の押し順ベル(YK番号18~29)のいずれかが役決定で選出された際に入賞役が成立せず、上述のRT1移行図柄(パターン01~03の特定図柄のいずれか)が有効ライン29上に停止表示されることである。
RT1は、再遊技役(YK番号1~17)が当選する確率(RT1中で選出可能なYK番号1~10の選出確率の合計)が非RTと同等に設定されたRT状態である。このRT1中において、条件P2が充足されたことを契機としてRT2に移行されるようになっている。条件P2とは、上述したRT2移行RP(再遊技役3~7のいずれか)の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されることである。
RT2は、非RTやRT1に比べて、再遊技役が当選する確率(RT2中で選出可能なYK番号11~17の選出確率の合計)が高い値(例えば、設定1の場合で略「1/1.
5」)に設定されたRT状態である。このRT2中において、条件P1が充足されたことを契機としてRT1に移行され、条件P3が充足されたことを契機として非RTに移行されるようになっている。条件P3とは、上述した非RT移行RP(再遊技役2)の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されることである。
再遊技作動制御手段113は、再遊技役が成立したことを契機として、遊技者が所有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される状態(「再遊技作動状態」とも称する)に設定するように構成されている。再遊技作動状態に設定されると、RAM63の所定の記憶領域に再遊技作動状態であることを示す情報(「再遊技作動状態情報」とも称する)が記憶される。再遊技作動状態情報を記憶することを、再遊技作動状態フラグをセットするとかONにする等とも称し、記憶した再遊技作動状態情報をクリア(消去)することを、再遊技作動状態フラグをクリアするとかOFFにする等とも称する。
フリーズ制御手段115は、所定の条件成立を契機として、遊技の進行に係る制御処理(例えば、ベット操作やリール回転開始操作、リール回転停止操作等を受け付ける処理等)の実行を所定時間遅延させるフリーズを設定するように構成されている。
遊技モード制御手段116は、図15に示すように、遊技モード0から遊技モード8までの9個の遊技モードの設定を制御するように構成されている。遊技モードとは、RT状態とは別に主制御手段側で制御する、主にATの設定状態に関連する遊技状態(「メイン遊技状態」とも称する)を意味する。ここでは、各遊技モードの概要について述べ、さらに詳細に説明したい遊技モードの内容については、後述することとする。
遊技モード0は、平均すると遊技中に滞在する期間が最も長くなる通常(非有利)の遊技状態である。遊技モード0では、役決定結果等に応じて、所定の特典(「AT取得用第1特典」とも称する)を付与するか否かを決定する抽選(「AT取得用第1抽選」とも称する)が行われる。AT取得用第1特典とは、遊技モード4において、押し順ベルに対する正解押し順を報知する入賞ナビが所定回数(例えば、8回)実行されることと、その実行後に所定回数(例えば、最大8回まで)の、後述するAT取得用第2抽選が行われる権利が得られる特典をいう。また、遊技モード0では、遊技モード0に連続して滞在した期間(遊技数)を管理するためのカウンタ(「ゲーム数カウンタ」とも称する)による計数(カウントアップ)が毎遊技行われる。そして、このゲーム数カウンタの値に応じて、所定の幾つかの処理(総称して「ゲーム数カウンタ値対応処理」という)が行われるが、これについては後述する。
さらに、遊技モード0では、所定の役決定結果(例えば、チャンス役であるYK番号9,10)が選出されるとボーナスAT抽選が行われ、このボーナスAT抽選に当選すると、所定の特典(「BAT特典」とも称する)、具体的には、遊技モード3においてボーナスAT遊技として実行可能となる遊技数(「BATゲーム数」とも称する)として40ゲームが付与され(BATゲーム数を管理するBATゲーム数カウンタに「40」がセットされ)、遊技モード4においてAT遊技として実行可能となる遊技数(「ATゲーム数」とも称する)として30ゲームが付与される(ATゲーム数を管理するATゲーム数カウンタに「30」がセットされる)。また、ボーナスAT抽選の当選を契機として、次遊技から遊技モード3に移行される。
遊技モード1は、遊技モード0におけるAT取得用第1抽選に当選してAT取得用第1特典が付与されたことを契機として、遊技モード0から移行されるAT前兆の遊技状態である。遊技モード1では、所定の遊技数(「遊技モード1内前兆ゲーム数」とも称する)が設定され、この遊技モード1内前兆ゲーム数の遊技が消化されると、遊技モード2に移行されるようになっている。
遊技モード2は、遊技モード1において遊技モード1内前兆ゲーム数分の遊技が消化されると、遊技モード1から移行されるAT準備の遊技状態である。この遊技モード2において、所定の役決定結果(例えば、RT2移行RPが成立可能となる役決定結果)が選出されると、ボーナスAT抽選が行われ、これに当選すると、BAT特典が付与される。具体的には、所定の役決定結果(例えば、RT2移行RPが成立可能となる役決定結果)が選出されたときは、BATゲーム数カウンタが1以上にセットされている場合には次遊技から遊技モード3に移行され、BATゲーム数カウンタが0にセットされている場合には次遊技から遊技モード4に移行される。
遊技モード3は、ボーナスAT抽選の当選を契機として、遊技モード0,1,2のいずれかから移行されるボーナスATの遊技状態である。遊技モード3では、ATゲーム数を上乗せする処理と、上乗せしたATゲーム数をATストック数に変換する処理(これらの処理を総称して「AT上乗せ変換処理」ともいう)が行われるが、これについては後述する。また、遊技モード3においては、毎遊技、BATゲーム数カウンタ値の減算が行われ、BATゲーム数カウンタの値が「0」になる(BATゲーム数分の遊技が消化される)と、次遊技から遊技モード4に移行される。遊技モード0,1では、RPナビも入賞ナビも行われず、遊技モード2,3では入賞ナビもRPナビも行われる(入賞ナビを行わないようにしてもよい)。なお、遊技モード3において行われる遊技のことを「ボーナスAT遊技」とも称する。
遊技モード4は、遊技モード2または遊技モード3から移行されるAT通常の遊技状態である。遊技モード2から遊技モード4に移行された場合には、AT取得用第1特典として実行が許可された8回の入賞ナビの実行回数を計数するための入賞ナビカウンタの値が「8」にセットされる。この入賞ナビカウンタの値は、遊技モード4において、入賞ナビが実行される毎に「1」ずつ減算され、カウンタ値が「0」となると、所定の抽選(「AT取得用第2抽選」とも称する)が行われる。このAT取得用第2抽選に当選すると、所定の特典(「AT取得用第2特典」とも称する)が付与される。AT取得用第2特典とは、30ゲーム分のATゲーム数が付与される特典、具体的には、ATゲーム数カウンタに「30」がセットされてAT遊技(入賞ナビ及びRPナビが行われる遊技)が30ゲームに亘って継続して行われる特典(後述のAT継続判定処理が行われることを含めて特典と称することもある)をいう。セットされたATゲーム数カウンタは、その後遊技モード4に滞在している間、毎遊技「1」ずつ減算される。
一方、AT取得用第2抽選で非当選の場合には、ATゲーム数カウンタの値はセットされず(初期値「0」のままとされ)、30ゲームのAT遊技は行われずに、遊技モード0に移行される。また、遊技モード3から遊技モード4に移行された場合は、入賞ナビカウンタの値のセットは行われず(初期値「0」のままとされ)、移行時にATゲーム数カウンタの値が「30」にセットされて、遊技モード4の1ゲーム目から30ゲームのAT遊技が開始される。この場合にセットされたATゲーム数カウンタも、毎遊技「1」ずつ減算される。
AT取得用第2抽選での当選確率は、それを規定するために設けられたAT取得レベルに応じて異なるように設定されている。このAT取得レベルは「0」から「5」までの6段階あり、AT取得レベル5のときは、AT取得用第2抽選で必ず当選するように設定されている。なお、AT取得レベルは、遊技モード4への移行前に「5」に設定されている場合(後述するように、遊技モード0中で高確率状態に設定されているときにAT取得用第1特典が付与された場合等)にはそのままとされ、それ以外のときは遊技モード4へ移行されるときに「0」にセットされる(移行時に抽選等によりAT取得レベルの値(0~5)を決めてもよい)。また、遊技モード4では、入賞ナビカウンタの値がセットされてから「0」になるまでの間、AT取得レベルを格上げするか否かを決定する抽選(「AT取得レベル格上げ抽選」とも称する)が毎遊技行われる(AT取得レベル5の場合は、それ以上の格上げは行われない)。AT取得レベルは、後述のAT取得処理や、遊技モード4から遊技モード0への移行時にクリアするようにしてもよい。
また、遊技モード4では、ATゲーム数カウンタの値がセットされてから「0」になるまでの間、遊技モード5または遊技モード6へ移行させるか否かを決めるための幾つかの処理(これらの処理を総称して「AT上乗せ特化移行処理」ともいう)が行われるが、これについては後述する。さらに、遊技モード4では、セットされたATゲーム数カウンタの値が「0」に到達した遊技において、遊技モード7に移行させるための準備処理(「遊技モード7突入処理」とも称する)が行われる。この遊技モード7突入処理では、AT遊技を継続して行うか否かを判定するためのAT継続判定処理(後述のAT継続抽選等を実行する処理)が行われるが、この点も含め遊技モード7突入処理の内容については後述する。
遊技モード5は、遊技モード4から一時的に移行されるAT中一時滞在の遊技状態であり、遊技モード6は、遊技モード4から移行されてATストック数の上乗せが行われるATストック数上乗せ特化の遊技状態である。遊技モード6は、連続して32ゲーム間設定される場合と、1ゲームだけ単発で設定される場合(設定ゲーム数は適宜変更可)とがあり、前者の場合の遊技モード6のことを「連続滞在の遊技モード6」とも称し、後者の場合の遊技モード6のことを「単発滞在の遊技モード6」とも称する。また、遊技モード4、遊技モード5及び単発滞在の遊技モード6において行われる遊技のことを総称して「第1AT遊技」とも称し、連続滞在の遊技モード6において行われる遊技のことを「第2AT遊技」とも称する。第2AT遊技が行われる連続滞在の遊技モード6は、遊技者にとって最も有利となる遊技状態となる。第1AT遊技及び第2AT遊技の実行中は、入賞ナビ及びRPナビが行われるが、遊技モード5,6に滞在中はATゲーム数カウンタの値の減算は行われない(行うようにしてもよい)。遊技モード5,6において行われる処理の内容については、後述する。
遊技モード7は、遊技モード4においてATゲーム数カウンタの値が「0」に到達したときに遊技モード4から移行されるAT継続判定の遊技状態である。この遊技モード7では、所定回数(抽選により決めてもよい)の遊技が行われ、遊技モード7突入処理で行われるのと同様のAT継続抽選が毎遊技行われる。この点も含め遊技モード7中で行われる処理の内容については後述する。なお、遊技モード7中で行われる遊技のことを「AT継続判定遊技」とも称する。
遊技モード8は、遊技モード7から移行されるサービスATの遊技状態である。この遊技モード8では、所定のゲーム数の期間(例えば、10ゲームとするが、抽選等によってゲーム数を決めてもよい)だけ設定され、その設定期間中は、役決定結果に応じてATゲーム数を上乗せする処理が毎遊技行われる。このため、遊技者にとっては遊技モード4よりも有利な遊技状態となる。遊技モード8において、所定のゲーム数が消化されると、遊技モード4に移行される。
上述の9個の遊技モードを、通常区間に属する遊技モードと、有利区間に属する遊技モードとに分けてもよい。通常区間は、押しナビ(入賞ナビ及びRPナビ)を行わない期間であり、押し順を判別できる情報(YK番号やナビ番号等の情報)を主制御手段側から副制御手段側に送信しない期間でもある。また、通常区間は、有利区間への移行の可否を決定するための抽選(例えば、AT取得用第1抽選)を行うことができる期間でもある。遊技モード0が通常区間に属する遊技モードに該当する。
有利区間は、押しナビを行うことができる期間であり、押し順を判別できる情報を主制御手段側から副制御手段側に送信してもよい期間でもある。また、有利区間は、有利区間の性能等を変更する抽選(例えば、AT取得レベル格上げ抽選、ボーナスAT抽選)や有利区間中のゲーム数を上乗せする処理(例えば、AT上乗せ変換処理)等を行うことができる期間でもある。遊技モード1~8が有利区間に属する遊技モードに該当する。さらに、有利区間では、有利区間中であることを遊技者に報知するための区間表示器(払出数表示ランプ46jのうち、7セグメントランプ以外のDPセグメントランプ)を点灯してもよい。有利区間に滞在中は、少なくとも1回は入賞ナビを行うようにしてもよい(この場合は、入賞ナビを1回も行っていないのであれば、通常区間へ移行することはできない)。
また、有利区間に連続滞在できる上限(例えば、1500ゲーム)を設けてもよい。さらに、上限に達して有利区間を終了するときは、有利区間に関連する情報(例えば、ATゲーム数カウンタの値、ATスットク数カウンタの値等の情報)は、全てクリアされるようにしてもよい。なお、上限に達して有利区間を終了するときは、有利区間の滞在中に1回も入賞ナビが行われていなくてもよい。また、有利区間への移行の可否を決定するための抽選、有利区間の性能等を変更する抽選を、役決定結果に基づいて行う場合は、設定差の無い役決定結果に限って行うようにしてもよいし、特に、有利区間の性能等を変更する抽選は、役決定結果以外の条件に基づいて行うようにしてもよい。そして、その際は、設定値を参照することなく行うようにしてもよい。
図13に戻り、乱数発生・取込手段117は、上述のCPU61、クロックパルス発生器64、分周器65、乱数発生器66、乱数取込回路67で構成され、各種抽選に用いられる乱数を発生させ、取り込む。本実施形態では、最大で「0~65535」までの数値範囲の乱数列を発生可能な4個(4ch;chは「チャンネル」の略)の16ビット乱数RL0~RL3と、最大で「0~255」までの数値範囲の乱数列を発生可能な4個(4ch)の8ビット乱数RS0~RS3を有しており、それぞれが独立して乱数列を発生させることが可能となっている。これら乱数RL0~RL3,RS0~RS3が発生する乱数は、クロックパルス発生器64が発生するクロック信号に基づいて更新されるため、ハードウエア乱数(ハード乱数)と称されることもある。なお、図示はしていないが本実施形態では、乱数発生・取込手段118とは別の乱数発生手段を備えている。この乱数発生手段は、上述のCPU61、RAM63で構成され、役決定等に用いられる乱数として、所定の数値範囲の乱数列を発生可能な乱数を有している。この乱数は、プログラムに基づいて更新されるため、ソフトウエア乱数(ソフト乱数)と称されることもある。
(遊技進行管理手段130を構成する各手段)
受容メダル管理手段131は、メダル投入口21から投入された遊技メダル(「投入遊技メダル」とも称する)のうち実際に受け入れられた遊技メダル(受入通路に導かれて投入メダルセンサ28bにより検出された遊技メダルであり、「受容遊技メダル」とも称する)を、直接ベットされる遊技メダルとするのか、クレジットされる遊技メダルとするのかを制御するように構成されている。本実施形態では、ベット数が最大ベット許容数(遊技を実行するのに必要となるベット数(規定数「3」))に達していない場合には、受容遊技メダルを直接ベットされる遊技メダルとし、ベット数が最大ベット許容数に達しており、クレジット数が最大クレジット許容数(例えば「50」)に達していない場合には、受容遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとするように構成されている。
また、受容メダル管理手段131は、再遊技作動状態に設定された遊技において、自動ベット処理(遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく、前回の遊技におけるベット数と同数の遊技メダルがベットされた状態を設定する処理)を行うように構成されているが、クレジット数が最大クレジット許容数に達していない場合には、受容遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとする。ベット数が最大ベット許容数に達しており、かつクレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、投入された遊技メダルは受け入れられずに返却されるようになっている。
役決定手段132は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、予め設定された役決定確率に基づき複数の役決定結果(YK番号)の中から少なくとも1つのYK番号を選出するための役決定処理(役決定)を行うように構成されている。この役決定処理は、上述の16ビット乱数RL0が発生する乱数を用いて行われる。具体的には、スタートレバー25が操作されたことを契機として、16ビット乱数RL0が発生した乱数を取り込む。そして、役決定処理を行う際に、取り込んだ乱数を読み出しし、その読み出した乱数に所定のソフト乱数を加算し、加算後の乱数を用いて、役決定結果番号を選出するように構成されている。所定のソフト乱数を加算せず、読み出した乱数を用いて、役決定結果番号を選出するようにしてもよい。
役決定処理は、予め設定された所定の役決定テーブル(図示略)を参照して行われる。役決定テーブルは、各当選項目に対応した抽選置数データが設定値別に、ROM62内の所定の記憶領域(複数のアドレス)に記憶された構成のものとなっている。役決定処理において、1つまたは複数のYK番号が選出されると、選出されたYK番号に対応した遊技役が当該遊技における成立許容役となる。選出されたYK番号の情報はRAM63の所定の記憶領域に記憶されるが、1つの遊技において記憶されたYK番号の情報は、小役や再遊技役の成立の有無に拘わらず、当該遊技の終了後にクリア(「0」にリセット)される。
演出グループ番号決定手段133は、役決定処理により選出されたYK番号の情報から演出グループ番号の情報を生成する処理を行うように構成されている。この演出グループ番号(例えば、「0」から「10」までの演出グループ番号を用いる)は、役決定処理により選出される各YK番号に対応付けられるものであり、特に、押し順の違いによって遊技上の有利、不利(出玉への影響)が生じたり、遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じたりする一群のYK番号に対しては、1つの演出グループ番号が対応付けられるようになっている。
これに対し、押し順の違いによって遊技上の有利、不利に影響しない(出玉への影響がない)再遊技役のYK番号、押し順の違いによって遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じない小役(入賞役)のYK番号、獲得し得る遊技メダル数自体が少ない(例えば、ベットの規定数以下)の小役(入賞役)のYK番号等については、複数のYK番号に対し1つの演出グループ番号を対応付けなくてもよい。例えば、YK番号の値と同じ値の演出グループ番号を対応付けるようにしてもよい。
YK番号の情報は副制御手段には送信せず、代わりに演出グループ番号の情報を送信してもよい。演出グループ番号は、押し順によって遊技者にとって有利、不利が生じるYK番号については、複数のYK番号に対して1つの演出グループ番号が対応付けられるため、演出グループ番号の情報だけでは、押し順によって成立役が異なる役決定結果が得られたという概略的な内容は特定できても、どの正解押し順に対応するYK番号に当選したのかまでは特定できない。したがって、主制御手段から副制御手段への情報伝達路に不正にアクセスして演出グループ番号の情報を不正に取得しても、そこから有益な情報(正解押し順等の情報)を得ることができなくなるので、このような不正行為を抑止できる。また、副制御手段では、役決定処理により当選役となった遊技役の種類に応じて、画像演出の背景の色彩や内容を変更する場合がある。このため、同じカテゴリに属する複数のYK番号に対して共通の演出グループ番号を対応付けしておくことにより、その演出グループ番号の情報を受信した副制御手段は、その情報に応じて、そのカテゴリに応じた画像演出を行うことも可能となる。
押し順を報知する必要があるかないかに拘わらず演出グループ番号を決定してその情報を副制御手段に送信してもよい(これにより、制御プログラムを簡略化し得る)。一方、押し順を報知する必要がない状況でのみ演出グループ番号を決定し、押し順を報知する必要がある状況では演出グループ番号を決定することなく、YK番号の情報をそのまま副制御手段に送信するようにしてもよい。また、押し順を報知する必要があるかないかに拘わらず演出グループ番号を決定するが、押し順を報知する必要がある状況では、YK番号の値をそのまま演出グループ番号の値として決定するようにしてもよい。
リール制御手段134は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、最小遊技時間が経過していることを確認した後、リール3a~3cを回転開始させ、回転開始させた全リールが定速回転状態となった後、ストップスイッチ26a,26b,26cが順次操作されたこと(ストップスイッチ26a~26cの各操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、対応する各リール3a~3cを順次回転停止させるように構成されている。
各リール3a~3cの回転停止制御は、役決定処理により選出された役決定結果に応じて設定(セット)される各停止テーブル(図示略)に基づき、ストップスイッチ26a~26cの操作態様(押し順や操作タイミング等)に応じて行われる。各リール3a~3cは、ストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたタイミングから、各リール3a~3cが所定の停止許容時間(例えば190ミリ秒)以内に停止するように(本実施形態では、最大滑りコマ数5コマの範囲内で)行われる。
すなわち、役決定処理の結果、所定の遊技役が成立許容役として選出されている場合、停止許容時間の範囲内において可能な限り、その選出された遊技役の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されるように、ハズレの場合には、いずれの遊技役の対応図柄も有効ライン29上に停止表示されないように、リール3a~3cの停止制御がなされるようになっている。なお、特別役を設ける場合には、特別役の当選持越し中に再遊技役または小役が当選した場合、再遊技役、小役の方を優先して(優先順位は再遊技役の方を高くしてもよいが変更可)成立させる再遊技役優先または小役優先のリール回転停止制御を行ってもよい。
停止表示図柄判定手段135は、リール3a~3cにより停止表示された図柄がどの図柄であるかを判定するとともに、有効ライン29上に停止表示された図柄の組合せから、遊技役が成立しているかどうかを判定するように構成されている。
