以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、オフィスビルを監視対象とする建物(以下、「監視対象建物」という。)とした犯罪防止システムに適用した場合について説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1〜図3を参照して、本発明が適用された犯罪防止システム10の構成を説明する。
図1〜図3に示すように、本形態に係る犯罪防止システム10は、当該システム10の中心的な役割を担う犯罪防止装置20を有している。なお、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、犯罪防止装置20が、監視対象建物90のサーバ装置85Aが設置されたサーバ室85に設置されているが、これに限らず、他の部屋や監視対象建物90以外の建物等に設けられていてもよい。
一方、本実施の形態に係る犯罪防止システム10は、表示部30A,操作部30B,警報部30Cを備えた操作パネル30と、動画像の撮影を行うことができるビデオカメラ(以下、「カメラ」という。)40と、後述するID(Identification)カード52に記憶されている情報を読み出すカードリーダ50と、後述する扉80Bの施錠および解錠を行う施解錠部60と、を備えている。
図2および図3に示されるように、本実施の形態に係る監視対象建物90は、監視対象建物90の内部に入館する際にホール80を通過する必要がある。
ホール80は、外部から当該ホール80に通じる扉80Aと、当該ホール80から監視対象建物90の内部に通じる扉80Bとを有している。ここで、扉80Aは、特に規制されることなく開閉することができるものとされている一方、扉80Bの近傍には前述した施解錠部60が設けられており、その施錠および解錠が施解錠部60によって行われる。
ところで、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、監視対象建物90に無制限に入館できる人を、予め定められた許可者(ここでは、監視対象建物90に入居している会社に所属している人)のみに制限しており、当該許可者には、許可者毎に異なるものとして付与され、犯罪防止装置20の後述する二次記憶部20D(図4も参照。)に予め登録された識別情報が記憶されているIDカード52が配布される。
そして、ホール80の扉80Bの近傍には前述したカードリーダ50が設けられており、上記許可者が監視対象建物90から外出する際にはIDカード52を携帯することにより、当該許可者がホール80から監視対象建物90の内部に入館する際には、犯罪防止装置20により、カードリーダ50を介して当該許可者が携帯しているIDカード52から識別情報を取得して認証(Authentication)するようにしている。
なお、本実施の形態では、IDカード52として、カードリーダ50の予め定められた情報読み取り部(図示省略。)にかざすことによってカードリーダ50により上記識別情報を読み取ることのできる非接触型のIDカードを適用しているが、これに限らず、接触型のIDカード等の他のIDカードを適用する形態としてもよい。
一方、図2および図3に示されるように、ホール80の扉80Bの近傍には前述した操作パネル30が設けられると共に、ホール80の天井面で、かつ扉80Bの近傍には前述したカメラ40が設けられている。
上記許可者は、上述したIDカード52を用いた認証の他、自身に配布されたIDカード52に記憶されている識別情報を操作パネル30の操作部30Bを介して入力することによって犯罪防止装置20による認証をうけることもできる。
また、カメラ40は、ホール80の略全域が撮影可能とされている。なお、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、カメラ40による撮影範囲が、少なくとも、監視対象建物90の内部への入館者70が、IDカード52をカードリーダ50の情報読み取り部にかざしたり、識別情報を操作パネル30の操作部30Bを介して入力する等して認証の手続きを行う際に位置される領域が含まれるように、カメラ40の設置位置および設置角度が予め設定されている。
図1に示されるように、犯罪防止装置20には操作パネル30が電気的に接続されており、犯罪防止装置20は、操作パネル30の表示部30Aによる各種情報の表示、操作部30Bに対して行われた操作内容の把握、および警報部30Cによる警報の出力を各々行うことができる。
また、犯罪防止装置20にはカメラ40も電気的に接続されており、犯罪防止装置20は、カメラ40による撮影によって得られた画像情報を入力することができる。なお、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、カメラ40を常時作動させており、犯罪防止装置20には、カメラ40から撮影によって得られている動画像を示す画像情報が常時入力される。
また、犯罪防止装置20にはカードリーダ50も電気的に接続されており、犯罪防止装置20は、カードリーダ50によって読み取られた識別情報を入力することができる。さらに、犯罪防止装置20には施解錠部60も電気的に接続されており、犯罪防止装置20は、施解錠部60を介した扉80Bの施錠および解錠を遠隔操作することができる。
一方、本実施の形態に係る監視対象建物90は、図2に示すように、打合せ室82A〜82D,応接室83A〜83C,一般事務室84A〜84C,サーバ室85,金庫室86,社長室87の各部屋と、階段室88A〜88Bと、廊下89A〜89Fと、の各区画領域に壁によって区画されている。
そして、これらの区画領域には、各々の天井面に動画像の撮影を行うことができるビデオカメラ(以下、「カメラ」という。)42が設けられており、各カメラ42は、設けられている区画領域における配設位置周辺が撮影可能とされている。
本実施の形態に係る犯罪防止装置20には、カメラ42による撮影によって得られた画像情報に基づいて、監視対象建物90の内部に存在する人を自動的に追跡する自動追跡機能が備えられており、各カメラ42は、隣接するカメラ42同士の撮影範囲の端部近傍が互いに重なり合うと共に、各カメラ42によって監視対象建物90の内部の略全域が撮影できるように、各カメラ42の設置位置および設置角度が予め設定されている。
図1に示されるように、犯罪防止装置20には各カメラ42も電気的に接続されており、犯罪防止装置20は、各カメラ42による撮影によって得られた画像情報をカメラ42毎に入力することができる。なお、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、カメラ42もまた、カメラ40と同様に常時作動させており、犯罪防止装置20には、カメラ42から撮影によって得られている動画像を示す画像情報が常時入力されている。
そして、本実施の形態に係る犯罪防止装置20は、カメラ40およびカメラ42から入力された画像情報に基づいて、当該画像情報によって示される画像に人が存在するか否かを認識し、人が存在する場合に存在位置を示す存在位置情報を導出する人位置検出機能を有している。
なお、本実施の形態に係る犯罪防止装置20では、上記人が存在するか否かの認識を、カメラ40およびカメラ42から入力された画像情報により示される画像に、略円形形状で、かつ人の頭部の平面面積の範囲内として予め定められたサイズの領域であり、黒色、茶色、白色、金色等の人の頭髪の色として予め定められた色と、肌色の少なくとも一方の色が全面積の半分以上を占める領域が存在する場合に、当該領域が人の領域であるものと見なして人が存在すると認識することにより行っているが、これに限らず、従来既知の他の人認識技術を適用して行う形態としてもよい。また、本実施の形態に係る犯罪防止装置20では、上記人の存在位置を示す存在位置情報を、カメラ40およびカメラ42により撮影対象とする全ての領域の平面形状を各々同一サイズとして構成された正方形でマトリクス状に区分し、予め定められた正方形の位置を原点(0,0)としたX−Y座標系の座標情報として導出するものとされている。
