JP5459344B2 - 出口路側装置 - Google Patents

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本発明は、ETC(登録商標)システム( Electric Toll Collection System)に用いられる車載装置及び出口路側装置に関する。
都市内の有料道路は、都市間を結ぶ有料道路に比較して道路の総距離が短いため、通行距離にかかわらず一律の通行料金を請求する運用がなされることも多い。しかし、短距離の利用にもかかわらず最大距離を利用した場合と同様の通行料金が請求されることに対し、割高感を持つ利用者もあった。
そこで、近年、ETCシステムを利用して、一旦、入口ゲートを通過した際に一律の通行料金を請求するが、出口ゲートにおいて通行料金の一部を自動的に払い戻すようにした運用が試みられている。
これについて詳説すると、まず、入口ゲートにおいて路側装置と車載装置とが通信を行うことによって均一の通行料金を利用者に請求するための処理を行う。その際に、路側装置から車載装置へ入口情報(入口を特定する情報)を送信する。そして、車載装置は受け取った入口情報を記憶しておき、出口ゲートで入口情報を路側装置へ送信する。入口情報を受け取った出口ゲートの路側装置は、払い戻しを行う条件に該当するかどうかを入口情報に基づいて判定し、払い戻しを行う条件に該当すると判定した場合には、車載装置に対して払い戻しのための処理を行う。なお、払い戻しを行う条件としては、例えば、入口情報に基づいて計算される利用距離が所定距離以下であるという条件が考えられる。
このように払い戻しを行うことにより、利用者の割高感を軽減でき、その結果、有料道路の利用を促すことができる。なお、本発明では、上述したような請求方法を行う料金体系を「都市型対距離料金体系」と呼ぶこととする。
ところで、現在のETCでは、通行料金の支払いはクレジット方式(ポストペイド)となっているが、安全性や使い過ぎを防止するといった観点からプリペイド方式を望む利用者が存在する。クレジット方式の場合は、料金徴収ができない場合のリスクをクレジット会社が負っているが、プリペイド方式の場合は、適当なリスク負担者を想定できないため、利用者は前払い額の残高内でしか通行料金の支払いを行うことができないことが一般的である。
しかしながら、残高内での支払いしか認めないことを徹底すると、残高不足時に車両をゲートで停止させることになり、結果としてゲート付近に渋滞を招くおそれがある。
そこで、下記の特許文献1に記載された発明では、残高不足時であっても、その後のETC利用の制限を条件に出口ゲートの通過を許容するようにしている。これにより、プリペイド方式を導入した場合に想定される、出口ゲートでの渋滞発生を減少させることができる。
特開2005−134996号公報
ところで、上述した「都市型対距離料金体系」の有料道路に対して、特許文献1に記載された発明は、適用することができない。なぜなら、特許文献1に記載された発明は、ETCの利用制限の判断を、車両が出口ゲートを通過するタイミングで行うようになっているが、「都市型対距離料金体系」が採用された有料道路では、出口ゲートに路側装置が設置されていない場合があり、ETCの利用制限の判断を出口ゲートで行えないからである。出口ゲートに路側装置が設置されていない理由は、「都市型対距離料金体系」の有料道路は、本来的には入口ゲートでのみ利用料金の処理がなされるものであり、地理的な状況から払い戻しが発生し得ない出口ゲートには路側装置が設置されない場合もあるからである。
そこで、ETCの利用制限の判断を車両が入口ゲートを通過したタイミングに行うように変更して、引用文献1に記載された発明を「都市型対距離料金体系」の有料道路に適用することを考える。そうすると今度は、プリペイド残高は実際の通行料金(払い戻しの考慮された通行料金)の範囲内であるにもかかわらずETCの利用制限がなされるという問題が発生する。具体例としては、プリペイドの残高が900円であり、一律の通行料金が1,000円あった場合、入口ゲートを通過した際に残高不足と判断され、払い戻し額(例えば200円)が考慮されることなくETCの利用制限がなされてしまう。
本発明は、このような問題にかんがみなされたものであり、「都市型対距離料金体系」が採用された有料道路において、無用な制限の発生を減少させることができるETCシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた車載装置Aは、制御手段が以下の(a1)〜(a5)を実行する。なお、(a1)〜(a5)の並び順は、実行順序を特定するものではなく、技術的に矛盾が生じない限りどのような順序で実行しても構わない。例えば、(a3)を(a1)や(a2)の前に実行しても構わない。
(a1)入口ゲートに設置された入口路側装置から通信手段を介して要求された通行料金を、記憶手段が記憶するプリペイド残高から可能なだけ減額し、その減額した額又は不足額の少なくともいずれか一方を支払い額情報として記憶手段に記憶させる。
(a2)減額の際、不足額があった場合には所定の制限を有効にする。所定の制限というのは、例えば、ETCの利用制限や、車載装置の機能制限等である(以下、同様)。
(a3)通信手段を介して入口路側装置から受信した入口情報を記憶手段に記憶させる。
(a4)記憶手段に記憶させておいた入口情報及び支払い額情報を、出口ゲートに設置された出口路側装置へ通信手段を介して送信する。
(a5)通信手段を介して出口路側装置から払い戻し額を受信すると、記憶手段が記憶するプリペイド残高に払い戻し額を積み増し、所定の制限が有効になっていれば無効にする。なお、出口路側装置から送信される払い戻し額は、不足額が引かれた額である。つまり、払い戻しがあれば不足額は解消したことを意味する。
このような車載装置によれば、入口ゲートを通過した際に支払う料金が不足していても、出口ゲートにおける払い戻し額と相殺することによって不足が解消すれば、所定の制限は解除される。したがって、プリペイド残高が実際の通行料金(払い戻しの考慮された通行料金)の範囲内であるにもかかわらず所定の制限がなされるという問題の発生を防止できる。
ところで、不足額がなかった場合に出口ゲートで払い戻される払い戻し額(満額払い戻し額)と、入口ゲートを通過した際に不足していた不足額とが一致する場合は、車載装置への払い戻し額は0であるが、そのような場合にも、制限を解除できるようになっているとよい。具体的には、制御手段は、払い戻し額はなくかつ不足額もなかったことを示す通知を、通信手段を介して出口路側装置から受信すると、上述した所定の制限を無効にするようになっているとよい(車載装置B)。なお、通知は、明示の通知でなくてもよく、結果として、払い戻し額はなくかつ不足額もなかったことと同等の情報(例えば、制限を解除させる旨の指令)が通知として出口路側装置から車載装置へ伝達されてもよい。
このようになっていれば、払い戻し額も支払い不足額もなかった場合についても、制限が解除され、無用な制限状態が続くことを減少させることができる。
また、出口ゲートにおける満額の払い戻し額をもってしても、入口ゲートでの支払い不足を解消できない場合も考えられる。しかし、出口ゲートに至るまでに、ユーザがサービスエリア等で現金やクレジットカード等によって前払い通行料金を購入(チャージ)し、その購入した通行料金を車載装置のプリペイド残高を積み増すような処理を行っているケースが考えられる。したがって、これを考慮するため、制御手段は、通信手段を介して出口路側装置から払い戻し額の替わりに不足額を受信した場合、記憶手段に記憶されたプリペイド残高が不足額以上あれば、不足額をプリペイド残高から減額し、所定の制限を無効にするようになっているとよい(車載装置C)。
このようになっていれば、サービスエリア等においてプリペイド残高が積み増しされたことが考慮されて、所定の制限が解除される。
また、上述した車載装置と異なり、出口路側装置で払い戻し額が計算される前に、入口ゲートで支払うべきであった通行料金の残金を全て支払い、その後に出口ゲートから満額の払い戻し額を受け取るようになっていてもよい(車載装置D)。つまり、制御手段は以下の(b1)〜(b6)を実行するようになっていてもよい。なお、(b1)〜(b6)の並び順は、実行順序を特定するものではなく、技術的に矛盾が生じない限りどのような順序で実行しても構わない。例えば、(b3)を(b1)や(b2)の前に実行しても構わない。
