以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態における生産システムが適用された生産ラインの一例の概略構成を示すブロック図である。
この生産ラインでは、組合せ秤1と、包装機2と、重量選別機3と、金属検出機4と、X線異物検出装置5と、振分装置6と、箱詰め装置7とを有している。
この生産ラインでは、スナック菓子等の食品等からなる物品が組合せ秤1へ供給され、組合せ秤1では所定重量範囲内の重量となる物品を順次排出する。組合せ秤1から物品が排出されるたびに包装機2では例えば製袋しながら物品を包装する。重量選別機3では、包装された物品の重量が許容重量範囲内の重量であるか否かを検査し、その検査結果である振分信号を振分装置6へ送信する。そして、重量選別機3を通過した物品は、金属検出機4へ搬送され、さらにX線異物検出装置5へ搬送される。金属検出機4とX線異物検出装置5とは、それぞれ重量選別機3から搬送されてきた物品に対し異物が混入されているか否かを検査し、それぞれ検査結果である振分信号を振分装置6へ送信する。重量選別機3、金属検出機4及びX線異物検出装置5のそれぞれから振分装置6へ送信される振分信号は、それぞれの装置での検査において良品であるか不良品であるかを判定した結果を示す信号である。振分装置6では、重量選別機3、金属検出機4及びX線異物検出装置5のいずれかにおいて不良品と判定された物品を排除し、良品のみを箱詰め装置7へ搬送する。
組合せ秤1は、装置本体1Aと操作表示器1Bと制御装置1Cとマイクロホン8とスピーカ9とを有している。同様に、包装機2は、装置本体2Aと操作表示器2Bと制御装置2Cとマイクロホン8とスピーカ9とを有し、重量選別機3は、装置本体3Aと操作表示器3Bと制御装置3Cとマイクロホン8とスピーカ9とを有し、金属検出機4は、装置本体4Aと操作表示器4Bと制御装置4Cとマイクロホン8とスピーカ9とを有し、X線異物検出装置5は、装置本体5Aと操作表示器5Bと制御装置5Cとマイクロホン8とスピーカ9とを有し、箱詰め装置7は、装置本体7Aと操作表示器7Bと制御装置7Cとマイクロホン8とスピーカ9とを有している。振分装置6は、装置本体6Aと制御装置6Cとを有している。
ここで、振分装置6以外の各装置の制御装置1C,2C,3C,4C,5C,7Cは、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)ケーブル31によって接続され、各装置の制御装置間で必要な情報を通信可能に構成されている。この構成は、無線LANによって実現されていてもよい。また、図示していないが、組合せ秤1の制御装置1Cと包装機2の制御装置2Cとは必要な信号を授受するための信号ラインでも接続され、重量選別機3、金属検出機4及びX線異物検出装置5の制御装置3C,4C,5Cと振分装置6の制御装置6Cとは前述の振分信号の信号ラインでも接続されている。
本発明が適用される物品処理装置は、振分装置6以外の装置、すなわち、組合せ秤1、包装機2、重量選別機3、金属検出機4、X線異物検出装置5及び箱詰め装置7である。これらの代表として、以下では、組合せ秤1について詳しく説明する。
図2は組合せ秤1の一例の概略構成を示す模式図である。
この組合せ秤1は装置本体1Aと操作装置1Mとを備えている。装置本体1Aには、装置中央の上部に、外部の供給装置19から供給される物品を振動によって放射状に分散させる円錐形の分散フィーダ11が設けられている。分散フィーダ11の周囲には、分散フィーダ11から送られてきた物品を振動によって各供給ホッパ13に送りこむための直進フィーダ12が放射状に複数設けられている。各直進フィーダ12の下方には、供給ホッパ13及び計量ホッパ14がそれぞれ対応して設けられている。供給ホッパ13は直進フィーダ12から送りこまれた物品を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ14が空になると排出ゲートを開いて計量ホッパ14へ物品を供給する。また、各計量ホッパ14には、計量ホッパ14内の物品の重量を計測するロードセル等の重量センサ15が取り付けられ、各重量センサ15による計測値は制御装置1Cへ出力される。計量ホッパ14の下方には、集合シュート16が配設され、集合シュート16の出口にはファネル17が設けられ、このファネル17の下方に包装機2が配置される。後述の排出組合せに選択された計量ホッパ14はその排出ゲートを開いて物品を排出し、その排出された物品は集合シュート16及びファネル17を介して包装機2に送出され、包装機2で袋詰めされる。
