JP5465102B2 - 電力合成分配器 - Google Patents

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Description

この発明は、マイクロ波帯で使用される電力合成分配器に関するものである。
一般に、電力合成分配器は、電力を合成、または分配するために広く用いられている。
従来から、2つの分岐側端子と1つの合成側端子とを有する電力合成分配器において、分岐側端子間のアイソレーション特性を改善するために、分岐側端子間に抵抗素子を接続する技術が提案されている(たとえば、特許文献1、非特許文献1参照)。
上記構成の電力合成分配器においては、電力合成分配器の対称面を電気壁と仮定した奇モード動作時における分岐側端子での反射を「0」、かつ電力合成分配器の対称面を磁気壁と仮定した偶モード動作時における分岐側端子での反射を「0」となるように設計することにより、分岐側端子間のアイソレーション特性を良好にしている。
特開2009−17142号公報
E.Wilkinson,"An N−Way Hybrid Power Divider,"IEEE Trans.,vol.MTT−8,pp.116−118,1960.
従来の電力合成分配器は、分岐側端子間に接続された抵抗素子の抵抗値が製造誤差によって変動した場合、奇モード動作時の分岐側端子から入力された電力において、抵抗素子の抵抗値変化に起因して反射波が生じるので、分岐側端子間のアイソレーション特性が劣化するという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、抵抗素子の抵抗値が製造誤差によって変動しても、分岐側端子間のアイソレーション特性劣化を最小限に抑制することのできる電力合成分配器を得ることを目的とする。
この発明に係る電力合成分配器は、分岐点を介して各一端が接続され、かつ各他端が接続された同一回路構成の第1分岐線路および第2分岐線路と、分岐点に設けられた合成側端子と、第1分岐線路に設けられた第1分岐側端子と、第2分岐線路に設けられた第2分岐側端子と、第1分岐線路と第2分岐線路との間に挿入された複数の抵抗素子と、を備え、第1分岐側端子および第2分岐側端子は、第1分岐線路および第2分岐線路において、分岐点からの電気長が等しく、かつ第1分岐線路および第2分岐線路の各他端を除く位置にそれぞれ設けられ、複数の抵抗素子は、第1分岐線路および第2分岐線路において、分岐点からの電気長が等しい位置にそれぞれ設けられ、複数の抵抗素子のうちの少なくとも2つは、第1分岐線路および第2分岐線路における接続位置の間隔が、1/4波長の奇数倍に設定されたものである。
この発明によれば、接続線路間に1/4波長だけ離して抵抗素子を並列接続する構成とすることにより、電力合成分配器の対称面を電気壁と仮定した奇モード動作時において、製造誤差などによって抵抗素子の抵抗値が設計値とは異なったとしても、各抵抗素子から生じる反射電力が互いに打ち消し合い反射特性が劣化しないので、分岐側端子間のアイソレーション特性の劣化を最小限に抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係る電力合成分配器を示す回路図である。 図1の回路の偶モード動作時の状態を示す等価回路図である。 図1の回路の奇モード動作時の状態を示す等価回路図である。 この発明の実施の形態1に係る電力合成分配器の第1変形例を示す回路図である。 この発明の実施の形態1に係る電力合成分配器の第2変形例を示す回路図である。 この発明の実施の形態2に係る電力合成分配器を示す回路図である。 図6の回路の偶モード動作時の状態を示す等価回路図である。 図6の回路の奇モード動作時の状態を示す等価回路図である。 この発明の実施の形態2に係る電力合成分配器の第1変形例を示す回路図である。 この発明の実施の形態3に係る電力合成分配器を示す回路図である。 図10の回路の偶モード動作時の状態を示す等価回路図である。 図10の回路の奇モード動作時の状態を示す等価回路図である。 この発明の実施の形態3に係る電力合成分配器の第1変形例を示す回路図である。 この発明の実施の形態4に係る電力合成分配器を示す平面図である。 図14内のD−D線による断面図である。 この発明の実施の形態5に係る電力合成分配器を示す回路図である。 この発明の実施の形態5に係る電力合成分配器の第1変形例を示す回路図である。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。なお、各図において、同一、または相当する部分には、同一符号が付されている。
図1はこの発明の実施の形態1に係る電力合成分配器を示す回路図である。
図1において、電力合成分配器は、合成側端子101と、第1分岐側端子102と、第2分岐側端子103と、並設された第1分岐線路L11および第2分岐線路L12と、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12の各一端を接続する分岐点150とを備えている。
第1分岐線路L11および第2分岐線路L12は、同一回路構成からなり、各一端(分岐点150)には合成側端子101が接続されており、各他端は互いに(直接または抵抗素子を介して)接続されている。
第1分岐線路L11および第2分岐線路L12は、第1接続点151および第2接続点152を介して直列接続されたインピーダンス変成器110、第1接続線路121および第2接続線路122を備えている。
第1分岐線路L11の第1接続点151には、第1分岐側端子102が接続され、第2分岐線路L12の第1接続点151には、第2分岐側端子103が接続されている。
また、第1分岐線路L11と第2分岐線路L12との間には、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132が挿入されている。
第1抵抗素子131は、1対の第1接続点151の間に挿入され、第2抵抗素子132は、1対の第2接続点152の間に挿入されている。
合成側端子101、第1分岐側端子102および第2分岐側端子103と、グランドとの間には、それぞれ、インピーダンスZ0の負荷抵抗141が接続されている。
インピーダンス変成器110、第1接続線路121および第2接続線路122は、それぞれ、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されている。
インピーダンス変成器110のインピーダンスZtは、以下の式(1)で表される。