(b1)入口ゲートに設置された入口路側装置から通信手段を介して要求された通行料金を、記憶手段が記憶するプリペイド残高から可能なだけ減額し、その減額した額又は不足額の少なくともいずれか一方を支払い額情報として記憶手段に記憶させる。
(b2)減額の際、不足額があった場合には所定の制限を有効にする。
(b3)通信手段を介して入口路側装置から受信した入口情報を記憶手段に記憶させる。
(b4)記憶手段に記憶させておいた入口情報及び支払い額情報を、出口ゲートに設置された出口路側装置へ通信手段を介して送信する。
(b5)減額の際に不足額が生じており、かつ、減額の後、記憶手段が記憶するプリペイド残高が積み増しされた場合には、プリペイド残高から不足額を減額し、その減額した額を、通信手段を介して出口路側装置へ通知する。
(b6)前記(b4)及び前記(b5)の後、通信手段を介して出口路側装置から払い戻し額を受信すると、記憶手段が記憶するプリペイド残高に払い戻し額を積み増す。
このような車載装置であっても、サービスエリア等においてプリペイド残高が積み増しされたことが考慮されて、所定の制限が解除される。
ところで、上述した車載装置は、不足額と相殺された後の払い戻し額が出口路側装置から送信されることを前提としたものであったが、車載装置側で、不足額と相殺するようになっていても、上述した課題を解決し得る。つまり、出口路側装置から満額の払い戻し額を受け取り、車載装置側で不足額と相殺し、その結果に応じて所定の制限を無効にするかどうかを判断するようになっていてもよい(車載装置E)。具体的には、制御手段が、以下の(c1)〜(c4)を実行する。なお、(c1)〜(c4)の並び順は、実行順序を特定するものではなく、技術的に矛盾が生じない限りどのような順序で実行しても構わない。例えば、(c2)を(c1)の前に実行してもよい。
(c1)入口ゲートに設置された入口路側装置から通信手段を介して要求された通行料金を、記憶手段が記憶するプリペイド残高から可能なだけ減額し、不足額があれば不足額を記憶手段に記憶させるとともに所定の制限を有効にする。
(c2)通信手段を介して入口路側装置から受信した入口情報を記憶する。
(c3)記憶手段に記憶させておいた入口情報を出口ゲートに設置された出口路側装置へ通信手段を介して送信する。
(c4)通信手段を介して出口路側装置から払い戻し額を受信すると、記憶手段が不足額を記憶していればその不足額と相殺した上で残りの払い戻し額を記憶手段が記憶するプリペイド残高に積み増し、不足額が0になれば所定の制限を無効にする。なお、出口路側装置から送信される払い戻し額は、不足額に関係のない満額の払い戻し額である。
このような車載装置によれば、入口ゲートを通過した際に支払う料金が不足していても、出口ゲートにおける払い戻し額と相殺することによって不足が解消すれば、所定の制限は解除される。したがって、プリペイド残高が実際の通行料金(払い戻しの考慮された通行料金)の範囲内であるにもかかわらず所定の制限がなされるという問題の発生を防止できる。
また、外部からプリペイド残高が積み増しされた場合も上述した所定の制限を無効にするようになっているとよい。なお、外部というのは、車載装置に対する外部という意味であり、プリペイド残高をチャージする装置や、ICカード等が想定される。
具体的な制御手段の動作としては、外部からプリペイド残高の積み増し指示を受けると、記憶手段に不足額が記憶されていればその不足額と相殺し、残った積み増し額をプリペイド残高に積み増し、その結果、不足額があった状態から0になれば所定の制限を無効にするようになっているとよい。
このようになっていれば、ユーザがプリペイド残高を積み増すことにより、所定の制限を無効にすることができる。しかも、プリペイド残高への積み増しと同時に所定の制限が無効にできる。
ところで、プリペイド残高が0になった際、その旨が報知手段によって報知されるようになっているとよい。
このようになっていれば、ユーザは、プリペイド残高が0になったことを知り、プリペイド残高の積み増しを行う必要があることを認識できる。
また、プリペイド残高が所定額以下になった際にも、その旨が報知手段によって報知されるようになっているとよい。ここで言う「所定額」というのは、そろそろプリペイド残高を積み増した方がよいと考えられる額であり、例えば、1000円〜3000円程度が考えられる。なお、ユーザが任意に額を設定できるようになっているとより良い
このようになっていれば、ユーザはプリペイド残高が不足する前に適切に対応するこができる。
ところで、制限の解除をあえて行わずに不足額を支払わないユーザも考えられる。例えば、古くなった車載装置を廃棄しようとするようなケースにおいて想定される。したがって、このようなことを防ぐため、予め預託金(いわゆるデポジット)をユーザから預かっておき、その範囲内でしか不足額を許さないようになっているとよい。つまり、記憶手段は、預託金の額をさらに記憶し、制御手段は、減額を行うと不足額が預託金の額を超えることになる場合には、その旨の通知を、通信手段を介して入口路側装置へ送信するようになっているとよい。なお、このような通知を受け取った入口路側装置は、車両停止ゲートを降ろす等して、当該車両を有料道路へ流入させないようにするとよい。
このようになっていれば、道路事業者が不足額を回収できないリスクをなくすことができる。
ここまでは、車載装置について説明したが、上述した車載装置Aに対応する出口路側装置としては、その制御手段が以下の(d1)〜(d3)を行うものであるとよい(請求項1)。
(d1)通信手段を介して車載装置から入口情報と支払い額情報とを受信する。
(d2)入口情報から満額払い戻し額を求め、満額払い戻し額と支払い額情報とから実際の払い戻し額を求める。
(d3)実際の払い戻し額がある場合は、通信手段を介して車載装置へ実際の払い戻し額を送信する。
このような出口路側装置であれば、上述した車載装置Aと組み合わせることによって、車載装置Aについて記載した効果を奏し得る。
また、車載装置Bの場合には、請求項2に記載した出口路側装置と組み合わせるとよい。つまり、出口路側装置の制御手段が、実際の払い戻し額を求めた結果、払い戻し額はなくかつ支払い不足額もない場合は、その旨を示す通知を、通信手段を介して車載装置へ送信するようになっているとよい。
このような出口路側装置であれば、上述した車載装置Bと組み合わせることによって、車載装置Bについて記載した効果を奏し得る。
また、車載装置Cの場合には、請求項3に記載した出口路側装置と組み合わせるとよい。つまり、出口路側装置の制御手段が、実際の払い戻し額を求めた結果、支払い不足額がある場合は、その不足額を、通信手段を介して車載装置へ送信するようになっているとよい。
このような出口路側装置であれば、上述した車載装置Cと組み合わせることによって、車載装置Cについて記載した効果を奏し得る。
また、車載装置Dに対応する出口路側装置としては、その制御手段が以下の(e1)〜(e3)を行うものであるとよい(請求項4)。
(e1)通信手段を介して車載装置から入口情報と支払い額情報とを受信する。
(e2)入口情報に基づいて満額払い戻し額を求め、満額払い戻し額と支払い額情報とに基づいて実際の払い戻し額を求めるが、別途、車載装置が記憶するプリペイド残高から減額した額を、通信手段を介して車載装置から受信した場合には、前記満額払い戻し額と前記支払い額情報と前記減額した額とに基づいて実際の払い戻し額を求める。
(e3)実際の払い戻し額がある場合は、通信手段を介して車載装置へ実際の払い戻し額を送信する。
このような出口路側装置であれば、上述した車載装置Dと組み合わせることによって、車載装置Dについて記載した効果を奏し得る。
また、上述した車載装置Eに対応する出口路側装置としては、その制御手段が以下の(f1)〜(f3)を行うものであるとよい。
(f1)通信手段を介して車載装置から入口情報を受信する。
(f2)入口情報から満額払い戻し額を求める。
(f3)満額払い戻し額がある場合は、通信手段を介して車載装置へ満額払い戻し額を送信する。
このような出口路側装置であれば、上述した車載装置Eと組み合わせることによって、車載装置Eについて記載した効果を奏し得る。
を備える出口路側装置。
