JP5467152B2 - イオン風発生体及びイオン風発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン風発生体、イオン風発生装置及びイオン風発生方法に関する。
電子若しくはイオンの移動により誘起されるイオン風を発生させる装置が知られている。例えば、特許文献1では、誘電体に隔てられた2つの電極に交流電圧を印加して誘電体バリア放電を生じさせ、イオン風を発生させている。また、特許文献1では、イオン風の利用方法として、翼の表面に沿って流れるようにイオン風を発生させることにより、境界層の剥離を抑制することなどを挙げている。
特開2007−317656号公報
イオン風を発生させる技術は開発段階にあり、当該技術に関しては種々の課題・要望が存在する。例えば、イオン風の速度をより大きくすることを可能とすることが望まれている。なお、特許文献1の技術において、イオン風の速度を大きくするためには、イオン風を誘起する電極に高い電圧を印加する必要があり、消費電力を大きくせざるを得ない。
本発明の第1の観点のイオン風発生体は、電圧が印加され、放電によりイオン風を誘起する第1電極及び第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極よりも前記イオン風の下流域に前記イオン風を加速する電界を形成する電界形成部材と、を有する。
本発明の第2の観点のイオン風発生装置は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極に電圧を印加して前記第1電極及び前記第2電極に放電によりイオン風を誘起させる第1電源と、前記第1電極及び前記第2電極よりも前記イオン風の下流域に前記イオン風を加速する電界を形成する電界形成部と、を有する。
本発明の第3の観点のイオン風発生方法は、第1電極及び第2電極に電圧を印加して放電によりイオン風を誘起するステップと、前記第1電極及び前記第2電極よりも前記イオン風の下流域に電界を形成して前記イオン風を加速するステップと、を有する。
上記の構成又は手順によれば、イオン風の速度を大きくすることができる。
本発明の第1の実施形態に係るイオン風発生装置を模式的に示す斜視図である。 図1のイオン風発生装置の作用を説明する図である。 第2の実施形態のイオン風発生装置の要部を模式的に示す斜視図である。 第3の実施形態のイオン風発生装置の要部を模式的に示す斜視図である。 第4の実施形態のイオン風発生装置の要部を模式的に示す斜視図である。 第5の実施形態のイオン風発生装置の要部を模式的に示す斜視図である。 第6の実施形態のイオン風発生装置の要部を模式的に示す断面図である。 第7の実施形態のイオン風発生装置の要部を模式的に示す斜視図である。 第8の実施形態のイオン風発生装置の要部を模式的に示す斜視図である。 第9の実施形態のイオン風発生装置の要部を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の複数の実施形態に係るイオン風発生体、イオン風発生装置及びイオン風発生方法について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
また、第2の実施形態以降において、既に説明された実施形態と共通又は類似する構成について、既に説明された実施形態と共通の符号を用い、また、図示や説明を省略することがある。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るイオン風発生装置1を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生装置1は、矢印y1で示される方向に流れるイオン風を発生させる装置として構成されている。なお、本実施形態では、イオン風が流れる方向をx方向、イオン風の幅方向をy方向、イオン風の高さ方向をz方向として参照することがある。
イオン風発生装置1は、イオン風を発生させるイオン風発生体3と、イオン風発生体3の駆動及び制御を行う駆動部5とを有している。
イオン風発生体3は、誘電体7と、誘電体7に設けられた第1電極9、第2電極11及び第3電極13とを有している。
誘電体7は、例えば、厚さが一定の平板状に形成されており、第1主面7aと、その背面の第2主面7bとを有している。なお、矢印y1で示すように、イオン風は、第1主面7a上を第1主面7aに沿って流れる。誘電体7の平面形状は適宜な形状とされてよいが、図1ではx方向及びy方向に平行な辺を有する矩形とされた場合を例示している。
誘電体7は、無機絶縁物により形成されてもよいし、有機絶縁物により形成されてもよい。無機絶縁物としては、例えば、セラミック、ガラスなどが挙げられる。セラミックとしては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)やガラスセラミック焼結体(ガラスセラミックス)、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、コーディライト焼結体、炭化珪素質焼結体などが挙げられる。有機絶縁物としては、例えば、ポリイミド、エポキシ、ゴムなどが挙げられる。
誘電体7は、例えば酸化アルミニウム質焼結体により形成される場合であれば、セラミックグリーンシート積層法によって形成される。セラミックグリーンシートは、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、カルシア(CaO)及びマグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤及び溶媒を添加混合して作製したスラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法等の成形方法でシート状に成形することによって形成される。
