JP5462886B2 - 空気入りタイヤ用トレッド - Google Patents

空気入りタイヤ用トレッド Download PDF

Info

Publication number
JP5462886B2
JP5462886B2 JP2011547170A JP2011547170A JP5462886B2 JP 5462886 B2 JP5462886 B2 JP 5462886B2 JP 2011547170 A JP2011547170 A JP 2011547170A JP 2011547170 A JP2011547170 A JP 2011547170A JP 5462886 B2 JP5462886 B2 JP 5462886B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
branch
tread
length
branch groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011547170A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011077561A1 (ja
Inventor
ニコラ ドートレイ
Original Assignee
コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン, ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム filed Critical コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
Publication of JPWO2011077561A1 publication Critical patent/JPWO2011077561A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5462886B2 publication Critical patent/JP5462886B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/0306Patterns comprising block rows or discontinuous ribs
    • B60C11/0309Patterns comprising block rows or discontinuous ribs further characterised by the groove cross-section
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/0327Tread patterns characterised by special properties of the tread pattern
    • B60C11/033Tread patterns characterised by special properties of the tread pattern by the void or net-to-gross ratios of the patterns
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C19/00Tyre parts or constructions not otherwise provided for
    • B60C19/002Noise damping elements provided in the tyre structure or attached thereto, e.g. in the tyre interior
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C2011/0337Tread patterns characterised by particular design features of the pattern
    • B60C2011/0339Grooves
    • B60C2011/0341Circumferential grooves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C2011/0337Tread patterns characterised by particular design features of the pattern
    • B60C2011/0339Grooves
    • B60C2011/0381Blind or isolated grooves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C2011/0337Tread patterns characterised by particular design features of the pattern
    • B60C2011/0386Continuous ribs
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S152/00Resilient tires and wheels
    • Y10S152/901Tread pattern having no blocks and having circumferential ribs defined by linear circumferential grooves having straight edges

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、空気入りタイヤ用トレッドに関し、詳しくは、気柱共鳴音と、トレッドパターンノイズを同時に低減する空気入りタイヤ用トレッドに関する。
タイヤのトレッドに形成された周方向溝の気柱共鳴音は、その周方向溝と路面とで形成される管内(気柱)の共鳴により発生し、その共鳴周波数は、路面との間で形成される周方向溝の気柱の長さに依存する。
この気柱共鳴音は車輌内外の騒音という形で現れ、多くの場合人間の耳に届きやすい1kHz前後にそのピークを持つ。この周方向溝の気柱共鳴音を低減させる技術として、一端がトレッドに形成された周方向溝に開口し、この開口端から分岐して、他端がトレッドの陸部(リブ)内で終端する枝溝形状を有する共鳴器をトレッドに形成し、この共鳴器により気柱共鳴音を低減させるようにする技術が知られている(例えば、特許文献1)。
ここで、特許文献2の図1には、トレッドに、一端が周方向溝に開口し他端が陸部内で終端する枝溝形状の共鳴器と、ヘルムホルツ型と呼ばれる枝溝形状とは異なる種類の共鳴器とを設け、さまざまな周波数帯の気柱共鳴音を低減させるようにした技術が開示されている。
