JP5461908B2 - 光反射板用白色フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、可視光線の反射率の高い光反射板用白色フィルムに関する。
液晶ディスプレイには、光源の設置方式として、バックライト方式が採用されていたが、近年は特開昭63−62104号公報に示されるようなサイドライト方式が広く用いられるようになっている。このサイドライト方式には、均一な表示面を得るメリットがあるが、この用途に用いられる光反射板には高い光反射率が求められる。また、工程での取り扱いを容易にするために、静電気により埃等が付着しないことも求められている。
特開昭63−62104号公報 特公平8−16175号公報 特開2001−226501号公報 特開2002−90515号公報
光反射板用白色フィルムは主に液晶表示装置のバックライトユニットの部材として用いられるが、バックライトユニットに組み込む工程での作業を容易にするために、白色フィルムの反射面にインクを用いてドット印刷を施す場合がある。従来の光反射板用白色フィルムでは、インクとの接着性が不十分であった。
また、光反射板用白色フィルムには、可視光線の反射率が高いことが必要であるが、一般に、可視光線の反射率が高い光反射板は紫外線の反射率も高い。バックライトユニットの光源には可視光線とともに紫外線が通常含まれているため、光反射板用白色フィルムの紫外線反射率が高いと光反射板で可視光線とともに紫外線が反射され、反射された紫外線によって、液晶表示装置を構成する光反射板付近に位置する他の部材が劣化して液晶表示装置の全体の寿命が制限されることになる。
本発明は、光反射板付近に配置される他の部材の劣化を発生させないように紫外線反射が抑制され、パターン印刷に用いるインクとの接着性に優れた光反射板用白色フィルムを提供することを課題とする。
本発明は、帯電防止性を備え、ドット印刷に用いるインクとの接着性に優れ、光反射板付近に配置される他の部材の劣化を発生させないように紫外線反射が抑制された、光反射板用白色フィルムを提供することを課題とする。
すなわち本発明は、白色ポリエステルフィルムおよびそのうえに塗設された塗布層からなり、該塗布層はベンゾトリアゾール基を有する(メタ)アクリル樹脂15〜80重量%、ビニル系共重合体からなり、側鎖にカチオン性基を有し、該カチオン性基が第4級アンモニウム塩である化合物である帯電防止剤15〜80重量%を含有してなる、厚み0.02〜0.2μmの塗布層であることを特徴とする、光反射板用白色フィルムである。
本発明によれば、帯電防止性を備え、ドット印刷に用いるインクとの接着性に優れ、光反射板付近に配置される他の部材の劣化を発生させないように紫外線反射が抑制された、光反射板用白色フィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[白色ポリエステルフィルム]
本発明における白色ポリエステルフィルムは、ポリエステルに白色顔料または微細なボイドを多数含有させて白色を呈するようにしたポリエステルフィルムである。ボイドは、ポリエステルにボイド形成物質を含有させて延伸することで形成される。
本発明における白色ポリエステルフィルムは、不活性粒子を含有するポリエステル組成物からなる支持層と、この支持層に接しボイド形成物質を含有するポリエステル組成物からなる白色層とからなる積層フィルムであることが好ましい。この場合、積層フィルムの必ずしも全ての層が白色である必要はなく、積層フィルム全体として白色であればよい。
[ポリエステル]
ポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸成分とから縮重合によって得られるポリマーである。ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸を用いることができる。ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールを用いることができる。
ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタリンジカルボキシレートが好ましく、高濃度に無機粒子および/または有機粒子を添加しても安定して製膜できるため、共重合ポリエチレンテレフタレートまたは共重合ポリエチレンナフタレートが好ましい。
共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸といったジカルボン酸成分を例示することができる。
ポリエステルの融点は、好ましくは250℃以下、さらに好ましくは245℃以下、特に好ましくは240℃以下であり、このポリエステルとして、例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレート、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。高い耐熱性と製膜性を得るために、2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
[ボイド形成物質]
ボイド形成物性物質としては、無機粒子、有機粒子のいずれも用いることができる。無機粒子としては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素、酸化チタンの粒子を例示することができる。有機粒子としては、シリコーン、アクリルの粒子を例示することができる。粒子は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高い反射性や耐熱性を得ることができることから、ボイド形成物質としては、無機粒子を用いることが好ましく、なかでもポリエステルポリマー中に安定して分散させることができ、製膜性がよく、かつ良好な反射率を得ることができることから、硫酸バリウム粒子が特に好ましい。