第1電極9は、第1主面7a上に設けられ、第2電極11は、第2主面7b上に設けられている。これにより、第1電極9及び第2電極11は、誘電体7により隔てられている(絶縁されている)。
第2電極11は、第1電極9に対してイオン風の下流側(誘電体7の第1主面7a(所定の表面)に沿う方向(x方向)の一方側)に位置する部分(本実施形態では第2電極11の全体)を有している。なお、第1電極9と第2電極11とは、誘電体7の第1主面7aを平面視したときに、x方向において、一部が重複していてもよいし、隙間なく隣接していてもよいし、所定の隙間で離間していてもよい。
第3電極13は、第1主面7a上に設けられている。すなわち、第1電極9と同一面に設けられている。第3電極13は、x方向において、第2電極11に対して第1電極9とは反対側(イオン風の下流側)に離間して配置されている。
第1電極9、第2電極11及び第3電極13は、例えば、厚さが一定の層状(平板状含む)に形成されている。これらの電極の平面形状は適宜な形状とされてよいが、図1ではx方向及びy方向に平行な辺を有する矩形とされた場合を例示している。なお、これらの電極のy方向の長さは、例えば、互いに同一に設定される。
第1電極9、第2電極11及び第3電極13は、金属等の導電性材料により形成されている。これらの電極は、適宜な薄膜形成法及びパターニング法によって形成されてもよいし、導電性ペーストが印刷されることにより形成されてもよい。また、これらの電極は、金属板が、有機樹脂系の接着剤、ガラス、若しくは、金属により誘電体7に接合されることにより設けられてもよい。
上記金属としては、タングステンやモリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム、白金、ニッケル、コバルトまたはこれらを主成分とする合金などが挙げられる。
導電性ペーストは、例えば、タングステン、モリブデン、銅または銀等の金属粉末に有機溶剤及び有機バインダを添加し混合することによって作製される。導電性ペーストは、必要に応じて分散剤や可塑剤などが添加されていてもよい。混合は、例えば、ボールミル、三本ロールミル、またはプラネタリーミキサー等の混練手段により行われる。
この導電性ペーストを誘電体7になるセラミックグリーンシートの所定の位置に、スクリーン印刷法等の印刷手段を用いて印刷塗布し、同時焼成することによって第1電極9、第2電極11及び第3電極13を形成することができる。
なお、導電性ペーストは、セラミックグリーンシートと同時焼成する場合には、セラミックグリーンシートの焼結挙動に合わせたり、残留応力の緩和によって焼結後の誘電体との接合強度を高めたりするために、ガラスやセラミックスの粉末を添加してもよい。
なお、第1電極9、第2電極11及び第3電極13の寸法及び材料は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
駆動部5は、第1電極9及び第2電極11に交流電圧を印加する交流電源装置15と、第3電極13に直流電圧を印加する直流電源装置17と、交流電源装置15及び直流電源装置17を制御する制御装置19とを有している。
交流電源装置15により印加される交流電圧は、正弦波等により表わされる、電位が連続的に変化するものであってもよいし、パルス状の、電位の変化が不連続なものであってもよい。また、交流電圧は、第1電極9及び第2電極11の双方において電位が変動するものであってもよいし、第1電極9及び第2電極11の一方が基準電位に接続され、他方においてのみ電位が基準電位に対して変動するものであってもよい。電位の変動は、基準電位に対して正負の双方に変動するものであってもよいし、基準電位に対して正又は負の一方に変動するものであってもよい。
直流電源装置17は、閉ループを構成しない状態で直流電圧を第3電極13に印加する。すなわち、第3電極13には、直流電源装置17の正の端子若しくは負の端子のみが接続されており、直流電源装置17からの電流が流れる閉ループは構成されていない。
制御装置19は、例えば、所定のシーケンスに従って、若しくは、ユーザの操作に従って、交流電源装置15及び直流電源装置17による電圧の印加のオン・オフ、若しくは、印加される電圧の大きさなどを制御する。
なお、誘電体7、第1電極9、第2電極11及び第3電極13の寸法、交流電圧の大きさ及び周波数、並びに、直流電圧の大きさは、イオン風発生装置1が適用される技術、又は、要求されるイオン風の性質等の種々の事情に応じて適宜に設定されてよい。
図2は、イオン風発生装置1の作用を説明する、イオン風発生体3の側面図を含む図である。図2の左上のグラフは、第1電極9の電位の変化を示している。図2の右上のグラフは、第3電極13の電位の変化を示している。これらのグラフにおいて、横軸は時間tを示し、縦軸は電位を示している。
なお、図2では、第1電極9の電位が基準電位に対して正負の双方に変動し、また、第3電極13に負の電位が付与されている場合を例示している。図2の例において、第2電極11は、第1電極9とは逆の電位が付与されてもよいし、基準電位が付与されていてもよい。
イオン風発生体3は、大気中に置かれ、イオン風発生体3の周囲には空気が存在している。なお、イオン風発生体3は、特定の種類の気体雰囲気下(例えば窒素雰囲気下)に置かれて使用されてもよい。