本実施の形態に係る犯罪防止装置20では、前述した自動追跡機能を、カメラ40およびカメラ42から入力された画像情報に基づいて、当該画像情報により上記人位置検出機能によって特定される人の領域から予め定められた特徴点を抽出して追跡する、いわゆる特徴点追跡アルゴリズムを用いて実現している。
なお、特徴点追跡アルゴリズムについては、特開2009−20800号公報等の多くの文献に記載されており、従来既知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
さらに、監視対象建物90の各部屋にはインターホン44(図2では図示省略。図1参照。)が設けられており、犯罪防止装置20には全てのインターホン44が電気的に接続されている。
監視対象建物90の各部屋には、部屋毎に当該部屋を識別するための部屋番号が予め付与されており、監視対象建物90への上記許可者を除く入館者で、かつ何れかの部屋を訪問する入館者は、操作パネル30の操作部30Bを介して訪問先の部屋に対応する部屋番号を入力することにより、操作パネル30および犯罪防止装置20と、訪問先に設けられたインターホン44とを介して、訪問先の部屋にいる人と通話することができる。
また、各インターホン44には、扉80Bを解錠する際に押圧操作される解錠ボタン(図示省略。)が設けられており、インターホン44は、当該解錠ボタンが押圧操作された際に、扉80Bの解錠を指示する解錠指示情報を犯罪防止装置20に送信する。そして、犯罪防止装置20は、何れかのインターホン44から解錠指示情報を受信すると、扉80Bを解錠するように施解錠部60を制御する。
なお、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、施解錠部60により解錠されると扉80Bが開状態となり、予め定められた期間(本実施の形態では、5秒間)が経過した後に、扉80Bの所定距離以内(本実施の形態では、扉80Bからの平面距離が1m以内)に人が存在しない場合には扉80Bが閉状態となって施錠される一方、人が存在する場合には、当該人が扉80Bの上記所定距離以内に存在しなくなった時点で扉80Bが閉状態となって施錠されるように制御される。
次に、図4を参照して、本システムにおいて特に重要な役割を有する犯罪防止装置20の電気系の要部構成を説明する。
同図に示すように、本実施の形態に係る犯罪防止装置20は、犯罪防止装置20全体の動作を司るCPU(中央処理装置)20Aと、CPU20Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM20Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM20Cと、各種情報を記憶するために用いられる記憶手段としての二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)20Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード20Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ20Fと、外部装置等との間の各種信号の授受を司る入出力I/F(インタフェース)20Gと、が備えられており、これら各部はシステムバスBUSにより電気的に相互に接続されている。
従って、CPU20Aは、RAM20B、ROM20C、および二次記憶部20Dに対するアクセス、キーボード20Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ20Fに対する各種情報の表示、及び入出力I/F20Gを介した外部装置等との間の各種信号の授受を各々行うことができる。なお、操作パネル30、カメラ40、カメラ42、インターホン44、カードリーダ50、および施解錠部60は、入出力I/F20Gを介して犯罪防止装置20に電気的に接続されている。
一方、図5には、犯罪防止装置20に備えられた二次記憶部20Dの主な記憶内容が模式的に示されている。
同図に示すように、二次記憶部20Dには、各種データベースを記憶するためのデータベース領域DBと、各種アプリケーション・プログラム等を記憶するためのプログラム領域PGと、が設けられている。
また、データベース領域DBには、識別情報データベースDB1、属性情報データベースDB2、位置情報データベースDB3、第1不審度データベースDB4、第2不審度データベースDB5、および犯罪リスク値データベースDB6が含まれる。以下、各データベースの構成について詳細に説明する。
本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、上記許可者を、犯罪から守りたい人(以下、「被守備者」という。)と、被守備者に対する犯罪の発生を防止するための人(以下、「守備者」という。)と、に区分している。
上記識別情報データベースDB1は、上記許可者が被守備者であるのか、守備者であるのかを特定するための情報を記憶するためのものであり、一例として図6に示すように、前述した識別情報および種別の各情報が犯罪防止装置20において対象としている上記許可者の各々毎に記憶されるように構成されている。
なお、上記種別は、対応する識別情報が記憶されたIDカード52を所持している人が被守備者であるのか、守備者であるのかを示す情報である。図6に示される例では、例えば、‘10001’との識別情報を記憶したIDカード52を所持している人は‘被守備者’であり、‘20003’との識別情報を記憶したIDカード52を所持している人は‘守備者’であることを示している。
一方、上記属性情報データベースDB2は、一例として図7に示されるように、上記識別情報および属性が上記許可者毎に記憶されるように構成されている。
なお、上記属性は、対応する識別情報を記憶したIDカード52を所持する許可者の特徴を示す情報であり、本実施の形態に係る属性情報データベースDB2では、図7に示されるように、年齢、性別、身長、および身分の各情報により構成されている。図7に示される例では、例えば、‘10001’との識別情報を記憶したIDカード52を所持している許可者は、65歳の男性で、身長が170cmである社長であり、‘10002’との識別情報を記憶したIDカード52を所持している人は、20歳の女性で、身長が155cmである一般社員であり、‘20001’との識別情報を記憶したIDカード52を所持している人は、24歳の男性で、身長が183cmである警備員であることが示されている。
一方、上記位置情報データベースDB3は、一例として図8に示されるように、カメラID、画素位置、および位置座標の各情報が、カメラ40およびカメラ42の各々毎に記憶されるように構成されている。
なお、上記カメラIDは、カメラ40およびカメラ42を識別するために、カメラ毎に異なる情報(本実施の形態では、アルファベットと数字を組み合わせた情報)として予め付与されたものである。
本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、カメラ40およびカメラ42を、設置位置、撮影方向および拡大率を固定とすることにより、撮影範囲(画角)を予め定められた範囲で固定としておき、その状態でカメラ40およびカメラ42に内蔵された固体撮像素子による画素位置と、これに対応する上記X−Y座標系における位置座標とを関連付けて記憶しておき、この情報に基づいて、カメラ40およびカメラ42から得られた画像情報により示される撮影対象領域の画像に存在する人の位置を特定するようにしている。
位置情報データベースDB3における画素位置および位置座標は、上記固体撮像素子による画素位置および上記X−Y座標系における位置座標に相当するものであり、これらの情報を参照することによって、カメラ40およびカメラ42により撮影された画像内に存在する人の位置を上記X−Y座標系における位置として特定することができる。
