JP5121251B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤ、なかでも乗用車用の空気入りタイヤに関するものであり、トレッド踏面の周方向に直線状もしくはジグザグ状に連続して延びる周溝によって発生するのが避けられない気柱共鳴音を、有効に低減させる技術を提案するものである。
気柱共鳴音とは、トレッド踏面の周方向に連続して延びる周溝と、トレッド踏面接地域内の路面とによって囲繞される管内の空気の共鳴によって発生する騒音であり、この気柱共鳴音の周波数は、一般的な乗用車では800〜1200Hz程度に観測されることが多く、ピークの音圧レベルが高くて周波数帯域が広いことから、タイヤの発生騒音の大きな部分を占めることになる。
また、人間の聴覚は、A特性に示されるように、上記の周波数帯域においてとくに敏感であるので、フィーリング面での静粛性を向上させる上においても、気柱共鳴音の低減は有効である。
気柱共鳴音の低減は、周溝の容積を減じることが有効であり、通常はかかる手法を採用するのが一般的であったが、近年では、一端だけを周溝に開口し、他端が陸部内で終了する長い横溝を設け、その周溝内での反共振を用いて気柱共鳴音を低減させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、これとは別に、ヘルムホルツ共鳴器によって、気柱共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギーを吸収する技術も提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
国際公開04/103737号パンフレット 特開平5-338411号公報 特開2000-118207号公報 特開2001-191734号公報
しかしながら、周溝の溝容積を減少させる従来の技術では、排水性能の低下が余儀なくされ、長い横溝の配設が必須となっていた。
また、一端だけを周溝に開口し、他端を陸部内で終了させる長い横溝を設け、その周溝内での反共振を用いて気柱共鳴音を低減させる手法では、トレッドパターンのデザイン上の自由度、適切な陸部剛性の確保等についての難点がある、という問題があった。
これに対し、ヘルムホルツ共鳴器によって気柱共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギーを吸収する技術については、上記従来技術のような難点がなく、有効な手段であるといえるものの、タイヤの性能全般(例えば、共鳴気室に依存したピッチノイズや気室という大きな空洞部の周辺における偏摩耗等)、タイヤの量産可能性等を十分に考慮したうえで、ヘルムホルツ共鳴器の、トレッドの具体的かつ効果的な配設方法を開示しているとはいい難く、未だ実用化には至っていないのが現状であった。
本発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、排水性能の低下をもたらすことなく、タイヤのトータル性能および量産性等を十分に確保し、併せて、デザイン上の高い自由度および所期した通りの陸部剛性を実現してなお、周溝によって発生される気柱共鳴騒音を効果的に低減するところにある。
本発明は、タイヤの接地面にてトレッドの踏み込み端から蹴り出し端に至るまでの領域を通り抜けるとともに、タイヤの回転する向きに沿って伸延する少なくとも一本の周溝と、この周溝によって区画された陸部とを備えたトレッドパターンになる空気入りタイヤにおいて、
前記陸部のうち、タイヤのショルダーを形成する少なくとも片側の陸部に、該陸部を横断して周溝の溝壁及びタイヤサイドに開口する開口端をそれぞれもつ貫通溝を設け、
前記貫通溝を設けた陸部を除いた他の陸部については、タイヤの接地転動中に生起する騒音を、該騒音と略同等の周波数により共鳴させて減音する共鳴部を設け、
該共鳴部が、タイヤの接地面内にて路面との接触により閉塞空間を形成する凹部と、この凹部につながり同じ周溝の溝壁に開口する狭窄通路からなり、
該共鳴部のうち、前記貫通溝を有する陸部の周溝に開口する狭窄通路をもつ共鳴部は、他の領域の共鳴部よりも高い共鳴周波数を有することを特徴とする空気入りタイヤである。
また、前記貫通溝は、タイヤのショルダーを形成する片側の陸部にのみ設けて、非対称のトレッドパターンを形成するのが好ましい。
前記共鳴部については、下記式によって得られる共鳴周波数fが700〜1400Hzであるヘルムホルツタイプの共鳴器が有利に適合する。
Figure 0005121251
ここに、r :狭窄通路の半径、l0 :狭窄通路の長さ、S:狭窄通路の断面積、V :凹部の容積、C :音速