交流電源装置15により第1電極9と第2電極11との間に電圧が印加され、これらの電極間の電位差が一定の閾値を超えると、放電に伴ってプラズマが生成される。なお、第1電極9及び第2電極11は、誘電体7により隔てられているから、放電は誘電体バリア放電である。
プラズマ中の電子又はイオンは、第1電極9及び第2電極11により形成された電界により移動する。また、中性分子も電子又はイオンに随伴して移動する。このようにしてイオン風が誘起される。
より具体的には、イオン風は、矢印y3で示すように、第1電極9側から第2電極11側へ移動する電子又はイオンにより、第1主面7a上の第2電極11と重なる領域を中心として誘起され、第1電極9側から第2電極11側へ流れる。
なお、図2の左上のグラフにおいて例示されているように、第1電極9の電位が基準電位に対して正負の双方に変動する場合、換言すれば、第1電極9の電位が第2電極11の電位に対して正負の双方に変動する場合、第1電極9及び第2電極11により形成される電界の方向も逆転する。従って、矢印y3で示す、第1電極9側から第2電極11側への方向へ移動する電荷の正負も交替する。
また、特に図示しないが、第1電極9及び第2電極11の一方の電位が他方の電位に対して正又は負の一方にのみ変動する場合には、第1電極9側から第2電極11側への方向へ移動する電荷は、正又は負のいずれか一方である。
直流電源装置17により第3電極13に直流電圧が印加されると、第3電極13の周囲には電界が形成される。換言すれば、第1電極9及び第2電極11により誘起されたイオン風の下流域には電界が形成される。
従って、イオン風に含まれる電子又はイオンを第3電極13側に引き寄せることにより、イオン風を加速することができる。すなわち、第3電極13に正の電位が付与されれば、負の電荷が第3電極に引き寄せられ、第3電極13に負の電位が付与されれば、正の電荷が第3電極に引き寄せられる。
なお、イオン風の下流域には正負の双方の電荷が存在する。従って、第3電極13は、正及び負のいずれの直流電圧が印加されても、負又は正の電荷を引き寄せ、イオン風を加速することができる。
例えば、第3電極13に正の直流電圧が印加された場合には、プラズマを構成する電子(負電荷)と第3電極13との間で引力が生じ、プラズマを構成するイオン(窒素や酸素から電子が電離した正電荷のイオン)と第3電極13との間で斥力が生じる。
この場合、第3電極13と電子との間の引力による電子の移動距離の方が、第3電極とイオンとの間の斥力によるイオンの移動距離に比べて長い。言い換えれば、イオン風の下流側への加速が促進される長さの方が加速が制限される長さよりも長い。また、上記の引力によってプラズマ(この場合は電子)が存在する範囲を第3電極13側に広くすることができる。このプラズマの広がりの分、周囲の空気などの分子に運動エネルギーを与えられる確率が高まる。従って、斥力による影響を抑制して、イオン風を有効に加速させることができる。なお、第3電極13に負の直流電圧が印加された場合には、上記と逆になる。第3電極13とイオンとの引力によりイオン風を加速させることができる。
なお、第1電極9及び第2電極11の一方の電位が他方の電位に対して正又は負の一方にのみ変動する場合には、換言すれば、第1電極9及び第2電極11による電界の方向が一定の場合には、その電界と同一方向の電界が第3電極13によって形成されるように、第3電極13に印加される直流電圧の正負が設定されることが好ましい。
イオン風の下流域に形成される電界について、より詳細に考察する。第1電極9と第3電極13との間においては、第1電極9と第3電極13との電位差によって、矢印y5で示すように、これらの電極間の方向を電界の向きとする電界が形成される。この電界の強さは、概ね、両電極の電位差を両電極間の距離Lにより割ることにより表わすことができる。第1電極9の電位は変動するから、第1電極9及び第3電極13により形成される電界の強さも変動する。
例えば、図2に例示するように、第1電極9に−V1〜V1の交流電圧が印加され、第3電極13に−V2の直流電圧が印加されている場合において、図2のPa点、Pb点及びPc点における電界の強さEa、Eb及びEcは、矢印y5の向きを電界の正の向きとして、以下のように表わされる。
Pa点:Ea=(V1−(−V2))/L=(V1+V2)/L
Pb点:Eb=0−(−V2)/L=V2/L
Pc点:Ec=(−V1−(−V2))/L=(−V1+V2)/2
以上の考察から理解されるように、第3電極13に印加される直流電圧の絶対値V2が大きいほど、電界は強くなり、イオン風を加速する作用は増大する。また、直流電圧の絶対値V2が、交流電圧の最大絶対値V1よりも大きければ、交流電圧の変動に係らず、電界の向きは一定であり、イオン風の挙動の安定が期待される。
また、第1電極9と第3電極13との距離Lが短いほど、電界は強くなり、イオン風の最大速度を大きくできる。逆に、距離Lが長いほど、イオン風を長い距離に亘って加速することができる。なお、電界による仕事量自体は電位差によって規定され、距離Lに対する依存性は低いと考えられる。
以上の第1の実施形態によれば、イオン風発生体3は、電圧が印加され、放電によりイオン風を誘起する第1電極9及び第2電極11と、第1電極9及び第2電極11よりもイオン風の下流域にイオン風を加速する電界を形成する電界形成部材(第3電極13)とを有している。
従って、イオン風の下流における速度を大きくすることができる。また、イオン風の下流域を長くすることもできる。このような速度向上等の効果を第1電極9及び第2電極11の構成を特別のものとしたり、これらに印加される電圧を大きくしたりすることなく得ることができる。すなわち、従来のイオン発生体に係る種々の技術思想と組み合わせることが容易であるとともに、既存の製品の改良により本願発明を実施することも容易である。
