JP5466872B2 - 液晶配向剤、及びそれから形成される液晶配向膜とその製造方法、並びに該配向膜を具える液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、及びそれから形成される液晶配向膜とその製造方法、並びに該配向膜を具える液晶表示素子 Download PDF

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Description

本発明は新規な液晶配向剤及びそれから形成される液晶配向膜の製造方法、及び該配向膜を具える液晶表示素子に関する発明であり、特に、良好な塗布性を有するフリーラジカル重合性液晶配向剤、及び該液晶配向剤を基板上に塗布して脱水閉環及びフリーラジカル重合反応を行うと、信頼性が高くて良好な電圧保持率を持ち、プレチルト角を容易に制御できる液晶配向膜に関する製造方法、及び該配向膜を具える液晶表示素子に関するものである。
液晶表示素子は、一般に透明導電膜を具えた基板表面に、ポリアミック酸、ポリイミド等の重合体を液晶配向剤として塗布して、加熱及び配向処理を行った後に、形成された液晶配向膜を液晶表示素子用の基板とし、最後に配向膜面が設置された二枚の基板を対向に合わせて、その二枚の間隙に液晶層が形成されることにより得ることができる。
一般に液晶表示素子は、ネマチック型液晶を使用する表示素子が主流である。実際に運用されるネマチック型液晶表示素子の種類の具体例としては、(1)一方の基板片面の液晶の配向方向と他方の基板片面の液晶の配向方向とは角度90度となるTN(Twisted Nematic)型液晶表示素子、(2)一方の基板片面の液晶の配向方向と他方の基板片面の液晶の配向方向とは角度180度以上となるSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子、(3)薄膜トランジスタを使用したいわゆるTFT(Thin Film Transistor)液晶表示素子が挙げられる。
周知の配向剤として、線状重合体(非架橋型構造)からなる低分子量のポリアミック酸及び/又はポリイミド並びに溶剤より構成されるものが知られている。該線状ポリアミック酸又はポリイミドは、ジアミノ化合物とテトラカルボン酸二無水物とを、縮合重合反応することによって得ることができる。配向膜の製作においては、上記の配向剤を基板上に塗布して、高温でイミド化処理及び配向処理(ラビング)を行われる。例えば、日本特開平02−287324号公報(特許文献1)に記載されたポリアミック酸を液晶配向剤とすることが開示され、他方、日本特開平06−082794号公報(特許文献2)に記載されたポリイミドを液晶配向剤とすることが開示されている。しかし、ポリアミック酸を液晶配向剤とした場合には、信頼性に劣り、一方、ポリイミドを液晶配向剤とした場合には、塗布性に劣っており析出が生じやすい、と、それぞれ欠点を有している。
日本特開2001−122981号公報(特許文献3)に、マレイミド系モノマーを配向剤とし、その配向剤を直接に基板上に塗布して、光照射を通して加成重合反応を進行させ配向効果を有するポリイミド配向膜が形成されることが開示されている。しかし、その配向剤の塗布性は劣り、形成された配向膜上において析出物が生じやすい問題点が認められる。
また、日本特開昭57−102966号公報(特許文献4)には、マレアミック酸化合物を直接に防汚塗料に応用されたことが開示されている。さらに、日本特開平2−85238号(特許文献5)には、マレアミック酸化合物を耐熱性ポリイミド樹脂の原料として光学材料、機器部品等の用途へ応用できたことが開示されている。しかし、マレアミック酸化合物を液晶配向剤とすること、またその配向剤の塗布性を向上され、プレチルト角の制御を易くなる等については、上述の特許に全く記載は認められない。
特開平2−287234号公報 特開平6−82794号公報 特開2001−122981号公報 特開昭57−102966号公報 特開平2−85238号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、新規な液晶配向剤及びそれから形成される液晶配向膜の製造方法、及び該配向膜を具える液晶表示素子を提供することにある。
上記課題は、本発明の液晶配向剤及びそれから形成される液晶配向膜の製造方法により解決される。即ち本発明は、良好な塗布性を有するフリーラジカル重合性液晶配向剤、及び該液晶配向剤を基板上に塗布して脱水閉環及びフリーラジカル重合反応を行うと、信頼性が高くて良好な電圧保持率を持ち、プレチルト角を容易に制御できる液晶配向膜に関する製造方法、及び該配向膜を具える液晶表示素子が得られることを見出して完成されたものである。
すなわち、本発明は、分子内に2個以上の重合性マレアミック酸基を有する化合物(A)、重合体(B)、並びに、有機溶剤(C)を含有し、該重合体(B)は、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド酸、ポリアミドイミド、ポリアミド酸エステル、ポリアミド及びポリイミド系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体であることを特徴とする、フリーラジカル重合性液晶配向剤(以下、本発明の配向剤ともいう)を提供する発明である。さらに、本発明は、本発明の配向剤より形成されることを特徴とする液晶配向膜(以下、本発明の配向膜ともいう)、及び該液晶配向膜を備えることを特徴とする液晶表示素子(以下、本発明の液晶表示素子ともいう)、を提供する発明である。また、本発明は、液晶配向膜の製造方法として、本発明の液晶配向剤を基板上に塗布して、脱水閉環及びフリーラジカル重合反応を進行させて、液晶配向膜を得る製造方法(以下、本発明の製造方法ともいう)、を提供する発明でもある。
本発明により、信頼性が高くて良好な電圧保持率を持ち、プレチルト角を容易に制御できる液晶配向膜を形成することが可能なフリーラジカル重合性液晶配向剤が、その製造方法と共に提供され、該液晶配向膜と、これを用いる液晶表示素子が提供される。
[1]本発明の配向剤
本発明の配向剤は、液晶表示素子用のフリーラジカル重合性液晶配向剤であり、分子内に2個以上の重合性マレアミック酸基を有する化合物(A)と重合体(B)と有機溶剤(C)とを含み、更に添加剤(D)や、後述する他の単量体等を添加することもできる。
分子内に2個以上の重合性マレアミック酸基を有する化合物(A)
本発明の分子内に2個以上の重合性マレアミック酸基を有する化合物(A)(以下、本発明の化合物(A)ともいう)の製造方法に特に制限は無く、一般に無水マレイン酸系誘導体と多アミノ基化合物と反応して得ることができる。
本発明の化合物(A)は、好適には、下記構造式(1)で表される化合物(A−1)を含むものである。
Figure 0005466872
[式中、Qは1価の有機基であり、Tは脂肪族系、脂環族系及び芳香族系から選ばれる構造であり、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、R、Rは同じでも異なってもよく、mは1以上の整数であり、nは2以上の整数である。]
そのうち、Qは下記構造式(2)で表される官能基を含む。
−L− 構造式(2)
[式中、Lは単結合又はO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−S−、メチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基又はフェニレン基から選ばれる2価の有機基であり、Rは炭素数6〜30のアルキル基、炭素数4〜40の脂肪族環、芳香族環又はヘテロ環骨格を有する1価の有機基、あるいは炭素数6〜12のフッ素原子を有する1価の有機基である。]
本発明の化合物(A−1)は、無水マレイン酸系誘導体とジアミノ基化合物と反応して得られるものが好ましい。該化合物は下記構造式(3)で表される化合物である。
Figure 0005466872
[式中、Q、T、R、R、及びmは、構造式(1)と同意義である。]
本発明の構造式(3)で表される化合物は、さらに、構造式(4)で表される化合物が好適である。
Figure 0005466872
[式中、Q、R、及びRは、構造式(1)と同意義である。]