ETCシステムの構成を説明するためのブロック図である。 車載装置の構成を説明するためのブロック図である。 入口路側装置及び出口路側装置の構成を説明するためのブロック図である。 プリペイド残高の移動処理について説明するためのシーケンス図である(第一実施形態)。 入口ゲートにおける処理について説明するためのシーケンス図である(第一実施形態)。 出口ゲートにおける処理について説明するためのシーケンス図である(第一実施形態)。 プリペイド残高の移動処理について説明するためのシーケンス図である(第二実施形態)。 入口ゲートにおける処理について説明するためのシーケンス図である(第二実施形態)。 出口ゲートにおける処理について説明するためのシーケンス図である(第二実施形態)。 出口ゲートにおける処理について説明するためのシーケンス図である(他の実施形態)。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
図1は、ETCシステム10の構成を示すブロック図である。ETCシステム10は、車両に搭載された車載装置20と、プリペイド済みの通行料金を電子情報として記憶するICカード30と、有料道路の入口ゲートに設けられた入口路側装置40と、出口ゲートに設けられている出口路側装置50とを備える。なお、図1には車載装置20、ICカード30と、入口路側装置40と、出口路側装置50とが1台ずつ記載されているが、通常は、システム全体で複数台存在する。
次に、車載装置20の詳細について図2のブロック図を用いて説明する。車載装置20は、車両に搭載されて用いられるETC用の車載装置であり、無線アンテナ21と、DSRC部22と、HMI23と、SAM24と、非接触通信インターフェース25と、記憶部26と、制御部27とを備える。
無線アンテナ21は、DSRC用のアンテナである。
DSRC部22は、無線アンテナ21を介してDSRCによる情報の送受信を行う部位である。なお、通信対象は入口路側装置40及び出口路側装置50である。
HMI23は、人間と装置とのコミュニケーションのためのインターフェース(Human Machine Interface)を提供する部位である。具体的には、操作ボタンやLEDやスピーカ等から構成される。
SAM24は、入口路側装置40及び出口路側装置50と行う通信の通信情報等の暗号化・復号化を行う(※SAM:Secure Application Module)。
非接触通信インターフェース25は、ICカード30と、非接触の近距離無線通信を行うための機能を有する部位である。なお、接触型の通信インターフェースであってもよい(その場合はICカード30が接触型の通信インターフェースを有している必要がある)。
記憶部26は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ)から構成され、各種の情報を記憶することができる。
制御部27は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、DSRC部22、HMI23、SAM24、非接触通信インターフェース25及び記憶部26をプログラムに基づいて統括的に制御する部位である。
次に、入口路側装置40の詳細について図3(a)のブロック図を用いて説明する。入口路側装置40は、無線アンテナ41と、DSRC部42と、SAM43と、通信インターフェース44と、記憶部45と、制御部46とを備える。
無線アンテナ41は、DSRC用のアンテナである。
DSRC部42は、無線アンテナ41を介してDSRCによる情報の送受信を行う部位である。通信対象は車載装置20である。
SAM43は、車載装置20から送られてくる暗号化された情報を復号化する機能、及び、車載装置20へ送る情報を暗号化する機能を有した部位である。
通信インターフェース44は、有線通信によってゲート開閉装置や情報センタと通信するためのインターフェースである。
記憶部45は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク)から構成され、各種の情報を記憶している。例えば、入口を特定することができる入口情報や、車種別の通行料金等を記憶している。
制御部46は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、DSRC部42、SAM43、通信インターフェース44及び記憶部45を統括的に制御する部位である。
次に、出口路側装置50の詳細について図3(b)のブロック図を用いて説明する。出口路側装置50は、無線アンテナ51と、DSRC部52と、SAM53と、通信インターフェース54と、記憶部55と、制御部56とを備える。
無線アンテナ51は、DSRC用のアンテナである。
DSRC部52は、無線アンテナ51を介してDSRCによる情報の送受信を行う部位である。通信対象は車載装置20である。
SAM53は、車載装置20から送られてくる暗号化された情報を復号化する機能、及び、車載装置20へ送る情報を暗号化する機能を有した部位である。
通信インターフェース54は、有線通信によってゲート開閉装置や情報センタと通信するためのインターフェースである。
記憶部55は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク)から構成され、各種の情報を記憶している。例えば、車載装置20から受信した情報に基づき、払い戻し額等を算出する際に必要な情報(入口ゲートで課金される通行料金や、満額の払い戻し額等)を記憶している。
制御部46は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、DSRC部42、SAM43、通信インターフェース44及び記憶部45を統括的に制御する部位である。
[動作の説明]
[第一実施形態]
次に、第一実施形態のETCシステム10の動作について説明する。第一実施形態は、入口ゲートにおける支払い額を車載装置20が記憶しておき、その支払い額を出口ゲートで出口路側装置50へ送信し、出口路側装置50で計算された払い戻し額を車載装置20が受け取ってプリペイド残高に積み増すという流れを基本とする実施形態である。
(1)プリペイド残高の移動処理について
はじめに、ICカード30から車載装置20へのプリペイド残高の移動処理について図4のシーケンス図を用いて説明する。なお、前提として、ICカード30には、前払いされた通行料金の電子情報がプリペイド残高として予め記憶されていることとする。
車載装置20の、HMI23(具体的には操作ボタン)が操作され、ICカード30から車載装置20へプリペイド残高を移動させる旨の指示をユーザから受けたとする。すると、車載装置20の制御部27は、非接触通信インターフェース25を介してICカード30へ、プリペイド残高の移動を要求する(S105)。
プリペイド残高の移動の要求を受け付けたICカード30は、自身が記憶するプリペイド残高を車載装置20から要求された分、近距離無線通信を介して車載装置20へ移動させる(S110)。なお、「移動」であるため、車載装置20へ移動させた分だけ、ICカード30自身のプリペイド残高を減らすことはいうまでもない。
プリペイド残高を受け取った車載装置20の制御部27は、記憶部26にプリペイド残高を記憶させる。なお、既に記憶部26にプリペイド残高が存在する場合は、その残高に受け取った残高を加えることはいうまでもない。続いて、車載装置20の制御部27は、非接触通信インターフェース25を介してICカード30へ、一連のトランザクションをコミット可能である旨を通知する(S115)。
車載装置20からコミット可能である旨の通知を受け取ったICカード30は、車載装置20へコミットの実行を通知するとともに(S120)、自身のトランザクションもコミットさせる。つまり、自身が記憶するプリペイド残高の変更を有効化する(S125)。
コミットの実行通知を受け取った車載装置20の制御部27は、トランザクションをコミットさせる。つまり、記憶部26におけるプリペイド残高についての変更を有効化させる(S130)。そして、車載装置20の制御部27は、プリペイド残高の移動が完了した旨を、HMI23(具体的には、スピーカ)を介してユーザへ報知する(S135)。
以上の処理により、ICカード30から車載装置20へのプリペイド残高が移動され、車載装置20においてプリペイド残高を用いて通行料金の支払いが可能になる。