払出メダル管理手段136は、小役が成立した場合に成立した小役に応じた数の遊技メダルを、クレジット数が最大クレジット許容数に達していない場合には、クレジット数に加算する貯留加算払出しにより、クレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、ホッパー駆動回路52を介してホッパー50を駆動させる実払出しにより、払い出すようになっている。また、払出メダル管理手段136は、清算操作(清算スイッチ24の押圧操作)が有効に受け付けられた場合に、ベットされていた数の遊技メダルまたはクレジットされていた数の遊技メダルを、ホッパー50を駆動させて払い戻すようになっている。
ブロッカ制御手段137は、上述のブロッカ48を制御するためのブロッカ信号を出力して、ブロッカ48をON状態(遊技メダル受入可能状態)とOFF状態(遊技メダル受入不可状態)との間で切り替えるように構成されている。なお、ブロッカ48がOFF状態とされた場合、メダル投入口21に投入された遊技メダルは、返却通路に導かれ返却される。ただし、遊技メダルが投入されたことは、投入メダルセンサ28aにより検出されるようになっている。
表示用ランプ制御手段138は、上述の各種表示用ランプ(MAX-BET表示ランプ46a、BETランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、CREランプ46h、払出数表示ランプ46j)の点灯や消灯等に関する制御を、表示用ランプ制御回路47を介して行うように構成されている。なお、払出数表示ランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させる場合は、押し順管理手段139により払出数表示ランプ46jの制御が行われる。
押し順管理手段139は、役決定処理により選出された役決定結果(YK番号)に応じて、報知する押し順に対応したナビ番号(例えば、「0」から「6」のいずれかとする)を選出するようになっている。本実施形態では、図16のナビ番号‐対応押し順‐表示内容対応表に示すように、各ナビ番号が設定されている。ナビ番号0は、押し順を報知しないときに選出されるもので、対応押し順は「不明」とされる。ナビ番号1~6は、第一押し順から第三押し順までを報知したいときに選出されるもので、対応押し順は図16に示すように設定されている。例えば、ナビ番号2の対応押し順は「左右中」であり、ナビ番号5の対応押し順は「右左中」である。なお、報知したい押し順(正解押し順)が3択のもの、すなわち「左第一」、「中第一」、「右第一」のいずれかである場合は、それを、6択の押し順に対応させてナビ番号を表示する。具体的には、正解押し順が「左第一」の場合は、「左中右」と「左右中」のいずれかの押し順を抽選等により選出し、その選出した押し順に対応するナビ番号(例えば、「左右中」が選出されれば、ナビ番号2)に基づく表示を行う。正解押し順が「中第一」の場合は、「中左右」と「中右左」のいずれかの押し順を抽選等により選出し、正解押し順が「右第一」の場合は、「右左中」と「右中左」のいずれかの押し順を抽選等により選出する。
また、押し順管理手段139は、払出数表示ランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させ、選出したナビ番号を報知させることにより押しナビ(メイン側押しナビ)を行うようにも構成されている。この押しナビは、具体的には払出数表示ランプ46jに設けられた2つの7セグメントランプ(以下「7セグ」と略記することがある)を用いて、ナビ番号を報知する。図17にその報知態様の一例を示す。図17(A)は、ナビ番号2を表示する場合の態様であり、左の7セグに「=」を右の7セグに「2」を表示している。図17(C)は、ナビ番号4を表示する場合の態様であり、左の7セグに「=」を右の7セグに「4」を表示している。左の7セグに表示する「=」は、払出数表示ランプ46jにおいて払出数を表示しているときと区別するためのものである。なお、ナビ番号0が選出された場合には払出数表示ランプ46jによる表示は行われない(各ナビ番号と払出数表示ランプ46jによる表示内容との対応関係は図16を参照)。もちろん、左の7セグに「=」を右の7セグに「0」を表示してもよいし、左の7セグと右の7セグとの両方に「0」を表示してもよいし、右の7セグのみに「0」を表示してもよい。
図13に戻り、抽選グループ番号決定手段140は、役決定処理により選出されたYK番号に応じて、各種抽選において当選値を選出するために用いられる抽選グループ番号を決定するように構成されている。本実施形態では抽選グループ番号として、抽選グループ番号0から抽選グループ番号9までの10個の番号を設けるとともに、役決定において決定されるYK番号を10個のグループに分け(いずれのグループにも含まれないYK番号を設けてもよい)、その各々のグループに対して、いずれかの抽選グループ番号を対応付けている。本実施形態では、YK番号31,35を抽選グループ番号0、YK番号18~30を抽選グループ番号3、YK番号34を抽選グループ番号4、YK番号33を抽選グループ番号6としている。その対応付けの仕方は任意に決めることができるが、例えば、抽選グループ番号を、設定差の無い抽選グループ番号(例えば、抽選グループ番号1~8)と、設定差のある抽選グループ番号(例えば、抽選グループ番号0,9)とに大別して、設定差の無い抽選グループ番号は、設定差の無いYK番号のみで構成されるグループに対応付け、設定差のある抽選グループ番号は、設定差のあるYK番号を含むグループに対応付けしてもよい。また、遊技モード状態とRT状態に基づき対応付けを変更して、通常時は抽選グループ番号の種類を多く設定し、AT取得のための抽選の確率を役抽選結果に応じて細かく設定し、AT中は抽選グループ番号の種類を少なく設定して上乗せ抽選などの当選確率を大まかに設定するようにしてもよい。
(メイン通信制御手段150を構成する各手段)
制御コマンド送信手段151は、遊技に関する各種の情報を含む制御コマンドを、所定のタイミングで送信するように構成されている。例えば、スタートレバーが操作される前に送信する制御コマンドとしては、どの遊技モードに設定されているかのかを示す情報を含む制御コマンド(「遊技モードコマンド」とも称する)、どのRT状態に設定されているかのかを示す情報を含む制御コマンド(「RTコマンド」とも称する)、再遊技の作動状態を示す情報を含む制御コマンド(「作動状態コマンド」とも称する)がある。また、スタートレバーが操作されたことを契機として送信する制御コマンドとしては、例えば、ナビ番号の情報を含む制御コマンド(「ナビ番号コマンド」とも称する)、演出グループ番号の情報を含む制御コマンド(「演出グループ番号コマンド」とも称する)がある。この他に、設定値の情報を含む制御コマンド、ATゲーム数カウンタなど各種カウンタの値の情報を含む制御コマンド、副制御手段において実行する演出内容を指示する情報を含む制御コマンド等を、スタートレバーが操作される前や、スタートレバーが操作されたことを契機として、またはその他を契機として送信するようにしてもよい。
また、制御コマンド送信手段151は、最小遊技時間の経過が確認されたことを契機として、全リールが回転開始するよりも前に、全リールが回転開始することを示す情報を含む制御コマンド(「全回胴回転開始コマンド」とも称する)を送信する。さらに、第一停止操作(1番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第一停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(「第一停止受付コマンド」とも称する)を送信するとともに、第一回胴停止(第一停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第一回胴停止の情報を含む制御コマンド(「第一停止コマンド」とも称する)を送信する。同様に、第二停止操作(2番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第二停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(「第二停止受付コマンド」とも称する)を送信するとともに、第二回胴停止(第二停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第二回胴停止の情報を含む制御コマンド(「第二停止コマンド」とも称する)を送信する。同じく、第三停止操作(3番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第三停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(「第三停止受付コマンド」とも称する)を送信するとともに、第三回胴停止(第三停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第三回胴停止の情報を含む制御コマンド(「第三停止コマンド」とも称する)を送信する。さらに、停止図柄判定する前に、全回胴停止の情報を含む制御コマンド(「全停止コマンド」とも称する)、停止図柄判定した後に、遊技メダルの払出数の情報を含む制御コマンド(「払出数コマンド」とも称する)を送信する。主制御手段100と副制御手段200(サブメイン制御手段200A)との間の通信は、前者から後者への一方向のみ可能となっている。
外端信号送信手段152は、所定の遊技状態となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外端信号を送信するように構成されている。例えば、外端信号として、BB信号を送信するようにしてもよい。このBB信号は、通常区間から有利区間へ移行するときにONにされ、有利区間から通常区間に移行するときにOFFにされる。
一方、副制御手段200は、主にランプ演出、画像演出及び音声演出の管理(指示)を行うサブメイン制御手段(「第1副制御手段」とも称する)200Aと、主に画像演出及び音声演出を制御(実行)するサブサブ制御手段(「第2副制御手段」とも称する)200Bを備えてなる。
サブメイン制御手段200Aは、大別すると、演出管理手段210とサブメイン通信制御手段230とを備えている。演出管理手段210は、ゲーム演出管理手段211、報知演出管理手段212及びランプ演出制御手段213を備えており、サブメイン通信制御手段230は、制御コマンド受信手段231、演出コマンド送信手段232及び状態コマンド受信手段233を備えている。なお、サブメイン制御手段200Aにおける上述の各手段は、図2に示すサブメイン制御基板70A上に配されたサブメインCPU71、ROM72、RAM73、電子回路等のハードウエア及びROM72に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出管理手段210を構成する各手段)
ゲーム演出管理手段211は、主に遊技の興趣向上や遊技性を高める目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「ゲーム演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。ゲーム演出としては、例えば、連続演出や単発演出、アシスト演出等がある。
連続演出とは、複数の遊技期間に亘って連続する演出であり、主に画像表示装置11を用いて、一続きの物語となるような画像を複数の遊技期間に亘って表示するものや、所定の遊技モード(例えば、遊技モード6)に滞在中であることを象徴するような演出画像等を表示するものなどが挙げられる。なお、連続演出や次述する単発演出を行う際に、演出ランプ12,13a,13b,14a,14bや飾りランプ32a,32bを用いた演出を行ったり、スピーカ15a,15b,44a,44bを用いた演出を組み合わせて行ったりしてもよい。
単発演出とは、遊技の進行過程において特定の状況が生じた場合等に単発的に実行される演出である。例えば、各リールの回転時に、遊技役の当選期待度を暗示するような画像を、画像表示装置11により表示する演出などが挙げられる。また、主制御手段100においてATゲーム数が加算されたことを契機として、加算されたATゲーム数の値(例えば「+30」等の文字)を、画像表示装置11の表示画面11a上に表示する演出も単発演出の例として挙げられる。
アシスト演出は、遊技者を支援するための演出で、本実施形態では、主に、主制御手段100からのナビ番号コマンドにより伝達されるナビ番号の情報に応じて、押しナビ演出が行われる。この押しナビ演出(サブ側押しナビ)は、画像表示装置11をサブ側押し順表示器として利用して、遊技者に対し、ナビ番号に応じた押し順(正解押し順)を表示画面11a上に表示する単発の演出である。本実施形態では、上述のRPナビに対応するRPナビ演出(サブ側RPナビ)と、入賞ナビに対応する入賞ナビ演出(サブ側入賞ナビ)とを実行するようになっている。
押しナビ演出の具体的態様としては、例えば、ナビ番号2(対応押し順「左右中」)の情報を含むナビ番号コマンドを受信した場合には、図17(B)に示すように、対応する押し順を示す数字を「1、3、2」の順番で左側から並べて表示し、ナビ番号3(対応押し順「中左右」)の情報を含むナビ番号コマンドを受信した場合には、図17(D)に示すように、対応する押し順を示す数字を「2、1、3」の順番で左側から並べて報知する態様が例として挙げられる。
また、第一押し順から第三押し順までを表示する場合には図17(E)に示すように、表示した第一押し順に従って遊技者が1番目のストップスイッチを操作した時点で第一押し順の表示を消し、表示した第二押し順に従って遊技者が2番目のストップスイッチを操作した時点で第二押し順の表示を消し、表示した第三押し順に従って遊技者が3番目のストップスイッチを操作した時点で第三押し順の表示を消すようにしてもよい。また、表示した押し順とは異なる順番で遊技者がストップスイッチを操作した場合には、押し順ナビ演出を直ちに終了するようにしてもよい。さらに、押し順を表示する際には、「なか」という音声、「ひだり」という音声、及び「みぎ」という音声を、次に行うべき操作と対応付けてスピーカ15a,15b等から出力するようにしてもよい。さらに、演出ランプ13aを「左」、演出ランプ12を「中」、演出ランプ13bを「右」に対応させて、次に行うべき操作と対応付けて発光または点滅させるようにしてもよい。
報知演出管理手段212は、主に遊技に関する情報を遊技者に報知する目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「報知演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。報知演出としては、例えば、エラーが発生したことを「エラー発生」というような文字情報で報知するエラー報知演出や、電源断復帰時に画像が準備中であることを「画像準備中」というような文字情報で報知する演出等が挙げられる。また、遊技者が過度に遊技に没頭すること(のめり込み)を防止するために、遊技者の注意を喚起させるための文字情報を含む画像(「注意喚起画像」とも称する)を表示する演出も報知演出の例として挙げられる。
ランプ演出制御手段213は、演出ランプ12,13a,13b,14a,14b、飾りランプ32a,32b、バックランプ38a~38dを用いた各種の照明演出を制御するように構成されている。
(サブメイン通信制御手段230を構成する各手段)
制御コマンド受信手段231は、主制御手段100からの制御コマンドを受信し、RAM73等の所定の記憶領域(例えば、受信した制御コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
演出コマンド送信手段232は、主制御手段100からの制御コマンドに基づき、演出に関する各種の情報を含む演出コマンド(例えば、画像情報を含む演出コマンド等)をサブサブ制御手段200Bに送信するように構成されている。
状態コマンド受信手段233は、サブサブ制御手段200Bからの状態コマンド(例えば、演出コマンドの受信エラーが発生したという情報を含む状態コマンド等)を受信し、RAM73等の所定の記憶領域(例えば、受信した状態コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
以上のように構成されたサブメイン制御手段200Aに対し、サブサブ制御手段200Bは、大別すると、演出実行制御手段250とサブサブ通信制御手段270とを備えている。演出実行制御手段250は、ゲーム演出実行制御手段251と報知演出実行制御手段252を備えており、サブサブ通信制御手段270は、演出コマンド受信手段271と状態コマンド送信手段272を備えている。なお、サブサブ制御手段200Bにおける上述の各手段は、図2に示すサブサブ制御基板70B上に配されたサブサブCPU75、ROM76、RAM77、電子回路等のハードウエア及びROM76に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出実行制御手段250を構成する各手段)
ゲーム演出実行制御手段251は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述のゲーム演出を実行するように構成されている。
報知演出実行制御手段252は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述の報知演出を実行するように構成されている。
(サブサブ通信制御手段270を構成する各手段)
演出コマンド受信手段271は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドを受信し、RAM77等の所定の記憶領域(例えば、受信した演出コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
状態コマンド送信手段272は、上述の状態コマンドをサブメイン制御手段200Aに送信するように構成されている。
上述した制御コマンド送信手段151からの制御コマンドの送信、演出コマンド送信手段232からの演出コマンドの送信、及び状態コマンド送信手段272からの状態コマンドの送信は、いずれもシリアル通信方式により行われる(パラレル通信方式で行うようにしてもよい)。また、各送信手段151,232,272は、それぞれ同様の構成を有しており、送信するコマンドを一時記憶する記憶領域としてのコマンドバッファ(「CB」とも称する)、送信するコマンドの書込みや読出し等の処理を行うコマンド処理部、及び、シリアル通信によりコマンドを送信するコマンド送信部を備えてなる。
CBは、各々のアドレスによって区別される複数の記憶領域を有し、各々の記憶領域に1バイトのコマンドデータを記憶できるように構成されている。コマンド処理部は、送信するコマンドデータを生成し、それをCBの書込ポインタが示すアドレス領域に書き込むとともに、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、それをコマンド送信部のTDR(送信用データレジスタ)に書き込むように構成されている。コマンド送信部は、TDRに書き込まれたコマンドデータをTSR(送信シフトレジスタ)に移し、そこでシリアル変換して送信するように構成されている。
なお、パラレル通信方式で行う場合は、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から、以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータを所定の出力ポート(副制御手段に送信するための出力ポート)に書き込むことで送信するように構成される。本実施形態における1つのコマンドは、通常、2バイト構成である(チェックサムは1バイト構成)。また、通信方式は調歩同期式(非同期式)であり、1ビットのストップビット、1ビットのパリティビット(偶数パリティ)を有している(通信方式やコマンド構成は適宜変更可)。
《ゲーム数カウンタ値対応処理》
次に、遊技モード0で行われるゲーム数カウンタ値対応処理の具体例について、図18と図19を追加参照して説明する。遊技モード0では、ゲーム数カウンタ値対応処理として、以下の第1、第2の処理が行われる。第1の処理は、ゲーム数カウンタの値が所定の各経過値(例えば、100,300,600,950)に達したときに、確率状態設定フラグをセットするか否かを決定する抽選(「確率状態設定フラグセット抽選」とも称する)を行う処理である。確率状態設定フラグセット抽選に当選すると確率状態設定フラグがセットされ、確率状態設定フラグのセット後は毎遊技(ただし、遊技者に有利となり得る役が当選し、そのことを示唆するような演出等が実行される期間等は除いてもよい)、確率状態設定抽選が行われる。確率状態設定抽選とは、特典付与の発生割合に関連する状態を、通常確率状態(相対的に特典が付与され難い状態)に設定するのか、高確率状態(相対的に特典が付与され易い状態)に設定するのかを決定する抽選である(高確率状態を複数段階設定してもよい)。
確率状態設定フラグセット抽選において選出される選出値0,1(0は非当選、1は当選)と抽選置数(抽選に用いる乱数の全数値範囲は「256」)との対応関係の一例を、図18(A)~(D)の確率状態設定フラグセット抽選置数表(ゲーム数カウンタ値=100,300,600,950)に示している。図示のように各確率状態設定フラグセット抽選置数表では、各選出値の選出確率に設定差を設けていない(各選出値に対応する抽選置数が、設定1~6まで共通に設定されている)。また、ゲーム数カウンタの値が950のときは、当選確率が極めて高く設定されている。図19の確率状態設定抽選置数表には、確率状態設定抽選において選出される各選出値0~4と抽選置数(抽選に用いる乱数の全数値範囲は「256」)との対応関係の一例を示している。図示のように、この確率状態設定抽選置数表においても、各選出値の選出確率に設定差を設けていない。確率状態設定抽選において1つの選出値が選出されると、その選出された選出値に対応するゲーム数の期間が高確率状態に設定される。
なお、ゲーム数カウンタが上述の各経過値とは異なる値のときにも、確率状態設定フラグセット抽選を行うようにしてもよい。その場合は、毎遊技無条件で確率状態設定フラグセット抽選を行うようにしてもよいし、所定の役決定結果が選出された場合など所定の条件が成立したときのみ確率状態設定フラグセット抽選を行うようにしてもよい。また、この場合の確率状態設定フラグセット抽選における当選確率は、ゲーム数カウンタの値が上述の各経過値のときに行われる確率状態設定フラグセット抽選での当選確率よりも低く設定してもよい。
第2の処理は、ゲーム数カウンタの値が所定の天井値(例えば、1000)に達したときに、AT取得用第1特典の付与を決定する処理である。すなわち、遊技モード0に連続して滞在し続けると、ゲーム数カウンタの値が天井値に達した時点で、必ずAT取得用第1特典が付与される。先述したように、遊技モード0では、役決定結果等に応じてAT取得用第1抽選が行われるようになっており、この抽選に当選した場合にも、AT取得用第1特典が付与される。なお、高確率状態に設定されているときに、AT取得用第1特典が付与されると、それに応じて、AT取得レベルが「5」に設定される。後述するように、遊技モード4中に行われるAT取得用第2抽選では、AT取得レベルが「5」に設定されている場合は必ずAT取得用第2特典の付与が決定されるので、高確率状態に設定されているときにAT取得用第1特典が付与されると、AT取得用第2特典が付与されることも確定することになる。