なお、本実施の形態に係る位置情報データベースDB3では、図8に示されるように、上記画素位置として、上記固体撮像素子における矩形状とされた画素領域(撮像領域)の一対の対角の座標値を適用し、撮影画像内に存在する人の領域が最も多く含まれる上記画素領域に対応する位置座標を参照することによって当該人の上記X−Y座標系における位置を特定している。このように、本実施の形態では、上記画素位置として、予め定められた範囲を有する情報を適用しているが、これに限らず、例えば、画素位置として上記固体撮像素子における画素領域の1点の座標値を適用し、撮影画像内の人の所定位置(例えば、体全体の重心位置や、頭部の中心位置等)が最も近い画素位置に対応する位置座標を当該人の上記X−Y座標系における位置であるものとして特定する形態等とすることができることも言うまでもない。
一方、上記第1不審度データベースDB4は、一例として図9に示されるように、入館時の行動状態、識別子、および第1不審度Paの各情報が記憶されるように構成されている。
なお、上記入館時の行動状態は、監視対象建物90の内部への入館者70の入館時における行動状態を示す情報であり、同図に示すように、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、前述したIDカード52の提示または識別情報の入力による通常の認証を行って扉80Bを解錠する状態(以下、「自動認証状態」という。)、訪問先の部屋にいる人を呼び出して扉80Bを解錠してもらう状態(以下、「手動認証状態」という。)、および以上の何れかによって認証された人に寄り添い、共連れ入館する状態(以下、「共連れ状態」という。)の3種類の状態が適用されている。
また、上記識別子は、上記行動状態(自動認証状態、手動認証状態、共連れ状態)の各々を識別するための情報であり、上記第1不審度Paは、対応する行動状態に対して予め付与された不審の度合いを示す情報であり、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、第1不審度Paの値が大きいほど、対応する行動状態を行った人の不審の程度が高いことを表す。
図9に示される例では、例えば、自動認証状態に予め付与された識別子が‘Y’であり、監視対象建物90への入館者の入館時における行動状態が自動認証状態であった場合の不審度Paが‘0’であることを示しており、共連れ状態に予め付与された識別子が‘N’であり、監視対象建物90への入館者の入館時における行動状態が共連れ状態であった場合の不審度Paが‘1’であることを示している。
一方、上記第2不審度データベースDB5は、一例として図10に示されるように、追跡時の行動状態、および第2不審度Ptの各情報が記憶されるように構成されている。
なお、上記追跡時の行動状態は、監視対象建物90の内部へ入館した入館者の行動状態を示す情報であり、同図に示すように、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、上記識別子が‘T’とされた人が許可された区画領域以外に存在する状態(以下、「不許可領域存在状態」という。)、上記識別子が‘T’とされた人が許可された時間以上に館内に滞在する状態(以下、「不許可時間滞在状態」という。)、上記識別子が‘N’とされた人が、識別子が‘Y’とされた人と行動を共にしない状態(以下、「未認証状態」という。)、およびその他の状態の4種類の状態が適用されている。
本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、上記許可者のみが入場してもよい区画領域が予め定められており、当該区画領域を示す情報(以下、「入場制限領域情報」という。)が二次記憶部20Dの所定領域に予め記憶されている。また、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、上記許可者以外の入館者(以下、「不定者」という。)が監視対象建物90に滞在してもよい時間を示す情報(以下、「滞在可能時間情報」という。)が二次記憶部20Dの所定領域に予め記憶されている。そして、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、入場制限領域情報を用いて、識別子が‘T’とされた不定者が不許可領域存在状態となっているか否かを判断する一方、滞在可能時間情報を用いて、識別子が‘T’とされた不定者が不許可時間滞在状態となっているか否かを判断する。
一方、上記第2不審度Ptは、対応する追跡時の行動状態に対して予め付与された不審の度合いを示す情報であり、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、第2不審度Ptの値が大きいほど、対応する行動状態を行った人の不審の程度が高いことを表す。
図10に示される例では、不許可領域存在状態、不許可時間滞在状態、および未認証状態の3種類の状態に対して付与された第2不審度Ptが共に‘1’であることを示し、その他の状態に対して付与された第2不審度Ptが‘0’であることを示している。
一方、上記犯罪リスク値データベースDB6は、一例として図11に示されるように、各被守備者に対する各不定者による犯罪リスクの高さを示す犯罪リスク値が、時系列順に記憶されるように構成されている。なお、同図において、tは現在時刻を表し、t−δtは現在からδt秒前の時刻を表し、t+δtは現在からδt秒後の時刻を表している。また、S1,S2,・・・は各々異なる不定者を表し、V1,V2,・・・は各々異なる被守備者を表す。
次に、本実施の形態に係る犯罪防止システム10の作用を説明する。
まず、図12を参照して、監視対象建物90の内部に入館者が入館する際の犯罪防止システム10の作用を説明する。なお、図12は、カメラ40から入力された画像情報に人が存在することが検出された際に犯罪防止装置20のCPU20Aにより実行される入館者層別処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部20Dのプログラム領域PGに予め記憶されている。また、ここでは、錯綜を回避するために、識別情報データベースDB1、位置情報データベースDB3、および第1不審度データベースDB4が予め構築されている場合について説明する。
同図のステップ100では、識別情報データベースDB1および第1不審度データベースDB4の全ての情報を読み出すと共に、位置情報データベースDB3からカメラ40に関する情報を読み出し、次のステップ102では、予め定められた初期画面を表示するように操作パネル30の表示部30Aを制御する。
図13には、上記ステップ102の処理によって表示部30Aに表示される初期画面の一例が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係る初期画面では、IDカード52の提示(以下、「第1行動状態」という。)、識別情報の入力(以下、「第2行動状態」という。)、および訪問先の人の呼び出し(以下、「第3行動状態」という。)の3種類の行動状態の何れかの実行を促すメッセージが表示される。これに応じて、入館者(以下、「正規行動実行入館者」という。)は、上記3種類の行動状態の何れかを行う。
そこで、次のステップ104では、正規行動実行入館者によって上記3種類の行動状態の何れが行われたかを次のように検出する。
すなわち、カードリーダ50によってIDカード52に記憶された識別情報が読み取られた場合には正規行動実行入館者によって第1行動状態が行われたものと判断し、操作パネル30の操作部30Bを介して上記識別情報が入力された場合には正規行動実行入館者によって第2行動状態が行われたものと判断し、操作パネル30の操作部30Bを介して何れかの部屋番号が入力された場合には正規行動実行入館者によって第3行動状態が行われたものと判断する。
次のステップ106では、上記ステップ104の処理によって検出された行動状態が第1行動状態または第2行動状態、すなわち自動認証状態であったか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ108に移行して、予め定められた自動認証処理を実行する。
なお、本実施の形態に係る犯罪防止装置20では、上記自動認証処理を次のように実行する。
