JP5464207B2 - 冷凍装置の室外ユニット - Google Patents

Description

本発明は、冷凍装置の室外ユニットに関する。

冷凍装置の室外ユニットにおいては、例えば特許文献１（特開２０１０−１５１３８７のように、アルミニウム製の熱交換器の下端を傾斜させ、且つ熱交換器下端に対向する面を傾斜させたスペーサ部材を配置し、スペーサ部材の傾斜により排水を促す構成が報告されている。

しかしながら、上記の構成では、熱交換器下端を傾斜させる必要があり、製造が困難であるという問題があった。

本発明の課題は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の熱交換器を用いる冷凍装置の室外ユニットにおいて、金属腐食の影響を受けにくい冷凍装置の室外ユニットを提供することにある。

本発明の第１観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の熱交換器と、熱交換器を載置する底フレームと、熱交換器と底フレームとの間に配置されるスペーサと、を備える。熱交換器は、複数の扁平管と、各扁平管が接続されたヘッダ集合管と、扁平管に接合された複数のフィンとを有する。熱交換器は、扁平管の内部を流れる流体を、扁平管の外部を流れる空気と熱交換する。スペーサは、傾斜面と、水平面とを有している。傾斜面は、熱交換器の結露水を底フレームへ導く。水平面は、熱交換器と接触して熱交換器を水平に載置する。フィンは導水部を有している。導水部は、扁平管の外部を流れる空気の風下側に設けられている。導水部の延長部分には傾斜面が設けられている。それにより、傾斜面は、水平面に対し、扁平管の外部を流れる空気の風下側に設けられている。傾斜の向きは、扁平管の外部を流れる空気の風上から風下に向かって低くなるように傾斜している。

ここでは、スペーサの熱交換器下端と対向する面を、熱交換器短手方向途中から傾斜するようにすることにより、熱交換器から落ちる水滴を底フレームへと導くことができ、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。さらに、熱交換器をスペーサの水平面に載置するので、熱交換器下端を傾斜させる必要がなく、熱交換器の製造が容易である。

さらに、フィンが導水部を有しているため、熱交換器の結露水をスペーサに導くことができる。さらに、導水部の延長部分に上記傾斜面が設けられているため、熱交換器からスペーサに導かれた水を、傾斜面をつたって底フレームへと導くことができるため、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。

平面視における、傾斜面の長手方向長さＬ１と、水平面の長手方向長さＬ２との比は、水を前記底フレームへ導くことができ、交換器を水平に載置できれば特に限定されないが、Ｌ１：Ｌ２＝約１：２〜５とすることができる。

傾斜面の傾斜は、熱交換器の結露水を前記底フレームへ導くことができれば特に限定されないが、水平方向から下方に７〜２０°とすることができる。傾斜角が７°より小さいと排水機能が十分でなく、また２０°より大きいと特に撥水性材料の場合、水が伝いにくくなる。

熱交換器の結露水には、凝集水、雨水などが含まれる。

スペーサの素材としては、熱交換器を安定に載置でき、耐水性、防振性を有する観点から、ゴム（ラバー）が好ましく、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アフラス、水素化ニトリルゴム、ウレタンゴム等が使用できる。

本発明の第２観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第１観点に係る冷凍装置の室外ユニットにおいて、スペーサの下部に、排水構造が設けられている。上記各排水構造としては、開口、切り欠き、溝等が挙げられる。

ここでは、熱交換器からスペーサに落ちた水を、スペーサの下部の排水構造から、底フレームへと導くことができるため、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。

本発明の第３観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第１観点または第２観点に係る冷凍装置の室外ユニットにおいて、スペーサは、熱交換器の曲げ部の下端に配置されている。

ここでは、室外ユニットをコンパクトにしながらスペーサの場所を確保できるため、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。

本発明の第４観点に係る冷凍装置の室外ユニットは、第１観点から第３観点の何れかに係る冷凍装置の室外ユニットにおいて、スペーサには、水平面から斜め上方に延びる延伸部が設けられている。

ここでは、延伸部により、より効果的に熱交換器からの結露水を排水構造へ導くことができるため、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。

本発明の第１観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、熱交換器から落ちる水滴を底フレームへと導くことができ、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。さらに、熱交換器下端を傾斜させる必要がなく、熱交換器を容易に製造できる。熱交換器の結露水をスペーサに導くことができ、さらに、傾斜面から底フレームへと導くことができるため、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。

本発明の第２観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、熱交換器からスペーサに落ちた水を、効果的に底フレームへと導き、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。

本発明の第３観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、室外ユニットをコンパクトにしながらスペーサの場所を確保でき、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。