また、ゲーム数カウンタの値が950のときに行われる確率状態設定フラグセット抽選では、当選確率が高く極めて設定されているので、この時点で確率状態設定フラグがセットされて高確率状態に設定される可能性は高い。さらに、その後は毎遊技、確率状態設定抽選が行われるので、ゲーム数カウンタの値が天井値に到達するまでに、確率状態設定抽選に当選(選出値1~4のいずれかが選出されることをいう)して高確率状態に設定され、高確率状態に設定されている期間内にゲーム数カウンタの値が天井値に到達する可能性も高い。したがって、ゲーム数カウンタの値が天井値に到達した時点では、高確率状態に設定されており、そこでAT取得用第1特典が付与される可能性も必然的に高くなる。このため、ゲーム数カウンタの値が天井値に到達すると、AT取得用第1特典が付与されるとともにAT取得レベルが「5」に設定されることによって、AT取得用第2特典の付与も確定するという事象(「特典ダブル獲得事象」とも称する)が高確率で発生することとなる。
特典が付与されることは、遊技者にとって大きな関心事であるので、特典が付与されたときは、そのことを遊技者に報知してもよい。例えば、特典が付与されたことを報知する画像演出を実行してもよいし、音声やランプにより特典が付与されたことを報知してもよい。また、高確率状態に設定されているときは、そのことを遊技者に報知してもよい。例えば、画像演出の背景を、通常確率状態に設定されているときは昼背景とし、高確率状態に設定されると夜背景に変更することによって報知することが挙げられる。
高確率状態に設定された時期に応じて、高確率状態に設定されたことを報知するか否かを決めてもよい。例えば、ゲーム数カウンタの値が天井値に到達する100ゲーム前までに高確率状態に設定されたときは必ず報知(夜背景を表示)し、それ以降(ゲーム数カウンタの値が「900」を超えているとき)に高確率状態に設定されたときは決して報知しない(昼背景を維持する)としてもよい。
上述したようにゲーム数カウンタの値が天井値に到達すると特典ダブル獲得事象が生じる可能性が高くなるが、それは、ゲーム数カウンタの値が天井値に到達した時点では、高確率状態に設定されているという第1の要素と、AT取得用第1特典が付与されるという第2の要素とが重なって起きる蓋然性が高いことによる。ゲーム数カウンタの値が天井値に到達したとき(「天井到達時」とも称する)に、高確率状態に設定されているのか否かが遊技者に分かっていると、天井到達時に、AT取得用第1特典が単独で付与されたのか、それとも特典ダブル獲得事象が生じたのかが、即座に遊技者に分かってしまう。そこで、高確率状態に設定されていてもそのことを報知しないとすれば、どちらの状況が生じたのかが遊技者に分かり難くすることができるので、天井到達時における遊技性を向上させて、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
また、高確率状態に設定されており、かつ、そのことが報知されている(夜背景が表示されている)ときにAT取得用第1特典が付与された場合(AT取得用第2特典の付与も確定しており、かつ、そのことが遊技者に分かり易い場合)には、遊技モード4に移行されたときの最初のゲーム開始時に、特別な背景(例えば、虹色の背景(「レインボー背景」とも称する))による画像演出を表示することにより、AT取得用第2特典が付与されていることを告知してもよい。一方、高確率状態に設定されているが、そのことが報知されていない(昼背景が表示されている)ときにAT取得用第1特典が付与された場合(AT取得用第2特典の付与も確定しているが、そのことが遊技者に分かり難い場合)には、遊技モード4に移行されたときの最初のゲーム開始時、AT取得用第1特典としての8回の入賞ナビのうちの半数程度が行われた時点、8回の入賞ナビが終了して後述のAT取得用第2抽選が行われる時点のいずれかのタイミングで、レインボー背景による画像演出を表示してAT取得用第2特典が付与されていることを告知してもよい。また、後者の場合で最初のゲーム開始時に告知する割合は、前者の場合で最初のゲーム開始時に告知する割合よりも低く設定してもよい。このように、内部的にAT取得用第2特典の付与が確定していても、そのことが、遊技モード4に移行されたときの最初のゲーム開始時に告知されない場合を備えることにより、遊技モード4に移行されたときに既にAT取得用第2特典の付与が確定していたのか、遊技モード4に移行後にAT取得用第2特典の付与が決定されたのかを遊技者が判別し難くなる。
また、高確率状態に設定された状態で電断し、設定変更が行われずに高確率状態に設定された状態のまま電断復帰したときは、その後に一度AT取得用第1特典が付与されるまでは、高確率状態に設定されていることを決して報知しないように構成してもよい。こうすることにより、設定変更が行われなかったことを判別することが困難となる。一方、設定変更が行われて電断復帰したときは、高確率状態に設定された場合にそのことを所定の割合(例えば、50%)で報知するように構成してもよい。こうすることにより、高確率状態に設定されたことが報知されたときに、設定変更が行われていたかもしれないという期待感を遊技者に持たせることができる。本実施形態では、高確率状態に設定されたときの有利点として、高確率状態中にAT取得用第1抽選に当選するとAT取得用第2特典も付与されるという有利点を設定したが、AT開始時の設定を有利なものとしてもよい。具体的には、ゲーム数管理のAT遊技が行われる場合に、通常は50ゲームのAT遊技が行われるのに対し、高確率状態中にATの権利を獲得した場合は、100ゲームのAT遊技が行われるようにしたり、通常はAT取得用第1特典として10回の入賞ナビが行われるのに対し、高確率状態中にAT取得用第1特典を獲得した場合は、20回の入賞ナビが行われるようにしたりすることが挙げられる。また、高確率状態中は、AT取得用第1抽選における当選確率を高く設定してもよい。
《AT上乗せ変換処理》
次に、遊技モード3で行われるAT上乗せ変換処理の具体例について、図20を追加参照して説明する。遊技モード3では、役決定結果に応じて、ATゲーム数の上乗せ数を決定するための抽選(「ボーナスAT中上乗せ抽選」とも称する)が行われる。図20のボーナスAT中上乗せ抽選置数表には、ボーナスAT中上乗せ抽選において選出される各選出値1~3と、上乗せゲーム数と、抽選置数(抽選に用いる乱数の全数値範囲は「256」)との対応関係の一例を示している。このボーナスAT中上乗せ抽選置数表は、ボーナスAT中上乗せ抽選が平均すると5ゲームに1回の割合で行われる仕様とする場合の各選出値と、それらに割り当てられた上乗せゲーム数及び抽選置数との対応関係を概略的に示すものである。例えば、入賞E2に当選したときは、上乗せゲーム数の10が選出されやすく、入賞G3に当選したときは、上乗せゲーム数の30が選出されやすくなっているが、概略的に示すと、上乗せゲーム数の10が選出されやすくなっている。このボーナスAT中上乗せ抽選置数表においては、各選出値の選出確率に設定差を設けていない(具体的には、設定差の無い役決定結果に限って行うようにしている(役決定結果以外の条件に基づいて行うようにしてもよい。その際は、設定値を参照することなく行うようにしてもよい))。ボーナスAT中上乗せ抽選において1つの選出値が選出されると、その選出された選出値に対応付けられている上乗せゲーム数がATゲーム数(ATゲーム数カウンタの値)に加算される。なお、各選出値の選出確率に設定差を設けてもよい。
また、遊技モード3では、最低保証としてATストックを1つ付与するために付与された30ゲームのATゲーム数と、遊技モード3中に行われたボーナスAT中上乗せ抽選で獲得された上乗せゲーム数との合計数(最終ゲームにおけるATゲーム数カウンタの値)を、最終ゲーム(40ゲーム目の遊技)において、ATストック数に変換する処理が行われる。具体的には、最終ゲームにおけるATゲーム数カウンタ値を所定数(例えば、AT遊技1回分の遊技数に該当する「30」とするが適宜変更可)で除し、その商の値(整数値まで求めて小数点以下(余り)は切り捨てる)をATストック数として記憶する(ATストック数を管理するATストック数カウンタに商の値をセットする)。例えば、最終ゲームにおけるATゲーム数カウンタ値が「158」の場合は、158÷30=5余り8となることから、ATストック数カウンタに「5」がセットされる。
図20のボーナスAT中上乗せ抽選置数表に示す抽選置数の例では、1回のボーナスAT中上乗せ抽選における上乗せゲーム数の期待値が15(=(10×220+30×28+100×8)÷256)に設定されている。遊技モード3中においてボーナスAT中上乗せ抽選は、平均すると5ゲームに1回の割合で行われる仕様なので、遊技モード3中の40ゲームにおいて獲得可能なATゲーム数の上乗せ数の期待値は「120」(=15×40÷5)、最終ゲームにおけるATゲーム数カウンタ値の期待値は「150」(=30+120)となるので、変換処理後のATストック数の期待値は「5」(=150÷30)となる。
一方、ボーナスAT中上乗せ抽選及び最終ゲームにおける変換処理を行わずに、遊技モード3において、ATストック数の上乗せ数を決める抽選(「ボーナスA中Tストック抽選」とも称する)を行うことも可能である。例えば、当選するとATストック数を「1」加算するボーナスAT中ストック抽選を行うようにしてもよい(非当選の場合は、ATストック数は加算されない)。この場合、遊技モード3中の40ゲーム間において獲得可能なATストック数の期待値を上述の例と同じく「4」に設定する場合、遊技モード3中におけるボーナスAT中ストック抽選の当選回数の合計値の期待値を「4」、すなわち、遊技モード3中において、ボーナスAT中ストック抽選に平均4回当選するという仕様にすることとなる。
したがって、遊技の興趣向上のためボーナスAT中ストック抽選に当選したしたときに、そのことを報知する演出を行うようにした場合でも、そのような演出を遊技モード3中に実行できる回数は、平均すると4回程度に限られてしまう。これに対し、ボーナスAT中上乗せ抽選及び最終ゲームにおける変換処理を行い、ボーナスAT中上乗せ抽選により上乗せゲーム数が決定される毎に、そのことを報知する演出(「ATゲーム数上乗せ演出」とも称する)を行う仕様とすれば、ATゲーム数上乗せ演出をより多く(上記例では平均すると5ゲームに1回なので計8回程度)行うことができる。したがって、ATストック数が加算されることに対する遊技者の期待感を的確に高めることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図20のボーナスAT中上乗せ抽選置数表に示す例では、1回のボーナスAT中上乗せ抽選において決定される上乗せゲーム数の最小値が「10」に、最大値が「100」に設定されている。上乗せゲーム数の最小値を「10」としたことで、遊技モード3中において最低でもボーナスAT中上乗せ抽選(ATゲーム数上乗せ演出)が3回行われれば、ATストック数が「1」加算されることが確定する。遊技モード3中では、平均すると8回のボーナスAT中上乗せ抽選が行われる仕様なので、この抽選が3回行われる可能性はかなり高い。したがって、遊技モード3中におけるATストック数の最低獲得個数(この場合は1個)を高い確率で保障することが可能となっている。また、1回のボーナスAT中上乗せ抽選において決定される上乗せゲーム数の最大値を「100」としたことで、遊技モード3中において獲得可能となるATストック数の最大値は、かなり大きいものとなる。例えば、遊技モード3中においてボーナスAT中上乗せ抽選が計8回行われ、毎回、上乗せゲーム数「100」が決定されたとすると、8回分の上乗せゲーム数の合計数は「800」となる。これと「30」とを加算した上乗せゲーム数をATストック数に変換すると「27」となる(830÷30=27余り20)。このような事態が生じる確率は低いものの、生じる可能性はあるので、ATストック数の大量加算に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。ATゲーム数上乗せ演出が1回しか行われなかったとしても、上乗せゲーム数「100」が決定されていれば、ATストック数「4」であるため、ATストック数の大量加算に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
AT上乗せゲーム数演出は、音声による演出であって、決定された上乗せゲーム数が判別できないようになっていてもよい。また、AT上乗せゲーム数演出は、ボーナスAT中上乗せ抽選が行われた遊技の全てではなく、ATゲーム数カウンタ値が30の倍数を超えた遊技において、実行されるようにしてもよい。ボーナスAT中上乗せ抽選を実行する回数やタイミングを予め定めてもよい。回数を固定することで最低限の上乗せゲーム数を保証し、タイミングを固定することで遊技者に注目させるタイミングが明確となる。ボーナスAT中はATストック数を抽選し、そのATストック数をボーナスAT終了時にATゲーム数に変換するようにしてもよい。
《AT取得用第2抽選》
次に、遊技モード4において行われるAT取得用第2抽選の具体例について、図21を追加参照して説明する。AT取得用第2抽選は、遊技モード2から遊技モード4に移行された場合に、カウンタ値が「8」にセットされる入賞ナビカウンタの値が、入賞ナビが実行される毎に「1」ずつ減算されて「0」に到達すると実行される。AT取得用第2抽選において選出される選出値0,1(0は非当選、1は当選)と、抽選置数(抽選に用いる乱数の全数値範囲は「256」)との対応関係の一例を、図21(A)~(F)の6個のAT取得用第2抽選置数表(AT取得レベル0の場合のものからAT取得レベル5の場合のものまで)に示している。図示のように各AT取得用第2抽選置数表では、各選出値の選出確率に設定差を設けていない。また、AT取得レベルが「0」から「5」まで1ずつ増えるごとに、当選確率が高くなるように設定されており、特に、AT取得レベル5の場合は、必ず当選するように設定されている。
AT取得用第2抽選は、遊技モード4中において、入賞ナビカウンタの値が「0」に到達したときに1回だけ行われる。変形例として、AT取得用第2抽選が、遊技モード4中において最低1回、最大で8回(回数は任意に設定可能)実行されるように設定してもよい。具体的には、入賞ナビカウンタの値が「0」に到達したときに行われるAT取得用第2抽選を1回目のものとし、そこで当選した場合には、2回目以降のAT取得用第2抽選は行わない。一方、1回目のAT取得用第2抽選で当選しなかった場合には、その後の7ゲームの間、前の遊技で当選していない限り毎遊技、AT取得用第2抽選を行う。そのため、6ゲーム終了までに当選していない場合は、計8回のAT取得用第2抽選が行われることになる。この変形例では、7ゲーム間において、AT取得用第2特典が付与されたかどうかを報知してもよい。また、役決定結果に応じてAT取得用第2抽選を行うようにしてもよい。
入賞ナビカウンタの値が「8」にセットされてから「0」に到達するまでの期間では、AT取得レベル格上げ抽選の結果等に基づきAT取得レベルに応じた演出を行うようにしてもよい。例えば、AT取得レベルに応じて背景色を変えた画像演出、具体的には、AT取得レベル0または1のときは青色背景の画像演出、AT取得レベル2のときは黄色背景の画像演出、AT取得レベル3のときは緑色背景の画像演出、AT取得レベル4のときは赤色背景の画像演出、AT取得レベル5のときはレインボー背景の画像演出を実行してもよい。
《AT上乗せ特化移行処理》
次に、遊技モード4において行われるAT上乗せ特化移行処理の具体例について、図22と図23を追加参照して説明する。遊技モード4中では、AT遊技の実行中に行われるAT上乗せ特化移行処理として、AT上乗せ抽選処理と、遊技モード5移行抽選処理と、AT中前兆ゲーム数設定処理が行われる。AT上乗せ抽選処理は、遊技モード4中でAT遊技が実行される間の毎遊技(ただし、所定の役決定結果(例えば、YK番号16)が選出されたときの遊技は除く)において、所定の特典、具体的には、遊技モード6に移行させる特典(「遊技モード6移行特典」とも称する)を付与するか否かを決めるための抽選(「AT上乗せ抽選」とも称する)を実行する処理である。
このAT上乗せ抽選において選出される選出値0,1(0は非当選、1は当選)と、抽選置数(抽選に用いる乱数の全数値範囲は「256」)との対応関係の一例を、図22(A),(B)の2個の遊技モード4AT上乗せ抽選置数表に示している。同図(A)の遊技モード4AT上乗せ抽選置数表は、抽選グループ番号が「0」のときに対応するものであり、同図(B)の遊技モード4AT上乗せ抽選置数表は、抽選グループ番号が「4」のときに対応するものである。図示のように各遊技モード4AT上乗せ抽選置数表では、各選出値の選出確率に設定差を設けていない。また、後述の遊技モード5AT上乗せ抽選置数表に比べて当選確率が低く設定されている。このAT上乗せ抽選で当選すると、所定のカウンタ(「遊技モード6移行カウンタ」とも称する)の値(初期値=0)が「1」だけ加算される。また、AT中前兆ゲーム数設定処理が行われて、別のカウンタ(「AT中前兆ゲーム数カウンタ」とも称する)の値(初期値=0)が所定の値(例えば「5」)に設定される(抽選等により値を決めてもよい)。
AT中前兆ゲーム数カウンタがセットされるとその後、当該遊技から毎遊技、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「1」ずつ減算され、その値が「0」に到達すると、遊技モード6移行カウンタの値に基づいて遊技モード6に移行させるための準備処理として遊技モード6突入処理が行われる。この遊技モード6突入処理では、遊技モードを遊技モード6にセットし、ATストック数カウンタに「1」を加算する。また、遊技モード6での滞在ゲーム数を管理するためのカウンタ(「遊技モード6滞在ゲーム数カウンタ」とも称する)の値(初期値=0)が「1」にセットされ、次の1ゲームだけ限定で遊技モード6(単発滞在の遊技モード6)に移行される。
また、AT中前兆ゲーム数カウンタがセットされると、次の遊技から副制御手段によって、遊技モード6移行特典が付与されたことを示唆するための演出(「前兆示唆演出」とも称する)や連続演出等が実行される。そして、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」に到達すると、当該遊技において、AT上乗せ抽選で当選したことを告知する演出(例えば、画像表示画面上に「WIN」の文字を表示する態様の演出で「WIN演出」とも称する)が行われ、さらに、次遊技(遊技モード6中の遊技)の遊技開始の所定のタイミング(例えば、ベット操作受付時またはスタートレバー操作受付時)において、ATストック数カウンタの値が「1」加算されたことを告知する演出(例えば、画像表示画面上に「V」の文字を表示する態様の演出で「V演出」とも称する)が行われる。なお、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」に到達したときの遊技が連続演出実行中の遊技であるときは、当該遊技ではWIN演出を行わず、連続演出終了後の遊技においてWIN演出を行うようにしてもよい。こうすることにより、遊技者の意識を連続演出に集中させることが可能となり、連続演出の結果(成果)としてWIN演出が行われたという感覚を遊技者に持たせることも可能となる。
遊技モード5移行抽選処理は、遊技モード4中でAT遊技が実行される間の毎遊技(ただし、所定の役決定結果(例えば、YK番号16)が選出されたときの遊技は除く)において、所定の特典、具体的には、遊技モード5に移行させる特典(「遊技モード5移行特典」とも称する)を付与するか否かを決めるための抽選(「遊技モード5移行抽選」とも称する)を実行する処理である。この遊技モード5移行抽選は、例えば、遊技モード4中のAT上乗せ抽選で非当選のときの遊技において実行される。
遊技モード5移行抽選において選出される選出値0,1(0は非当選、1は当選)と、抽選置数(抽選に用いる乱数の全数値範囲は「256」)との対応関係の一例を、図23(A),(B)の2個の遊技モード5移行抽選置数表に示している。同図(A)の遊技モード5移行抽選置数表は、抽選グループ番号が「0」のときに対応するものであり、同図(B)の遊技モード5移行抽選置数表は、抽選グループ番号が「6」のときに対応するものである。図示のように各遊技モード5移行抽選置数表では、各選出値の選出確率に設定差を設けていない。この遊技モード5移行抽選で当選すると、AT中前兆ゲーム数設定処理が行われて、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が所定の値(例えば「3」)に設定される(抽選等により値を決めてもよい)。
AT中前兆ゲーム数カウンタがセットされると、その後毎遊技、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「1」ずつ減算され、その値が「0」に到達すると、遊技モードが遊技モード5にセットされ、次遊技から遊技モード5に移行される。また、AT中前兆ゲーム数カウンタがセットされると、次の遊技から副制御手段によって、前兆示唆演出が実行される。なお、遊技モード5移行抽選において、当選に該当する選出値を複数設け(例えば、1~4)、その選出値に応じて遊技モード5中で行われる上乗せ抽選での当選確率が異なるように設定してもよい。AT中前兆ゲーム数カウンタがセットされカウントされている最中においても、AT上乗せ抽選処理、遊技モード5移行抽選処理を行い、当選した場合にはその結果をストックする。AT中前兆ゲーム数設定処理は、AT上乗せ抽選に当選した場合、遊技モード5移行抽選に当選し場合、または、これらのストックがある場合で、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」のときのみ行われる。このとき、先に設定された前兆ゲーム数がある場合は、後から設定された前兆ゲーム数は、遊技モード5,6の終了後、遊技モード4に戻った際に設定される。
遊技モード4中でのAT遊技の実行期間において、所定の役決定結果(例えば、YK番号16)が選出されたときは、上記とは異なる処理が行われる。すなわち、遊技モード6(連続滞在の遊技モード6)への移行の可否を管理するための所定のフラグ(「上乗せ特化フラグ」とも称する)が「1」にセットされ、遊技モード6移行カウンタの値が「1」にセットされる。また、AT中前兆ゲーム数カウンタの値も「1」にセットされる。
AT中前兆ゲーム数カウンタが「1」にセットされると、当該遊技においてAT中前兆ゲーム数カウンタの値が「1」減算されることにより、その値が「0」に到達するので、当該遊技において遊技モード6突入処理が行われる。このときの遊技モード6突入処理では、遊技モードを遊技モード6にセットし、ATストック数カウンタに「1」を加算する。また、遊技モード6滞在ゲーム数カウンタの値に「32」がセットされ、次遊技から遊技モード6(連続滞在の遊技モード6)に移行される。また、所定の役決定結果が選出された遊技においては、有利な状態が発生することを示唆する演出(上記WIN演出と同態様の演出としてもよいし別態様の演出としてもよい)が、副制御手段により実行されるようにしてもよい。
