JP5574770B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッド部踏面に少なくとも1本の主溝が形成されている空気入りタイヤに関する。本発明は特に、タイヤの負荷転動時の騒音を効果的に低減することができる空気入りタイヤに関する。
近年、車両の静粛化に伴って自動車騒音におけるタイヤ騒音の占める割合が大きくなっているため、タイヤ騒音の低減が大きな課題となっている。特に、タイヤの負荷転動時に接地域内にあるタイヤのトレッド部踏面に形成した周溝で発生する、いわゆる気柱共鳴音は、一般的な乗用車で1000〜2000Hz程度に観測されることが多く、ピークの音圧レベルが高くて、周波数帯域も広いことから、タイヤから発生する騒音の一つであり、かかる気柱共鳴音はタイヤ騒音の大きな部分を占める。また、人間の聴覚は、上記の周波数帯域に対して敏感である。このようなことから、気柱共鳴音を低減することが望ましい。
ここで、気柱共鳴音とは、トレッド部踏面の周方向に連続して延びる主溝と、トレッド部踏面接地域内の路面とによって閉じ込められた管内の空気の共鳴によって発生する騒音である。この騒音は、上記管内における主溝の溝壁が、負荷転動時のタイヤへの繰返し入力により振動し、この振動が前記管内の空気を圧縮、開放することで発生する。
従来、気柱共鳴音を低減させる技術としては、例えば特許文献1に記載されているようなものが知られている。特許文献1は、主溝から離れた位置の陸部表面に開口する気室、及び、該気室と主溝とを連通する狭窄ネックからなるヘルムホルツ共鳴器をトレッド部踏面に多数配設し、この共鳴器により気柱共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギーを吸収し、騒音を低減するようにした空気入りタイヤを開示する。
特開2008−155798号公報
特許文献1に記載のようなヘルムホルツ共鳴器を有する空気入りタイヤは、気柱共鳴音の共鳴周波数付近のエネルギーを吸収するという原理に基づく騒音低減を実現しているものであるが、近年の車両の静粛化の流れからタイヤに対しても騒音のさらなる低減が望まれる状況にある。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、気柱共鳴音を初めとするタイヤ騒音を特許文献1に比べてさらに効果的に低減することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
上記課題に鑑み、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)トレッド部踏面に周方向に連続して延びる少なくとも1本の主溝と、
該主溝の両開口端縁のうち少なくとも一方の開口端縁に隣接して位置し、周方向に間隔を置いて前記主溝に沿って配置された複数個の穴部と、
前記穴部の側壁と前記主溝の側壁とを連通する連通部と、を有し、
前記穴部は、所定空気圧及び所定負荷条件下におけるトレッド接地長さL(mm)内に、前記主溝の片側においてL/8個以上L/4個以下含まれるように形成されることを特徴とする空気入りタイヤ。
(2)前記穴部の開口面積が、10mm以上20mm以下である(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記穴部が、前記主溝と略平行に一列に配置されており、前記穴部同士の周方向間隔が2mm以下である(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記穴部が、前記主溝から主溝の溝幅の距離だけ離れた位置までの領域内に配置される(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
(5)前記穴部の深さが前記主溝と略同じであり、前記連通部が前記穴部の側壁の底部側部分と前記主溝の側壁の底部側部分とを連通するように形成される(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
(6)前記穴部の深さが前記主溝と略同じであり、前記連通部が前記穴部の側壁の開口部側部分と前記主溝の側壁の開口部側部分とを連通するように形成される(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
(7)前記穴部及び前記連通部が、前記主溝の両開口端縁にそれぞれ隣接して配置される(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
