JP5466524B2 - ソレノイド - Google Patents

Description

本発明は、ソレノイドに関する。とくに電磁コイルのコネクタ用ターミナルの改良に関する。

ソレノイドは、油圧機器の油圧を調整する制御弁などの電磁アクチュエータとして広く用いられる（特許文献１）。

図５は、ソレノイドのコイルアッシイ１０を示すものであり、コイルアッシイ１０は、ボビン１１と、ボビン１１に電線（例えば、絶縁銅線）を巻き付けて形成される電磁コイル１２と、コイル１２およびボビン１１を包囲するモールド樹脂１３と、を備える。

モールド樹脂１３は、コイル１２およびボビン１１を包囲する筒状部１３ａと、コイル１２のターミナル１４を収容するコネクタ部１３ｂと、を備えて一体成形される。コネクタ部１３ｂに相手側コネクタ（図示せず）が挿入され、相手側コネクタに差し込まれるターミナル１４を介してコイル１２が通電されると、コイル１２まわりに磁界が発生する。

ソレノイドは、コイルアッシイ１０の内側にプランジャ（図示せず）が軸方向へ移動可能に配置され、コイル１２まわりに発生する磁界によってプランジャを駆動する。

ターミナル１４は、ピン１５と曲げ板１６とから構成される。曲げ板１６は、長尺状の板部材をＬ字形に折り曲げて形成される。Ｌ字形の、ボビン中心軸ｐと垂直な方向へ延びる部分の基端側がボビン１１に差し込まれ、ボビン中心軸ｐと平行な方向へ延びる部分の先端にピン１５が接合される。ピン１５は、相手側コネクタに差し込み可能な断面を持つ中実の棒部材から形成され、後端に曲げ板１６を接合するための係合溝が形成される。ピン１５の先端は、相手側コネクタに差し込みやすく球面状に形成される。

モールド樹脂１３は、インサート成形によって形成される。すなわち、ボビン１１にターミナル１４の基端側を差し込み、それを成形金型に装填する。そして、成形金型へ溶融樹脂を充填して固化させることにより、筒状部１３ａおよびコネクタ部１３ｂをもつモールド樹脂１３が一体成形される。

特開２００１−１８０５０７号公報

このようなソレノイドにおいては、ターミナル１４が２部品１５，１６から構成されるため、モールド樹脂１３の成形時に曲げ板１６をボビン１１に差し込む処理や曲げ板１６にピン１５を接合する処理が必要となり、成形金型への装填作業性が良くない。また、２部品１５，１６間の接合が係合によるため、両者の電気的な接触が不完全となりやすい、という問題点が考えられる。

本発明は、このような問題点を解決するための有効な手段の提供を目的とする。

本発明は、ソレノイドであって、ボビンに巻き付けて形成されるコイルと、相手側コネクタに差し込み可能なピン部とボビンに差し込まれる板状部とを有してコイルの端末と結合するターミナルと、ターミナルを収容するコネクタ部と、を備え、ピン部は、両端が開放された中空の棒状に形成され、コイルとターミナルは、モールド樹脂により一体成形され、モールド樹脂でピン部の内側を充填すると共にコネクタ部を形成することを特徴とする。

本発明においては、ターミナルのピン部および板状部が１枚の平板材から１部品に一体成形されるので、モールド樹脂の成形時における、成形金型への装填作業性が向上する。また、ピン部および板状部が１部品のため、ピン部と板状部との間に電気的な接触が不完全となることがなく、相手側コネクタに対するピン部の位置精度も向上する。ピン部は、モールド樹脂と一体の芯部（樹脂の中実部）を備えるので、ピン部に要求される強度や耐久性が良好に確保される。

この発明の実施形態を説明するコイルアッシイの断面図である。 同じくターミナルの断面図である。 図２中のＡ矢視図である。 図２中のＢ矢視図である。 背景技術を説明するコイルアッシイの断面図である。

図に基づいて、この発明の実施形態に係るソレノイドを説明する。

図１は、ソレノイドのコイルアッシイ２０を示すものであり、コイルアッシイ２０は、樹脂のボビン２１と、ボビン２１に形成される電磁コイル２２と、コイル２２およびボビン２１を包囲するモールド樹脂２３と、を備える。

ボビン２１は、両端に鍔部２１ａをもつ筒状に形成され、鍔部２１ａ間の胴部２１ｂに電線（例えば、絶縁銅線）を巻き付けることによってコイル２２が形成される。また、モールド樹脂の成形時において、ターミナル２４を位置決めして保持するための差込孔２１ｃが鍔部２１ａに形成される。

モールド樹脂２３は、コイルおよびボビンを包囲する筒状部２３ａと、コイル２２のターミナル２４を収容するコネクタ部２３ｂと、を備えて一体成形される。コネクタ部２３ｂに相手側コネクタが挿入され、相手側コネクタに差し込まれるターミナル２４を介してコイル２２が通電されると、コイルまわりに磁界が発生する。