《遊技モード5における処理》
次に、遊技モード5で行われる処理の具体例について、図24を追加参照して説明する。遊技モード5中では、遊技モード4中で行われるのと同様のAT上乗せ抽選処理が行われる。このAT上乗せ抽選処理は、遊技モード5中において毎遊技(例えば、スタートレバー操作受付時において)、AT上乗せ抽選を実行する処理である。このAT上乗せ抽選において選出される選出値0,1(0は非当選、1は当選)と抽選置数(抽選に用いる乱数の全数値範囲は「256」)との対応関係の一例を、図24(A),(B)の2個の遊技モード5AT上乗せ抽選置数表に示している。
同図(A)の遊技モード5AT上乗せ抽選置数表は、抽選グループ番号が「0」のときに対応するものであり、同図(B)の遊技モード5AT上乗せ抽選置数表は、抽選グループ番号が「4」のときに対応するものである。図示のように各遊技モード5AT上乗せ抽選置数表では、各選出値の選出確率に設定差を設けていない。また、当選確率は、遊技モード4AT上乗せ抽選置数表に比べて高く設定されている。このAT上乗せ抽選で当選すると、当該遊技において、遊技モード6移行カウンタの値が「1」だけ加算され、遊技モード6突入処理が行われる。この遊技モード6突入処理では、遊技モードを遊技モード6にセットし、ATストック数カウンタに「1」を加算する。また、遊技モード6滞在ゲーム数カウンタの値が「1」にセットされ、次の1ゲームだけ限定で遊技モード6(単発滞在の遊技モード6)に移行される。
遊技モード5中は、副制御手段によって連続演出が実行される。また、遊技モード5中のAT上乗せ抽選で当選したときには、当該遊技においてWIN演出が行われ、さらに、次遊技のスタートレバー操作受付時においてV演出が行われる。なお、遊技モード5中に複数回行われるチャンスがあるAT上乗せ抽選においていずれも当選しなかった場合には、遊技モード5中の最終遊技において遊技モードが遊技モード4にセットされ、次遊技から遊技モード4に移行される。
《遊技モード6における処理》
次に、遊技モード6で行われる処理の具体例について、図25を追加参照して説明する。遊技モード6中に主制御手段側で行われる処理の流れは、上乗せ特化フラグが「1」にセットされている場合と、上乗せ特化フラグが「1」にセットされていない場合とで共通しているが、処理の具体的内容は少し異なる。具体的には、いずれの場合もATストック加算処理が行われる。このATストック加算処理は、遊技モード6中での毎遊技において、ATストック数カウンタの値に加算する数値(「上乗せATストック数」とも称する)を決めるための抽選(「ATストック数カウンタ加算抽選」とも称する)を実行する処理である。このATストック数カウンタ加算抽選は、上乗せ特化フラグが「1」にセットされていない場合には単発的に1ゲームだけ行われ、上乗せ特化フラグが「1」にセットされている場合には32ゲーム間、毎遊技行われる。すなわち、どちらの場合も、ATストック数カウンタ加算抽選が行われるという点において処理内容が共通しているので、共通の処理プログラムを用いることができる。そのため、別個の処理プログラムを用いて異なる抽選処理を行うようにした場合に比べて、記憶しておかなければならないデータ量を少なくすることができるので、ROM等の記憶容量を圧迫する虞が少ない。ただし、上乗せ特化フラグが「1」にセットされているか否かによって、ATストック数カウンタ加算抽選における当選確率は異なる(上乗せ特化フラグが「1」にセットされている場合の方が当選確率が高い)ように設定されている。
図25(A)のATストック数カウンタ加算抽選置数表(上乗せ特化フラグ=0、抽選グループ番号3)は、ATストック数上乗せ特化フラグが「1」にセットされていない場合のATストック数カウンタ加算抽選において選出される選出値0~3(それぞれ上乗せATストック数0~3に対応付けられている)と、抽選置数(抽選に用いる乱数の全数値範囲は「256」)との対応関係の一例を示している。図25(B)のATストック数カウンタ加算抽選置数表(上乗せ特化フラグ=1、抽選グループ番号3)は、ATストック数上乗せ特化フラグが「1」にセットされている場合のATストック数カウンタ加算抽選において選出される選出値0~3と、抽選置数の対応関係の一例を示している。どちらのATストック数カウンタ加算抽選置数表も、抽選グループ番号が「3」のときに対応するものである。
図示のように各ATストック数カウンタ加算抽選置数表では、各選出値の選出確率に設定差を設けていない。また、当選確率(選出値1~3のいずれかが選出される確率)は、上乗せ特化フラグが「1」にセットされている場合の方が、セットされていない場合よりも高くなるように設定されている。ATストック数カウンタ加算抽選が行われると、その選出値に対応付けられた数値分の上乗せATストック数(例えば、選出値2のときは「2」)が、ATストック数カウンタの値に加算される。なお、遊技モード6中では、遊技モード6滞在ゲーム数カウンタの値が毎遊技「1」ずつ減算され、その値が「0」に到達すると、当該遊技において遊技モードが遊技モード4にセットされ、次遊技から遊技モード4に移行される。
遊技モード6中に、副制御手段側で行われる処理(演出)に関しては、上乗せ特化フラグが「1」にセットされているか否かによって異なる点が多いが、類似点もある。類似点としては、ATストック数カウンタ加算抽選で当選してATストック数カウンタの値が加算された場合、当該遊技において、そのことを告知する告知演出(例えばV演出)が行われることが挙げられる。また、その場合の告知演出は、当該遊技において、加算された数値の回数分行われることも類似点として挙げられる。ただし、上乗せ特化フラグが「1」にセットされていない場合の、1ゲーム限定で滞在する遊技モード6中の遊技が、連続演出実行中の遊技であるときは、当該遊技でのATストック数カウンタ加算抽選の結果、ATストック数カウンタの値が加算されたとしても、当該遊技では告知演出を行わず、連続演出終了後の遊技で告知演出を行うようにしてもよい。こうすることにより、ATストック数カウンタ加算抽選で当選する確率が低い、上乗せ特化フラグが「1」にセットされていない場合には、遊技者の意識を連続演出に集中させることが可能となる。なお、前述したように、遊技モード4,5中におけるAT上乗せ抽選に当選した場合に付与されるATストックの告知(V演出)は、遊技モード6中で行われる。そのため、遊技モード6中におけるATストック数カウンタ加算抽選で当選した場合は、その当選により付与されるATストックの告知が、遊技モード4,5中のAT上乗せ抽選により付与されたATストックの告知の後に行われる。
一方、相違点としては、上乗せ特化フラグが「1」にセットされている場合のみ行われる演出があることが挙げられる。例えば、上乗せ特化フラグが「1」にセットされている場合には、遊技モード6に滞在中、第2AT遊技が行われていること(ATストック数の加算が有利に行われる特化ゾーンに滞在していること)を報知する演出(「特化ゾーン中演出」とも称する)が行われる。また、遊技モード6中において複数ゲームに亘る連続演出が行われることがあり、この連続演出実行中の遊技においてATストック数カウンタの値が加算された場合は、連続演出が実行されていない遊技においてATストック数カウンタの値が加算された場合とは異なる告知演出(例えば、連続演出非実行中は画像+ランプ+音声により告知するが、連続演出実行中は音声のみで告知する)が行われる。さらに、遊技モード6に移行した最初の遊技の所定のタイミング(例えば、ベット操作受付時またはスタートレバー操作受付時)においては、第2AT遊技が開始されること(特化ゾーンに移行すること)を報知する演出(「特化ゾーン開始演出」とも称する)が行われる。連続演出実行中であってもATストック数カウンタの値が加算されたことを告知することによって、ATストック数が上乗せされることに対して常に(連続演出によって中断されることなく)遊技者の関心を引き付けることが可能となる。また、これにより、ATストック数の上乗せが頻繁に起きるという感覚を遊技者に持たせることができるので、遊技性も向上する。
なお、先述したように、上乗せ特化フラグが「1」にセットされていない場合には、遊技モード6中での遊技のベット操作受付時またはスタートレバー操作受付時に、遊技モード6突入処理においてATストック数カウンタの値が「1」加算されたことを告知するV演出が行われる。上乗せ特化フラグが「1」にセットされている場合にも、遊技モード6突入処理においてATストック数カウンタの値が「1」加算されることは共通しているので、遊技モード6に移行された最初の遊技のベット操作受付時またはスタートレバー操作受付時等に、同様のV演出を行うようにしてもよい。ただし、上乗せ特化フラグが「1」にセットされている場合には、同じタイミングで特化ゾーン開始演出が実行されるので、このタイミングにおけるV演出(遊技モード6突入処理においてATストック数カウンタの値が「1」加算されたことを告知するV演出)は行わないようにしてもよい。これにより、特化ゾーン開始演出に遊技者の意識を集中させることが可能となる。
《遊技モード7突入処理》
次に、遊技モード4中において、ATゲーム数カウンタの値が「0」に到達したときに行われる遊技モード7突入処理について説明する。この遊技モード7突入処理では、AT遊技の継続の可否を管理するためのAT継続フラグを「1」(AT遊技が継続されることを示す)にセットするのか、「0」(AT遊技が継続されないことを示す)とするのかが決定される。AT継続フラグのセットの有無は、幾つかの条件に基づいて決定されるが、多くの場合、所定の抽選(「AT継続抽選」とも称する)の結果に基づいて決定される。このAT継続抽選では、複数の選出値(例えば、0~4)の中から当選値として1つが選出され、その当選値が所定のカウンタ(「AT継続判定用カウンタ」とも称する)の値(初期値=0)に加算される。なお、AT継続抽選は、ATレベルカウンタの値に基づいて行われ、当選値として1~4のいずれかの数値が選出された場合に、AT継続フラグが「1」にセットされる。ATレベルカウンタの値は、例えば、0~4の数値範囲内で設定可能とされ(初期値=0)、数値が大きいほど、遊技モード7突入処理中のAT継続抽選での当選確率(1~4のいずれかの当選値が選出される確率)が高くなるように設定されている。なお、ATレベルカウンタの値は、30ゲームのAT遊技が開始するときに、いずれかの値が設定され、その後の様々な条件により新たな値が設定されるようになっている。
《遊技モード7における処理》
次に、遊技モード7で行われる処理の具体例について、図26と図27を追加参照して説明する。遊技モード7中のAT継続判定遊技では、主制御手段によってAT継続抽選(選出値等は遊技モード7突入処理中のAT継続抽選と同じとするが変えてもよい)が行われる。この遊技モード7中のAT継続抽選は、役決定結果(設定差の無い役決定結果に限ってもよい)に基づいて行われ、そこで当選した場合(1~4のいずれかの選出値が選出された場合)には、その選出値がAT継続判定用カウンタの値に加算される。また、当該時点でAT継続フラグが「0」の場合(遊技モード7突入処理中のAT継続抽選で当選しておらず、かつ、遊技モード7中の前遊技までのAT継続抽選でも当選していない場合が該当する)には、AT継続フラグが「1」にセットされるとともに、ATレベルカウンタの値が「1」加算される。ATレベルカウンタの値が加算されることにより、次の遊技モード7突入処理中で行われるAT継続抽選における当選確率が高くなるので、結果として、AT遊技が継続され易くなるという特典が遊技者に付与されたことになる。なお、遊技モード7に移行された時点ではAT遊技が継続されることが決定されておらず、遊技モード7中のAT継続抽選によりAT遊技が継続されることが決定されることを「AT引き戻し」とも称する。
遊技モード7中の最終遊技では、AT継続フラグの値とAT継続判定用カウンタの値とに基づいて、次に移行される遊技モードが決定される。具体的には、AT継続フラグが「0」の場合には、AT遊技は継続されず、次遊技から遊技モード0に移行される。一方、AT継続フラグが「1」の場合には、AT継続判定用カウンタの値によって遊技モード4に移行されるのか遊技モード8に移行されるのかが決定される。すなわち、AT継続判定用カウンタの値が所定値(例えば「3」)以上のときは次遊技から遊技モード8に移行され、所定値未満のときは次遊技から遊技モード4に移行される。なお、遊技モード7中において特定の役決定結果(例えば、中段チェリー)が選出されたときは、当該遊技におけるAT継続抽選により有利な結果が得られる(例えば、当選値3または当選値4が必ず選出され、これによりAT遊技が継続されることが確定するとともに、遊技モード7の後に遊技モード8に移行されることが確定する)ように設定してもよい。以下、遊技モード7中において特定の役決定結果が選出されることを「特定役引き当て」とも称する。
また、遊技モード7中においては、副制御手段によって所定パターンによる演出が行われる。そのような演出パターンの例として、図26に3つの画像演出パターンを示している。図26(A)は、遊技モード7に移行された時点で既にAT遊技が継続されることが決定されている場合(「突入時AT継続確定の場合」とも称する)の1つの演出パターンを示している。この例では、遊技モード7中の1ゲーム目から最終遊技直前のゲーム(7ゲーム目とする)までは、AT遊技の継続を目指していることを示す演出、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが格闘する態様のバトル画像を表示するバトル演出が連続して行われる。また、7ゲーム目の遊技終了のタイミング(例えば、全リール停止時)において、AT遊技が継続されないことを告知する演出、例えば、味方キャラクタが敗北したことを示す敗北演出が行われ、その後、AT遊技が終了したことを告知する演出、例えば、AT遊技の結果(獲得総数)を示す終了画像(図27(A)を参照)を表示する終了演出が行われる。そして、遊技モード7中の最終遊技(8ゲーム目とする)の遊技開始のタイミング(例えば、ベット操作またはスタートレバー操作受付時)において、AT遊技が継続されることを告知する演出、例えば、敗北した味方キャラクタに別の味方キャラクタAが声援を送る声援画像(図27(B)を参照)の後に、敗北したはずの味方キャラクタが復活する復活画像(図27(C)を参照)を表示し、その後に、敵キャラクタに勝利する勝利画像(図27(D)を参照)を表示する復活演出Aが行われる。
なお、突入時AT継続確定の場合は、1ゲーム目から7ゲーム目(この場合の最終遊技)まで、バトル演出が連続して行われ、7ゲーム目の遊技終了のタイミングにおいて、勝利演出が行われる演出パターンも有している。
図26(B)は、遊技モード7に移行された時点ではAT遊技が継続されることが決定されておらず、遊技モード7中においてAT遊技が継続されることが決定された場合(AT引き戻しの場合)の1つの演出パターンを示している。この例では、遊技モード7中の1ゲーム目から7ゲーム目までは、図26(A)の場合と同じようにバトル演出が連続して行われる。また、7ゲーム目の遊技終了のタイミングにおいても、同じように敗北演出と終了演出が行われる。そして、遊技モード7中の8ゲーム目(最終遊技)において、AT遊技が継続されることを告知する演出として、復活演出Aとは態様が異なる演出、例えば、敗北した味方キャラクタに別の味方キャラクタBが声援を送る声援画像(図27(B)を参照)の後に、味方キャラクタが復活する復活画像と、敵キャラクタに勝利する勝利画像とを順次表示する復活演出Bが行われる。
復活演出Bは、AT引き戻しの場合に限って行われる、この場合専用の復活演出としてもよい。上述したようにAT引き戻しが生じたときは、ATレベルカウンタの値が「1」加算されて、次の遊技モード7突入処理中で行われるAT継続抽選における当選確率が高くなるという有利な状況となっている。このため、AT引き戻しの場合専用として復活演出Bを行うことにより、遊技者にそのことを伝えることが可能となる。また、終了演出後に復活演出Bが行われることを願う遊技者の期待感を高めることができるので、遊技の興趣向上に繋げることが可能となる(味方キャラクタAではなく、味方キャラクタBが声援を送っていたことによって伝えることが可能となる)。なお、復活演出Bは、AT引き戻しの場合の中でも、特に、特定役引き当てによりAT引き戻しが生じた場合に限って行われる、この場合専用の復活演出としてもよい。
図26(C)は、遊技モード7に移行された時点ではAT遊技が継続されることが決定されておらず、遊技モード7中においてもAT遊技が継続されることが決定されなかった場合(AT非継続の場合)の1つの演出パターンを示している。この例では、遊技モード7中の1ゲーム目から7ゲーム目(この場合の最終遊技)まで、バトル演出が連続して行われる。そして、7ゲーム目の遊技終了のタイミングにおいて、敗北演出と終了演出が行われる。この場合は、復活演出は行われない。
《注意喚起画像の表示》
次に、注意喚起画像の表示について図28を追加参照して説明する。スロットマシン1では、遊技へのめり込み(遊技者が自身の資力を超えて遊技を継続すること)を防止するための注意喚起画像を表示するように構成されている。図28(A)は、画像表示装置により注意喚起画像を表示した例を示している。この例では、遊技者が視認し易いように、注意喚起画像を表示画面上の中央部に大きく表示している(表示位置は、中央部には限られない)。また、注意喚起画像が表示されていることを遊技者に認識させるために、注意喚起画像は表示を開始してから所定期間(例えば、少なくとも3秒間)は、継続して表示するようにしている。
注意喚起画像は、様々なタイミングで表示させることができる。ここでは、図26に示すタイミングチャートを参照して、AT遊技が終了するタイミングで(遊技モード7における終了演出の実行中に)注意喚起画像を表示させる例について説明する。まず、図26(C)のAT非継続の場合の対応例について説明する。AT非継続の場合に終了演出が行われるというのは、実際にAT遊技が継続されずに終了する場合である。この場合は、図28(B)に示すように、終了画像の中央部に注意喚起画像を表示させる。また、一旦注意喚起画像を表示させた場合には、3秒間は表示を継続して行う。これは、次遊技が開始(ベット操作またはスタートレバー操作)されて、終了画像から通常遊技中の画像に切り替えられたとしても、その通常遊技中の画像の中央部に注意喚起画像を表示し続けるようにする。終了画像は、AT遊技が終了するという、遊技の流れの中での大きな区切りとなるときに表示されるので、そこで注意喚起画像を表示させることにより、遊技へののめり込みを効果的に防止することが可能となる。
一方、図26(A),(B)に示すように、復活演出が行われるときの終了演出は、実際の状況とは異なる状況にあることを示唆するフェイク演出であり、実際にはAT遊技が継続される。したがって、AT遊技が終了するときに注意喚起画像を表示するという趣旨からは外れるので、この場合は、終了演出の実行中に注意喚起画像を表示しなくてもよい。しかし、この場合に注意喚起画像を表示しないと、このときの終了演出がフェイク演出であることが遊技者に分かってしまう。そこで、AT非継続の場合と同様にこの場合も、終了画像の中央部に注意喚起画像を表示させてもよい。どちらの場合でも同じように注意喚起画像を表示させることにより、AT遊技が継続されるのかどうかを終了演出によって判断することが困難となる。
また、復活演出が行われるときの終了演出において注意喚起画像を表示させた場合でも、表示開始から3秒間は表示を継続して行うことが可能である(これにより処理を共通化できる)。例えば、注意喚起画像を表示させてから時間を置かずに次遊技が開始されて終了演出から復活演出に切り替えられた後も、注意喚起画像を継続して表示してもよい。この場合、図28(C)に示すように、復活演出の表示画像(ここでは声援画像)の中央部に、注意喚起画像を大きく表示し続けることもできる。しかし、そうすると、声援画像の中央部(特徴部分)が注意喚起画像によって覆われてしまうので、味方キャラクタAが声援を送る声援画像が表示されているのか、味方キャラクタBが声援を送る声援画像が表示されているのかが遊技者に分かり難くなる。そこで、声援画像が表示されるときは、図28(D)に示すように、声援画像が表示されていることが遊技者にはっきりと分かるように、注意喚起画像を画面の隅部に表示してもよい。これにより、注意喚起画像を表示し続けても、復活演出(この場合は復活演出B)が行われていることを、遊技者が明確に認識することが可能となるので、復活演出による遊技性(ATを引き戻せたという喜びを遊技者に与えること)を損なうことがない。なお、図28(B)に示すように終了画像の中央部に注意喚起画像を表示させるということは行わず、はじめから、終了画像の隅部(図28(D)に示す表示位置と同じ表示位置)に表示するようにしておいてもよい(これにより注意喚起画像の表示位置を変更する処理が不要となる)。声援画像が表示されるときは、注意喚起画像の表示を中止してもよい(3秒間表示しなくてもよい)。また、3秒間の表示を担保するために3秒間操作不能な期間を設けてもよい。この場合、操作不能な期間に操作があったとしても、次遊技は開始(ベット操作またはスタートレバー操作)されず、通常遊技中の画像に切り替えられることも、声援画像に切り替えられることもない。
[主要な制御処理]
以下、スロットマシン1の主制御手段100において行われる制御処理のうち、特に、遊技進行制御処理とタイマ割込処理について、図29~図36を追加参照して説明する。なお、以下の説明において幾つかの一般的なCPUレジスタやフラグについて記載することがある。それらについてここで簡単に説明する。Aレジスタは、演算に用いるデータをセットしたり、演算結果をセットしたりするのに用いられる専用レジスタである。Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタは、様々な目的に使用できる汎用レジスタであり、ペアレジスタ(BCレジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ)としても使用される。Rレジスタは、順次更新される所定のカウンタ値を記憶するレジスタである。Fレジスタは、演算の結果生じる所定の条件を記憶するレジスタであり、その幾つかのビットが、キャリーフラグ、ゼロフラグ、第2ゼロフラグとして構成されている。キャリーフラグは、演算した結果、キャリーが発生したときに、セット(「1」が記憶)されるフラグであり、ゼロフラグは、直前の演算結果が「0」であるときにセット(「1」が記憶)されるフラグである。また、第2ゼロフラグは、所定のレジスタ(例えば、Aレジスタ)にデータをセットしたとき、そのデータが「0」であったときにセット(「1」が記憶)されるとともに、ゼロフラグがセット(「1」が記憶)されたときにもセット(「1」が記憶)されるフラグである。
<遊技進行制御処理>
遊技進行制御処理は、遊技中に繰り返し実行される基本的な処理であり、図29に示すように、スタートレバー25の操作が受け付けられるまでその状態で待機し(ステップS1)、受け付けられると役決定処理を行う(ステップS2)。この役決定処理では、16ビット乱数RL0が発生する乱数値に基づき、役決定結果(YK番号)が選出される。選出された役決定結果の情報は、RAM63の所定の記憶領域に保存される。