特許文献3の図1には、トレッドに、2本の周方向溝に連通する横溝を設けると共にヘルムホルツ型と呼ばれる共鳴器を複数設け、さまざまな周波数帯の気柱共鳴音を低減させるようにした技術が開示されている。
特許文献4の図1には、トレッドに、一端が周方向溝に開口し他端が陸部内で終端する折れ曲がった形状を有する枝溝形状の共鳴器と、同じく枝溝形状であるがさらに副溝を有する枝溝形状の共鳴器とを設け、さまざまな周波数帯の気柱共鳴音を低減させるようにした技術が開示されている。
再公表特許WO2004/103737号公報 特開2008−308131号公報 特開2008−238867号公報 特開2006−151309号公報
しかしながら、枝溝形状による共鳴器を有効に作用させる場合、枝溝は、ある一定以上の長さが必要となり、そのような枝溝が形成されたリブがトレッド踏面に侵入する際、リブが路面を叩くことにより発生するエネルギの変動に伴って、枝溝による共鳴器自体によりトレッドパターンノイズが発生するという問題点がある。
ここで、トレッドパターンノイズとは、トレッド踏面に刻まれたパターンに基づき、横溝など、トレッドの幅方向や斜め方向に延びる溝が連続的に路面を叩く際に発生するエネルギーの変動により発生するタイヤ騒音である。トレッドパターンノイズの周波数は速度に依存し、速度と共に変化する。このトレッドパターンノイズも車輌内外の騒音源のひとつである。
さまざまな周波数帯の気柱共鳴音を低減させるために、特許文献2乃至4のそれぞれ図1に開示されているような形態で共鳴器を配設した場合、トレッド踏面長さに対してタイヤ回転方向における隣接した共鳴器の間隔を所定距離以上設ける必要がある。これらの場合、共鳴器によって発生するトレッドパターンノイズは、共鳴器により減衰される周波数帯と異なる周波数帯に発生するため、特許文献2乃至4の共鳴器においても、共鳴器自体により発生するトレッドパターンノイズが問題となる。
そこで本発明は、上述した従来技術が抱える問題点を解決するためになされたものであり、周方向溝によって発生する気柱共鳴音を複数の周波数帯で効果的に抑制しつつ、トレッドパターンノイズをも同時に低減させることが出来る空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、少なくとも一本の周方向溝と、その周方向溝に隣接する少なくとも二つのリブと、一端が前記周方向溝に開口し他端が前記リブ内で終端する溝状に形成され前記周方向溝の気柱共鳴音を低減させる共鳴器と、を有する空気入りタイヤ用トレッドであって、共鳴器は、周方向溝に開口する第一開口部及びリブ内で終端する第一終端部を有する第一の枝状溝と、周方向溝に開口する第二開口部及びリブ内で終端する第二終端部を有する第二の枝状溝と、を少なくとも含む一組の枝状溝が同一リブ上に相互に接触しないようタイヤ周方向に複数形成されたものであり、共鳴器の第一の枝状溝は、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、トレッド踏面長さの40%以上の長さかつ周方向溝の溝幅の10%以上かつ25%以下の溝幅を有し、共鳴器の第二の枝状溝は、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、第一の枝状溝の長さの40%以上かつ90%以下の長さを有しかつ第一の枝状溝の溝幅以上の溝幅を有し、共鳴器の第一の枝状溝の第一開口部及び第二の枝状溝の第二開口部は、同一リブから同一の周方向溝に対して開口すると共にタイヤ回転方向に対して交互に開口し、共鳴器の第一の枝状溝は、その第一の枝状溝全体がトレッド踏面内に存在するように、同一リブから同一の周方向溝に開口する隣り合う第一開口部間の長さがトレッド踏面長さの50%以下となるように形成され、共鳴器の第一の枝状溝及び第二の枝状溝が形成されたリブ上の最小横断面空隙率と、そのリブの最大横断面空隙率との差が10%以内であることを特徴としている。
ここで、「溝」とは、通常の使用条件下で相互に接触することのない、二つの壁面により区切られた、幅及び深さを持つ空間のことをいう。
また、「周方向溝」とは、タイヤ周方向に延在する溝のことをいい、直線状の溝のみならず、ジグザグ状又は波状に延び、タイヤ全体として周方向に一周する溝も含まれる。
また、「横溝」とは、タイヤ幅方向に延在する溝のことをいい、両端が周方向溝に開口するもの、一端が周方向溝に開口し他端が陸部(リブ)内で終端するもの、両端が陸部内で終端するものなどがある。この横溝の形態も直線状のみならず、ジグザグ状又は波状に延びるもの、また幅が変化するものも含まれる。
また、「枝状溝」とは、一端が周方向溝に開口し、他端が陸部(リブ)内で終端する形態の溝のことをいう。枝状溝は横溝の形態のうちのひとつである。
また、「トレッド踏面」とは、タイヤを下記の産業規格で定められている適用リムに装着すると共に、定格内圧を充填し、定格荷重を負荷した際に路面と接触するトレッドの表面領域のことをいう。また、「トレッド踏面長さ」とは、タイヤの回転方向のトレッド踏面の長さのことをいう。
また、「規格」とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって定められるものである。例えば、産業規格は、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organization)の“STANDARDS MANUAL”であり、米国ではTRA(THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.)の“YEAR BOOK”であり、日本では日本自動車タイヤ協会(JATMA)の“JATMA YEAR BOOK”である。また、「適用リム」とは、タイヤのサイズに応じてこれら規格に規定されたリムをいい、「定格内圧」とは、これらの規格において、負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、「定格荷重」とは、これらの規格において、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう。
また、「横断面空隙率」とは、タイヤの回転軸と平行な軸に沿ってタイヤ表面上で得られる特定部分(例えば一つのリブ)の総長さに対する、同じ軸に沿ってタイヤ表面上で得られる同じ特定部分内の非接地部分の長さの占める割合のことをいう。