イオン風の下流域に電界を形成する電界形成部材は、第1電極9及び第2電極11よりもイオン風の下流側に配置され、閉ループを構成しない状態で直流電圧が印加される第3電極13である。
従って、電極を追加する簡便な方法によりイオン風の下流域に電界を形成することができる。さらに、第3電極13は、閉ループを構成していないことから、第3電極13において消費される電力は、イオン風中の電子又はイオンが第3電極13に入射することにより流れる電力のみであり、エネルギーの消費量が少ない。すなわち、少ない消費電力でイオン風を加速することができる。
イオン風発生体3は、第1電極9と第2電極11とを隔てる誘電体7を更に有する。第1電極9、第2電極11及び第3電極13は誘電体7に設けられている。
従って、誘電体バリア放電を行うための誘電体7に電極を配置しただけの簡素且つ製造容易な構成により、速度の大きいイオン風を発生させることができる。
誘電体7は板状に形成されている。第1電極9は、誘電体7の第1主面7aに平行な(積層された)層状電極である。第2電極11は、第1主面7aに平行な(誘電体7の第2主面7bに積層された)層状電極であり、第1電極9よりも第1主面7aに沿う方向の一方側(x方向の正側)に位置する部分を有している。第3電極13は、第1主面7aに平行な(積層された)層状電極であり、第2電極11よりも前記一方側(x方向の正側)に配置されている。
従って、基板(多層基板を含む)に電極を形成する周知慣用の製造技術を用いてイオン風発生体3を形成することができることから、大幅なコスト削減が期待される。また、第3電極13は、第1主面7aに積層された場合には、第1主面7aに沿って流れるイオン風の正に下流域に配置されることになり、効果的にイオン風を加速することができるし、第1主面7aと共に概ね平面を構成するから、第3電極13がイオン風の抵抗となることも抑制される。
また、本実施形態のイオン風発生装置1は、第1電極9及び第2電極11に電圧を印加して第1電極9及び第2電極11に放電によりイオン風を発生させる交流電源装置15と、第1電極9及び第2電極11よりもイオン風の下流域にイオン風を加速する電界を形成する電界形成部(第3電極13及び直流電源装置17)とを有する。従って、上記のイオン風発生体3の奏する効果と同様の効果を奏する。
また、本実施形態のイオン風発生方法は、第1電極9及び第2電極11に電圧を印加して放電によりイオン風を誘起するステップと、第1電極9及び前記第2電極11よりもイオン風の下流域に電界を形成してイオン風を加速するステップとを有する。従って、上記のイオン風発生体3の奏する効果と同様の効果を奏する。
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態のイオン風発生装置101の要部を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生装置101は、第3電極の形状のみが第1の実施形態のイオン風発生装置1と相違する。具体的には、以下のとおりである。
イオン風発生体103の第3電極113は、第1電極9との距離が変化する形状に構成されている。例えば、第3電極113は、遠距離部113aと、遠距離部113aよりも第1電極9との距離が短い近距離部113bと、遠距離部113aと近距離部113bとを接続する中間部113cとを有している。なお、これらのイオン風の流れ方向(x方向)における大きさは、概ね一定である。
第1の実施形態と同様に、第1電極9と第3電極113との間の電界は、第1電極9と第3電極13との距離が短くなるほど強くなる。従って、矢印y105a及び矢印y105bにより示すように、第1電極9と近距離部113bとの間の電界は、第1電極9と遠距離部113aとの間の電界よりも強くなる。その結果、イオン風は、近距離部113bよりも上流側においては、近距離部113b側が遠距離部113a側よりも加速される。
以上のとおり、第2の実施形態によれば、第3電極113が、第1電極9との距離が変化する形状に構成されていることから、イオン風の幅方向(y方向)において、イオン風に強弱をつけることができる。
<第3の実施形態>
図4は、第3の実施形態のイオン風発生装置201の要部を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生装置201は、第3電極の形状のみが第1の実施形態のイオン風発生装置1と相違する。具体的には、以下のとおりである。
イオン風発生体203の第3電極213は、イオン風の流れ方向(x方向)における大きさが変化する形状に構成されている。例えば、第3電極213は、小幅部213aと、小幅部213aよりもx方向において大きい大幅部213bとを有している。
第3電極213は、x方向における大きさが変化することにより、第1電極9との距離が変化している。従って、第2の実施形態と同様に、矢印y205a及び矢印y205bにより示すように、第1電極9と大幅部213bとの間の電界は、第1電極9と小幅部213aとの間の電界よりも強くなる。その結果、イオン風は、大幅部213bよりも上流側においては、大幅部213b側が小幅部213a側よりも加速される。
以上のとおり、第3の実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、イオン風の幅方向(y方向)において、イオン風に強弱をつけることができる。
<第4の実施形態>