役決定処理を行った後、遊技モード共通開始時処理を行う(ステップS3)。この遊技モード共通開始時処理は、いずれの遊技モードに滞在中であっても共通に行われる処理である(詳細は省略)。遊技モード共通開始時処理の後、遊技モード別開始時処理を行う(ステップS4)。遊技モード別開始時処理とは、設定されている遊技モードごとに行われる各開始時処理の総称である。この遊技モード別開始時処理については、遊技モード4レバー時処理、遊技モード5レバー時処理、遊技モード6レバー時処理、及び遊技モード7レバー時処理を例に挙げて、後ほど詳述する。
遊技モード別開始処理を終えるとステップS5に進む。このステップS5ではフリーズフラグ(フリーズを行うか否かを管理するフラグ)がONであるか否かを判定する。ここで、フリーズフラグがONである場合には、所定の設定時間だけフリーズを行い(ステップS6)、フリーズ実行後にフリーズフラグをクリアし(ステップS7)、ステップS8に進む。一方、フリーズフラグがONでない場合には、ステップS6,S7の処理は行わずにステップS8に進み、押しナビ処理(役決定結果等に応じて上述の押しナビを実行する処理)を行う。
押しナビ処理の終了後、回胴開始処理を行う(ステップS9)。具体的には、各リールの回転開始から定速状態に至るまでの回転状態を管理する。次いで、回胴停止処理を行う(ステップS10)。具体的には、ストップスイッチの操作が受け付けられた場合に、その受け付けたタイミング(押し位置や押し順)と役決定の結果に応じて停止可能位置を定め、リールの減速から停止に至るまでの回転状態を管理する処理を行う。回胴停止処理を行った後、遊技モード別終了時処理(リール停止後に、設定されている遊技モード別に行われる処理)を行う(ステップS11)。この遊技モード別終了時処理については、遊技モード4全停時処理、遊技モード5全停時処理、遊技モード6全停時処理、及び遊技モード7全停時処理を例に挙げて、後ほど詳述する。遊技モード別終了処理を終えると、遊技モード共通終了時処理(設定されている遊技モードに拘わらず、リール停止後に共通に行われる処理)を行い(ステップS12)、ステップS1に戻る。
次に、遊技モード別開始時処理と遊技モード別終了時処理の一例として、遊技モード4レバー時処理と遊技モード4全停時処理について説明する。これらは、遊技モード4滞在中に行われる処理である。遊技モード4レバー時処理では、図30(A)に示すように、まず、入賞ナビカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS101)。ここで、入賞ナビカウンタの値が「0」でない場合(遊技モード4に移行されてから8回の入賞ナビが実行されるまでの期間がこの場合に該当する)は、ステップS102に進み、AT取得レベル格上げ処理を行う。具体的には、前述のAT取得レベル格上げ抽選を行い、その時点でのAT取得レベルの値よりも高い当選値が得られた場合は、その当選値を新たなAT取得レベルの値として記憶する。
次いで、押し順ベルが当選したか否かを判定する(ステップS103)。ここで、押し順ベルが当選の場合には、入賞ナビカウンタの値を「1」減算し(ステップS104)、入賞ナビカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、入賞ナビカウンタの値が「0」である場合は、ステップS106に進み、AT取得処理を行う。具体的には、AT取得レベルの値に応じて前述のAT取得用第2抽選を行い、当選した場合は、ATゲーム数カウンタに「30」がセットされる。なお、前述したように変形例として、このときのAT取得用第2抽選で当選しなかった場合に、AT取得用第2抽選が、当選するまでその後毎遊技最大で7回行われ、当選したときの遊技において、ATゲーム数カウンタに「30」がセットされるようにしてもよい。AT取得処理を後えると、遊技モード4レバー時処理からリターンする。また、ステップS103において押し順ベルが非当選の場合にはステップS104~S106の処理は行わずにリターンし、ステップS105において入賞ナビカウンタの値が「0」でない場合にはステップSS106の処理は行わずにリターンする。
一方、最初のステップS101において入賞ナビカウンタの値が「0」である場合には、ステップS107に進み、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ここで、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」である場合は、役決定においてYK番号16(再遊技G1)が選出されたか否かを判定し(ステップS108)、選出されていない場合にはステップS109に進む。ステップS107においてAT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」でない場合は、直接ステップS109に進む。このステップS109では、上乗せ処理を行う。具体的には図30(B)に示すように、AT上乗せ抽選を行い(ステップS116)、当選したか否かを判定する(ステップS117)。ここで、当選の場合には、ステップS118に進み、遊技モード6移行カウンタの値を「1」だけ加算してからリターンし、非当選の場合には、そのままリターンする。
AT上乗せ抽選の後、図30(A)のステップS110に進み、遊技モード5移行抽選処理を行う。この遊技モード5移行抽選処理は、ステップS116のAT上乗せ抽選で非当選のときに実行される処理であり、具体的には、遊技モード5移行抽選を行う。遊技モード5移行抽選処理後はステップS111に進み、AT中前兆ゲーム数設定処理を行う。このAT中前兆ゲーム数設定処理は、AT上乗せ抽選に当選した場合と遊技モード5移行抽選に当選した場合とに行われる。具体的には、AT中前兆ゲーム数カウンタに所定値(例えば、AT上乗せ抽選に当選の場合は「5」、遊技モード5移行抽選に当選した場合は「3」)を設定する。AT中前兆ゲーム数設定処理を後えると、遊技モード4レバー時処理からリターンする。
また、ステップS108の判定において、YK番号16が選出された場合には、上乗せ特化フラグに「1」をセットし(ステップS112)、遊技モード6移行カウンタの値を「1」にセットし(ステップS113)、さらに、AT中前兆ゲーム数カウンタの値を「1」にセットし(ステップS114)、遊技モード別開始時処理からリターンする。
次に、遊技モード4全停時処理では、図31(A)に示すように、まず、入賞ナビカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS121)。ここで、入賞ナビカウンタの値が「0」でない場合には、遊技モード4全停時処理を終了してそのままリターンする。入賞ナビカウンタの値が「0」である場合には、ATゲーム数カウンタの値を「1」減算し(ステップS122)、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」よりも大きい(AT中前兆ゲーム数カウンタがセット中である)か否かを判定する(ステップS123)。ここで、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」よりも大きい場合には、AT中前兆ゲーム数カウンタの値を「1」減算し(ステップS124)、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」となったか否かを判定する(ステップS125)。
この判定で、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」でない場合には、そのまま遊技モード4全停時処理を終了してリターンし、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」である場合には、ステップS126に進み、遊技モード6移行カウンタの値が「0」よりも大きいか否かを判定する。ここで、遊技モード6移行カウンタの値が「0」よりも大きくない場合には、遊技モードを遊技モード5にセットし(ステップS127)、遊技モード4全停時処理を終了してリターンする。一方、遊技モード6移行カウンタの値が「0」よりも大きい場合には、ステップS128に進み、遊技モード6突入処理を行う。
この遊技モード6突入処理では、図31(B)に示すように、まず、遊技モードを遊技モード6にセットする(ステップS131)。次に、ATストック数カウンタに「1」を加算し(ステップS132)、上乗せ特化フラグが「1」にセットされているか否かを判定する(ステップS133)。ここで、上乗せ特化フラグが「1」にセットされている場合には、ステップS134に進み、遊技モード6滞在ゲーム数カウンタの値を「32」にセットしてリターンし、上乗せ特化フラグが「1」にセットされていない場合には、ステップS135に進み、遊技モード6滞在ゲーム数カウンタを「1」にセットしてリターンする。この遊技モード6突入処理後、遊技モード4全停時処理を終了してリターンする。
図31(A)のステップS123の判定において、AT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」よりも大きくない場合には、ステップS129に進み、ATゲーム数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ここで、ATゲーム数カウンタの値が「0」でない場合には、遊技モード4全停時処理を終了してリターンする。一方、ATゲーム数カウンタの値が「0」である場合には、ステップS130に進み、遊技モード7突入処理を行う。この遊技モード7突入処理を実行した後は、遊技モード4全停時処理を終了してリターンする。また、図示しないが、ステップS121の判定において入賞ナビカウンタの値が「0」となった場合で、かつ、ステップS106のAT取得処理で非当選となった遊技では、遊技モードが遊技モード0に設定される(AT取得用第2抽選を1回だけ行う場合には抽選にはずれたことに基づいて遊技モード0を設定し、複数ゲームの間AT取得第2抽選を行う場合には複数ゲームの終了時に抽選に当選していないことに基づいて遊技モード0を設定する)。また、本実施形態では、ATゲーム数が0となってもAT中前兆ゲーム数カウンタの値が「0」よりも大きい場合には遊技モード7突入処理を行わない。言い換えると、AT上乗せ抽選で当選している場合や遊技モード5への移行が確定している場合は、AT上乗せや遊技モードの移行などの一連の処理終わるまでAT遊技が延長される。こうすることにより、抽選等により付与された利益に対する全ての結果を遊技者が確認することが可能となる。
遊技モード7突入処理では、図32(A)に示すように、まず、ATストック判定用カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS141)。このATストック判定用カウンタには、遊技モード4滞在中においてATゲーム数カウンタに「30」がセットされるときに、初期値「23」がセットされている。ここでの判定で、ATストック判定用カウンタの値が「0」でない場合には、ステップS142に進み、ATストック数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ここで、ATストック数カウンタの値が「0」である場合には、ステップS143に進み、AT継続抽選処理を行う。このAT継続抽選処理では、図32(B)に示すように、AT継続抽選を行い(ステップS156)、その当選値をAT継続判定用カウンタに加算して(ステップS157)、リターンする。
AT継続抽選処理からのリターンで、図32(A)のステップS144に進み、AT継続判定用カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定する。ここで、AT継続判定用カウンタの値が「1」以上である場合には、AT継続フラグに「1」をセットして(ステップS145)、ステップS1451に進み、「1」以上でない場合には、直接ステップS1451に進む。ステップS1451では、遊技モード7滞在ゲーム数を決めるための抽選(「滞在ゲーム数決定抽選」とも称する)を行う。この抽選では、AT継続フラグに「1」がセットされている場合は、「7(勝利演出が行われる(復活演出が行われない))」または「8(復活演出が行われる)」のいずれかに決定され、AT継続フラグに「1」がセットされていない場合は、「7」に決定される。この抽選後のステップS146では、遊技モード7滞在ゲーム数カウンタ(遊技モード7に滞在可能なゲーム数を管理するカウンタ)に「7」または「8」(数値は適宜変更可)をセットする。このセット後、遊技モードを遊技モード7にセットし(ステップS147)、遊技モード7突入処理を終了してリターンする。
一方、図32(A)のステップS141の判定において、ATストック判定用カウンタの値が「0」である場合(ATが複数回継続している場合に満たされる)には、ステップS148に進み、ATストック数カウンタの値を「1」加算する。次いで、ATストック判定用カウンタに「23」をセットし(ステップS149)、さらに、AT継続判定用カウンタに「3」をセットして(ステップS150)、ステップS144に進む(遊技モード8に移行する権利が付与される)。この場合は、AT継続抽選処理は行わない。また、図32(A)のステップS142の判定において、ATストック数カウンタが「0」でない場合には、ステップS151に進み、AT継続判定用カウンタに「1」をセットする。次いで、遊技モード7滞在ゲーム数カウンタに「12」をセットし(ステップS152)、さらに、AT継続フラグに「1」をセットして(ステップS153)、ステップS147に進む。この場合も、AT継続抽選処理は行わない。ちなみに、ステップS151に進んだ場合は、遊技モード7滞在時の演出は、図26に示したバトル演出ではなく、オリジナルアニメーションを見せるストーリー演出が12ゲームに亘って行われる。
次に、遊技モード別開始時処理と遊技モード別終了時処理の他の例として、遊技モード5レバー時処理と遊技モード5全停時処理について説明する。これらは、遊技モード5滞在中に行われる処理である。遊技モード5レバー時処理では、図33(A)に示すように、上乗せ処理を行う(ステップS160)。この上乗せ処理は、図30(B)に示す内容のものであり、AT上乗せ抽選を行い、当選の場合には遊技モード6移行カウンタの値を「1」だけ加算し、非当選の場合には、そのままリターンする。この上乗せ処理からのリターンで、遊技モード5レバー時処理も終了してリターンする。
遊技モード5全停時処理では、図33(B)に示すように、まず、遊技モード6移行カウンタの値が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップS161)。ここで、遊技モード6移行カウンタの値が「0」より大きくない場合には、ステップS162に進み、遊技モード5滞在ゲーム数カウンタ(遊技モード5に滞在可能なゲーム数を管理するカウンタであり、遊技モード5に移行される際に所定の値、例えば「3」(抽選等により決めてもよい)にセットされる)の値を「1」減算する。次いで、遊技モード5滞在ゲーム数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS163)。ここで、遊技モード5滞在ゲーム数カウンタの値が「0」である場合には、遊技モードを遊技モード4にセットし(ステップS164)、遊技モード5全停時処理を終了してリターンする。
一方、ステップS163の判定において、遊技モード5滞在ゲーム数カウンタの値が「0」でない場合には、そのまま遊技モード5全停時処理を終了してリターンする。また、ステップS161の判定において、遊技モード6移行カウンタの値が「0」より大きい場合には、ステップS165に進み、上述した遊技モード6突入処理を行う。そして、この遊技モード6突入処理の実行後、遊技モード5全停時処理を終了してリターンする。
次に、遊技モード別開始時処理と遊技モード別終了時処理の別の例として、遊技モード6レバー時処理と遊技モード6全停時処理について説明する。これらは、遊技モード6滞在中に行われる処理である。遊技モード6レバー時処理では、図34(A)に示すように、ATストック加算処理を行う(ステップS170)。具体的には、前述のATストック数カウンタ加算抽選を行い、その選出値に対応付けられた数値分の上乗せATストック数をATストック数カウンタの値に加算する。このATストック加算処理の実行後、遊技モード6レバー時処理を終了してリターンする。
遊技モード6全停時処理では、図34(B)に示すように、まず、遊技モード6滞在ゲーム数カウンタの値を「1」減算する(ステップS171)。次に、遊技モード6滞在ゲーム数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS172)。ここで、遊技モード6滞在ゲーム数カウンタの値が「0」である場合には、遊技モード6移行カウンタをクリアし(ステップS173)、さらに上乗せ特化フラグをクリアする(ステップS174)。そして、遊技モードを遊技モード4にセットし(ステップS175)、遊技モード6全停時処理を終了してリターンする。一方、ステップS172の判定において、遊技モード6滞在ゲーム数カウンタの値が「0」でない場合には、ステップS173~S175の処理は行わず、遊技モード6全停時処理を終了してリターンする。
次に、遊技モード別開始時処理と遊技モード別終了時処理のさらに別の例として、遊技モード7レバー時処理と遊技モード7全停時処理について説明する。これらは、前述した遊技モード7突入処理に続いて、遊技モード7滞在中に行われる処理である。遊技モード7レバー時処理では、図35(A)に示すように、まず、AT継続抽選処理を行う(ステップS181)。具体的には、AT継続抽選を行い、その当選値をAT継続判定用カウンタにセットする(図32(B)を参照)。次に、AT継続フラグが「0」であるか否かを判定する(ステップS182)。ここで、AT継続フラグが「0」である場合には、ステップS183に進み、AT継続判定用カウンタの値が「1」以上であるか否かを判定し、「1」以上である場合(ステップS181でのAT継続抽選で当選するとこの場合に該当する)には、AT継続フラグに「1」をセットする(ステップS184)。
次いで、遊技モード7滞在ゲーム数カウンタの値を「1」加算する(ステップS185)。これは、遊技モード7滞在ゲームでAT継続抽選に当選した場合に、復活演出を実行するゲーム(追加の1ゲーム)を確保するための処理である。その後、ATレベルカウンタの値を「1」加算し(ステップS186)、遊技モード7レバー時処理を終了してリターンする。一方、ステップS182の判定においてAT継続フラグが「0」でない場合、及び、ステップS183の判定においてAT継続判定用カウンタの値が「1」以上でない場合には、それ以降の処理は行わずに、遊技モード7レバー時処理を終了してリターンする。
遊技モード7全停時処理では、図35(B)に示すように、まず、遊技モード7滞在ゲーム数カウンタの値を「1」減算する(ステップS191)。次に、遊技モード7滞在ゲーム数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS192)。ここで、遊技モード7滞在ゲーム数カウンタの値が「0」である場合には、AT継続フラグが「1」であるか否かを判定し(ステップS193)、「1」である場合には、さらに、AT継続判定用カウンタの値が「3」以上であるか否かを判定する(ステップS194)。ここで、AT継続判定用カウンタの値が「3」以上である場合には、遊技モードを遊技モード8にセットして(ステップS198)、ステップS199に進む。一方、AT継続判定用カウンタの値が「3」以上でない場合には、ATゲーム数カウンタに「30」を加算し(ステップS195)、AT継続フラグをクリアし(ステップS196)、さらに、遊技モードを遊技モード4にセットして(ステップS197)、ステップS199に進む。
ステップS199では、AT継続判定用カウンタの値の分だけATストック判定用カウンタの値を減算する(AT継続の場合は、必ずAT継続判定用カウンタの値が「1」以上であるため、ATが継続するほど、ATストック判定用カウンタは「0」に近づく)。次いで、AT継続判定用カウンタをクリアする(ステップS200)。さらに、ATストック数カウンタの値を「1」減算し(ステップS201)、遊技モード7全停時処理を終了してリターンする。なお、ステップS193の判定において、AT継続フラグが「1」でない場合には、遊技モードを遊技モード0にセットして(ステップS202)、遊技モード7全停時処理を終了してリターンする。また、ステップS192の判定において、遊技モード7滞在ゲーム数カウンタの値が「0」でない場合には、そのまま遊技モード7全停時処理を終了してリターンする。
なお、遊技モード7中において遊技者は、最終的に勝利演出が実行されること(ATが継続されること)を期待しながら遊技を行う。既述したように、勝利演出が実行される場合として、AT引き戻しの場合(復活演出Bの後で勝利演出が行われる場合)と、突入時AT継続確定の場合(復活演出Aの後で勝利演出が行われる場合または復活演出無しで勝利演出が行われる場合)とがある。AT引き戻しの場合は、ATレベルカウンタの値が格上げされる特典が得られるので、復活演出Bの後で勝利演出が行われた場合には、次のAT遊技の終了後に、さらにATが継続されることを遊技者に強く期待させることができる。これに対し、突入時AT継続確定の場合は、ATレベルカウンタの値の格上げの特典は得られない。しかし、突入時AT継続確定の場合は、遊技モード7の開始時点において、AT継続判定用カウンタの値が「1」以上であることが確定しているため(AT引き戻しの場合は「0」)、遊技モード7中に、AT継続判定用カウンタの値が「3」以上となって、遊技モード7の終了後に遊技モード8に設定される可能性が、AT引き戻しの場合よりも高い。したがって、復活演出Aの後で勝利演出が行われた場合または復活演出無しで勝利演出が行われた場合には、遊技モード8に移行されることを、遊技者に強く期待させることができる。したがって、どちらのケースでも、遊技者に、その後への期待感を持たせることができる。なお、遊技モード7中において、或る役決定結果(「確定役決定結果」とも称する)が選出されたときは、AT継続判定用カウンタの値が必ず加算される(例えば、確定チェリーに当選したときは、必ず「1」または「2」だけ加算されるようにしてもよい)ようにして、そのような確定役決定結果が選出された場合には、そのことを遊技者に報知するようにしてもよい。そうすることにより、AT継続判定用カウンタの値が加算されることが遊技者に分かり易くなるので、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
<タイマ割込処理>
次に、タイマ割込処理について説明する。本実施形態では、遊技者により行われるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信、リールの駆動制御等の処理が、予め設定された一定の時間(例えば、2.235ミリ秒)毎に実施されるタイマ割込処理によって行われる。このタイマ割込処理では、図36に示すように、まず、割込初期処理(レジスタの退避、割込禁止等)を行い(ステップMT11)、次に、電源断が検知されたか否かを判定する(ステップMT12)。ここで、電源断が検知されていれば電源断処理を行う(ステップMT25)。電源断処理では、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等が行われる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報や遊技状態に関する情報(ATに関する情報を含む)の保持や、チェックサムの算出及び記憶等の処理も行われる。