また、分散フィーダ11の上方に、分散フィーダ11上の物品の層厚を検出するために例えば超音波センサからなるレベル検出器18が設けられている。このレベル検出器18の検出信号は制御装置1Cへ出力され、制御装置1Cでは、レベル検出器18の検出信号を基に、分散フィーダ11上の物品を一定量に保つように供給装置19を制御する。
この組合せ秤の操作装置1Mには、制御装置1C及び操作表示器1Bに加え、マイクロホン8、スピーカ9及びイヤホンジャック10(図1では図示を省略)が、操作表示器1Bのスクリーンの近傍に設けられている。
制御装置1Cは、例えばマイクロコンピュータ等によって構成され、マイクロコンピュータのCPU等からなる制御部21と、マイクロコンピュータのRAM及びROM等からなる記憶部22と、図1の生産ラインを構成する他の物品処理装置とLANケーブル31を介して通信を行うための通信処理部23と、符号化部24と、復号化部25と、制御部21へ日時情報(年月日及び時刻)を提供する例えばリアルタイムクロックからなる時計26とを有している。制御部21は、CPUが記憶部22のROMに記憶されたCPUの実行プログラムを実行することにより、供給装置19及び組合せ秤の装置本体1Aの全体の動作制御を行う他、通信処理部23、符号化部24及び復号化部25を制御する。なお、記憶部22によって第1及び第2の音声データ記憶手段が構成され、符号化部24によって音声データ作成手段が構成され、復号化部25によって音声信号再生手段が構成される。
また、制御部21は、前述の排出組合せを求める組合せ処理を行う。この組合せ処理では、重量センサ15により計測された各計量ホッパ14内の物品の重量に基づいて組合せ演算を行い、物品の重量の合計(組合せ重量)が予め定められた所定重量範囲内になる計量ホッパ14の組合せを1つ選択し、それを排出組合せとする。
操作表示器1Bは、例えばタッチスクリーン式のディスプレイによって構成され、組合せ秤の運転開始操作及び運転停止操作等の運転の操作と運転条件等のパラメータの入力操作とを行うための操作部1Baと、運転速度、組合せ重量等をスクリーン(ディスプレイ画面)に表示する表示部1Bbとを備えている。
また、制御装置1Cの制御部21は、操作表示器1Bの操作部1Baからの信号を入力するとともに、操作表示器1Bの表示部1Bbへ表示するデータ等の信号を出力する。
本実施形態では、操作装置1Mにマイクロホン8及びスピーカ9等が設けられている。そして、作業者が操作表示器1Bに所定の録音操作を行い、マイクロホン8に向かって連絡事項を話すことにより、その話した音声が音声ファイルに変換されて記憶部22に記憶される。この場合、マイクロホン8では、外部から入力される音響信号(音声)をアナログ音声信号に変換して符号化部24へ出力する。符号化部24では、アナログ音声信号を符号化することにより音声データ(デジタルデータ)に変換して制御部21へ出力する。制御部21では、音声データを所定のファイル形式例えばWAVE形式の音声ファイルにファイル化し、記憶する順番にファイル番号を付して記憶部22に記憶させる。音声ファイルは音声データにファイル形式等に応じたヘッダ情報を付加して生成される。
ここで、制御部21は、音声ファイルを記憶部22に記憶させるときに、そのファイル番号と音声ファイルを記憶するときの日時(録音日時)とからなる録音履歴を録音送信履歴表に記憶する。録音送信履歴表の記憶領域は記憶部22内に設けられている。図3(a)は、録音送信履歴表T1の一例を示す図であり、各録音履歴は、ファイル番号及び録音日時からなり、録音日時は、時計26から取得する。録音送信履歴表T1において、録音日時の右側の送信先、送信日時及び識別情報は後述する送信履歴である。
