JP5465474B2 - インプリント装置およびインプリント方法 - Google Patents
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Description
微細凹凸構造を表面に有するロール状モールドと、透明な基材フィルムとの間に、紫外線硬化性樹脂が介在した状態で、紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂を硬化させた後、硬化樹脂とともに基材フィルムをロール状モールドから剥離する光インプリント法。
(i)ロール状モールドの表面積が広いため、離型剤の種類を変えるたびに離型剤の除去および塗布に時間がかかる。
(ii)ロール状モールドの作製に時間およびコストがかかる。
(iii)複数種のロール状モールドについて試験する際、ロール状モールドの交換に時間がかかる。
(iv)ロール状モールドを備えたインプリント装置は大掛かりなものとなるため、装置の立ち上げに人手および時間がかかる。
(v)ロール状モールドを備えたインプリント装置は大掛かりなものとなるため、各種試験に用いられる基材フィルム、紫外線硬化性樹脂等の量も膨大なものとなる。
しかし、該インプリント装置においては、基材フィルムを平板状モールドから剥離する際に、基材フィルムを剥離ロールおよび補助ロールに抱きつかせているため、基材フィルムの表面に転写された微細凹凸構造がロールに接触して傷ついてしまうおそれがある。また、剥離ロールを平板状モールドの表面で平行移動させているため、平板状モールドの表面の微細凹凸構造が傷ついてしまうおそれがある。
本発明のインプリント装置は、前記モールドの表面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給する供給手段と、前記モールドの表面の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する照射手段とをさらに有することが好ましい。
本発明のインプリント装置は、前記モールドよりも前記基材フィルムの移動方向下流側にて、前記基材フィルムに転写された微細凹凸構造を検査する検査手段をさらに有することが好ましい。
本発明のインプリント方法は、前記押圧ステップよりも前段で、前記モールドの表面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給する供給ステップと、前記押圧ステップと前記剥離ステップとの間で、前記モールドの表面の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する照射ステップとをさらに有することが好ましい。
本発明のインプリント方法は、前記基材フィルム移動ステップによって、前記モールドよりも前記基材フィルムの移動方向下流側に移動した、前記基材フィルムに転写された微細凹凸構造を検査する検査ステップをさらに有することが好ましい。
図1は、本発明のインプリント装置の一例を示す概略構成図である。
インプリント装置10は、基材フィルム12を移動させる基材フィルム移動手段20と;基材フィルム12の下方に配置され、加熱手段(図示略)を内蔵したモールド固定台32の上に固定されたモールド30と;モールド30の表面に基材フィルム12を押し付ける加圧手段40と;基材フィルム12の下方に配置され、基材フィルム移動手段20に水平移動可能に支持された剥離ロール50(剥離部材)と;基材フィルム移動手段20を基材フィルム12ごと昇降させるとともに、モールド30よりも基材フィルム12の移動方向上流側にて、剥離ロール50を昇降させる昇降手段(図示略)(基材フィルム昇降手段と剥離部材昇降手段とを兼ねる。)と;モールド30よりも高い位置にて、剥離ロール50を水平移動させる剥離部材水平移動手段(図示略)と;モールド30の表面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給するディスペンサ60(供給手段)と;モールド30の表面の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する照射手段70と;モールド30よりも基材フィルム12の移動方向下流側にて、基材フィルム12に転写された微細凹凸構造を検査する検査手段80と;モールド30近傍に不活性ガス(窒素ガス等)を供給する不活性ガス供給手段(図示略)と;モールド30近傍のガスを排気する排気手段(図示略)と;基材フィルム移動手段20、加熱手段、加圧手段40、昇降手段、剥離部材水平移動手段、ディスペンサ60、照射手段70、検査手段80、不活性ガス供給手段、排気手段等に電気的に接続し、これらを制御する制御手段(図示略)とを有する。