すなわち、上記ステップ104の処理によって検出された行動状態が第1行動状態であった場合には、カードリーダ50を介して入力された識別情報が、上記ステップ100の処理によって識別情報データベースDB1から読み出した識別情報に存在するか否かを判定し、存在する場合に限り、正規行動実行入館者が上記許可者であるものと見なして扉80Bを解錠するように施解錠部60を制御する。
これに対し、上記ステップ104の処理によって検出された行動状態が第2行動状態であった場合には、操作パネル30の操作部30Bを介して入力された識別番号が、上記ステップ100の処理によって識別情報データベースDB1から読み出した識別情報に存在するか否かを判定し、存在する場合に限り、正規行動実行入館者が上記許可者であるものと見なして扉80Bを解錠するように施解錠部60を制御する。
以上の自動認証処理によって扉80Bが解錠されると扉80Bは前述したように一時的に開状態となった後に閉状態となって施錠されるので、正規行動実行入館者は扉80Bが開状態となっている期間に扉80Bの配設位置を通過して監視対象建物90の内部に入館する。
次のステップ110では、カードリーダ50によって読み取られた識別情報、または操作パネル30の操作部30Bを介して入力された識別情報に対応する種別を上記ステップ100の処理によって識別情報データベースDB1から読み出した情報から取得すると共に、上記ステップ104の処理によって検出された行動状態に対応する識別子および第1不審度Paを上記ステップ100の処理によって第1不審度データベースDB4から読み出した情報から取得した後、取得した種別、識別子、および第1不審度Paを上記識別情報に関連付けて二次記憶部20Dの所定領域に記憶し、その後にステップ116に移行する。
一方、上記ステップ106において否定判定となった場合は、上記ステップ104の処理によって検出された行動状態が第3行動状態であったものと見なして、ステップ112に移行する。
なお、正規行動実行入館者によって第3行動状態、すなわち手動認証状態が行われた場合には、正規行動実行入館者によって入力された部屋番号に対応する部屋にいる人は、当該部屋に設けられたインターホン44を介して上記正規行動実行入館者と会話を行うことにより、当該正規行動実行入館者が入館してもよい人であるか否かの確認を行い、入館してもよい場合には、インターホン44に設けられた解錠ボタンを押圧操作することにより扉80Bの解錠を指示する。これに応じて扉80Bは、前述したように一時的に開状態となった後に閉状態となって施錠されるので、正規行動実行入館者は扉80Bが開状態となっている期間に扉80Bの配設位置を通過して監視対象建物90の内部に入館する。
そして、ステップ112では、正規行動実行入館者に対して他の入館者とは異なる識別情報を新たに付与し、次のステップ114にて、当該識別情報に関連付けて、種別として‘不定者’を示す情報と、手動認証状態に対応する識別子(本実施の形態では、‘T’)および第1不審度Pa(本実施の形態では、‘0.5’)とを二次記憶部20Dの所定領域に記憶した後、ステップ116に移行する。
ところで、以上のように扉80Bが開状態となって正規行動実行入館者が監視対象建物90の内部に入館する際には、当該正規行動実行入館者以外の人が正規行動実行入館者に寄り添って入館する状態(共連れ状態)が発生する場合がある。
そこで、ステップ116では、カメラ40から入力されている画像情報を用いた人位置検出機能による人の位置の検出結果に基づいて、正規行動実行入館者の入館に伴って他の人(以下、「共連れ者」という。)が入館したか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ122に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ118に移行して、共連れ者に対して他の入館者とは異なる識別情報を新たに付与し、次のステップ120にて、当該識別情報に関連付けて、種別として‘不定者’を示す情報と、共連れ状態に対応する識別子(本実施の形態では、‘N’)および第1不審度Pa(本実施の形態では、‘1’)とを二次記憶部20Dの所定領域に記憶した後、ステップ122に移行する。
ステップ122では、前述した自動追跡機能により、予め定められた特徴点追跡アルゴリズムに従って実行される、以上の処理によって監視対象建物90の内部への入館が確認された入館者に対する特徴点追跡処理を開始し、その後に本入館者層別処理プログラムを終了する。
なお、上記ステップ122により実行される特徴点追跡処理は予め定められた期間(本実施の形態では、0.1秒間)毎に割り込み処理として実行され、カメラ42の各々から入力されている画像情報を用いて、全ての入館者の監視対象建物90の内部における存在位置が個別に求められ、当該存在位置を示す存在位置情報(本実施の形態では、位置情報データベースDB3により規定されるX−Y座標系上の位置を示す情報)が対応する入館者に付与された識別情報に関連付けられて二次記憶部20Dの所定領域にリアルタイムで逐次記憶される。
次に、図14を参照して、犯罪防止処理を実行する際の犯罪防止システム10の作用を説明する。なお、図14は、犯罪防止装置20のキーボード20E等を介して実行指示が受け付けられた際に、CPU20Aにより実行される犯罪防止処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムも二次記憶部20Dのプログラム領域PGに予め記憶されている。また、ここでは、錯綜を回避するために、第2不審度データベースDB5が予め構築されている場合について説明する。
同図のステップ200では、第2不審度データベースDB5の全ての情報を読み出し、次のステップ202では、監視対象建物90の内部への全ての入館者に関する、上記入館者層別処理プログラムのステップ122の処理によって開始された特徴点追跡処理によって逐次記憶されている最新の識別情報および存在位置情報を二次記憶部20Dから読み出す。
次のステップ204では、監視対象建物90の内部への全ての入館者に関する、上記入館者層別処理プログラムのステップ110、ステップ114、およびステップ120の何れかの処理によって記憶された識別情報、種別、識別子、および第1不審度Paを二次記憶部20Dから読み出す。
次のステップ206では、以上の処理によって読み出された識別情報および種別によって特定される守備者と被守備者との距離を次の(1)式により、予め定められた領域内(本実施の形態では、連続した部屋、廊下等といった同一空間内)に存在する守備者と被守備者の全ての組み合わせについて算出し、二次記憶部20Dの所定領域に記憶する。なお、(1)式において、tは現在時刻であり、XViはi番目の被守備者Viの位置の上記X−Y座標系におけるX座標であり、YViはi番目の被守備者Viの位置の上記X−Y座標系におけるY座標であり、XGkはk番目の守備者Gkの位置の上記X−Y座標系におけるX座標であり、YGkはk番目の守備者Gkの位置の上記X−Y座標系におけるY座標であり、DViGk(t)は現時点における被守備者Viと守備者Gkとの距離である。
次のステップ208では、上記識別情報および種別によって特定される不定者と被守備者との距離を次の(2)式により、予め定められた領域内(本実施の形態では、上記同一空間内)に存在する不定者と被守備者の全ての組み合わせについて算出し、二次記憶部20Dの所定領域に記憶する。なお、(2)式において、XSjはj番目の不定者Sjの位置の上記X−Y座標系におけるX座標であり、YSjはj番目の不定者Sjの位置の上記X−Y座標系におけるY座標であり、DViSj(t)は現時点における被守備者Viと不定者Sjとの距離である。
次のステップ210では、上記ステップ202〜ステップ208の処理の実行が本犯罪防止処理プログラムの実行を開始してから1回目の実行であるか否かを判定し、肯定判定となった場合は後述するステップ222に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ212に移行する。