(8)前記主溝の同一開口端縁に隣接して配置した穴部が、周方向に異なった間隔で配置される(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
(9)前記連通部の横断面積が、前記主溝の幅方向断面積の0.02倍以上0.10倍以下である(1)乃至(8)のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
(10)周方向に連続して延びる前記主溝が、周方向に連続して延びる2つの陸部に挟まれて配置される(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、少なくとも1本の主溝の両開口端縁のうち少なくとも一方の開口端縁に隣接して位置し、周方向に間隔を置いて主溝に沿って複数個の穴部を形成したので、主溝近傍の陸部の剛性がこれら複数個の穴部によって低下する。そして、主溝近傍の剛性低減という観点から必要となる穴部の条件として、所定空気圧及び所定負荷条件下におけるトレッド接地長さL(mm)内に、主溝の片側においてL/8個以上L/4個以下含まれるように穴部を形成することとした。このため、タイヤ走行時の入力による主溝溝壁の振動が効果的に抑制され、気柱共鳴音がより低減される。
ただし、上記のように複数個の穴部を周方向に間隔を置いて形成すると、これらの穴部が接地領域内になったときに、路面により穴の開口が閉止されるとともに、内部の空気が圧縮される。その後、接地領域から穴が離脱すると、開口が開放されて圧縮された空気の一部が一気に排出され、2000Hz以上の高周波騒音(ポンピング音)が発生する。このため、全体的に見るとタイヤ騒音の十分な低減が図れない。
しかし、本発明においては、穴部の側壁と主溝の側壁とを連通する連通部を有しているので、穴部の開口が閉止されて内部の空気が圧縮されようとすると、この空気は連通部を介して主溝へと流れる。このため、穴部において空気が圧縮されることはない。このため上記のようなポンピング音の発生も防止できる。
このように、本発明においては、気柱共鳴音の原因となる主溝溝壁の振動を抑制するという新たな技術思想に基づき、気柱共鳴音を低減するとともに、ポンピング音の発生も防止してタイヤ騒音をさらに効果的に低減することのできる空気入りタイヤを提供することができる。
本発明に従う第1の空気入りタイヤのトレッド部の一部の展開図である。 図1のI−I線上で切断したときのトレッド部のタイヤ幅方向断面図である。 (a)は、図1の四角枠IIで囲んだ領域の拡大図である。(b)は、(a)におけるIII−III断面図である。 (a)は、本発明に従う第2の空気入りタイヤについて、図3と同様の拡大図である。(b)は、(a)におけるIV−IV断面図である。 (a)は、本発明に従う第3の空気入りタイヤについて、図3と同様の拡大図である。(b)は、(a)におけるV−V断面図である。 (a)は、本発明に従う第4の空気入りタイヤについて、図3と同様の拡大図である。(b)は、(a)におけるVI−VI断面図である。 (a)は、実施例1及び比較例1,2について、騒音のスペクトルを示す図である。(b)は、(a)の部分拡大図である。
以下、図面を参照しつつ本発明をより詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明に従う代表的な第1の空気入りタイヤのトレッド部踏面の一部のであり、図2は、図1のI−I線上で切断したときのトレッド部のタイヤ幅方向断面図である。空気入りタイヤ10は、トレッド部踏面11に周方向に連続して延びる少なくとも1本の主溝12(本実施形態においては4本の主溝12)を有する。空気入りタイヤ10が主溝を複数有する場合、図1に示すようにこれらはタイヤ幅方向に離れて配置されている。ここで、主溝12は本実施形態のように直線状に延びていてもよいが、周方向に連続して延びていれば周方向に対して多少の傾斜があったり、ジグザク状になっていてもよい。
この空気入りタイヤ10を適用リムに装着し、所定空気圧及び所定負荷条件下で路面に接地するときに、トレッド接地域は図1中破線16で囲まれる領域となり、周方向のトレッド接地長さはLで示されている。なお、Tはトレッド端を、Sはタイヤ赤道を示す。