本発明の構造式(4)で表される化合物に、プレチルト角の安定性を制御することを考慮すると、さらに、下記の構造式(5)及び構造式(6)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005466872
本発明の分子内に2個以上の重合性マレアミック酸基を有する化合物(A)は、上述の化合物(A−1)以外に、必要に応じて、更に化合物(A−2)を添加することができる。該化合物(A−2)は下記構造式(7)で表される化合物である。
Figure 0005466872
[式中、T、R、R、及びnは、構造式(1)と同意義である。すなわち、Tは脂肪族系、脂環族系、芳香族系から選ばれる構造であり、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、R、Rは同じでも異なってもよく、nは2以上の整数である。]
本発明の化合物(A−2)において、同様に無水マレイン酸系誘導体とジアミノ基化合物と反応して得られるものが好ましい。該化合物は、下記構造式(8)で表される化合物である。
Figure 0005466872
[式中、T、R及びRは、構造式(7)と同意義である。]
本発明の構造式(8)で表される化合物は、構造式(9)で表されるものが好適である。
Figure 0005466872
[式中、R及びRは、構造式(7)と同意義である。]
本発明の化合物(A)において、化合物(A−1)及び化合物(A−2)の合計100質量部に対して、化合物(A−1)の使用量は0.5〜100質量部で、好ましくは2〜100質量部、更に好ましくは2〜60質量部である。一方、化合物(A−2)の使用量は99.5〜0質量部で、好ましくは98〜0質量部、更に好ましくは98〜40質量部である。化合物(A−1)及び化合物(A−2)の合計100質量部に対して、化合物(A−1)の使用量は0.5〜100質量部であると、良好なプレチルト角、良好な配向性、良好な液晶表示が得られる。TN型(Twisted Nematic)液晶表示素子について、そのプレチルト角の好ましい範囲は3〜5度であって、一方のVA型(Vertical Alignment)液晶表示素子について、そのプレチルト角の好ましい範囲は88〜90度である。
本発明の化合物(A)は、上述の通り、少なくとも2個以上の重合性官能基を有する必要があって、該重合性マレアミック酸基数は、好ましくは2〜4個、更に好ましくは2個である。その数が1個又は含まれない場合は、該化合物由来の液晶配向膜における電圧保持率及び信頼性が劣る。本発明の化合物(A)を用いることにより、所望する架橋構造を有する配向膜を形成できる。
本発明の化合物(A)の製造方法については特に制限が無く、一般に無水マレイン酸系誘導体と多アミノ基化合物とを有機溶剤中で反応して得られる。無水マレイン酸系誘導体の具体例としては、無水マレイン酸、2,3−ジメチル無水マレイン酸、2−メチル無水マレイン酸、2,3−ジエチル無水マレイン酸、2−エチル無水マレイン酸等が挙げられる。これらのうち、無水マレイン酸が好ましい。
多アミノ基化合物としては、ジアミノ基化合物、トリアミノ基化合物、テトラアミノ基化合物、ペンタアミノ基化合物等が挙げられる。これらのうち、ジアミノ基化合物、トリアミノ基化合物、テトラアミノ基化合物が好ましくて、更に好ましくはジアミノ基化合物である。
上記のジアミノ基化合物のうち、特に好適なジアミノ基化合物の具体例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2−メトキシベンゼン、2,5−ジアミノキシレン、1,3−ジアミノ−4−クロロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジアミノ−3−イソプロピルベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル−2,2’−プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)メチルホスフィンオキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルウレア、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノアントラキノン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’−5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミノ類等が挙げられる。
さらに、該ジアミノ基化合物として、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルプロパン、1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−4,4−ジメチルヘプタン、1,7−ジアミノ−3−メチルヘプタン、1,9−ジアミノ−5−メチルノナン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族及び脂環式ジアミン類が挙げられる。
同じく該ジアミノ基化合物として、2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,7−ジアミノジベンゾフラン、2,7−ジアミノカルバゾール、3,7−ジアミノフェノチアジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−チアジゾール、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン、及び下記構造式(10)〜(11)で表される化合物、即ち分子内に2個の一級アミノ基及び該一級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン類等が挙げられる。
Figure 0005466872
[式中、Rはピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジン及びピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環状構造を有する1価の有機基である。Xは2価の有機基である。]
Figure 0005466872
[式中、Rはピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジン及びピペラジンから選ばれる窒素原子を含む環状構造を有する2価の有機基である。Xは2価の有機基である。複数的に存在するXは、同一でも異なっても良い。]
さらに、下記構造式(12)と(13)で表される単一置換フェニレンジアミン類、下記構造式(14)で表されるジアミノオルガノシロキサン類が挙げられる。
Figure 0005466872
[式中、Rは−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−及び−CO−から選ばれる2価の有機基である。Rはステロイド骨格、トリフルオロメチル基及びフルオロ基から選ばれる基を有する1価の有機基又は炭素数6〜30のアルキル基である。]
Figure 0005466872
[式中、Rは−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−及び−CO−から選ばれる2価の有機基である。XとXは脂肪族環、芳香族環及び複素環から選ばれる2価の有機基である。Rは炭素数3〜18のアルキル基、炭素数3〜18のアルコキシル基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5のフルオロアルコキシル基、シアノ基、及びハロゲン原子から選ばれる1価の有機基である。]
Figure 0005466872
[式中、R10は炭素数1〜12の炭化水素である。複数的に存在するR10はそれぞれ同一でも異なっていても良い。pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。]
さらに、下記構造式(15)〜(19)で表される化合物等が挙げられる。これらのジアミノ基化合物は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