なお、フィルムを顔料によって白色にする場合、白色層の白色顔料として、例えば硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタンを用いることができる。
[不活性粒子]
支持層の不活性粒子としては、無機物質の粒子を用いることができ、例えば、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素、酸化チタンの粒子を例示することができる。不活性粒子の平均粒径は、例えば、0.3〜3μmである。
支持層の不活性粒子は、白色層のボイド形成物質として用いることのできる無機粒子と同じ材質であってもよく、平均粒径であってもよい。
[積層フィルム]
白色ポリエステルフィルムとして積層フィルムを用いる場合、積層フィルムの支持層は、平均粒径0.3〜3.0μmの不活性粒子3〜50重量%と、イソフタル酸3〜20モル%およびテレフタル酸80〜97モル%をジカルボン酸成分としエチレングリコールをジオール成分としてなるポリエステル50〜97重量%と、からなる組成物から構成されることが好ましい。
積層フィルムの白色層は、平均粒径0.3〜3.0μmの不活性粒子31〜60重量%とナフタレンジカルボン酸3〜100モル%およびテレフタル酸0〜97モル%をジカルボン酸成分としエチレングリコールをジオール成分としてなるポリエステル40〜69重量%と、からなる組成物から構成されることが好ましい。
白色ポリエステルフィルムとして特に好ましい積層フィルムは、積層フィルムの支持層が、平均粒径0.3〜3.0μmの不活性粒子3〜50重量%と、イソフタル酸3〜20モル%およびテレフタル酸80〜97モル%をジカルボン酸成分としエチレングリコールをジオール成分としてなるポリエステル50〜97重量%とからなる組成物から構成され、積層フィルムの白色層が、平均粒径0.3〜3.0μmの不活性粒子31〜60重量%とナフタレンジカルボン酸3〜100モル%およびテレフタル酸0〜97モル%をジカルボン酸成分としエチレングリコールをジオール成分としてなるポリエステル40〜69重量%とからなる組成物から構成される積層フィルムである。この積層フィルムは、支持層/白色層の2層積層フィルムか、支持層/白色層/支持層の3層積層フィルムであることが好ましい。
本発明において、二軸延伸後の白色ポリエステルフィルムの厚みは、好ましくは25〜250μm、さらに好ましくは40〜250μm、特に好ましくは50〜250μmである。この範囲の厚みとすることによって、十分に高い反射率を得るとともに、取り扱い性に優れたフィルムを得ることができる。
白色ポリエステルフィルムの白色層は、支持層よりもボイド形成物質を高濃度で含む層であり、白色層の厚みは、支持層および白色層の合計厚み100%に対して、好ましくは40〜90%、さらに好ましくは50〜80%である。白色層がこの範囲の厚み比であると良好な反射率と製膜時の良好な延伸性を得ることができる。
本発明における白色ポリエステルフィルムは、85℃の熱収縮率が直交する2方向ともに0.5%以下、さらに好ましくは0.4%以下、最も好ましくは0.3%以下である。
[塗布層]
塗布層は白色ポリエステルフィルムの上に塗設されている。この塗布層は、ベンゾトリアゾール基を有する(メタ)アクリル樹脂15〜80重量%および帯電防止剤15〜80重量%を含有してなる、厚み0.02〜0.2μmの塗布層である。
白色ポリエステルフィルムが複数の層から構成される積層フィルムであって、一方の面がボイドを有する白色層であり、他方の面が支持層である場合、塗布層は反射面として使用される白色層の上に設けることが好ましい。こうすることによって、十分に高い反射率を得るとともに、良好なインク接着性、紫外線吸収性能および帯電防止性能を得ることができる。なお、塗布層は白色ポリエステルフィルムの片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。
塗布層の厚みは、乾燥後の厚みとして、0.02〜0.2μm、好ましくは0.03〜0.18μmである。0.02μm未満であると紫外線吸収性能および帯電防止性能が不十分となり、0.2μmを超えると塗布層が目立つようになり、塗工外観が悪くなる。
[ベンゾトリアゾール基を有する(メタ)アクリル樹脂]
塗布層は、塗布層の組成物100重量%あたり、ベンゾトリアゾール基を有する(メタ)アクリル樹脂を、15〜80重量%、好ましくは30〜70重量%含有する。このベンゾトリアゾール基を有する(メタ)アクリル樹脂は、紫外線吸収剤として作用する。15重量%未満であると紫外線吸収性能が不十分となり、他方、80重量%を超えても紫外線吸収性能が飽和して意味がなく、また、相対的に帯電防止剤の量を少なくせざるを得ず帯電防止性能が不十分となってフィルム表面に埃が付き易くなる。
ベンゾトリアゾール基は、(メタ)アクリル樹脂の側鎖にあり、その含有量は、(メタ)アクリル樹脂を構成する(メタ)アクリルモノマー100モル%あたり、例えば10〜80モル%、好ましくは20〜70モル%である。
本発明の光反射板用白色フィルムは、塗布層にこの範囲で紫外線吸収剤を配合することで、365nmの全光線反射率を80%以下、好ましくは70%以下とすることができる。
[帯電防止剤]
塗布層は、塗布層の組成物100重量%あたり、帯電防止剤を、15〜80重量%、好ましくは30〜70重量%含有する。15重量%未満であると帯電防止性能が不十分となり、フィルム表面に埃が付き易くなり、他方、80重量%を超えると、紫外線吸収剤を十分な量を含有させることができず、紫外線吸収性能が不足する。
この帯電防止剤は、帯電防止性を付与する剤であり、好ましくはカチオンポリマーを用い、好ましくはビニル系共重合体からなり、側鎖にカチオン性基を有し、そのカチオン性基が第4級アンモニウム塩である化合物を用いる。
