JP5458120B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、モータの駆動で直線運動を出力するアクチュエータに関する。
従来から、各種機器を動作させるアクチュエータとして、油圧シリンダが提供されている。かかる油圧シリンダは、シリンダ本体と、ピストンロッドとを備える。シリンダ本体の内部には、一方向に延びる内部空間が形成されている。ピストンロッドは、一方向に延びる棒状のロッド部であって、シリンダ本体に対して一方向で移動可能に挿通されたロッド部と、内部空間内でロッド部に連結されたピストン部であって、内部空間を一方向で二つの領域に区画するピストン部とを備える。これにより、油圧シリンダは、内部空間(ピストン部によって区画された二つの領域の何れか一方の領域)に作動油が供給されることで、ピストン部に作用する油圧により、ピストンロッド全体が軸力を発生させつつ一方向に移動するようになっている。
これに伴い、この種の油圧シリンダは、内部空間に作動油を供給するための油圧ユニットに接続される。具体的には、定常的に設置される機器に油圧シリンダが搭載される場合、油圧ユニットが油圧シリンダと異なる位置に別途設置され、配管を介して油圧シリンダと油圧ユニットとが流体的に接続される。これに対し、持ち運びされる機器(例えば、リベッタやバーカッタ等のハンディーツール)に油圧シリンダが搭載される場合、機器全体のサイズを小型化すべく、油圧ユニットと油圧シリンダ(シリンダ本体)とが一体的に連結されつつ流体的に接続される(例えば、特許文献1参照)。
ところで、油圧ユニットは、作動油を貯留するためのタンクや、タンク内の作動油を送り出すポンプ、ポンプを動作させるモータ等を備える。そのため油圧ユニットの占有スペースが大きく、機器を動作させるアクチュエータとして油圧シリンダが採用されると、機器全体が大きくなるといった問題がある。特に、持ち運びされる機器に油圧シリンダを搭載すると、油圧ユニットが機器の大型化や重量化の原因となり、ハンドリング性が害されるといった問題がある。
特開平7−223113号公報
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、油圧シリンダと同等の性能を発揮しつつも小型化することのできるアクチュエータを提供することを課題とする。
本発明に係るアクチュエータは、一方向に延びる内部空間を有するシリンダ本体であって、前記一方向に第一端と第二端とを有するシリンダ本体と、前記一方向に間隔をあけて前記内部空間内に配置された一対のピストンであって、それぞれが前記内部空間内で前記一方向に移動可能に設けられる一対のピストンと、該一対のピストン間の定位置に配置された隔壁体であって、前記内部空間における前記一対のピストン間を前記一方向で二つの領域に仕切る隔壁体と、前記シリンダ本体の第一端に対して前記一方向に移動可能に挿通されたロッドであって、前記一対のピストンのうちの何れか一方のピストンに連結されたロッドとを備え、前記二つの領域には、作動油が充填され、前記隔壁体は、電動モータの駆動で作動するポンプ機構部を備え、該ポンプ機構部は、前記二つの領域のうちの何れか一方の領域の作動油を前記二つの領域のうちの何れか他方の領域に向けて送り出す第一状態と、前記二つの領域のうちの何れか他方の領域の作動油を前記二つの領域のうちの何れか一方の領域に向けて送り出す第二状態とに切り換え可能に構成される。
上記構成のアクチュエータのポンプ機構部は、第一状態において、二つの領域のうちの何れか一方の領域(以下、単に一方の領域という。)の作動油を二つの領域のうちの何れか他方の領域(以下、単に他方の領域という。)に向けて送り出す。これにより、一方の領域は、作動油の減少に伴って減圧される(負圧になる)。これに対し、他方の領域は、作動油の増加に伴って加圧される(陽圧になる)。
これに伴い、他方の領域を区画する何れか一方のピストン(以下、単に一方のピストンという。)は、作動油の供給圧(油圧)を受け、定位置で維持する隔壁体から離間するように一方向に移動する。すなわち、他方の領域内の作動油の増量に対応して一方のピストンが隔壁体から離間する方向に移動する。これにより、他方の領域(一方のピストンと隔壁体との間の空間)の空間容積と、他方の領域内にある作動油の量(油量)とが対応した状態になる。
また、一方の領域を区画する何れか他方のピストン(以下、単に他方のピストンという。)は、減圧の影響で、定位置で維持する隔壁体に接近するように一方向に移動する。すなわち、一方の領域内の作動油の減量に対応して他方のピストンが隔壁体側に移動する。これにより、一方の領域(他方のピストンと隔壁体との間の空間)の空間容積と、一方の領域内にある作動油の量(油量)とが対応した状態になる。
このように、上記構成のアクチュエータは、一方の領域の作動油が他方の領域に送り込まれるときに、一方の領域の空間容積と一方の領域内の油量とが対応するとともに、他方の領域の空間容積と他方の領域内の油量とが対応するため、内部空間内の作動油の全油量と、作動油の充填される空間容積とが常時一定又は略一定に保たれる。その結果、一方の領域内が負圧になることによって、ポンプ機構部による他方の領域への作動油の送り出しが阻害されることがない。従って、一方のピストンは、安定した状態で油圧を受け、一方向に円滑に移動する。
また、上記構成のアクチュエータのポンプ機構部は、第二状態において、他方の領域の作動油を一方の領域に向けて送り出す。これにより、他方の領域は、作動油の減少に伴って減圧される(負圧になる)。これに対し、一方の領域は、作動油の増加に伴って加圧される(陽圧になる)。
これに伴い、一方の領域を区画する他方のピストンは、作動油の供給圧(油圧)を受け、定位置で維持する隔壁体から離間するように一方向に移動する。すなわち、一方の領域内の作動油の増量に対応して他方のピストンが隔壁体から離間する方向に移動する。これにより、一方の領域(他方のピストンと隔壁体との間の空間)の空間容積と、一方の領域内にある作動油の量(油量)とが対応した状態になる。
また、他方の領域を区画する一方のピストンは、減圧の影響で、定位置で維持する隔壁体に接近するように一方向に移動する。すなわち、他方の領域内の作動油の減量に対応して一方のピストンが隔壁体側に移動する。これにより、他方の領域(一方のピストンと隔壁体との間の空間)の空間容積と、他方の領域内にある作動油の量(油量)とが対応した状態になる。
このように、上記構成のアクチュエータは、他方の領域の作動油が一方の領域に送り込まれるときに、一方の領域の空間容積と一方の領域内の油量とが対応するとともに、他方の領域の空間容積と他方の領域内の油量とが対応するため、内部空間内の作動油の全油量と、該作動油の充填される空間容積とが常時一定又は略一定に保たれる。その結果、他方の領域内が負圧になることによって、ポンプ機構部による他方の領域への作動油の送り出しが阻害されることがない。従って、他方のピストンは、安定した状態で油圧を受け、一方向に円滑に移動する。
このように、上記構成のアクチュエータは、一対のピストンが油圧の作用で一方向に移動するため、ピストンに連結されたロッドを一方向に往復移動させることができる。従って、上記構成のアクチュエータは、油圧シリンダと同等の性能を発揮する。また、上述の如く、上記構成のアクチュエータは、隔壁体のポンプ機構部で内部空間に対する作動油の供給を行うため、油圧ユニットを必要とせず、小型化したものになる。
本発明の一態様として、前記一方向に移動可能に前記隔壁体を貫通し、前記一対のピストン同士を連結する連結体を備える、ようにすることができる。
上記構成によれば、一対のピストンが、一方向に移動するときに連動する。すなわち、一対のピストンが連結体によって連結されることで、負圧になる領域を画定するピストンが、陽圧になる領域を画定するピストンに引っ張られる。従って、負圧の領域を画定するピストンが油圧の作用によっても一方向に移動する。これにより、ピストンに連結されたロッドは、一方向で往動するとき及び復動するときに軸力を発生させる。従って、上記構成のアクチュエータは、両押しの油圧シリンダと同等の性能を発揮する。また、一対のピストン同士が連結体を介して連結されることで、一対のピストンは、常に一定の間隔を保った状態で移動する。従って、上記構成のアクチュエータは、ポンプ機構部が二つの領域間で作動油を行き来させても、内部空間内の作動油の全油量と、作動油の充填される空間容積とが常時対応した状態に保たれる。従って、ポンプ機構部による作動油の送り出しが阻害されることがなく、一対のピストンが一方向に円滑に移動し、ロッドも円滑に移動する。
本発明の他態様として、前記ポンプ機構部は、容積ポンプで構成される、ようにすることができる。容積ポンプには、種々タイプのものがあるが、何れのタイプにおいても作動油の吐出圧が高い。従って、ロッドを一方向に往復動させる際に、ロッドに大きな軸力を作用させることができる。
本発明の別の態様として、前記一方向に第一端と第二端とを有する回転軸を備え、該回転軸は、前記シリンダ本体の前記第二端に液密に挿通されるとともに、前記一対のピストンのうちの何れか他方のピストンに液密に挿通され、該回転軸の前記第一端側は、前記内部空間内で前記ポンプ機構部に作動的に連結され、該回転軸の前記第二端側は、前記シリンダ本体の外部に配置されるとともに前記電動モータと連結可能に構成される、ようにすることができる。
上記構成によれば、ロッドと回転軸とが一方向で一列に並ぶ。従って、電動モータがアクチュエータに対して一方向で同列に配置され得る。これにより、機器全体がコンパクトになる。
以上のように、本発明に係るアクチュエータによれば、油圧シリンダと同等の性能を発揮しつつも小型化することができるといった優れた効果を奏し得る。