画像処理手段は、画像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換部(図示略)と、設定された閾値によってデジタル信号を二値化処理する二値化部(図示略)と、二値化処理によって検出された連続した欠陥(微細凹凸構造が転写されていない部分)の面積等から転写不良を判断する判定部(図示略)とを有する。
インターフェイス部は、前記各手段等と処理部との間を電気的に接続するものである。
処理部は、記憶部に記憶された各種設定、画像処理手段からの判定情報等に基づいて前記各手段の運転等を制御するものである。
また、制御手段および画像処理手段には、周辺機器として、入力装置、表示装置等が接続されるものとする。ここで、入力装置とは、ディスプレイタッチパネル、スイッチパネル、キーボード等の入力デバイスのことをいい、表示装置とは、CRT、液晶表示装置等のことをいう。
以下、インプリント装置10を用いた光インプリント方法について説明する。
巻取ロール24のパルスモータを駆動させ、計測ロール26にて基材フィルム12の送り量を計測しながら、微細凹凸構造を転写しようとする部分がモールド30の上方に位置するように、基材フィルム12を移動させる(基材フィルム移動ステップ)。
ディスペンサ60のノズル64の先端がモールド30上に位置するように回転手段によってシリンジ62のヘッド部分を回転させる。
図2に示すように、ディスペンサ60のシリンジ62を駆動させ、ノズル64からモールド30の表面に所定量の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物14を滴下、供給する(供給ステップ)。
ディスペンサ60のノズル64の先端がモールド30外に退避するように回転手段によってシリンジ62のヘッド部分を回転させる。以下、ディスペンサ60の図示は省略する。
図4に示すように、石英ブロック昇降手段44を駆動させて、石英ブロック42を降下させ、モールド30の表面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物14を介して基材フィルム12を押し付ける(押圧ステップ)。
活性エネルギー線としては、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線)等が挙げられ、紫外線が好ましい。
光照射エネルギー量は、100〜10000mJ/cm2が好ましい。
ついで、剥離部材水平移動手段を駆動させ、モールド30よりも高い位置にて、剥離ロール50をモールド30側に水平移動させ、剥離角度(モールド30の表面に対する基材フィルム12の角度)を徐々に増加させることによって、基材フィルム12および硬化樹脂16の上方に向かう力を徐々に増加させ、図7に示すように、硬化樹脂16とともに基材フィルム12をモールド30の表面から剥離させる(剥離ステップ)。
剥離ステップの後、剥離部材水平移動手段を駆動させ、剥離ロール50を基材フィルム12の移動方向上流側に水平移動させ、元の位置に戻す。
以後、上述のステップを順次自動的に繰り返し、基材フィルム12の表面に、モールド30の表面に形成された微細凹凸構造を間欠的に転写し続ける。
基材フィルムとしては、透明な樹脂フィルムを用いることが好ましい。透明とは、モールド上に供給される樹脂組成物が、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である場合は、活性エネルギー線を透過することをいう。なお、熱インプリント法の場合は、基材フィルムが透明である必要はない。
基材フィルムは、単層フィルムであってもよく、積層フィルムであってもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、光インプリント法に用いられる公知の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いればよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、基材フィルムとしてアクリルフィルムを用いる場合は、基材フィルムの屈折率と硬化層の屈折率との差が十分に小さくなる点から、アクリル系モノマーを主成分とするものが好ましい。
モールドの材料としては、金属(表面に酸化皮膜が形成されたものを含む。)、石英、ガラス、樹脂、セラミックス等が挙げられる。
モールドの形状は、平板状である。
(X)アルミニウムからなるモールド本体の表面に、複数の細孔(凹部)を有する陽極酸化アルミナを形成する方法。
(Y)モールド本体の表面にリソグラフィ法、電子線描画法、レーザー光干渉法等によって微細凹凸構造を直接形成する方法。
離型剤としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、フッ素化合物等が挙げられ、離型性に優れる点、モールドとの密着性に優れる点から、加水分解性シリル基を有するフッ素化合物が好ましい。フッ素化合物の市販品としてはフルオロアルキルシラン、ダイキン工業社製の「オプツール」シリーズが挙げられる。