(2)入口ゲートにおける処理について
次に、車載装置20を搭載した車両が入口ゲートに到達することによって実行が開始される処理について、図5のシーケンス図を用いて説明する。
入口路側装置40の制御部46は、無線アンテナ41及びDSRC部42を介してBST(Beacon Service Table)信号を送信する(S205)。
BST信号を受信した車載装置20の制御部27は、BST信号に応答してVST(Vehicle Service Table)信号を、入口路側装置40へ送信する(S210)。そして、車載装置20の制御部27は、予め記憶部26に記憶されている車載装置20の固有識別情報(管理番号、形式登録番号、車両のナンバー等)をSAM24に暗号化させ、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へ送信する(S215)。なお、車載装置20が入口路側装置40へ情報等を送る場合は、車載装置20のSAM24によって暗号化した後に入口路側装置40へ送り、車載装置20は入口路側装置40から情報等を受け取るとSAM24によって復号化する。また、入口路側装置40においても同様であり、SAM43によって情報等を暗号化・復号化して車載装置20と通信を行う。
車載装置20より車載装置20の固有識別情報を受け取った入口路側装置40の制御部46は、受け取った車載装置20の固有識別情報に基づいて車載装置20に請求する通行料金を算出する。そして、算出した通行料金の額を無線アンテナ41及びDSRC部42を介して車載装置20へ通知する(S220)。
通行料金の額の通知を受けた車載装置20の制御部27は、利用制限フラグがオンになっているか否かを判定する(S225)。この「利用制限フラグ」というのは、記憶部26に記憶されたフラグであり、このフラグの状態によってETCの利用可否が決定されるものである。利用制限フラグがオンであるか否かの判定を行った結果、利用制限フラグはオンであった場合は(S225:Yes)、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へエラーを通知するとともに、HMI23(具体的にはLED及びスピーカ)を介してETCを利用できない旨を報知する(S230)。なお、通知を受けた入口路側装置40の制御部46は、ゲートを閉じさせる指示をゲート開閉装置に送り、車両を有料道路に流入させないようにする(S250)。
一方、利用制限フラグはオフであった場合は(S225:No)、予備減額処理を実行する(S225)。この「予備減額処理」というのは、記憶部26に記憶されているプリペイド残高を読み出し、入口路側装置40から受けた通行料金の額を制御部27内で予備的に減額する処理であり、記憶部26に記憶されているプリペイド残高から実際に減額する処理ではない。
続いて、車載装置20の制御部27は、不足額が生じかつその不足額が預託額超えるか否かを予備減額処理の結果に基づいて判定する(S240)。この「預託額」というのは、車載装置20の記憶部26に記憶されている情報であり、車載装置20の利用者が道路事業者に対して車載装置20の購入時等に予め支払った預託金の額である。判定を行った結果、不足額が生じかつその不足額が預託額を超えると判定した場合は(S240:Yes)、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へエラーを通知するとともに、HMI23(具体的にはLED及びスピーカ)を介して預託額を超える不足額が発生するためETCを利用できない旨を報知する(S245)。なお、通知を受けた入口路側装置40の制御部46は、ゲートを閉じさせる指示をゲート開閉装置に送り、車両を有料道路に流入させないようにする(S250)。
一方、不足額が生じないか、又は、生じたとしても預託額以下であったと判定した場合は(S240:No)、本減額処理を実行する(S255)。この「本減額処理」というのは、記憶部26に記憶されているプリペイド残高から、入口路側装置40から受けた通行料金の額を実際に可能なだけ減額する処理である。
続いて、実際に減額できた額を支払い額として、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へ通知する(S260)。
支払い額の通知を受けた入口路側装置40の制御部46は、支払い額と、記憶部45に記憶する入口情報と、既に受け取っている車載装置20の固有識別情報とから所定のアルゴリズにしたがってETC情報を生成し、生成したETC情報を、無線アンテナ41及びDSRC部42を介して車載装置20へ送信する(S265)。
ETC情報を受信した車載装置20の制御部27は、受信したETC情報を記憶部26に記憶させる(S275)。そして、S255での本減額処理を実行した際、減額できなかった不足額があるか否かを判定し(S280)、不足額があった場合は(S280:Yes)、記憶部26に記憶されている利用制限フラグをオンにする。一方、不足額はなかった場合は(S280:No)、利用制限フラグをオンにすることはしない。
続いて、車載装置20の制御部27は、入口路側装置40から通知された通行料金、支払い額、プリペイド残高、利用制限フラグの状態等を、HMI23(具体的にはスピーカ)を介してユーザへ報知する(S290)。例えば、利用制限フラグについては、ETC利用制限フラグがオフになった場合に「ETCの利用制限が解除されました」という音声を出力する。
また、プリペイド残高に応じ、ユーザが採るべき対応も報知する。例えば、プリペイド残高が0になった場合は「プリペイド残高が0になりましたのでプリペイド残高を積み増すことをおすすめします」という音声を出力させる。また、プリペイド残高が所定額以下になった場合は「プリペイド残高が残り少ないですのでプリペイド残高を積み増すことをおすすめします」という音声を出力させる。
(3)出口ゲートにおける処理について
次に、車載装置20を搭載した車両が出口ゲートに到達することによって実行が開始される処理について、図6のシーケンス図を用いて説明する。
出口路側装置50の制御部56は、無線アンテナ51及びDSRC部52を介してBST(Beacon Service Table)信号を送信する(S305)。
BST信号を受信した車載装置20の制御部27は、BST信号に応答してVST(Vehicle Service Table)信号を、出口路側装置50へ送信する(S310)。そして、車載装置20の制御部27は、記憶部26に記憶されているETC情報をSAM24に暗号化させ、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へ送信する(S315)。なお、車載装置20が出口路側装置50へ情報等を送る場合は、車載装置20のSAM24によって暗号化した後に出口路側装置50へ送り、車載装置20は出口路側装置50から情報等を受け取るとSAM24によって復号化する。また、出口路側装置50においても同様であり、SAM53によって情報等を暗号化・復号化して車載装置20と通信を行う。
車載装置20よりETC情報を受け取った出口路側装置50の制御部56は、ETC情報に含まれる、支払い額と、入口情報と、車載装置20の固有識別情報とから、車載装置20に対して払い戻す払い戻し額を計算する(S320)。具体的には、まず、車載装置20の固有識別情報から車種(大型車、普通車等)を特定し、その特定した車種と入口情報とに対応する通行料金(入口で徴収される一律の通行料金)と満額の払い戻し額を記憶部55から読み出す。そして、不足額を求める。不足額の計算式は、(不足額)=(通行料金)−(ETC情報に含まれる支払い額)、である。続いて、払い戻し額を求める。計算式は、(払い戻し額)=(満額の払い戻し額)−(不足額)、である。
そして、この計算結果に応じて異なる処理を行う(S325〜S345)。満額の払い戻し額>不足額である場合(つまり、払い戻し額>0である場合)は、その払い戻し額を車載装置20に通知する(S330)。また、不足額=満額払い戻し額であり、その結果払い戻し額が0である場合は、不足額=満額の払い戻し額である旨(又は、払い戻し額=0であって最終不足額=0である旨)を車載装置20に通知する(S340)。また、満額の払い戻し額<不足額である場合は、払い戻し後の不足額(つまり、不足額から満額の払い戻し額を差し引いた額)を車載装置20に通知する(S350)。