なお、記憶部22には、組合せ秤、包装機、重量選別機、金属検出機、X線異物検出装置及び箱詰め装置の各装置に対応して音声ファイル記憶領域が設けられている。すなわち、組合せ秤の音声ファイル記憶領域には前述のように組合せ秤で録音される音声ファイルが記憶される。また、組合せ秤以外の各物品処理装置の音声ファイル記憶領域には各物品処理装置から送信されてきた連絡事項の音声データがファイル化されて音声ファイルとして記憶される。
また、上記のようにして記憶部22に音声ファイルとして記憶された連絡事項は、例えば操作表示器1Bに所定の再生操作がなされることによりスピーカ9から音響信号(音声)として出力されることにより再生される。この場合、制御部21は、再生すべき音声ファイルの音声データを記憶部22から読み出して復号化部25へ出力する。復号化部25では、音声データを復号化することによりアナログ音声信号に変換してスピーカ9へ出力する。スピーカ9では、アナログ音声信号を音響信号(音声)に変換して外部へ出力する。また、復号化部25の出力はイヤホンジャック10へも出力される。騒音が大きいときにはイヤホンジャック10にヘッドホンを接続してヘッドホンで聞くことにより、連絡事項を聞き取りやすくなる。
また、通信処理部23は、ネットワークインターフェース機能及びパケット組立て分解機能(PAD:Packet Assembly Disassembly)を有している。例えば、他の物品処理装置へ所定のデータを送信する場合には、所定のデータに送信先及び送信元のIPアドレスを含むヘッダ情報を付加したいくつかのパケットにして、ネットワーク1へ送出する。また、通信処理部23は、ネットワーク1から、送信先のIPアドレスが自己のアドレスであるパケットを取得し、この取得したパケットからデータ部分等を抽出して制御部21へ渡す。
なお、制御装置1Cが装置本体1Aを制御する機能の一部が、操作装置1Mではなく装置本体1Aに設けられてあってもよい。
なお、組合せ秤1以外の本発明が適用された物品処理装置、すなわち、包装機2、重量選別機3、金属検出機4、X線異物検出装置5及び箱詰め装置7についても、それぞれの装置本体の制御機能が異なる以外は、組合せ秤1の操作装置1Mと同様の機能を有する操作装置を有している。
また、振分装置6は、物品を搬送するコンベアとこのコンベア上から物品(不良品)を排除するための装置などからなる装置本体6Aと、装置本体6Aを制御する制御装置6Cとを有している。この制御装置6Cは、例えば図2に示す組合せ秤の制御装置1Cから通信処理部23、符号化部24、復号化部25及び時計26を除いたブロック構成である。
なお、前述の振分信号のように、生産ラインを稼動中に特定の装置間で所定の信号を授受する場合には、その入出力回路が各制御装置に設けられているが、ここでは図示されていない。
次に、各物品処理装置において録音した音声データを他の物品処理装置へ送信する場合、及び他の物品処理装置から送信された音声データを受信する場合について、組合せ秤を例に詳しい説明をする。
組合せ秤から他の物品処理装置へ音声データを送信する場合、例えば、組合せ秤において録音され、記憶部22に記憶されている音声ファイルを他の物品処理装置へ送信する場合には、制御部21が送信する音声ファイルを記憶部22から読み出してその音声データ部分を通信処理部23へ渡す。通信処理部23では、音声データ部分に、送信先及び送信元のIPアドレスと識別情報(送信データの識別情報)とを含むヘッダ情報を付加したいくつかの音声パケットにパケット化し、ネットワーク1へ送出するとともに、上記識別情報を制御部21へ渡す。なお、送信先は制御部21から通信処理部23へ与えられる。
この際、制御部21は、図3(a)に示す録音送信履歴表T1において、送信する音声ファイルのファイル番号に該当する送信履歴として、送信先、送信日時及び識別情報を記憶する。送信日時は、時計26から取得する。