複数の細孔(凹部)を有する陽極酸化アルミナを表面に有するモールドを用いた場合、硬化樹脂の表面に形成される微細凹凸構造は、複数の凸部から構成される。
複数の凸部は、略円錐形状、角錐形状等の複数の突起が可視光線の波長以下の間隔で配列した、いわゆるモスアイ構造となっている。モスアイ構造は、空気の屈折率から材料の屈折率に連続的に屈折率が増大していくことで有効な反射防止の手段となることが知られている。
陽極酸化アルミナを有するモールドを用いて凸部を形成した場合、凸部間の平均周期は通常100nm程度となる。
H/Wは、表面に陽極酸化アルミナを有するモールドの製造条件、該モールドの細孔(凹部)内に充填される活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度等を適宜選択することによって調整できる(特開2008−197216号公報参照)。
HおよびWは、硬化樹脂の断面を電子顕微鏡で観察することによって測定できる。Wは、凸部の周囲に形成される凹部の最底部と同一平面(以下、基準面と記す。)における幅とする。Hは、前記基準面から凸部19の最頂部までの高さとする。
以上説明したインプリント装置10を用いたインプリント法にあっては、モールド30として平板状のモールドを用いているため、モールド自体や装置をコンパクトにでき、ロール状モールドを用いた場合の問題が起こりにくい。その結果、微細凹凸構造の転写に関する各種試験を効率よく簡易に行うことができ、かつ光学フィルム等を多品種で少量生産する場合の生産効率がよくなる。
また、剥離ステップの際に、モールド30から剥離ロール50に向かう側に、基材フィルム12に張力を加えているため、基材フィルム12の移動方向上流側から基材フィルム12を手作業で剥離する状況に近い状況を再現できる。
また、モールド30よりも基材フィルム12の移動方向下流側に検査手段80を有するため、モールド30よりも基材フィルム12の移動方向下流側に移動した硬化樹脂16の表面の微細凹凸構造をインラインで検査できる。
例えば、図示例では、剥離部材(剥離ロール50)は、モールドよりも基材フィルムの移動方向上流側に設けられているが、モールドよりも基材フィルムの移動方向下流側に設けても構わない。
また、剥離部材は、図示例の剥離ロール50に限定はされず、回転しない棒状の部材であっても構わない。
例えば、インプリント装置10において、モールド固定台32に内蔵された加熱手段を用いることによって、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給、硬化させることなく、熱インプリント法によって、基材フィルムの表面に、モールドの表面に形成された微細凹凸構造を転写できる。
アクリルフィルム(三菱レイヨン社製、商品名:アクリプレン(登録商標)HBS010、幅:70mm、厚さ:200μm)を用意した。
コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物の45質量部、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)の45質量部、
ラジカル重合性シリコーンオイル(信越化学工業社製、X−22−1602)の10質量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)184、波長340nm以上に吸収波長域を有する。)の3質量部、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)819、波長340nm以上に吸収波長域を有する。)の0.2質量部
を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを得た。
50mm×50mm×厚さ300μmのアルミニウム板(純度99.99%)を鏡面研磨した。
工程(a):
該アルミニウム板について、4.5質量%シュウ酸水溶液中で、直流:40V、温度:16℃の条件で6時間陽極酸化を行った。
工程(b):
酸化皮膜が形成されたアルミニウム板を、70℃の6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に3時間浸漬して、酸化皮膜を除去した。
該アルミニウム板について、2.7質量%シュウ酸水溶液中で、直流:40V、温度:16℃の条件で30秒間陽極酸化を行った。
工程(d):
酸化皮膜が形成されたアルミニウム板を、32℃の5質量%リン酸水溶液に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を行った。
工程(e):
前記工程(c)および工程(d)を合計で5回繰り返し、平均周期:100nm、深さ:240nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナが表面に形成された平板状のモールドaを得た。