上述したように構成された本発明においては、周方向溝の気柱共鳴音を低減させる共鳴器が、周方向溝に開口する第一開口部及びリブ内で終端する第一終端部を有する第一の枝状溝と、周方向溝に開口する第二開口部及びリブ内で終端する第二終端部を有する第二の枝状溝とを少なくとも含む一組の枝状溝が同一リブ上に相互に接触しないようタイヤ周方向に複数形成されたものである。このように構成された共鳴器の基本原理として、周方向溝を伝播する音波は、その一部が第一の枝状溝及び第二の枝状溝内に伝播され、第一の枝状溝及び第二の枝状溝の終端部で反射してまた周方向溝に戻る。これらの枝状溝内での音波の往復により、各枝状溝内に伝播された音波は周方向溝に戻った際、周方向溝内の音波に対して位相が異なる事になる。この位相差により音波の干渉を引き起こし、その結果、第一の枝状溝及び第二の枝状溝により、周方向溝の気柱共鳴音が低減される。
本発明においては、さらに、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、第一の枝状溝が、トレッド踏面長さの40%以上の長さを有しているので、周方向溝の気柱共鳴音を減少させるために必要な長さを得て、気柱共鳴音の減少効果を効果的に得ることが出来る。
さらに、共鳴器の第一の枝状溝が、周方向溝の溝幅の10%以上かつ25%以下の溝幅を有しているので、トレッド踏面内において荷重により第一枝状溝が閉塞して、共鳴器としての効果を発揮しなくなってしまうことを抑制すると共に、リブ内で第一枝状溝が占める割合が大きくなることによりタイヤに求められる他の諸性能に影響を与えてしまうことを抑制することが出来る。
さらに、共鳴器の第二の枝状溝が、第一の枝状溝長さの40%以上かつ90%以下の長さを有しかつ第一の枝状溝の溝幅以上の溝幅を有している。ここで、従来、ある1つの枝溝形状の共鳴器により気柱共鳴音を低減した場合、その共鳴器が作用する周波数帯の音圧は低減されるものの、他の周波数帯に音圧のピークが生じてしまう。これに対し、本発明によれば、第一の枝状溝と組となる第二の枝状溝を設け、この第二の枝状溝は、第一の枝状溝長さの40%以上かつ90%以下の長さを有しているので、第二の枝状溝により低減出来る音圧の周波数帯が、第一の枝状溝により発生した音圧ピークを低減させるために適した周波数帯から外れないようにすることが出来、その結果、第一の枝状溝が周方向溝の気柱共鳴音を低減した際に発生する他の周波数帯の音圧ピークを効果的に低減させることが出来る。このように、少なくとも第一の枝状溝及び第二の枝状溝を有する一組の共鳴器を同一リブ上に設けることにより、複数の周波数帯の音圧ピーク(少なくとも2つの周波数帯の音圧ピーク)を低減することが可能となり、タイヤ全体としての騒音レベルを低減させることが出来る。
さらに、共鳴器の第一の枝状溝の第一開口部及び第二の枝状溝の第二開口部は、同一リブから同一の周方向溝に対して開口すると共にタイヤ回転方向に対して交互に開口しているので、第一の枝状溝は、それが開口している周方向溝の気柱共鳴音を低減させ、かつ、その第一の枝状溝による気柱共鳴音の低減により同じ周方向溝に発生した別の周波数帯の音圧ピークを、第二の枝状溝によって低減することが出来る。
さらに、共鳴器の第一の枝状溝は、その第一の枝状溝全体がトレッド踏面内に存在するように、同一リブから同一の周方向溝に開口する隣り合う第一開口部間の長さがトレッド踏面長さの50%以下となるように形成されているので、第一枝状溝が少なくとも1本、トレッド踏面内に存在するようにして、その共鳴器としての作用を失うことがないようにすることが出来る。従って、周方向溝の気柱共鳴音を確実に低減させることが出来る。
さらに、共鳴器の第一の枝状溝及び第二の枝状溝が形成されたリブ上の最小横断面空隙率と、そのリブの最大横断面空隙率との差が10%以内であるので、リブの第1枝状溝及び第二枝状溝の溝部分を除いたリブ幅が、タイヤ一周にわたり概ね一定となることから、第一の枝状溝及び第二の枝状溝が形成されたリブがトレッド踏面内に侵入する際に路面を叩くエネルギーの変動を概ね一定にすることができ、結果としてトレッドパターンノイズを低減することが出来る。なお、最小横断面空隙率と最大横断面空隙率との差が10%を超えた場合、タイヤ一周にわたり、リブが路面を叩くエネルギーの変動が大きくなり、結果としてトレッドパターンノイズの低減効果が小さくなる。
これらの結果、周方向溝によって発生する気柱共鳴音を複数の周波数帯で効果的に抑制しつつ、トレッドパターンノイズをも同時に低減させることが出来る。
本発明において、好ましくは、共鳴器の第一の枝状溝は、そのトレッド踏面におけるそれ自身の横方向投影長さが、第一開口部と第一終端部とを結ぶ直線の横方向投影長さより長くなるように形成される。
このように構成された本発明においては、共鳴器の第一の枝状溝は、そのトレッド踏面におけるそれ自身の横方向投影長さが、第一開口部と第一終端部とを結ぶ直線の横方向投影長さより長くなるように形成されるので、第一の枝状溝は、比較的狭いリブ幅でも、所定の枝状溝長さを保つことが出来るので、より確実に、周方向溝の気柱共鳴音を低減させることが出来る。そして、第一の枝状溝の開口部と終端部とを結ぶ直線の横方向投影長さが、第一の枝状溝のトレッド踏面におけるそれ自身の横方向投影長さより短いので、例えば、リブの幅方向に開口部と終端部が並ぶようにして、トレッド踏面内により多くの枝状溝を配設することが出来る。それらの結果、より効果的に気柱共鳴音を低減することができる。
本発明において、好ましくは、共鳴器の第二の枝状溝の第二終端部が、その第二の枝状溝と組となる第一の枝状溝自身と、その第一の枝状溝の第一開口部及び第一終端部とを結ぶ直線とで囲まれた領域内に存在する。
このように構成された本発明においては、共鳴器の第二の枝状溝の第二終端部が、その第二の枝状溝と組となる第一の枝状溝自身と、その第一の枝状溝の第一開口部及び第一終端部とを結ぶ直線とで囲まれた領域内に存在するので、第二の枝状溝を第一の枝状溝に近づけて配置することが可能となり、その結果、タイヤ周方向に連続する第一の枝状溝の周方向溝への開口部である第一開口部間の長さを短くすることが可能となり、これにより、トレッド踏面内により多くの枝状溝を配設することが出来る。その結果、より効果的に気柱共鳴音を低減することができる。
本発明において、好ましくは、共鳴器の第一の枝状溝が、第一開口部を含む第一部分と、第一終端部を含む第二部分とを有し、第一部分と第二部分との間の角度が90度未満である。
このように構成された本発明においては、共鳴器の第一の枝状溝が、第一開口部を含む第一部分と第一終端部を含む第二部分との間の角度が90度未満となるように形成されるので、枝状溝が配置されているリブ上において、そのリブの最小横断面空隙率と、そのリブの最大横断面空隙率との差を10%以内にする設計を容易とすることができる。従って、リブの溝部分を除いたリブ幅がタイヤ一周にわたり概ね一定となる。即ち、リブがトレッド踏面内に侵入する際に路面を叩くエネルギーの変動を概ね一定にすることが出来、その結果、トレッドパターンノイズを低減することが出来る。
