JP2012004864A - 電力合成分配器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分岐点150に各一端が接続されかつ各他端が接続された第1、第2分岐線路L11、L12と、分岐点150に設けられた合成側端子101と、第1、第2分岐線路L11、L12に設けられた第1、第2分岐側端子102、103と、第1分岐線路L11と第2分岐線路L12との間に挿入された第1、第2抵抗素子131、132と、を備える。第1、第2分岐側端子102、103は、分岐点150からの電気長が等しくかつ第1、第2分岐線路L11、L12の各他端を除く位置にそれぞれ設けられる。第1、第2抵抗素子131、132は、分岐点150からの電気長が等しい位置に設けられ、少なくとも2つは、接続位置の間隔が1/4波長の奇数倍に設定される。
【選択図】図1
Description
従来から、2つの分岐側端子と1つの合成側端子とを有する電力合成分配器において、分岐側端子間のアイソレーション特性を改善するために、分岐側端子間に抵抗素子を接続する技術が提案されている(たとえば、特許文献1、非特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。なお、各図において、同一、または相当する部分には、同一符号が付されている。
図1はこの発明の実施の形態1に係る電力合成分配器を示す回路図である。
第1分岐線路L11および第2分岐線路L12は、第1接続点151および第2接続点152を介して直列接続されたインピーダンス変成器110、第1接続線路121および第2接続線路122を備えている。
また、第1分岐線路L11と第2分岐線路L12との間には、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132が挿入されている。
第1抵抗素子131は、1対の第1接続点151の間に挿入され、第2抵抗素子132は、1対の第2接続点152の間に挿入されている。
インピーダンス変成器110、第1接続線路121および第2接続線路122は、それぞれ、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されている。
インピーダンス変成器110のインピーダンスZtは、以下の式(1)で表される。
一方、第1抵抗素子131の抵抗値2R1と、第2抵抗素子132の抵抗値2R2と、第1接続線路121のインピーダンスZ1と、負荷抵抗141のインピーダンスZ0との関係は、以下の式(2)で表されるものとする。
図2は図1の回路の偶モード動作時の状態を示す等価回路図であり、図3は図1の回路の奇モード動作時の状態を示す等価回路図である。
また、この場合、A−A線による断面を「磁気壁」と仮定することができるので、合成側端子101に接続される負荷抵抗141のインピーダンスは「2×Z0」となる。
また、A−A線による断面を「電気壁」と仮定することができるので、合成側端子101は短絡(接地)される。
つまり、奇モード動作時(図3)において、第1分岐側端子102から入力された電力は、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132に等分配され、それぞれ吸収される。
したがって、第1分岐側端子102から入力された電力は、合成側端子101に出力される分、および、第1抵抗素子131と第2抵抗素子132とによって消費される分のみとなり、第2分岐側端子103に出力されることはない。
この結果、第1分岐側端子102と第2分岐側端子103との間のアイソレーション特性は良好となる。
ただし、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132は、同一ロットの製造物とし、設計値からの抵抗値変化の割合は、ほぼ同じ値とする。
しかし、第1接続線路121の電気長が1/4波長であることから、第1抵抗素子131からの反射波と、第2抵抗素子132の反射波とは、互いに逆相となって打ち消し合うので、第1分岐側端子102での反射電力は、ほぼ「0」となる。
第1抵抗素子131および第2抵抗素子132(複数の抵抗素子のうちの少なくとも2つ)は、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12における接続位置の間隔が、1/4波長の奇数倍に設定されている。
第1分岐側端子102および第2分岐側端子103は、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12の他端から、それぞれ1/4波長の整数倍離れた位置に設けられ、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132(複数の抵抗素子)は、分岐点から1/4波長の整数倍離れた位置に設けられている。