図1は、本発明の第一実施形態に係るアクチュエータの全体斜視図である。 図2は、第一実施形態に係るアクチュエータの縦断面図である。 図3は、図2のI−I断面図である。 図4(a)は、図2のII−II断面図であり、図4(b)は、図2のIII−III断面図である。 図5は、本発明の第二実施形態に係るアクチュエータの縦断面図である。 図6は、図5のIV−IV断面図である。 図7(a)は、図5のV−V断面図であり、図7(b)は、図5のVI−VI断面図である。 図8は、本発明の第三実施形態に係るアクチュエータの縦断面図である。 図9は、図8のVII−VII断面図である。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係るアクチュエータについて、図1〜図4を参照しつつ説明する。本実施形態に係るアクチュエータは、図1に示す如く、一方向に第一端と第二端とを有するシリンダ本体1と、シリンダ本体1の第一端から外方に突出するロッド2とを備える。
より具体的に説明する。アクチュエータは、図2に示す如く、一方向に延びる内部空間10を有するシリンダ本体1であって、一方向に第一端と第二端とを有するシリンダ本体1と、一方向に間隔をあけて内部空間10内に配置された一対のピストン3,4であって、それぞれが内部空間10内で一方向に移動可能に設けられる一対のピストン3,4と、一対のピストン3,4間の定位置に配置された隔壁体5であって、内部空間10における一対のピストン3,4間を一方向で二つの領域10A,10Bに仕切る隔壁体5と、シリンダ本体1の第一端に対して一方向に移動可能に挿通されたロッド2であって、一対のピストン3,4のうちの一方のピストン3に連結されたロッド2とを備える。
本実施形態に係るアクチュエータは、一方向に移動可能に隔壁体5を貫通した連結体6であって、一対のピストン3,4同士を連結する連結体6をさらに備える。また、本実施形態に係るアクチュエータは、電動モータの出力をポンプ機構部52に伝達する回転軸7をさらに備える。これに伴い、アクチュエータは、回転軸7が挿通される筒状の支持体8であって、回転軸7を回転可能に支持する支持体8を備える。
シリンダ本体1は、一方向に第一端と第二端とを有する筒状部11であって、第一端及び第二端が開口した筒状部11と、筒状部11の第一端の開口を閉じる第一閉塞部12と、筒状部11の第二端の開口を閉じる第二閉塞部13とを備える。
筒状部11は、一方向に真っ直ぐに延びている。そして、筒状部11の外径及び内径は、一方向の全長に亘って同径又は略同径に設定される。本実施形態において、筒状部11は、真円筒状に形成されている。
第一閉塞部12は、プレート状に形成され、板厚方向(一方向)に第一面とその反対側の第二面とを有する。第一閉塞部12の外形は、筒状部11の第一端の外形(開口形状)に対応している。本実施形態において、筒状部11が真円筒状に形成されている。これに伴い、第一閉塞部12は、円板状に形成されている。第一閉塞部12は、第一面を筒状部11側に向けて配置されている。そして、第一閉塞部12の外周は、筒状部11の第一端の外周に対して全周に亘って接続されている。本実施形態において、第一閉塞部12は、筒状部11と一体的に形成されている。第一閉塞部12には、ロッド2を挿通するロッド挿通孔120が一方向に貫通して設けられている。ロッド挿通孔120は、ロッド2の外径に対応した孔径に設定され、筒状部11と同心になるように配置されている。
本実施形態に係るシリンダ本体1は、ロッド挿通孔120に挿通されたロッド2の外周を案内するガイド部14を備える。ガイド部14は、内径がロッド挿通孔120と同径の筒状に形成される。ガイド部14は、ロッド挿通孔120と同心になるように第一閉塞部12に接続されている。本実施形態において、ガイド部14は、第一閉塞部12の第二面から外方に突出している。
第二閉塞部13は、プレート状に形成され、板厚方向(一方向)に第一面とその反対側の第二面とを有する。第二閉塞部13の外形は、筒状部11の第一端の外形(開口形状)に対応している。本実施形態において、筒状部11が真円筒状に形成されている。これに伴い、第二閉塞部13は、円板状に形成されている。第二閉塞部13は、第一面を筒状部11側に向けて配置されている。そして、第二閉塞部13は、筒状部11の第二端に嵌着(螺着)されている。第二閉塞部13には、回転軸7を挿通する軸挿通孔130が一方向に貫通して設けられている。このように、筒状部11の両端が第一閉塞部12及び第二閉塞部13によって閉塞されることで、シリンダ本体1は、筒状部11の形状に応じた内部空間10を有する。本実施形態のシリンダ本体1は、筒状部11が真円筒状に形成されることで、円柱状の内部空間10を有する。
一対のピストン3,4のそれぞれは、シリンダ本体1(筒状部11)の内周面との間が液密にされた状態で一方向に移動可能に設けられる。
より具体的に説明する。一対のピストン3,4のうちの一方のピストン(以下、第一ピストンという。)3は、シリンダ本体1(筒状部11)の内周形状に即して形成され、一方向に第一面とその反対側の第二面とを有する。本実施形態においては、筒状部11が真円筒状に形成される。これに伴い、第一ピストン3は、円板状に形成され、厚み方向に第一面と第二面とを有する。第一ピストン3の外周面と筒状部11の内周面との間には、シール材S1が介装されている。本実施形態においては、第一ピストン3の外周上に環状溝30が形成されるとともに、環状溝30に対して筒状部11の内周面に圧接するシール材としてのOリングS1が嵌着されている。これにより、第一ピストン3と筒状部11との間がシール材S1によって液密にされた上で、第一ピストン3が一方向に移動可能になっている。
第一ピストン3には、ロッド2が連結されている。本実施形態において、第一ピストン3は、第一面を隔壁体5に対向させて配置される。これに伴い、第一ピストン3の第二面にロッド2が連結されている。そして、第一ピストン3の第一面上には、凹部31が形成されている。凹部31は、隔壁体5の後述する第一連通路501を包含する所定の領域と対応するように形成されている。本実施形態に係る凹部31は、筒状部11と同心の円形領域であって、第一連通路501(後述する第一直路501bの開口)を包含する円形領域と対応するように、一方向から見て円形状に形成されている。
一対のピストン3,4のうちの他方のピストン(以下、第二ピストンという。)4は、シリンダ本体1(筒状部11)の内周形状に即して形成され、一方向に第一面とその反対側の第二面とを有する。本実施形態においては、筒状部11が真円筒状に形成される。これに伴い、第二ピストン4は、円板状に形成され、厚み方向に第一面と第二面とを有する。そして、第二ピストン4の外周面と筒状部11の内周面との間には、シール材S2が介装されている。本実施形態においては、第二ピストン4の外周上に環状溝40が形成されるとともに、環状溝40に対して筒状部11の内周面に圧接するシール材としてのOリングS2が嵌着されている。これにより、第二ピストン4と筒状部11との間がシール材S2によって液密にされた上で、第二ピストン4が一方向に移動可能になっている。
第二ピストン4には、回転軸7(本実施形態においては回転軸7を挿通した支持体8)が挿通される。より具体的には、第二ピストン4には、支持体8を挿通する筒挿通孔42が筒状部11と同心になるように一方向に貫通して設けられている。第二ピストン4の内周面(筒挿通孔42を画定する内周面)と支持体8の外周面との間には、シール材S3が介装されている。本実施形態においては、第二ピストン4の内周上に環状溝43が形成されるとともに、環状溝43に対して支持体8の外周面に圧接するシール材としてのOリングS3が嵌着されている。これにより、第二ピストン4と支持体8との間がシール材S3によって液密にされている。
第二ピストン4は、第一面を隔壁部5に対向させて配置される。第二ピストン4の第一面上には、凹部41が形成されている。凹部41は、隔壁体5の後述する第二連通路512を包含する所定の領域と対応するように形成されている。本実施形態に係る凹部41は、筒状部11と同心の円形領域であって、第二連通路512(後述する第二直路512bの開口)を包含する円形領域と対応するように、一方向から見て円形状に形成されている。すなわち、隔壁体5を挟んで互いに対向する第一ピストン3の第一面及び第二ピストン4の第一面には、外形が同形で同サイズの凹部31,41が対称的に形成されている。なお、第二ピストン4には、上述の如く、筒状部11と同心の筒挿通孔42が設けられている。そのため、第二ピストン4の凹部41は、筒挿通孔42と同心で形成されている。
隔壁体5は、第一ピストン3と第二ピストン4との間に配置され、シリンダ本体1に固定されている。すなわち、隔壁体5は、シリンダ本体1に対して移動不能に設けられる。そして、隔壁体5は、シリンダ本体1の内部空間10のうちの第一ピストン3と第二ピストン4との間の領域を一方向で二つの領域10A,10Bに仕切っている。そして、隔壁体5によって仕切られた二つの領域10A,10Bには、作動油が充填されている。なお、以下の説明において、第一ピストン3と隔壁体5との間の領域を第一領域10Aといい、第二ピストン4と隔壁体5との間の領域を第二領域10Bという。
隔壁体5は、電動モータの駆動で作動するポンプ機構部52を備える。具体的に説明する。本実施形態に係る隔壁体5は、一方向に互いに間隔をあけて配置される一対の受圧部50,51と、一対の受圧部50,51間に配置されたポンプ機構部52とを備える。
一対の受圧部50,51のそれぞれは、シリンダ本体1(筒状部11)の内周面との間が液密にされた状態で定位置に固定される。
より具体的に説明する。一対の受圧部50,51のうちの一方の受圧部(以下、第一受圧部という。)50は、シリンダ本体1(筒状部11)の内周形状に即して形成され、一方向に第一面とその反対側の第二面とを有する。本実施形態においては、筒状部11が真円筒状に形成される。これに伴い、第一受圧部50は、円板状に形成され、厚み方向に第一面と第二面とを有する。第一受圧部50は、第一面をポンプ機構部52側に向けて筒状部11に対して同心で嵌着されている。本実施形態において、第一受圧部50の外周面と筒状部11の内周面との間には、シール材S4が介装されている。本実施形態において、第一受圧部50の外周上に環状溝500が形成されるとともに、環状溝500に対して筒状部11の内周面と圧接するシール材としてのOリングS4が嵌着されている。これにより、第一受圧部50と筒状部11との間がシール材S4によって液密にされている。