なお、本明細書において「所定空気圧」とは、下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことを意味する。また「所定負荷条件」とは、同規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)の荷重をかけることを意味する。「適用リム」とは、同規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または“Approved Rim”、“Recommended Rim”)のことである。かかる産業規格については、タイヤが生産又は使用される地域に有効な規格が定められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book”であり、欧州では、”The European Tire and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATMA Year Book”である。
この状態で空気入りタイヤ10を路面に走行させると、主溝12の側壁と路面とによって囲われた空間は長さLの気柱管を形成する。そして、走行時におけるタイヤへの入力により、主溝12の側壁が振動し、この振動が気柱管内の空気をくり返し圧縮、開放し、気柱共鳴音が発生する。
ここで、主溝12の両開口端縁13a,bのうち少なくとも一方の開口端縁に隣接して位置し、周方向に間隔を置いて主溝12に沿って複数個の穴部14を配置する。複数個の穴部14によって、主溝近傍の陸部の剛性が低下する。そのため、走行時の入力による主溝12の側壁の振動が抑制され、気柱共鳴音を低減させることができる。
ここで本発明は、従来のヘルムホルツ共鳴器の気柱共鳴音低減の原理とは異なり、主溝溝壁の振動を抑制するという新たな技術思想に基づき完成したものである。すなわち、主溝近傍の剛性を低下させ、主溝溝壁の振動を効果的に抑制するためには、上記トレッド接地長さL(mm)内に、主溝の片側においてL/8個以上L/4個以下含まれるように穴部14を形成することが必要である。通常のヘルムホルツ共鳴器において、気室がタイヤ表面に開口する場合、該開口は主溝1本に対し1〜5個程度の密度で設けるのが一般的である。一方、主溝近傍の剛性を低減させるという観点からは、より多数の穴部を設ける必要がある。ここで、主溝片側においてL/8以上である理由は、L/8未満であると、穴部14による主溝近傍の剛性低下が不十分になって、気柱共鳴音を有効に低減させることができないためである。また、主溝片側においてL/4個以下とする理由は、L/4を超えて形成してしまうと、穴部14により主溝近傍の剛性が大きく低下して、偏磨耗を生じるおそれがあるためである。穴部の個数をこのように設定することによって、主溝近傍の剛性を適正に低下させて、走行時の入力による主溝12の側壁の振動が抑制され、気柱共鳴音を低減させることができる。なお、穴部が接地長さLの領域に完全には包含されず、縁部にかかっている場合も考えられることから、上記L/4及びL/8は必ずしも整数となる必要はない。
図3(a)は、図1に示す空気入りタイヤの主溝近傍を拡大したトレッド部踏面展開図であり、図3(b)は、(a)におけるIII−III断面図である。ここで、複数個の穴部14を周方向に間隔を置いて形成すると、段落0009に記載したようなポンピング音が発生することが懸念され、気柱共鳴音を低減しても全体的には騒音を低減することができない可能性がある。
そこで本実施形態では、穴部の側壁14aと主溝の側壁12aとを連通する連通部15を形成する。これにより、穴部の開口が閉止されて内部の空気が圧縮されようとすると、この空気は連通部を介して主溝へと流れる。このため、穴部において空気が圧縮されることはなく、上記のようなポンピング音の発生も防止できる。
本実施形態の連通部15は、それぞれの穴部14を個別に主溝12に連通させる浅底の細横溝である。
(穴部の態様)
以下、主溝近傍の剛性を低下させる観点から好ましい穴部14の態様について説明する。本実施形態では、定性的に述べると、従来のヘルムホルツ共鳴器の開口気室に比べて、主溝端縁のより近傍に、より多数の細かい穴部を設けることが好ましい。例えば、穴部14の開口面積が、10mm以上20mm以下であることが好ましい。その理由は、開口面積が10mm未満であると穴部が小さすぎで、主溝近傍の剛性を低下させる効果が不十分となる可能性があるためである。また、20mmを超えるとなると、穴部により主溝近傍の剛性が大きく低下して、偏磨耗を生じるおそれがあるためである。なお、「穴部の開口面積」とは、図3(a)の斜線部分の面積を意味する。
本実施形態では、穴部の開口形状を円形としたが、本発明において断面形状は正方形、矩形、楕円等であってもよい。ここで、穴部14開口の周方向延在距離L1(本実施形態では円の直径)は、3mm以上5mm以下であることが好ましい。その理由は、3mm未満となると、穴部が小さすぎで、主溝近傍の剛性を低下させる効果が不十分となる可能性があるためであり、5mmを超えるとなると、穴部により主溝近傍の剛性が大きく低下して、偏磨耗を生じるおそれがあるためである。