本発明による空気入りタイヤ用トレッドによれば、周方向溝によって発生する気柱共鳴音を複数の周波数帯で効果的に抑制しつつ、トレッドパターンノイズをも同時に低減させることが出来、その結果、タイヤ全体としての騒音レベルを低減させることが可能となる。
本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを模式的に示す図である。 図1のIIA−IIA線に沿って見たタイヤ用トレッドの拡大断面図である。 図1のIIB−IIB線に沿って見たタイヤ用トレッドの拡大断面図である。 本発明の第2実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを模式的に示す図である。 図3のIVA−IVA線に沿って見たタイヤ用トレッドの拡大断面図である。 図3のIVB−IVB線に沿って見たタイヤ用トレッドの拡大断面図である。 本発明の第3実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを模式的に示す図である。 本発明の第4実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを模式的に示す図である。
次に、本発明の特徴及び長所を、本発明の幾つかの実施形態を例示する図面を参照して説明する。
先ず、図1及び図2により、本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを模式的に示す図であり、図2Aは、図1のIIA−IIA線に沿って見たトレッド1の拡大断面図であり、図2Bは、図1のIIB−IIB線に沿って見たトレッド1の拡大断面図である。
先ず、図1に示すように、符号1は、第1実施形態によるタイヤトレッド1の一部を示し、このトレッド1には、幅Wの二本の周方向溝2が形成され、これらの周方向溝2に区切られる形でリブ3が形成されている。なお、この例におけるタイヤサイズは225/55R16である。
このリブ3は、タイヤ転動時に路面と接触する面31を有している。この図上には、タイヤが定格内圧に充填され、定格荷重が負荷された際のトレッド踏面長さLが図示されている。なお“ETRTO STANDARD MANUAL 2009”によれば、当該サイズの適用リムは7J、定格内圧は250kPa、定格荷重は690kgである。
このリブ3上には、周方向溝2内にタイヤ転動時に発生する気柱共鳴音を減少するための、一端が周方向溝に開口し、他端がリブ3内で終端する枝溝形状の共鳴器が多数形成されている。本実施形態では、これらの共鳴器は、第一枝状溝41と第二枝状溝42の2つの長さの枝状溝が組で構成され、第一枝状溝41と第二枝状溝42とは、相互に接触しないように形成されている。この組の枝状溝41、42は、タイヤ周方向に複数設けられている。
第一枝状溝41は、溝幅Wを有する周方向溝2に対して開口部415で開口し、リブ3上の終端部416で終端している。
第一枝状溝41は、長さL41を有し、その長さL41は、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、トレッド踏面長さLの40%以上の長さを有する。本実施形態においては、第一枝状溝長さL41は121mmであり、トレッド踏面長さLは145mmである。第一枝状溝長さL41がトレッド踏面長さLの40%未満であると、周方向溝2の気柱共鳴音を減少させるために必要な長さが得られず、気柱共鳴音の減少効果が下がってしまう。
第一枝状溝幅W41は、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、周方向溝2の幅Wの10%以上かつ25%未満となるよう形成されている。本実施形態においては、第一枝状溝幅W41は2.8mmであり、周方向溝幅Wは16mmである。第一枝状溝幅W41が周方向溝幅Wの10%未満であると、トレッド踏面内において荷重により第一枝状溝が閉塞してしまい、共鳴器としての効果を発揮しなくなってしまう。また25%以上であると、リブ内で第一枝状溝が占める割合が大きくなり、タイヤに求められる他の諸性能に影響を与えてしまう。
第二枝状溝42は、組となる第一枝状溝41が開口している同じ周方向溝2に対して開口部425で開口し、組となる第一枝状溝41が終端している同じリブ3上の終端部426で終端している。
第二枝状溝は、長さL42を有し、その長さL42は、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、組となる第一枝状溝41の長さL41の40%以上かつ90%以下となるように形成される。本実施形態においては、第二枝状溝長さL42は58mmである。第二枝状溝42の長さL42が、組となる第一枝状溝長さL42の40%未満もしくは90%を超えた場合、第二枝状溝42により低減出来る音圧の周波数帯が、第一枝状溝41が周方向溝2の気柱共鳴音を低減した際に発生した周波数帯と異なる周波数帯に発生した音圧ピークを低減させるために適した周波数帯から外れてしまい、気柱共鳴音の低減効果が下がってしまう。
第二枝状溝42の溝幅W42は、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、組となる第一枝状溝41の溝幅W41以上となるように形成されている。本実施形態においては、第二枝状溝幅W42は3.6mmである。
第一枝状溝41と第二枝状溝42は組となって同じリブ3上に形成され、同じ周方向溝2に対して開口している。タイヤ回転方向で見た場合、第一枝状溝の開口部415と第二枝状溝の開口部426とは、同じリブ3上から同じ周方向溝2に開口し、それらの開口部415、425は、同じ周方向溝2に交互に出現するように設けられている。このような構成により、第一枝状溝41により、第一枝状溝41が開口している周方向溝2の気柱共鳴音を低減させ、かつ、その第一枝状溝41による気柱共鳴音の低減により同じ周方向溝2に発生した別の周波数帯の音圧ピークを、第二枝状溝42により低減することが可能となる。
第一枝状溝41は、同じ周方向溝2に開口しかつタイヤ周方向に隣り合う開口部415間の長さが、トレッド踏面長さの50%以下となるように形成されている。これにより、第一枝状溝41が少なくとも1本、トレッド踏面内に存在するようにして、その共鳴器としての作用を失うことがないようにしている。従って、このような構成により、効果的に、周方向溝2の気柱共鳴音を低減させることが出来る。
次に、図2A及び図2Bに示すように、周方向溝2、第一枝状溝41及び第二枝状溝42は、それぞれ、路面と接触する面31で開口している。周方向溝2の溝深さはDであり、第一枝状溝41及び第二枝状溝42の溝深さは互いに同一で、最大で周方向溝2と同じDである。