ソレノイドは、コイルアッシイ２０の内側にプランジャ（図示せず）が軸方向へ移動可能に配置され、コイルまわりに発生する磁界によってプランジャを駆動するようになっている。

ターミナル２４は、１枚の平板材から、相手側コネクタに差し込み可能なピン部２７と、ボビン２１に差し込まれる板状部２８と、を備えて一体成形される。

ピン部２７は、平板材を曲げて内側が中空の棒状に形成される。図示の場合、板状部２８は、ピン部２７へ延びる途中がＬ字形に折り曲げられる。板状部２８は、ボビン中心軸ｐと垂直な方向へ延びる部分と、ボビン中心軸ｐと平行な方向へ延びる部分と、を備え、ピン部２７は、ボビン中心軸ｐと平行な方向へ延びる部分の先端に一体成形される。

図２〜図４において、板状部２８は、平板材の中央部ａが円弧状に形成され、ピン部２７へ延びて円弧状の中央部ａの両側部ｂが折曲部３２の前後へ渡って内側へ曲げ起こされ、ピン部２７に至ると、その両側部ｂが円弧状の中央部ａを含む円管状に閉じるように形成される。

ピン部２７は、円管状の内側ｃ（中空部）に芯部２９（樹脂の中実部）が備えられる（図１、参照）。芯部２９は、後述のようにモールド樹脂２３と一体形成される。

モールド樹脂２３は、インサート成形によって形成される。すなわち、ターミナル２４をコイル２２の端末と結合し、ターミナル２４の板状部２８をボビン２１の差込孔２１ｃに挿入する。これを成形金型に装填し、この金型に溶融樹脂を充填する。

溶融樹脂は、成形金型の内部に隙間なく充填され、その一部が円管状のピン部２７へ進入してその内側ｃ（中空部）を埋めることにより、樹脂の中実部２９（芯部）が形成されるのである。

このような構成により、ターミナル２４は、ピン部２７および板状部２８が１枚の平板材から１部品に一体成形されるので、モールド樹脂２３の成形時における、成形金型への装填作業性が向上する。また、ピン部２１および板状部２８が１部品のため、ピン部２７と板状部２８との間に電気的な接触が不完全となることがなくなり、相手側コネクタに対するピン部２７の位置精度も向上する。ピン部２７は、モールド樹脂２３と一体の芯部２９を備えるので、ピン部２７に要求される強度や耐久性が良好に確保される。

芯部２９の先端は、円管状のピン部２７から突出する凸部３０に形成される（図１，参照）。凸部３０は、相手側コネクタへ差し込みやすく、半球状に形成される。凸部３０は、モールド樹脂２３の成形金型の、ピン部２７を挿入する装填用穴の奥部に半球状の凹部を与えることにより、簡単かつ容易に形成することができる。なお、凸部３０は、これに限らず、テーパ状に形成しても良い。

ターミナル２４は、板状部２８がＬ字形に折り曲げられるが、ターミナル２４の延びる方向は、コネクタ部２３ｂのレイアウトに応じて任意に設定される。また、ピン部２７は、円管状に限らず、角管状であってもよく、さらに、内側の中空部が管のように閉じる断面でなく、Ｕ字形に開放される断面であってもよい。

この発明に係るソレノイドは、油圧を調整する制御弁に限らず、各種の電磁アクチュエータとして広く適用することができる。

２０ コイルアッシイ
２１ ボビン
２３ モールド樹脂
２４ ターミナル
２７ ピン部
２８ 板状部
２９ 芯部（樹脂の中実部）
３０ 凸部

Claims (3)

1. ボビンに巻き付けて形成されるコイルと、
   相手側コネクタに差し込み可能なピン部と前記ボビンに差し込まれる板状部とを有して前記コイルの端末と結合するターミナルと、
   前記ターミナルを収容するコネクタ部と、を備え、
   前記ピン部は、両端が開放された中空の棒状に形成され、
   前記コイルと前記ターミナルは、モールド樹脂により一体成形され、
   前記モールド樹脂で前記ピン部の内側を充填すると共に前記コネクタ部を形成することを特徴とするソレノイド。
2. 前記モールド樹脂は、前記ピン部の先端から突出する半球状の凸部またはテーパ状の凸部を形成することを特徴とする請求項１に記載のソレノイド。
3. 前記ターミナルは、
   １枚の平板材を加工することによって形成され、
   一端側に、中空の棒状に形成される前記ピン部を有し、
   他端側に、平板状に形成される前記板状部を有し、
   前記ピン部と前記板状部との間に、Ｌ字に折り曲げられる折曲部を有することを特徴とする請求項１または２に記載のソレノイド。

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