Figure 0005466872
[式中、tは2〜12の整数であり、uは1〜5の整数である。]
上述のジアミノ基化合物において、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、上記構造式(12)と(13)で表される単一置換フェニレンジアミン類、及び上記構造式(15)〜(19)で表される化合物が好ましく、特に、上記構造式(12)と(13)で表される単一置換フェニレンジアミン類のうち、1−ドデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−ヘキサデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−オクタデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、及び下記構造式(20)〜(41)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0005466872
Figure 0005466872
Figure 0005466872
[式中、vは3〜12の整数である。]
上述した全ての「特に好適なジアミノ基化合物」は、後述する重合体(B)の製造に際しても、好適に用いられるものである。
本発明の化合物(A)の製造方法において、反応物を溶解できる有機溶剤が使われるが、その溶剤の種類については特に制限が無い。本発明の溶剤の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルカプロラクタム、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明の化合物(A)の製造方法における無水マレイン酸系誘導体と多アミノ基化合物との使用割合は、無水マレイン酸系誘導体の酸無水物基と多アミノ基化合物のアミノ基とのモル比に対して、1.0〜2.5であって、好ましくは1.0〜2.0、更に好ましくは1.0〜1.8である。無水マレイン酸系誘導体と多アミノ基化合物を有機溶剤に反応させる温度が0〜100℃で、好ましくは0〜80℃、更に好ましくは0〜70℃である。反応時間は1〜5時間であって、好ましくは2〜4時間である。
重合体(B)
本発明の配向剤に配合する重合体(B)は、縮合重合反応して得られるポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド酸、ポリアミドイミド、ポリアミド酸エステル、ポリアミド重合体及びポリイミド系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体である。これらの中でも、ポリイミド系重合体及びポリアミド重合体は、好適な配合成分として例示される。
該ポリイミド系重合体の製造に際しては、ジアミノ基化合物とテトラカルボン酸二無水物が、好適に用いられる(後述する)。また、該ポリアミド重合体の製造方法に関しては、後述する合成例8において例示する。
<ジアミノ基化合物>
該ジアミノ基化合物は、前述の分子内に2個以上の重合性マレアミック酸基を有する化合物(A)の説明において挙げられた、「特に好適なジアミノ基化合物」が挙げられる。
<テトラカルボン酸二無水物>
該テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−ビシクロヘキシル−1,1’,2,2’−テトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、テトラシクロ[6.2.11,3.02,7]ドデカン−4,5,9,10−テトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−コハク酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フナン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン)−3−メチル−3−シクロへキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.3.0]−オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、3−オキサビシクロ[3.2.1]−オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3′−(テトラヒドロフラン−2’,5‘−ジオン)、及び下記構造式(42)と(43)で表される化合物等の脂肪族及び脂環式テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
Figure 0005466872
[式中、R11及びR13は芳香環を含有する2価の有機基、R12及びR14は水素原子又はアルキル基、複数存在するR12及びR14はそれぞれ同じでも異なっても良い。]
さらに、ピロメリット酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,4’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン酸二無水物、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルメチル)ジフェニルメタン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルメチル)ジフェニルエタン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルメチル)ジフェニルプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエタン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、ビス(フタル酸)フェニルスルフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、及び下記構造式(44)〜(47)で表されるステロイド骨格を含有する芳香族テトラカルボン酸二無水物類等の芳香族テトラカルボン酸二無水物化合物が挙げられる。ここで例示されるテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
Figure 0005466872
さらに、上述したテトラカルボン酸二無水物において、特に好適な例として、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−コハク酸二無水物、ピロメリット酸二無水物及び3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
<ポリイミド系重合体>
該ポリイミド系重合体は、ポリアミック酸(B−1)、ポリイミド(B−2)及びポリイミド系ブロック重合体(B−3)から選ばれる1種以上が含まれていること、又は、該1種以上からなること、が好適である。以下、これらのポリイミド系重合体について説明する。
(1)ポリアミック酸(B−1)
ポリアミック酸(B−1)は、上述したテトラカルボン酸二無水物化合物とジアミノ基化合物とを縮合重合反応することにより得られる。そのうち、テトラカルボン酸二無水物とジアミノ基化合物との使用割合は、ジアミノ基化合物のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基は0.2〜2当量であり、好ましくは0.8〜1.2当量である。
ポリアミック酸(B−1)の縮合重合反応において、テトラカルボン酸二無水物とジアミノ基化合物を有機溶剤に反応させる温度は、−20〜150℃であり、好ましくは0〜100℃である。ここで用いられる有機溶剤としては、反応物及び生成物を溶解できるものであれば特に制限が無い。その具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、アセトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶剤;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール系溶剤等が挙げられる。