第4級アンモニウム塩としては、第4級アンモニウムスルホネート、第4級アンモニウムサルフェート、第4級アンモニウムナイトレートを例示することができる。
本発明における白色ポリエステルフィルムは、塗膜に帯電防止剤を配合することで、表面固有抵抗値が、1×1012Ω/□以下、好ましくは1×1011Ω/□以下を達成することができる。
[界面活性剤]
塗布層は、水性塗液を用いて塗設されることが好ましい。この場合、塗布層を形成するための塗布液には、塗布層の組成と化学的に不活性な界面活性剤を配合されていることが好ましい。界面活性剤を配合する場合、塗布層の組成物100重量%あたり、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%配合する。かかる範囲で配合することによって、ポリエステルフィルムへの水性塗布液の濡れを促進し、塗布液の安定性を向上することができる。
界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型の界面活性剤を挙げることができる。
[製造方法]
以下、本発明の光反射板用白色フィルムを製造する方法を、白色ポリエステルフィルムとして積層白色ポリエステルフィルムを用いる場合を例に説明する。以下、ガラス転移温度をTg、融点をTmということがある。
ボイド形成物質や不活性粒子は、ポリエステルに添加して溶融混練することで、ポリエステルに配合することができる。ボイド形成物質や不活性粒子を高濃度で配合したパスターペレットを製造し、このマスターペレットをポリエステルのペレットと溶融混練して、所定量のボイド形成物質や不活性粒子を含有するポリエステル組成物を得てもよい。
製膜時のフィルターとして線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる不織布型フィルターを用い、溶融ポリマーを濾過することが好ましい。このフィルターの平均目開きは、例えば10〜100μm、好ましくは20〜50μmである。この濾過を行うことにより、一般的には凝集して粗大凝集粒子となりやすい粒子の凝集を抑えて、粗大異物の少ないフィルムを得ることができる。
本発明において白色ポリエステルフィルムとして用いる積層フィルムを製造するためには、まず、白色層を形成するポリエステル組成物としてボイド形成剤を含有するポリエステル組成物の溶融物と、支持層を形成するポリエステル組成物として不活性粒子を含有するポリエステル組成物の溶融物とを、フィードブロックを用いて白色層/支持層となるように積層し、ダイに展開して押出し、未延伸積層シートとする。この時、フィードブロックで積層されたポリマーは積層された形態を維持している。
ダイより押出された未延伸積層シートは、キャスティングドラムで冷却固化され、未延伸積層フィルムとなる。この未延伸積層フィルムをロール加熱、赤外線加熱等で加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。延伸温度はポリエステルのTg以上の温度、さらにはTg〜70℃高い温度とするのが好ましい。延伸倍率は、用途の要求特性にもよるが、縦方向、縦方向と直交する方向(以降、横方向と呼ぶ)ともに、好ましくは2.2〜4.5倍、さらに好ましくは2.3〜3.9倍である。2.2倍未満とするとフィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られず好ましくなく、4.5倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなり好ましくない。
縦延伸後のフィルムは、続いて、横延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。横延伸の処理はポリエステルのTgより高い温度から始める。そしてTgより(5〜70)℃高い温度まで昇温しながら行う。横延伸過程での昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが通常逐次的に昇温する。例えばテンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、ゾーン毎に所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。横延伸の倍率は、要求特性にもよるが、好ましくは2.2〜4.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.9倍である。2.2倍未満であるとフィルムの厚み斑が悪くなり良好なフィルムが得られず好ましくなく、4.5倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなり好ましくない。
横延伸後のフィルムは両端を把持したまま(Tm−20℃)〜(Tm−100℃)で定幅または10%以下の幅減少下で熱処理して熱収縮率を低下させるのがよい。熱処理温度がこれより高いとフィルムの平面性が悪くなり、厚み斑が大きくなり好ましくない。また、熱処理温度がこれより低いと熱収縮率が大きくなることがある。また、熱固定後フィルム温度を常温に戻す過程でフィルムの熱収縮量を調整するために、把持しているフィルムの両端を切り落し、フィルム縦方向の引き取り速度を調整し、縦方向に弛緩させることができる。弛緩させる手段としてはテンター出側のロール群の速度を調整する。弛緩させる割合として、テンターのフィルムライン速度に対してロール群の速度ダウンを行い、好ましくは0.1〜1.5%、さらに好ましくは0.2〜1.2%、特に好ましくは0.3〜1.0%の速度ダウンを実施してフィルムを弛緩(この値を「弛緩率」という)して、弛緩率をコントロールすることによって縦方向の熱収縮率を調整する。また、フィルム横方向は両端を切り落すまでの過程で幅減少させて、所望の熱収縮率を得ることもできる。ボイド形成剤を含有する反射層は、延伸の過程で白色を呈するようになる。