また、図3(a)に示すように、複数個の穴部14は、主溝12と略平行に一列に配置され、穴部同士の周方向間隔L3が2mm以下であることが好ましい。このような構成とすることで、主溝近傍の剛性を適切に低下させて、気柱共鳴音を低減できる。なお、L3は隣接する穴のエッジの最短距離として定義される。
なお、図3(a)においては、穴部14は主溝12に沿って完全に一列に並んでいるが、本発明においては隣接する穴部同士がオフセットし、多少千鳥状となっていても構わない。
本実施形態の穴部14は、主溝から主溝の溝幅Wの距離だけ離れた位置Pまでの領域内に配置されていることが好ましい。図3(a)において、主溝開口端縁13bから主溝の溝幅Wと等しいW´だけ離れた位置をPとした。開口端縁13bと前記位置Pとの間の陸部領域内に穴部が形成されることが好ましい。穴部14の位置を上記領域外に配置した場合には、主溝12近傍の剛性低下が不十分となることがあるが、上記領域内に配置すると、主溝近傍の剛性を効果的に低下させることができ、気柱共鳴音を十分に低減させることができるからである。ここで、主溝の溝幅Wは一般的に5mm以上10mm以下程度である。
より好ましくは、主溝開口端縁13bと穴部14の中心との距離L2が、2mm以上4mm以下であることが好ましい。4mm以下とする理由は、上記と同様、主溝近傍の剛性を効果的に低下させるためであるが、2mm以上確保したほうが好ましい理由は、偏磨耗の発生を避けるためである。
本発明においては、主溝12の両開口端縁13a,bのうち、少なくとも一方の開口端縁に隣接して複数個の穴部14と連通部15が形成されていればよいが、本実施形態のように、主溝の両開口端縁13a,bにそれぞれ隣接してこれらが配置されていることが好ましい。このようにすれば、主溝の開口端縁の一方に隣接して穴部14及び連通部15を設ける場合に比べて、剛性が低下した陸部の面積が広くなるため、気柱共鳴音をさらに効果的に低減することができる。
そして、一部の主溝12の開口端縁に隣接して複数個の穴部14を形成する場合には、タイヤ赤道Sに近接する主溝12が気柱共鳴音の発生に大きく寄与しているので、タイヤ赤道Sに近接配置されている主溝12の開口端縁に隣接して穴部を設けることが好ましい。
本実施形態では、主溝の同一開口端縁に隣接して配置された複数個の穴部14は周方向に等間隔に配置されているが、本発明においては、周方向に異なった間隔で配置されていてもよい。このようにすれば、穴部14の開口端縁が路面を叩くときに発生する打撃音の周波数を分散させて、該打撃音を打ち消しあってホワイトノイズ化させることができるためである。
(連結部の態様)
以下、穴部14から発生しうるポンピング音の防止の観点から好ましい連結部15の態様について説明する。図3に示す連通部15は、それぞれの穴部14を個別に主溝12に連通させる浅底の細横溝である。該細横溝によって、穴部14での空気の圧縮を防ぐことができる。本発明の連結部15は、このような機能を有していれば何ら限定されるものではなく、例えば以下のようなものが例示できる。
図4に示す、本発明に従う第2の空気入りタイヤの連通部15は、トレッド踏面の主溝12と複数個の穴部14の列との間に設けられた、浅底の周方向溝である。この実施形態は、それぞれの穴部14と主溝とが連通するのみならず、複数個の穴部同士も主溝を介することなく、浅底の周方向溝を介して連通する点が特徴である。
この実施形態は、図3に示した空気入りタイヤと同様に、穴部14の深さd1が主溝12の深さd2と略同じであり、連通部15が穴部の側壁14aの開口部側部分と主溝の側壁12aの開口部側部分とを連通するように形成されている。穴部と主溝との両側壁の開口部側部分で連通する構成は、タイヤ製造時のモールドの型抜きプロセスが容易という利点がある。
なお、穴部の深さd1及び主溝の深さd2は、それぞれ3mm以上15mm以下であることが好ましい。3mm未満となると、雨天時の排水性能が確保できなくなり、15mmを超えると、気流共鳴音が大きくなるからである。また、連結部15の深さd3(タイヤ径方向延在距離)は、1mm以上3mm以下であることが好ましい。1mm未満となると、空気の流出が不十分となってポンピング音が生じやすくなり、3mmを超えると、穴部近傍の陸部における剛性が大きく低下して、偏磨耗が発生するおそれがあるからである。なお、主溝の深さd2は、通常一定であるが、周方向に周期的あるいは不規則に変化しても良い。