ステップ212では、次の(3)式および(4)式により、所定時間δt(ここでは1秒)後の守備者Gkと被守備者Viとの距離DViGk(t+δt)と、不定者Sjと被守備者Viとの距離DViSj(t+δt)とを算出(予測)する。ここで、(3)式におけるDViGk(t−δt)は、現時点から所定時間δt前の守備者Gkと被守備者Viとの距離で、(4)式におけるDViSj(t−δt)は、現時点から所定時間δt前の不定者Sjと被守備者Viとの距離であり、前回の上記ステップ206およびステップ208の処理によって得られて記憶された値を適用する。
なお、本ステップ212の演算では、守備者、被守備者、および不定者の各々について、同一人物に関する前回の上記ステップ206およびステップ208の処理によって得られた値を適用する必要があるが、これには、上記ステップ202の処理によって前回得られた識別情報と今回得られた識別情報が一致する人を同一人物として適用すればよい。
本ステップ212の演算により、一例として図15に示されるように、守備者Gk、被守備者Vi、および不定者Sjの各々の動線に応じたものとして、距離DViGk(t+δt)および距離DViSj(t+δt)を高精度に予測することができる。
次のステップ214では、不定者Sjに関する追跡時の行動状態が、前述した不許可領域存在状態、不許可時間滞在状態、未認証状態、およびその他の状態の何れの状態にあるかを次のように特定する。
すなわち、前述した入場制限領域情報および滞在可能時間情報を二次記憶部20Dから読み出し、上記存在位置情報により示される位置が入場制限領域情報によって示される区画領域(許可者のみが入場してもよい領域)の内部に位置し、かつ識別子が‘T’である不定者Sjは不許可領域存在状態にあるものとし、監視対象建物90の内部に滞在可能時間情報によって示される時間(不定者が監視対象建物90に滞在してもよい時間)以上に滞在しており、かつ識別子が‘T’である不定者Sjは不許可時間滞在状態にあるものとする。このように、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、追跡時の行動状態として、不定者の館内での滞在時間を用いる不許可時間滞在状態を適用しているため、上記入館者層別処理プログラムにおいて不定者に対する特徴点追跡処理を開始する際には、その時点の時刻を当該不定者に付与した識別情報に関連付けて二次記憶部20Dに記憶しておくようにする。
一方、監視対象建物90の内部へ共に入館した正規行動実行入館者との距離が予め定められた距離(本実施の形態では、2m)以内に位置しておらず、かつ識別子が‘N’である不定者Sjは未認証状態にあるものとし、以上の不許可領域存在状態、不許可時間滞在状態、および未認証状態の何れでもない不定者Sjは、その他の状態にあるものとする。
このとき、識別子が‘T’である不定者については、上記不許可領域存在状態および不許可時間滞在状態の2つの状態となる場合があるが、この場合は、予め定められた優先順位に従って何れか一方の状態であるものとする。なお、この際の優先順位は、予め固定的に定めてもよいが、犯罪防止システム10の用途や、防犯対象とする犯罪種等に応じて、適宜設定される形態としてもよい。
次のステップ216では、上記ステップ214の処理により特定した、各不定者Sjの行動状態に対応する第2不審度Ptを、上記ステップ200の処理によって第2不審度データベースDB5から読み出した情報から取得することにより導出して、対応する不定者Sjの識別情報に関連付けて二次記憶部20Dの所定領域に記憶する。
次のステップ218では、上記ステップ204の処理によって得られた第1不審度Paと、上記ステップ212の処理によって得られた距離DViGk(t+δt)および距離DViSj(t+δt)と、上記ステップ216の処理によって得られた第2不審度Ptとに基づいて、所定時間δt後の不定者Sjによる被守備者Viに対する犯罪リスクの高さを示す犯罪リスク値Rij(t+δt)を算出し、犯罪リスク値データベースDB6に記憶(登録)する。
なお、本実施の形態に係る犯罪防止処理プログラムでは、犯罪リスク値Rij(t+δt)を次のように算出する。
まず、距離DViGk(t+δt)および距離DViSj(t+δt)を次の(5)式に代入することにより仮犯罪リスク値Rij’(t+δt)を算出する。ここで、(5)式におけるmink()は、括弧内の演算結果の全てのkについての最小値を適用することを示す関数である。
また、次の(6)式によって係数CRを算出する。ここで、(6)式におけるC1は、犯罪リスク値を調整する係数であり、仮犯罪リスク値Rij’(t+δt)=1の場合の犯罪リスク値Rij(t+δt)の値である。
さらに、対応する第1不審度Paおよび第2不審度Ptを次の(7)式に代入することにより、不定者Sjの総合的な不審度Pjを算出する。
そして、以上によって得られた仮犯罪リスク値Rij’(t+δt)、係数CR、および不審度Pjを次の(8)式に代入することにより、犯罪リスク値Rij(t+δt)を算出する。
なお、通常は係数C1として0.5を適用することにより、係数CRを−1とする。これにより、(8)式は次の(9)式に変形される。
次のステップ220では、上記ステップ218の処理によって得られた犯罪リスク値Rij(t+δt)を用いて、犯罪を防止するものとして予め定められた処理を実行し、その後にステップ222に移行する。
なお、本実施の形態に係る犯罪防止処理プログラムでは、上記ステップ220における予め定められた処理として次の5種類の処理を適用している。
処理1.犯罪リスク値Rij(t+δt)および不審度Pjをディスプレイ20Fにより表示する処理。
処理2.犯罪リスク値Rij(t+δt)が所定閾値以上である場合に警告を発する処理。
処理3.犯罪リスク値Rij(t+δt)が所定閾値以上である場合に、対象となる被守備者に最も近い守備者に対して犯罪リスクが高いことを報知する処理。
処理4.不審度Pjが所定第2閾値以上である場合に警告を発する処理。
処理5.不審度Pjが所定第2閾値以上である場合に、対象となる不定者に最も近い守備者に対して不審度が高い不定者が近くに存在することを報知する処理。
なお、上記処理2および処理4の処理を適用する場合は、監視対象建物90の内部にスピーカを設けておき、当該スピーカにより警告を発する形態、監視対象建物90の監視者や警備員に対し、PDA(Personal Digital Assistant,携帯情報端末)等の端末装置を介して警告を発する形態等、様々な形態を適用することができる。
また、上記処理3の処理を適用する場合は、監視対象建物90の内部にスピーカを設けておき、当該スピーカにより、上記対象となる被守備者に最も近い守備者に対して犯罪リスクが高いことを報知する形態、当該守備者に対し、PDA等の端末装置を介して犯罪リスクが高いことを報知する形態等、様々な形態を適用することができる。
さらに、上記処理5の処理を適用する場合にも、監視対象建物90の内部にスピーカを設けておき、当該スピーカにより、上記対象となる不定者に最も近い守備者に対して不審度が高い不定者が近くにいることを報知する形態、当該守備者に対し、PDA等の端末装置を介して不審度が高い不定者が近くにいることを報知する形態等、様々な形態を適用することができる。
ここで、上記処理2〜処理5の各処理を適用する場合の上記所定閾値および所定第2閾値は、要求される安全性の高さ、用途等に応じて自動的に設定する形態の他、犯罪防止システム10のユーザによってキーボード20E等を介して入力させる形態とすることもできる。
このように、本実施の形態に係る犯罪防止処理プログラムでは、上記予め定められた処理として上記処理1〜処理5の5種類の処理を適用しているが、これに限らず、例えば、これらの処理の何れか1つや、4つまでの組み合わせを適用する形態とすることもできる。
ステップ222では、予め定められた終了条件を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ224に移行して所定時間の経過待ちを行い、その後に上記ステップ202に戻る一方、上記ステップ222において肯定判定となった場合には、ステップ226に移行して、上記入館者層別処理プログラムによって開始された、全ての入館者に対する特徴点追跡処理を停止するように制御した後に、本犯罪防止処理プログラムを終了する。