共鳴部の共鳴周波数f0は、上記の如く、狭窄通路の断面積Sや凹部容積V等を適宜選択することにより変更することが可能であり、式中の係数1.3は文献によっては異なる値が存在するが、一般的には実験式から求めることが可能で、本発明においても一つの係数として用いるものとする。
共鳴部の凹部については、トレッド踏面の接地面内では、路面との接触により閉塞空間を形成して共鳴室としての機能を発揮するもので、その深さ方向の全体にわたって、開口面積と同一の横断面積を有するものが適用できる。この凹部は深さ方向に向けて横断面積が漸増もしくは漸減するものを適用することも可能で、その底壁は平坦面でもよいし、開口側に向けて凸もしくは凹状の曲面でもよい。底壁に凹凸(起伏)を設ける場合には、凸部の高さは1.6mm以上、より好ましくは3.0mm以上とする。
また、前記凹部の、陸部表面への開口形状は多角形、円形、楕円形その他の曲線輪郭形状を適用し得る。
狭窄通路は、二次元パターン図上で、直線部、曲線部もしくは屈曲部を少なくとも一つをもった任意の平面形状とすることができ、一つの凹部に対して複数設けることも可能で、この場合、該狭窄通路の断面積はその合計(断面積の総和)とし、また、長さについては平均値を用いて凹部の設定を行なう。
例えば、狭窄通路を二本設ける場合には、下記式を適用することができる。
Figure 0005121251
狭窄通路が三本を越える場合には√内の(l+1.3r)、Sがその本数に応じて加算され、分子における係数はその本数分を表示した式に変更する。
共鳴部を成型するに際して凹部は、加硫成型金型のキャスト部分(骨)によって形成することができ、狭窄通路は、該加硫成型金型のサイプブレードによって形成することができる。
円環状をなす一本の周溝に対して共鳴部を一個だけ設けることが可能であるが、より好ましくは、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに規定の荷重の80%に対応する負荷を作用させた状態で、タイヤの接地面内に常に一つ以上が存在(凹部はもちろん、狭窄通路を含めてその全部が完全に存在する。)する配置態様とする。
上記の配置態様において一層好ましくは、サイズの異なる共鳴部(共鳴周波数の異なる共鳴部)の複数個を常に接地面内に完全に存在させるのがよい。
ここに、上記「適用リム」とは、タイヤのサイズに応じて下記の規格に規定されたリムを、「規定の空気圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは、下記の規格で、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう。また「規定の質量」とは、上記の最大負荷能力をいう。なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
また、規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって決められたものであり、たとえば、アメリカ合衆国では、"THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK"であり、欧州では、THE European Tyre and Rim Technical OrganisationのSTANDARDS MANUAL"であり、日本では日本自動車タイヤ協会の"JATMA YEAR BOOK"である。
接地面については、タイヤを適用リムに装着するとともに、それに規定の空気圧を充填して平板上に垂直に置き、そこに最大負荷能力の80%に相当する質量を負荷したときに平板と接触することになるトレッドゴムの表面領域をいうものとする。
タイヤの陸部に共鳴部を設け、この共鳴部の共鳴周波数を、周溝の周波数の帯域に合わせることにより、周溝の一次共鳴エネルギーを、共鳴部の狭窄通路内での空気の振動によって吸収することが可能となり、周溝内の気柱共鳴音は、その周溝の溝容積を減少させることなしに有効に低減される。
ショルダーを形成する陸部に貫通溝を設けると、その部位における周溝での共鳴周波数は局所的に上昇することになるが、この共鳴周波数の上昇は共鳴部で低減してもなお発生する騒音を打ち消すように作用する(全ての周溝がほぼ同じ周波数に気柱共鳴ピークをもたせると、必然的にそのピークは大きくなるが、ショルダー部だけでも違う周波数にピークをもたせると、もともと下げるべき周波数のピークは小さくなることによる)ため、タイヤ全体としての気柱共鳴音がより低減されることになる。
貫通溝を設けた陸部の周溝において開口する狭窄通路をもつ共鳴部は、他の領域に設けた共鳴部よりも高い共鳴周波数で作用するように設定することにより気柱共鳴音の低減効果がさらに増大する。