いずれかの通知を受け取った車載装置20の制御部27は、通知の種類よって処理を分岐する(S355)。払い戻し額の通知を受け取った場合、又は、不足額=満額払い戻し額である旨の通知を受け取った場合は、S360へ処理を移行し、払い戻し後の不足額を受け取った場合は、S370へ処理を移行する。
S360では、払い戻し額を受け取っていれば、その払い戻し額を記憶部26に記憶されているプリペイド残高に積み増す。そして、記憶部26に記憶されている利用制限フラグがオンであればオフにし(S365)、S395へ処理を移行する。
一方、S370では、記憶部26に記憶されているプリペイド残高は、出口路側装置50から受け取った払い戻し後の不足額以上あるか否かを判定する。これは、出口ゲートに到達するまでにサービスエリア等でプリペイド残高が積み増しされた場合を想定した処理ステップである。この判定の結果、出口路側装置50から受け取った払い戻し後の不足額以上のプリペイド残高はないと判定した場合は(S370:No)、S395へ処理を移行し、出口路側装置50から受け取った払い戻し後の不足額以上のプリペイド残高はあると判定した場合は(S370:Yes)、S375へ処理を移行する。
S375では、記憶部26に記憶されたプリペイド残高から、出口路側装置50から受け取った払い戻し後の不足額を減額し(S375)、払い戻し額の不足額の減額が完了したことを出口路側装置50へ通知する(S380)。
この通知を受け取った出口路側装置50の制御部56は、当該車載装置20が搭載された車両の通行料金の課金が正常に終了したことを認識し、その旨を通知する(S385)。
出口路側装置50から通知を受け取った車載装置20の制御部27は、記憶部26に記憶されている利用制限フラグがオフにし(S390)、S395へ処理を移行する。
S395では、HMI23(具体的にはスピーカ)を介して出口ゲートでの処理結果を報知する。例えば、満額の払い戻し額を受領した場合は「満額の払い戻し額、300円を受領しました」という音声を出力させる。また、減額された払い戻し額を受領した場合は「入口ゲートでの支払い不足金を減額した残りの払い戻し額、200円を受領しました」という音声を出力させる。また、不足額と満額の払い戻し額とが一致し、払い戻し額が0であった場合は「入口ゲートでの支払い不足額と満額の払い戻し額とが一致しますので払い戻し額はありませんでした」という音声を出力させる。また、出口ゲートでの払い戻し額を考慮してもなお、まだ支払い不足額があった場合は「出口ゲートでの払い戻し額を考慮してもなお、まだ支払い不足額が100円あります」という音声を出力させる。また、出口ゲートに至るまでにプリペイド残高が積み増しされ、そのプリペイド残高から減額することによって、支払い不足額が解消した場合は、「プリペイド残高から100円減額しましたので、不足額は解消しました」という音声を出力させる。
また、さらに利用制限フラグの状態が変化したことも報知する。例えば、「ETCの利用制限が解除されました」という音声である。
また、プリペイド残高も報知する。そして、プリペイド残高に応じ、ユーザが採るべき対応も報知する。例えば、プリペイド残高が0になった場合は「プリペイド残高が0になりましたのでプリペイド残高を積み増すことをおすすめします」という音声を出力させる。また、プリペイド残高が所定額以下になった場合は「プリペイド残高が残り少ないですのでプリペイド残高を積み増すことをおすすめします」という音声を出力させる。
(4)第一実施形態の効果について
第一実施形態のETCシステム10は、まず、車載装置20は、入口ゲートに設置された入口路側装置40から要求された通行料金を、プリペイド残高から可能なだけ減額し、支払い額を記憶部26に記憶する(S255,S275)。その際、不足額があれば、利用制限フラグをオンにする(S285)。そして、出口ゲートに到達すると、車載装置20は、出口路側装置50に支払い額を通知し(S315)、支払い額を受信した出口路側装置50は、車載装置20への払い戻し額を計算する(S320)。そして、出口路側装置50は、払い戻し額があれば車載装置20へ払い戻し額を通知し(S330)、払い戻し額を受信した車載装置20は、払い戻し額をプリペイド残高へ積み増し(S360)、利用制限フラグをオフにする(S365)。
このため、第一実施形態のETCシステム10によれば、入口ゲートを通過した際に支払う料金が不足していても、出口ゲートにおける払い戻し額と相殺することによって不足が解消すれば、ETCの利用制限は解除される。したがって、プリペイド残高が実際の通行料金(払い戻しの考慮された通行料金)の範囲内であるにもかかわらずETCの利用制限がなされるという問題の発生を防止できる。
また、不足額がなかった場合に出口ゲートで払い戻される払い戻し額(満額払い戻し額)と、入口ゲートを通過した際に不足していた不足額とが一致する場合についても、出口路側装置50は、その旨を通知するようになっている(S340)。
したがって、払い戻し額も支払い不足額もなかった場合についても、制限が解除され、無用な制限状態が続くことを回避できる。
また、車載装置20は、出口ゲートにおける払い戻しを考慮してもなお支払いに不足がある場合には、プリペイド残高を再度確認して(S370)、不足額を解消可能であれば、プリペイド残高から不足額を減額する(S375)。したがって、出口ゲートに至るまでに、ユーザによりサービスエリア等においてプリペイド残高が積み増しされた場合は、それが考慮されて出口ゲートにおいて処理されるため、この処理に合わせて利用制限も解除される。
また、車載装置20は、プリペイド残高に変動があった場合、プリペイド残高に応じて、ユーザが採るべき対応も報知する(S290,S395)。したがって、ユーザはプリペイド残高が不足する前に適切に対応するこができる。
また、車載装置20は、予備減額処理を実行し(S235)、減額を行うと不足額が預託金の額を超えることになるかどうかを判定するようになっている(S240)。そして、超えることになる場合は(S240:Yes)、エラーを報知し(S245)、本減額処理を実行しない。
したがって、利用制限の解除をあえて行わずに不足額を支払わずに、車載装置20を廃棄するような場合が発生しても、道路事業者に損金は発生しない。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態のETCシステム10の動作について説明する。第二実施形態は、入口ゲートにおいて不足額が生じるとその不足額を車載装置20が記憶しておき、車載装置20は出口ゲートで出口路側装置50から満額の払い戻し額を受け取ると、記憶しておいた不足額と相殺した残りの払い戻し額をプリペイド残高に積み増すという流れを基本とする実施形態である。
(1)プリペイド残高の移動処理について
はじめに、ICカード30から車載装置20へのプリペイド残高の移動処理について図7のシーケンス図を用いて説明する。なお、前提として、ICカード30には、前払いされた通行料金の電子情報がプリペイド残高として予め記憶されていることとする。
車載装置20の、HMI23(具体的には操作ボタン)が操作され、ICカード30から車載装置20へプリペイド残高を移動させる旨の指示をユーザから受けたとする。すると、車載装置20の制御部27は、非接触通信インターフェース25を介してICカード30へ、プリペイド残高の移動を要求する(S405)。
プリペイド残高の移動の要求を受け付けたICカード30は、自身が記憶するプリペイド残高を車載装置20から要求された分、近距離無線通信を介して車載装置20へ移動させる(S410)。なお、「移動」であるため、車載装置20へ移動させた分だけ、ICカード30自身のプリペイド残高を減らすことはいうまでもない。
プリペイド残高を受け取った車載装置20の制御部27は、記憶部26に不足額が記憶されているか否かを判定し、不足額があればICカード30から受け取ったプリペイド残高と不足額と相殺した後、残りを記憶部26に記憶されているプリペイド残高に積み増す(S415)。この不足額というのは、入口ゲートにおける支払い時に生じた不足額であり、詳細は後述する。なお、相殺した結果、残りがなければプリペイド残高への積み増しは行われない。また、不足額が記憶部26に記憶されていなければ、ICカード30から受け取ったプリペイド残高をそのまま記憶部26に記憶されているプリペイド残高に積み増す。
