JP5465966B2 - 有水晶体用の眼内レンズ挿入システム - Google Patents

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Description

本発明は、有水晶体用眼内レンズ挿入システムに関する。
近視、遠視、乱視、老眼等に対して屈折力矯正を目的として、眼の前房付近に設置される有水晶体用眼内レンズが知られている。このような有水晶体用眼内レンズとしては、折り曲げ可能な光学部と、虹彩固定用の支持部とから構成され、支持部に設けられた切れ込みに加えられる把持力を用いて虹彩の動的障害の影響がない周辺部分の一部を挟み込み、これにより光学部を前房にて固定保持する有水晶体用の眼内レンズが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。このような有水晶体用の眼内レンズは、術者の操作によって配置位置の決定及び虹彩への固定が行われる。
特表2003‐533274号公報 特開2007‐325954号公報
しかしながら、虹彩に眼内レンズを保持させる操作は難しく術者にとって負担となっていた。また、治療に時間がかかることは患者にとっても負担となる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、患者の負担を減らすと共に、眼内レンズを効率よく虹彩に設置することができる有水晶体用の眼内レンズ挿入システムを提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 虹彩組織を把持させる支持部と所定の屈折力を持ち折り曲げ可能な光学部とを持つ有水晶体用の眼内レンズと,前記眼内レンズを眼内に挿入するための眼内レンズ挿入器具と,を有する有水晶体用の眼内レンズ挿入システムにおいて、前記眼内レンズ挿入器具は、前記眼内レンズを載置する載置部であって,前記眼内レンズに対して所定の応力を加えて折り曲げるために,前記眼内レンズの光学部の径よりも幅の狭い載置面を持つ載置部と、前記載置部に置かれた前記眼内レンズを押し出す先端部と該先端部の後方に接続される軸部とを持つプランジャーと、を有し、前記先端部は、前記眼内レンズに当接される接触面から基端に向かうに従って幅が広くなるテーパー形状を有し、前記軸部との境界に鍔部が形成され、前記眼内レンズは、自由端となる先端が互いに向き合うように折り曲げられた略L字状の一対の腕部により形成され,該一対の腕部先端に虹彩を挟み込むことにより前記光学部を眼内にて固定保持させる前記支持部であって,前記一対の腕部の内周により形成される開口部を有する前記支持部を有し、前記開口部は、前記プランジャー先端の鍔部を持つ先端部全てを納めることが可能な大きさを有することを特徴とする。
本発明によれば、患者の負担を減らし、効率よく有水晶体用の眼内レンズを設置することができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態である虹彩把持型の有水晶体用眼内レンズ(Phakic IOL)100の概略構成図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。眼内レンズ100は所定の屈折力を有する光学部110と、光学部110を眼内で支持するための一対の支持部120とからなる。
光学部110は円盤状の部材であり、要求される光学特性に応じて所定の曲率を持つ凹面、凸面、又は平面などの任意の組み合わせで形成される前面111と、後面112とを備える。なお、本実施形態では光学部110は角膜側に向く面を前面111とし、網膜側に向く面を後面112とする。
本実施形態の光学部110は、折り曲げ(折り畳み)可能であると共に、前眼房内で眼内レンズ100が固定されるために必要となる反発力(復元力)を有する軟性眼内レンズ用の材料から形成されている。このような軟性眼内レンズ用の材料は、例えばHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)等の単体、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの複合材料等、既知の有水晶体用の軟性眼内レンズの材料や、従来水晶体代替用レンズとして用いられている軟性眼内レンズの材料を用いることができる。