次に、第一枝状溝41及び第二枝状溝42が形成されているリブ3は、その最小横断面空隙率と、同じリブの最大横断面空隙率との差が10%以内となるように形成されている。本実施形態においては、リブ3の横断面空隙率は、最小で13.8%であり、最大で18.3%である。この構成により、リブ3の溝部分を除いたリブ幅が、タイヤ一周にわたり概ね一定となることから、当該リブ3がトレッド踏面内に侵入する際に路面を叩くエネルギーの変動を概ね一定にすることができ、結果としてトレッドパターンノイズが低減される。
横断面空隙率とは、図1及び図2を用いて説明すると、タイヤの回転軸と平行な軸(例えば、図1のIIA−IIA線、或いは、IIB−IIB線)に沿ってタイヤ表面上で得られるリブ3の総長さ(幅方向長さ)W3に対して、同じ軸(同IIA−IIA線、或いは、IIB−IIB線)に沿ってタイヤ表面上で得られるリブ3の非接地部分の長さ(W41’、或いは、W42’)の占める割合である。
ここで、リブ3の最小横断面空隙率と最大横断面空隙率との差を所定値以下にするには、2本の枝状溝の延びる方向が異なる場合、タイヤの回転軸に平行な方向からより遠い方向で延びる枝状溝の溝幅(本実施形態では、第二枝状溝42)が、タイヤの回転軸に平行な方向からより近い方向で延びる他方の枝状溝の溝幅(本実施形態では、第一枝状溝41)よりも相対的に大きければ良い。本実施形態では、第二枝状溝42が、第一枝状溝41よりも、タイヤの回転軸に平行な方向から遠い方向に延びており、その分、上述したように、第二枝状溝42の溝幅を第一枝状溝41の溝幅より大きくすることにより、どの横断面をとっても、その横断面空隙率がほぼ一定になるようにして、最小横断面空隙率と最大横断面空隙率との差が10%以内になるようにしている。
図2Aと図2Bを比較することにより、枝溝形状の共鳴器が備えられたリブ3における横断面空隙率が概ね一定であることが理解できる。即ち、第一枝状溝41と、第二枝状溝42とは、それぞれ、周方向溝2、或いはタイヤの回転軸と平行な軸、に対する傾斜角が異なり、上述したように、第二枝状溝42の溝幅W42が第一枝状溝41の溝幅W41より大きくなるようにしている。ところが、第二枝状溝42がタイヤの回転軸と平行な軸から遠い方向で延びている分、タイヤの回転軸と平行な軸の断面をとると、その断面における長さW42’は、第一枝状溝41のタイヤの回転軸と平行な軸の断面における長さW41’とほぼ同じとなり、このようにして、リブ3の最小横断面空隙率と最大横断面空隙率との差を小さくすることが出来るのである。
このように、本実施形態におけるトレッド1は、リブ3の最小横断面空隙率と、同じリブの最大横断面空隙率との差は10%以内となるように形成されている。
次に、図3及び図4により、本発明の第2実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを説明する。
図3は、本発明の第2実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを模式的に示す図であり、図4Aは、図3のIVA−IVA線に沿って見たトレッド1の拡大断面図であり、図4Bは、図3のIVB−IVB線に沿って見たトレッド1の拡大断面図である。
先ず、図3に示すように、第2実施形態では、二本の周方向溝2と、これらの周方向溝2の間に形成されたリブ3と、リブ3に形成され、タイヤ周方向に湾曲した第一枝状溝41と、周方向溝2から傾斜して延びほぼ直線状の第二枝状溝42と、が形成されている。
ここで、第一枝状溝41及び第二枝状溝42の長さ及び溝幅について、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、第一枝状溝41の湾曲した軸線に沿った長さL41がトレッド踏面長さLの40%以上の長さを有していること、第二枝状溝の直線長さL42が第一枝状溝41湾曲した軸線に沿った長さの40%以上かつ90%以下であること、第一枝状溝41の溝幅W41が周方向溝2の溝幅Wの10%以上かつ25%未満であること、及び、第二枝状溝42の溝幅W42は第一枝状溝41の溝幅W41以上であることは、上述した第1実施形態と同様である。また、周方向溝2に開口部415、425が交互に出現するように設けられている点、及び、第一枝状溝41の開口部415が、同じ周方向溝2に開口しかつそのタイヤ周方向に隣り合う開口部415間の長さがトレッド踏面長さの50%以下となるように形成されている点も第1実施形態と同様である。当然に、それらの効果も、上述した第1実施形態と同様であるので、ここでは、それらの説明を省略する。
次に、図3に示すように、第一枝状溝41はその開口部415及び終端部416の間で湾曲した形態を有している。第一枝状溝41のそれぞれの端部415、416の位置関係は、第一枝状溝41自身の横方向(タイヤ幅方向)の投影長さ(図3上で左右方向に投影した長さ)が、その開口部415と終端部416とを結ぶ直線の横方向の投影長さ(同上)より長くなるよう配置されている。なお、第一枝状溝41は、それ自身の横方向投影長さが、開口部415と終端部416とを結ぶ直線の横方向投影長さより長くなるものであれば、図3に示す形状に限定されるものではなく、例えば、くの字状に形成されていても良い。
第一枝状溝41をこのように形成した理由は、所定の幅のリブ3内で、所定の枝状溝長さL41を保ったまま、タイヤ周方向になるべく多くの第一枝状溝41を設けるためである。つまり、第一枝状溝41が直線状であると、広いリブ幅が必要になってしまうし、開口部415と終端部416とを結ぶ直線の横方向投影長さが、第一枝状溝41全体の横方向の横方向投影長さより短くなるように第一枝状溝41を形成すれば、第一枝状溝41は、比較的狭いリブ幅でも、所定の枝状溝長さL41を保ったまま、タイヤ周方向に間隔をつめて、より多く配置することが出来る。その結果、より確実に、周方向溝2の気柱共鳴音を低減させることが出来る。
本実施形態においても、第一枝状溝41及び第二枝状溝42は、それらが配設されているリブ3上で、リブ3の最小横断面空隙率と、同じリブの最大横断面空隙率との差が10%以内となるように形成されている。
図4Aと図4Bを比較することにより、枝溝形状の共鳴器が備えられたリブ3における横断面空隙率が概ね一定であることが理解できる。即ち、図4Aに示す、タイヤの回転軸と平行な軸(図3及び図4Aの例では、IVA−IVA線)に沿った第一枝状溝41の長さW41’、W41”を2つ足し合わせた分と、図4Bに示す、タイヤの回転軸と平行な軸(図3及び図4Aの例では、IVB−IVB線)に沿った第二枝状溝42の長さW42’とが、大きな差がなく、本実施形態では、リブ3の幅方向長さW3に対する非接地部分の長さ(図4A及び図4Bの例では、長さW41’、W41”を2つ足し合わせた分の長さ、又は、長さW42’)が、どの横断面をとっても、ほぼ一定になるようにして、リブ3上の最小横断面空隙率と最大横断面空隙率との差が10%以内になるようにしている。