続いて、S415において積み増した結果、不足額が解消したか(なくなったか)否かを判定する(S420)。不足額が解消した場合には(S420:Yes)、記憶部26に記憶されている利用制限フラグをオンからオフに変更し(S425)、不足額が解消していない場合、又は、はじめから不足額がなかった場合は何もしない。
続いて、車載装置20の制御部27は、非接触通信インターフェース25を介してICカード30へ、一連のトランザクションをコミット可能である旨を通知する(S430)。
車載装置20からコミット可能である旨の通知を受け取ったICカード30は、車載装置20へコミットの実行を通知するとともに(S435)、自身のトランザクションもコミットさせる。つまり、自身が記憶するプリペイド残高の変更を有効化する(S440)。
コミットの実行通知を受け取った車載装置20の制御部27は、トランザクションをコミットさせる。つまり、記憶部26におけるプリペイド残高についての変更を有効化させる(S445)。そして、車載装置20の制御部27は、プリペイド残高の移動が完了した旨を、HMI23(具体的には、スピーカ)を介してユーザへ報知する(S450)。
以上の処理により、ICカード30から車載装置20へのプリペイド残高が移動され、車載装置20においてプリペイド残高を用いて通行料金の支払いが可能になる。
(2)入口ゲートにおける処理について
次に、車載装置20を搭載した車両が入口ゲートに到達することによって実行が開始される処理について、図8のシーケンス図を用いて説明する。
入口路側装置40の制御部46は、無線アンテナ41及びDSRC部42を介してBST(Beacon Service Table)信号を送信する(S505)。
BST信号を受信した車載装置20の制御部27は、BST信号に応答してVST(Vehicle Service Table)信号を、入口路側装置40へ送信する(S510)。そして、車載装置20の制御部27は、予め記憶部26に記憶されている車載装置20の固有識別情報(管理番号、形式登録番号、車両のナンバー等)をSAM24に暗号化させ、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へ送信する(S515)。なお、車載装置20が入口路側装置40へ情報等を送る場合は、車載装置20のSAM24によって暗号化した後に入口路側装置40へ送り、車載装置20は入口路側装置40から情報等を受け取るとSAM24によって復号化する。また、入口路側装置40においても同様であり、SAM43によって情報等を暗号化・復号化して車載装置20と通信を行う。
車載装置20より車載装置20の固有識別情報を受け取った入口路側装置40の制御部46は、受け取った車載装置20の固有識別情報に基づいて車載装置20に請求する通行料金を算出する。そして、算出した通行料金の額を無線アンテナ41及びDSRC部42を介して車載装置20へ通知する(S520)。
通行料金の額の通知を受けた車載装置20の制御部27は、利用制限フラグがオンになっているか否かを判定する(S525)。この「利用制限フラグ」というのは、記憶部26に記憶されたフラグであり、このフラグの状態によってETCの利用可否が決定されるものである。利用制限フラグがオンであるか否かの判定を行った結果、利用制限フラグはオンであった場合は(S525:Yes)、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へエラーを通知するとともに、HMI23(具体的にはLED及びスピーカ)を介してETCを利用できない旨を報知する(S530)。なお、通知を受けた入口路側装置40の制御部46は、ゲートを閉じさせる指示をゲート開閉装置に送り、車両を有料道路に流入させないようにする(S550)。
一方、利用制限フラグはオフであった場合は(S525:No)、予備減額処理を実行する(S525)。この「予備減額処理」というのは、記憶部26に記憶されているプリペイド残高を読み出し、入口路側装置40から受けた通行料金の額を制御部27内で予備的に減額する処理であり、記憶部26に記憶されているプリペイド残高から実際に減額する処理ではない。
続いて、車載装置20の制御部27は、不足額が生じかつその不足額が預託額超えるか否かを予備減額処理の結果に基づいて判定する(S540)。この「預託額」というのは、車載装置20の記憶部26に記憶されている情報であり、車載装置20の利用者が道路事業者に対して車載装置20の購入時等に予め支払った預託金の額である。判定を行った結果、不足額が生じかつその不足額が預託額を超えると判定した場合は(S540:Yes)、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へエラーを通知するとともに、HMI23(具体的にはLED及びスピーカ)を介して預託額を超える不足額が発生するためETCを利用できない旨を報知する(S545)。なお、通知を受けた入口路側装置40の制御部46は、ゲートを閉じさせる指示をゲート開閉装置に送り、車両を有料道路に流入させないようにする(S550)。
一方、不足額が生じないか、又は、生じたとしても預託額以下であったと判定した場合は(S540:No)、本減額処理を実行する(S555)。この「本減額処理」というのは、記憶部26に記憶されているプリペイド残高から、入口路側装置40から受けた通行料金の額を実際に可能なだけ減額するとともに、減額できない不足額は記憶部26に不足額として記憶する処理である。なお、この不足額が、上述した(1)のS415における不足額である。
続いて、制御部27は、減額が完了した旨を、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へ通知する(S560)。
支払い額の通知を受けた入口路側装置40の制御部46は、記憶部45に記憶する入口情報と、既に受け取っている車載装置20の固有識別情報とから所定のアルゴリズにしたがってETC情報を生成し、生成したETC情報を、無線アンテナ41及びDSRC部42を介して車載装置20へ送信する(S565)。
ETC情報を受信した車載装置20の制御部27は、受信したETC情報を記憶部26に記憶させる(S575)。そして、S555での本減額処理を実行した際、減額できなかった不足額があるか否かを判定し(S580)、つまり、記憶部26に不足額が記憶されているか否かを判定し、不足額が記憶されている場合は(S580:Yes)、記憶部26に記憶されている利用制限フラグをオンにする。一方、不足額は記憶されていない場合は(S580:No)、利用制限フラグをオンにすることはしない。
続いて、車載装置20の制御部27は、入口路側装置40から通知された通行料金、支払い額、不足額、プリペイド残高、利用制限フラグの状態等を、HMI23(具体的にはスピーカ)を介してユーザへ報知する(S590)。例えば、利用制限フラグについては、ETC利用制限フラグがオフになった場合に「ETCの利用制限が解除されました」という音声を出力する。
また、プリペイド残高に応じ、ユーザが採るべき対応も報知する。例えば、プリペイド残高が0になった場合は「プリペイド残高が0になりましたのでプリペイド残高を積み増すことをおすすめします」という音声を出力させる。また、プリペイド残高が所定額以下になった場合は「プリペイド残高が残り少ないですのでプリペイド残高を積み増すことをおすすめします」という音声を出力させる。
(3)出口ゲートにおける処理について
次に、車載装置20を搭載した車両が出口ゲートに到達することによって実行が開始される処理について、図9のシーケンス図を用いて説明する。
出口路側装置50の制御部56は、無線アンテナ51及びDSRC部52を介してBST(Beacon Service Table)信号を送信する(S605)。