一方、電源断が検知されていなければ、割込カウンタ値を更新(「1」減算)する処理を行い(ステップMT13)、さらにタイマ計測を行う(ステップMT14)。このタイマ計測は、上述の遊技進行制御処理においてセットされた任意のタイマのタイマ値の減算や加算処理等を行うものである。次に、入力ポートの読込みを行う(ステップMT15)。この入力ポートの読込みでは、入力ポートに入力された各遊技操作信号等の信号レベルの読込みと記憶、信号レベルの判定等が行われる。
次いで、リール3a~3cの駆動(回転の加速、減速、定速維持や停止維持等)を制御するためのリール駆動制御処理を行う(ステップMT16)。このリール駆動制御処理では、リール駆動状態(停止、リール回転待機中、加速中、定速中、減速中等)に応じて、ステッピングモータの出力相(励磁相)を切り替えるタイミングを示すリール駆動パルス出力カウンタ値の更新や、ステッピングモータを駆動させるリール駆動パルスデータの取得、更新、出力等の処理が行われる。次のステップMT17では、リール駆動制御処理を全リールに対し実行したか否かを判定し、実行していない場合にはステップMT16に戻り、リール駆動制御処理を再度行う。一方、全リールに実行した場合には、リールやホッパー、ブロッカ等の励磁出力を行うポート出力処理を行い(ステップMT18)、さらに、制御コマンドバッファ(CB)に記憶された制御コマンドを送信する制御コマンド送信処理を行う(ステップMT19)。
次に、ステップMT20に進み、所定の記憶領域に記憶されていた外端信号(外部信号)データを読み出し、外端信号を出力する。次いで、上述の表示用ランプに所定の表示を実行させるLED表示を行う(ステップMT21)。このLED表示では、例えば、払出数表示ランプ46jにおいて、次のような表示を実行させる。すなわち、エラー(E系エラーを除く)が発生していない場合には、遊技メダルの払出数に基づき払出数「0~9」を表示させたり、設定値に基づき「1~6」という数値を表示させたりする。さらに、押し順の報知を行う場合には、ナビ番号の表示態様「=1」~「=6」を表示させる。また、エラー(E系エラーを除く)が発生している場合には、エラー番号の値に基づきエラー表示を実行させる。
次に、ステップMT22に進み、エラー管理を行う。このエラー管理では、まず、エラーチェックを行う。このエラーチェックでは、H0エラーが発生したか否かの判定、CEエラーが発生したか否かの判定、CPエラーが発生したか否かの判定、CHエラーが発生したか否かの判定、C0エラーが発生したか否かの判定、C1エラーが発生したか否かの判定、E6エラーが発生したか否かの判定、E7エラーが発生したか否かの判定を行い、さらに、E6エラーまたはE7エラーが発生した場合には、払出数表示ランプ46jにエラー表示させ、遊技の実行を停止させる処理などを行う。なお、E系のエラーが発生した場合には、上述の設定変更時処理が実行されればエラー復帰が可能となる。このエラーチェックの後、エラーが発生している場合には、副制御手段200にエラー情報を送信するためのエラー検出時の出力要求セットの処理を行う。このエラー管理の処理を実行後、役決定等に用いる乱数を更新する処理行い(ステップMT23)、さらに割込復帰処理(レジスタの復帰、割込許可等)を行い(ステップMT24)、割込リターンする。
<変更態様>
次に、上述の実施形態の構成を一部変更した態様例(「変更態様」とも称する)について、図37~図40を追加参照して説明する。この変更態様では、副制御手段として、サブメイン制御手段200A、サブサブ制御手段200B、役物制御手段200C(図示略)を備えるとともに、副制御手段(役物制御手段200C)により動作が制御される可動物として役物(図示略)を備えている。この役物は、例えば、上役物と下役物とから構成される。上役物は、画像表示画面を有する画像表示装置11の上部に配された飾り枠(「画面上部飾り枠」とも称する)の内部に、非動作時は見えないように配置されており、下役物は、画像表示画面を有する画像表示装置11の下部に配された飾り枠(「画面下部飾り枠」とも称する)の内部に、非動作時は見えないように配置されている。そして、動作時には、上役物が、画面上部飾り枠から下方に向けて画面中央部まで進出するとともに、下役物が、画面下部飾り枠から上方に向けて画面中央部まで進出し、両役物が、画面中央部で対峙するように構成されている(画像表示画面の前方で両役物が連結する)。また、上役物および下役物は、対峙した際に球状の回転部を構成する半球状の可動物をそれぞれ備えており、両役物が対峙した状態でその回転部が回転するように構成されている。
このような役物が作動するときは、役物に関連した画像(「役物用画像」とも称する)やランプ(「役物用ランプ」とも称する)、音声(「役物用サウンド」とも称する)による演出(これらを総称して「役物用演出」とも称する)が実行される。例えば、役物の動作開始時(上役物および下役物(以下「上下役物」とも称する)を出すとき)には、役物が動作開始することを示唆する音(「役物動作開始音」とも称する)が出力されるとともに、役物が動作開始することを示唆する画像、例えば、画面全体が黒くなるような画像(「黒画像」とも称する)が表示される。また、役物の主要動作時、例えば、役物(その回転部)を回転させるときには、役物が回転中であることを示唆する音(「役物回転音」とも称する)や、役物の回転に応じたランプ(「役物回転時ランプ」とも称する)による光が出力されるとともに、回転中の役物を強調するエフェクト画像(「役物回転時画像」とも称する)が表示される。さらに、役物の動作終了時(上下役物を引っ込めるとき)には、役物が動作終了したことを示唆する音(「役物動作終了音」とも称する)が出力される。
一方、役物が作動しないときは、役物とは無関連の画像演出(キャラクタが歩いている画像、当選役を示唆する画像、バトル画像、勝利画像など)やランプ演出(当選役を示唆する色の光を出力など)、音声演出(当選役を示唆する音声の出力、バトル中のBGMの出力など)といった演出(これらを総称して「非役物用演出」とも称する)が実行される。例えば、スタートレバー操作受付時に行われる非役物用演出(「レバー操作時非役物用演出」とも称する)、第1停止操作受付時に行われる非役物用演出(「第1停止操作時非役物用演出」とも称する)、第2停止操作受付時に行われる非役物用演出(「第2停止操作時非役物用演出」とも称する)、第3停止操作受付時に行われる非役物用演出(「第3停止操作時非役物用演出」とも称する)などが挙げられる。
以下、この変更態様における幾つかの演出制御例について説明する。図37(A)は、役物動作無しの遊技(役物は元々動作させない予定の遊技)における演出制御例を示している。この場合は、役物動作は一切行わず、役物用演出(役物用ランプ、役物用サウンド及び役物用画像による演出)も一切行わない。これに対し、非役物用演出(画像演出、ランプ演出、音声演出のいずれか1つ以上の演出)は、レバー操作受付け時、第1停止操作受付け時、第2停止操作受付け時、及び第3停止操作受付け時において実行可能とする。図37(A)では、全ての操作受付け時に、新たな非役物演出を行っているが、必ず全ての操作受付け時に、新たな非役物演出を行わなければならないというのではない。例えば、第2停止操作受付け時は、第1停止操作受付け時に行われた非役物演出が引き続き行われるものであってもよい。他も同様である。
図37(B)は、第3停止操作受付け時に役物動作有り(役物を動作させる予定)の遊技で役物が正常に動作する場合(この場合の遊技のことを「正常遊技α」とも称する)における演出制御例を示している。この場合は、第3停止操作受付け時までは、非役物用演出のみが行われる(図37(B)では、第3停止受付け時までの全ての操作受付け時に、新たな非役物演出を行っているが、必ず全ての操作受付け時に、新たな非役物演出を行わなければならないというのではなく、非役物用演出も、画像演出、ランプ演出、音声演出のいずれか1つ以上の演出であればよい)。第3停止操作受付け時には、各種の役物動作、例えば、上下役物を出す動作、役物を回転させる動作、及び、上下役物を引っ込める動作が行われるとともに、それに応じた役物用演出、例えば、上下役物を出す動作に応じた役物動作開始音の出力や黒画像の表示、役物を回転させる動作に応じた役物回転時ランプによる光の出力及び役物回転音の出力や役物回転時画像の表示、並びに、上下役物を引っ込める動作に応じた役物動作終了音の出力等が行われる。さらに、役物の動作が終了するタイミング(具体的には、サブメイン制御手段200Aが、サブサブ制御手段200B及び役物制御手段200Cに、役物動作終了音の出力のためのコマンド及び上下役物を引っ込めるためのコマンドを送信するタイミング)に応じて、第3停止操作時非役物用演出(勝利画像を表示する演出など)も行われる。第3停止操作受付け時におけるこれらの役物動作、役物用演出及び非役物用演出の実行は、所定のデータテーブル(「役物動作時用データテーブル」とも称する)により管理される(データテーブルに記述された順番に各種の役物動作や役物演出、非役物演出の実行等が制御される)ように構成されている。具体的には、サブメイン制御手段200Aが役物動作時用データテーブルを用いて演出制御を行う。図37(B)の場合の役物動作時用データテーブルには、第3停止操作受付けがあったときに黒画像の表示をサブサブ制御手段200Bに実行させるためのコマンドの送信、第3停止操作受付けがあったときに上下役物を出す動作を役物制御手段200Cに実行させるためのコマンドの送信、第3停止操作受付けがあったときに役物動作開始音の出力をサブサブ制御手段200Bに実行させるためのコマンドの送信、上下役物を出す動作が終ったときに役物回転時画像の表示をサブサブ制御手段200Bに実行させるためのコマンドの送信、上下役物を出す動作が終ったときに役物を回転させる動作を役物制御手段200Cに実行させるためのコマンドの送信、上下役物を出す動作が終ったときに役物回転時ランプによる光の出力を行うための制御、上下役物を出す動作が終ったときに役物回転音の出力をサブサブ制御手段200Bに実行させるためのコマンドの送信、役物を回転させる動作が終ったときに第3停止操作受付け時非役物用演出を実行させるための制御(勝利画像の表示をサブサブ制御手段200Bに実行させるためのコマンドの送信)、役物を回転させる動作が終ったときに上下役物を引っ込める動作を役物制御手段200Cに実行させるためのコマンドの送信、役物を回転させる動作が終ったときに役物動作終了音の出力をサブサブ制御手段200Bに実行させるためのコマンドの送信の順番に記述されている。なお、記述されている順番は適宜変更可能である。ちなみに、第3停止操作受付けがあったタイミング、上下役物を出す動作が終ったタイミング、役物を回転させる動作が終ったタイミングといった各タイミングにおいて、それぞれサブサブ制御手段200B及び役物制御手段200Cに各タイミングを示すコマンドを送信するだけで、コマンドを受信したサブサブ制御手段200B及び役物制御手段200Cが、各自そのタイミングに合った制御を行うようにしてもよい。ただし、データテーブルを用いて制御を行う場合、或る1つの制御が実行不能となったときに、それ以降に記述された制御を行えないという課題を有している。
図38(A)は、第3停止操作受付け時に役物動作有りの遊技で役物動作開始時または動作中に役物異常が発生した場合(この場合の遊技のことを「異常発生遊技α-1」とも称する)における演出制御例を示している。この場合も、第3停止操作受付け時までは、非役物用演出のみが行われる(図38(A)では、第3停止受付け時までの全ての操作受付け時に、新たな非役物演出を行っているが、必ず全ての操作受付け時に、新たな非役物演出を行わなければならないというのではなく、非役物用演出も、画像演出、ランプ演出、音声演出のいずれか1つ以上の演出であればよい)。第3停止操作受付け時には、正常遊技αの場合と同様に、役物異常が発生するまでは、役物動作及び役物用演出を実行させるための制御を実行するが、役物異常が発生した時点(役物が動作不能に陥った(例えば、役物が非動作時の位置から動かなくなった、役物が非動作時の位置にいないなど))で、それらの制御の実行が中止され(それ以降に記述された制御を行えなくなる)、その後、役物を復旧させるためのリセット処理(「役物リセット」とも称する)を行う。具体的には、役物制御手段200Cによって、役物を出す動作及び役物を引っ込める動作を試みる。この役物リセットは、1回の処理で役物の動作が復旧しない(試みた役物を出す動作及び役物を引っ込める動作がなされない)場合は、所定回数(例えば、3回)まで繰り返し行われる。役物リセットを行った結果、それにより役物の動作が復旧した(試みた役物を出す動作及び役物を引っ込める動作がなされた)場合であっても復旧しなかった場合であっても、役物動作時用データテーブルに記述されているその後の制御(実行が中止されていた制御)を再開させることはない(ただし、復旧した場合には、その後の制御を再開させてもよい)。その後の制御を再開させないのは、本来の実行タイミングとズレたタイミングで演出を実行しても、締まりのない演出が実行されるだけなので、遊技の興趣が著しく低下する虞があるからである。また、制御を再開させても、直後にレバー等が操作されると、その制御を再び中止し、次遊技の演出制御を行う必要があるからである。
図38(B)は、第3停止操作受付け時に役物動作有りの遊技で役物の動作を終了する際に役物異常が発生した場合(この場合の遊技のことを「異常発生遊技α-2」とも称する)における演出制御例を示している。この場合は、役物の動作を終了する時点までは、正常遊技αの場合と同様の演出制御を実行するが、役物の動作を終了する際に役物異常が発生した(上下役物を引っ込める動作をしようとしたが、上下役物が出されたときの状態ではない(役物を回転させる動作がなされた際に位置がズレたなど))時点で、それ以降の制御の実行を中止し、役物リセット処理を行う。役物リセットを行った場合、それにより役物の動作が復旧した場合であっても復旧しなかった場合であっても、その後の制御を再開させることはない(ちなみに、復旧した場合には、役物リセットにより上下役物は引っ込んでいる)。また、上下役物を引っ込める動作と並行して行われる予定であった第3停止操作時非役物用演出(例えば、勝利画像の表示)は、実行する(役物動作時用データテーブルに記述されている順番が上下役物を引っ込める動作よりも前であるからである)。
図39(A)は、第1,第3停止操作受付け時に役物動作有りの遊技で役物が正常に動作する場合(この場合の遊技のことを「正常遊技β」とも称する)における演出制御例を示している。この場合は、第1停止操作受付け時以外は、正常遊技αの場合と同様の演出制御を実行する。第1停止操作受付け時には、上下役物を出して引っ込める役物動作と、その役物動作を終了するタイミング(具体的には、サブメイン制御手段200Aが、役物制御手段200Cに、上下役物を出すためのコマンドを送信するタイミング)に応じて、第1停止操作時非役物用演出を実行する。第1停止操作受付け時における役物動作及び第1停止操作時非役物用演出は、それ用の役物動作時用データテーブルにより管理されるように構成されている。具体的には、図39(B)の場合の役物動作時用データテーブル(第1停止操作時用)には、第1停止操作受付けがあったときに上下役物を出し引っ込める動作を役物制御手段200Cに実行させるためのコマンドの送信、上下役物を引っ込めるときに第1停止操作時非役物演出をサブサブ制御手段200Bに実行させるためのコマンドの送信の順番で記述されている。また、図39(B)の場合の役物動作時用データテーブル(第3停止操作時用)は、図37(B)の場合の役物動作時用データテーブルと同じである。
図39(B)は、第1,第3停止操作受付け時に役物動作有りの遊技で第1停止操作受付時の役物動作時に役物異常が発生し復旧した場合(この場合の遊技のことを「異常発生遊技β-1」とも称する)における演出制御例を示している。この場合、役物異常が発生した(役物が動作不能に陥った(例えば、役物が非動作時の位置から動かなくなった、役物が非動作時の位置にいないなど))時点で、それ以降の制御の実行を中止し、役物リセット処理を行う。本例では、役物リセットの結果、役物の動作が復旧した(役物リセットにより上下役物は引っ込んでいる)が、その後の制御を再開しない(第1停止操作時非役物用演出は、役物の動作が復旧しても実行しない)。役物の動作が復旧していることから、第3停止操作受付け時には、正常遊技βの場合と同様の演出制御(役物動作、役物用演出及び第3停止操作時非役物用演出を実行させるための制御)を実行する。
図40(A)は、第1,第3停止操作受付け時に役物動作有りの遊技で第1停止操作受付け時の役物動作時に役物異常が発生し復旧しなかった場合(この場合の遊技のことを「異常発生遊技β-2」とも称する)における演出制御例を示している。この場合、異常発生遊技β-1と同様に、役物異常が発生した(役物が動作不能に陥った(例えば、役物が非動作時の位置から動かなくなった、役物が非動作時の位置にいないなど))時点でそれ以降の制御の実行を中止し、役物リセット処理を行う。本例では、所定回数の役物リセットが行われても、役物の動作が復旧しないこともある。第3停止受付け時点で役物の動作が復旧していない(役物を動作させることができない)ため、第3停止操作受付け時において、役物動作及び役物用演出は実行しない(役物の動作が不能に陥っているから役物動作時用データテーブルを用いて制御しても、途中で中止されてしまうからである)。ただし、少なくとも第3停止操作時非役物用演出については、第3停止操作の受付けを契機として実行することが好ましい。具体的には、第3停止操作時非役物用演出は、正常遊技βの場合とは異なる(役物動作時用データテーブル(第3停止操作時用)とは異なる)データテーブル(「役物復旧失敗時用データテーブル」とも称する)により管理されるように構成されている。なお、第3停止操作受付け時に、役物リセットを再度実行するように制御してもよい。
図40(B)は、第3停止操作受付け時に役物動作が予定されている(役物動作時用データテーブルを用いて制御する予定である)が当該遊技以前に役物異常が発生し復旧していない場合(この場合の遊技のことを「役物復旧失敗後遊技γ」とも称する)における演出制御例を示している。この場合は、第3停止操作受付け時までは、正常遊技αの場合と同様に、非役物用演出のみ(図40(B)では、第3停止受付け時までの全ての操作受付け時に、新たな非役物演出を行っているが、必ず全ての操作受付け時に、新たな非役物演出を行わなければならないというのではなく、非役物用演出も、画像演出、ランプ演出、音声演出のいずれか1つ以上の演出であればよい)が行われる。そして第3停止操作受付け時には、異常発生遊技β-2と同様に、役物動作時用データテーブル(第3停止操作時用)に替えて、役物復旧失敗時用データテーブルにより第3停止操作時非役物用演出を実行する。
役物が動作不能に陥っているにも関わらず、役物の動作と関連する役物用演出を予定通り実行すると、演出の意図が分からない締まりのない演出が実行されることとなり、遊技の興趣が著しく低下する虞がある。そこで本例では、役物が動作不能に陥っているときは、関連する役物用演出は実行しないので、遊技の興趣が著しく低下することを回避することができる。また、役物の動作とは関連しない非役物用演出は可能な限り実行可能としているので、演出を全く行わくなってしまう場合に比べて、遊技の興趣を向上させることが可能となる。さらに、役物が動作不能に陥っている場合の非役物用演出は、その場合用の役物復旧失敗時用データテーブルにより管理するので、役物が動作しない状況に応じて非役物用演出を的確に制御することが可能となる。なお、一度でも役物復旧失敗時用データテーブルにより第3停止操作時非役物用演出(「フェイルセーフ用演出」とも称する)が実行された後は、電源供給が停止されて電断復帰するまでは、同じ状況ではフェイルセーフ用演出が行われる(役物動作時用データテーブルを用いて制御することが決定されても、役物復旧失敗時用データテーブルに切り替えて制御される)。電断復帰したときは、復帰時に役物の動作の復旧処理を行い、それにより役物の動作が復旧した場合には、以後は通常通りの演出を行う(役物動作時用データテーブルを用いて制御することが決定されたときは、役物動作時用データテーブルを用いて制御する)。しかし、役物の動作が復旧しなかった場合には、役物動作時用データテーブルを用いて制御することが決定されても、役物復旧失敗時用データテーブルに切り替えて制御される。なお、役物復旧失敗時用データテーブルも複数あり、役物動作時用データテーブル(第1停止操作時用)を用いて制御することが決定されていたときは、第1停止操作時非役物用演出が行われる役物復旧失敗時用データテーブル(第1停止操作時用)に切り替えて制御され、役物動作時用データテーブル(第3停止操作時用)を用いて制御することが決定されていたときは、第3停止操作時非役物用演出が行われる役物復旧失敗時用データテーブル(第3停止操作時用)に切り替えて制御される。なお、複数回の役物リセットを行っても役物の動作が復旧しない場合には、そのことを示す役物動作不能フラグをセットしておく。そして、役物動作時用データテーブルを用いて制御しようとするときは、役物動作不能フラグを確認し、それがセットされているときは、役物復旧失敗時用データテーブルに切り替えて制御する。本例では、役物制御手段200Cを備え、役物制御手段200Cにより役物を動作させるようにしたが、サブメイン制御手段200Aにより直接役物を動作させるようにしてもよい。
<他の実施形態>
次に、図41~図57を参照して、上述した実施形態とは異なる他の実施形態について説明する。図41は、他の実施形態であるスロットマシンの外観を示す外観図である。なお、以下の説明における「画像」とは、特に限定した場合を除き、静止画像および動画像を含むものである。
従来、遊技機では、のめり込み対策(自身の資力を超えて遊技を行う遊技者を減らすための策)として、遊技待機中に注意喚起を行っている。しかし、デモ画面を見ている遊技者の大半は、現にのめり込んでいる遊技者ではなく、これから遊技を始めようとしている遊技者であるため、のめり込み対策として期待されている効果を発揮することができず、自身の資力を超えて遊技を行う遊技者が減ることはなかった。
のめり込みは、遊技者が冷静な判断ができなくなった結果として生じると考えられる。冷静な判断ができなくなる可能性が高いタイミングとしては、以下のタイミングが挙げられる。
(1)AT遊技が終了するタイミング
AT遊技中は、多くの遊技メダルが付与されるため、遊技者の気が大きくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、AT遊技が潜伏しているのではないか(AT抽選に当選しているのではないか)という期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、AT遊技の終了時には、AT遊技中に付与された遊技メダルの総数などが画像表示装置に表示される。その際、これまでに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもAT遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(AT抽選に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静は判断ができなくなる可能性が高いといえる。