第一受圧部50には、作動油を流通させる流通路501が一方向に貫通して設けられている。すなわち、第一ピストン3と対向する第一受圧部50には、ポンプ機構部52の後述する第一流路520bと第一領域10Aとを連通させるための第一連通路501が形成されている。なお、第一連通路501は、ポンプ機構部52の第一流路520bと協働する流路であるため、具体的な説明については、ポンプ機構部52(第一流路520b)の説明と併せて後述する。
一対の受圧部50,51のうちの他方の受圧部(以下、第二受圧部という。)51は、シリンダ本体1(筒状部11)の内周形状に即して形成され、一方向に第一面とその反対側の第二面とを有する。本実施形態においては、筒状部11が真円筒状に形成される。これに伴い、第二受圧部51は、円板状に形成され、厚み方向に第一面と第二面とを有する。第二受圧部51は、第一面をポンプ機構部52側に向けて筒状部11に対して同心で嵌着されている。本実施形態において、第二受圧部51の外周面と筒状部11の内周面との間には、シール材S5が介装されている。本実施形態において、第二受圧部51の外周上に環状溝510が形成されるとともに、環状溝510に対して筒状部11の内周面と圧接するシール材としてのOリングS5が嵌着されている。これにより、第二受圧部51と筒状部11との間がシール材S5によって液密にされている。
第二受圧部51には、回転軸7を挿通させる軸挿通孔511が筒状部11と同心で一方向に貫通して設けられている。第二受圧部51と回転軸7との間にはシール材S6が介装されている。本実施形態においては、第二受圧部51の内周上に環状溝513が形成されるとともに、環状溝513に対して回転軸7の外周面に圧接するシール材としてのOリングS6が嵌着されている。これにより、第二受圧部51と回転軸7との間がシール材S6によって液密にされている。
第二受圧部51には、作動油を流通させる流通路512が一方向に貫通して設けられている。すなわち、第二受圧部51には、ポンプ機構部52の第二流路520cと第二領域10Bとを連通させるための第二連通路512が形成されている。なお、第二連通路512は、ポンプ機構部52の第二流路520cと協働する流路であるため、具体的な説明については、ポンプ機構部52(第二流路520c)の説明と併せて後述する。
ポンプ機構部52は、第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに向けて送り出す第一状態と、第二領域10Bの作動油を第一領域10Aに向けて送り出す第二状態とに切り換え可能に構成される。かかるポンプ機構部52には、種々タイプのものが採用可能である。本実施形態に係るポンプ機構部52は、容積ポンプの一種であるプランジャポンプで構成されている。
より具体的に説明する。ポンプ機構部52は、筒状部11と同心で回転する回転体520と、回転体520の外周面から出退可能に設けられたプランジャ521と、回転体520の外周を包囲する外輪体522とを備える。
回転体520の一方向の厚みは、第一受圧部50と第二受圧部51との間隔に対応して設定される。回転体520は、円板状に形成され、第一受圧部50と第二受圧部51との間に筒状部11(回転軸7)と同心で配置される。これにより、回転体520は、回転可能な状態で第一受圧部50及び第二受圧部50に対して隙間無く或いは略隙間なく配置される。そして、回転体520は、外周面上で開口したプランジャ孔520aであって、該回転体520の径方向に穿設されたプランジャ孔520aと、プランジャ孔520aと連通した第一流路520bであって、プランジャ孔520aから第一領域10A側に延びる第一流路520bと、プランジャ孔520aと連通した第二流路520cであって、プランジャ孔520aから第二領域10B側に延びる第二流路520cとを備える。
プランジャ孔520aは、回転体520の径方向に第一端と第二端とを有する。本実施形態において、プランジャ孔520aは、回転体520の外周面上で開口する大径部(採番しない)を第一端側に有し、大径部と同心で連続する小径部(採番しない)を第二端側に有する。本実施形態において、プランジャ孔520aは、図2及び図3に示す如く、回転体520の周方向に間隔をあけて複数設けられている。これに伴い、第一流路520b及び第二流路520cは、プランジャ孔520a毎に設けられている。第一流路520b及び第二流路520cは、回転体520の中心回りで間隔をあけて(周方向に間隔をあけて)複数設けられている。なお、本実施形態において、第一流路520b及び第二流路520cは、プランジャ孔520aの小径部と連通している。
プランジャ521は、プランジャ孔520a(大径部)の孔径に対応した外径のピン状に形成されたもので、軸心方向に先端と基端とを有する。プランジャ521の先端部は、丸みをもって形成されている。そして、プランジャ521の基端側は、プランジャ孔520a(大径部)に挿入されている。これにより、プランジャ521は、自己の軸線(プランジャ孔520aの孔中心)に沿って往復動可能に設けられている。なお、プランジャ孔520aには、プランジャ521の基端を先端に向けて付勢する付勢部材(本実施形態においてコイルバネ)523が内装されており、プランジャ521は、常時外側に向けて付勢されている。なお、言うまでもないが、上述の如く、プランジャ孔520aが複数設けられるため、プランジャ521及び付勢部材523は、複数のプランジャ孔520aのそれぞれに内装される。
図3に示す如く、外輪体522の外形は、筒状部11の内周形状に即して形成され、一方向に第一面とその反対側の第二面とを有する。本実施形態においては、筒状部11が真円筒状に形成される。これに伴い、外輪体522の外形は、円形状に形成される。外輪体522は、筒状部11に対して同心で嵌入されている。本実施形態において、外輪体522は、筒状部11を貫通したネジ部材55(図1及び図3参照)によって回転不能に固定されている。これにより、本実施形態に係る隔壁体5は、筒状部11に対して定位置に固定されている。また、外輪体522の第一面は第一受圧部50に連結され、外輪体522の第二面は第二受圧部51に連結されている。
外輪体522は、環状に形成され、非真円形状の内孔を画定する内周面を有する。本実施形態に係る外輪体522の内孔は、楕円形状に形成される。すなわち、外輪体522の内孔は、一方向と直交する直交二軸方向のうちの一方の軸方向に長径を有し、一方向と直交する直交二軸方向のうちの他方の軸方向に短径を有する。外輪体522の内孔は、回転体520と同心で配置される。そして、外輪体522の内孔の長径は、回転体520の外径よりも大径に設定される。これに対し、外輪体522の内孔の短径は、回転体520の外径と同一又は略同一に設定される。
これにより、回転体520が回転することで、プランジャ521の先端が外輪体522の内周面に押され、プランジャ521がプランジャ孔520a内に完全に退避した状態と、プランジャ521がプランジャ孔520aから最大に突出した状態とに切り替わるようになっている。すなわち、プランジャ521が外輪体522の内孔の短径と同方向に向いた状態で、プランジャ521がプランジャ孔520a内に完全に退避し、プランジャ521が外輪体522の内孔の長径と同方向に向いた状態で、プランジャ521がプランジャ孔520aから最大に突出するように構成されている。
本実施形態において、第一連通路501は、回転体520が一方側に回転したときに、プランジャ521がプランジャ孔520aに完全に退避した状態から最大に突出した状態になるまでの間、第一流路520bと繋がるように形成される。すなわち、第一連通路501は、回転体520が他方側に回転(逆転)したときに、プランジャ孔520aから最大に突出したプランジャ521がプランジャ孔520aに完全に退避した状態になるまでの間、第一流路520bと繋がるように形成される。これに対し、第二連通路512は、回転体520が他方側に回転(逆転)したときに、プランジャ孔520aに完全に退避したプランジャ521がプランジャ孔520aから最大に突出した状態になるまでの間、第二流路520cと繋がるように形成される。すなわち、第二受圧部51に設けられた第二連通路512は、回転体520が一方側に回転したときに、プランジャ孔520aから最大に突出したプランジャ521がプランジャ孔520aに完全に退避した状態になるまでの間、第二流路520cと繋がるように形成される。
より具体的に説明する。第一連通路501は、図2及び図4(a)に示す如く、第一受圧部50の第一面(回転体520側の面)上で開放した第一溝路501aであって、回転体520の回転に伴う第一流路520bの開口の軌跡と対応するように形成された第一溝路501aと、一方向に延びて第一溝路501aと第一領域10Aとを連通させる第一直路501bとを備える。
本実施形態において、第一溝路501aは、図4(a)に示す如く、一方向から見て円弧状に形成される。円弧状をなす第一溝路501aは、回転体520の回転中心を曲率中心に設定されている。本実施形態において、上述の如く、外輪体522の内孔が回転体520と同心をなす楕円形状に形成されるため、回転体520が一回転する(360°回転する)際に、90°単位で、プランジャ孔520aから最大に突出したプランジャ521がプランジャ孔520aに完全に退避する状態と、プランジャ孔520aに完全に退避したプランジャ521がプランジャ孔520aから最大に突出する状態とが交互に切り替わる。すなわち、回転体520が一回転する(360°回転する)間に、プランジャ521がプランジャ孔520aに退避していく状態と、プランジャ521がプランジャ孔520aから突出していく状態とがそれぞれ二回ずつ訪れる。これに伴い、第一連通路501は、二箇所に設けられている。二箇所の第一連通路501は、回転体520の回転中心を基準に180°位相をずらして配置される。そして、二箇所の第一連通路501のそれぞれの第一溝路501aは、回転体520の回転中心を基準にして90°の範囲に形成されている。