Figure 0005465102
第2接続線路122のインピーダンスZ2は、任意の値である。
一方、第1抵抗素子131の抵抗値2R1と、第2抵抗素子132の抵抗値2R2と、第1接続線路121のインピーダンスZ1と、負荷抵抗141のインピーダンスZ0との関係は、以下の式(2)で表されるものとする。
Figure 0005465102
次に、図2および図3を参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による動作について説明する。
図2は図1の回路の偶モード動作時の状態を示す等価回路図であり、図3は図1の回路の奇モード動作時の状態を示す等価回路図である。
まず、第1分岐側端子102および第2分岐側端子103から「等振幅同相」の電力が入力された場合(図1の電力合成分配器の「偶モード動作時」)を考えると、図1内のA−A線による断面を「磁気壁」と仮定することができる。
このとき、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132は、電気的には接続されていない状態となり、また、第2接続線路122の先端は開放状態となるので、偶モード動作時の回路は、等価的に図2のようになる。
また、この場合、A−A線による断面を「磁気壁」と仮定することができるので、合成側端子101に接続される負荷抵抗141のインピーダンスは「2×Z0」となる。
図2において、合成側端子101に接続されている負荷抵抗141は、インピーダンス変成器110によってインピーダンス変成されるので、第1接続点151におけるインピーダンス変成器110側のインピーダンスは「Z0」となる。
また、第1接続線路121および第2接続線路122は、それぞれ、電気長が1/4波長の伝送線路であり、また、第2接続線路122の先端が開放状態になっていることから、第1接続点151における第1接続線路121側のインピーダンスは「無限大」となる。
つまり、図2に示した偶モード動作時において、第1分岐側端子102における第1接続点151側のインピーダンスは「Z0」となるので、第1分岐側端子102から入力された電力は、反射されることなく、合成側端子101に接続された負荷抵抗141に入力される。
次に、第1分岐側端子102および第2分岐側端子103から「等振幅逆相」の電力が入力された場合(図1の電力合成分配器の「奇モード動作時」)を考えると、図1内のA−A線による断面を「電気壁」と仮定することができる。
このとき、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132の抵抗値は、A−A線によって半分の値R1、R2となり、また、第2接続線路122の先端は短絡状態(接地)となるので、奇モード動作時の回路は、等価的に図3のようになる。
また、A−A線による断面を「電気壁」と仮定することができるので、合成側端子101は短絡(接地)される。
図3において、インピーダンス変成器110および第2接続線路122は、いずれも、電気長が1/4波長の奇数倍の伝送線路であり、また、先端が短絡(接地)されているので、第1接続点151におけるインピーダンス変成器110側のインピーダンスと、第2接続点152における第2接続線路122側のインピーダンスとは、それぞれ「無限大」となる。
また、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132の抵抗値は、それぞれR1、R2となるので、第1接続点151における第1抵抗素子131側のインピーダンスは「R1」となり、第1接続点151における第1接続線路121側のインピーダンスは、以下のようになる。
Figure 0005465102
したがって、前述の式(2)の関係から、第1接続点151における第1抵抗素子131側のインピーダンスと、第1接続点151における第1接続線路121側のインピーダンスとは、いずれも「2Z0」となり、第1分岐側端子102から第1接続点151側をみたインピーダンスは「Z0」となる。
つまり、奇モード動作時(図3)において、第1分岐側端子102から入力された電力は、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132に等分配され、それぞれ吸収される。
図1において、第1分岐側端子102から電力が入力された場合の特性は、偶モード動作時の特性と奇モード動作時の特性とを重ね合わせた特性となる。
したがって、第1分岐側端子102から入力された電力は、合成側端子101に出力される分、および、第1抵抗素子131と第2抵抗素子132とによって消費される分のみとなり、第2分岐側端子103に出力されることはない。
この結果、第1分岐側端子102と第2分岐側端子103との間のアイソレーション特性は良好となる。
次に、製造誤差によって、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132の抵抗値が、それぞれ設計値から逸脱した場合について考慮する。
ただし、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132は、同一ロットの製造物とし、設計値からの抵抗値変化の割合は、ほぼ同じ値とする。
まず、図2に示した偶モード動作時の等価回路においては、第1分岐側端子102から入力された電力は、反射されることなく、合成側端子101に接続された負荷抵抗141に入力される。
一方、図3に示した奇モード動作時の等価回路においては、第1接続点151におけるインピーダンス変成器110側のインピーダンスと、第2接続点152における第2接続線路122側のインピーダンスとは、それぞれ「無限大」となっているが、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132の抵抗値は、前述の式(2)の関係を満たしていない。
したがって、第1分岐側端子102から入力された電力は、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132で一部反射されて、第1分岐側端子102側へと戻る。
しかし、第1接続線路121の電気長が1/4波長であることから、第1抵抗素子131からの反射波と、第2抵抗素子132の反射波とは、互いに逆相となって打ち消し合うので、第1分岐側端子102での反射電力は、ほぼ「0」となる。