上記の有機溶剤には、重合体の貧溶剤であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等を、生成する重合体が析出しない範囲で併用することができる。その貧溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタジオール、トリエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上述の要領で得られるポリアミック酸(B−1)反応溶液を、大量の貧溶剤に注いで析出物を析出させ、この析出物を減圧下乾燥する方法、あるいは、反応溶液をエバポレーターで減圧留去する方法により、所望のポリアミック酸(B−1)が得られる。更に、該ポリアミック酸(B−1)を再び有機溶剤に溶解し、次いで貧溶剤で析出させる方法、あるいは、エバポレーターで減圧留去する工程を1回又は数回行う方法により、精製されたポリアミック酸(B−1)を得ることができる。
(2)ポリイミド(B−2)
ポリイミド(B−2)は、典型的には、ポリアミック酸(B−1)を、更に脱水閉環(イミド化)処理を進行して得ることができる。
ポリアミック酸(B−1)のイミド化処理の方法としては、ポリアミック酸(B−1)を有機溶剤に溶解して、脱水剤及びイミド化触媒の存在下に加熱して脱水閉環反応を進行させる。イミド化処理の加熱温度は40〜200℃であり、好ましくは80〜150℃である。脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物類が挙げられる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸(B−1)1モルに対して好ましくは0.01〜20モルである。一方、イミド化触媒の具体例としては、ピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンが挙げられる。イミド化触媒の使用量は、脱水剤1モルに対して0.5〜10モルが好ましい。イミド化処理に使用される溶剤は、前述のポリアミック酸(B−1)の縮合重合反応に挙げられた溶剤と同様である。
また、得られたポリイミド(B−2)反応溶液について、前述のポリアミック酸(B−1)における精製方法と同様の操作を行い、処理することにより、精製されたポリイミド(B−2)が得られる。
(3)ポリイミド系ブロック共重合体(B−3)
ポリイミド系ブロック共重合体(B−3)は、ポリアミック酸ブロック共重合体(B−3−1)、ポリイミドブロック共重合体(B−3−2)及びポリアミック酸−ポリイミドブロック共重合体(B−3−3)、のいずれか1種又は2種以上を含む、あるいは、該1種又は2種以上からなる、ことが好適である。
(a)ポリアミック酸ブロック共重合体(B−3−1)
上記のポリアミック酸ブロック共重合体(B−3−1)は、例えば、下記構造式(48)で表される第1のポリアミック酸ブロックと、この第1のポリアミック酸ブロックと構造が異なる第2のポリアミック酸ブロックとを含有してなるポリアミック酸ブロック共重合体が挙げられる。
Figure 0005466872
[式中、JとJは同じでも異なってもよい4価の有機基、KとKは同じでも異なってもよい2価の有機基、JとJ及びKとKは同時に同じではなく、少なくともいずれか一方において互いに異なっている。xとyは1〜2,000の整数であり、zは1〜100の整数である。]
(b)ポリイミドブロック共重合体(B−3−2)
上記のポリイミドブロック共重合体(B−3−2)は、例えば、下記構造式(49)で表される第1のポリイミドブロックと、この第1のポリイミドブロックと構造が異なる第2のポリイミドブロックとを含有してなるポリイミドブロック共重合体が挙げられる。
Figure 0005466872
[式中、JとJは同じでも異なってもよい4価の有機基、KとKは同じでも異なってもよい2価の有機基、JとJは及びKとKは同時に同じではなく、少なくともいずれか一方において互いに異なっている。xとyは1〜2,000の整数であり、zは1〜100の整数である。]
(c)ポリアミック酸−ポリイミドブロック共重合体(B−3−3)
上記のポリアミック酸−ポリイミドブロック共重合体(B−3−3)は、例えば、下記構造式(50)で表されるポリアミック酸ブロックとポリイミドブロックとを含有してなるポリアミック酸-ポリイミドブロック共重合体が挙げられる。
Figure 0005466872
[式中、JとJは同じでも異なってもよい4価の有機基、KとKは同じでも異なってもよい2価の有機基、JとJは及びKとKは同時に同じではなく、少なくともいずれか一方において互いに異なっている。xとyは1〜2,000の整数であり、zは1〜100の整数である。]
上記のポリイミド系ブロック共重合体(B−3)の合成は、選択するブロック共重合体の種類、具体的には、ポリアミック酸ブロック共重合体(B−3−1)、ポリイミドブロック共重合体(B−3−2)及びポリアミック酸−ポリイミドブロック共重合体(B−3−3)のいずれかに応じた合成手段を選択する。概略すれば、ポリイミド系ブロック共重合体(B−3)は、前述のポリアミック酸(B−1)、ポリイミド(B−2)、テトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物を、選択するブロック共重合体の種類に応じて適宜選択し、有機溶剤中において、更に縮合重合反応を行うことにより得ることができる。例えば、末端基と構造が異なる2種類のポリアミック酸(B−1);末端基と構造が異なる2種類のポリイミド(B−2);末端基と構造が異なるポリアミック酸(B−1)及びポリイミド(B−2);ポリアミック酸(B−1)、テトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物(該テトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物は、ここで用いるポリアミック酸(B−1)の縮合反応に使用されたテトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物とは少なくとも1種類異なる。);ポリイミド(B−2)、テトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物(該テトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物は、ここで用いるポリイミド(B−2)の縮合反応に使用されたテトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物とは少なくとも1種類異なる。);ポリアミック酸(B−1)、ポリイミド(B−2)、テトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物(該テトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物は、ここで用いるポリアミック酸(B−1)及びポリイミド(B−2)の縮合反応に使用されたものとは少なくとも1種類異なる。);構造が異なる2種類のポリアミック酸(B−1)、テトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物;構造が異なる2種類のポリイミド(B−2)、テトラカルボン酸二無水物及びジアミノ基化合物;末端基が酸無水物基で且つ構造が異なる2種類のポリアミック酸(B−1)及びジアミノ基化合物;末端基がアミノ基で且つ構造が異なる2種類のポリアミック酸(B−1)及びテトラカルボン酸二無水物;末端基が酸無水物基で且つ構造が異なる2種類のポリイミド(B−2)及びジアミノ基化合物;末端基がアミノ基で且つ構造が異なる2種類のポリイミド(B−2)及びテトラカルボン酸二無水物;等の組み合わせが挙げられる。
ポリイミド系ブロック共重合体(B−3)の縮合重合反応において、反応温度は0〜200℃であって、好ましくは0〜100℃である。使用される溶剤は、前述のポリアミック酸(B−1)の縮合重合反応に挙げられた溶剤と同様である。