図5は、第4の実施形態のイオン風発生装置301の要部を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生装置301は、第3電極及び直流電源装置の構成のみが第1の実施形態のイオン風発生装置1と相違する。具体的には、以下のとおりである。
イオン風発生体303は、一組の第1電極9及び第2電極11に対して、複数(本実施形態では2つを例示)の第3電極313A、313B(以下、A、Bを省略することがある。)を有している。2つの第3電極313は、例えば、第1の実施形態の第3電極13をイオン風の幅方向(y方向)において分割した形状であり、それぞれ矩形に形成されると共に、第1電極9との距離は同等である。
また、イオン風発生装置301の駆動部(符号省略)は、複数の第3電極313に対して個別に電圧を印加可能に複数(本実施形態では2つ)の直流電源装置17A、17B(以下、A、Bを省略することがある。)を有している。なお、複数の直流電源装置17は、複数の第3電極313に対して個別に電圧を印加可能な一つの電源装置と捉えられてもよい。
イオン風発生装置301は、複数の直流電源装置17により、複数の第3電極313に互いに異なる大きさの電圧を印加可能である。例えば、制御装置19(図1)は、複数の直流電源装置17の印加電圧の大きさを個別制御する。若しくは、制御装置19は、複数の直流電源装置17のオン・オフのみを制御し、複数の直流電源装置17の構成の相違により互いに異なる電圧が印加される。
第1の実施形態と同様に、第1電極9と第3電極313との間の電界は、印加される電圧が大きいほど強くなる。従って、図5に例示しているように、第3電極313Bに印加される電圧が第3電極313Aに印加される電圧よりも大きい場合においては、矢印y305a及び矢印y305bで示すように、第1電極9と第3電極313Bとの間の電界は、第1電極9と第3電極313Aとの間の電界よりも強くなる。その結果、イオン風は、第3電極313B側が第3電極313A側よりも加速される。
以上のとおり、第4の実施形態によれば、第3電極313は、一対の第1電極9及び第2電極11に対してイオン風に交差する方向に複数設けられ、複数の直流電源装置17は、複数の第3電極313に互いに異なる大きさの直流電圧を印加可能であることから、イオン風の幅方向(y方向)において、イオン風に強弱をつけることができる。
<第5の実施形態>
図6は、第5の実施形態のイオン風発生装置401の要部を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生装置401は、第3電極の形状のみが第1の実施形態のイオン風発生装置1と相違する。すなわち、イオン風発生体403の第3電極413には、イオン風が通過する複数の孔部413hが形成されている。具体的には、以下のとおりである。
第3電極413は、全体として概ね板状に形成されており、第1主面7aに立てて設けられ、第1電極9及び第2電極11側に面している。第3電極413の平面形状及び第1主面7aに対する角度は適宜に設定されてよいが、例えば、第3電極413は、矩形に形成され、第1主面7aに対して直交するように立てられている。
複数の孔部413hは、第1電極9及び第2電極11側から第3電極413側への方向へ第3電極413を貫通している。複数の孔部413hの形状、大きさ、数、配列方式等は適宜に設定されてよい。図6では、複数の孔部413hがイオン風の幅方向(y方向)及び高さ方向(z方向)において2次元的に配列され、第3電極413がメッシュ状(網状)電極とされている場合を例示している。
なお、メッシュ状電極における複数の孔部413hは、図6に例示するようにy方向及びz方向に沿って配列されていてもよいし、矩形の第3電極413の対角線方向に沿って配列されていてもよいし、不規則に分布していてもよい。また、複数の孔部413hの大きさ及び形状は互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。複数の孔部413hの分布密度は、一様であってもよいし、偏りがあってもよい。
このような第3電極413は、例えば、金属板に孔あけ加工を行うことにより形成されてよい。孔あけ加工は、例えば、打ち抜き又はエッチングである。また、例えば、第3電極413は、複数の金属線を格子状等の適宜な形状に組み、これらを接合することにより形成されてよい。
なお、第3電極413を形成する材料に特に制限はない。例えば、ステンレス鋼、鉄−ニッケル−コバルト合金、アルミニウム、金、銀、銅等の金属材料が適宜に選択されてよい。
第3電極413の誘電体7への固定は、例えば、誘電体7に溝を形成しておき、その溝に第3電極413を嵌め込むことにより行われてよい。また、例えば、有機樹脂系の接着剤、ガラス、若しくは、金属により第3電極413が誘電体7に接合されることにより設けられてもよい。なお、金属により第3電極413を誘電体7に接合する(ろう付けする)場合には、予め誘電体7の第1主面7aにメタライズ法等でろう付け用の金属層を設けておくことが好ましい。
第5の実施形態によれば、第3電極413には、イオン風が通過する孔部413hが形成されていることから、イオン風に対する抵抗が増加することを抑制しつつ、電界を形成する範囲をイオン風に交差する方向(y方向及びz方向)に広げることができる。その結果、広い範囲でイオン風を加速することができる。
特に、第3電極413がイオン風に交差するメッシュ状電極であることにより、イオン風に交差する広い範囲において、イオン風に対する抵抗の増加を抑制しつつ、イオン風を加速することができる。また、複数の孔部413hの大きさや密度を一様にすることにより、イオン風の強さを一様に保ったり、逆に、複数の孔部413hの大きさや密度に偏りを設定することにより、イオン風に強弱をつけたりすることができる。