BST信号を受信した車載装置20の制御部27は、BST信号に応答してVST(Vehicle Service Table)信号を、出口路側装置50へ送信する(S610)。そして、車載装置20の制御部27は、記憶部26に記憶されているETC情報をSAM24に暗号化させ、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へ送信する(S615)。なお、車載装置20が出口路側装置50へ情報等を送る場合は、車載装置20のSAM24によって暗号化した後に出口路側装置50へ送り、車載装置20は出口路側装置50から情報等を受け取るとSAM24によって復号化する。また、出口路側装置50においても同様であり、SAM53によって情報等を暗号化・復号化して車載装置20と通信を行う。
車載装置20よりETC情報を受け取った出口路側装置50の制御部56は、ETC情報に含まれる、入口情報と、車載装置20の固有識別情報とから、車載装置20に対して払い戻す満額の払い戻し額を計算する(S620)。具体的には、車載装置20の固有識別情報から車種(大型車、普通車等)を特定し、その特定した車種と入口情報とに対応する満額の払い戻し額を記憶部55から読み出す。
続いて、出口路側装置50の制御部56は、満額の払い戻し額を車載装置20へ通知する(S625)。
満額の払い戻し額の通知を受け取った車載装置20の制御部27は、記憶部26に不足額が記憶されているか否かを判定し、不足額があれば出口路側装置50から受け取った満額の払い戻し額と不足額と相殺した後、残りを記憶部26に記憶されているプリペイド残高に積み増す(S630)。なお、相殺した結果、残りがなければプリペイド残高への積み増しは行われない。また、もともと不足額が記憶部26に記憶されていなければ、出口路側装置50から受け取った満額の払い戻し額をそのまま記憶部26に記憶されているプリペイド残高に積み増す。
続いて、S630において積み増した結果、不足額が解消したか(なくなったか)否かを判定する(S635)。不足額が解消した場合には(S635:Yes)、記憶部26に記憶されている利用制限フラグをオンからオフに変更し(S640)、不足額が解消していない場合、又は、はじめから不足額がなかった場合は何もしない。
S645では、HMI23(具体的にはスピーカ)を介して出口ゲートでの処理結果を報知する。例えば、満額の払い戻し額をそのままプリペイド残高に積み増した場合は「出口路側装置から300円の払い戻し額を受領し、プリペイド残高に300円積み増しました」という音声を出力させる。また、払い戻し額の一部を不足額にあてがい、その残りをプリペイド残高に積み増した場合は「出口路側装置から300円の払い戻し額を受領し、不足額200円と相殺して残り100円をプリペイド残高に積み増しました」という音声を出力させる。また、払い戻し額を全額不足額にあてがい、それもでなお不足額が存在する場合は「出口路側装置から300円の払い戻し額を受領して不足額と相殺しましたが、それでもなお、100円の不足額が存在します」という音声を出力させる。
また、さらに利用制限フラグの状態が変化したことも報知する。例えば、「ETCの利用制限が解除されました」という音声等である。
また、プリペイド残高も報知する。そして、プリペイド残高に応じ、ユーザが採るべき対応も報知する。例えば、プリペイド残高が0になった場合は「プリペイド残高が0になりましたのでプリペイド残高を積み増すことをおすすめします」という音声を出力させる。また、プリペイド残高が所定額以下になった場合は「プリペイド残高が残り少ないですのでプリペイド残高を積み増すことをおすすめします」という音声を出力させる。
(4)第二実施形態の効果について
第二実施形態のETCシステム10は、まず、車載装置20は、入口ゲートに設置された入口路側装置40から要求された通行料金を、プリペイド残高から可能なだけ減額し、不足額を記憶部26に記憶する(S555)。その際、不足額があれば、利用制限フラグをオンにする(S585)。そして、出口ゲートに到達すると、車載装置20は入口情報が含まれるETC情報を出口路側装置50へ送信し(S615)、出口路側装置50は、車載装置20から受け取った入口情報等から満額の払い戻し額を計算する(S620)。そして、出口路側装置50は満額の払い戻し額を通知し(S625)、満額の払い戻し額を受信した車載装置20は、不足額と相殺した後の残額をプリペイド残高へ積み増す(S630)。そして、その結果、不足額が解消すれば、利用制限フラグをオフにする(S640)。
このため、第二実施形態のETCシステム10によれば、入口ゲートを通過した際に支払う料金が不足していても、出口ゲートにおける払い戻し額と相殺することによって不足が解消すれば、ETCの利用制限は解除される。したがって、プリペイド残高が実際の通行料金(払い戻しの考慮された通行料金)の範囲内であるにもかかわらずETCの利用制限がなされるという問題の発生を防止できる。
また、ICカード30からプリペイド残高が積み増しされた場合も、まずは、不足額と相殺した後の残額をプリペイド残高へ積み増し(S415)、その結果、不足額が解消すれば、利用制限フラグをオフにする(S425)。
したがって、サービスエリア等で新たに購入したICカード30からプリペイド残高を車載装置20へ移動させることによって、そのタイミングで利用制限フラグをオフにすることができる。
また、車載装置20は、プリペイド残高に変動があった場合、プリペイド残高に応じて、ユーザが採るべき対応も報知する(S590,S645)。したがって、ユーザはプリペイド残高が不足する前に適切に対応するこができる。
また、車載装置20は、予備減額処理を実行し(S535)、減額を行うと不足額が預託金の額を超えることになるかどうかを判定するようになっている(S540)。そして、超えることになる場合は(S540:Yes)、エラーを報知し(S545)、本減額処理を実行しない。
したがって、利用制限の解除をあえて行わずに不足額を支払わずに、車載装置20を廃棄するような場合が発生しても、道路事業者に損金は発生しない。
[他の実施形態]
(1)上記第一実施形態のS260では、実際に減額できた額を支払い額として、入口路側装置40へ通知するようになっていたが、この支払い額の替わりに不足額を入口路側装置40へ通知するようになっていてもよい。そして、不足額を受け取った入口路側装置40の制御部46は、不足額と、記憶部45に記憶する入口情報と、既に受け取っている車載装置20の固有識別情報とから所定のアルゴリズにしたがってETC情報を生成し、生成したETC情報を、車載装置20へ送信するとよい。
ETC情報を受信した車載装置20の制御部27は、第一実施形態と同様、受信したETC情報を記憶部26に記憶させるとよい。
そして、出口ゲートにおいては、車載装置20は、不足額が含まれるETC情報を、出口路側装置へ送信し、出口路側装置50は、ETC情報内の不足額と、入口情報と、車載装置20の固有識別情報とから、車載装置20に対して払い戻す払い戻し額を計算するようになっているとよい。具体的には、まず、車載装置20の固有識別情報から車種(大型車、普通車等)を特定し、その特定した車種と入口情報とに対応する満額の払い戻し額を記憶部55から読み出す。そして、実際の払い戻し額を求める。計算式は、(払い戻し額)=(満額の払い戻し額)−(ETC情報内の不足額)、である。以降の処理は、上述した第一実施形態のETCシステム10と同じである。
このようにETCシステム10でも第一実施形態のETCシステム10と同様の効果を奏する。
(2)上記第一実施形態の出口ゲートにおける処理(図6)に替えて、図10のシーケンス図に示す処理を行ってもよい。以下、図10を用いて具体的に説明する。
出口路側装置50の制御部56は、無線アンテナ51及びDSRC部52を介してBST(Beacon Service Table)信号を送信する(S705)。
BST信号を受信した車載装置20の制御部27は、BST信号に応答してVST(Vehicle Service Table)信号を、出口路側装置50へ送信する(S710)。そして、車載装置20の制御部27は、記憶部26に記憶されているETC情報をSAM24に暗号化させ、無線アンテナ21及びDSRC部22を介して入口路側装置40へ送信する(S715)。なお、車載装置20が出口路側装置50へ情報等を送る場合は、車載装置20のSAM24によって暗号化した後に出口路側装置50へ送り、車載装置20は出口路側装置50から情報等を受け取るとSAM24によって復号化する。また、出口路側装置50においても同様であり、SAM53によって情報等を暗号化・復号化して車載装置20と通信を行う。