複数の抵抗素子のうちの少なくとも1つは、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12において、分岐点150からの電気長が等しい位置を互いに接続するように設けられている。
また、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132(複数の抵抗素子)は、分岐点150からそれぞれ1/4波長および1/2波長だけ離れた位置において、第1分岐線路L11と第2分岐線路L12とを接続するように設けられている。
さらに、第1分岐線路L11および第2分岐線路L12は、各々の他端同士が接続されている。
ただし、この場合、インピーダンス変成器110、第1接続線路121、第2接続線路122、第1抵抗素子131および第2抵抗素子132の各インピーダンス値は、インピーダンス整合が成り立つように決定される必要がある。
1対の第3接続線路123は、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されており、各々の先端部が相互接続されている。
このように、複数の抵抗素子を多段構成とすることにより、各抵抗素子の1つ当りで消費される電力が抑制されるので、耐電力性が向上する。
なお、上記実施の形態1(図1)では、インピーダンス変成器110と第1接続線路221との第1接続点151に第1抵抗素子131を接続したが、図6のように、第1接続線路221と第2接続線路222との第2接続点252に第1抵抗素子231を接続してもよい。
図6はこの発明の実施の形態2に係る電力合成分配器を示す回路図であり、各回路要素L21、L22、201〜252は、前述(図1参照)の各回路要素L11、L12、101〜152と同様のものである。
合成側端子201および各分岐側端子202、203には、それぞれ、インピーダンスZ0の負荷抵抗241が接続されている。また、図6内のB−B線による断面は、合成分配器の対称面を表している。
また、第1抵抗素子231の抵抗値2R21と、第2抵抗素子232の抵抗値2R22と、第1接続線路221のインピーダンスZ21と、第1接続線路222のインピーダンスZ22との関係は、以下の式(3)〜式(6)で表される。
図7および図8は、前述の図2および図3に対応しており、図7は図6の回路の偶モード動作時の状態を示す等価回路図であり、図8は図6の回路の奇モード動作時の状態を示す等価回路図である。
また、この場合、B−B線による断面を「磁気壁」と仮定することができるので、合成側端子201に接続される負荷抵抗241のインピーダンスは「2Z0」となる。
つまり、図7に示した偶モード動作時においては、第1分岐側端子202における第1接続点251側のインピーダンスは「Z0」となるので、第1分岐側端子202から入力された電力は、反射されることなく、合成側端子201に接続された負荷抵抗241に入力される。
また、B−B線による断面を「電気壁」と仮定することができるので、合成側端子201は短絡される。
また、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232の抵抗値は、それぞれ、R21、R22となる。
つまり、第1分岐側端子202から入力された電力は、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232に等分配されて、それぞれ吸収される。
したがって、第1分岐側端子202から入力された電力は、合成側端子201に出力される分、および、第1抵抗素子231と第2抵抗素子232とで消費される分のみとなり、第2分岐側端子203に出力されることはない。
つまり、第1分岐側端子202と第2分岐側端子203との間のアイソレーション特性は良好となる。
ただし、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232は、同一ロットの製造物とし、設計値からの抵抗値変化の割合は、ほぼ同じ値とする。
つまり、各抵抗素子231、232の抵抗値が製造誤差によって変動しても、第1分岐側端子202と第2分岐側端子203との間のアイソレーション特性は良好となる。
ただし、この場合、インピーダンス変成器210、第1接続線路221、第2接続線路222、第1抵抗素子231および第2抵抗素子232の各インピーダンス値は、インピーダンス整合が成り立つように決定される必要がある。
1対の第3接続線路223は、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されており、各々の先端部が相互接続されている。
このように、複数の抵抗素子を多段構成とすることにより、各抵抗素子の1つ当りで消費される電力が小さくなるので、耐電力性が向上する。
なお、上記実施の形態2(図6)では、1対の第2接続点252の間に第1抵抗素子231を挿入したが、図10のように、1対の第2接続点252の各々に第1抵抗素子331を接続するとともに、第1抵抗素子331の各一端を接地し、1対の第2接続点352の間に第4接続線路324を挿入してもよい。