一連の反応工程により得られた、ポリイミド系ブロック共重合体(B−3)の反応溶液は、前述のポリアミック酸(B−1)の精製方法と実質的に同様の操作を行い、処理することにより、精製されたポリイミド系ブロック共重合体(B−3)が得られる。
<重合体(B)の配合>
本発明の化合物(A)及び重合体(B)の合計100質量部に対して、本発明の化合物(A)と重合体(B)との使用量は一般に99/1〜1/99質量部であり、好ましくは90/10〜10/90質量部、より好ましくは85/15〜15/85質量部、更に好ましくは70/30〜30/70である。本発明の化合物(A)の使用量が99質量部を超え、重合体(B)の使用量が1質量部未満であると、印刷法で塗布する際に配向剤の成膜性が良くない問題点が認められる。一方、本発明の化合物(A)の使用量が1質量部未満で、重合体(B)の使用量が99質量部を超えると、塗布する際に配向剤が析出しやすくなり、形成された配向膜の信頼性が劣る問題点が認められる。
[有機溶剤(C)]
本発明の配向剤において用いられる有機溶剤(C)は、本発明の化合物(A)及び重合体(B)の製造に際して使用され得る有機溶剤と同一のものから選択される。本発明の化合物(A)及び重合体(B)の合計100質量部に対して、該有機溶剤(C)の使用量は100〜10,000質量部であって、好ましくは300〜5,000質量部、更に好ましくは500〜3,000質量部である。
[添加剤(D)]
本発明の配向剤は、目的物性の要求を損なわない範囲において、官能性シラン含有化合物又はエポキシ基化合物を添加して基板表面への接着性を高めることができる。このような官能性シラン含有化合物の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、上記エポキシ基化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3−(N−アリル−N−グリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の配向剤は、目的物性の要求を損なわない範囲においてその他の共重合可能な単量体を添加することができる。このような共重合可能な単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、エチルアクリル酸及び桂皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸及びシトラコン酸無水物等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;三価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロロスチレン、メトキシスチレン等の芳香族ビニル基化合物;N−フェニルマレイミド、N−o−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−m−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−p−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド、N−o−メトキシフェニルマレイミド、N−m−メトキシフェニルマレイミド、N−p−メトキシフェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド類;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメクリレート、ドデシルメタクリレート、テトラデシルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、エイコシルメタクリレート、ドコシルメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジブチルアミノプロピルアクリレート、N,t−ブチルアミノエチルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル系化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド等の不飽和アミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類化合物等が挙げられる。
[2]本発明の製造方法
本発明の配向剤は、本発明の化合物(A)、重合体(B)、及び有機溶剤(C)を含み、更に添加剤(D)等を添加することもできる。本発明の配向剤は、本発明の化合物(A)、重合体(B)、添加剤(D)を有機溶剤(C)に溶解して均一に混合して得られる。その配向剤を製造する温度は0〜200℃、好ましくは0〜100℃である。
次いで、本発明の配向膜は、本発明の液晶配向剤を、基板上に塗布して、脱水閉環及びフリーラジカル重合反応を進行させることにより製造することができる。
基板上への本発明の配向剤の塗布は、透明導電膜が設けられている基板一面に本発明の液晶配向剤を、ロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法等の方法によって塗布して、塗布面を加熱処理して塗膜を形成する。そのうち、印刷法が好ましい。
該基板の具体例としては、液晶表示装置に使用される無アルカリ性ガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス等のガラス類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート等のプラスチック透明基板が挙げられる。基板一面に設けられる透明導電膜は、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(NESAは米国PPG社の登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜等が挙げられる。
本発明の配向剤を塗布する際に、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性を高めるために、基板の表面に予め官能性シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物等の化合物を塗布しておくことができる。
本発明の配向膜を形成するための加熱処理は、液晶配向剤塗布後のプレベーク、及びその後のポストベークがある。プレベークは有機溶剤を揮発させ塗膜を形成し、その処理温度は30〜120℃で、好ましくは50〜100℃である。
また、本発明の配向剤が塗膜を形成した後に、更にポストベークを行い、同時に脱水閉環(イミド化)及びフリーラジカル重合反応を進行させて、イミド化された配向膜塗膜を形成される。該加熱処理(ポストベーク)の温度は、150〜300℃であって、好ましくは180〜280℃、更に好ましくは200〜250℃である。
配向膜形成の処理においては、紫外線照射を行った後、ポストベークを行うこともできる。また、配向剤には必要に応じて光重合開始剤又は熱重合開始剤を添加できる。さらに、該配向膜処理は、加熱処理(加熱重合)方式が好ましい。
そのうち、脱水閉環(イミド化)反応はマレアミック酸基を、イミド化反応を通してマレイミド基を形成し、該反応の具体例としては、例えば、構造式(5)の化合物を例として下記反応式(1)で表される。
Figure 0005466872
一方、フリーラジカル重合反応はC=C二重結合を有する化合物、例えばマレイミド基化合物を重合反応させて架橋型構造を形成する。該反応の具体例は下記反応式(2)で表される。
Figure 0005466872
脱水閉環(イミド化)及びフリーラジカル重合反応で得られたイミド化配向膜の具体例としては、以下、構造式(51)で表される架橋構造を有する配向膜が例示される。
Figure 0005466872
形成された塗膜層は、必要に応じてナイロン、レーヨン、コットン等の繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行い、これにより、液晶分子の配向能を塗膜上に付与させて、液晶配向膜を構成する。また、液晶分子の配向能の付与方法は、例えば、形成された配向膜の少なくとも一枚の基板上に突起形状又はパターン形状を形成させて達成し、この方法はMVA(Multi-domain Vertical Alignment)又はPVA(Patterned Vertical Alignment)として知られている。