第二連通路512は、図2及び図4(b)に示す如く、第二受圧部51の第一面(回転体520側の面)上で開放した第二溝路512aであって、回転体520の回転に伴う第二流路520cの開口の軌跡と対応するように形成された第二溝路512aと、一方向に延びて第二溝路512aと第二領域10Bとを連通させる第二直路512bとを備える。
本実施形態において、第二溝路512aは、図4(b)に示す如く、一方向から見て円弧状に形成される。円弧状をなす第二溝路512aは、回転体520の回転中心を曲率中心に設定されている。本実施形態において、外輪体522の内孔が回転体520と同心をなす楕円形状に形成されるため、上述の如く、回転体520が一回転する(360°回転する)際に、90°単位で、プランジャ孔520aから最大に突出したプランジャ521がプランジャ孔520aに完全に退避する状態と、プランジャ孔520aに完全に退避したプランジャ521がプランジャ孔520aから最大に突出する状態とが交互に切り替わる。これに伴い、第二連通路512は、二箇所に設けられている。二箇所の第二連通路512は、回転体520の回転中心を基準に180°位相をずらして配置される。そして、二箇所の第二連通路512のそれぞれの第二溝路512aは、回転体520の回転中心を基準にして90°の範囲に形成されている。すなわち、二箇所の第二連通路512は、二箇所の第一連通路501と重ならないように、第一連通路501に対して位相を90°ずらして配置されている。なお、図4(b)に第二連通路512を図示しているが、これは、第二溝路512aとの配置関係を明示するために仮想的に図示したものである。
これにより、図2に示す如く、第一流路520bが第一連通路501を介して第一領域10Aと連通している状態で、第二流路520cが第二受圧部51によって閉塞され、第二流路520cが第二連通路512を介して第二領域10Bと連通している状態で、第一流路520bが第一受圧部50によって閉塞される。すなわち、上記構成の隔壁体5のポンプ機構部52は、第一受圧部50(第一連通路501)及び第二受圧部51(第二連通路512)と協働することで、各プランジャ孔520aが第一領域10A又は第二領域10Bの何れか一方のみに連通するように構成されている。
ロッド2は、棒状に形成されている。ロッド2は、第一閉塞部12のロッド挿通孔120に挿通されている。本実施形態において、ロッド2は、ガイド部14に対して一方向に移動可能に挿通され、軸心方向と直交する方向で支持されている。これにより、ロッド2に対する曲げ作用に対抗できるようになっている。
連結体6は、一方向に延びる棒状に形成され、一方向に第一端及び第二端を有する。そして、連結体6は、隔壁体5に対して一方向に移動可能に挿通されている。すなわち、連結体6は、筒状部11に対して相対的な回転不能な箇所(本実施形態においては外輪体522)に挿通されている。なお、連結体6と隔壁体5(外輪体522)との間にシール材(採番しない)が介装されており、連結体6と隔壁体5との間が液密になっている。そして、連結体6の第一端が第一ピストン3に連結され、連結体6の第二端が第二ピストン4に連結されている。これにより、第一ピストン3及び第二ピストン4は、一方向に一定の間隔をあけて互いに連結されている。
回転軸7は、一方向に延びる棒状に形成され、一方向に第一端と第二端とを有する。回転軸7は、第二閉塞部13、第二ピストン4、及び第二受圧部51に挿通される。本実施形態において、上述の如く、支持体8が設けられているため、回転軸7は、支持体8に挿通され、間接的に第二閉塞部13、第二ピストン4、及び第二受圧部51に挿通されている。回転軸7の第一端側は、ポンプ機構部52(回転体520)に連結されている。そして、回転軸7の第二端側は、第二閉塞部13よりも外方に延出し、電動モータの出力軸に連結可能に構成される。
支持体8は、一方向に第一端と第二端とを有する。支持体8は、回転軸7の外径に即した内径に設定され、回転軸7の外周を周方向に案内可能に構成される。支持体8は、軸挿通孔511と同心になるように第二受圧部51に連結されている。より具体的に説明すると、支持体8は、第二ピストン4の筒挿通孔42に挿通されている。支持体8の第一端は、第二受圧部51に連結され、支持体8の第二端は、第二閉塞部13に連結されている。本実施形態において、支持体8は、第二受圧部51と一体成形されている。これに対し、支持体8は、第二閉塞部13に対して別体で構成されている。これに伴い、支持体8の第二端側は、第二閉塞部13の軸挿通孔130に螺合されている。これにより、隔壁体5(第二受圧部51)は、支持体8を介して第二閉塞部13と一定間隔をあけて配置されている。
本実施形態に係るアクチュエータは、以上の通りである。次に、上記構成のアクチュエータの作動について説明する。なお、以下の説明において、第二領域10Bから第一領域10Aに作動油が送り込まれ、第一領域10Aに作動油が充満している状態(ロッド2が外方に突出している状態)を初期の状態として説明する。
上記構成のアクチュエータのポンプ機構部52は、第一状態において、第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに向けて送り出す。これにより、第一領域10Aが作動油の減少に伴って減圧される(負圧になる)とともに、第二領域10Bが作動油の供給圧によって加圧される(陽圧になる)。
より具体的に説明すると、アクチュエータは、回転軸7が電動モータの駆動を受けて周方向の一方側に回転すると、隔壁体5(ポンプ機構部52)の回転体520が回転軸7と同方向に回転する。このとき、プランジャ521(複数のプランジャ521)は、回転体520と同心で回転し、外輪体522の内周面との接触により、プランジャ孔520aに完全に退避した状態と、プランジャ孔520aから突出した状態とに切り替わる。
そうすると、プランジャ521の移動に伴ってプランジャ孔520a内の空間の容積が変化し、第一領域10A内の作動油がプランジャ521内に引き込まれ、プランジャ孔520aに引き込まれた作動油が第二領域10Bに押し出される。すなわち、回転体520(回転軸7)が周方向の一方側に回転したときは、プランジャ孔520aに退避したプランジャ521が最大に突出する間、プランジャ孔520aに連通する第一流路520bが第一連通路501と連通するのに対し、プランジャ孔520aに連通する第二流路520cが第二受圧部51によって閉塞されるため、プランジャ521の移動(プランジャ孔520a内の空間の容積の増加)によって第一領域10A内の作動油がプランジャ孔520aに引き込まれる。
そして、プランジャ521が最大に突出し、続いてプランジャ孔520a内に退避しようとすると、第一流路520bが第一受圧部50によって閉塞されるのに対し、プランジャ孔520aに連通する第二流路520cが第二連通路512を介して第二領域10Bと連通するため、プランジャ521の移動(プランジャ孔520a内の空間の容積の減少)によってプランジャ孔520a内の作動油が第二領域10Bに押し出される。従って、回転体520(回転軸7)が電動モータの駆動を受けて周方向の一方側に連続的に回転されることで、第一領域10A内の作動油が連続的に第二領域10Bに送り込まれる。
これに伴い、第二領域10Bを区画する第二ピストン4は、作動油の供給圧(油圧)を受け、定位置で維持する隔壁体5から離間するように一方向に移動する。すなわち、第二領域10B内の作動油の増量に対応して第二ピストン4が隔壁体5から離間する方向に移動する。これにより、第二領域10B(第二ピストン4と隔壁体5との間の空間)の空間容積と、第二領域10B内にある作動油の量(油量)とが対応した状態になる。
また、第一領域10Aを区画する第一ピストン3は、減圧の影響で、定位置で維持する隔壁体5に接近するように一方向に移動する。すなわち、第一領域10A内の作動油の減量に対応して第一ピストン3が隔壁体5側に移動する。これにより、第一領域10A(第一ピストン3と隔壁体5との間の空間)の空間容積と、第一領域10A内にある作動油の量(油量)とが対応した状態になる。
このように、上記構成のアクチュエータは、第一領域10Aの作動油が第二領域10Bに送り込まれるときに、第一領域10Aの空間容積と第一領域10A内の油量とが対応するとともに、第二領域10Bの空間容積と第二領域10B内の油量とが対応する。従って、内部空間10内の作動油の全油量と、該作動油の充填される空間容積とが常時一定又は略一定に保たれる。その結果、第一領域10A内が負圧になることによって、ポンプ機構部52による第二領域10Bへの作動油の送り出しが阻害されることがない。これにより、第二ピストン4が安定した油圧を受けることができ、一方向に円滑に移動する。
本実施形態においては、上述の如く、連結体6を介して第一ピストン3と第二ピストン4とが連結されており、上述の如く、第一ピストン3及び第二ピストン4が移動するときにこれらが確実に連動する。すなわち、第一ピストン3及び第二ピストン4が連結体6によって連結されることで、ロッド2の連結されていない第二ピストン4が油圧によって移動するときに、第一ピストン3が連結体6を介して第二ピストン4に引っ張られる。従って、ポンプ機構部52が第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに送り出すときに、第一ピストン3が作動油の減量に伴う減圧によって移動するだけでなく、第二ピストン4に対する油圧の作用によっても一方向に移動する。これにより、第一ピストン3に連結されたロッド2は、シリンダ本体1に退避するときに軸力を発生させる。
また、第一ピストン3及び第二ピストン4が連結体6を介して連結されることで、第一ピストン3及び第二ピストン4は、常に一定の間隔を保った状態で一緒に移動する。従って、上記構成のアクチュエータは、ポンプ機構部52が第一領域10Aから第二領域10Bに作動油を送っても、内部空間10内の作動油の全油量と、該作動油の充填される空間容積とが常時一定に保たれる。その結果、ポンプ機構部52による作動油の送り出しが阻害されることがなく、第一ピストン3及び第二ピストン4が一方向に円滑に移動し、ロッド2も円滑に移動する。