以上のように、この発明の実施の形態1(図1)に係る電力合成分配器は、分岐点150を介して各一端が接続され、かつ各他端が接続された同一回路構成の第1分岐線路L11および第2分岐線路L12と、分岐点150に設けられた合成側端子101と、第1分岐線路L11に設けられた第1分岐側端子102と、第2分岐線路L12に設けられた第2分岐側端子103と、第1分岐線路L11と第2分岐線路L12との間に挿入された第1抵抗素子131および第2抵抗素子132(複数の抵抗素子)と、を備えている。
第1分岐側端子102および第2分岐側端子103は、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12において、分岐点150からの電気長が等しく、かつ第1分岐線路L11および第2分岐線路L12の各他端を除く位置にそれぞれ設けられている。
第1抵抗素子131および第2抵抗素子132(複数の抵抗素子)は、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12において、分岐点150からの電気長が等しい位置にそれぞれ設けられている。
第1抵抗素子131および第2抵抗素子132(複数の抵抗素子のうちの少なくとも2つ)は、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12における接続位置の間隔が、1/4波長の奇数倍に設定されている。
第1分岐線路L11および第2分岐線路L12は、それぞれ、複数の1/4波長の伝送線路が縦続接続された構成からなっている。
第1分岐側端子102および第2分岐側端子103は、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12の他端から、それぞれ1/4波長の整数倍離れた位置に設けられ、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132(複数の抵抗素子)は、分岐点から1/4波長の整数倍離れた位置に設けられている。
複数の抵抗素子のうちの少なくとも1つは、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12において、分岐点150からの電気長が等しい位置を互いに接続するように設けられている。
より具体的には、第1分岐側端子102および第2分岐側端子103は、分岐点150からそれぞれ1/4波長だけ離れた位置に設けられている。
また、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132(複数の抵抗素子)は、分岐点150からそれぞれ1/4波長および1/2波長だけ離れた位置において、第1分岐線路L11と第2分岐線路L12とを接続するように設けられている。
さらに、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12は、各々の他端同士が接続されている。
これにより、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132の抵抗値が、製造誤差などによって変化しても、偶モード動作時および奇モード動作時における各分岐側端子102、103での反射特性は良好となるので、第1分岐側端子102と第2分岐側端子103との間のアイソレーション特性は良好となる。
なお、上記説明では、合成側端子101および各分岐側端子102、103の各負荷抵抗141のインピーダンスをZ0としたが、これに限定されることはなく、任意のインピーダンス値であってもよい。
ただし、この場合、インピーダンス変成器110、第1接続線路121、第2接続線路122、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132の各インピーダンス値は、インピーダンス整合が成り立つように決定される必要がある。
また、各抵抗値R1、R2および各インピーダンス値Z1、Z0の関係を、式(2)を満たすように決定したが、これに限定されることはなく、奇モード動作時において、各分岐側端子102、103での反射特性が良好となるように、インピーダンス整合が成り立つ値であれば、同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、図1では、2個の抵抗素子(第1、第2抵抗素子131、132)のみを用いたが、図4のように、1対の第2接続線路122の各一端の間に第3抵抗素子133を挿入してもよい。
さらに、図5のように、1対の第2接続線路122の各一端に、第3接続点153および第4接続点154を介して、第3接続線路123を直列接続するとともに、1対の第4接続点154の間に第4抵抗素子134を挿入してもよい。
1対の第3接続線路123は、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されており、各々の先端部が相互接続されている。
以下、同様に、偶モード動作時において、1対の第1接続点151の相互間に接続される接続線路の合計の電気長が1波長の整数倍となるように、接続線路の数および電気長を決定し、4つ以上の抵抗素子を多段接続してもよい。
このように、複数の抵抗素子を多段構成とすることにより、各抵抗素子の1つ当りで消費される電力が抑制されるので、耐電力性が向上する。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1(図1)では、インピーダンス変成器110と第1接続線路221との第1接続点151に第1抵抗素子131を接続したが、図6のように、第1接続線路221と第2接続線路222との第2接続点252に第1抵抗素子231を接続してもよい。
図6はこの発明の実施の形態2に係る電力合成分配器を示す回路図であり、各回路要素L21、L22、201〜252は、前述(図1参照)の各回路要素L11、L12、101〜152と同様のものである。
図6において、電力合成分配器は、合成側端子201と、第1分岐側端子202と、第2分岐側端子203と、インピーダンス変成器210と、第1接続線路221と、第2接続線路222と、第1抵抗素子231と、第2抵抗素子232と、分岐点250と、第1および第2接続点251、252と、を備えている。
インピーダンス変成器210、第1接続線路221および第2接続線路222は、それぞれ、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されている。
合成側端子201および各分岐側端子202、203には、それぞれ、インピーダンスZ0の負荷抵抗241が接続されている。また、図6内のB−B線による断面は、合成分配器の対称面を表している。