この場合、第1抵抗素子331は、第2接続点352とグランドとの間に挿入され、第2抵抗素子332は、第2接続線路322の先端とグランドとの間に挿入されている。
また、第4接続線路324は、電気長が1/2波長の整数倍に設定された伝送線路により構成されている。
また、図10内のC−C線による断面は、合成分配器の対称面を表している。
また、第1抵抗素子331の抵抗値R31と、第2抵抗素子332の抵抗値R32と、第1接続線路321および第1接続線路321のインピーダンスZ31と、第2接続線路322のインピーダンスZ32との関係は、以下の式(7)〜式(10)で表される。
図11および図12は、前述の図7および図8に対応しており、図11は図10の回路の偶モード動作時の状態を示す等価回路図であり、図12は図10の回路の奇モード動作時の状態を示す等価回路図である。
また、C−C線による断面を「磁気壁」と仮定することができるので、合成側端子301に接続される負荷抵抗341のインピーダンスは「2Z0」となる。
一方、図11において、第4接続線路324は、電気長が1/4波長の奇数倍であり、先端が開放状態となっていることから、第2接続点352のインピーダンスは「0」となる。
つまり、図11に示した偶モード動作時においては、第1分岐側端子302から入力された電力は、反射されることなく、合成側端子301に接続された負荷抵抗341に入力される。
このとき、第4接続線路324は、電気長が半分となり、かつ先端が短絡状態となり、また、合成側端子301は短絡されるので、奇モード動作時の回路は、等価的に図12のようになる。
また、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332の抵抗値は、それぞれ、R31、R32となる。
つまり、第1分岐側端子302から入力された電力は、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332に等分配されて、それぞれ吸収される。
したがって、第1分岐側端子302から入力された電力は、合成側端子301に出力される分、および、第1抵抗素子331と第2抵抗素子332とで消費される分のみとなり、第2分岐側端子303へは出力されない。
つまり、第1分岐側端子202と第2分岐側端子303との間のアイソレーション特性は良好となる。
ただし、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332は、同一ロットの製造物とし、設計値からの変化の割合は、ほぼ同じ値とする。
つまり、抵抗素子の抵抗値が製造誤差により変動しても、第1分岐側端子302と第2分岐側端子303との間のアイソレーション特性は良好となる。
ただし、この場合、インピーダンス変成器310、第1接続線路321、第2接続線路322、第1抵抗素子331および第2抵抗素子332の各インピーダンス値は、インピーダンス整合が成り立つように決定される必要がある。
第3接続線路323は、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されている。
このように、複数の抵抗素子を多段構成とすることにより、各抵抗素子の1つ当りで消費される電力が小さくなるので、耐電力性が向上する。
なお、上記実施の形態1〜3(図1、図6、図10)では、主に回路構成のみについて説明したが、たとえば図14のように、電力合成分配器をトリプレート線路で構成してもよい。
図14はこの発明の実施の形態4に係るトリプレート線路を用いた電力合成分配器を示す平面図であり、各回路要素401〜432は、前述(図1参照)の各回路要素101〜132と同様のものである。
図15は図14内のD−D線による断面図であり、図15において、誘電体基板400は、上下面に地導体441を備えている。また、インピーダンス変成器410は、誘電体基板400内に配設されている。
なお、この発明の実施の形態4における偶モード動作時および奇モード動作時の等価回路は、図2および図3に示した通りである。
また、図14、図15では、電力合成分配器をトリプレート線路で構成したが、これに限定されることはなく、マイクロストリップ線路やコプレナー線路など、任意の線路形状を適用した電力合成分配器においても、同様の作用効果を奏することは言うまでもない。
なお、前述の実施の形態2(図6)では、1対の第2接続点252の間に第1抵抗素子231を挿入したが、図16のように、1対の第2接続点252の各々に第1抵抗素子531を接続するとともに、第1抵抗素子531の各一端を接地してもよい。
図16はこの発明の実施の形態5に係る電力合成分配器を示す回路図であり、各回路要素L21、L22、201〜252は、前述(図6参照)と同様のものである。また、第1抵抗素子531は、前述の第1抵抗素子231に対応している。
合成側端子201および各分岐側端子202、203には、それぞれ、インピーダンスZ0の負荷抵抗241が接続されている。