なお、上記ステップ224において適用する所定時間は、上記ステップ202〜ステップ224の繰り返し処理が、できるだけ所定時間δtの間隔で実行されるように予め調整された時間が適用されている。また、本実施の形態に係る犯罪防止処理プログラムでは、上記ステップ222の処理において適用する終了条件として、監視対象建物90の監視を終了する時刻として予め定められた時刻に達した、との条件を適用しているが、これに限らず、例えば、キーボード20E等を介して本犯罪防止処理プログラムの終了を指示する指示入力が行われた、との条件、二次記憶部20Dの残記憶容量が所定量以下となった、との条件等、他の条件を適用することもできることは言うまでもない。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、建物(ここでは、監視対象建物90)に入館する際に認証の手続きを行う領域である認証領域を撮影することにより当該認証領域の画像情報を取得し、取得した画像情報に基づいて、前記認証領域に存在する人の行動状態を検出し、検出した行動状態に対応する不審度(ここでは、第1不審度Pa)を、前記認証領域において当該認証の手続きを行う際に行われる人の行動状態、および当該行動状態に対応する当該人の不審度が関連付けられて予め記憶された記憶手段(ここでは、二次記憶部20D)から読み出すことにより、行動状態の検出対象とされた人の不審度を導出し、導出した不審度を用いて、犯罪を防止するものとして予め定められた処理を実行しているので、前記行動状態に応じた不審度を適用しない場合に比較して、より効果的に犯罪の発生を防止することができる。
また、本実施の形態では、前記認証の手続きが行われた際に、どのような認証が行われたかを示す認証状態情報(ここでは、カードリーダ50によってIDカード52から識別情報が読み取られたことを示す情報、操作パネル30の操作部30Bを介して識別情報が入力されたことを示す情報、操作パネル30の操作部30Bを介して部屋番号が入力されたことを示す情報)を取得し、取得した画像情報および認証状態情報に基づいて、前記認証領域に存在する人の行動状態を検出しているので、より確実に犯罪の発生を防止することができる。
また、本実施の形態では、前記人の行動状態が、前記認証の手続きを行わないで入館する行動状態(ここでは、共連れ状態)を含んでいるので、共連れによって入館した人による犯罪の発生を防止することができる。
特に、本実施の形態では、前記認証が、予め前記建物への入館が許可された入館許可者に予め付与された認証情報(ここでは、識別情報)を用いた自動認証、および前記建物への入館を許可することのできる人(ここでは、監視対象建物90の各区画領域にいる人)による手動認証を含み、前記不審度が、前記自動認証の手続きを行う行動状態、前記手動認証の手続きを行う行動状態、前記認証の手続きを行わないで入館する行動状態の順に値が大きくなるものとしているので、より簡易かつ効果的に犯罪の発生を防止することができる。
さらに、本実施の形態では、前記予め定められた処理が、前記建物に入館した後の前記人の行動状態を監視する処理(ここでは、犯罪防止処理プログラムによる処理)としているので、より確実に犯罪の発生を防止することができる。
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、守備者と被守備者の距離、不定者と被守備者の距離、および不定者の不審度に基づいて犯罪リスク値を求める場合の形態例について説明したが、本第2の実施の形態では、守備者が被守備者に到達する時間、不定者が被守備者に到達する時間、および不定者の不審度に基づいて犯罪リスク値を求める場合の形態例について説明する。
なお、本第2の実施の形態に係る犯罪防止システム10の構成は、上記第1の実施の形態に係る犯罪防止システム10(図1〜図5参照。)と同一であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本第2の実施の形態に係る犯罪防止システム10の作用を説明する。なお、本第2の実施の形態に係る犯罪防止システム10における監視対象建物90の内部に入館者が入館する際の作用は上記第1の実施の形態と同様であるので、ここでの説明を省略し、図16を参照して、犯罪防止処理を実行する際の本第2の実施の形態に係る犯罪防止システム10の作用を説明する。なお、図16は、犯罪防止装置20のキーボード20E等を介して実行指示が受け付けられた際に、CPU20Aにより実行される、本第2の実施の形態に係る犯罪防止処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部20Dのプログラム領域PGに予め記憶されている。また、図16における図14と同一の処理を実行するステップについては図14と同一のステップ番号を付し、ここでの説明を省略する。
同図のステップ200’では、属性情報データベースDB2および第2不審度データベースDB5の全ての情報を読み出し、その後、ステップ207では、上記ステップ206の処理によって得られた距離DViGk(t)を次の(10)式に代入することにより、各守備者が各被守備者に到達する時間PViGk(t)を算出し、二次記憶部20Dの所定領域に記憶する。ここで、(10)式におけるFは、平均的な大人の歩行速度(一例として、1.3m/s)であり、WGkは歩行速度Fに対する1以上の重み付け値である。
なお、本実施の形態では、重み付け値WGkとして、上記ステップ200’の処理により属性情報データベースDB2から読み出した情報から、対応する守備者に付与された識別情報に対応する属性の年齢、性別、身長の各情報を抽出し、これらの情報に応じた値を適用している。
本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、年齢が、歩行速度が最大となる年齢として予め定められた年齢(例えば、30歳)に近いほど大きくなり、性別が男性である場合に女性である場合に比較して大きくなり、身長が高くなるほど大きくなるように重み付け値WGkを算出している。
このように、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、重み付け値WGkとして、対応する守備者の年齢、性別、および身長の全てを適用して導出しているが、これに限らず、例えば、これら年齢、性別、身長の何れか1つ、又は2つの組み合わせを適用して導出する形態としてもよく、さらに、他の歩行速度に影響を与えるパラメータを適用して導出する形態とすることもできる。
一方、ステップ209では、上記ステップ208の処理によって得られた距離DViSj(t)を次の(11)式に代入することにより、各不定者が各被守備者に到達する時間PViSj(t)を算出し、二次記憶部20Dの所定領域に記憶する。ここで、(11)式におけるWSjは歩行速度Fに対する1以上の重み付け値である。
本実施の形態では、重み付け値WSjとして、対応する不定者の年齢、性別、身長を推定し、これらの情報に応じた値を適用している。なお、上記不定者の年齢、性別、身長の推定は、一例としてIMS(Intelligent Monitoring System、エクジット株式会社)等で用いられている技術等の従来既知の技術によって行うことができる。
本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、年齢が、上記歩行速度が最大となる年齢として予め定められた年齢に近いほど大きくなり、性別が男性である場合に女性である場合に比較して大きくなり、身長が高くなるほど大きくなるように重み付け値WSjを算出している。
このように、本実施の形態に係る犯罪防止システム10では、重み付け値WSjとしても、重み付け値WGkと同様に、対応する守備者の年齢、性別、および身長の全てを適用して導出しているが、これに限らず、例えば、これら年齢、性別、身長の何れか1つ、または2つの組み合わせを適用して導出する形態としてもよく、さらに、他の歩行速度に影響を与えるパラメータを適用して導出する形態とすることもできる。