[3]本発明の表示素子
本発明の表示素子は、例えば、下記方法によって製造される。
上述した本発明の製造方法にて、液晶配向膜が形成された基板を2枚作製して、2枚の基板を間隙(セルギャップ)を介入して対向に配置し、2枚の基板の周辺部位を、シール剤を用いて貼り合わせて、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外表面、即ち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面側に偏光板を貼り合わせることにより、液晶表示素子が得られる。
シール剤の材料は一般のエポキシ樹脂系硬化剤を使用し、一方スペーサー材料はガラスビーズ、プラスチックビーズ、又は感光性エポキシ樹脂等を使用する。液晶としてはネマチック型液晶、その具体例は、シッフベース系液晶、酸化アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶等が挙げられる。これらの液晶において、例えば、コレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネート等のコレステリック型液晶、及び商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)で販売されているカイラル剤等を添加して使用できる。また、液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させたH膜と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んた偏光板又はH膜そのものからなる偏光板等が挙げられる。
本発明の内容及びその技術の特徴、効能について、以下のように実施例及び比較例を取り上げ、具体的に説明する。
[1]本発明の配向剤に関する合成例
(1)本発明の化合物(A)
[合成例1]
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、攪拌器、加熱器、冷却管及び温度計を備えた500mlの4ツフラスコに、表一に示す使用量の原料組成物を加えた。該原料組成物は、1−オクタデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン(以下、C18DAと称す)3.76g(0.01モル)を溶剤テトラヒドロフラン(以下、THFと称す)50gに、室温で溶解したものである。更に無水マレイン酸(以下、MAnと称す)2.45g(0.025モル)を加えて、室温で3時間反応させた。反応終了後に反応溶液をろ過し、得られた固体はTHFで洗浄とろ過を三回繰り返し、その固体を真空オーブンに移して温度60℃で乾燥を行った後、2個マレアミック酸基を有する化合物(A−1−1)を得た。
[合成例2〜4]
多アミノ基化合物の種類及び無水マレイン酸の用量を表1に示した通りに変更した以外、合成例1と同様な方法で操作を行った。
Figure 0005466872
(2)重合体(B)
[合成例5]
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、攪拌器、加熱器、冷却管及び温度計を備えた500mlの4ツフラスコに、下記の原料組成物を加えた。該原料組成物は、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、DDEと称す)20g(0.1モル)を溶剤N−メチルピロリドン(以下はNMPと称す)180gに室温で溶解した。更に、ピロメリット酸二無水物(以下はPMDAと称す)10.246g(0.047モル)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(以下、CBTAと称す)9.8g(0.05モル)及びNMP50.26gを加えて、室温で6時間反応させた。反応終了後にポリアミック酸溶液を1500mlの水中に投入して重合物を析出させ、ろ過して得られた重合物はメタノールで洗浄とろ過を三回繰り返し、真空オーブンに移して温度60℃で乾燥を行った後、ポリアミック酸重合体(B−1)を得た。
[合成例6]
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、攪拌器、加熱器、冷却管及び温度計を備えた500mlの4ツフラスコに、下記の原料組成物を加えた。該原料組成物は、p−フェニレンジアミン(以下、PDAと称す)10.8g(0.1モル)を溶剤NMP100gに室温で溶解した。更に、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−コハク酸二無水物(以下、TDAと称す)33g(0.11モル)及びNMP63gを加えて、室温で6時間反応して、ポリアミック酸重合物の反応溶液を得た。更に、無水酢酸7.9g、及びピリジン51gを加えて、60℃まで温度を上げて連続に3時間攪拌してイミド化を行った。反応終了後に得られたポリイミド重合物の反応溶液を1500mlの水中に投入して重合物を析出させ、ろ過して得られた重合物はメタノールで洗浄とろ過を三回繰り返し、真空オーブンに移して温度60℃で乾燥を行った後、ポリイミド重合体(B−2)を得た。
[合成例7]
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、攪拌器、加熱器、冷却管及び温度計を備えた500mlの4ツフラスコに、下記の原料組成物を加えた。該原料組成物は、合成例6で得られたポリイミド重合体(B−2)3gを溶剤NMP17gに室温で溶解した。更に、合成例5で得られたポリアミック酸重合体(B−1) 3gとNMP17gを加えて、60℃で6時間反応させた。反応終了後に重合物溶液を1500mlの水中に投入して重合物を析出させ、ろ過して得られた重合物はメタノールで洗浄とろ過を三回繰り返し、真空オーブンに移して温度60℃で乾燥を行った後、ポリアミック酸−ポリイミドブロック共重合体(B−3−3)を得た。
[合成例8]
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、攪拌器、加熱器、冷却管及び温度計を備えた500mlの4ツフラスコに、下記の原料組成物を加えた。該原料組成物は、油性NaH1.2gをジメチルスルホキシド150mlに添加し70℃で1時間反応させた。その後ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)3gを添加し、30℃で4時間反応させた。更に、n−ヘプチルブロマイド4.47gを添加し、30℃で16時間反応させた。反応終了後に重合物溶液を1500mlの水中に投入して重合物を析出させ、ろ過して得られた重合物はアセトンで洗浄とろ過を三回繰り返し、真空オーブンに移して温度60℃で乾燥を行った後、ポリアミド重合体(B−4)を得た。
[2]実施例と比較例
[実施例1]
合成例1で得られたマレアミック酸基を有する化合物(A−1−1)40質量部、及び合成例5で得られたポリアミック酸重合体(B−1)60質量部を、NMP800質量部/エチレングリコール−n−ブチルエーテル(以下はBCと称す)800質量部からなる混合溶剤に室温で完全に溶解して、得られた配向剤溶液を、印刷機(Nissha Printing社製)を用いてITO(Indium-tin-oxide)膜を具えたガラス基板上に塗布した。後に、80℃のホットプレート上で2分間プレベーク処理して、230℃のオーブンにおいて15分間でポストベーク処理した。膜厚測定器(KLA-Tencor社製、型番はAlpha-step500)を用いて膜厚が約750A(オングストローム)であると測量した。上述の工程で製作された二枚の液晶配向膜ガラス基板は、一枚ガラス基板に熱圧接着剤を塗布し、もう一枚のガラス基板上に4μmのスペーサーを付着して、二枚のガラス基板を貼り合わした。ネマチック型液晶を注入して、更に紫外光線硬化剤で液晶注入口を封止して、液晶セルを製作した。下記のそれぞれの評価方式により評価を行った。評価結果は表2に示す。
[評価方法]
[(1)塗布性]
塗布後に形成された塗膜は、顕微鏡でその塗膜表面にピンホール及び析出物等の塗布欠陥の有無を観察した。