図5に示す、本発明に従う第3の空気入りタイヤの連通部15は、穴部の側壁14aの底部側部分と主溝の側壁12aの底部側部分とを連通させる連通管である。この連通管は、それぞれの穴部と主溝とを個別に連通する。
図6に示す、本発明に従う第4の空気入りタイヤの連通部15は、穴部の側壁14aの底部側部分と主溝の側壁12aの底部側部分とを連通させるように、主溝12と複数個の穴部14の列との間に設けられた周方向の管である。主溝12の側壁の底部側部分に溝が切られることによって、穴部と連通していると捉えることもできる。この実施形態でも、それぞれの穴部14と主溝とが連通するのみならず、複数個の穴部同士も主溝を介することなく連通する。
第3及び第4の空気入りタイヤのように、連通部15が、穴部の側壁14aの底部側部分と主溝の側壁12aの底部側部分とを連通するように形成される場合、タイヤの使用末期まで本発明の騒音低減効果を持続することができる。それは、タイヤの使用で磨耗が生じても、連通部15が磨耗でなくなってしまうことがないためである。なお、これらの実施形態においても穴部の深さが主溝の深さと略同じであることが好ましい。
これら第1乃至第4の空気入りタイヤに共通する効果として、穴部14と連通部15が共鳴器としての機能も有するため、より気柱共鳴音を低減することができることが挙げられる。本発明の穴部14は、あくまで主溝の溝壁の振動を抑えることで気柱共鳴音を低減することを目的とした配置をしており、共鳴器として最適にチューニングされたものではない。しかし、発生した気柱共鳴音のエネルギーを吸収する効果はある程度あり、また、主溝近傍の剛性を低下させる目的から穴部の数が多数あることが幸いして、結果として十分な効果を発揮するのである。
これら実施形態の連通部の横断面積S1は、主溝の幅方向断面積の0.02倍以上0.10倍以下とすることが好ましい。連通部の横断面積とは、図5(b)で説明するとX−X´断面の断面積を意味する。また、主溝の幅方向断面積は、図5(b)中のS2を意味する。上記値が0.02倍未満であると、穴部14からの圧縮された空気の流出が不十分となってポンピング音を生じやすくなり、一方、上記値が0.10倍を超えると、穴部14近傍の陸部の剛性が大きく低下して偏磨耗を発生するおそれがあるところ、上記範囲内とすれば、偏磨耗を抑制しながら、穴部からの空気の流出を確実とすることができるからである。
本発明に従う空気入りタイヤにおいては、全ての穴部14同士を直接連通するとともに、周方向に連続して延びる細溝をさらに形成してもよい。隣接する穴部同士が直接連通することによって、穴部の圧縮された空気が前記細溝を介して他の穴部に流出することもでき、ポンピング音を防止する効果をより高めることができる。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、以下の実施例及び比較例にかかる空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。この試験に当たっては、タイヤ赤道S上のトレッド部踏面に溝幅Wが8mm、溝深さd2が8mmである1本の主溝を形成したタイヤ(比較例1)と、前記比較例1のタイヤにおける主溝に加え、該主溝の両開口端縁から3mm(=L2)離れた周方向線上に中心が位置し、周方向に1mm(=L3)の間隔で断面円形である直径4mm(=L1)の穴を複数個形成したタイヤ(比較例2)と、前記比較例2における主溝、穴に加え、図3に示した態様の連結部でタイヤ周方向幅1.5mm、深さd3=1.5mmの断面正方形の横細溝を形成したタイヤ(実施例1)を準備した。これらのタイヤの所定空気圧及び所定負荷条件下におけるとレッド接地長さLは、130mmであり、比較例2及び実施例1における接地長さL内の穴部の個数は、主溝の片側換算で26個である。
ここで、各タイヤのサイズは195/65R15とした。次に各タイヤを適用リムに装着し、220kPaの内圧を充填した後、4kNの荷重を負荷しながら室内ドラム試験機の回転ドラムに押し付けながら、80km/hの速度で走行させ、タイヤ側方音をJASO C606に定める条件で測定した。
そのときの音圧の周波数スペクトルを図7(a)に示す。また、気柱共鳴音に対応する1/3オクターブの1000〜2000Hzの帯域におけるパーシャルオーバーオール値dB(A)と、全周波数帯域におけるオーバーオール値dB(A)を表1に示す。カッコ内は、比較例1を基準とした増減を示す。
