JP5462442B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
このように流路断面積が小さく、また、閉塞したまま、燃料電池システムが再起動した後、停止した場合において、燃料電池を掃気する必要があると判断されたとき、掃気ガスが、掃気ガス排出配管を好適に流れることができず、燃料電池を良好に掃気できない虞がある。
したがって、その後、燃料電池システムが再起動し、停止した場合において、燃料電池の掃気が必要であると判断されたとき、燃料電池から排出される掃気ガスは掃気ガス排出配管内を好適に通流でき、その結果、燃料電池を好適に掃気できる。
なお、カソードオフガス配管内は、一般に、コンプレッサ等の酸化剤ガス供給手段から吐出される空気が、大流量・高圧力で通流するので、掃気ガス排出配管から排出された水分により、カソードオフガス配管は閉塞しにくくなっている。
このような燃料電池システムによれば、燃料電池の掃気時において、開かれた掃気ガス排出弁からの掃気ガス及び水分を、掃気ガス排出配管の鉛直方向の傾斜が大きい掃気ガス排出弁側で加速させ、速やかにカソードオフガス配管に排出できる。
また、仮に、システム停止時において、カソードオフガス配管内の水分が、掃気ガス排出配管内に逆流したとしても、カソードオフガス配管側の鉛直方向の傾斜は小さいので、逆流した水分によって、掃気ガス排出配管が閉塞しにくくなる。よって、このような逆流した水分による閉塞を防止するために、掃気ガス排出配管の内径、特に高さ方向の内径が、下流に向かって徐々に大きくなる構成としてもよい。
このような燃料電池システムによれば、カソードオフガス配管内の水分(結露水等)が、掃気ガス排出配管に逆流(流入)することを防止できる。
このような燃料電池システムによれば、ガス処理装置にアノードオフガスが残留していたとしても、燃料電池の掃気時に、掃気ガス排出配管からカソードオフガス配管を介して、ガス処理装置に流れ込む掃気ガスによって、残留するアノードオフガスを処理(後記する実施形態では希釈処理)し、燃料ガスの濃度を低減できる。
また、前記パージガス排出配管は、その内部を通流する水分を加速させる少なくとも1つの下り段差部を有することを特徴とする燃料電池システムである。
図1に示す本実施形態に係る燃料電池システム1は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、掃気時にカソード系からアノード系に掃気ガスを導く掃気ガス系と、を備えている。
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セルが積層されることで構成されたスタックであり、複数の単セルは電気的に直列で接続されている。単セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟み2枚の導電性を有するアノードセパレータ及びカソードセパレータと、を備えている。
カソードセパレータには、各MEAのカソードに対して空気を給排するため単セルの積層方向に延びる貫通孔(内部マニホールドと称される)や、単セルの面方向に延びる溝が形成されており、これら貫通孔及び溝がカソード流路12(酸化剤ガス流路)として機能している。
2H2→4H++4e− …(1)
O2+4H++4e−→2H2O …(2)
アノード系は、水素タンク21(燃料ガス供給手段)と、常閉型の遮断弁22と、エゼクタ23と、気液分離器24と、常閉型のパージ弁26と、常閉型の掃気ガス排出弁27とを備えている。
水素タンク21は、配管21a、遮断弁22、配管22a、エゼクタ23と、配管23aを介して、アノード流路11の入口に接続されている。配管22aには、水素を所定圧力に減圧する減圧弁(図示しない)が設けられており、この減圧弁には、カソード流路12に向かう空気の圧力が信号圧(パイロット圧)として入力され、前記空気の圧力とアノード流路11における水素の圧力とが等しくなるように制御する構成となっている。
そして、図示しないECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)によって、遮断弁22が開かれると、水素タンク21の水素が配管21a等を介してアノード流路11に供給されるようになっている。
なお、配管24bの気液分離器24側部分は、鉛直方向で配置されており、水素に同伴する水分が、自重により気液分離器24に戻されるようになっている。
配管24bは、その途中で、配管26a、パージ弁26、配管26bを介して、後記する希釈器33の上部に接続されている。パージ弁26は、燃料電池スタック10の発電時において、配管24a及び配管24bを循環するアノードオフガス(水素)に含まれる不純物(水蒸気、窒素等)を排出(パージ)する場合、ECUにより開かれる弁である。
なお、ECUは、例えば、燃料電池スタック10を構成する単セルの電圧(セル電圧)が所定セル電圧以下となった場合、不純物を排出する必要があると判定し、パージ弁26を開く設定となっている。セル電圧は、例えば、単セルの電圧を検出する電圧センサ(セル電圧モニタ)を介して検出される。