貫通溝はショルダーを形成する両方の陸部に設けることができるが、この場合、摩耗特性等の他性能が劣化することも懸念されるので、片側の陸部にのみ共鳴部を設けて非対称トレッドパターンを形成するのがよい。
各周溝における共鳴周波数は大体同じであり(接地長さが大体同じだから)、ショルダーに貫通溝を設けることでその部位の共鳴周波数が他の部位の共鳴周波数からずれて共鳴周波数のピークが分散されされることとなるのは前述した通りである。この共鳴周波数のずれは貫通溝のサイズの違いにかかわりなく生じるものであり貫通溝の溝幅や深さ、断面形状、向きについてはタイヤのウエット性や耐偏摩耗性等の他の性能を考慮して適宜設定される。
タイヤに、最も使用頻度の高い、規定質量の80%に対応する負荷を作用させた状態で、接地面内に、常に一個以上の共鳴器が完全に含まれる配置態様とすると、タイヤの回転位置のいかんにかかわらず、共鳴部をとくに有効に機能させることができ、このことは、複数本の周溝のそれぞれに設けた共鳴部の各一個以上が接地面内に含まれる配置態様とした場合にとくに有効となる。
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明に従う空気入りタイヤの実施の形態をその要部について模式的に示した図である。このタイヤは、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填し、そのタイヤに、規定の質量の80%に対応する負荷を作用させた状態で図2に示すような接地面を形成する。
1はタイヤの接地面にてトレッドの踏み込み端から蹴り出し端に到るまでの領域を通り抜けるとともに、タイヤの回転する向きに沿って伸延する、例えば直線状に連続して延びて全体として円環形状をなす周溝である。
また、2は周溝1によって区画された陸部、3はタイヤの接地転動中に生起する気柱共鳴音を減音するための共鳴部である。この共鳴部3はタイヤの接地面内にて路面との接触により閉塞空間を形成する気室として機能する凹部3aと、この凹部3aにつながり周溝1の溝壁に対してそれぞれ個別に開口する狭窄通路3bにからなる。
4は陸部2のうちタイヤのショルダーを形成する陸部2aに設けられた貫通溝である。この貫通溝4は陸部2aを横断して周溝1の周壁及びタイヤサイドに開口する開口端4a、4bを有しており、この貫通溝4により陸部2aを形成する周溝1の共鳴周波数は局所的に上昇する。
上記のような構成において共鳴部3の共鳴周波数を、周溝1の周波数の帯域に合わせることにより、周溝1の一次共鳴エネルギーが、共鳴部3の狭窄通路3b内での空気の振動によって吸収され、周溝1内の気柱共鳴音は、その周溝1の溝容積を減少させることなしに有効に低減され、加えて貫通溝4を設けたことに伴う共鳴周波数の局所的な上昇により共鳴周波数のピークが分散されて気柱共鳴音がタイヤ全体として一層低減される。
図3はヘルムホルツ共鳴器を模式的に示したものである。本発明の共鳴部3における凹部3aの陸部開口及び狭窄通路3b(スリットの場合)はともに、路面によって閉塞された状態では、図3に示すような共鳴器を構成するものであって、したがって、本発明では、下記式を用いて共鳴部3の共振周波数f0を設定することができる。
Figure 0005121251
共鳴部3の狭窄通路3bが円形ではなく上掲図1に示したようなスリットタイプとする場合には、上記の式中の半径rは、該狭窄通路3bの断面積を基にして逆算することによって求められる。
共鳴部3において凹部3aの、陸部2の表面からの平均深さh(図1参照)は、陸部2を区画する周溝1の最大深さH(図1参照)の20%以上、とくには40〜80%とするのがよい。
また、狭窄通路3bの、陸部2の表面からの深さd(図1参照)は、凹部3aの平均深さhの70%以下、とくには50%以下とするのがよい。狭窄通路3bの幅t(狭窄通路が円形の場合には直径)については、凹部3の幅Tの3〜50%(より好ましくは3〜20%以下)とする。
共鳴周波数f0は、一般的な乗用車では気柱共鳴音の周波数が800〜1200Hzの範囲で観測されることが多いので、共鳴周波数f0は700〜1400Hzの範囲、または、700〜1800Hzの範囲に設定するのが好ましい。
凹部3aの開口形状は図示した矩形状のものに限らず任意の形状に変更することが可能である。開口面積は25〜300mm、より好ましくは、72〜180mmの範囲とするのがよい。その理由は、凹部3aにそれ本来の機能を有効に発揮させつつ、凹部開口縁の、路面衝突騒音の増加を有効に抑制することができるからであり、開口面積が25mm未満では、凹部に所要の容積を確保すべく、凹部3aの深さを深くしても、共鳴部としての機能を十分に発揮させることができなくなる一方、300mmを超えると、開口縁の長さが長くなるために路面衝突音の顕在化が否めなくなるからである。