インピーダンス変成器210のインピーダンスZtは、前述の式(1)で表される。
また、第1抵抗素子231の抵抗値2R21と、第2抵抗素子232の抵抗値2R22と、第1接続線路221のインピーダンスZ21と、第1接続線路222のインピーダンスZ22との関係は、以下の式(3)〜式(6)で表される。
Figure 0005465102
次に、図7および図8を参照しながら、図6に示したこの発明の実施の形態2による動作について説明する。
図7および図8は、前述の図2および図3に対応しており、図7は図6の回路の偶モード動作時の状態を示す等価回路図であり、図8は図6の回路の奇モード動作時の状態を示す等価回路図である。
図6において、各分岐側端子202、203から「等振幅同相」の電力が入力された場合(図6の電力合成分配器の「偶モード動作時」)を考えると、図6内のB−B線による断面を「磁気壁」と仮定することができる。
このとき、第1抵抗素子231と第2抵抗素子232とは、電気的には接続されていない状態になり、また、第2接続線路222の先端は開放状態となるので、偶モード動作時の回路は、等価的に図7のようになる。
また、この場合、B−B線による断面を「磁気壁」と仮定することができるので、合成側端子201に接続される負荷抵抗241のインピーダンスは「2Z0」となる。
図7において、合成側端子201に接続されている負荷抵抗241は、インピーダンス変成器210によってインピーダンス変成されるので、第1接続点251におけるインピーダンス変成器210側のインピーダンスはZ0となる。
また、第1接続線路221および第2接続線路222は、それぞれ、電気長が1/4波長の奇数倍の伝送線路であり、また、第2接続線路222の先端が開放状態となっていることから、第1接続点251における第1接続線路221側のインピーダンスは「無限大」となる。
つまり、図7に示した偶モード動作時においては、第1分岐側端子202における第1接続点251側のインピーダンスは「Z0」となるので、第1分岐側端子202から入力された電力は、反射されることなく、合成側端子201に接続された負荷抵抗241に入力される。
次に、各分岐側端子202、203から「等振幅逆相」の電力が入力された場合(図6の電力合成分配器の「奇モード動作時」)を考えると、図6内のB−B線による断面を「電気壁」と仮定することができる。
このとき、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232の抵抗値は、B−B線によって半分の値R21、R22となるので、奇モード動作時の回路は、等価的に図8のようになる。
また、B−B線による断面を「電気壁」と仮定することができるので、合成側端子201は短絡される。
図8において、インピーダンス変成器210は、電気長が1/4波長の奇数倍の伝送線路であって、先端が短絡されているので、第1接続点251におけるインピーダンス変成器210側のインピーダンスは「無限大」となる。
また、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232の抵抗値は、それぞれ、R21、R22となる。
また、式(3)〜式(6)から、第2接続点252における第1抵抗素子231側のインピーダンスは「2ZA」であり、第2接続点252における第2接続線路222側のインピーダンスは「2ZA」であることから、第2接続点252における第1抵抗素子231と第2抵抗素子232との合成抵抗は「ZA」となる。
そして、第1接続線路221は、インピーダンス値が式(4)の関係を満たしており、電気長が1/4の奇数倍であることから、インピーダンス変成器として動作するので、第1接続点251における第1接続線路221側のインピーダンスは「Z0」となる。
つまり、第1分岐側端子202から入力された電力は、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232に等分配されて、それぞれ吸収される。
図6において、第1分岐側端子202から電力が入力された場合の特性は、偶モード動作時の特性と奇モード動作時の特性とを重ね合わせた特性となる。
したがって、第1分岐側端子202から入力された電力は、合成側端子201に出力される分、および、第1抵抗素子231と第2抵抗素子232とで消費される分のみとなり、第2分岐側端子203に出力されることはない。
つまり、第1分岐側端子202と第2分岐側端子203との間のアイソレーション特性は良好となる。
次に、製造誤差によって、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232の抵抗値が、それぞれ設計値から逸脱した場合について考慮する。
ただし、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232は、同一ロットの製造物とし、設計値からの抵抗値変化の割合は、ほぼ同じ値とする。
まず、図7に示した偶モード動作時の等価回路においては、第1分岐側端子202から入力された電力は、反射されることなく、合成側端子201に接続された負荷抵抗241に入力される。
一方、図8に示した奇モード動作時の等価回路においては、第1接続点251におけるインピーダンス変成器210側のインピーダンスは「無限大」となっているが、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232の抵抗値は設計値からずれているので、第1分岐側端子202から入力された電力は、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232で一部反射されて、第1分岐側端子202側へ戻る。
しかし、第2接続線路221の電気長が1/4波長であることから、第1抵抗素子231からの反射電力と、第2抵抗素子232の反射電力とは、相互に逆相となって打ち消し合うので、第1分岐側端子202での反射電力は、ほぼ「0」となる。
これにより、前述の実施の形態1と同様に、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232の抵抗値が製造誤差によって変化しても、第1分岐側端子202から入力された電力は、合成側端子201に出力される分、および、第1抵抗素子231と第2抵抗素子232とで消費される分のみとなるので、第2分岐側端子203に出力されることはない。