比較例1に比べパーシャルオーバーオール値は、比較例2で0.9、実施例1で1.1減少し、気柱共鳴音を効果的に低減することができた。一方で、オーバーオール値は、比較例2で0.2増加した。図7(b)に拡大図を示したように、比較例2は3000Hz以上の高周波域で音圧レベルが高いことから、これは、穴部から発生するポンピング音の影響と考えられる。しかし、実施例1ではオーバーオール値が1.0減少しており、気柱共鳴音とポンピング音の両方を効果的に低減することができた。実施例1でパーシャルオーバーオール値が比較例2と比べても0.2減少しているのは、連通部を設けたことにより穴部と連通部とが共鳴器としての効果も発揮したためと考えられる。
Figure 0005574770
次に、表2に示す種々のタイヤについて上記と同様の試験を行った。比較例1を基準とした全周波数帯域のオーバーオール値の増減を「騒音レベル」として表2に追記した。なお、全てのタイヤにおいて、穴部の位置L2は3.0mm、連通部は、タイヤ周方向幅1.5mmで深さd3=1.5mmとした。そのため、連通部の横断面積S1/主溝の幅方向断面積S2=0.035となる。これらのタイヤの所定空気圧及び所定負荷条件下におけるとレッド接地長さLは、130mmなので、本発明に含まれる穴部の個数は、16.25(L/8)〜32.5(L/4)となる。
Figure 0005574770
比較例3〜6のように、穴部の個数が不十分だと騒音レベルの低減効果がほとんどみられないが、穴部の個数をL/8個以上とする実施例においては、少なくとも0.5dB(A)以上の騒音レベル低減効果がみられた。このことから、主溝近傍の剛性を適切に低減させて、気柱共鳴音を効果的に抑制するには、多数の穴部を設ける必要があることがわかる。
10 空気入りタイヤ
11 トレッド部踏面
12 主溝
13a,b 開口端縁
14 穴部
15 連通部

Claims (10)

  1. トレッド部踏面に周方向に連続して延びる少なくとも1本の主溝と、
    該主溝の両開口端縁のうち少なくとも一方の開口端縁に隣接して位置し、周方向に間隔を置いて前記主溝に沿って配置された複数個の穴部と、
    前記穴部の側壁と前記主溝の側壁とを連通する連通部と、を有し、
    前記穴部は、所定空気圧及び所定負荷条件下におけるトレッド接地長さL(mm)内に、前記主溝の片側においてL/8個以上L/4個以下含まれるように形成されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記穴部の開口面積が、10mm以上20mm以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記穴部が、前記主溝と略平行に一列に配置されており、前記穴部同士の周方向間隔が2mm以下である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記穴部が、前記主溝から主溝の溝幅の距離だけ離れた位置までの領域内に配置される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記穴部の深さが前記主溝と略同じであり、前記連通部が前記穴部の側壁の底部側部分と前記主溝の側壁の底部側部分とを連通するように形成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記穴部の深さが前記主溝と略同じであり、前記連通部が前記穴部の側壁の開口部側部分と前記主溝の側壁の開口部側部分とを連通するように形成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記穴部及び前記連通部が、前記主溝の両開口端縁にそれぞれ隣接して配置される請求項1乃至6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記主溝の同一開口端縁に隣接して配置した穴部が、周方向に異なった間隔で配置される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記連通部の横断面積が、前記主溝の幅方向断面積の0.02倍以上0.10倍以下である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 周方向に連続して延びる前記主溝が、周方向に連続して延びる2つの陸部に挟まれて配置される請求項1乃至9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
JP2010058141A 2010-03-15 2010-03-15 空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP5574770B2 (ja)

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