本発明の第４観点に係る冷凍装置の室外ユニットでは、より効果的に熱交換器からの結露水を排水構造へ導くことができ、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。

本発明の一実施形態に係る冷凍装置の室外ユニットの概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る冷凍装置の室外ユニットの、天板、左側板、右前板及び右後板を取り除いた状態の概略斜視図である。 室外熱交換器の概略斜視図である。 室外熱交換器の扁平管およびフィンを鉛直方向に切断したときの部分拡大図である。同一部材については、一部の参照符号を省略している。 本発明の一実施形態に係る冷凍装置の室外ユニットの底フレームの平面図である。 本発明の一実施形態に係るスペーサの正面図である。 本発明の一実施形態に係るスペーサの平面図である。 図７のVIII−VIII断面図である。 図５のIX−IX断面図である。

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。

本実施形態の冷凍装置の室外ユニットは、空気調和装置の室外ユニットとして利用される。

（１）室外ユニットの概略構成
本発明の一実施形態に係る空気調和装置の室外ユニットを、図１に示す。図１は、空気調和装置の室外ユニット２０を示す斜視図である。室外ユニット２０は、空気調和を行う空調対象空間（室内）の外部に設置されており、略直方体箱状のケーシング５０の内部が、鉛直に延びる仕切り板（図示せず）によって送風機室と機械室とに分割されている。この室外ユニット２０は、空調対象空間に配置される室内ユニット（図示せず）に冷媒連絡配管（図示せず）を介して接続されている。

室外ユニット２０は、主に、略箱状のケーシング５０と、室外ファン（図示せず）と、熱交換器、圧縮機、弁、配管などを含み冷媒回路を構成する冷媒回路構成部品（図示せず）と、運転制御を行う電装品ユニット（図示せず）とを備えている。

ケーシング５０には、前面５１の中央部および左部に位置する吹出口が形成されており、室外ファンにより送り出された空気が、吹出口から前方に吹き出される。

ケーシング５０は、天板５７、右後板５６、右前板５５に加えて、左側板５４、底フレーム８を有している。６０は、ケーシング５０の外側に取り付けられたファングリルである。

図２は、本発明の一実施形態に係る冷凍装置の室外ユニットの、天板、左側板、右前板及び右後板を取り除いた状態の概略斜視図である。底フレーム８上に、熱交換器２５が載置され、その前に室外ファン３５が配置されている。底フレーム８は、縁の部分に、鉛直方向への立ち上がり部分８ａ（図５参照）を有している。そして、仕切り板５８の向かって左側が送風機室、右側が機械室である。

図３は、室外熱交換器２５の概略斜視図である。図３に示すように、室外熱交換器２５は、扁平管２、フィン４およびヘッダ集合管６１，６２を有する。なお、図３では、フィン４は省略して図示している。また、扁平管２の参照符号は一部を省略している。フィン４は、曲げ部２５ｂを有している。室外熱交換器２５の下には、曲げ部２５ｂの下端２５ａに接するように、後述のスペーサが配置される。

室外熱交換器２５は、室外空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を凝縮又は蒸発させる。室外熱交換器２５は、全てがアルミニウム製又はアルミニウム合金製である。室外熱交換器２５は、ケーシング５０（図１参照）と直接接触することがないよう、ケーシング５０と適切なスペースを空けて、又は、樹脂部材等をケーシング５０と室外熱交換器２５との間に設置して、ケーシング５０内に配置される。

室外熱交換器２５は、図２のように、ケーシング５０の背面に沿って、仕切り板５８の端部付近から左方に延び、ケーシング５０の左後方角部付近でその方向を変え、左側板５４（図１参照）に沿って前方に延びる。

ヘッダ集合管６１，６２は、上下方向に複数段配列された扁平管２の両端に連結される。ヘッダ集合管６１，６２は、扁平管２を支持する機能と、冷媒を扁平管２の内部流路（不図示）に導く機能と、内部流路から出てきた冷媒を集合させる機能とを有している。

図４は、扁平管２およびフィン４を鉛直方向に切断したときの部分拡大図である。扁平管２は、伝熱面となる上下の平面部と、冷媒が流れる複数の内部流路２ａとを有している。扁平管２は、平面部を上下に向けた状態で、間隔をあけて複数段配列される。フィン４は、扁平管２に接している。ヘッダ集合管６１，６２の間に配列された複数段の扁平管２に対してフィン４を差し込めるように、フィン４には、水平に細長く延びる複数の切り欠き４ｂが形成されている。これらのフィン４の切り欠き４ｂの形状は、図４に示すように、扁平管２の断面の外形にほぼ一致している。フィン４は、ワッフル、ルーバーを備え、フィンの最下流側に、鉛直方向に１本繋がった導水部４ａを有している。結露水が導水部４ａを伝って熱交換器の下部へと導かれる。