組合せ秤が他の物品処理装置から送信された音声データ(音声パケット)を受信する場合、通信処理部23は、ネットワーク1から、送信先のIPアドレスが自己のアドレスである音声パケットを取得し、この音声パケットから抽出した音声データ部分と、同音声パケットのヘッダ情報から抽出した送信元及び識別情報とを制御部21へ渡す。制御部21では、渡された音声データを所定のファイル形式例えばWAVE形式の音声ファイルにファイル化し、ファイル番号を付して記憶部22内に設けられた送信元の装置の音声ファイル記憶領域に記憶させる。このとき、ファイル番号は、各装置に対応して設けられている音声ファイル記憶領域ごとに、記憶される順番に付される。
この際、制御部21は、記憶部22内に設けられた受信履歴表に受信履歴を記憶する。図3(b)は、受信履歴表T21〜T25の一例を示す図であり、受信履歴表は、送信元ごとに作成されている。ここでは、包装機からの受信履歴表T21、金属検出機からの受信履歴表T22、異物検出装置からの受信履歴表T23、重量選別機からの受信履歴表T24及び箱詰め装置からの受信履歴表T25が作成されている。これらの受信履歴表に記憶される各受信履歴は、ファイル番号、受信日時、識別情報及び未再生フラグからなる。受信日時は、時計26から取得する。制御部21は、受信履歴を記憶する際、未再生フラグをたてる(未再生フラグのセット)。なお、未再生フラグは、該当する音声ファイルが組合せ秤において未再生であることを示すフラグであり、その音声ファイルを再生するときに制御部21によってリセットされる。未再生フラグは、例えば、セットされている状態のときその値が「1」であり、リセットされると「0」になる。
次に、組合せ秤1を例に、作業者の操作表示器1Bに対する操作とともにそれによる操作装置1M内の動作を説明する。
この組合せ秤1では、例えば、電源を投入すると、操作表示器1Bのスクリーンに、ログイン画面(図示せず)が表示される。作業者は、ログイン画面の所定箇所に、個々の作業者に定められた作業者コード及びパスワードを入力し、ログイン画面内の「ログイン」キーをタッチしてログインすると、メニュー画面(図示せず)が表示される。このメニュー画面には、例えば、自動運転画面呼び出しキー、音声登録再生送信画面呼び出しキーなどが表示され、各々のタッチキーをタッチすると該当する画面が表示される。作業者が自動運転画面呼び出しキーにタッチすると、組合せ秤の自動運転の開始操作及び停止操作等を行うための自動運転画面(図示せず)が表示される。また、音声登録再生送信画面呼び出しキーをタッチすると、例えば図4に示すような音声登録再生送信画面41が表示される。また、自動運転画面(図示せず)中にも、音声登録再生送信画面呼び出しキーが設けられ、自動運転中にも音声登録再生送信画面41を呼び出すことができる。作業者は、勤務終了時には操作表示器1Bに所定の操作を行って組合せ秤の運転を停止し、ログアウトして作業を終了する。
図4〜図6は、それぞれ本実施形態における組合せ秤の操作表示器1Bのスクリーンに表示される音声登録再生送信画面の一例を示す図である。
図4に示す音声登録再生送信画面41は、例えば、メニュー画面または自動運転画面上で、音声登録再生送信画面呼び出しキーをタッチすることにより表示される。復帰キー54をタッチすると、この音声登録再生送信画面41を呼び出した画面に戻る。
この音声登録再生送信画面41では、組合せ秤で録音して記憶されている音声ファイルのファイル番号と、他の物品処理装置から送信されてきて記憶されている音声ファイルのファイル番号とが表示されている。ここで、組合せ秤及び包装機等の各装置名の表示エリア42〜47の右側は、記憶されている音声ファイルのファイル番号の表示エリアになっている。組合せ秤のファイル番号は、制御部21が記憶部22に記憶されている録音送信履歴表T1を参照し、その情報を操作表示器1Bに与えることにより表示される。また、他の装置のファイル番号は、制御部21が記憶部22に記憶されている各受信履歴表T21〜T25を参照し、その情報を操作表示器1Bに与えることにより表示される。