一方、ステップ212’では、次の(12)式および(13)式により、所定時間δt(ここでは1秒)後の守備者Gkが被守備者Viに到達する時間PViGk(t+δt)と、不定者Sjが被守備者Viに到達する時間PViSj(t+δt)とを算出(予測)する。ここで、(12)式におけるPViGk(t−δt)は、現時点から所定時間δt前の守備者Gkが被守備者Viに到達する時間で、(13)式におけるPViSj(t−δt)は、現時点から所定時間δt前の不定者Sjが被守備者Viに到達する時間であり、前回の上記ステップ207およびステップ209の処理によって得られて記憶された値を適用する。
なお、本ステップ212’の演算では、守備者、被守備者、および不定者の各々について、同一人物に関する前回の上記ステップ207およびステップ209の処理によって得られた値を適用する必要があるが、これには、上記ステップ202の処理によって前回得られた識別情報と今回得られた識別情報が一致する人を同一人物として適用すればよい。
本ステップ212’の演算により、一例として図17に示されるように、守備者Gk、被守備者Vi、および不定者Sjの各々の動線に応じたものとして、到達時間PViGk(t+δt)および到達時間PViSj(t+δt)を高精度に予測することができる。
次のステップ213では、被守備者Viの進行方向と不定者Sjの進行方向を導出する。なお、本実施の形態に係る犯罪防止処理プログラムでは、当該進行方向の導出を、前回のステップ202の処理によって得られた被守備者Viおよび不定者Sjの位置と、今回のステップ202の処理によって得られた被守備者Viおよび不定者Sjの位置とを同一人物間で結んだ線分の方向を導出することにより行っているが、これに限らず、例えば、前々回のステップ202の処理によって得られた被守備者Viおよび不定者Sjの位置と、前回のステップ202の処理によって得られた被守備者Viおよび不定者Sjの位置との差分(以下、「第1差分」という。)と、前回のステップ202の処理によって得られた被守備者Viおよび不定者Sjの位置と、今回のステップ202の処理によって得られた被守備者Viおよび不定者Sjの位置との差分(以下、「第2差分」という。)を導出し、第1差分と第2差分の変化量および変化の方向を上記線分の方向に反映させる形態等、他の形態とすることもできる。
その後、ステップ218’では、上記ステップ204の処理によって得られた第1不審度Paと、上記ステップ212’の処理によって得られた到達時間PViGk(t+δt)および到達時間PViSj(t+δt)と、上記ステップ216の処理によって得られた第2不審度Ptとに基づいて、所定時間δt後の不定者Sjによる被守備者Viに対する犯罪リスクの高さを示す犯罪リスク値Rij(t+δt)’を算出し、犯罪リスク値データベースDB5に記憶(登録)する。
なお、本実施の形態に係る犯罪防止処理プログラムでは、犯罪リスク値Rij(t+δt)’を次のように算出する。
まず、到達時間PViGk(t+δt)および到達時間PViSj(t+δt)を次の(14)式に代入することにより仮犯罪リスク値Rij’(t+δt)’を算出する。ここで、(14)式におけるWViSj(t+δt)は、上記ステップ213の処理によって得られた不定者Sjの進行方向が被守備者Viの進行方向に近いほど値が大きくなる1以上の重み付け値であり、mink()は、括弧内の演算結果の全てのkについての最小値を適用することを示す関数である。
また、上記(6)式と同様に係数CR’を算出すると共に、対応する第1不審度Paおよび第2不審度Ptを上記(7)式に代入することにより、不定者Sjの総合的な不審度Pjを算出する。
そして、以上によって得られた仮犯罪リスク値Rij’(t+δt)’、係数CR’、および不審度Pjを次の(15)式に代入することにより、犯罪リスク値Rij(t+δt)’を算出する。
なお、通常は係数C1として0.5を適用することにより、係数CR’を−1とする。これにより、(15)式は次の(16)式に変形される。
以上詳細に説明したように、本第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態と略同様の効果を奏することができると共に、前記守備者が前記被守備者に到達する時間である第1の到達時間(ここでは、到達時間PViGk(t))を導出すると共に、前記不定者が前記被守備者に到達する時間である第2の到達時間(ここでは、到達時間PViSj(t))を導出し、導出した第1の到達時間と第2の到達時間の比、および導出した不審度に基づいて前記犯罪リスク値を演算しているので、より高精度に犯罪を防止することができる。
特に、本第2の実施の形態では、人の年齢、性別、および身長を前記画像情報に基づいて推定し、推定した年齢、性別、および身長に応じて前記第1の到達時間および前記第2の到達時間を調整しているので、より高精度に犯罪を防止することができる。
また、本第2の実施の形態では、現時点で導出された第1の到達時間と前記所定時間前の時点で導出された第1の到達時間との変化量に基づいて前記所定時間後の前記守備者が前記被守備者に到達する時間(ここでは、到達時間PViGk(t+δt))を予測すると共に、現時点で導出された第2の到達時間と前記所定時間前の時点で導出された第2の到達時間との変化量に基づいて前記所定時間後の前記不定者が前記被守備者に到達する時間(ここでは、到達時間PViSj(t+δt))を予測し、予測した前記守備者が前記被守備者に到達する時間と、前記不定者が前記被守備者に到達する時間との比、および導出した不審度に基づいて前記犯罪リスク値を演算しているので、上記所定時間後の犯罪リスク値を予測することができる結果、より即時的に防犯することができる。
さらに、本第2の実施の形態では、前記被守備者の進行方向と前記不定者の進行方向を導出し、導出した前記被守備者の進行方向に前記不定者の進行方向が近いほど値が大きくなるように前記犯罪リスク値を演算しているので、より高精度に犯罪を防止することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記第1の実施の形態では、守備者と被守備者の距離および不定者と被守備者の距離として(3)式および(4)式によって得られる予測値を適用し、上記第2の実施の形態では、守備者が被守備者に到達する時間および不定者が被守備者に到達する時間として(12)式および(13)式によって得られる予測値を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの予測値に代えて、その時点における実際の距離や到達時間を適用する形態とすることもできる。
上記第1の実施の形態に対して上記実際の距離を適用する場合は、上記第1の実施の形態に係る犯罪防止処理プログラム(図14参照。)のステップ212を削除すると共に、ステップ218により犯罪リスク値を算出するために適用する(5)式に代えて次の(17)式を適用する。
また、上記第2の実施の形態に対して上記実際の到達時間を適用する場合は、上記第2の実施の形態に係る犯罪防止処理プログラム(図16参照。)のステップ212’を削除すると共に、ステップ218’により犯罪リスク値を算出するために適用する(14)式に代えて次の(18)式を適用する。
これらの場合も、上記各実施の形態と、略同様の効果を奏することができる。
また、上記各実施の形態では、IDカード52の提示、識別情報の入力、および訪問先の呼び出しの何れかによって入館者の認証を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上記許可者に対して、当該許可者に予め付与された識別情報が記憶されたRFID(Radio Frequency Identification)タグを所持させる一方、操作パネル30の近傍に当該RFIDタグに記憶された識別情報を非接触で読み出すことのできるタグリーダを設けておくことにより、当該タグリーダによってRFIDタグから識別情報を読み出すことによって認証を自動的に行う形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、犯罪防止処理プログラムのステップ220において実行される処理として、処理1〜処理5の処理を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、次に示すように、算出した犯罪リスク値の大きさに応じて処理内容を異ならせる形態としてもよい。