光学部110の直径D1は、瞳孔の大きさに基づいて設定され、好ましくは4mm以上8mm以下とされる。
光学部110の周縁には光軸Oを基準に対となる2つの支持部120が向き合うように形成されている。支持部120は、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリエート)等、虹彩の組織を把持できる程度に硬質であると共に、ある程度の弾性を備える材料によって形成される。なお、本実施形態では光学部110と支持部120とは別材料にて形成するものとしているが、これに限るものではなく、光学部と支持部とを同材料にて形成することも可能である。
支持部120の構成を説明する。支持部120は一対の腕部121a、121bから構成される。腕部121a、121bの一端は光学部110に接続されており、他端は自由端122a、122bとなっている。また、腕部121a、121bは光学部110の中心Oから所定の距離だけ離れた位置で、対となる腕部121aと121bとが互いに向かい合う方向に折り曲げられた略L字型の形状をしており、その先端同士は僅かな隙間を有して互いに向かい合っている。これにより、隣合う自由端122a、122bによって虹彩の組織を挟みこむための挟み部122が形成される。
また、腕部121a、121bは元の形状に戻る復元力(付勢力)を有するために必要となる幅(厚さ)dで形成される。例えば、幅dは0.4mmで形成される。
これにより、挟み部122によって虹彩が挟まれたときに、腕部121a、121bによる復元力によって虹彩が好適に保持されるようになる。
また、ここでは、自由端122a、122bには凸部124が設けられている。凸部124は、腕部121a、121bの一部が取り除かれる事により、切りかきが形成されることで設けられる(図5(b)参照)。眼内レンズ100の虹彩への取り付け時には、凸部124が虹彩組織IRに押し付けられることによって、挟み部122によって虹彩がより好適に把持されるようになる。
以上のように、光学部110と支持部120とで構成される眼内レンズ100の最外径(最大全長)D2は、眼内レンズ100が虹彩上に置かれたときに、支持部120の先端(挟み部122の位置)が、虹彩の動的部分(眼の縮瞳により虹彩が変化する部分)の外側に位置するような長さに設計されていればよい。本実施形態では、外径D2は直径7mm以上11mm以下となるように形成される。なお、より好ましくは直径8mm以上直径9mm以下となるように形成される。
また、本実施形態の有水晶体用の眼内レンズ100は、腕部121a、121bの内周と光学部110の外側端面115によって開口部123が形成されている。眼内レンズ100は後述する眼内レンズ挿入器具1を用いて挿入可能とされ、眼内レンズ100の押出時には、眼内レンズ挿入器具1の押出棒(以下、プランジャーと記す)31の先端部32が開口部123に位置され、眼内レンズ100がプランジャー31と連動して移動されるようになる(図5(b)参照)。眼内レンズ100と眼内レンズ挿入器具1との関係の詳細な説明は後述する。
なお、開口部123の大きさは、眼内レンズ100の最外径D2、支持部120の幅d、光学部110の直径との組み合わせとで決定されるが、さらに以下の条件を満たしている事が条件となる。
まず、2つの支持部120を通る軸(プランジャーの押出軸)に対して直角に交わる方向で見たときの幅w1が、後述するプランジャー31の先端部32の最大幅Wpよりも広く形成されていると共に、先端部32全体が開口部123に位置されたときに腕部121a、121bによる復元力が保たれる(先端部32が開口部123に位置することにより腕部121a、121bが広げられることで、光学部110が破損しない)ような大きさで形成される。例えば、幅w1は、0.8mmから2.0mmの大きさで形成される。より好ましくは1.2mmから1.6mmの大きさで形成される。
また、開口部123におけるプランジャー31の押出軸方向の長さw2が、プランジャー31の先端部32の長さW2よりも長くなるように形成される。例えば、長さw2は1.35mmよりも長くなるように形成される。