組合せ秤以外のファイル番号の表示エリアに未再生マーク57がファイル番号とともに表示されているものについては、そのファイル番号の音声ファイルが1回も再生されていないことを示している。例えば、金属検出機から組合せ秤へ送信されてきた音声ファイルとして、ファイル番号が「1」〜「3」の3つの音声ファイルが記憶されているが、このうち、ファイル番号が「1」の音声ファイルについては1回も再生されていない。未再生マーク57は、制御部21が各受信履歴表T21〜T25の未再生フラグの状態を参照し、その情報を操作表示器1Bに与えることにより表示される。作業者は、未再生マーク57が表示されているか否かによって、そのファイル番号の音声ファイルが未再生であるか否かを容易に見分けることができる。
また、組合せ秤以外の各装置名の表示エリア43〜47はそれぞれタッチキーとなっている。また、各装置名の表示エリア42〜47の右側の各ファイル番号の表示エリアはタッチキーとなっている。なお、この画面では、各装置について、ファイル番号は「1」〜「6」まで表示可能であり、7個以上の音声ファイルが記憶されている場合には、「6」のファイル番号の後ろに、次シフトキー55が表示されている。この次シフトキー55にタッチすると、「7」以降のファイル番号が表示される。例えば、組合せ秤の次シフトキー55をタッチすると、例えば図5に示すように「7」以降のファイル番号が表示される。この図5において前シフトキー56をタッチすると、図4の「1」〜「6」のファイル番号が表示された状態に戻る。なお、組合せ秤の各ファイル番号の表示エリアには各音声ファイルの記録日時をも表示し、他の装置の各ファイル番号の表示エリアには各音声ファイルの受信日時をも表示するようにしてもよい。
さらに、それらの下段には、タッチキーとして、連絡事項の録音(記憶)を開始するための録音開始キー(音声記録操作手段)48と、連絡事項の録音を停止するための録音停止キー49と、記憶されている連絡事項(音声ファイル)を再生するための再生キー(音声再生操作手段)50と、記憶されている連絡事項を消去するための消去キー51と、記憶されている連絡事項を他の装置へ送信するための送信キー(送信操作手段)52と、会話キー53と、復帰キー54とが表示されている。
まず、連絡事項を記録する場合(音声ファイルを作成する場合)の操作及び動作について説明する。作業者は、録音開始キー48をタッチして、連絡事項をマイクロホン8に向かって話した後、録音停止キー49をタッチする。ここで、録音開始キー48がタッチされると、操作表示器1Bから録音開始信号が制御部21へ入力され、録音停止キー49がタッチされると、操作表示器1Bから録音停止信号が制御部21へ入力される。制御部21は、録音開始信号が入力されると、符号化部24を機能させ、符号化部24で生成される音声データ(デジタルデータ)を取得し、それを音声ファイルにファイル化して記憶部22に記憶させる。録音停止信号が入力されると、符号化部24の機能を停止させるとともに、前述のように録音送信履歴表T1に録音履歴を記憶させる。ここで、録音開始キー48をタッチすると、録音開始キー48の色が変わり、その後、録音停止キー49をタッチすると、録音開始キー48は元の色に戻るように構成されている。
次に、音声ファイル(連絡事項)を組合せ秤から他の物品処理装置へ送信する場合の操作及び動作の一例について図5を参照して説明する。作業者は、組合せ秤に記憶されている音声ファイルの中から送信したい音声ファイルのファイル番号を1つ以上タッチして選択するとともに、送信先の装置名をタッチして送信先を選択した後、送信キー52をタッチする。タッチされたファイル番号の表示エリアと装置名の表示エリアは色が変わり、送信が終了すると元の色に戻る。図5では、組合せ秤のファイル番号「7」〜「9」の音声ファイルが送信ファイルに選択され、包装機と重量選別機とが送信先に選択されている。
そして作業者が送信キー52をタッチしたときに、操作表示器1Bから選択されたファイル番号と送信先とが制御部21へ入力される。制御部21は、ファイル番号と送信先が入力されると、通信処理部23を機能させ、選択されたファイル番号の音声ファイルの音声データ部分を記憶部22から読み出して通信処理部23へ渡す。通信処理部23では、記憶部22から読み出された音声データ部分をいくつかの音声パケットにパケット化して送信先へ送信する。ここで識別情報が音声パケットのヘッダに含まれていることは前述したとおりである。また、制御部21は、前述のように録音送信履歴表T1に送信履歴を記憶させる。