上記構成のアクチュエータのポンプ機構部52は、第二状態において、第二領域10Bの作動油を第一領域10Aに向けて送り出す。これにより、第二領域10Bが作動油の減少に伴って減圧される(負圧になる)とともに、第一領域10Aが作動油の供給圧によって加圧される(陽圧になる)。
より具体的に説明すると、上記アクチュエータは、回転軸7が電動モータの駆動を受けて周方向の他方側に回転すると、隔壁体5(ポンプ機構部52)の回転体520が回転軸7と同方向に回転する。このとき、プランジャ521(複数のプランジャ521)は、回転体520と同心で回転し、外輪体522の内周面との接触により、プランジャ孔520aに完全に退避した状態と、プランジャ孔520aから突出した状態とに切り替わる。
そうすると、プランジャ521の移動に伴ってプランジャ孔520a内の空間の容積が変化し、第二領域10B内の作動油がプランジャ521内に引き込まれ、プランジャ孔520aに引き込まれた作動油が第一領域10Aに押し出される。すなわち、回転体520が周方向の他方側に回転したときは、プランジャ孔520aに退避したプランジャ521が最大に突出する間、プランジャ孔520aに連通する第二流路520cが第二連通路512と連通するのに対し、プランジャ孔520aに連通する第一流路520bが第一受圧部50によって閉塞されるため、プランジャ521の移動(プランジャ孔520a内の空間の容積の増加)によって第二領域10B内の作動油がプランジャ孔520aに引き込まれる。
そして、プランジャ521が最大に突出し、続いてプランジャ孔520a内に退避しようとすると、第二流路520cが第二受圧部51によって閉塞されるのに対し、プランジャ孔520aに連通する第一流路520bが第一連通路501を介して第一領域10Aと連通するため、プランジャ521の移動(プランジャ孔520a内の空間の容積の減少)によってプランジャ孔520a内の作動油が第一領域10Aに押し出される。従って、回転体520が電動モータの駆動を受けて周方向の他方側に連続的に回転されることで、第二領域10B内の作動油が連続的に第一領域10Aに送り込まれる。
これに伴い、第一領域10Aを区画する第一ピストン3は、作動油の供給圧(油圧)を受け、定位置で維持する隔壁体5から離間するように一方向に移動する。すなわち、第一領域10A内の作動油の増量に対応して第一ピストン3が隔壁体5から離間する方向に移動する。これにより、第一領域10A(第一ピストン3と隔壁体5との間の空間)の空間容積と、第一領域10A内にある作動油の量(油量)とが対応した状態になる。
また、第二領域10Bを区画する第二ピストン4は、減圧の影響で、定位置で維持する隔壁体5に接近するように一方向に移動する。すなわち、第二領域10B内の作動油の減量に対応して第二ピストン4が隔壁体5側に移動する。これにより、第二領域10B(第二ピストン4と隔壁体5との間の空間)の空間容積と、第二領域10B内にある作動油の量(油量)とが対応した状態になる。
このように、上記構成のアクチュエータは、第二領域10Bの作動油が第一領域10Aに送り込まれるときに、第二領域10Bの空間容積と第二領域10B内の油量とが対応するとともに、第一領域10Aの空間容積と第一領域10A内の油量とが対応する。従って、内部空間10内の作動油の全油量と、該作動油の充填される空間容積とが常時一定又は略一定に保たれる。その結果、第二領域10B内が負圧になることによって、ポンプ機構部52による第一領域10Aへの作動油の送り出しが阻害されることがない。これにより、第一ピストン3が安定した油圧を受けることができ、一方向に円滑に移動する。従って、第一ピストン3に連結されたロッド2は、軸力を発生させつつ第一ピストン3と同方向に円滑に移動する。すなわち、シリンダ本体1内に退避していたロッド2は、外部に突出する。
また、第一ピストン3及び第二ピストン4が連結体6を介して連結されることで、第一ピストン3及び第二ピストン4は、常に一定の間隔を保った状態で一緒に移動する。従って、上記構成のアクチュエータは、ポンプ機構部52が第二領域10Bから第一領域10Aに作動油を送っても、内部空間10内の作動油の全油量と、該作動油の充填される空間容積とが常時一定に保たれる。これにより、ポンプ機構部52による作動油の送り出しが阻害されることがなく、第一ピストン3及び第二ピストン4が一方向に円滑に移動し、ロッド2も円滑に移動する。
このように、上記構成のアクチュエータは、ロッド2を一方向に往復移動させることができるため、油圧シリンダと同等の性能を発揮する。また、上述の如く、上記構成のアクチュエータは、隔壁体5のポンプ機構部52で内部空間10への作動油の供給を行うように構成されるため、油圧ユニットを必要とせず、小型化したものになる。
特に、第一ピストン3と第二ピストン4とが連結体6を介して連結されているため、ロッド2が一方向に往復動するときに軸力を発生させる。従って、上記構成のアクチュエータは、両押しの油圧シリンダと同等の性能を発揮する。また、第一ピストン3と第二ピストン4とが連結体6を介して連結されることで、第一ピストン3及び第二ピストン4は、常に一定の間隔を保った状態で一緒に移動する。従って、ポンプ機構部52が第一領域10Aと第二領域10Bとの間で作動油を行き来させても、内部空間10内の作動油の全油量と、該作動油の充填される空間容積とが常時一定に保たれる。従って、ポンプ機構部52による作動油の送り出しが阻害されることがなく、第一ピストン3及び第二ピストン4が一方向に円滑に移動し、ロッド2も円滑に移動する。
そして、本実施形態において、ポンプ機構部52が容積ポンプで構成されるため、作動油の吐出圧が高い。従って、ロッド2を一方向に往復動させる際に、該ロッド2に大きな軸力を作用させることができる。
また、本実施形態に係るアクチュエータは、シリンダ本体1の第二端(第二閉塞部13)に液密に挿通されるとともに、第二ピストン4に液密に挿通された回転軸7を備え、該回転軸7の第一端側がポンプ機構部52に作動的に連結され、回転軸7の第二端側がシリンダ本体1の外側で電動モータと連結可能に構成されているため、電動モータをアクチュエータに対して一方向で一列に配置でき、機器全体をコンパクトにすることができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係るアクチュエータについて、図5〜図7を参照しつつ説明する。なお、本実施形態に係るアクチュエータは、第一実施形態と同様に、シリンダ本体、一対のピストン、隔壁体、ロッド、回転軸、及び支持体を備えている。そして、本実施形態に係るアクチュエータにおいて、上記構成のうち、隔壁体及び回転軸以外の構成は、第一実施形態のアクチュエータと共通している。従って、ここでは隔壁体及び回転軸の説明のみを行い、第一実施形態の構成と共通する構成については、第一実施形態の説明を代用することとする。また、第一実施形態と共通する構成或いは相当する構成については、第一実施形態の各構成と同一の名称及び符号を付すこととする。
本実施形態に係る隔壁体5は、図5に示す如く、第一実施形態と同様に、一方向に互いに間隔をあけて配置される第一受圧部50及び第二受圧部51と、第一受圧部50と第二受圧部51との間に配置されたポンプ機構部52とを備える。
第一受圧部50及び第二受圧部51の基本構成は、第一実施形態の第一受圧部50及び第二受圧部51と共通している。すなわち、第一受圧部50は、第一面をポンプ機構部52側に向けて筒状部11に対して同心で液密に嵌着されている。そして、第一受圧部50には、ポンプ機構部52の第一流路520bと第一領域10Aとを連通させるための第一連通路501が設けられている。なお、本実施形態に係る第一連通路501の具体的な説明については、ポンプ機構部52(第一流路520b)の説明と併せて後述する。
そして、第二受圧部51は、第一面をポンプ機構部52側に向けて筒状部11に対して同心で液密に嵌着されている。また、第二受圧部51には、軸挿通孔511が筒状部11と同心で一方向に貫通して設けられるとともに、軸挿通孔511と同心になるように支持体8が連結されている。そして、第二受圧部51には、ポンプ機構部52の第二流路520cと第二領域10Bとを連通させるための第二連通路512が設けられている。なお、第二連通路512の具体的な説明についても、ポンプ機構部52(第二流路520c)の説明と併せて後述する。
ポンプ機構部52は、第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに向けて送り出す第一状態と、第二領域10Bの作動油を第一領域10Aに向けて送り出す第二状態とに切り換え可能に構成される。本実施形態に係るポンプ機構部52は、容積ポンプの一種であるプランジャポンプで構成されているが、第一実施形態とタイプを異にする。
具体的に説明する。ポンプ機構部52は、図5及び図6に示す如く、円形状の内孔を画定する内周面を有する環状の回転体520と、回転体520の内周面から出退可能に設けられたプランジャ521と、回転体520の内孔に配置される偏心軸体524と、回転体520の外周を包囲する環状の案内体525とを備える。
回転体520の外形は、円形状に形成されている。回転体520は、第一受圧部50と第二受圧部51との間に回転軸7(筒状部11)と同心で配置される。そして、回転体520は、内周面上で開口したプランジャ孔520aであって、該回転体520の径方向に穿設されたプランジャ孔520aと、プランジャ孔520aと連通した第一流路520bであって、プランジャ孔520aから第一領域10A側に延びる第一流路520bと、プランジャ孔520aと連通した第二流路520cであって、プランジャ孔520aから第二領域10B側に延びる第二流路520cとを備える。
プランジャ孔520aは、回転体520の径方向に第一端と第二端とを有する。本実施形態において、プランジャ孔520aは、回転体520の内周面上で開口する大径部(採番しない)を第一端側に有し、大径部と同心で連続する小径部(採番しない)を第二端側に有する。本実施形態において、プランジャ孔520aは、回転体520の周方向に間隔をあけて複数設けられている。これに伴い、第一流路520b及び第二流路520cは、プランジャ孔520a毎に設けられている。第一流路520b及び第二流路520cは、回転体520の中心回りで間隔をあけて(周方向に間隔をあけて)複数設けられている。なお、本実施形態において、第一流路520b及び第二流路520cは、プランジャ孔520aの大径部と連通している。