以上のような構成を備える眼内レンズ100の形成方法を簡単に説明する。まず、支持部120を形成する材料を所定の型枠に入れて重合させることにより、中央に円形の凹部を有する円盤状のバルク部材を形成する。次に、形成したバルク部材の凹部内に光学部110を形成する材料を入れ重合させる。そして、旋盤などを用いた切削加工により光学部110と支持部120とを形成させる。これにより所望の形状の眼内レンズ100が得られる。
次に、本実施形態の有水晶体用の眼内レンズ100を患者眼に挿入するための眼内レンズ挿入器具1(インジェクター)について説明する。図2は本実施の形態で使用する有水晶体用眼内レンズ挿入器具1の外観を示した概略外観図である。眼内レンズ挿入器具1は、眼球に挿入する側から順に、眼球に形成される切開創に挿入する挿入部を備え、眼内レンズ100を設置するための載置部が設けられたレンズ保持部10(以下、カートリッジという)と、先端にカートリッジ10を装着する筒部20と、筒部20の内部を挿通するプランジャーを有し、筒部20に装着されたカートリッジ10先端から眼内レンズ100を外部に押し出すための押出機構部30、とからなる。
図3にカートリッジ10の構成図を示す。図3(a)は斜視図、図3(b)はカートリッジ10を上方から見た状態である。カートリッジ10は先端に向かうにしたがって、その径が徐々に小さく(細く)なるテーパー形状を有する挿入部11と、眼内レンズ100を設置する載置部12とが一体的に形成されている。なお、カートリッジ10は、その全体が合成樹脂にて形成されており、一度の使用で廃棄する使い捨てタイプとなっている。
折り畳まれた眼内レンズ100は挿入部11の中空部分を通して外部に送り出されるようになっている。2つの半割部材12a,12bから形成される載置部12は、半割部材12a及び12bの下縁同士がヒンジ部13によって連結されて開閉可能となっている。14a及び14bは半割部材12a,12bに各々設けられた載置台であり、眼内レンズ100を載せる載置面の形状(壁面形状)は、眼内レンズ100を折り曲げる方向に沿った曲面を有している。
半割部材12a及び12bを閉じ合わせると、載置台の壁面形状(載置面形状)が変形し、挿入部11の基端側開口形状(半円形状)と略一致するようになっている。また、半割部材12a,12bが閉じ合ったときの載置部12の外形は、筒部20の内壁形状と略一致するようになっている。半割部材12aの側面には、術者がカートリッジ10を持つ際に把持する平板状の把持部16が設けられている。15a及び15bは半割部材12a,12bの各々に設けられたカバーであり、半割部材12aと半割部材12bとが閉じ合ったときに、載置台14a及び載置台14bの上方を覆うように形成されている。
このような構成を備えるカートリッジ10は、載置部12が開いた状態(2つの半割部材が離れている状態)のときに、眼内レンズ100に応力がかからない状態で載置台14a及び載置台14b上にセットされ、その後、カートリッジ10が筒部20に装着されることで、判割部材12aと半割部材12bとが閉じ合い、眼内レンズ100に応力がかかり折り畳まれる。
図4は筒部20の外観構成を示した斜視図である。筒部20の先端には、カートリッジ10を着脱するための装着部21が設けられている。装着部21は筒部20の先端を略半割した形状であり、その先端には凸部22が、基端には凹部23が筒部20の中心を挿通する押出棒(以下、プランジャー)31に対して左右対称に各々形成されている。
押出機構部30はプランジャー31を先端側に持ち、さらにプランジャー31は、先端部32と軸33とから構成される(図5(b)参照)。先端部32は軸33に対して十分に広い幅(最大幅Wp)を持つとともに先端に形成される接触面pに向かって、その幅が徐々に狭くなるテーパー形状を有している。このような形状により、プランジャー31の先端部32と先端部32に連結する軸33との境界には鍔部34が形成されている。なお、接触面pは後述する隙間Δsから、先端部32を押し入れることができる程度の大きさに形成されており、例えば、接触面pは2mmである。
なお、ここでは先端部32の全周が先端に向かって細くなるようなテーパー形状(円錐台形状)となっている例を示しているが、これに限るものではなく、眼内レンズ100の押し出し作業時に支持部120の先端に形成されている隙間からプランジャー31を差し込める程度の先端幅を持つとともに、差し込んだプランジャー31を引き戻す際に支持部120の先端を引っ掛けることのできる鍔部が形成されていればよい。例えば、軸33に対して左右方向の幅のみが徐々に狭くなるテーパー形状であってもよい。