(2)ボーナス遊技が終了するタイミング
ボーナス遊技中は、多くの遊技メダルが付与されるため、遊技者の気が大きくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、ボーナス役に当選した回数が多ければ、高設定(たとえば、設定値が5以上)ではないかという期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、ボーナス遊技の終了時には、ボーナス遊技中に付与された遊技メダルの総数などが画像表示装置に表示される。その際、これまでに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもボーナス遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(ボーナス役に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静は判断ができなくなる可能性が高いといえる。
そこで、他の実施形態では、AT遊技やボーナス遊技といった多くの遊技メダルが付与され得る特別遊技が終了するタイミングにおいて、注意喚起を行うようにした。
図42は、特別遊技の終了時において、画像表示装置で表示される終了画面と注意喚起を行うための画像(以下、「注意喚起画像」と称する)の一例である。終了画面は、少なくとも特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)と背景を示す画像である。なお、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)を示す画像を、背景を示す画像(以下、「背景画像」と称する)と別個の画像として用意してもよい。また、注意喚起画像は、「のめり込みに注意しましょう。パチスロは適度に楽しむ遊びです。」が明記された画像である。
次に図43を参照し、特別遊技の終了時において、画像表示装置に表示する注意喚起画像の大きさについて説明する。注意喚起画像は、小さすぎると遊技者が認識できず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、大きすぎると他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、他の実施形態では、注意喚起画像を表示する画像表示装置が7インチ未満であれば(換言すると、小型の画像表示装置であれば)、注意喚起画像の大きさを縦が10.00mm、横が64.12mmとしている。また、注意喚起画像を表示する画像表示装置が7インチ以上であれば(換言すると、大型の画像表示装置であれば)、注意喚起画像の大きさを縦が30.00mm、横が192.37mmとしている。
次に図44を参照して、画像表示装置に終了画面と注意喚起画像を表示するタイミングについて説明する。図44は、いずれも特別遊技の最終遊技であり、最終遊技において遊技メダルが付与される場合(小役が入賞した場合)は、クレジット数として加算または払い出し後に画像表示装置で終了画面と注意喚起画像を表示する(図44(a))。また、最終遊技において遊技メダルが付与されない場合(リプレイ役が入賞した場合など)は、すべてのリールの回転が停止した後に画像表示装置で終了画面と注意喚起画像を表示する(図44(b))。
次に画像表示装置での終了画面を非表示とするタイミングについて説明する。終了画面を表示する理由の1つは、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数を遊技者に教えるためである。すなわち、遊技者が特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数を認識したと思われるタイミングであれば、終了画面を非表示としても問題はないといえる。そこで、他の実施形態では、スタートスイッチが操作されたときに終了画面を非表示としている。
また、他の実施形態では、スタートスイッチが操作されたときに、そのときの遊技状況に応じた演出画面を画像表示装置で表示する。たとえば、ボーナス遊技やAT遊技の終了後の遊技が通常遊技であり、小役の1つであるチェリー役に当選したのであれば、図45(a)に示すようなチェリー役に当選したことを示唆する演出画面が表示可能である。また、ボーナス遊技の終了後の遊技がAT準備遊技であり、小役の1つである押し順ベル役に当選したのであれば、図45(b)に示すような如何なる順番でストップスイッチを操作すべきかを示す押し順画像(以下、「ナビ画像」とも称する)とAT準備遊技中の演出画面が表示可能である。
次に注意喚起画像を表示し続ける時間について説明する。注意喚起画像を表示する時間が短すぎると遊技者が認識できず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。また、認識できたとしても気にかけず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、長すぎると他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、他の実施形態では、のめり込み対策として期待されている効果を発揮でき、かつ遊技者に不快感を与えない時間だけ、注意喚起画像を表示し続けるようにしている。注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間については、順を追って説明していく。
まず、図46を参照して、遊技者が最短時間で遊技した場合に費やす時間について説明する。スタートスイッチが操作された後、リールの回転が開始してからリールの回転速度が一定となるまでに費やす時間が約180msである。また、ストップスイッチが操作されてからリールの回転が停止するまでに費やす時間が最大でも190msである(遊技機の認定及び型式の検討等に関する規則第六条(遊技機の型式に関する技術上の規格)に示された別表第五(1)イ(ト)において定められている)。さらに、付与される遊技メダルをクレジット数として加算するのに費やす時間および実際に払い出すのに費やす時間が1枚当たり約40msである。すなわち、遊技者が最短時間で遊技した場合に費やす時間は、付与される遊技メダルの枚数によって変化するものの、複数のストップスイッチが同時に操作できない(複数のリールを同時に停止制御できない)仕様であれば約750ms~約1070ms(付与される遊技メダルが0枚~8枚のとき)であり、複数のストップスイッチが同時に操作できる(複数のリールを同時に停止制御できる)仕様であれば約370ms~約690ms(付与される遊技メダルが0枚~8枚のとき)であるといえる。
ちなみに、遊技者が最短時間で遊技した場合であっても、最小遊技時間(1回の遊技に要する最小の時間は、4100ms以上)未満で1回の遊技を終了することはできない。これは、遊技機の認定及び型式の検討等に関する規則第六条(遊技機の型式に関する技術上の規格)に示された別表第五(1)リ(イ)とその技術上の規格の解釈基準において定められている。そこで、他の実施形態では、図47に示すように前回の遊技が最短時間で遊技され、スタートスイッチが操作されたときであっても、リールの回転を開始するのは、前回の遊技におけるリールの回転を開始したときから4100msが経過してからとすることで、最小遊技時間未満で1回の遊技が終了することがないようになっている。
一般的に、ボーナス遊技の1つであるBB遊技では、目押しが不要な小役(特定の図柄を狙ってストップスイッチを操作する必要がない小役)が高確率で当選する(必ず当選する仕様の場合もある)。また、AT遊技では、ストップスイッチを特定の順番で操作することが必要な押し順ベル役や押し順リプレイ役が当選するものの、どの順番で操作すべきかを教えている。さらに、ボーナス遊技中やAT遊技中は、遊技者が興奮状態にある。そのため、少なくとも特別遊技中は、多くの遊技者が最短時間で遊技している。
上述したように、遊技者が最短時間で遊技した場合であっても、最小遊技時間未満で1回の遊技を終了することはできない。すなわち、図48に示すように特別遊技の最終遊技が最短時間で遊技された場合、すぐにスタートスイッチが操作されたとしても、リールの回転を開始するまでにはある程度の時間がある。また、リールの回転が開始してもリールの回転速度が一定となるまでにもある程度の時間がある。これらの時間は、遊技者による如何なる操作も無効であるため、注意喚起画像を表示し続けていても、遊技者に不快感を与えることはないが、これらの時間を超えても注意喚起画像を表示し続けていると、遊技者に不快感を与える可能性がある。なぜなら、これらの時間を超えると、少なくともストップスイッチの操作は有効となるが、図45(a)に示すようなチェリー役に当選したことの示唆と注意喚起画像が重なっているせいで、ストップスイッチを操作できなかったり(どの役を狙えばよいか分からないため)、注意喚起画像が表示されているため、ストップスイッチを操作してはいけないのではないかという不安感が生じたりするからである。ゆえに、注意喚起画像を表示し続ける時間は、これらの時間を超えないことが好ましいといえる。
そこで、他の実施形態では、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を3000ms以上、3210ms以下としている。なお、3000ms以上としているのは、長ければ長い程、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できると考えられるからである。
図49に示すように、特別遊技中も時間をかけて遊技を行う遊技者も僅かながらいると思われる。その場合、注意喚起画像を3210ms表示し続けると、途中で少なくともストップスイッチの操作が有効になるため、遊技者に不快感を与える可能性はある。ただし、特別遊技中も時間をかけて遊技を行う遊技者であるため、最短時間で遊技を行う遊技者よりは不快感があると思わない可能性が高い。ちなみに、注意喚起画像を非表示とした後に最短時間で遊技を行えば、最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができる。そのため、本来であれば最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができるのに、注意喚起画像が表示され続けていたせいで、最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができなかった(損をした)というような苦情が寄せられることはない。
次に注意喚起画像を表示する位置について説明する。基本的には、遊技者が認識し易い位置に表示されることが好ましい。遊技者が認識し易い位置の1つとして、筐体の中央より上側の位置が挙げられる。これは、遊技者の目の高さが筺体の中央より上側にあるからである。
他の実施形態では、図41に示すように画像表示装置を筺体の中央より上側に備え、図42に示すように画像表示装置の中央より上側に注意喚起画像を表示するようにしている。
もちろん、画像表示装置が筺体の中央より上側に備えられているのであれば、画像表示装置の中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像を表示してもよい。
また、他の画像が表示される位置を考慮して、注意喚起画像を表示する位置を決めることが好ましい。たとえば、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)やチェリー役に当選したことの示唆などとは、可能な限り重ならない位置に注意喚起画像を表示することが好ましい。また、押し順画像とは、可能な限り重ならない位置に注意喚起画像を表示することが好ましい。
さらに、他の実施形態では、遊技待機中においても、注意喚起を行うようにしている。図50に、遊技待機中に画像表示装置で表示されるデモ画面を示す。
遊技待機中になると、最初に製造業者を示す画像が表示される(図50(a))。そして、所定時間の経過後は、注意喚起画像が表示される(図50(b))。さらに、所定時間の経過後は、スロットマシンの題材を紹介する画像が表示される(図50(c))。このように、遊技待機中は、画像表示装置に図50(a)から図50(c)が繰り返し表示されるようになっている。
上述したように、デモ画面を見ている遊技者の大半は、現にのめり込んでいる遊技者ではなく、これから遊技を始めようとしている遊技者である。のめり込み対策として、遊技を始めようとする遊技者に、予めのめり込んではいけないということを印象づけるという方法も考えられるが、過度な注意喚起を行ってしまうと、遊技意欲を低下させてしまう虞がある。そこで、他の実施形態では、遊技待機中に注意喚起を行うための画像が表示され続ける時間を、特別遊技の終了時に注意喚起を行うための画像が表示され続ける時間よりも短くしている。換言すると、3000ms未満としている。具体的には、2000ms以下としている。ただし、これに限られるものではない。
ちなみに、注意喚起画像を表示する位置と大きさは、特別遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じにしている。これは、表示する位置を、状況によって変更するようにすると、サブ制御部による負担が増大する可能性があるためである。また、大きさを変更するようにすると、複数の画像を用意する必要があるためである。
次に図54を参照して、特別遊技の最終遊技でエラーが発生した場合について説明する。他の実施形態では、スタートスイッチが操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生しても、すべてのリールの回転が停止するまでは、遊技の進行を停止しないようになっている。これは、遊技の進行を停止してしまうと、遊技者の集中力が切れ、ストップスイッチを操作する際にミスが起きやすくなってしまう可能性があるからである。なお、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようになっている。
そして、すべてのリールの回転が停止すると(遊技の進行が停止すると)、画像表示装置にエラー画像を表示する。これは、エラーが発生したときにエラー画像を表示してしまうと、遊技者が驚いた拍子にミスしてしまう可能性があるからである。その後、エラーが解除されると、遊技の進行が再開され(遊技メダルの付与がある場合は、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出される)、画像表示装置に終了画面と注意喚起画像が表示される。
エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるが、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。もちろん、ストップスイッチの操作は有効となった後も注意喚起画像が表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。また、エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるので、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることぐらいでは、不快感があると思わない可能性が高いためである。
次に図55を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合について説明する。他の実施形態では、スタートスイッチが操作されるまでの間にエラーが発生したときは、エラーが発生したときに、遊技の進行が停止するようになっている。なお、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようになっている。
また、遊技の進行が停止すると、画像表示装置では注意喚起画像に重ねてエラー画像を表示する。ちなみに、エラーが発生したことを速やかに遊技店員に知らせる必要があるため、エラー画像は注意喚起画像よりも優先度が高く設定されている。その後、エラーが解除されると、遊技の進行が再開され(遊技メダルの付与がある場合は、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出される)、画像表示装置ではエラー画像を非表示とする。
エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるが、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含めず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。なお、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間は含めている。もちろん、ストップスイッチの操作は有効となった後も注意喚起画像が表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。また、エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるので、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることぐらいでは、不快感があると思わない可能性が高いためである。
次に図56を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で電力の供給が停止した場合について説明する。他の実施形態では、電力の供給が停止すると、最小遊技時間(4100ms)の計測も停止し、電力の供給が再開されると、最小遊技時間(4100ms)の計測も再開する。
また、電力の供給が停止すると、画像表示装置も停止し、電力の供給が再開されると、画像表示装置も表示を再開する。なお、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
次に図57を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で演出スイッチが操作された場合について説明する。他の実施形態では、遊技メダルが付与される場合、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されてから遊技メダルが投入(ベットスイッチが操作、投入口より投入)されるまでの間に、演出スイッチが操作されると、画像表示装置にメニュー画面を表示するようにしている。また、画像表示装置にメニュー画面が表示されているときは、パスワード入力、2次元コード表示、配当表といた項目が選択できるようになっている。具体的には、十字キースイッチ及び演出スイッチを操作することで、各項目を選択できるようになっている。
演出スイッチが操作されても、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。これは、メニュー画面が表示されたときに、注意喚起画像を非表示としてしまうと、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞があるからである。
ただし、注意喚起画像を表示する位置は、選択されている項目が分かるような位置としている。換言すると、選択されている項目が分かる範囲であれば、重ねて表示してもよい。また、注意喚起画像を表示する位置は、2次元コード表示が選択された際に表示される2次元コードと可能な限り重ならない位置としている。これは、注意喚起画像が表示され続けることにより、遊技を終えようとする遊技者が、すぐに遊技を終えることができなくなることを防止するためである。
他の実施形態では、特別遊技の終了時において、終了画面とともに注意喚起画像を画像表示装置に表示するようにしたが、特別遊技中に付与された遊技メダルが極端に少ない場合は、特別遊技の終了時において、注意喚起画像を画像表示装置で表示しないようにしてもよい。
これは、特別遊技中に付与される遊技メダルが極端に少なければ、遊技者の気が大きくなることもないし、これまでに使用した金額に対応する遊技メダルの数よりも特別遊技中に付与された遊技メダルの数が少なくても、取り返そうという気持ちに陥り難い(取り返すことが不可能に近いため)からである。
特別遊技中に付与された遊技メダルが極端に少ない場合の一例としては、AT遊技中であれば300枚未満の場合、ボーナス遊技中であれば50枚以下の場合などが挙げられる。また、特別遊技の終了時やデモ画面の一部において注意喚起画面を画像表示装置に表示するようにしたが、一定時間ごと(例えば1時間ごと)、一定ゲーム数ごと(例えば600ゲームごと)に予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)表示するようにしてもよいし、最後に注意喚起画面が表示されてから一定時間(例えば1時間)、一定ゲーム数(600ゲーム)経過を契機に表示するようにしてもよい。その際、注意喚起画面を画像表示装置の中央より上側右隅に小さく表示してもよし、特別遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じとしてもよい。また、表示する場合は他の演出(連続演出、予告演出や期待度を示す演出など)と同時に表示してもよいし、表示をしている期間中を操作不能な期間となるよう設定してもよい。定期的に表示を行うようにすることで、特別遊技を実行していない遊技者にも注意喚起を行うことができる。
他の実施形態では、特別遊技の終了時において、終了画面とともに注意喚起画像を画像表示装置に表示するようにしたが、終了画面を表示しないときは、注意喚起画像も表示しないようにしてもよい。たとえば、20回連続でAT遊技が行われるときは、20回目のAT遊技中に画像表示装置で動画像を表示するようになっている。そして、20回目のAT遊技中にボーナス役が当選しても、ボーナス遊技中でも、ボーナス遊技の終了時にも、画像表示装置では動画像を表示し続けたいため、ボーナス遊技の終了時に画像表示装置で終了画面を表示しないようになっている。このようなときには、表示されている動画像を視認する際の妨げにもなるため、注意喚起画像も表示しないようにしてもよい。ただし、20回目のAT遊技の終了時には、画像表示装置で終了画面を表示するとともに注意喚起画像を表示することが好ましい。
他の実施形態では、注意喚起画像の大きさを図43に示す大きさとしたが、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できる大きさであればよく、図43に示す大きさよりも大きい注意喚起画像であってもよい。
また、特別遊技の終了時に表示する注意喚起画像の大きさを状況によって変更するようにしてもよい。たとえば、終了画面とともに表示するときの大きさと、演出画面とともに表示するときの大きさは異なる大きさであってもよい。