なお、組合せ秤から見て送信先となる物品処理装置の制御装置の内部構成も、図2に示す組合せ秤の制御装置1Cと同様のブロック図で示されるので、ここでは、送信先となる物品処理装置の制御装置の内部要素については、それと同等の組合せ秤の制御装置1Cの内部要素の符号のあとに「r」を付加した符号を用いて説明する。
送信先の装置例えば包装機2の制御装置2C内の通信処理部23rでは、受信した音声パケットから音声データ部分と送信元及び識別情報とを抽出して制御部21rへ出力する。制御部21rでは音声データ部分を所定のファイル形式例えばWAVE形式の音声ファイルにファイル化して記憶部22rに記憶する。また、制御部21rでは、その記憶部22rに記憶されている組合せ秤からの受信履歴表(図3(b)の各受信履歴表と同様)に受信履歴を記憶させる。さらに、受信履歴の受信日時と送信元の情報とに基づいて包装機2の操作表示器2Bのスクリーンに、例えば、図7(a)に示すように、組合せ秤からメッセージを受信した内容が表示された小ウインドウ61を表示させる。この小ウインドウ61内のタッチキー62をタッチすると、受信した音声ファイルが再生される。また、タッチキー62をタッチすると小ウインドウ61が閉じられる。
また、組合せ秤1の通信処理部23が他の物品処理装置から音声パケットを受信した場合も同様である。
このように、各物品処理装置は、他の物品処理装置から音声パケットを受信した場合、音声ファイルとして記憶するとともに受信履歴を記憶し、操作表示器のスクリーンに、送信元の装置からメッセージを受信した内容が表示される。これにより、各物品処理装置の作業者はメッセージ(他の物品処理装置の作業者からの連絡事項)が届いたことを知ることができる。
なお、組合せ秤以外の他の物品処理装置の音声ファイルを別の物品処理装置へ送信(転送)することもできる。例えば、音声登録再生送信画面41において、包装機の音声ファイルのファイル番号の例えば「6」をタッチするとともに、「重量選別機」の表示エリア46をタッチし、送信キー52をタッチすると、包装機2から受信して記憶されているファイル番号が「6」の音声ファイル(音声データ)が重量選別機3へ送信(転送)される。この場合、組合せ秤の制御部21は、例えば、包装機からの受信履歴表T21に転送先と転送日時とを記憶する転送履歴欄を設け、ファイル番号が「6」の行に転送履歴として転送先と転送日時とを記憶するようにする。
次に、音声ファイル(連絡事項)を再生する場合の操作及び動作の一例について図6を参照して説明する。作業者は、再生したい音声ファイルのファイル番号を1つ以上タッチして選択した後、再生キー50をタッチする。タッチされたファイル番号の表示エリアは色が変わり、そのファイル番号の音声ファイルの再生が終了すると元の色に戻る。図6では、金属検出機のファイル番号「1」と、重量選別機のファイル番号「1」〜「4」とがタッチされて選択され、さらに再生キー50がタッチされたときの状態を示す。作業者が再生キー50をタッチすると、操作表示器1Bから選択されたファイル番号の装置名及びファイル番号と再生指令信号とが制御部21へ入力される。制御部21は、再生指令信号が入力されると、復号化部25を機能させ、選択されたファイル番号の装置名の音声ファイル記憶領域から同ファイル番号の音声ファイルを読み出してその音声データ部分を復号化部25へ渡し、復号化部25からアナログ音声信号がスピーカ9へ出力され、スピーカ9で音響信号に変換されて出力される。このようにして、選択されているファイル番号に該当する音声ファイルが順次再生される。
また、制御部21は、再生した音声ファイルが組合せ秤以外の他の物品処理装置、例えば金属検出機4から受信した音声ファイルである場合には、再生した音声ファイルに対応する受信履歴表の未再生フラグの状態を参照し、未再生フラグがセットされていれば、リセットするとともに、同音声ファイルに対応する識別情報と再生した旨の情報とを通信処理部23から金属検出機4へパケット(以下、「再生応答パケット」という)で送信させる。
ここでも、再生応答パケットの送信先となる物品処理装置の制御装置の内部要素については、それと同等の組合せ秤の制御装置1Cの内部要素の符号のあとに「r」を付加した符号を用いて説明する。