底フレーム８は、図５に示すように、主として、平面視で略長方形の形状を持ち、溝部（ドレンパン）８ｂを有している。ドレンパンには、不図示の熱交換器が載置されるとともに、第１排水開口１０とその他の複数の開口１１が設けられている。底フレーム８内に溜まった水は、基本的には、これらの開口１０，１１から排水される。第１排水開口１０は、垂直方向で最も低い位置に配置されており、凝集水がここから排出される。

ドレンパンの２５ｃで示した部分に、スペーサ１００が配置され、その上に熱交換器の曲げ部２５ｂが載置される。２６は、スペーサ１００の位置固定用の凸部である。スペーサ１００は、熱交換器２５の短手方向とスペーサ１００の長手方向が一致するように配置される。スペーサ１００を上記熱交換器２５の曲げ部の下端２５ａ（図３）に配置することにより、コンパクトに熱交換器２５の排水機構を設けることができる。

（２）スペーサ
図６〜８に、スペーサ１００の正面図、平面図ならびに断面図を示す。スペーサ１００には、熱交換器２５下端と対向する面に、熱交換器２５の結露水を底フレーム８へ導く傾斜面１００ａと、熱交換器２５と接触して熱交換器２５を水平に載置する水平面１００ｂとが設けられている。傾斜面１００ａの傾斜は、水平方向から下方に１０°である。

傾斜面１００ａは、熱交換器２５の短手方向途中から傾斜するように設けられている。このようにすることにより、熱交換器２５から落ちる水滴を底フレーム８へと導くことができる。底フレーム８では、図５に示すように、スペーサ１００の配置位置２５ｃの近傍に開口１１が設けられているため、スムーズに排水される。

平面視における、傾斜面１００ａの長手方向長さＬ１と、水平面１００ｂの長手方向長さＬ２との比は、Ｌ１：Ｌ２＝約１：３である。このような比で傾斜面１００ａと水平面１００ｂとを設けることにより、熱交換器２５の結露水の排水を促しながら、かつ、熱交換器２５の下端を傾斜する必要がなく、熱交換器２５を容易に水平に載置できる。

スペーサ１００の下部には、排水開口１０１が設けられている。排水開口１０１が設けられた部分は、スペーサ１００の肉厚が薄いため、水が容易に排水開口１０１に導かれる。

さらに、スペーサ１００には、水平面１００ｂから斜め上方に延びる延伸部１０２が設けられている。延伸部１０２により、熱交換器２５を固定でき、防振性が向上し、また、より排水が促進される。また、振動により熱交換器がずれたときに、熱交換器が底フレームの立ち上がり部分に接触することを防止できる。

スペーサ１００の熱交換器と対向する面と反対側の面には、凹部１０３が設けられる。凹部１０３に、底フレーム８に設けられた凸部２６（図５）が挿入され、スペーサ１００の底フレーム８に対する位置が決められる。

図９に、底フレーム８にスペーサ１００を介して室外熱交換器２５が載置された状態を示す。図９は、図５のIX−IX断面図である。底フレーム８のスペーサ配置位置２５ｃに、スペーサ１００が配置されている。そして、スペーサ１００の底フレーム８との対向面と反対側に設けられた水平面１００ｂが、扁平管２、フィン４を有する熱交換器２５の曲げ部２５ｂの下端２５ａと接して、熱交換器２５がスペーサ１００に載置されている。熱交換器２５の側面は、延伸部１０２により、底フレーム８と直接接触しないように配置されている。これにより、熱交換器の防振性が高まると共に、水が底フレーム８の開口１１に効果的に導かれる。

熱交換器２５の結露水は、フィン４の導水部４ａを伝ってスペーサ１００に導かれ、傾斜面１００ａにより、底フレーム８に導かれる。また、スペーサ１００の排水開口１０１が、フィン４下端部分に設けられているため、スペーサ１００の水平面１００ｂに滴下した結露水の一部は、排水開口１０１より底フレーム８に導かれる。

（３）室外ユニットの特徴
（３−１）
本実施形態に係る空気調和装置１の室外ユニット２０は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の熱交換器２５と、熱交換器２５を載置する底フレーム８と、熱交換器２５と底フレーム８との間に配置されるスペーサ１００とを備えている。スペーサ１００は、傾斜面１００ａと、水平面１００ｂとを有している。傾斜面１００ａは、熱交換器２５の結露水を底フレーム８へ導く。水平面１００ｂは、熱交換器２５と接触して熱交換器２５を水平に載置する。