○:塗布表面が平滑で、析出物が無い。
△:塗布表面に少量のピンホール、析出物がある。
×:塗布表面に大量からなるピンホール、析出物がある。
××:塗布成膜ができない。
[(2)電圧保持率]
液晶セルについて、電気測量器(TOYOコーポレーション社製、型番はModel6254)を用いて電圧保持率を測定した。4Vの電圧、120マイクロ秒の印加時間、16.67ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から16.67ミリ秒後の電圧保持率を測定し、下記の基準に基づき評価した。
○:電圧保持率>96%。
△:電圧保持率94〜96%。
×:電圧保持率<94%。
[(3)信頼性]
液晶セルについて、70℃の恒温、相対湿度80%、120時間との条件で信頼性を測定して、そして評価方法(2)の方法でその電圧保持率を測定し、下記の基準に基づき評価した。
○:電圧保持率>94%。
△:電圧保持率90〜94%。
×:電圧保持率<90%。
[(4)プレチルト角]
「T.J.Scheffer, et.al., J.Appl.Phys., vol.19, 2013 (1980)」に記載の方法に基づき、He−Neレーザ光を用いる結晶回転法により測定した。該測定には、CHUO PRECISION INDUSTRIAL CO., LTD.社製、型番はOMS-CM4RDを用いた。
[実施例2]
本発明の化合物(A)の用量、重合体(B)の種類及び用量、及び溶剤(C)の用量を変更した以外、実施例1と同様な方法で操作を行った。詳細な資料及び評価結果は表2に示す。
[実施例3]
本発明の化合物(A)の種類及び用量、重合体(B)の種類及び用量、溶剤(C)の用量を変更し、及び添加剤(D)を加えた以外、実施例1と同様の方法で操作を行った。詳細な資料及び評価結果は表2に示す。
[実施例4〜7]
ポストベーク後の薄膜表面にナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、スデージの移動速度35.4mm/sec、ロールの回転速度700rpm、毛足押し込み長さ0.3mmで、一方へ一回ラビング処理を行った。また、本発明の化合物(A)の種類及び用量、重合体(B)の種類及び用量、溶剤(C)の用量を変更し、添加剤(D)を加えた。上記の変更以外、実施例1と同様の方法で操作を行った。詳細な資料及び評価結果は表2に示す。
[実施例8〜10]
本発明の化合物(A)の種類及び用量、重合体(B)の種類、及び溶剤(C)の種類及び用量を変更した以外、実施例1と同様の方法で操作を行った。詳細な資料及び評価結果は表2に示す。
Figure 0005466872
[比較例1]
合成例1で得られた本発明の化合物(A−1−1)100質量部を、NMP800質量部/BC800質量部からなる混合溶剤に室温で完全に溶解した。得られた配向剤溶液について、実施例1と同様な操作方法で測定をして評価を行った。評価結果としては、塗布性は××となった。
[比較例2]
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、攪拌器、加熱器、冷却管及び温度計を備えた500mlの4ツフラスコに、下記の原料組成物を加えた。該原料組成物は、合成例1で得られたマレアミック酸基を有する化合物(A−1−1)5gを溶剤NMP50gに室温で溶解したものである。更に、無水酢酸5g、及び酢酸ナトリウム1gを加えて、60℃まで温度を上げて連続に6時間攪拌を行った。反応終了後に反応溶液を500mlの水中に投入して化合物を析出させ、ろ過して得られた固体はメタノールで洗浄とろ過を三回繰り返し、その固体を真空オーブンに移して温度60℃で乾燥を行った後、マレイミド基を有する化合物を得た。
上記に得られたマレイミド基を有する化合物100質量部を、NMP800質量部/BC800質量部からなる混合溶剤に室温で完全に溶解させた。得られた配向剤溶液は、実施例1と同様な操作方法で測定評価を行い、評価結果としては、塗布性は××となった。
[比較例3]
比較例2で得られたマレイミド基を有する化合物40質量部及び合成例5で得られたポリアミック酸重合体(B−1)60質量部を、NMP800質量部/BC800質量部からなる混合溶剤に室温で完全に溶解させた。得られた配向剤溶液は、実施例1と同様の操作方法で測定評価を行った。評価結果としては、塗布性は△、電圧保持率は○、信頼性は○、プレチルト角は89.6度となった。
[比較例4]
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、攪拌器、加熱器、冷却管及び温度計を備えた500mlの4ツフラスコに、下記の原料組成物を加えた。該原料組成物は、アニリン0.93g(0.01モル)を溶剤THF50gに室温で溶解したものである。更に、MAn0.98g(0.01モル)を加えて、室温で3時間反応させた。反応終了後に反応溶液をろ過し、得られた固体はTHFで洗浄とろ過を三回繰り返し、その固体を真空オーブンに移して温度60℃で乾燥を行った後、単一マレアミック酸基を有する化合物を得た。
上記に得られた単一マレアミック酸基を有する化合物40質量部、合成例5で得られたポリアミック酸重合体(B−1)50質量部及び合成例6で得られたポリイミド重合体(B−2)10質量部を、NMP800質量部/BC800質量部からなる混合溶剤に室温で完全に溶解させた。得られた配向剤溶液は、実施例4と同様な方法で測定評価を行い、評価結果としては、塗布性は○、電圧保持率は×、信頼性は×、プレチルト角は0.3度となった。
[比較例5]
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、攪拌器、加熱器、冷却管及び温度計を備えた500mlの4ツフラスコに、下記の原料組成物を加えた。該原料組成物は、C18DA1.88g(0.005モル)、PDA4.86g(0.045モル)を、溶剤NMP80gに室温で溶解したものである。更に、PMDA10.9g(0.05モル)及びNMP20gを加えて、室温で2時間反応を行った。反応終了後にポリアミック酸溶液を1500mlの水中に投入して重合物を析出させ、ろ過して得られた重合物はメタノールで洗浄とろ過を三回繰り返し、その固体を真空オーブンに移して温度60℃で乾燥を行った後、ポリアミック酸重合物を得た。
上記に得られたポリアミック酸重合体100質量部を、NMP800質量部/BC800質量部からなる混合溶剤に室温で完全に溶解させた。得られた配向剤溶液は、印刷機を用いてITO膜を備えたガラス基板上に塗布した。後に、100℃のホットプレート上で5分間プレベークをして、220℃のオーブンにおいて30分間でポストベークを行った。膜厚測定器(KLA-Tencor社製、型番はAlpha-step500)を用いて膜厚が約750A(オングストローム)であると測量した。該薄膜表面について配向工程処理を行った後、液晶セルを組合せた。得られた配向剤溶液について測定評価を行い、評価結果としては、塗布性は○、電圧保持率は△、信頼性は×、プレチルト角は4.6度となった。
[比較例6]
窒素ガス雰囲気の下で、窒素ガス導入口、攪拌器、加熱器、冷却管及び温度計を備えた500mlの4ツフラスコに、下記の原料組成物を加えた。該原料組成物は、17−(1,5−ジメチルヘキシル)−10,13−ジメチルペルヒドロシクロペンタ〔a〕フェナントレン−3−イル−3,5−ジアミノベンゾアート(以下、HCDAと称す)5.22g(0.01モル)、PDA4.32g(0.04モル)を溶剤NMP68gに60℃まで温度を上げながら溶解したものである。更に、TDA15g(0.05モル)及びNMP30gを加えて、室温で6時間反応して、ポリアミック酸重合体の反応溶液を得た。更に、NMP97g、無水酢酸5.61g、及びピリジン19.75gを加えて、60℃まで温度上げて連続に2時間攪拌してイミド化を行った。反応終了後、ポリイミド重合体の反応溶液を1500mlの水中に投入して重合物を析出させ、ろ過して得られたポリイミド重合体はメタノールで洗浄とろ過を三回繰り返し、真空オーブンに移して温度60℃で乾燥を行った後、ポリイミド重合体を得た。