また、配管26aの接続位置よりも上流側の配管24bは、配管27a、掃気ガス排出弁27、配管27b(掃気ガス排出配管)を介して、後記する希釈器33の近傍の配管32cに接続されている。掃気ガス排出弁27は、燃料電池スタック10の掃気時、詳細には、アノード流路11の掃気時に、コンプレッサ31が作動した状態で、ECUにより、後記する掃気ガス導入弁41と共に開かれる設定となっている。
そして、燃料電池スタック10内が凍結する虞があると判定される場合、ECUはコンプレッサ31を作動すると共に、掃気ガス導入弁41及び掃気ガス排出弁27を開き、コンプレッサ31からの掃気ガス(空気)を、アノード流路11及びカソード流路12に押し込み、アノード流路11等の水分(水蒸気、結露水等)を押し出し、燃料電池スタック10を掃気するように設定されている。
図1に戻って説明を続ける。
カソード系は、コンプレッサ31(酸化剤ガス供給手段、掃気手段)と、加湿器32と、希釈器33(ガス処理装置)とを備えている。
なお、コンプレッサ31は、燃料電池スタック10及び/又は燃料電池スタック10の発電電力を充放電する高圧バッテリ(図示しない)を電源として作動する。
加湿器32は、コンプレッサ31からカソード流路12に向かう空気を加湿するため、カソード流路12に向かう空気と、多湿のカソードオフガスとを水分交換させる中空糸膜32dを備えている。
希釈器33は、パージ弁26から導入されるアノードオフガスと、配管32cから導入されるカソードオフガス(希釈用ガス)とを混合し、アノードオフガス中の水素を、カソードオフガスで希釈する容器であり、その内部に希釈空間33aを備えている。具体的には、希釈器33は、希釈空間33aの鉛直下方に、カソードオフガスが流れる配管33bを有しており、配管33bには、その内部と希釈空間33aとを連通させる連通孔33cが形成されている。
掃気系は、燃料電池スタック10の掃気時に、コンプレッサ31からの掃気ガス(非加湿の空気)をアノード系に導く系であり、常閉型の掃気ガス導入弁41を備えている。掃気ガス導入弁41の上流は、配管41aを介して配管31aに接続されており、掃気ガス導入弁41の下流は、配管41bを介して配管23aに接続されている。
次に、燃料電池システム1の動作・効果を説明する。
燃料電池スタック10の掃気が完了し、掃気ガス排出弁27が閉じられた後、配管27bに水分が残留していたとしても、この水分は、自重により、下り傾斜状の配管27bを通流し、配管32cに排出される。これにより、水分が配管27b内で凍結することはなく、配管27bの流路断面積が減少したり、配管27bが閉塞することはない。
一方、配管27bにおいて、配管32c側部分(符号R)の傾斜は小さいので、例えば、急ブレーキや、下り坂Sで燃料電池自動車が停止し、配管32cから配管27bに水分Wが逆流したとしても、逆流した水分Wによって、配管27bが閉塞することを阻止できる(図3(b)参照)。
10 燃料電池スタック(燃料電池)
11 アノード流路
12 カソード流路
26 パージ弁
27 掃気ガス排出弁
27a 配管
27b 配管(掃気ガス排出配管)
32b、32c、33b、33d 配管(カソードオフガス配管)
Claims (5)
- 燃料電池と、
前記燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガスが流れるカソードオフガス配管と、
前記燃料電池の掃気時に開かれ、当該燃料電池のアノードからの掃気ガスを排出する掃気ガス排出弁と、
前記掃気ガス排出弁の下流に接続され、掃気ガスを排出する掃気ガス排出配管と、
を備え、
前記掃気ガス排出配管は、その内部の水分が自重により排出されるように下り傾斜状であって、その下流端は、上方から前記カソードオフガス配管に接続され、
前記掃気ガス排出配管において、前記カソードオフガス配管側の鉛直方向の傾斜は、前記掃気ガス排出弁側の鉛直方向の傾斜よりも小さい
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 前記掃気ガス排出配管は、当該掃気ガス排出配管からの掃気ガスが前記カソードオフガス配管内のカソードオフガスの流れに沿って合流するように、前記カソードオフガス配管に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池の発電時に開かれ、当該燃料電池のアノードからのアノードオフガスを排出するパージ弁と、
前記カソードオフガス配管に設けられ、前記パージ弁から排出されるアノードオフガスをカソードオフガスで処理し、アノードオフガスに含まれる燃料ガスの濃度を低減するガス処理装置と、
を備え、
前記掃気ガス排出配管の下流端は、前記ガス処理装置よりも上流のカソードオフガス配管に接続されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。 - 前記パージ弁と前記ガス処理装置とを接続し、下り傾斜状であるパージガス排出配管を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。 - 前記パージガス排出配管は、その内部を通流する水分を加速させる少なくとも1つの下り段差部を有する
ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
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