つまり、各抵抗素子231、232の抵抗値が製造誤差によって変動しても、第1分岐側端子202と第2分岐側端子203との間のアイソレーション特性は良好となる。
以上のように、この発明の実施の形態2(図6)によれば、第1分岐側端子202および第2分岐側端子203は、分岐点350からそれぞれ1/4波長だけ離れた位置に設けられ、第1抵抗素子231(複数の抵抗素子のうちの1つ)は、第1分岐線路L21の他端と第2分岐線路L22の他端とを接続するように設けられ、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232(複数の抵抗素子のうちの2つ)は、分岐点250から1/2波長だけ離れた位置において、それぞれ一端が接続され、かつ他端が接地されるように設けられているので、前述の実施の形態1と同様に、各抵抗素子の抵抗値が製造誤差によって変動しても、各分岐側端子間のアイソレーション特性劣化を最小限に抑制することができる。
なお、上記説明では、合成側端子201および各分岐側端子202、203の負荷抵抗241のインピーダンスをZ0としたが、これに限定されることはなく、任意のインピーダンス値であってもよい。
ただし、この場合、インピーダンス変成器210、第1接続線路221、第2接続線路222、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232の各インピーダンス値は、インピーダンス整合が成り立つように決定される必要がある。
また、各抵抗値R21、R22および各インピーダンス値Z22、Z21、Z0の関係を、式(3)〜式(6)を満たすように決定したが、これに限定されることはなく、偶モード動作時および奇モード動作時において、各分岐側端子202、203での反射特性が良好となるように、インピーダンス整合が成り立つ値であれば、同様の効果が得られることは言うまでもない。
さらに、図6では、2個の抵抗素子(第1、第2抵抗素子231、232)のみを用いたが、図9のように、1対の第2接続線路222の各一端に、第3接続点253および第4接続点254を介して、第3接続線路223を直列接続するとともに、1対の第4接続点254の間に第3抵抗素子233を挿入してもよい。
1対の第3接続線路223は、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されており、各々の先端部が相互接続されている。
以下、同様に、偶モード動作時において、第1接続点251における第1接続線路221側のインピーダンスが無限大となるように、接続線路の数および電気長を決定し、4つ以上の抵抗素子を多段接続してもよい。
このように、複数の抵抗素子を多段構成とすることにより、各抵抗素子の1つ当りで消費される電力が小さくなるので、耐電力性が向上する。
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2(図6)では、1対の第2接続点252の間に第1抵抗素子231を挿入したが、図10のように、1対の第2接続点252の各々に第1抵抗素子331を接続するとともに、第1抵抗素子331の各一端を接地し、1対の第2接続点352の間に第4接続線路324を挿入してもよい。
図10はこの発明の実施の形態3に係る電力合成分配器を示す回路図であり、各回路要素L31、L32、301〜352は、前述(図6参照)の各回路要素L21、L22、201〜252と同様のものである。
図10において、電力合成分配器は、合成側端子301と、第1分岐側端子302と、第2分岐側端子303と、インピーダンス変成器310と、第1接続線路321と、第2接続線路322と、第1抵抗素子331と、第2抵抗素子332と、第4接続線路324と、第1接続点351および第2接続点352と、を備えている。
この場合、第1抵抗素子331は、第2接続点352とグランドとの間に挿入され、第2抵抗素子332は、第2接続線路322の先端とグランドとの間に挿入されている。
インピーダンス変成器310、第1接続線路321および第2接続線路322は、それぞれ、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されている。
また、第4接続線路324は、電気長が1/2波長の整数倍に設定された伝送線路により構成されている。
合成側端子301および各分岐側端子302、303には、それぞれ、インピーダンスZ0の負荷抵抗341が接続されている。
また、図10内のC−C線による断面は、合成分配器の対称面を表している。
第4接続線路324のインピーダンスは任意であるが、インピーダンス変成器310のインピーダンスZtは、前述の式(1)で表される。
また、第1抵抗素子331の抵抗値R31と、第2抵抗素子332の抵抗値R32と、第1接続線路321および第1接続線路321のインピーダンスZ31と、第2接続線路322のインピーダンスZ32との関係は、以下の式(7)〜式(10)で表される。
Figure 0005465102
次に、図11および図12を参照しながら、図10に示したこの発明の実施の形態3による動作について説明する。
図11および図12は、前述の図7および図8に対応しており、図11は図10の回路の偶モード動作時の状態を示す等価回路図であり、図12は図10の回路の奇モード動作時の状態を示す等価回路図である。
まず、各分岐側端子302、303から「等振幅同相」の電力が入力された場合(図10の電力合成分配器の「偶モード動作時」)を考えると、図10内のC−C線による断面を「磁気壁」と仮定することができる。
このとき、第4接続線路324は、C−C線によって半分の電気長(1/4波長の奇数倍)となり、先端が開放状態となることから、偶モード動作時の回路は、等価的に図11のようになる。
また、C−C線による断面を「磁気壁」と仮定することができるので、合成側端子301に接続される負荷抵抗341のインピーダンスは「2Z0」となる。
図11において、合成側端子301に接続されている負荷抵抗341は、インピーダンス変成器310によってインピーダンス変成されるので、第1接続点351におけるインピーダンス変成器310側のインピーダンスは「Z0」となる。
一方、図11において、第4接続線路324は、電気長が1/4波長の奇数倍であり、先端が開放状態となっていることから、第2接続点352のインピーダンスは「0」となる。
また、第1接続線路321の電気長は、1/4波長の奇数倍であることから、第1接続点351における第1接続線路321側のインピーダンスは「無限大」となる。