次に、図5により、本発明の第3実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを説明する。
図5は、本発明の第3実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを模式的に示す図である。
図5に示すように、第3実施形態では、二本の周方向溝2と、これらの周方向溝2の間に形成されたリブ3と、リブ3に形成され、くの字状に延びる第一枝状溝41と、周方向溝2から斜めに延びほぼ直線状の第2枝状溝42と、が形成されている。
ここで、第一枝状溝41及び第二枝状溝42の長さ及び溝幅について、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、第一枝状溝41のくの字状の軸線に沿った長さL41がトレッド踏面長さLの40%以上の長さを有していること、及び、第二枝状溝42の直線長さL42が第一枝状溝41のくの字状の軸線に沿った長さL41の40%以上かつ90%以下であることは、上述した第1実施形態と同様である。また、第一枝状溝41及び第二枝状溝42の溝幅について、第一枝状溝41の溝幅W41が周方向溝2の幅Wの10%以上かつ25%未満であること、及び、第二枝状溝42の溝幅W42は第一枝状溝41の溝幅W41以上であることは、上述した第1実施形態と同様である。また、周方向溝2に開口部415、425が交互に出現するように設けられている点、及び、第一枝状溝41の開口部415が、同じ周方向溝2に開口しかつそのタイヤ周方向に隣り合う開口部415間の長さがトレッド踏面長さの50%以下となるように形成されている点も第1実施形態と同様である。当然に、それらの効果も、上述した第1実施形態と同様であるので、ここでは、それらの説明を省略する。
次に、図5に示すように、第3実施形態では、第二枝状溝42の終端部426が、組となる第一枝状溝41自身と、その第一枝状溝41の開口部415及び終端部416を結ぶ直線とで区切られた(囲まれた)領域S内に存在するように、第一枝状溝41及び第二枝状溝42が形成されている。言い換えると、第一の枝状溝41は、くの字状に延びて、その第一の枝状溝41の開口部415及び終端部416を結ぶ直線とで囲まれた領域Sを形成し、第二枝状溝42の終端部426が、その領域S内に存在するように、第二枝状溝42が形成される。
この態様の利点は、第一枝状溝41の長さL41を所定の長さ以上に保ったまま、同一リブ3上に配設され同一周方向溝2に開口する第一枝状溝41のタイヤ回転方向における二つの開口部415間の長さを短縮することが可能となり、これにより、より多くの枝溝形状の共鳴器をトレッド踏面内に配設して、効率的に気柱共鳴音を減少させることが可能となることである。
本実施形態においても、上述した第1実施形態及び第2実施形態と同様に、枝溝形状の共鳴器41、42を形成したリブ3の最小横断面空隙率と、同じリブの最大横断面空隙率との差が10%以内となるようにしている。詳しい説明は、第1実施形態及び第2実施形態で上述したとおりである。従って、第3実施形態でも、第一枝状溝41及び第二枝状溝42により、周方向溝2の複数の周波数帯の気柱共鳴音を低減することが出来ると共にトレッドパターンノイズも同時に低減することが可能である。
次に、図6により、本発明の第4実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを説明する。
図6は、本発明の第4実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを模式的に示す図である。
図6に示すように、第4実施形態では、二本の周方向溝2と、これらの周方向溝2の間に形成されたリブ3と、リブ3に形成された第一枝状溝41及び第二枝状溝42と、が形成されている。
第一枝状溝41は、周方向溝2に開口部415で開口し、その開口部415から周方向溝2に対して斜め方向にほぼ直線状に延びる第1部分41aと、この第1部分41aに対して挟み角Aを有するようにほぼ直線状に延び、終端部416で終端する第2部分41bと、を有し、第一部分41aと第二部分41bとの間の挟み角Aが90度未満となるように形成されている。第5実施形態におけるこの挟み角Aは50度である。なお、第一部分41aと第二部分41bは、挟み角Aが形成されるのであれば、湾曲した形状であっても良い。
第二枝状溝42は、周方向溝2に対して開口部425で開口し、リブ3上の終端部426で終端している。また、第二枝状溝42は、開口部426周方向溝2に対して傾斜して延び、ほぼ直線状の形状を有する。
ここで、第一枝状溝41及び第二枝状溝42の長さについて、第一枝状溝41の第一部分41aと第二部分41bのそれぞれの長さを足し合わせた長さL41がトレッド踏面長さLの40%以上の長さを有していること、及び、第二枝状溝42の長さL42が、第一枝状溝41の長さL41の40%以上かつ90%以下であることは、上述した第1実施形態と同様である。また、第一枝状溝41及び第二枝状溝42の溝幅について、第一枝状溝41の溝幅W41が周方向溝2の幅Wの10%以上かつ25%未満であること、及び、第二枝状溝42の溝幅W42が、第一枝状溝41の溝幅W41以上であることは、上述した第1実施形態と同様である。また、周方向溝2に開口部415、425が交互に出現するように設けられている点、及び、第一枝状溝41の開口部415が、同じ周方向溝2に開口しかつそのタイヤ周方向に隣り合う開口部415間の長さがトレッド踏面長さの50%以下となるように形成されている点も第1実施形態と同様である。当然に、それらの効果も、上述した第1実施形態と同様であるので、ここでは、それらの説明を省略する。
次に、第二枝状溝42は、そのように折れ曲がった形状を有する第一枝状溝41の内方側(挟み角Aの側)且つ周方向溝2側に配置されている。このような第一枝状溝41の折れ曲がり形状及び第二枝状溝42の第一枝状溝42への近接した配置により、トレッド踏面内により多くの枝状溝41、42の組を配設することが出来、より効果的に複数の周波数帯の気柱共鳴音を低減することができる。
この第4実施形態においても、第一枝状溝41及び第二枝状溝42は、それらの第一枝状溝41及び第二枝状溝42による共鳴器が配設されたリブ3の最小横断面空隙率と、同じリブの最大横断面空隙率との差が10%以内となるように形成されている。詳しい説明は、第1実施形態及び第2実施形態で上述したとおりである。従って、枝状溝41、42により周方向溝2の複数の周波数帯の気柱共鳴音を低減することが出来ると共にトレッドパターンノイズも同時に低減することが可能である。