更には、先端部32の接触面pの幅Wpは、前述したように開口部123の幅w1よりも狭くなるように形成され、先端部32の長さW2は開口部123の長さw2よりも短くなるように形成される。
以上のような形状の先端部32によって、先端部32が開口部123に差し込まれた状態でプランジャー31が術者側に引き戻されると、腕部121a、121bの自由端122a、122bに鍔部34が引っかかるため、開口部123に位置した先端部32の押し引きに応じて眼内レンズ100が追従して前後に移動可能とされる。つまり、プランジャー31の先端部32が開口部123内で前後に移動されることによって、眼内レンズ100が連動して前後方向に移動されるので、眼内レンズ100の虹彩上での位置の微調節が容易に行えるようになる。
次に、以上のような構成を備える眼内レンズ挿入器具において、その動作について説明する。術者は、図3に示したカートリッジ10の挿入部11、載置台14a及び14bにヒアルロン酸等の粘弾性物質を十分に充填させる。粘弾性物質により眼内レンズ100がより滑らかに移動されるようになる。
次に、術者は眼内レンズ100を載置台14a,14b上に載せる。この時、図3(b)に示すように、支持部120の片方が挿入部11側となるように配置する。把持部16を一方の手で掴んでカートリッジ10を持ち、装着部21に設けられた凹部23にカートリッジ10の把持部16(基端側)を嵌合させつつ、載置部12(半割部材12a,12b)の底面を凸部22(または装着部21の左右の縁部)に押し付けるようにする。載置部12の底面(下部)を凸部22(または装着部21の左右の縁部)に押し付けることにより、凸部22が半割部材12aと半割部材12bとを閉じ合わせるようにガイドすることとなる。さらに載置部12を装着部21内に押し込んでいくと、カートリッジ10は半割部材12aと半割部材12bとが閉じ合った状態で装着部21に装着されることとなる。
図5にカートリッジ10内の眼内レンズ100の模式図を示す。図5(a)はカートリッジ10内の拡大図、図5(b)は後側の支持部120及びプランジャー31の先端付近の拡大図である。図5(a)に示すように、半割部材12aと半割部材12bとが閉じ合った状態では、載置台14aと載置台14bとの幅(間隔)が狭くなっているため、載置台の壁面にて眼内レンズ100が左右方向から押される。その結果、眼内レンズ100に応力が掛けられた状態となり、眼内レンズ100は載置台14a,14bの壁面(載置面)に沿って若干折り曲げられている。また、眼内レンズ100が折り曲げられることに追従して支持部120の自由端122aと122bが離されて、挟み部122に隙間Δsができる。
以上のように、装着部21にカートリッジ10を装着後、眼内レンズ挿入器具1を操作して眼内レンズ100の挿入動作を行う。押出機構30のプランジャー31を筒部20の内部で先端に向かって移動させる。
図6は後側の支持部120とプランジャー31の先端部32との位置関係の説明図である。図6(a)に示すように、腕部121aと腕部121bとの間の隙間Δsが、プランジャー31の先端部32で押されると、先端部32のテーパー状の形状によって隙間Δsが次第に押し広げられる。
更にプランジャー31を光学部110側へと押していくと、先端部32の全体が支持部120の自由端122a、122bの位置を超えて開口部123内に位置される。この時、支持部120の復元力によって腕部121aと腕部121bとが接近され、これにより一旦広げられた隙間Δsが軸33の幅まで狭められる。
図6(b)に示すように、更にプランジャー31が光学部110側へと押されると、先端部32の接触面pが光学部110の外側端面115に当接される。そして、この状態でさらにプランジャー31が押されることにより、眼内レンズ100が挿入部11側へと移動される。なお、前述したように挿入部11内は滑り易くなっているため、眼内レンズ100は、挿入部11から眼内へと簡単に滑り出ようとするが、支持部120の自由端122a,122bにプランジャー31の鍔部34が引っかかり、眼内レンズ100が滑り出ることが抑制される。