また、図16内のE−E線による断面は、合成分配器の対称面を表している。
なお、この発明の実施の形態5における偶モード動作時および奇モード動作時の等価回路は、図7および図8に示した通りである。
つまり、第1抵抗素子531および第2抵抗素子232の抵抗値が製造誤差によって変動しても、第1分岐側端子202と第2分岐側端子203との間のアイソレーション特性は良好となる。
ただし、インピーダンス変成器210、第1接続線路221、第2接続線路222、第1抵抗素子531および第2抵抗素子232のインピーダンス値は、インピーダンス整合が成り立つように決定される必要がある。
1対の第3接続線路223は、電気長が1/4波長の奇数倍に設定された伝送線路により構成されており、各々の先端部が相互接続されている。
このように、複数の抵抗素子を多段構成とすることにより、各抵抗素子の1つ当りで消費される電力が小さくなるので、耐電力性が向上する。
Claims (8)
- 分岐点を介して各一端が接続され、かつ各他端が接続された同一回路構成の第1分岐線路および第2分岐線路と、
前記分岐点に設けられた合成側端子と、
前記第1分岐線路に設けられた第1分岐側端子と、
前記第2分岐線路に設けられた第2分岐側端子と、
前記第1分岐線路と前記第2分岐線路との間に挿入された複数の抵抗素子と、を備え、
前記第1分岐側端子および前記第2分岐側端子は、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路において、前記分岐点からの電気長が等しく、かつ前記第1分岐線路および前記第2分岐線路の各他端を除く位置にそれぞれ設けられ、
前記複数の抵抗素子は、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路において、前記分岐点からの電気長が等しい位置にそれぞれ設けられ、
前記複数の抵抗素子のうちの少なくとも2つは、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路における接続位置の間隔が、1/4波長の奇数倍に設定されたことを特徴とする電力合成分配器。 - 前記第1分岐線路と前記第2分岐線路は、それぞれ、複数の1/4波長の伝送線路を縦続接続した構成からなることを特徴とする請求項1に記載の電力合成分配器。
- 前記第1分岐側端子および前記第2分岐側端子は、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路の他端から、それぞれ1/4波長の整数倍離れた位置に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力合成分配器。
- 前記複数の抵抗素子は、前記分岐点から1/4波長の整数倍離れた位置に設けられたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電力合成分配器。
- 前記複数の抵抗素子のうちの少なくとも1つは、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路において、前記分岐点からの電気長が等しい位置を互いに接続するように設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電力合成分配器。
- 前記複数の抵抗素子のうちの少なくとも2つは、前記第1分岐線路および前記第2分岐線路において、前記分岐点からの電気長が等しい位置にそれぞれ一端が接続され、かつ他端が接地されるように設けられたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の電力合成分配器。
- 前記第1分岐側端子および前記第2分岐側端子は、前記分岐点からそれぞれ1/4波長だけ離れた位置に設けられ、
前記複数の抵抗素子は、前記分岐点からそれぞれ1/4波長および1/2波長だけ離れた位置において、前記第1分岐線路と前記第2分岐線路とを接続するように設けられ、
前記第1分岐線路および前記第2分岐線路は、各々の他端同士が接続されたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の電力合成分配器。 - 前記第1分岐側端子および前記第2分岐側端子は、前記分岐点からそれぞれ1/4波長だけ離れた位置に設けられ、
前記複数の抵抗素子のうちの1つは、前記第1分岐線路の他端と前記第2分岐線路の他端とを接続するように設けられ、
前記複数の抵抗素子のうちの2つは、前記分岐点から1/2波長だけ離れた位置において、それぞれ一端が接続され、かつ他端が接地されるように設けられたことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電力合成分配器。
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