なお、縦方向と横方向に同時に延伸する同時二軸延伸方法で製造することもできる。
本発明において、塗布層を形成するために用いる塗液は、水性塗布液、例えば水溶液、水分散液、乳化液の形態で使用することが好ましい。水性塗布液の固形分濃度は、通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。1重量%未満であるとポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがあり好ましくなく、20重量%を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が悪化することがあり好ましくない。
水性塗布液のポリエステルフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、ポリエステルフィルムの製造過程で実施するのが好ましく、さらには配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布するのが好ましい。
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸延伸フィルム、さらには縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
水性塗布液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理として、フィルム表面に、例えばコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理といった物理処理を施すか、予備処理をしない場合には、塗布液に、塗布層の組成物とは化学的に不活性な界面活性剤を配合することが好ましい。
塗布方法として、公知の任意の塗工法が適用することができる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法を適用することができる。これらは単独または組合せて用いることができる。
このようにして得られる本発明の光反射板用白色フィルムによれば、少なくとも一方の表面の反射率が波長400〜700nmの平均反射率で90%以上、さらに好ましくは92%以上、さらに好ましくは94%以上を達成することができる。この範囲の反射率であると、液晶表示用のバックライトユニットの光反射板として用いたときに、高い輝度を得ることができる。
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)フィルム厚み
フィルムをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
(2)各層の厚み
フィルムを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋した。そして、包埋されたサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、透過型電子顕微鏡を用いて、加速電圧100kvにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定し、平均厚みを求めた。
(3)ガラス転移点(Tg)、融点(Tm)
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20m/分で測定を行った。
(4)反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO白板を100%とした時の反射率を400〜700nmにわたって測定し、得られたチャートより2nm間隔で反射率を読み取った。フィルムが積層フィルムである場合、粒子含有量の多い層の側から測定を行った。
(5)表面抵抗
フィルムの塗布層表面の表面固有抵抗を、タケダ理研社製・固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度60%の条件で、1日調湿後、印加電圧100Vで1分後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定した。なお、表中、aE+bは、a×10を意味する。例えば9E+09は、9×10を意味する。
(6)粒子の平均粒径
島津製作所製CP―50型セントリフュグル パーティクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle Size Analyzer)を用いて測定した。得られた遠心沈降曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲線から、50マスパーセントに相当する粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とした(「粒度測定技術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242〜247参照)。
(7)UVインクの接着性
サンプルフィルムの非塗膜塗設面に厚さ250μmのポリエステルフィルムを接着剤にて貼り付け、サンプルフィルムの塗膜塗設面の上に紫外線硬化型印刷インキ(東洋インキ製フラッシュドライFDO紅APN)をRIテスター(明製作所製)により印刷した後、中圧水銀灯UVキュア装置(80W/cm、一灯式、日本電池製)でキュアリングを行い、厚み3.0μmのUVインキ層を形成させた。このUVインキ層の上にセロハンテープ(18mm幅、ニチバン製)を15cmの長さに貼り、この上を2kgの手動式荷重ロールで一定の荷重を与えフィルムを固定した後、セロハンテープの一端を90゜方向に剥離した後のUVインキ層を観察した。UVインキの接着性は下記の基準により評価した。
〇: UVインキ層が全く剥離しない (UVインキ接着性良好)