上述したような、ヘルムホルツ型の共鳴器を適用することができない場合(共鳴部の形状が「いびつ」でデザイン上に問題がある等)や上記の式において共振周波数が予測できない領域がある場合等には、図4〜図6に示すように、凹部3a及び狭窄通路3bをそれぞれ第1管路3a′、第2管路3b′とみなしてそれらを相互に連結した連結管路からなる段付きタイプの共鳴器を適用し下記式にしたがって共鳴周波数fを求める。
段付きタイプの共鳴器につき、境界における第1管路3a′側の音響インピーダンスをZ12 、境界における第2管路3b′側の音響インピーダンスをZ21 とすると、
連続の条件から、
Z21 =(S2/S1)・Z12
第2管路3b′について、境界条件を、x=0でV2=V0ejwt 、x=l2でP2/V2=Z2 とすると、第2管路3b′の音圧分布P2 は、
P2=Zs・{Z21cos(k(l2−x))+jZcsin(k(l2−x))/(Zccos(kl2)+ jZ21 sin(kl2 ))}・V0ejwt
V2 : 第2管路3b′の粒子速度分布
V0 :入力点の粒子速度
j :虚数単位
Zc :ρc (ρ:空気の密度、c:音速)
また、第1管路3a′について、境界条件を、x=l1でV1=0、x=l2でP2/V2=Z21とすると、第1管路3a′の音圧分布P1は、
P1=Zs・〔Z21cos(k(l2−x))/(cos(kl1)・{ Zccos(kl2)+jZ21 sin(kl2 )})〕・V0ejwt
ここに、共鳴の条件 x=0でP2=0より、
tan(kl1)tan(kl2)−(S2/S1)=0、k=2πf/c となり、この共鳴の条件式に基づいてk、l1、l2、S2、S1、cを決定して共鳴周波数fを求める。
段付き管タイプの共鳴器は図示の例では、直方体になる管路を組み合わせたものを示したが、上記の条件式で共鳴周波数を求めるには各管路の断面積Sと長さlを決定すればよいので、管路の形状は直方体には限定されることはなく種々の形状のものを適用し得る。
また、第2管路3b′の一端は周溝1の溝壁で開口していることが不可欠となるが、第1管路3a′、第2管路3b′は、トレッド踏面の接地面内で路面との接触により閉空間を形成するので、その上端を図5に示すように、リブ2の表面で開口させておくことが可能であり、この点についても限定されることはない。
実施例1
ショルダーを形成する片側の陸部に、幅2mm、深さ6mmの貫通溝を約33.4mmピッチ(タイヤのセンターの値)で60本形成し、その他の陸部に、平面形状が矩形になる共鳴部(凹部の周方向に沿う寸法L:18mm、幅T:6mm、深さh:7mm、狭窄通路の長さL′:6mm、深さd:2mm、幅t:1mm、作用周波数:1061Hz)をタイヤの周りに60個(タイヤ一周につき60個という意味でピッチ長さは約34mm(タイヤのセンター、ショルダーで長さは変化する)であり、以下、タイヤ一周につき60個設けた場合を周上60ピッチという)設けた図2に示すような接地面を有する、サイズが195/65R15のタイヤ(幅8mm、深さ8mmのストレートの周溝を4本有する)を製作し、これを適合タイヤ1として6JJのリムに装着し、空気圧を210kPaとした状態で、室内ドラム試験機により、4kNの荷重の作用下で80km/hの速度で負荷転動させ、このときのタイヤの側方音をJASO C606に定める条件に従って測定し、1/3オクターブバンド中心周波数800Hz,1000Hz,1250Hzの帯域のオーバオール値について評価した(直線状の周溝を4本のみ設けたタイヤ対比)。
この場合、効果有りと判断するのは、実車試験によるドライバーのフィーリング評価で改善効果が見込める2dB以上の音圧低下とした。
共鳴部の共鳴周波数fは、前述したように、下記の式で求められる値(音速cは343.7m/sで計算)とした。
Figure 0005121251
その結果、接地面内に4本の直線状の周溝を延在させてその周溝によって区画された各陸部に共鳴部(適合タイヤ1の共鳴部と同じもの)を配置した図7に示した比較タイヤ1の場合には1000Hzの周波数帯域で発生する騒音が、直線状の周溝を4本のみ設けたタイヤ対比で2.5dB低減されたのに対し、図2に示すような接地面を有する適合タイヤ1では3.0dB低減され、騒音レベルがさらに低下することが確認された。
実施例2
図8に示すような接地面を有するタイヤ(共鳴部のサイズ、貫通溝のサイズは適合タイヤ1と同じ))を作成してこれを適合タイヤ2として実施例1と同様に調査したところ、騒音レベルが3.2dB低減されることが確認された。