a.犯罪リスク値<0.25の場合、対応する不定者を撮影しているカメラ42から得られている画像情報により示される画像をディスプレイ20Fにより表示する。
b.0.25≦犯罪リスク値<0.5の場合、対応する不定者を撮影しているカメラ42から得られている画像情報により示される画像のうち、当該不定者を拡大してディスプレイ20Fにより表示すると共に、現地にて表示による警告を発する。
c.0.5≦犯罪リスク値の場合、bの場合の処理に加えて、対応する不定者に対して音声等により威嚇する。
また、上記各実施の形態では、特徴点追跡処理によって守備者および被守備者の位置を検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、RFIDタグを利用したり、GPS(Global Positioning Systems)を利用したりして守備者および被守備者の位置を検出する形態とすることもできる。
RFIDタグを利用して位置を検出する場合の形態例としては、監視対象建物90の内部に3つ以上のアンテナを設けておき、RFIDタグから同一の情報を受信している3つのアンテナを特定し、特定したアンテナにより受信されている電波の受信強度に基づいて、三角測量の技術により発信元のRFIDタグの位置、すなわち当該RFIDタグを所持している人の位置を特定する形態を例示することができる。また、GPSを利用して位置を検出する場合の形態例としては、守備者および被守備者に、GPSにより自身の位置を特定することのできるデバイスと無線送信装置を所持させると共に、当該デバイスにより特定された位置を示す情報と、予め自身に割り振られた識別情報とを、上記無線送信装置にて上記所定時間δt毎に犯罪防止装置20に送信する形態を例示することができる。
また、上記各実施の形態では、守備者と被守備者との距離、および不定者と被守備者との距離を各々の位置座標間の直線距離として導出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各区画領域を仕切る壁が間に介在される場合には、当該壁を迂回した場合の距離を導出する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、操作パネル30、カメラ40、カメラ42、インターホン44、カードリーダ50、および施解錠部60と、犯罪防止装置20とを有線にて電気的に接続する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの各機器間の少なくとも1つを無線にて電気的に接続する形態とすることもできる。
また、上記各実施の形態では、上記距離としてユークリッド距離を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、マンハッタン距離等の他の距離を適用する形態とすることもできる。
また、上記各実施の形態では、属性情報を属性情報データベースDB2により予め登録しておく場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、IDカード52に当該IDカード52を所持する人に関する属性情報を予め記憶しておき、当該属性情報をカードリーダ50を介して取得する形態とすることもできる。
また、上記各実施の形態では、犯罪を防止するために実行する処理として、建物に入館した後の行動状態を監視する処理(犯罪防止処理プログラムによる処理)を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1不審度Paが所定閾値以上である場合に扉80Bを解錠することなく、操作パネル30の警報部30Cを介して警報を発する処理、当該処理に加えて、所定の警備員や警備会社等に通報する処理等の他の犯罪を防止することのできる処理を適用してもよく、第1不審度Paの大きさに応じて処理内容を変えるようにする形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、入館時の行動状態として、自動認証状態、手動認証状態、および共連れ状態の3種類の行動状態を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの行動状態に加えて、施解錠部60の故障等により扉80Bが開状態となってしまった場合において認証されることなく入館する状態等の他の行動状態を含めた行動状態のうちの1つ、または複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、追跡時の行動状態として、不許可領域存在状態、不許可時間滞在状態、未認証状態、およびその他の状態の4種類の行動状態を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、単独で行動している行動状態等の他の行動状態を含めた行動状態のうちの1つ、または複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。
また、上記各実施の形態では、本発明を、建物に入館する際の不審者に対して防犯するシステムに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、廊下や階段等の共用領域を除く領域、一般事務室、社長室等の、建物の予め定められた領域に入場する際の不審者に対して防犯するシステムに本発明を適用する形態としてもよい。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記各実施の形態では、入場制限領域情報によって示される区画領域(許可者のみが入場してもよい領域)の内部に位置し、かつ識別子が‘T’である全ての不定者Sjを不許可領域存在状態にあるものと判断する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、手動認証状態で入館した不定者、および共連れ状態で入館した不定者といった不定者の種類毎に入場してはいけない区画領域を予め定めておき、不定者が対応する区画領域の内部に位置する場合に当該不定者を不許可領域存在状態にあるものと判断する形態としてもよい。
その他、上記各実施の形態で説明した犯罪防止システム10の構成(図1〜図5参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な構成要素を削除したり、新たな構成要素を追加したりすることができることは言うまでもない。
また、上記各実施の形態で示した各種処理プログラムの処理の流れ(図12,図14,図16参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な処理ステップを削除したり、新たな処理ステップを追加したり、処理ステップの順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
また、上記各実施の形態で示した各種データベースの構成(図6〜図11参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、一部の情報を削除したり、新たな情報を追加したり、記憶位置を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
さらに、上記各実施の形態で示した各種演算式((1)式〜(18)式参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要なパラメータを削除したり、新たなパラメータを追加したり、演算の順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。