ここでは、スペーサの熱交換器下端と対向する面を、熱交換器短手方向途中から傾斜するようにすることにより、熱交換器から落ちる水滴を底フレームへと導くことができ、熱交換器の腐食、冷媒漏れを防止できる。さらに、熱交換器をスペーサの水平面に載置するので、熱交換器下端を傾斜させる必要がなく、熱交換器の製造が容易である。

（３−２）
本実施形態に係る空気調和装置１の室外ユニット２０では、フィン４が導水部４ａを有し、導水部４ａの延長部分に上記傾斜面１００ａが設けられている。

ここでは、熱交換器の結露水が導水部を伝ってスペーサに導かれる。そして、導水部の延長部分の傾斜面から、結露水が底フレームへと導かれ、熱交換器の腐食、冷媒漏れが防止される。

（３−３）
本実施形態に係る空気調和装置１の室外ユニット２０では、スペーサ１００の下部に、排水開口１０１が設けられている。

ここでは、熱交換器２５からスペーサ１００に落ちた水が、スペーサ１００の下部の排水開口１０１から、底フレーム８へと導かれるため、熱交換器２５の腐食、冷媒漏れが防止される。

（３−４）
本実施形態に係る空気調和装置１の室外ユニット２０では、スペーサは、熱交換器の曲げ部の下端に配置されている。

ここでは、室外ユニットをコンパクトにしながらスペーサの場所を確保できるため、熱交換器の腐食、冷媒漏れが防止される。

（３−５）
本実施形態に係る空気調和装置１の室外ユニット２０では、スペーサには、水平面から斜め上方に延びる延伸部が設けられている。

ここでは、延伸部により、より効果的に熱交換器からの結露水を排水構造へ導くことができるため、熱交換器の腐食、冷媒漏れが防止される。

（４）変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。なお、複数の変形例を適宜組み合わせてもよい。

（４−１）変形例Ａ
上記の実施形態に示された室外ユニット２０は、空気調和装置１に使用されるものであるが、それに限定されるものではなく、その他の冷凍装置に使用されるものであってもよい。

２ 扁平管
４ フィン
４ａ 導水部
６１，６２ ヘッダ集合管
８ 底フレーム
８ｂ 溝部（ドレンパン）
１０ 第１排水開口
１１ 開口
２０ 室外ユニット
２５ 室外熱交換器（熱交換器）
２５ｂ 曲げ部
３５ 室外ファン
５０ ケーシング
５１ 前板
５４ 左側板
５５ 右前板
５６ 右後板
５７ 天板
５８ 仕切り板
６０ ファングリル
１００ スペーサ
１００ａ 傾斜面
１００ｂ 水平面
１０１ 排水開口
１０２ 延伸部

特開２０１０−１５１３８７

Claims (4)

1. アルミニウム製又はアルミニウム合金製の熱交換器（２５）であって、複数の扁平管（２）と、前記各扁平管が接続されたヘッダ集合管（６）と、前記扁平管に接合された複数のフィン（４）とを有し、前記扁平管の内部を流れる流体が前記扁平管の外部を流れる空気と熱交換する熱交換器（２５）と、
   前記熱交換器を載置する底フレーム（８）と、
   前記熱交換器と前記底フレームとの間に配置されるスペーサ（１００）と
   を備え、
   前記スペーサが、前記熱交換器の結露水を前記底フレームへ導く傾斜面（１００ａ）と、前記熱交換器と接触して前記熱交換器を水平に載置する水平面（１００ｂ）とを有しており、
   前記フィンは導水部（４ａ）を有し、前記導水部が前記扁平管の外部を流れる空気の風下側に設けられ、前記導水部の延長部分に前記傾斜面が設けられ、それにより、前記傾斜面が、前記水平面に対し、前記扁平管の外部を流れる空気の風下側に設けられ、傾斜の向きが前記扁平管の外部を流れる空気の風上から風下に向かって低くなるように傾斜している、
   冷凍装置の室外ユニット。
2. 前記スペーサの下部に、排水構造（１０１）が設けられている、
   請求項１記載の室外ユニット。
3. 前記スペーサは、前記熱交換器の曲げ部（２５ｂ）の下端（２５ａ）に配置されている、
   請求項１または２に記載の室外ユニット。
4. 前記スペーサには、前記水平面から斜め上方に延びる延伸部（１０２）が設けられている、
   請求項１〜３の何れか１項に記載の室外ユニット。

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