<第6の実施形態>
図7は、第6の実施形態のイオン風発生装置501の要部を模式的に示す断面図である。
イオン風発生装置501は、第1〜第3電極の少なくともいずれか一つが誘電体に埋設されている点のみが第1の実施形態のイオン風発生装置1と相違する。本実施形態では、第2電極11が埋設されている場合を例示している。具体的には以下のとおりである。
イオン風発生体503の誘電体507は、互いに積層された複数(本実施形態では2つを例示)の第1誘電層508A及び第2誘電層508B(以下、単に「誘電層508」ということがある。)を有している。すなわち、誘電体507は、複数の誘電層508の積層体により構成されている。複数の誘電層508は、例えば、矩形の平板状に形成されるとともに、互いに同一の大きさ及び形状に形成されている。
第1誘電層508Aは誘電体507の第1主面507aを構成している。第2誘電層508Bは誘電体507の第2主面507bを構成している。第1電極9及び第3電極13は、第1の実施形態と同様に、第1主面507aに配置されている。一方、第2電極11は、第1誘電層508Aと第2誘電層508Bとの間に配置されており、これにより、誘電体507に埋設されている。
このような誘電体507は、例えば、セラミックグリーンシート等により構成された誘電層508を積層して焼成することにより形成される。第1〜第3電極等の導電体は、例えば、焼成前の誘電層508に導電ペーストが配置され、積層された誘電層508と共に焼成されることにより、誘電体507に固定されて形成される。
以上の第6の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、第2電極11は、誘電体507に埋設されていることから、誘電体507からの剥離が抑制されるとともに、気流などにより劣化することが抑制される。さらに、誘電体507を複数の誘電層508の積層体により構成することから、簡便に電極を埋設することができる。
<第7の実施形態>
図8は、第7の実施形態のイオン風発生装置601の要部を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生装置601は、第3電極613が誘電体607に設けられていない点が第1の実施形態のイオン風発生装置1と相違する。具体的には以下のとおりである。
誘電体607は、第1電極9及び第2電極11を配置するのに十分な大きさ及び形状とされている。例えば、誘電体607は、第1の実施形態の誘電体7のうち第3電極13側を切除した形状とされている。なお、第1主面607aに第1電極9が配置され、第2主面607bに第2電極11が配置されている点は第1の実施形態と同様である。
第3電極613は、不図示の支持部材により支持されている。支持部材は、誘電体607に対して固定されていてもよいし、誘電体607に対して移動可能に誘電体607に連結されていてもよい。支持部材が移動可能な場合、移動は手動で行われてもよいし、モータ等の駆動源からの動力により行われてもよい。
なお、第3電極613が誘電体607に対してx方向に移動可能であれば、第1電極9と第3電極613との距離が変化するから、電界の強さを変化させて風速を変化させることができる。また、第3電極613が誘電体607に対してy方向又はz方向に移動可能であれば、イオン風を加速する方向を変化させることができる。
第3電極613の形状は適宜な形状とされてよい。図8では、第3電極613が、イオン風の幅方向(y方向)に延びる断面矩形の棒状に形成された場合を例示している。
以上の第7の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、イオン風を加速して風速を大きくする効果が得られる。また、第3電極613は、誘電体7に設けられていないので、配置の自由度が高く、ひいては、イオン風の加速を適宜に調整することができる。第1電極9と第3電極613との間に誘電体が介在しないので、誘電率が低くなり、第3電極613により形成される電界の強さの低下が抑制される。
<第8の実施形態>
図9は、第8の実施形態のイオン風発生装置701の要部を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生体703においては、第1電極709は、リング状に形成されて、誘電体707の第1主面707aに配置されている。また、第2電極711は、第1電極709の内縁に収まる円形に形成されて、誘電体707の第2主面707bに配置されている。
このような第1電極709及び第2電極711に交流電圧を印加すると、矢印y703に示すように、第1電極709の中央側に流れるイオン風が誘起される。そして、種々の方向から中央側に流れたイオン風は互いに衝突し、矢印y701で示すように、第1主面707aが面する方向へ流れる。
そして、第3電極713は、第1主面707aの面する方向へ流れるイオン風の下流域に配置され、他の実施形態と同様に、イオン風を加速する。なお、第3電極713は、適宜な形状とされてよい。図9では、第3電極713が、複数の孔部713hが形成された円盤状のメッシュ電極である場合を例示している。
以上の第8の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、イオン風を加速して風速を大きくする効果が得られる。
<第9の実施形態>
図10は、第9の実施形態のイオン風発生装置801の要部を模式的に示す斜視図である。