△: 塗膜とUVインキ層間が部分的に凝集破壊状に剥離する
(UVインキ接着性やや良好)
×: 塗膜とUVインキ層間が層状に剥離する(UVインキ接着性不良)
△以上が実用性能を有する。
[実施例1〜7、比較例1〜6]
テレフタル酸ジメチル55重量部、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル8重量部、エチレングリコール37重量部、ジエチレングリコール0.4重量部、酢酸マンガン0.05重量部、酢酸リチウム0.012重量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜235℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03重量部、二酸化ゲルマニウム0.04重量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.5mmHgまで減圧するとともに290℃まで昇温し重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエステルの2,6−ナフタレンジカルボン酸成分量は10モル%、ジエチレングリコール成分量は3モル%、ガラス転移点80℃、融点230℃であった。このポリエステルをA層、B層に用い、平均粒径1.4μmの硫酸バリウムをそれぞれA層に5重量%、B層に40重量%添加した。それぞれ285℃に加熱された2台の押出機に供給し、A層ポリマー、B層ポリマーをA層とB層がA/B(=30/70、層比率)となるような2層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度20℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを95℃にて加熱し長手方向(縦方向)に延伸し、20℃のロール群で冷却した。ロールコーターによりB層表面側に表1に示す塗布液(2重量%)、条件で均一に塗設した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に延伸した。その後テンター内で215℃の温度で熱固定を行い、その後、縦方向に0.5%、横方向に2.0%弛緩を行い、室温まで冷やして厚み175μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムは85℃、30分の熱収縮率が長手方向0.1%、幅方向0.1%であった。なお、塗布層の組成は表1および2に記載のとおりであり、得られた白色ポリエステルフィルムの塗布層の評価結果は表1および2に記載のとおりであった。
[比較例7]
塗布層を塗設しない以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果を表2に示す。
紫外線吸収剤1:
下記式に示す構造のベンゾトリアゾール基を有する化合物を50モル%、メチルメタクリレートを45モル%、および2−ヒドロキシエチルメタクリレートを5モル%からなる共重合体である、一方社油脂工業製水系ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤ULS−1635MHを用いた。
Figure 0005461908
帯電防止剤1:
下記式に示す構造を80モル%、メチルアクリレートを10モル%、およびN−メチロールアクリルアミドを10モル%からなる共重合体である。
Figure 0005461908
帯電防止剤2:
ジメチルアミノエチルスルホネートメタクリレート80モル%/メチルアクリレート10モル%/N−メチロールアクリルアミド10モル%からなる共重合体である。
界面活性剤:
ポリオキシエチレン(n=8.5)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−85)
架橋剤:
オキサゾリン(株式会社日本触媒製 商品名エポクロスWS−700)
Figure 0005461908
Figure 0005461908
本発明の光反射板用白色フィルムは、各種の光反射板、特に液晶ディスプレイ用や照明用の光反射板として、また太陽電池のバックシートとして最適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 白色ポリエステルフィルムおよびそのうえに塗設された塗布層からなり、該塗布層はベンゾトリアゾール基を有する(メタ)アクリル樹脂15〜80重量%、ビニル系共重合体からなり、側鎖にカチオン性基を有し、該カチオン性基が第4級アンモニウム塩である化合物である帯電防止剤15〜80重量%を含有してなる、厚み0.02〜0.2μmの塗布層であることを特徴とする、光反射板用白色フィルム。
  2. 塗布層が界面活性剤を5〜30重量%を含有する、請求項1記載の光反射板用白色フィルム。
  3. 白色ポリエステルフィルムが、不活性粒子を含有する支持層と、該支持層に接しボイド形成物質を含有する白色層とからなる積層フィルムである、請求項1記載の光反射板用白色フィルム。
  4. 支持層が、平均粒径0.3〜3.0μmの不活性粒子3〜50重量%と、イソフタル酸3〜20モル%およびテレフタル酸80〜97モル%をジカルボン酸成分としエチレングリコールをジオール成分としてなるポリエステル50〜97重量%と、からなる組成物から構成される、請求項記載の光反射板用白色フィルム。
  5. 白色層が、平均粒径0.3〜3.0μmの不活性粒子31〜60重量%と、ナフタレンジカルボン酸3〜100モル%およびテレフタル酸0〜97モル%をジカルボン酸成分としエチレングリコールをジオール成分としてなるポリエステル40〜69重量%と、からなる組成物から構成される、請求項3または4記載の光反射板用白色フィルム。
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