つまり、図11に示した偶モード動作時においては、第1分岐側端子302から入力された電力は、反射されることなく、合成側端子301に接続された負荷抵抗341に入力される。
次に、各分岐側端子302、303から「等振幅逆相」の電力が入力された場合(図10の電力合成分配器の「奇モード動作時」)を考えると、図10内のC−C線による断面を「電気壁」と仮定することができる。
このとき、第4接続線路324は、電気長が半分となり、かつ先端が短絡状態となり、また、合成側端子301は短絡されるので、奇モード動作時の回路は、等価的に図12のようになる。
図12において、インピーダンス変成器310は、電気長が1/4波長の奇数倍の伝送線路であり、先端が短絡されているので、第1接続点351におけるインピーダンス変成器310側のインピーダンスは「無限大」となる。
また、第4接続線路324の電気長は1/4波長の奇数倍であり、先端が短絡されていることから、第2接続点352における第4接続線路324側のインピーダンスは無限大となる。
また、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332の抵抗値は、それぞれ、R31、R32となる。
また、式(7)〜式(10)から、第2接続点352における第1抵抗素子331側のインピーダンスは「2ZA」であり、第2接続点352における第2接続線路322側のインピーダンスは「2ZA」であり、第2接続点352における第1抵抗素子331と第2抵抗素子332の合成抵抗は「ZA」となる。
さらに、第1接続線路321のインピーダンス値は、式(8)の関係となっており、電気長が1/4の奇数倍であることから、インピーダンス変成器として動作するので、第1接続点351における第1接続線路321側のインピーダンスは「Z0」となる。
つまり、第1分岐側端子302から入力された電力は、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332に等分配されて、それぞれ吸収される。
図10において、第1分岐側端子302から電力が入力された場合の特性は、偶モード動作時の特性と、奇モード動作時の特性とを重ね合わせた特性となる。
したがって、第1分岐側端子302から入力された電力は、合成側端子301に出力される分、および、第1抵抗素子331と第2抵抗素子332とで消費される分のみとなり、第2分岐側端子303へは出力されない。
つまり、第1分岐側端子202と第2分岐側端子303との間のアイソレーション特性は良好となる。
次に、製造誤差により第1抵抗素子331および第2抵抗素子332の抵抗値が、それぞれ設計値から逸脱した場合について考慮する。
ただし、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332は、同一ロットの製造物とし、設計値からの変化の割合は、ほぼ同じ値とする。
まず、図11に示した偶モード動作時の等価回路においては、第1分岐側端子302から入力された電力は、反射されることなく、合成側端子301に接続された負荷抵抗341に入力される。
一方、図12に示した奇モード動作時の等価回路においては、第1接続点351におけるインピーダンス変成器310側のインピーダンスは無限大となっているが、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332の値は設計値からずれているので、第1分岐側端子302から入力された電力は、第1抵抗素子331と第2抵抗素子332で一部反射されて、第1分岐側端子302側へ戻る。
しかし、第2接続線路321の電気長が1/4波長であることから、第1抵抗素子331からの反射電力と、第2抵抗素子332の反射電力とは、互いに逆相となって打ち消し合うので、第1分岐側端子302での反射電力は、ほぼ「0」となる。
これにより、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332の抵抗値が製造誤差によって変化しても、第1分岐側端子302から入力された電力は、合成側端子301に出力される分、および、第1抵抗素子331と第2抵抗素子332とで消費される分のみとなり、第2分岐側端子303に出力されることはない。
つまり、抵抗素子の抵抗値が製造誤差により変動しても、第1分岐側端子302と第2分岐側端子303との間のアイソレーション特性は良好となる。
以上のように、この発明の実施の形態3(図10)によれば、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332(複数の抵抗素子のうちの少なくとも2つ)は、第1分岐線路L31および第2分岐線路L32において、分岐点350からの電気長が等しい位置にそれぞれ一端が接続され、かつ他端が接地されるように設けられているので、前述の実施の形態1、2と同様に、各抵抗素子の抵抗値が製造誤差によって変動しても、各分岐側端子間のアイソレーション特性劣化を最小限に抑制することができる。
なお、上記説明では、合成側端子301および各分岐側端子302、303の負荷抵抗のインピーダンスをZ0としたが、これに限定されることはなく、任意の値であってもよい。
ただし、この場合、インピーダンス変成器310、第1接続線路321、第2接続線路322、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332の各インピーダンス値は、インピーダンス整合が成り立つように決定される必要がある。
また、各抵抗値R31、R32および各インピーダンス値Z32、Z31、Z0の関係を、式(7)〜式(10)を満たすように決定したが、これに限定されることはなく、奇モード動作時において、各分岐側端子302、303での反射特性が良好となるようにインピーダンス整合が成り立つ値であれば、同様の効果が得られる。
さらに、図10では、2個の抵抗素子(第1、第2抵抗素子331、332)のみを用いたが、図13のように、1対の第2接続線路322の各一端に、第3接続点353を介して、第3接続線路323を直列接続するとともに、1対の第3接続線路323の各先端とグランドとの間に第3抵抗素子333を挿入してもよい。
第3接続線路323は、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されている。
以下、前述と同様に、複数の接続線路と4つ以上の抵抗素子とを多段接続してもよい。
このように、複数の抵抗素子を多段構成とすることにより、各抵抗素子の1つ当りで消費される電力が小さくなるので、耐電力性が向上する。
実施の形態4.