上記で得られたポリイミド重合体100質量部を、NMP800質量部/BC800質量部からなる混合溶剤に室温で溶解させた。得られた配向剤溶液は、後段の配向工程処理を省略した以外、比較例3と同様な方法で操作を行った。得られた配向剤溶液について測定評価を行い、その評価結果としては、塗布性は×、電圧保持率は○、信頼性は○、プレチルト角は89.9度となった。
以上に本発明の比較的良好な実施例を取り上げただけで、それを持って本発明の実施範囲を限定するものではない。本発明の特許請求の範囲及び明細書の内容における発明内容に基づいて行うあらゆる簡単な変更及び修飾はすべて本発明の特許請求の範囲に属するものである。

Claims (17)

  1. 分子内に2個以上の重合性マレアミック酸基を有する化合物(A)、重合体(B)、並びに、有機溶剤(C)を含有し、該化合物(A)は下記構造式(1)で表される化合物(A−1)を含み、
    Figure 0005466872
    [式中、Qは下記構造式(2)で表される官能基であり、Tは脂肪族系、脂環族系及び芳香族系から選ばれる構造であり、R 、R は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、R 、R は同じでも異なってもよく、mは1以上の整数であり、nは2以上の整数である。]
    −L− 構造式(2)
    [式中、Lは単結合又は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−S−、メチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基又はフェニレン基から選ばれる2価の有機基であり、R は炭素数6〜30のアルキル基、炭素数4〜40の脂肪族環、芳香族環又はヘテロ環骨格を有する1価の有機基、あるいは炭素数6〜12のフッ素原子を有する1価の有機基である。]
    該重合体(B)は、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド酸、ポリアミドイミド、ポリアミド酸エステル、ポリアミド重合体及びポリイミド系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体であることを特徴とする、フリーラジカル重合性液晶配向剤。
  2. 該化合物(A−1)は下記構造式(3)で表される化合物を含むことを特徴とする、請求項に記載の液晶配向剤。
    Figure 0005466872
    [式中、Qは下記構造式(2)で表される官能基であり、Tは脂肪族系、脂環族系及び芳香族系から選ばれる構造であり、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、R、Rは同じでも異なってもよく、mは1以上の整数である。]
    −L− 構造式(2)
    [式中、Lは単結合又は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−S−、メチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基又はフェニレン基から選ばれる2価の有機基であり、Rは炭素数6〜30のアルキル基、炭素数4〜40の脂肪族環、芳香族環又はヘテロ環骨格を有する1価の有機基、あるいは炭素数6〜12のフッ素原子を有する1価の有機基である。]
  3. 該化合物(A−1)は下記構造式(4)で表される化合物を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
    Figure 0005466872
    [式中、Qは下記構造式(2)で表される官能基であり、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、R、Rは同じでも異なってもよい。]
    −L− 構造式(2)
    [式中、Lは単結合又は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−S−、メチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基又はフェニレン基から選ばれる2価の有機基であり、Rは炭素数6〜30のアルキル基、炭素数4〜40の脂肪族環、芳香族環又はヘテロ環骨格を有する1価の有機基、あるいは炭素数6〜12のフッ素原子を有する1価の有機基である。]
  4. 該化合物(A−1)は下記構造式(5)で表される化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
    Figure 0005466872
  5. 該化合物(A−1)は下記構造式(6)で表される化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
    Figure 0005466872
  6. 該分子内に2個以上の重合性マレアミック酸基を有する化合物(A)は、更に下記構造式(7)で表される化合物(A−2)を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶配向剤。
    Figure 0005466872
    [式中、Tは脂肪族系、脂環族系、芳香族系から選ばれる構造であり、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、R、Rは同じでも異なってもよく、nは2以上の整数である。]
  7. 該化合物(A−2)は下記構造式(8)で表される化合物を含むことを特徴とする、請求項に記載の液晶配向剤。
    Figure 0005466872
    [式中、Tは脂肪族系、脂環族系、芳香族系から選ばれる構造であり、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、R、Rは同じでも異なってもよい。]
  8. 該化合物(A−2)は下記構造式(9)で表される化合物を含むことを特徴とする、請求項に記載の液晶配向剤。
    Figure 0005466872
    [式中、R、Rは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、R、Rは同じでも異なってもよい。]
  9. 該重合体(B)は、ポリイミド系重合体を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の液晶配向剤。
  10. 該ポリイミド系重合体は、ポリアミック酸(B−1)、ポリイミド(B−2)及びポリイミド系ブロック共重合体(B−3)からなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする、請求項に記載の液晶配向剤。
  11. 該ポリイミド系ブロック共重合体(B−3)は、第1のポリアミック酸ブロックと、この第1のポリアミック酸ブロックと構造が異なる第2のポリアミック酸ブロックとを含有してなるポリアミック酸ブロック共重合体(B−3−1)を含むことを特徴とする、請求項10に記載の液晶配向剤。
  12. 該ポリイミド系ブロック共重合体(B−3)は、第1のポリイミドブロックと、この第1のポリイミドブロックと構造が異なる第2のポリイミドブロックとを含有してなるポリイミドブロック共重合体(B−3−2)を含むことを特徴とする、請求項10に記載の液晶配向剤。
  13. 該ポリイミド系ブロック共重合体(B−3)は、ポリアミック酸ブロックとポリイミドブロックとを含有してなるポリアミック酸−ポリイミドブロック共重合体(B−3−3)を含むことを特徴とする、請求項10に記載の液晶配向剤。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の液晶配向剤より形成されることを特徴とする液晶配向膜。
  15. 該液晶配向膜は、架橋構造を備えることを特徴とする、請求項14に記載の液晶配向膜。
  16. 請求項1〜13のいずれかに記載の液晶配向剤を、基板上に塗布し、脱水閉環及びフリーラジカル重合反応を進行させて、当該基板上に液晶配向膜を形成させることを特徴とする、液晶配向膜の製造方法。
  17. 請求項14又は15に記載の液晶配向膜を備えることを特徴とする、液晶表示素子。
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