他の実施形態では、遊技メダルが付与される場合は、クレジット数として加算または払い出し後に画像表示装置で終了画面と注意喚起画像を表示するようにしたが、すべてのリールの回転が停止した後に画像表示装置で表示するようにしてもよいし、最後のストップスイッチが離されたときに画像表示装置で表示するようにしてもよい。また、遊技メダルが付与されない場合は、すべてのリールの回転が停止した後に画像表示装置で終了画面と注意喚起画像を表示するようにしたが、最後のストップスイッチが離されたとき画像表示装置で表示するようにしてもよい。
他の実施形態では、終了画面と注意喚起画像を同じタイミングで画像表示装置に表示するようにしたが、終了画面を表示した後に注意喚起画像を表示するようにしてもよい。さらには、終了画面を表示してから所定時間の経過後に注意喚起画像を表示するようにしてもよい。
他の実施形態では、最終遊技において遊技メダルが付与されるか否かに関わらず、スタートスイッチが操作されたときに終了画面を非表示とするようにしたが、最終遊技において遊技メダルが付与される場合は、遊技メダルが投入(ベットスイッチが操作、投入口より投入)されたときに終了画面を非表示としてもよい。
また、終了画面を表示してから所定時間が経過したときに非表示としてもよい。これは、画像表示装置には、終了画面だけでなく、注意喚起画像も表示されているため、不安を感じた遊技者がスタートスイッチを操作しない可能性があるからである。
他の実施形態では、画像表示装置を筺体の中央より上側に備えるようにしたが、画像表示装置は筺体の中央に備えてもよい。その場合、画像表示装置の中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央に注意喚起画像を表示すれば、遊技者の目の高さに近い位置に表示されることになる。なお、1つの画像表示装置しか備えないのであれば、遊技者の視線はそこに集まるのだから、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像を表示してもよい。
また、筐体のデザインなどの影響により画像表示装置が筺体の中央より下側に備えられることがある。なお、1つの画像表示装置しか備えないのであれば、遊技者の視線はそこに集まるのだから、中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像を表示してもよい。
また、特別遊技の終了時に表示する注意喚起画像の位置を状況によって変更するようにしてもよい。たとえば、終了画面とともに表示するときの位置と、演出画面とともに表示するときの位置は異なる位置であってもよい。
他の実施形態では、遊技待機中に図50(a)から図50(c)が繰り返し表示されるようにしたが、表示する順番は入れ替えてもよい。たとえば、図51(a)から図51(c)が繰り返し表示されるようにしてもよい。遊技者が遊技を始める前にデモ画面を見るのは、遊技を始めようとするスロットマシンの題材が如何なるものであるかを確認するためである。他の実施形態のようにスロットマシンの題材を紹介する画像が表示される前に、注意喚起を行うための画像が表示されることにより、遊技意欲が著しく低下する虞がある場合には、表示する順番を入れ替えることが好ましい。なお、入れ替える順番は、これに限られるものではない。
他の実施形態では、遊技待機中に注意喚起画像を表示し続ける時間を3000ms未満にしたが、遊技を始めようとする遊技者にも、予めのめり込んではいけないということを印象づける必要があれば、3000ms以上表示し続けるようにしてもよい。
他の実施形態では、遊技待機中に表示される注意喚起画像の位置と大きさを、特別遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じにしたが、表示する位置や大きさを状況によって、変更するようにしてもよい。たとえば、図52に示すように、遊技待機中に注意喚起画像を常時表示する場合には、画像表示装置の中央より上側右隅に小さく表示してもよい。これは、注意喚起画像が表示され続ける時間が長くなるため、少しでも過度な注意喚起とならないようにするための工夫である。なお、表示する位置と大きさは、これに限られるものではない。
他の実施形態では、スタートスイッチが操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生しても、すべてのリールの回転が停止するまでは、遊技の進行を停止しないようにしたが、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されるまでは、遊技の進行を停止しないようにしてもよい(遊技メダルが付与されない場合は除く)。
他の実施形態では、スタートスイッチが操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、遊技の進行が停止すると、画像表示装置にエラー画像を表示するようにしたが、エラーが発生したときにエラー画像を表示するようにしてもよい。これにより、遊技店員が駆けつけることができ、遊技の進行が停止後すぐにエラーを解除することができる。
他の実施形態では、スタートスイッチが操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、遊技の進行が停止している間も最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようにしたが、最小遊技時間の計測を停止させるようにしてもよい。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
他の実施形態では、スタートスイッチが操作されてからすべてのリールの回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、エラーの解除までに費やした時間に関わらず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしたが、エラーの解除までに費やした時間またはその時間に対応する時間だけ、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くしてもよい。たとえば、エラーの解除までに60000ms以上費やしたときは、注意喚起画像を1000ms表示し続けるようにしてもよい。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、注意喚起画像に重ねてエラー画像を表示するようにしたが、注意喚起画像を非表示とし、エラー画像を表示するようにしてもよい。そして、エラーが解除されたときは、エラー画像を非表示とし、注意喚起画像を表示するようにしてもよい。これは、エラー画像と注意喚起画像の優先度を同じにしたい場合に好適である。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含めず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしたが、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。エラー画像を表示しているか否か(エラーが発生したか否か)に関わらず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)だけ注意喚起画像を表示し続ければよいので、サブ制御部による負担を増大させなくて済む。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間を含めるようにしているが、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。これは、エラー画像が表示されることにより、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れる可能性が高い場合に好適である。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようにしたが、最小遊技時間の計測を停止させるようにしてもよい。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像の優先度を注意喚起画像よりも高く設定したが、注意喚起画像の優先度をエラー画像よりも高く設定してもよい。ただし、注意喚起画像によって、発生したエラーの種類が特定できなくなることは好ましくないため、注意喚起画像を表示する位置は、発生したエラーの種類が明記される位置と重ならない位置にすることが好ましい。なお、発生したエラーの種類が特定できる程度であれば、重なっていても構わない。
また、この場合は、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で電力の供給が停止した場合、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めるようにしているが、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。これは、電力の供給が停止したことにより、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れる可能性が高い場合に好適である。
他の実施形態では、電力の供給が再開すると、すぐに起動(表示を再開)する画像表示装置を用いたが、起動するまでに時間がかかる画像表示装置を用いる場合も、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。起動するまでの時間によっては、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。ただし、遊技者に多大なる不快感を与える可能性があれば、起動するまでの時間またはその時間に対応する時間だけ、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くしてもよい。なお、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。
他の実施形態では、遊技メダルが付与される場合、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されてから遊技メダルが投入(ベットスイッチが操作、投入口より投入)されるまでの間に、演出スイッチが操作されると、画像表示装置にメニュー画面を表示するようにしたが、遊技メダルが付与されるか否かに関わらず、スタートスイッチが操作されるまでの間に、演出スイッチが操作されると、画像表示装置にメニュー画面を表示するようにしてもよい。
他の実施形態では、注意喚起画像を表示する位置を、メニュー画面が表示されたときに、選択されている項目が分かるような位置にしたが、選択されている項目が分からなくなるような位置にしてもよい。このようにすることで、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れることを抑制することができる。
他の実施形態では、図48や図49に示すように、注意喚起画像が表示され続けていても、スタートスイッチなどの操作が有効となっている(遊技が進行する)が、注意喚起画像が表示され続けている間は、フリーズさせてもよい。換言すると、スタートスイッチなどの操作が無効となる(遊技の進行を停止させる)ようにしてもよい。遊技者に不快感を与えることになるが、のめり込み対策として期待される効果を最大限発揮することができる。具体的には、長時間に亘って遊技の進行が停止するため、遊技意欲をある程低下させることができる。この場合の注意喚起画像が表示され続ける時間は、遊技意欲をある程度低下させることができる時間であることが適当である。しかし、過度に長すぎる(たとえば、最小遊技時間以上の時間である)と、遊技者が二度と遊技しない可能性がでてくる。ゆえに、3000ms以上、4100ms未満であることが好ましい。
また、フリーズさせる場合であれば、図53に示すように、画像表示装置に終了画面を表示させた後、終了画面を非表示とするとともに注意喚起画像のみ表示するようにしてもよい。注意喚起画像のみ表示することで、遊技者の意識を確実に注意喚起画像に向けさせることができるため、のめり込み対策として期待される効果をより発揮することができる。なお、注意喚起画像を表示してから所定時間(3000ms以上、4100未満のうち、予め定めた時間)が経過した後、注意喚起画像を非表示とするとともに再び終了画面を表示するようにしてもよし、注意喚起画像のみを表示し続けてもよい。
まず、遊技待機中は図50(b)、図50(a)、図50(c)の順番で表示されるようにしたうえで、図53(b)を表示するタイミングのときに、図50(b)を表示し続けるようにしてもよい。これにより、図53(b)を表示するための画像を用意する必要がなくなる。
他の実施形態では、画像表示装置で注意喚起を行うようにしたが、画像表示装置以外でも注意喚起を行うようにしてもよい。たとえば、遊技者が認識し易い位置にある筐体のパネル部分に注意喚起画像を表示してもよい。
注意喚起画像は、例示したものに限られるものではない。たとえば、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」や「のめり込みに注意しましょう。パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」が明記された画像であってもよい。
なお、文字の色やフォントは、遊技者が認識し難いものでなければ自由である。たとえば、注意喚起画像を表示する際の背景画像と色が似ていると、遊技者が認識し難くなる恐れがあるため、背景画像の大部分を占める色とは異なる色である方が好ましい。特に、色相環で正反対に位置する色(以下、「反対色」とも称する)または反対色に近しい色である方が、色が引き立つため好ましい。
他の実施形態では、特別遊技中に付与される遊技メダルが最大で8枚のときを例に、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を算出したが、特別遊技中に付与される遊技メダルが最大で8枚以上15枚以下のときも、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間は、3000ms以上、3210ms以下であることが好ましい。たしかに、15枚の遊技メダルが付与されるときは、8枚の遊技メダルが付与されるときよりも、費やす時間が約280ms増えるため、その分だけ、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を短くすれば、ストップスイッチの操作が有効になる前に、注意喚起画像を非表示とすることはできる。ただし、ストップスイッチの操作が有効になってから約280ms後に、注意喚起画像を非表示としても、遊技者がそれに気づく可能性は著しく低いといえる。そうであれば、長ければ長い程、のめり込み対策として期待される効果を発揮することができるため、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間は、3000ms以上、3210ms以下であることが好ましい。
上述した実施形態では、遊技モード0におけるAT取得用第1抽選に当選してAT取得用第1特典が付与されたことを契機として、遊技モード0から遊技モード1に移行するようにしたが、非当選であっても移行可能にしてもよい(いわゆるガセ前兆)。その際、上記実施形態では、遊技モード1において前兆ゲーム数分の遊技が消化されると遊技モード2へ移行させたが、非当選の場合(ガセ前兆の場合)は、前兆ゲーム数分の遊技が消化されると遊技モード0へ移行させる。また、ガセ前兆を主制御手段側で管理せずに、副制御手段側で管理してもよい。具体的には、非当選時には、遊技モードは遊技モード0のままとし、副制御手段側で前兆ゲーム数を設定し、その期間中に連続演出などの煽り演出を行うようにする。
また、上記実施形態では、遊技モード2から遊技モード4へ移行する条件として、RT2移行RPの成立を例示しているが、RT2へ移行させるためのRPナビが実行されたことや、RT2に移行されたことを条件として、遊技モード2から遊技モード4へ移行するようにしてもよい。また、AT中はRT2に移行し、RT2が維持されるように押しナビが行われるようにしてもよい。
また、注意喚起画面表示後に清算処理を行う場合には、清算処理が終了した時点が、注意喚起画面表示開始時から3秒未満であっても注意喚起画面を終了させてもよい。その場合は、清算処理が終了した後にデモ画面の表示を開始する。清算処理により遊技者は遊技を終え、デモ画面でも注意喚起画面が表示されることからのめり込み防止を表示する必要がないからである。また、注意喚起画面を終了させることで、前の遊技者が遊技をしていないことをより明確にし、次の遊技者が、前の遊技者が遊技しているか戸惑わずに速やかに遊技を行うことができようになる。
なお、上述した実施形態、変更態様および他の実施形態を適宜組み合わせることが可能であり、さらに各実施形態またはそれらの組み合わせに対して、上述した変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、本発明はスロットマシン以外の遊技機(例えば、ぱちんこ機や、カジノマシン、アレンジボール、遊技メダルや遊技球を用いない封入式遊技機等)にも適用可能である。
封入式遊技機の一例としては、遊技メダルや遊技球といった物理的な遊技媒体ではなく、電子的な遊技媒体を用いて遊技が可能となる遊技機が挙げられる。このような遊技機においては、電子的な遊技媒体の数を複数桁(2桁以上)の7セグメント表示器で表示可能になっている。なお、電子的な遊技媒体は、遊技者が遊技機に直接投入できるようになっていてもよいし、遊技者の指示により遊技機外に設けられた装置から間接投入されるようになっていてもよい。封入式遊技機において、小役が成立すると、電子的な遊技媒体が遊技者に付与される(複数桁の7セグメント表示器に表示されている電子的な遊技媒体の数が増える)。
また、封入式遊技機においては、AT抽選やボーナス抽選(ボーナス役を含む複数の役から何れか1つ以上の役を決定するための役抽選)が行われる。そして、AT抽選に当選したときやボーナス抽選に当選したときは、そのことを煽るための演出(煽る演出とも称する)も行われる。ちなみに、AT抽選に当選していないときやボーナス抽選に当選していないときであっても、煽るための演出は行われるようになっている。煽る演出の例としては、複数の遊技に亘って行われる一連の演出であって、最後にAT抽選に当選しているか否かやボーナス抽選に当選しているか否かを告知する演出(連続演出と称することもある)や、AT抽選に当選しているときやボーナス抽選に当選しているときに滞在し易い背景画像を画像表示装置に表示する演出(前兆演出と称することもある)などが挙げられる。
のめり込み対策として、遊技者が1日に所定の金額(例えば5万円)を超えた金額を使用して遊技(投入)できないようにする遊技禁止手段を備えてもよい。具体的には、所定の金額に到達するまでは投入を可能とし、所定の金額を超えた投入を不可能とするものであり、この遊技禁止手段は、直接投入又は間接投入できる封入式遊技機の場合であれば、封入式遊技機が備えていてもよいし、間接投入できる封入式遊技機の場合であれば、当該封入式遊技機に対応する遊技機外に設けられた装置が備えていてもよい。
なお、遊技機外に設けられた装置で電子的な遊技媒体の残り数を管理できる(具体的には、遊技を終了する際に、複数桁の7セグメント表示器に表示されている電子的な遊技媒体を遊技機外に設けられた装置に預ける(貯玉する)ことができる)ようにし、貯玉していた電子的な遊技媒体の残り数から投入できるようにしてもよい。この場合、遊技禁止手段は、貯玉からの投入とは別に遊技者が1日に所定の金額(例えば5万円)を超えた金額を使用して遊技(投入)できないようにするものであってもよいし、貯留から投入する電子的な遊技媒体の数と金額を使用してい投入する電子的な遊技媒体の数の合計数が、所定の金額を電子的な遊技媒体に換算した数を超えて投入できないようにしてもよい。
封入式遊技機又は遊技機外に設けられた装置のいずれかが遊技禁止手段を備えていたとしても、封入式遊技機において、AT抽選に当選していることやボーナス抽選に当選していることが告知された後であって、その告知に係るAT遊技やボーナス遊技が終了するまでの間に、遊技者が使用する金額が所定の金額を超えてしまうときは、遊技できないようにしなくてもよい。遊技者には、告知がなされているのにも関わらず、遊技できないのではあまりにも酷であるからである。また、新たに使用する金額は高が知れている(1000円~2000円程度)からである。ちなみに、AT遊技やボーナス遊技が終了したときは、遊技できないようにしてもよい(本来であれば、遊技できないようになっていたためである)し、複数桁の7セグメント表示器に表示されている電子的な遊技媒体が残っている間は、遊技できるようにしてもよい(AT遊技やボーナス遊技中に付与された電子的な遊技媒体であって、新たに金額を使用しているわけではないためである)。
また、封入式遊技機又は遊技機外に設けられた装置のいずれかが遊技禁止手段を備えている場合であって、AT抽選に当選したときやボーナス抽選に当選したときは、1遊技を行うのに必要な電子的な遊技媒体の数(例えば3)と、複数桁の7セグメント表示器に表示されている電子的な遊技媒体の残り数(例えば残り12)と、現に遊技者が使用している金額と所定の金額の差(例えばもう5万円に達している)などの状況(ここでは状況を3つの情報で判断するように記載しているが、これに限られるものではなく、いずれか2つの情報で判断してもよいし、3つの情報に遊技機外に設けられた装置で管理する電子的な遊技媒体の残り数情報(所謂貯玉)など新たな1つ以上の情報を加えて判断してもよい)によって、AT抽選やボーナス抽選に当選していることを告知するまでのタイミング(何遊技後に告知するか)を決めることが望ましい。これは、当選していることを告知する前に、遊技できないようになることを抑制するためである。封入式遊技機が遊技禁止手段を備える場合には、遊技機外に設けられた装置から、必要な情報(現に遊技者が使用している金額と所定の金額の差などの使用可能な残り金額情報、遊技機外に設けられた装置で管理する使用可能な電子的な遊技媒体の残り数情報を受信し判断する。
また、封入式遊技機又は遊技機外に設けられた装置のいずれかが遊技禁止手段を備えている場合であって、間もなく遊技できない状態になる状況(1遊技を行うのに必要な電子
的な遊技媒体の数は3、複数桁の7セグメント表示器に表示されている電子的な遊技媒体の残り数は3、現に遊技者が使用している金額が所定の金額に達している)では、次遊技の演出として、AT抽選やボーナス抽選に当選しているか否かに関わらず、煽る演出を行わないようにすることが望ましい。煽り演出を行った途端に遊技できなくなると遊技の興趣が低下し、遊技離れが進む虞があるためである。
また、間もなく遊技できない状況になるより前に、このまま遊技を継続すると利益が獲得可能となったとしても得ることができなくなる可能性がある旨忠告する表示を行ってもよい。表示タイミングはAT抽選やボーナス抽選の契機から告知、抽選結果に基づく利益を享受するまでに必要なゲーム数を消化可能な遊技媒体を貸し出せる金額を残した状態であればよく、例えば、遊技者が仕様した金額が所定の金額より低い特定の金額(例えば4万5千円)に達したタイミングとしてよい。この忠告により、所定の金額を使ってしまって、利益(AT遊技、ボーナス遊技)が獲得可能となっているにも関わらず利益を享受できないことを予防できる。