プランジャ521は、プランジャ孔520aの孔径に対応した外径のピン状に形成されたもので、軸心方向に先端と基端とを有する。プランジャ521の先端部は、丸みをもって形成されている。そして、プランジャ521の基端側は、プランジャ孔520a(大径部)に挿入されている。これにより、プランジャ521は、自己の軸線(プランジャ孔520aの孔中心)に沿って往復動可能に設けられている。なお、プランジャ孔520aには、プランジャ521の基端を先端に向けて付勢する付勢部材(本実施形態においてコイルバネ)523が内装されており、プランジャ521は、常時内側に向けて付勢されている。なお、言うまでもないが、上述の如く、プランジャ孔520aが複数設けられるため、プランジャ521及び付勢部材523は、複数のプランジャ孔520aのそれぞれに内装される。
偏心軸体524は、図5に示す如く、回転体520の内孔よりも小径な棒状体で構成される。そして、偏心軸体524は、一方向に第一端と第二端とを有する。偏心軸体524は、自己の中心を回転体520の中心に対してずらして配置されている。本実施形態において、回転体520は、回転軸7と同心で配置されるため、偏心軸体524は、回転軸7に対して偏心している。本実施形態において、偏心軸体524は、外周面の一箇所を回転体520の内周面に線接触させるように配置されている。そして、偏心軸体524の第一端は、第一受圧部50の第一面に連結されている。すなわち、偏心軸体524は、回転体520(内孔)に対して偏心した状態で定位置に固定されている。
図6に示す如く、本実施形態に係る案内体525の外形は、筒状部11の内周形状に即して形成される。本実施形態においては、筒状部11が真円筒状に形成されるに伴い、案内体525の外形は、円形状に形成される。案内体525は、環状に形成され、真円形状の内孔を画定する内周面を有する。本実施形態に係る案内体525の内孔の孔径は、回転体520の外径と同一又は略同一に設定される。これにより、案内体525は、内周面で回転体520の外周を案内し、該回転体520を回転軸7と同心で回転可能に保持する。案内体525は、筒状部11に対して同心で嵌入されている。本実施形態において、案内体525は、筒状部11を貫通したネジ部材55によって回転不能に固定されている。これにより、本実施形態に係る隔壁体5は、筒状部11に対して定位置に固定されている。案内体525は、一方向に第一面とその反対側の第二面とを有する。そして、案内体525の第一面が第一受圧部50に連結され、案内体525の第二面が第二受圧部51に連結されている。
本実施形態において、第一受圧部50に設けられた第一連通路501は、回転体520が一方側に回転したときに、プランジャ521がプランジャ孔520aに完全に退避した状態から最大に突出した状態になるまでの間、第一流路520bと繋がるように形成される。すなわち、第一連通路501は、回転体520が他方側に回転(逆転)したときに、プランジャ孔520aから最大に突出したプランジャ521がプランジャ孔520aに完全に退避した状態になるまでの間、第一流路520bと繋がるように形成される。これに対し、第二連通路512は、回転体520が他方側に回転(逆転)したときに、プランジャ孔520aに完全に退避したプランジャ521がプランジャ孔520aから最大に突出した状態になるまでの間、第二流路520cと繋がるように形成される。すなわち、第二受圧部51に設けられた第二連通路512は、回転体520が一方側に回転したときに、プランジャ孔520aから最大に突出したプランジャ521がプランジャ孔520aに完全に退避した状態になるまでの間、第二流路520cと繋がるように形成される。
より具体的に説明すると、図5及び図7(a)に示す如く、第一連通路501は、第一受圧部50の第一面(回転体520側の面)上で開放した第一溝路501aであって、回転体520の回転に伴う第一流路520bの開口の軌跡と対応するように形成された第一溝路501aと、一方向に延びて第一溝路501aと第一領域10Aとを連通させる第一直路501bとを備える。
第一溝路501aは、図7(a)に示す如く、一方向から見て円弧状に形成される。円弧状をなす第一溝路501aは、回転体520の回転中心を曲率中心に設定されている。本実施形態において、上述の如く、偏心軸体524の外周面が回転体520の内周面と一箇所で線接触するように、偏心軸体524が回転体520に対して偏心して配置されているため、回転体520が一回転する(360°回転する)際に、180°単位で、プランジャ孔520aから最大に突出したプランジャ521がプランジャ孔520aに完全に退避する状態と、プランジャ孔520aに完全に退避したプランジャ521がプランジャ孔520aから最大に突出する状態とに切り替わる。すなわち、回転体520が一回転する(360°回転する)間に、プランジャ521がプランジャ孔520aに退避していく状態と、プランジャ521がプランジャ孔520aから突出していく状態とがそれぞれ一回ずつ訪れる。これに伴い、第一連通路501は、一箇所に設けられている。第一連通路501の第一溝路501aは、回転体520の回転中心を基準にして180°の範囲に形成されている。本実施形態において、第一直路501bは、第一溝路501aの延びる方向に間隔をあけて複数設けられている。すなわち、複数の第一直路501bは、第一溝路501aの複数箇所と連通している。
第二連通路512は、図5及び図7(b)に示す如く、第二受圧部51の第一面(回転体520側の面)上で開放した第二溝路512aであって、回転体520の回転に伴う第二流路520cの開口の軌跡と対応するように形成された第二溝路512aと、一方向に延びて第二溝路512aと第二領域10Bとを連通させる第二直路512bとを備える。
第二溝路512aは、図7(b)に示す如く、一方向から見て円弧状に形成される。円弧状をなす第二溝路512aは、回転体520の回転中心を曲率中心に設定されている。本実施形態において、上述の如く、回転体520が一回転する(360°回転する)間に、プランジャ521がプランジャ孔520aに退避していく状態と、プランジャ521がプランジャ孔520aから突出していく状態とがそれぞれ一回ずつ訪れる。これに伴い、第二連通路512は、一箇所に設けられている。第二連通路512は、第一連通路501と重ならないように、第一連通路501に対して位相を180°ずらして配置されている。そして、第二連通路512の第二溝路512aは、回転体520の回転中心を基準にして180°の範囲に形成されている。本実施形態において、第二直路512bは、第二溝路512aの延びる方向に間隔をあけて複数設けられている。すなわち、複数の第二直路512bは、第二溝路512aの複数箇所と連通している。なお、図7(b)に第二連通路512を図示しているが、これは、第二溝路512aとの配置関係を明示するために仮想的に図示したものである。
これにより、図5に示す如く、第一流路520bが第一連通路501を介して第一領域10Aと連通している状態で、第二流路520cが第二受圧部51によって閉塞され、第二流路520cが第二連通路512を介して第二領域10Bと連通している状態で、第一流路520bが第一受圧部50によって閉塞されるようになっている。すなわち、上記構成の隔壁体5のポンプ機構部52は、第一受圧部50(第一連通路501)及び第二受圧部51(第二連通路512)と協働することで、各プランジャ孔520aが第一領域10A又は第二領域10Bの何れか一方のみに連通するように構成されている。
なお、本実施形態に係るアクチュエータについても連結体6を備えているが、連結体6は、筒状部11に対して相対的な回転不能な箇所として案内体525に挿通されている。
回転軸7は、一方向に延びる棒状に形成されており、端部に回転体520が連結されるフランジ部70を有する。より具体的には、一方向に延びる軸本体71であって、一方向に第一端部と第二端部とを有する軸本体71と、軸本体71の第一端部に連結されたフランジ部70とを備える。
軸本体71は、丸棒状に形成される。フランジ部70は、案内体525の内孔に対して同心で配置可能な円板状に形成され、厚み方向に第一面及び第二面を有する。フランジ部70の第一面には、軸本体71の第一端が同心で連結されている。そして、フランジ部70の第二面には、回転体520が同心で連結されている。これに伴い、回転体520に対して第一受圧部50が接触し、フランジ部70に対して第二受圧部51が接触している。すなわち、互いに連結されたフランジ部70及び回転体520は、一体的にされ、回転可能な状態を確保しつつ、第一受圧部50と第二受圧部51とに挟まれている。そして、フランジ部70には、回転体520に設けられた第二流路520cと連続する貫通孔が設けられている。すなわち、フランジ部70には、回転体520に設けられた孔(プランジャ孔と連通する孔)とともに第二流路520cを構成する孔が貫通して設けられている。
そして、回転軸7の第二端(軸本体71の第二端)は、第二閉塞部13よりも外方に延出し、電動モータの出力軸に連結可能に構成される。なお、本実施形態においても、上述の如く、支持体8が設けられているため、回転軸7は、支持体8に挿通され、間接的に第二閉塞部13、第二ピストン4、及び第二受圧部51に挿通されている。これにより、回転軸7は、自己の軸心回りで回転することで、回転体520を偏心軸体524回りで回転させる。
本実施形態に係るアクチュエータは、以上の通りである。そして、上記構成のアクチュエータのポンプ機構部52においても、第一状態において、第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに向けて送り出す。より具体的に説明すると、アクチュエータは、回転軸7が電動モータの駆動を受けて周方向の一方側に回転すると、隔壁体5(ポンプ機構部52)の回転体520が偏心軸部524回りで回転する。このとき、プランジャ521は、偏心軸部524の外周面との接触により、プランジャ孔520aに完全に退避した状態と、プランジャ孔520aから突出した状態とに切り替わる。