イオン風発生体803においては、誘電体807は、第2電極811を覆っている。第1電極809、第2電極811及び第3電極813は、矢印y801で示すイオン風の流れる方向に沿って、当該順番で配置されている。なお、これらの電極は、不図示の適宜な支持部材により、互いに固定され、若しくは、互いに移動可能に連結されている。
第1電極809、第2電極811及び第3電極813は、適宜な形状とされてよい。図10では、いずれの電極も断面円形の棒状に形成された場合を例示している。
このようなイオン風発生体803において、第1電極809及び第2電極811に交流電圧が印加されると、第1電極809側から第2電極811側へ流れるイオン風が誘起される。当該イオン風は、誘電体807の表面に沿って流れて誘電体807を超えていく。そして、イオン風は、直流電圧が印加された第3電極813により加速される。
以上のとおり、第9の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、イオン風を加速して風速を大きくする効果が得られる。
なお、以上の実施形態において、第3電極13、113、213、313、413、613、713及び813は本発明の電界形成部材の一例であり、これら第3電極と直流電源装置17との組み合わせは本発明の電界形成部の一例であり、交流電源装置15は本発明の第1電源の一例であり、直流電源装置17(若しくは複数の直流電源装置17)は本発明の第2電源の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
イオン風を誘起する放電は、誘電体バリア放電に限定されない。例えば、コロナ放電であってもよい。換言すれば、誘電体は本発明の必須要件ではない。
第1電極及び第2電極に印加される電圧は、交流電圧に限定されず、直流電圧であってもよい。ただし、誘電体バリア放電が行われる場合は、放電が継続的に行われるように、第1電極及び第2電極の一方の電位が他方の電位に対して正負の双方に変動する交流電圧が印加されることが好ましい。
誘電体バリア放電のために誘電体が設けられる場合において、第7〜第9の実施形態(図8〜図10)に例示したように、第1〜第3電極の少なくとも一つは、誘電体に設けられなくてもよい(固着されなくてもよい。)。誘電体は、第1電極と第2電極とを隔てていればよい。
誘電体は、平板状のものに限定されない。例えば、第9の実施形態(図10)において例示したように、電極を被覆するようなものであってもよい。また、板状の誘電体は、表面が平面のものに限定されず、表面が曲面のものであってもよい。例えば、翼における境界層の剥離を抑制するために翼にイオン風発生体を設ける場合、誘電体の表面は翼の表面に連続する曲面であることが好ましい。
電極は、誘電体の表面に配置され、若しくは、誘電体に埋設されるものに限定されない。例えば、誘電体に形成された凹部に嵌合し、電極の主面のみが誘電体から露出されるように、電極が配置されてもよい。この場合、電極によるイオン風の抵抗が減じられる。また、例えば、第1電極のうち第2電極側の一部のみを誘電体から露出させてもよい。この場合、第1電極を保護しつつ、第1電極における電荷の入出力を好適に行うことができる。
第6の実施形態(図7)において示したように、第1〜第3電極の少なくともいずれか一つを誘電体に埋設する場合、電極同士の誘電体の厚み方向における配置関係は適宜に設定されてよい。例えば、第1〜第3電極の全てが同一の層間(厚み方向において同一の位置)に埋設されてもよいし、第1〜第3電極の全てが互いに異なる層に配置されるように、少なくともいずれか一つの電極が埋設されてもよい。
加速のための電界が形成されるイオン風の下流域は、第8の実施形態(図9)において例示したように、第2電極の第1電極とは反対側の領域、若しくは、誘電体の表面に沿う領域に限定されない。例えば、第1電極及び第2電極により誘起されたイオン風が管状部材を通過し、管状部材の屈曲により適宜な方向に風向が変化されている場合において、その風向が変化された後のイオン風を加速するように電界が形成されてもよい。同様に、第3電極が配置されるイオン風の下流側も第2電極の第1電極とは反対側に限定されない。
第7の実施形態(図8)において言及したように、電界は、イオン風の流れ方向を電界の向きとしてイオン風の加速のみを行うものに限定されない。すなわち、電界は、イオン風の流れ方向に斜めに交差する方向を電界の向きとし、加速だけでなく、イオン風の流れ方向の変更又は調整を行うものであってもよい。
第3電極は、イオン風の幅方向(y方向)等において、第1及び第2電極と同等の大きさを有している必要はない。例えば、第3電極は、イオン風の幅方向の一部のみに存在し、イオン風の一部のみを加速してもよい。逆に、第3電極は、第1及び第2電極よりも大きくてもよい。
第2及び第3の実施形態(図3及び図4)において例示したような第1電極との距離が変化する第3電極は、イオン風の幅方向(y方向)において距離が変化するものに限定されない。例えば、第5の実施形態(図6)において示したような、イオン風の幅方向(y方向)及び高さ方向(z方向)に広がる第3電極において、y方向だけでなく、若しくは、y方向に代えて、z方向の位置に応じて第1電極との距離が変化してもよい。