なお、上記実施の形態1〜3(図1、図6、図10)では、主に回路構成のみについて説明したが、たとえば図14のように、電力合成分配器をトリプレート線路で構成してもよい。
図14はこの発明の実施の形態4に係るトリプレート線路を用いた電力合成分配器を示す平面図であり、各回路要素401〜432は、前述(図1参照)の各回路要素101〜132と同様のものである。
図14において、電力合成分配器は、誘電体基板400と、合成側端子401と、第1分岐側端子402と、第2分岐側端子403と、インピーダンス変成器410と、第1接続線路421と、第2接続線路422と、第1抵抗素子431と、第2抵抗素子432とを備えている。
インピーダンス変成器410、第1接続線路421および第2接続線路422は、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されている。
図15は図14内のD−D線による断面図であり、図15において、誘電体基板400は、上下面に地導体441を備えている。また、インピーダンス変成器410は、誘電体基板400内に配設されている。
次に、図14および図15に示したこの発明の実施の形態4による動作について説明する。
なお、この発明の実施の形態4における偶モード動作時および奇モード動作時の等価回路は、図2および図3に示した通りである。
図14および図15のトリプレート線路構成においても、前述と同様に、第1抵抗素子431および第2抵抗素子432の抵抗値が製造誤差によって変化しても、第1分岐側端子402から入力された電力は、合成側端子401に出力される分、および、第1抵抗素子431と第2抵抗素子432とで消費される分のみとなり、第2分岐側端子403に出力されることはない。
つまり、第1抵抗素子431および第2抵抗素子432の抵抗値が製造誤差によって変動しても、第1分岐側端子402と第2分岐側端子403との間のアイソレーション特性は良好となる。
また、図14、図15では、電力合成分配器をトリプレート線路で構成したが、これに限定されることはなく、マイクロストリップ線路やコプレナー線路など、任意の線路形状を適用した電力合成分配器においても、同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
実施の形態5.
なお、前述の実施の形態2(図6)では、1対の第2接続点252の間に第1抵抗素子231を挿入したが、図16のように、1対の第2接続点252の各々に第1抵抗素子531を接続するとともに、第1抵抗素子531の各一端を接地してもよい。
図16はこの発明の実施の形態5に係る電力合成分配器を示す回路図であり、各回路要素L21、L22、201〜252は、前述(図6参照)と同様のものである。また、第1抵抗素子531は、前述の第1抵抗素子231に対応している。
図16において、電力合成分配器は、合成側端子201と、第1分岐側端子202と、第2分岐側端子203と、インピーダンス変成器210と、第1接続線路221と、第2接続線路222と、第2抵抗素子232と、第1抵抗素子531と、第1接続点251および第2接続点252と、を備えている。
インピーダンス変成器210、第1接続線路221および第2接続線路222は、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されている。
合成側端子201および各分岐側端子202、203には、それぞれ、インピーダンスZ0の負荷抵抗241が接続されている。
また、図16内のE−E線による断面は、合成分配器の対称面を表している。
次に、図16に示したこの発明の実施の形態5による動作について説明する。
なお、この発明の実施の形態5における偶モード動作時および奇モード動作時の等価回路は、図7および図8に示した通りである。
図16の回路構成においても、第1抵抗素子531および第2抵抗素子232の抵抗値が製造誤差によって変化しても、第1分岐側端子202から入力された電力は、合成側端子201に出力される分、および、第1抵抗素子531と第2抵抗素子232とで消費される分のみとなり、第2分岐側端子203に出力されることはない。
つまり、第1抵抗素子531および第2抵抗素子232の抵抗値が製造誤差によって変動しても、第1分岐側端子202と第2分岐側端子203との間のアイソレーション特性は良好となる。
なお、合成側端子201および各分岐側端子202、203の負荷抵抗241のインピーダンスをZ0としたが、これに限定されることはなく、任意の値であってもよい。
ただし、インピーダンス変成器210、第1接続線路221、第2接続線路222、第1抵抗素子531および第2抵抗素子232のインピーダンス値は、インピーダンス整合が成り立つように決定される必要がある。
また、各抵抗値R21、R22および各インピーダンス値Z22、Z21、Z0の関係を、式(3)〜式(6)となるように決定したが、これに限定されることはなく、偶モード動作時および奇モード動作時において、各分岐側端子202、203での反射特性が良好となるようにインピーダンス整合が成り立つ値であれば、同様の効果が得られる。
さらに、図16では、2個の抵抗素子(第1、第2抵抗素子531、232)のみを用いたが、図17のように、1対の第2接続線路222の各一端に、第3接続点253および第4接続点254を介して、第3接続線路223を直列接続するとともに、1対の第4接続点254の間に第3抵抗素子233を挿入してもよい。
1対の第3接続線路223は、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されており、各々の先端部が相互接続されている。
以下、同様に、偶モード動作時において、第1接続点251における第1接続線路221側のインピーダンスが無限大となるように、接続線路の数および電気長を決定し、4つ以上の抵抗素子を多段接続してもよい。