実施例3
比較タイヤとして図9に示すような接地面を有するタイヤ(共鳴部は矩形で、図の左側から1列目、2列目、4列目については、凹部の周方向長さL:18mm、凹部の幅T:6mm、深さh:7mm、狭窄通路の長さL′:6mm、深さd:2mm、幅t:1mm、作用周波数1061Hzの共鳴部を周上60ピッチで配置、図の左側から3列目については、凹部の周方向長さL:18mm、凹部の幅T:6mm、深さh:7mm、狭窄通路の長さL′:6mm、深さd:2mm、幅t:1mm、作用周波数1061Hzの共鳴部を周上60ピッチで配置)と、適合タイヤ3として図10に示すような接地面を有するタイヤ(共鳴部は比較タイヤ2と同じで貫通溝は幅2mm、深さ6mm)を用意して上記と同様の調査を行なった。
その結果、図9に示すような接地面を有する比較タイヤ2については、直線状の周溝を4本のみ設けたタイヤ対比で騒音レベルが2.5dB低減されたのに対し、図10に示す接地面を有する適合タイヤ3では騒音レベルが3.3dB低減されることが明らかとなった。
上記適合タイヤ3に示した接地面を有するタイヤについては、図の左側から4列目の共鳴部の狭窄通路の深さdのみを4mmに変更して作用周波数を1456Hzとし、これを適合タイヤ4として、上記同一条件ものとで減音効果について調査したところ、適合タイヤ4では騒音レベルが3.5dBまで低下し、騒音レベルをさらに低減できることが明らかとなった。ここに、適合タイヤ4において減音効果が高いのは貫通溝によって共鳴周波数のピークが分散されるだけでなく、ショルダーの周溝に開口する狭窄通路をもつ共鳴部の作用周波数を高く設定(狭窄通路の深さを深くする)したことにより周波数が上がった気柱共鳴を、より適した共鳴器で抑制することができたことによると考えられる。
タイヤのトータル性能および量産性等を損なうことなしに、気柱共鳴音を効果的に低減できる空気入りタイヤが提供できる。
本発明に従う空気入りタイヤの要部を模式的に示した図である。 図1に示したタイヤの接地面を示した図である。 ヘルムホルツタイプの共鳴器を示した図である。 段付き管路タイプの共鳴器を模式的に示した図である。 段付き管路タイプの共鳴器を備えたタイヤの要部外観斜視図である。 段付き管路タイプの共鳴器を備えたタイヤの接地面を示した図である。 比較タイヤ1の接地面を示した図である。 適合タイヤ2の接地面を示した図である。 比較タイヤ2の接地面を示した図である。 適合タイヤ3、4の接地面を示した図である。
符号の説明
1 周溝
2 陸部
3 共鳴部
3a 凹部
3b 狭窄通路
4 貫通溝
4a 開口端
4b 開口端

Claims (3)

  1. タイヤの接地面にてトレッドの踏み込み端から蹴り出し端に至るまでの領域を通り抜けるとともに、タイヤの回転する向きに沿って伸延する少なくとも一本の周溝と、この周溝によって区画された陸部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記陸部のうち、タイヤのショルダーを形成する少なくとも片側の陸部に、該陸部を横断して周溝の溝壁及びタイヤサイドに開口する開口端をそれぞれもつ貫通溝を設け、
    タイヤのショルダーを形成する前記陸部を除いた他の陸部のうち少なくとも一つについては、タイヤの接地転動中に生起する騒音を、該騒音と略同等の周波数により共鳴させて減音する共鳴部を設け、
    該共鳴部が、タイヤの接地面内にて路面との接触により閉塞空間を形成する凹部と、この凹部につながり同じ周溝の溝壁に開口する狭窄通路からなり、
    該共鳴部のうち、前記貫通溝を有する陸部の周溝に開口する狭窄通路をもつ共鳴部は、他の領域の共鳴部よりも高い共鳴周波数を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記貫通溝は、タイヤのショルダーを形成する片側の陸部にのみ設けられ、非対称のトレッドパターンを形成する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記共鳴部は、下記式によって得られる共鳴周波数fが700〜1400Hzになるヘルムホルツタイプの共鳴器である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。

    Figure 0005121251
    ここに、r :狭窄通路の半径、
    l0 :狭窄通路の長さ、
    S:狭窄通路の断面積
    V :凹部の容積、
    C :音速
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