また、第2及び第3の実施形態(図3及び図4)は、極めて簡単な形状の第3電極を例示したが、第3電極の形状は適宜に設定されてよい。例えば、第3電極は、イオン風の幅方向(y方向)にジグザグに、若しくは、波状に延びる形状とされてもよいし、三角形若しくは円形にされてもよい。また、そのような種々の形状の第3電極が、一組の第1電極及び第2電極に対して、イオン風の流れ方向(x方向)の位置を同一にして、若しくは、x方向の位置を互いに異ならせて、y方向若しくはイオン風の高さ方向(z方向)に複数配置されてもよい。このように複数配置された第3電極は、互いに同一の電圧が印加されてもよいし、第4の実施形態(図5)において例示したように、互いに異なる電圧が印加されてもよい。以上のような第3電極に係る種々の形状、配置及び電圧の組み合わせにより、より好適にイオン風の強弱をつけたり、乱流を生じやすくしたりすることができる。
複数の第3電極は、イオン風の幅方向(y方向)及び/又は高さ方向(z方向)においてイオン風に強弱をつけることを目的として、y方向及び/又はz方向の位置を互いに異ならせて配置されるものに限定されない。例えば、第3電極は、y方向及びz方向の位置を同一にして、イオン風の流れ方向(x方向)に沿って配列されてもよい。この場合、例えば、下流側ほど電位が高くなるように直流電圧を印加することにより、長い距離に亘って均一に若しくは不均一にイオン風を加速することができる。
また、第4の実施形態(図5)において例示したように、複数の第3電極に互いに異なる電圧が印加され得る場合において、全ての第3電極において個別に電圧を印加可能である必要はない。すなわち、複数の第3電極のうち、いくつかの電極は、並列又は直列に接続されていてもよい。
第5の実施形態(図6)に例示したように、第1電極及び第2電極から第3電極への方向に貫通する孔部が第3電極に形成される場合、孔部は複数に限定されず、一つのみであってもよい。例えば、第3電極はリング状であってもよい。また、孔部が形成される電極は、板状のものに限定されないし、複数の孔部は、2次元的に配置されている必要はない。例えば、イオンの幅方向(y方向)に延びる棒状の第3電極において、y方向に沿って一列に配列された複数の孔部が形成されていてもよい。
1…イオン風発生装置、3…イオン風発生体、9…第1電極、11…第2電極、13…第3電極(電界形成部材、電界形成部)、17…直流電源装置(第1電源、電界形成部)。

Claims (6)

  1. 電圧が印加され、放電によりイオン風を誘起する第1電極及び第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極よりも前記イオン風の下流側に配置され、閉ループを構成しない状態で直流電圧が印加され、前記第1電極及び前記第2電極よりも前記イオン風の下流域に前記イオン風を加速する電界を形成する第3電極と、
    前記第1電極と前記第2電極とを隔て、且つ、前記第1電極、前記第2電極及び前記第3電極が設けられている誘電体と、
    を有し、
    前記誘電体は板状に形成されており、
    前記第1電極は、前記誘電体の所定主面に平行な層状電極であり、
    前記第2電極は、前記所定主面に平行な層状電極であり、前記第1電極よりも前記所定主面に沿う方向の一方側に位置する部分を有し、
    前記第3電極は、前記所定主面に平行な層状電極であり、前記第2電極よりも前記一方側に配置され、前記第1電極との距離が変化する形状である
    イオン風発生体。
  2. 前記第3電極は、イオン風の流れ方向における大きさが変化する形状である
    請求項1に記載のイオン風発生体。
  3. 前記第3電極は、一対の前記第1電極及び前記第2電極に対して複数設けられている
    請求項1又は2に記載のイオン風発生体。
  4. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極とを隔てる誘電体と、
    前記第1電極及び前記第2電極に電圧を印加して前記第1電極及び前記第2電極に放電により前記誘電体の表面に沿って流れるイオン風を誘起させる第1電源と、
    前記第1電極及び前記第2電極よりも、前記誘電体の表面に沿って流れる前記イオン風の下流側に配置された第3電極と、
    閉ループを構成しない状態で前記第3電極に直流電圧を印加して前記第1電極及び前記第2電極よりも前記イオン風の下流域に前記イオン風を加速する電界を前記第3電極に形成させる第2電源と、
    を有し、
    前記第1電源は、前記第1電極及び前記第2電極の一方の電極の電位を他方の電極の電位に対して正負の双方に変動させる交流電圧を前記第1電極及び前記第2電極に印加し、
    前記第2電源は、基準電位に対して正又は負の電位を前記第3電極に付与し、前記第1電極と前記第3電極との電位差は前記第1電源の交流電圧の周波数で変動する
    イオン風発生装置。
  5. 前記第2電源が印加する電圧の絶対値は、前記第1電源が印加する電圧の最大絶対値よりも大きい
    請求項に記載のイオン風発生装置。
  6. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極及び前記第2電極に電圧を印加して前記第1電極及び前記第2電極に放電によりイオン風を誘起させる第1電源と、
    前記第1電極及び前記第2電極よりも前記イオン風の下流側に配置された第3電極と、
    閉ループを構成しない状態で前記第3電極に直流電圧を印加して前記第1電極及び前記第2電極よりも前記イオン風の下流域に前記イオン風を加速する電界を前記第3電極に形成させる第2電源と、
    を有し、
    前記第3電極は、一対の前記第1電極及び前記第2電極に対して複数設けられ、
    前記第2電源は、前記複数の第3電極に互いに異なる大きさの直流電圧を印加可能である
    イオン風発生装置。
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