また、先端部32が開口部123に位置された状態で、プランジャー32が手前(術者)側に引っ張られると、腕部121a、121bの自由端122a、122bに先端部32の鍔部34が引っかかり、眼内レンズ100がプランジャー32と連動して手前側に引っ張られる。つまり、先端部32が開口部123に位置された状態では、眼内レンズ100はプランジャー31と一体で移動される。
眼内レンズ100を挿入部11内にて所定量前進させた後、患者眼の角膜に形成させた切開創から挿入部11の先端を差し込む。図6(b)に示すように眼内レンズ100に先端部32が当接された状態で、更にプランジャー31が押されると、眼内レンズ100がカートリッジ10の先端から前眼房内へと押し出されはじめる。
図7は前眼房内での眼内レンズ100の状態の説明図である。図7(a)は眼内レンズ100の前側の一部のみがカートリッジ10から押し出された状態、図7(b)は眼内レンズ100の大部分がカートリッジ10から押し出された状態である。図7(a)に示すように、挿入部11の先端から眼内レンズ100が半分程出た状態では前側の支持部120の先端の自由端122a,122bは、離れた状態にある。この状態において眼内レンズ100を虹彩の動的障害の影響を避けた周辺部分に位置するように、その取付け位置が調整される。
前側の支持部120の位置合わせが完了したら、術者はその位置を変えないように、押出機構部30を保持した状態で、筒部20を手前(術者)側へと引っ張る。これにより、前側の支持部120の位置を変えることなく、眼内レンズ100がカートリッジ10から前眼房内へと次第に移動される。なお、眼内レンズ100が前眼房内に押し出されることにより、光学部110が次第に開放される。
この時、光学部110の開放動作と連動して、前側の支持部120(腕部121a、121b)は元の状態に戻ろうとする。つまり、光学部110が折り曲げられている間は、所定の隙間を有していたが、光学部110が元の形状に戻ることにより自由端122a、122bがそれぞれ近づく方向に移動される(応力がかけられていない状態となる)。
図8に挟み部122により虹彩組織IRを把持させるときの動作の説明図を示す。光学部110の開放動作前の状態では、図8(a)に示すように、光学部110の折り曲げによって支持部120の先端に形成される挟み部122は広げられた状態となっている。この状態で、光学部110が次第に開放されると、その挙動に追従して挟み部122は閉じていく。そして、図8(b)に示すように、腕部121a、121bは両側から虹彩組織IRを掻き集めるようにして閉じようとする。この挙動により虹彩の表面組織の一部が挟み部122で把持されるようになる。
また、ここでは、支持部120が元の状態に戻ろうとするときに、自由端122a、122bに形成された凸部124が虹彩組織IRに食い込むので、より挟み部122によって虹彩組織IRが好適に把持されるようになる。
以上のように前側の支持部120により虹彩組織IRが把持されたら、次に、検者はプランジャー31の操作により、後側の支持部120の位置の微調節を行う。(この時、眼内レンズ100とカートリッジ10とは、図7(a)に示すような平行な位置関係が保たれている)。
なお、前述したように眼内レンズ100はその最外形D2が虹彩の可動部分を避けるような大きさに形成されているので、前側の支持部120が虹彩上に正しく取り付けられることで、後側の支持部120も自動的に虹彩の可動部分を避けた位置に置かれるようになる。
後側の支持部120の位置合わせが出来たら、術者は押出機構部30を保持した状態で、筒部20を術者側へと引っ張る。これにより、眼内レンズ100は更に前眼房内で開放される。なお、眼内レンズ100の大部分が前眼房内に位置される事によりカートリッジ10で支えられる範囲が減少し、眼内レンズ100は前眼房内で比較的自由に動ける状態となる。つまり、図7(b)に示すように、眼内レンズ100はプランジャー31の先端のみを基点として支えられた状態となり、後側の支持部120とプランジャー31との略平行な位置関係は無くなる。
眼内レンズ100とプランジャー31とが略平行な状態では、先端部32が後側の支持部120に引っかかるようになっているが、眼内レンズ100の開放によって、眼内レンズ100とプランジャー31とが所定の角度を持って配置されるようになると、プランジャー10の先端部32が後側の支持部120から容易に外されるようになる。