図1に示すインプリント装置を用い、上述のステップを順次繰り返して、離型剤の耐久試験を実施した。
基材フィルム12としては、前記アクリルフィルムを用いた。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物14としては、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物Aを用いた。活性エネルギー線硬化性樹脂組成物14の供給量は、1回の転写あたり10μL/とした。
モールド30としては、前記離型剤で処理されたモールドaを用いた。
加圧手段40によるプレス圧は、50Nとした。
検査手段80としては、キーエンス社製のCV−5000を用いた。
光源としては、高圧水銀灯(365nmにおける照度:70mW/cm2)を用いた。紫外線の積算光量は、1回の転写あたり400mJ/cm2とした。
基材フィルム移動手段20の上昇時の基材フィルム12とモールド30との高低差は70mmであり、剥離ロール50とモールド30との高低差は55mmであった。
12 基材フィルム
14 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
20 基材フィルム移動手段
30 モールド
40 加圧手段
50 剥離ロール(剥離部材)
60 ディスペンサ(供給手段)
70 照射手段
80 検査手段
Claims (8)
- 長尺の基材フィルムの表面に、モールドの表面に形成された微細凹凸構造を転写するインプリント装置であって、
基材フィルムを移動させる基材フィルム移動手段と、
前記基材フィルムの下方に配置されたモールドと、
前記モールドの表面に前記基材フィルムを押し付ける加圧手段と、
前記基材フィルムの下方に配置された剥離部材と、
前記基材フィルム移動手段を前記基材フィルムごと昇降させるとともに、前記モールドよりも前記基材フィルムの移動方向上流側およびまたは下流側にて、前記剥離部材を昇降させる昇降手段と、
前記モールドよりも高い位置にて、前記剥離部材を略水平移動させる剥離部材水平移動手段と
を有する、インプリント装置。 - 前記モールドから前記剥離部材に向かう側に、前記基材フィルムに張力を加える張力付加手段をさらに有する、請求項1に記載のインプリント装置。
- 前記モールドの表面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給する供給手段と、
前記モールドの表面の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する照射手段と
をさらに有する、請求項1または2に記載のインプリント装置。 - 前記モールドよりも前記基材フィルムの移動方向下流側にて、前記基材フィルムに転写された微細凹凸構造を検査する検査手段をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載のインプリント装置。
- 長尺の基材フィルムの表面に、モールドの表面に形成された微細凹凸構造を転写するインプリント方法であって、
前記微細凹凸構造を転写しようとする部分が前記モールドの上方に位置するように、前記基材フィルムを移動させる基材フィルム移動ステップと、
前記モールドの表面に前記基材フィルムを押し付ける押圧ステップと、
前記基材フィルムを上昇させるとともに、前記モールドよりも前記基材フィルムの移動方向上流側およびまたは下流側にて、前記基材フィルムの下方に配置された剥離部材を上昇させて前記基材フィルムを上方に押し上げ、ついで、前記モールドよりも高い位置にて、前記剥離部材を前記モールド側に略水平移動させ、前記基材フィルムを前記モールドの表面から剥離させる剥離ステップと
を有する、インプリント方法。 - 前記剥離ステップの際に、前記モールドから前記剥離部材に向かう側に、前記基材フィルムに張力を加える、請求項5に記載のインプリント方法。
- 前記押圧ステップよりも前段で、前記モールドの表面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給する供給ステップと、
前記押圧ステップと前記剥離ステップとの間で、前記モールドの表面の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射する照射ステップと
をさらに有する、請求項5または6に記載のインプリント方法。 - 前記基材フィルム移動ステップによって、前記モールドよりも前記基材フィルムの移動方向下流側に移動した、前記基材フィルムに転写された微細凹凸構造を検査する検査ステップをさらに有する、請求項5〜7のいずれかに記載のインプリント方法。
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