そうすると、プランジャ521の移動に伴ってプランジャ孔520a内の空間の容積が変化し、第一領域10A内の作動油がプランジャ521内に引き込まれ、プランジャ孔520aに引き込まれた作動油が第二領域10Bに押し出される。すなわち、回転体520(回転軸7)が周方向の一方側に回転したときは、プランジャ孔520aに退避したプランジャ521が最大に突出する間、プランジャ孔520aに連通する第一流路520bが第一連通路501と連通するのに対し、プランジャ孔520aに連通する第二流路520cが第二受圧部51によって閉塞されるため、プランジャ521の移動(プランジャ孔520a内の空間の容積の増加)によって第一領域10A内の作動油がプランジャ孔520aに引き込まれる。
そして、プランジャ521が最大に突出し、続いてプランジャ孔520a内に退避しようとすると、第一流路520bが第一受圧部50によって閉塞されるのに対し、プランジャ孔520aに連通する第二流路520cが第二連通路512を介して第二領域10Bと連通するため、プランジャ521の移動(プランジャ孔520a内の空間の容積の減少)によってプランジャ孔520a内の作動油が第二領域10Bに押し出される。従って、回転体520(回転軸7)が電動モータの駆動を受けて周方向の一方側に連続的に回転されることで、第一領域10A内の作動油が連続的に第二領域10Bに送り込まれる。
また、上記構成のアクチュエータのポンプ機構部52は、第二状態において、第二領域10Bの作動油を第一領域10Aに向けて送り出す。より具体的に説明すると、上記アクチュエータは、回転軸7が電動モータの駆動を受けて周方向の他方側に回転すると、隔壁体5(ポンプ機構部52)の回転体520が偏心軸部524回りで回転する。このとき、プランジャ521(複数のプランジャ521)は、偏心軸部524の外周面との接触により、プランジャ孔520aに完全に退避した状態と、プランジャ孔520aから突出した状態とに切り替わる。
そうすると、プランジャ521の移動に伴ってプランジャ孔520a内の空間の容積が変化し、第二領域10B内の作動油がプランジャ521内に引き込まれ、プランジャ孔520aに引き込まれた作動油が第一領域10Aに押し出される。すなわち、回転体520が周方向の他方側に回転したときは、プランジャ孔520aに退避したプランジャ521が最大に突出する間、プランジャ孔520aに連通する第二流路520cが第二連通路512と連通するのに対し、プランジャ孔520aに連通する第一流路520bが第一受圧部50によって閉塞されるため、上述の如く、プランジャ521の移動(プランジャ孔520a内の空間の容積の増加)によって第二領域10B内の作動油がプランジャ孔520aに引き込まれる。
そして、プランジャ521が最大に突出し、続いてプランジャ孔520a内に退避しようとすると、第二流路520cが第二受圧部51によって閉塞されるのに対し、プランジャ孔520aに連通する第一流路520bが第一連通路501を介して第一領域10Aと連通するため、プランジャ521の移動(プランジャ孔520a内の空間の容積の減少)によってプランジャ孔520a内の作動油が第一領域10Aに押し出される。従って、回転軸7が電動モータの駆動を受けて周方向の他方側に連続的に回転されることで、第二領域10B内の作動油が連続的に第一領域10Aに送り込まれる。
このように、本実施形態に係るアクチュエータにおいても、ポンプ機構部52が第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに向けて送り出す第一状態と、第二領域10Bの作動油を第一領域10Aに向けて送り出す第二状態とに切り換え可能に構成されるため、第一実施形態と同様の作用及び効果を奏し得る。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態に係るアクチュエータについて、図8及び図9を参照しつつ説明する。なお、本実施形態に係るアクチュエータは、第一実施形態と同様に、シリンダ本体、一対のピストン、隔壁体、ロッド、回転軸、及び支持体を備えている。そして、本実施形態に係るアクチュエータにおいて、上記構成のうち、隔壁体以外の構成は、第一実施形態のアクチュエータと共通している。従って、ここでは隔壁体の説明のみを行い、第一実施形態の構成と共通する構成については、第一実施形態の説明を代用することとする。また、第一実施形態と共通する構成或いは相当する構成については、第一実施形態の各構成と同一の名称及び符号を付すこととする。
本実施形態に係る隔壁体5は、図8に示す如く、第一実施形態と同様に、一方向に互いに間隔をあけて配置される第一受圧部50及び第二受圧部51と、第一受圧部50と第二受圧部51との間に配置されたポンプ機構部52とを備える。
第一受圧部50及び第二受圧部51の基本構成は、第一実施形態の第一受圧部50及び第二受圧部51と共通している。すなわち、第一受圧部50は、第一面をポンプ機構部52側に向けて筒状部11に対して同心で液密に嵌着されている。そして、第一受圧部50には、ポンプ機構部52の後述する空間部Sと第一領域10Aとを連通させるための第一連通路501が設けられている。なお、本実施形態に係る第一連通路501の具体的な説明については、ポンプ機構部52(空間部S)の説明と併せて後述する。
そして、第二受圧部51は、第一面をポンプ機構部52側に向けて筒状部11に対して同心で液密に嵌着されている。また、第二受圧部51には、軸挿通孔511が筒状部11と同心で一方向に貫通して設けられるとともに、軸挿通孔511と同心になるように支持体8が連結されている。そして、第二受圧部51には、ポンプ機構部52の空間部Sと第二領域10Bとを連通させるための第二連通路512が設けられている。なお、第二連通路512の具体的な説明についても、ポンプ機構部52(空間部S)の説明と併せて後述する。
ポンプ機構部52は、第一実施形態と同様に、第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに向けて送り出す第一状態と、第二領域10Bの作動油を第一領域10Aに向けて送り出す第二状態とに切り換え可能に構成される。本実施形態に係るポンプ機構部52は、容積ポンプの一種であるベーンポンプで構成されている。
より具体的に説明すると、ポンプ機構部52は、筒状部11と同心で回転する回転体520と、回転体520の外周から出退可能に設けられたベーン526と、回転体520の外周を包囲する外輪体522とを備える。
回転体520の一方向の厚みは、第一受圧部50と第二受圧部51との間隔に対応して設定される。本実施形態において、回転体520は、円板状に形成され、第一受圧部50と第二受圧部51との間に筒状部11(回転軸7)と同心で配置される。そして、第一実施形態と同様に、回転体520には、回転軸7が同心で連結されている。これにより、回転体520は、回転可能な状態で第一受圧部50及び第二受圧部51に対して隙間無く或いは略隙間なく配置される。
そして、回転体520は、外周面上で開口したベーン収容溝520dであって、半径方向に深さを有するベーン収容溝520dを備える。ベーン収容溝520dは、一方向で回転体520を貫通している。そして、ベーン収容溝520dは、図8及び図9に示す如く、回転体520の周方向に間隔をあけて複数設けられている。
ベーン526は、プレート状に形成されている。ベーン526は、一方向において回転体520と同寸に設定されている。ベーン526は、先端と基端とを有する。ベーン526の先端部は、丸みをもって形成されている。ベーン526の基端側は、ベーン収容溝520dに挿入されている。これにより、ベーン526は、回転体520の半径方向(ベーン収容溝520dの深さ方向)で往復動可能に設けられている。なお、ベーン収容溝520dには、ベーン526の基端を先端に向けて付勢する図示しない付勢部材が内装されており、ベーン526は、常時外側に向けて付勢されている。なお、言うまでもないが、上述の如く、ベーン収容溝520dが複数設けられるため、ベーン526及び付勢部材は、複数のベーン収容溝520dのそれぞれに内装される。
図9に示す如く、外輪体522の外形は、筒状部11の内周形状に即して形成される。本実施形態においては、筒状部11が真円筒状に形成されるに伴い、外輪体522の外形は、円形状に形成される。外輪体522は、筒状部11に対して同心で嵌入されている。本実施形態において、外輪体522は、筒状部11を貫通したネジ部材55によって回転不能に固定されている。これにより、本実施形態に係る隔壁体5は、筒状部11に対して定位置に固定されている。外輪体522は、一方向に第一面とその反対側の第二面とを有する。そして、外輪体522の第一面は第一受圧部50に連結され、外輪体522の第二面は第二受圧部51に連結されている。
外輪体522の一方向の厚みは、第一受圧部50と第二受圧部51との間隔に対応して設定される。外輪体522は、環状に形成され、非真円形状の内孔を画定する内周面を有する。本実施形態に係る外輪体522の内孔は、図9に示す如く、楕円形状に形成される。すなわち、外輪体522の内孔は、一方向と直交する直交二軸方向のうちの一方の軸方向に長径を有し、一方向と直交する直交二軸方向のうちの他方の軸方向に短径を有する。外輪体522の内孔は、回転体520と同心で配置される。そして、外輪体522の内孔の長径は、回転体520の外径よりも大径に設定される。これに対し、外輪体522の内孔の短径は、回転体520の外径と同一又は略同一に設定される。
これにより、回転体520が回転することで、ベーン526の先端が外輪体522の内周面に押され、ベーン526がベーン収容溝520d内に完全に退避した状態と、ベーン526がベーン収容溝520dから最大に突出した状態とに切り替わるようになっている。すなわち、ベーン526が外輪体522の内孔の短径と同方向に向いた状態で、ベーン526がベーン収容溝520d内に完全に退避し、ベーン526が外輪体522の内孔の長径と同方向に向いた状態で、ベーン526がベーン収容溝520dから最大に突出するように構成されている。