上記の再生応答パケットを例えば金属検出機4の通信処理部23rが受信すると、上記識別情報と再生した旨の情報とを制御部21rへ渡す。制御部21rでは、その記憶部22rに記憶されている録音送信履歴表(図3(a)の録音送信履歴表T1と同様)を参照し、識別情報から送信日時と送信先(組合せ秤)との情報を取得し、この送信日時と送信先と再生した旨の情報とに基づいて金属検出機4の操作表示器4Bのスクリーンに、例えば、図7(b)に示す小ウインドウ71を表示させる。この小ウインドウ71は、タッチキー72をタッチすると閉じられる。
また、組合せ秤1の通信処理部23が他の物品処理装置から上記同様の再生応答パケットを受信した場合も同様である。
このように、各物品処理装置は、他の物品処理装置から再生応答パケットを受信した場合、操作表示器のスクリーンに、他の物品処理装置へ送信したメッセージが再生された旨が表示される。これにより、各物品処理装置の作業者は、他の物品処理装置へ送信した連絡事項が他の物品処理装置の作業者に伝わったことを知ることができる。
以上説明したように、各々の物品処理装置において、連絡事項を音声ファイル(音声データ)で記憶し、その記憶した音声データを他の物品処理装置へ送信することができる。また、他の物品処理装置から送信されてきた音声データを音声ファイルとして記憶し、再生することができる。すなわち、生産現場における個々の作業者が携帯電話やトランシーバを用いることなく、作業者間の連絡事項の伝達を容易に行え、かつ連絡事項を記録することができる。連絡事項には、生産システムに関する連絡事項等がある。生産システムに関する連絡事項には、例えば、生産システムの生産量や稼働時間等に関する連絡事項、生産システムを構成する個々の物品処理装置の状態(不具合や癖)に関する連絡事項、及び個々の物品処理装置に関する質問及びそれに対する応答等も含まれる。
次に、音声ファイルを消去する場合の操作及び動作の一例について説明する。作業者は、消去したい音声ファイルのファイル番号を1つ以上タッチして選択した後、消去キー51をタッチすると、選択されたファイル番号の音声ファイルが記憶部22から消去されるとともに、消去された音声ファイルの履歴も録音送信履歴表あるいは受信履歴表から消去される。
次に、本生産ラインを構成するある物品処理装置の作業者が他の物品処理装置の作業者を呼び出して会話する場合の操作及び動作の一例について説明する。ここでは、組合せ秤1の作業者が包装機2の作業者を呼び出して会話する場合を例に説明する。ここでも、包装機2の制御装置2Cの内部要素については、それと同等の組合せ秤の制御装置1Cの内部要素の符号のあとに「r」を付加した符号を用いて説明する。
この場合、組合せ秤1の作業者は、図4に示す音声登録再生送信画面41において、会話する相手先の装置名(ここでは包装機のタッチキー43)をタッチして、会話キー53をタッチする。これにより操作表示器1Bから呼び出し指令と送信先(包装機)とが制御部21へ入力される。制御部21は、呼び出し指令と送信先が入力されると、通信処理部23を機能させ、送信先へ送信元の情報を含む呼び出し指令情報を送信させる。なお、会話キー53はタッチされると所定時間sの間、例えば黄色に変化し、所定時間sの間に制御部21に後述の会話可能情報が入力されなければ、元の色に戻る。元の色に戻った場合には会話はできない。
送信先である包装機2の通信処理部23rでは、受信した呼び出し指令情報を制御部21rへ出力する。この送信先の制御部21rでは、呼び出し指令情報を入力すると、例えば図7(c)に示すように、送信元の装置名(組合せ秤)と会話キー53rとが表示された小ウインドウ81を操作表示器2Bのスクリーンに所定時間sの間表示させるとともに、予め記憶部22rに記憶されている呼び出し音の音声ファイルを読み出してその音声ファイルの音声データを復号化部25rへ渡す。そして復号化部25rからアナログ音声信号がスピーカ9r(包装機2のスピーカ9)へ出力され、スピーカ9rから呼び出し音が所定時間sの間出力される。