また、車載装置20の制御部27は、記憶部26にプリペイド残高が記憶されているか否か(プリペイド残高があるか否か)を判定する(S720)。その結果、プリペイド残高が記憶されていれば(S720:Yes)、プリペイド残高から入口ゲートでの不足額を可能なだけ減額し(S725)、その減額した額を出口路側装置50へ通知する(S730)。一方、プリペイド残高が記憶されていれば(S720:No)、出口路側装置50への通知は行わない。
出口路側装置50の制御部56は、車載装置20に対する払い戻し額を計算する(S735)。S730の通知を受け取っているか否かによって処理は異なる。
(i)S730の通知を受け取っていない場合
出口路側装置50の制御部56は、まず、ETC情報に含まれる車載装置20の固有識別情報から車種(大型車、普通車等)を特定し、その特定した車種とETC情報に含まれる入口情報とに対応する通行料金(入口で徴収される一律の通行料金)及び満額の払い戻し額を記憶部55から読み出す。そして、不足額を求める。不足額の計算式は、(不足額)=(通行料金)−(ETC情報に含まれる支払い額)、である。続いて、払い戻し額を求める。計算式は、(払い戻し額)=(満額の払い戻し額)−(不足額)、である。
(ii)S730の通知を受け取っている場合
出口路側装置50の制御部56は、まず、ETC情報に含まれる車載装置20の固有識別情報から車種(大型車、普通車等)を特定し、その特定した車種とETC情報に含まれる入口情報とに対応する通行料金(入口で徴収される一律の通行料金)及び満額の払い戻し額を記憶部55から読み出す。そして、不足額を求める。不足額の計算式は、(不足額)=(通行料金)−(ETC情報に含まれる支払い額)−(S730の通知に含まれる額)、である。続いて、払い戻し額を求める。計算式は、(払い戻し額)=(満額の払い戻し額)−(不足額)、である。
いずれかの方法によって払い戻し額を計算すると、この計算結果に応じて異なる処理を行う(S740〜S760)。満額の払い戻し額>不足額である場合(つまり、払い戻し額>0である場合)は、その払い戻し額を車載装置20に通知する(S745)。また、不足額=満額払い戻し額であり、その結果払い戻し額が0である場合は、不足額=満額の払い戻し額である旨(又は、払い戻し額=0であって最終不足額=0である旨)を車載装置20に通知する(S750)。また、満額の払い戻し額<不足額である場合は、払い戻し後の不足額(つまり、不足額から満額の払い戻し額を差し引いた額)を車載装置20に通知する(S765)。
いずれかの通知を受け取った車載装置20の制御部27は、通知の種類よって処理を分岐する(S770)。払い戻し額の通知を受け取った場合、又は、不足額=満額払い戻し額である旨の通知を受け取った場合は、S775へ処理を移行し、払い戻し後の不足額を受け取った場合は、S790へ処理を移行する。
S775では、払い戻し額を受け取っていれば、その払い戻し額を記憶部26に記憶されているプリペイド残高に積み増す。そして、記憶部26に記憶されている利用制限フラグがオンであればオフにし(S780)、S790へ処理を移行する。
S790では、HMI23(具体的にはスピーカ)を介して出口ゲートでの処理結果を報知する。例えば、満額の払い戻し額を受領した場合は「満額の払い戻し額、300円を受領しました」という音声を出力させる。また、減額された払い戻し額を受領した場合は「入口ゲートでの支払い不足金を減額した残りの払い戻し額、200円を受領しました」という音声を出力させる。また、不足額と満額の払い戻し額とが一致し、払い戻し額が0であった場合は「入口ゲートでの支払い不足額と満額の払い戻し額とが一致しますので払い戻し額はありませんでした」という音声を出力させる。また、出口ゲートでの払い戻し額を考慮してもなお、まだ支払い不足額があった場合は「出口ゲートでの払い戻し額を考慮してもなお、まだ支払い不足額が100円あります」という音声を出力させる。また、出口ゲートに至るまでにプリペイド残高が積み増しされ、そのプリペイド残高から減額することによって、支払い不足額が解消した場合は、「プリペイド残高から100円減額しましたので、不足額は解消しました」という音声を出力させる。
また、S725においてプリペイド残高から不足額を減額した場合は、上述した音声出力の前に、S725において減額した旨を音声出力する。例えば、「プリペイド残高がありますので、先に不足金300円を支払います。」という音声である。
また、さらに利用制限フラグの状態が変化したことも報知する。例えば、「ETCの利用制限が解除されました」という音声である。
また、プリペイド残高も報知する。そして、プリペイド残高に応じ、ユーザが採るべき対応も報知する。例えば、プリペイド残高が0になった場合は「プリペイド残高が0になりましたのでプリペイド残高を積み増すことをおすすめします」という音声を出力させる。また、プリペイド残高が所定額以下になった場合は「プリペイド残高が残り少ないですのでプリペイド残高を積み増すことをおすすめします」という音声を出力させる。
このようなETCシステム10であっても、上述した第一実施形態のETCシステム10と同様の効果を奏する。
[特許請求の範囲との対応]
出口路側装置50の無線アンテナ51及びDSRC部52が出口路側装置の通信手段に相当し、出口路側装置50の制御部56が出口路側装置の制御手段に相当する。
10…ETCシステム、20…車載装置、21…無線アンテナ、22…DSRC部、23…HMI、24…SAM、25…非接触通信インターフェース、26…記憶部、27…制御部、30…ICカード、40…入口路側装置、41…無線アンテナ、42…DSRC部、43…SAM、44…通信インターフェース、45…記憶部、46…制御部、50…出口路側装置、51…無線アンテナ、52…DSRC部、53…SAM、54…通信インターフェース、55…記憶部、56…制御部。

Claims (4)

  1. 都市型対距離料金体系の有料道路の出口に設置される出口路側装置であって、
    車載装置と通信を行う通信手段と、
    前記通信手段を用いて以下の(d1)〜(d3)を行う制御手段と、
    を備える出口路側装置。
    (d1)前記通信手段を介して前記車載装置から入口情報と支払い額情報とを受信する。
    (d2)前記入口情報に基づいて満額払い戻し額を求め、前記満額払い戻し額と前記支払い額情報とに基づいて実際の払い戻し額を求める。
    (d3)前記実際の払い戻し額がある場合は、前記通信手段を介して前記車載装置へ前記実際の払い戻し額を送信する。
  2. 請求項1に記載の出口路側装置において、
    前記制御手段は、前記実際の払い戻し額を求めた結果、払い戻し額はなくかつ不足額もない場合は、その旨を示す通知を、前記通信手段を介して前記車載装置へ送信すること、
    を特徴とする出口路側装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の出口路側装置において、
    前記制御手段は、前記実際の払い戻し額を求めた結果、払い戻し額を考慮してもなお不足額がある場合は、その不足額を、前記通信手段を介して前記車載装置へ送信すること、
    を特徴とする出口路側装置。
  4. 都市型対距離料金体系の有料道路の出口に設置される出口路側装置であって、
    車載装置と通信を行う通信手段と、
    前記通信手段を用いて以下の(e1)〜(e3)を行う制御手段と、
    を備える出口路側装置。
    (e1)前記通信手段を介して前記車載装置から入口情報と支払い額情報とを受信する。
    (e2)前記入口情報に基づいて満額払い戻し額を求め、前記満額払い戻し額と前記支払い額情報とに基づいて実際の払い戻し額を求めるが、別途、車載装置が記憶するプリペイド残高から減額した額を、前記通信手段を介して前記車載装置から受信した場合には、前記満額払い戻し額と前記支払い額情報と前記減額した額とに基づいて実際の払い戻し額を求める。
    (e3)前記実際の払い戻し額がある場合は、前記通信手段を介して前記車載装置へ前記実際の払い戻し額を送信する。
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