横断面空隙率を考慮したリブ3上での第一枝状溝41及び第二枝状溝42の配設パターンの設計は、第一枝状溝41の第一部分41aを周方向溝2に対して斜めに延びるように形成した上で、第一枝状溝41の第一部分41aと第二部分41bをそれらの間の挟み角が90度未満となるように形成すれば、リブ3の最小横断面空隙率と、同じリブの最大横断面空隙率との差が10%以内となるようにすることが容易となる。
さらに、第4実施形態では、リブ3の最小横断面空隙率と、同じリブの最大横断面空隙率との差が10%以内となるように、第一部分41aの周方向溝2に対する傾斜角Bが適宜設定される。本実施形態においては、その傾斜角Bは50度であり、上述した挟み角Aと同じ角度であるが、これに限定されず、角度Aと角度Bは、もちろん異なる角度であっても良いし、傾斜角Bも50度以外の角度でも良い。
なお、上述した第1乃至第4実施形態では、単一のリブ3に1組の第一枝状溝41及び第二枝状溝42を設けたが、1本の周方向溝2に隣接する2つのリブ3の両方或いは2本以上の周方向溝に隣接する複数のリブ(いずれも図1に符号3で示す)にそのような1組の第一枝状溝41及び第二枝状溝42をそれぞれ設けてもよい。
なお、上述した第1乃至第4実施形態において説明した、各種の数値及びその効果、例えば、「第一枝状溝長さL41がトレッド踏面長さLの40%未満であると、周方向溝2の気柱共鳴音を減少させるために必要な長さが得られず、気柱共鳴音の減少効果が下がってしまう」などは、それらの全てが、上述した「規格」(欧州の“STANDARDS MANUAL”、米国の“YEAR BOOK”、日本の“JATMA YEAR BOOK”に基づき、タイヤが適用リムに装着され定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、代表的なタイヤサイズで、実験により得られた知見である。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について記述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
2 周方向溝
3 リブ
31 タイヤ転動時に路面と接触する面
41 第一枝状溝
41a 第一枝状溝の第一部分
41b 第一枝状溝の第二部分
42 第二枝状溝
415 第一枝状溝の周方向溝への開口部
416 第一枝状溝のリブ内での終端部
425 第二枝状溝の周方向溝への開口部
426 第二枝状溝のリブ内での終端部

Claims (4)

  1. 少なくとも一本の周方向溝と、その周方向溝に隣接する少なくとも二つのリブと、一端が前記周方向溝に開口し他端が前記リブ内で終端する溝状に形成され前記周方向溝の気柱共鳴音を低減させる共鳴器と、を有する空気入りタイヤ用トレッドであって、
    前記共鳴器は、前記周方向溝に開口する第一開口部及び前記リブ内で終端する第一終端部を有する第一の枝状溝と、前記周方向溝に開口する第二開口部及び前記リブ内で終端する第二終端部を有する第二の枝状溝と、を少なくとも含む一組の枝状溝が同一リブ上に相互に接触しないようタイヤ周方向に複数形成されたものであり、
    前記共鳴器の第一の枝状溝は、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、トレッド踏面長さの40%以上の長さかつ前記周方向溝の溝幅の10%以上かつ25%以下の溝幅を有し、
    前記共鳴器の第二の枝状溝は、タイヤが適用リムに装着され、定格内圧が充填されかつ定格荷重がかけられた状態において、前記第一の枝状溝の長さの40%以上かつ90%以下の長さを有しかつ前記第一の枝状溝の溝幅以上の溝幅を有し、
    前記共鳴器の第一の枝状溝の第一開口部及び前記第二の枝状溝の第二開口部は、同一リブから同一の周方向溝に対して開口すると共にタイヤ回転方向に対して交互に開口し、
    前記共鳴器の第一の枝状溝は、その第一の枝状溝全体がトレッド踏面内に存在するように、同一リブから同一の周方向溝に開口する隣り合う前記第一開口部間の長さがトレッド踏面長さの50%以下となるように形成され、
    前記共鳴器の第一の枝状溝及び第二の枝状溝が形成されたリブ上の最小横断面空隙率と、そのリブの最大横断面空隙率との差が10%以内であることを特徴とする空気入りタイヤ用トレッド。
  2. 前記共鳴器の第一の枝状溝は、そのトレッド踏面におけるそれ自身の横方向投影長さが、その第一開口部と第一終端部とを結ぶ直線の横方向投影長さより長くなるように形成される請求項1記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  3. 前記共鳴器の第二の枝状溝の第二終端部が、その第二の枝状溝と組となる第一の枝状溝自身と、その第一の枝状溝の前記第一開口部及び前記第一終端部とを結ぶ直線とで囲まれた領域内に存在する請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  4. 前記共鳴器の第一の枝状溝が、前記第一開口部を含む第一部分と、前記第一終端部を含む第二部分とを有し、前記第一部分と前記第二部分との間の角度が90度未満である請求項1から3までの何れか一項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
JP2011547170A 2009-12-25 2009-12-25 空気入りタイヤ用トレッド Active JP5462886B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2009/071650 WO2011077561A1 (ja) 2009-12-25 2009-12-25 空気入りタイヤ用トレッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011077561A1 JPWO2011077561A1 (ja) 2013-05-02
JP5462886B2 true JP5462886B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=44195122

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011547170A Active JP5462886B2 (ja) 2009-12-25 2009-12-25 空気入りタイヤ用トレッド

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8899286B2 (ja)
EP (1) EP2517901B1 (ja)
JP (1) JP5462886B2 (ja)
CN (1) CN102666137B (ja)