そして、上記所定時間sが経過するまでの間に、包装機2の作業者が、上記小ウインドウ81に表示された会話キー53rをタッチすると、制御部21rへ会話可能信号が入力される。制御部21rは会話可能信号が入力されると、会話キー53rを例えば青色に変えるとともにスピーカ9rからの呼び出し音を停止させ、さらに通信処理部23rから上記送信元の組合せ秤1へ会話可能情報をパケットにして送信させる。
組合せ秤1の通信処理部23では、受信した会話可能情報を制御部21へ出力する。制御部21では、会話可能情報を入力すると、会話キー53を例えば青色に変える。
以上のように、組合せ秤の会話キー53及び包装機の会話キー53rが青色になると、組合せ秤1と包装機2とが会話モードに設定された状態となる。この状態で、組合せ秤1の作業者がマイクロホン8に向かって話すと、その音声が記憶部22に音声ファイルとして記憶されるとともに通信処理部23から音声パケットで包装機2へ送信される。すなわち、マイクロホン8から出力されるアナログ音声信号は、符号化部24によって音声データに変換されて制御部21へ入力される。制御部21では、音声データを音声ファイルにファイル化して記憶部22に記憶するとともに、音声データを通信処理部23へ渡す。通信処理部23では、音声データを音声パケットにパケット化して包装機2へ送信する。ここで、制御部21は、録音送信履歴表T1に録音履歴及び送信履歴を記憶させる。
包装機2の通信処理部23rでは、受信した音声パケットから音声データ部分を取り出して制御部21rへ出力する。制御部21rでは、音声データ部分を音声ファイルにファイル化して記憶部22rに記憶するとともに音声データ部分を復号化部25rへ渡し、復号化部25rからアナログ音声信号がスピーカ9rへ出力され、スピーカ9rから音声として出力される。ここで、制御部21rは、記憶部22r内の組合せ秤からの受信履歴表に受信履歴を未再生フラグをリセット状態にして記憶させる。
同様に、包装機2の作業者がマイクロホン8r(包装機2のマイクロホン8)に向かって話すと、その音声が記憶部22rに音声ファイルとして記憶されるとともに通信処理部23rから音声パケットで組合せ秤1へ送信される。このとき包装機2の録音送信履歴表に録音履歴及び送信履歴が記憶される。そして組合せ秤1へ送信された音声パケットは、組合せ秤の通信処理部23で音声データ部分を取り出して制御部21へ出力され、制御部21で音声ファイルにファイル化されて記憶部22に記憶されるとともに復号化部25を介してスピーカ9から音声として出力される。このとき包装機からの受信履歴表T21に受信履歴(未再生フラグはリセット状態)が記憶される。
以上のようにして組合せ秤1の作業者は包装機2の作業者と会話をすることができ、その会話はそれぞれの記憶部22,22rに記憶される。そして、組合せ秤1の作業者が、会話を終了させる場合には、会話キー53をタッチすると、制御部21に会話終了信号が入力され、会話キー53及び包装機のタッチキー43は元の色に戻る。また、制御部21は、通信処理部23に対して会話終了情報をパケットにして包装機2へ送信させる。包装機2では、その通信処理部23rを介して制御部21rが会話終了情報を受け取ると、会話キー53rの表示された小ウインドウ81が閉じられる。
また、包装機2の作業者が、会話を終了させる場合には、小ウインドウ81上の会話キー53rをタッチすると、制御部21rに会話終了信号が入力され、会話キー53rの表示された小ウインドウ81が閉じられる。また、制御部21rは、通信処理部23rに対して会話終了情報をパケットにして組合せ秤1へ送信させる。組合せ秤1では、その通信処理部23を介して制御部21が会話終了情報を受け取ると、会話キー53及び包装機のタッチキー43を元の色に戻す。
以上のようにして、2つの物品処理装置の作業者間で会話することができる。
また、各装置の操作表示器の近傍にWebカメラを取り付け、会話する場合に、テレビ電話のように、相手の顔を操作表示器のスクリーンに表示させるように構成すれば、相手の表情もわかるので、意思疎通が図りやすくなり、情報伝達がスムーズになる。
また、各装置の操作表示器を含む操作装置に、トランシーバ(無線機)あるいはインターホンの機能を設けて、各装置間で会話できるように構成してもよい。