このように、複数の抵抗素子を多段構成とすることにより、各抵抗素子の1つ当りで消費される電力が小さくなるので、耐電力性が向上する。
上記実施の形態1〜5において、好適な回路構成および実装構成について説明したが、電力合成分配器の用途および要求仕様などに応じて、上記実施の形態1〜5の構成を任意に組み合わせることも可能であり、いずれの場合も前述と同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
101、201、301、401 合成側端子、102、202、302、402 第1分岐側端子、103、203、303、403 第2分岐側端子、110、210、310、410 インピーダンス変成器、121、221、321、421 第1接続線路、122、222、322、422 第2接続線路、123、223、323 第3接続線路、131、231、331、431、531 第1抵抗素子、132、232、332、432 第2抵抗素子、133、233、333 第3抵抗素子、134 第4抵抗素子、141、241、341 負荷抵抗、150、250、350 分岐点、151、251、351 第1接続点、152、252、352 第2接続点、153、253、353 第3接続点、154、254 第4接続点、324 第4接続線路、400 誘電体基板、441 地導体、L11、L21、L31 第1分岐線路、L12、L22、L32 第2分岐線路。

Claims (8)

  1. 分岐点を介して各一端が接続され、かつ各他端が接続された同一回路構成の第1分岐線路および第2分岐線路と、
    前記分岐点に設けられた合成側端子と、
    前記第1分岐線路に設けられた第1分岐側端子と、
    前記第2分岐線路に設けられた第2分岐側端子と、
    前記第1分岐線路と前記第2分岐線路との間に挿入された複数の抵抗素子と、を備え、
    前記第1分岐側端子および前記第2分岐側端子は、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路において、前記分岐点からの電気長が等しく、かつ前記第1分岐線路および前記第2分岐線路の各他端を除く位置にそれぞれ設けられ、
    前記複数の抵抗素子は、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路において、前記分岐点からの電気長が等しい位置にそれぞれ設けられ、
    前記複数の抵抗素子のうちの少なくとも2つは、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路における接続位置の間隔が、1/4波長の奇数倍に設定されたことを特徴とする電力合成分配器。
  2. 前記第1分岐線路と前記第2分岐線路は、それぞれ、複数の1/4波長の伝送線路を縦続接続した構成からなることを特徴とする請求項1に記載の電力合成分配器。
  3. 前記第1分岐側端子および前記第2分岐側端子は、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路の他端から、それぞれ1/4波長の整数倍離れた位置に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力合成分配器。
  4. 前記複数の抵抗素子は、前記分岐点から1/4波長の整数倍離れた位置に設けられたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電力合成分配器。
  5. 前記複数の抵抗素子のうちの少なくとも1つは、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路において、前記分岐点からの電気長が等しい位置を互いに接続するように設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電力合成分配器。
  6. 前記複数の抵抗素子のうちの少なくとも2つは、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路において、前記分岐点からの電気長が等しい位置にそれぞれ一端が接続され、かつ他端が接地されるように設けられたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の電力合成分配器。
  7. 前記第1分岐側端子および前記第2分岐側端子は、前記分岐点からそれぞれ1/4波長だけ離れた位置に設けられ、
    前記複数の抵抗素子は、前記分岐点からそれぞれ1/4波長および1/2波長だけ離れた位置において、前記第1分岐線路と前記第2分岐線路とを接続するように設けられ、
    前記第1分岐線路および前記第2分岐線路は、各々の他端同士が接続されたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の電力合成分配器。
  8. 前記第1分岐側端子および前記第2分岐側端子は、前記分岐点からそれぞれ1/4波長だけ離れた位置に設けられ、
    前記複数の抵抗素子のうちの1つは、前記第1分岐線路の他端と前記第2分岐線路の他端とを接続するように設けられ、
    前記複数の抵抗素子のうちの2つは、前記分岐点から1/2波長だけ離れた位置において、それぞれ一端が接続され、かつ他端が接地されるように設けられたことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電力合成分配器。
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