押出機構部30を保持した状態で、さらに筒部20を術者側に引っ張ることで、眼内レンズ100からインジェクター1が完全に取外される。また、後側の支持部120からプランジャー31の先端部32を取外すことにより、後側の支持部120も前側の支持部120と同様に、眼内レンズ100が開放される挙動と連動して腕部121a、121bが復元力により閉じようとすることで、挟み部122によって虹彩組織IRが把持される。
以上のように、前眼房内で眼内レンズが開放されるときの挙動を利用して、眼内レンズが虹彩上で簡単に固定されるようになる。また、インジェクターの操作により眼内レンズが前後方向に移動されるので、容易に虹彩上での位置合わせを行うことができる。これにより、患者の負担を減らすと共に、効率よく虹彩上に眼内レンズが設置される。
なお、以上のように眼内レンズを虹彩上に配置するものとしては、虹彩把持用の眼内レンズを保管するための保持部を有し、眼内レンズが保管された保持部が眼内レンズ挿入器具に一体で取り付けられているプリセットタイプの眼内レンズ挿入器具に適用することができる。
さらに本実施形態では、カートリッジを用いて眼内レンズを挿入器具本体に取り付ける例を挙げたがこれに限るものではない。例えば、カートリッジを持たず挿入器具本体に直接眼内レンズを設置し、眼内レンズの押し出し位置において眼内レンズが若干折り曲げられ支持部先端が開くように構成される眼内レンズ挿入器具であってもよい。また、以上の説明では2つの支持部が設けられている例を挙げて説明したが、支持部は3つ以上あっても良い。この場合、支持部は光学部の外周に等間隔に配置される。
また、以上のような構成の眼内レンズ及び眼内レンズ挿入器具を用いると、トーリックレンズを挿入する場合にはより便利である。この場合、被検者眼には乱視軸に合わせて切開創を形成し、この切開創から乱視軸に合うようにレンズを挿入する。これにより、眼内で眼内レンズの乱視軸の方向を合わせる作業が不要となり、眼内レンズが開放される挙動を利用してより簡単に眼内に設置させることができる。
虹彩把持型の有水晶体用眼内レンズの概略構成図である。 有水晶体用眼内レンズ挿入器具の外観を示した概略外観図である。 カートリッジの構成図である。 筒部の外観構成を示した斜視図である。 カートリッジ内の眼内レンズの模式図である。 後側の支持部と先端部との位置関係の説明図である。 前眼房内での眼内レンズの状態の説明図である。 挟み部により虹彩組織を把持させるときの動作の説明図である。
1 眼内レンズ挿入器具
12 載置部
30 押出機構
31 プランジャー
32 先端部
34 鍔部
100 眼内レンズ
110 光学部
120 支持部
121a、121b 腕部
123 開口部
124 凸部

Claims (1)

  1. 虹彩組織を把持させる支持部と所定の屈折力を持ち折り曲げ可能な光学部とを持つ有水晶体用の眼内レンズと,前記眼内レンズを眼内に挿入するための眼内レンズ挿入器具と,を有する有水晶体用の眼内レンズ挿入システムにおいて、
    前記眼内レンズ挿入器具は、前記眼内レンズを載置する載置部であって,前記眼内レンズに対して所定の応力を加えて折り曲げるために,前記眼内レンズの光学部の径よりも幅の狭い載置面を持つ載置部と、前記載置部に置かれた前記眼内レンズを押し出す先端部と該先端部の後方に接続される軸部とを持つプランジャーと、を有し、
    前記先端部は、前記眼内レンズに当接される接触面から基端に向かうに従って幅が広くなるテーパー形状を有し、前記軸部との境界に鍔部が形成され、
    前記眼内レンズは、自由端となる先端が互いに向き合うように折り曲げられた略L字状の一対の腕部により形成され,該一対の腕部先端に虹彩を挟み込むことにより前記光学部を眼内にて固定保持させる前記支持部であって,前記一対の腕部の内周により形成される開口部を有する前記支持部を有し、
    前記開口部は、前記プランジャー先端の鍔部を持つ先端部全てを納めることが可能な大きさを有する
    ことを特徴とする有水晶体用の眼内レンズ挿入システム
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