BR (1) BR112012015404A2 (ja)
WO (1) WO2011077561A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9962999B2 (en) * 2012-03-29 2018-05-08 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Tread for pneumatic tire
FR3013261A1 (fr) * 2013-11-20 2015-05-22 Michelin & Cie Bande de roulement et pneumatique
DE112015001947T5 (de) * 2014-04-22 2017-01-05 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Luftreifen
EP3519173B1 (en) * 2016-09-29 2020-11-04 Compagnie Générale des Etablissements Michelin Molding element for manufacturing a noise reducing tread
JP6521115B1 (ja) * 2018-01-30 2019-05-29 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
FR3127908B1 (fr) * 2021-10-12 2024-03-15 Psa Automobiles Sa Roue de véhicule automobile munie d'un piège à vibrations

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004103737A1 (ja) * 2003-05-21 2004-12-02 Bridgestone Corporation 空気入りタイヤおよびそのタイヤのトレッドパターンの設計方法
JP2006151309A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2009067173A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101663176B (zh) * 2007-02-19 2012-02-08 株式会社普利司通 充气轮胎
JP5103042B2 (ja) 2007-03-26 2012-12-19 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
KR101154773B1 (ko) * 2007-05-14 2012-06-18 가부시키가이샤 브리지스톤 공기 타이어
JP2008308131A (ja) 2007-06-18 2008-12-25 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
FR2926037B1 (fr) * 2008-01-09 2009-12-18 Michelin Soc Tech Dispositif pour bande de roulement.

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004103737A1 (ja) * 2003-05-21 2004-12-02 Bridgestone Corporation 空気入りタイヤおよびそのタイヤのトレッドパターンの設計方法
JP2006151309A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2009067173A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
US20120325386A1 (en) 2012-12-27
JPWO2011077561A1 (ja) 2013-05-02
CN102666137A (zh) 2012-09-12
US8899286B2 (en) 2014-12-02
EP2517901A4 (en) 2013-10-30
CN102666137B (zh) 2015-01-14
BR112012015404A2 (pt) 2019-09-24
WO2011077561A1 (ja) 2011-06-30
EP2517901B1 (en) 2016-06-15
EP2517901A1 (en) 2012-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5462886B2 (ja) 空気入りタイヤ用トレッド
KR101154773B1 (ko) 공기 타이어
US10744824B2 (en) Pneumatic tire
JP6166913B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5462887B2 (ja) 空気入りタイヤ用トレッド
JP5060790B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5103042B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4587795B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5364369B2 (ja) 空気入りタイヤ
WO2018159538A1 (ja) タイヤ
JP2008221977A (ja) 空気入りタイヤ
JPH05319026A (ja) 空気入りタイヤ
JP4592802B2 (ja) タイヤ
JP2008302898A (ja) 空気入りタイヤ
JP6076137B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP5121251B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP7429528B2 (ja) タイヤ
JP2009006966A (ja) 空気入りタイヤ
JP2018144553A (ja) タイヤ
JP5250219B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009006967A (ja) 空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5462886

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250