そして、ポンプ機構部52は、回転体520の外周面と外輪体522の内周面との間に空間部Sを有する。すなわち、ポンプ機構部52は、第一受圧部50の第一面、第二受圧部51の第一面、回転体520の外周面、及び外輪体522の内周面によって画された空間部Sを有する。本実施形態において、外輪体522の楕円形状の内孔に対して回転体520が同心で配置されるため、ポンプ機構部52は、外輪体522の内孔の長径方向(以下、単に長径方向という。)における回転体520の両側の二箇所に空間部Sを有する。
空間部Sは、一方向において、回転体520(外輪体522)の厚み(第一受圧部50と第二受圧部51との間隔)と同一又は略同一の奥行きを有する。そして、空間部Sは、回転体520の外周形状(円弧面)と外輪体522の内周形状(楕円弧面)とにより、長径方向におけるサイズが回転体520の周方向の中央部が最大になるように形成される。すなわち、空間部Sは、回転体520の周方向の両端から中央に向けて長径方向に拡大するように形成される。
そして、ポンプ機構部52は、回転体520の外周から出退可能で、且つ先端を外輪体522の内周面に常時接触させるベーン526によって、空間部Sが回転体520の周方向に分割された区画空間Dsを有する。これにより、本実施形態に係るポンプ機構部52は、回転体520の回転に伴い、ベーン526が回転体520の周方向における空間部Sの何れか一端から中央部側に移動することで、空間部Sの形態(中央部に向けて拡大する形状)に対応して、区画空間Dsの容積が増加するように構成されている。また、本実施形態に係るポンプ機構部52は、回転体520の回転に伴い、ベーン526(後続のベーン526)が回転体520の周方向における空間部Sの中央部側から何れか一端側に移動することで、空間部Sの形態(中央部に向けて縮小する形状)に対応して、区画空間Dsの容積が減少するように構成されている。
第一連通路501は、回転体520の周方向における空間部Sの一端側の領域と連通するように第一受圧部50を貫通している。本実施形態において、第一連通路501は、一方向の延びる直路で構成されている。第二連通路512は、回転体520の周方向における空間部Sの他端側の領域と連通するように第二受圧部51を貫通している。本実施形態において、第二連通路512は、一方向の延びる直路で構成されている。
これにより、空間部Sのうちの回転体520の周方向の中央部を境にした一方の領域は、第一連通路501によって第一領域10Aに連通するとともに、第二受圧部51によって第二領域10Bに対して遮断されている。これに対し、空間部Sのうちの回転体520の周方向の中央部を境にした他方の領域は、第一受圧部50によって第一領域10Aに対して遮断される、第二連通路512によって第二領域10Bに連通している。
本実施形態において、上述の如く、空間部Sが二箇所に形成されている。そのため、第一受圧部50には、一方の空間部Sと連通する第一連通路501と、他方の空間部Sと連通する第一連通路501とが形成されている。そして、回転体520が周方向の何れか一方側で連続的に回転することを前提に、二つの第一連通路501は、回転体520の回転中心を基準にした対称位置に配置されている。これに対し、第二受圧部51には、一方の空間部Sと連通する第二連通路512と、他方の空間部Sと連通する第二連通路512とが形成さている。そして、回転体520が周方向の何れか一方側で連続的に回転することを前提に、二つの第二連通路512は、回転体520の回転中心を基準にした対称位置に配置されている。なお、図9に第二連通路512を図示しているが、これは、空間部S及び第一連通路510との配置関係を明示するために仮想的に図示したものである。
本実施形態に係るアクチュエータは、以上の通りである。そして、上記構成のアクチュエータのポンプ機構部52においても、第一状態において、第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに向けて送り出す。より具体的に説明すると、上記アクチュエータは、回転軸7が電動モータの駆動を受けて周方向の一方側に回転すると、隔壁体5(ポンプ機構部52)の回転体520が回転軸7と同方向に回転する。このとき、ベーン526(複数のベーン526)は、回転体520と同心で回転し、外輪体522の内周面との接触により、ベーン収容溝520dから突出していく状態と、ベーン収容溝520dに退避していく状態とに切り替わる。これに伴い、区画空間Dsの容積が変化し、第一領域10A内の作動油が区画空間Dsに引き込まれ、区画空間Dsに引き込まれた作動油が第二領域10Bに押し出される。
具体的には、回転体520が周方向の一方側に回転したとき、ベーン526が空間部Sの一端から中央部側に移動することで、該ベーン526に対して空間部Sの一端側に形成される区画空間Dsが第一連通路501を介して第一領域10Aのみと連通した状態になり、また、該区画空間Dsの容積が増加する。これにより、第一領域10A内の作動油が区画空間Dsに引き込まれる。そして、該ベーン526が空間部Sの中央部側から他端に移動することで、先のベーン526の移動によって作動油を引き込んだ区画空間Ds(該ベーン526に対して空間部Sの他端側に形成される区画空間Ds)が第二連通路512を介して第二領域10Bのみと連通した状態になり、また、該区画空間Dsの容積が減少する。これにより、空間部Sにおける区画空間Dsの作動油が第二連通路512を介して第二領域10Bに押し出される。従って、回転体520が電動モータの駆動を受けて周方向の一方側に連続的に回転されることで、第一領域10A内の作動油が連続的に第二領域10Bに送り込まれる。
また、上記構成のアクチュエータのポンプ機構部52は、第二状態において、第二領域10Bの作動油を第一領域10Aに向けて送り出す。より具体的に説明すると、上記アクチュエータは、回転軸7が電動モータの駆動を受けて周方向の他方側に回転すると、隔壁体5(ポンプ機構部52)の回転体520が回転軸7と同方向に回転する。このとき、ベーン526(複数のベーン526)は、回転体520と同心で回転し、外輪体522の内周面との接触により、ベーン収容溝520dから突出していく状態と、ベーン収容溝520dに退避していく状態とに切り替わる。これに伴い、区画空間Dsの容積が変化し、第二領域10B内の作動油が区画空間Dsに引き込まれ、区画空間Dsに引き込まれた作動油が第一領域10Aに押し出される。
具体的には、回転体520が周方向の他方側に回転したとき、ベーン526が空間部Sの他端から中央部側に移動することで、該ベーン526に対して空間部Sの他端側に形成される区画空間Dsが第二連通路512を介して第二領域10Bのみと連通した状態になり、また、該区画空間Dsの容積が増加する。これにより、第二領域10B内の作動油が区画空間Dsに引き込まれる。そして、該ベーン526が空間部Sの中央部側から一端側に移動することで、先のベーン526の移動によって作動油を引き込んだ区画空間Ds(該ベーン526に対して空間部Sの一端側に形成される区画空間Ds)が第一連通路501を介して第一領域10Aのみと連通した状態になり、また、該区画空間Dsの容積が減少する。これにより、空間部Sにおける区画空間Dsの作動油が第一連通路501を介して第一領域10Aに押し出される。従って、回転体520が電動モータの駆動を受けて周方向の他方側に連続的に回転されることで、第二領域10B内の作動油が連続的に第一領域10Aに送り込まれる。
このように、本実施形態に係るアクチュエータにおいても、ポンプ機構部52が第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに向けて送り出す第一状態と、第二領域10Bの作動油を第一領域10Aに向けて送り出す第二状態とに切り換え可能に構成されるため、第一実施形態と同様の作用及び効果を奏し得る。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記各実施形態において、シリンダ本体1における筒状部11と第一閉塞部12とが一体成形されたが、これに限定されるものではない。例えば、第二閉塞部13と同様に、第一閉塞部12が筒状部11と別体で構成されたものであってもよい。
上記各実施形態において、筒状部11が単一な構成とされ、隔壁体5が筒状部11に内装(嵌着)されたが、これに限定されるものではない。例えば、筒状部11が一方向に分割され、その二分割された筒状部11間に隔壁体5が介装されたものであってもよい。すなわち、隔壁体5が二分割された筒状部11に挟み込まれ、内部空間10が隔壁体5を境にして一方向で二分されたものであってよい。
上記各実施形態において、第一ピストン3と第二ピストン4とが連結体6で連結されたが、これに限定されるものではない。例えば、連結体6が設けられることなく、第一ピストン3と第二ピストン4とが独立して設けられてもよい。このようにしても、第一領域10Aから第二領域10Bに作動油が送り込まれることで、第二領域10Bを区画する第二ピストン4は、作動油の供給圧(油圧)を受け、定位置で維持する隔壁体5から離間するように一方向に移動する。これに対し、第一領域10Aを区画する第一ピストン3は、第一領域10A内の作動油の減量に伴う減圧の影響で、定位置で維持する隔壁体5に接近するように一方向に移動する。また、第二領域10Bから第一領域10Aに作動油が送り込まれることで、第一領域10Aを区画する第一ピストン3は、作動油の供給圧(油圧)を受け、定位置で維持する隔壁体5から離間するように一方向に移動する。これに対し、第二領域10Bを区画する第二ピストン4は、第二領域10B内の作動油の減量に伴う減圧の影響で、定位置で維持する隔壁体5に接近するように一方向に移動する。従って、何れか一方のピストン3,4にロッド2が連結されることで、ロッド2は何れか一方のピストン3,4に油圧が作用したときに、軸力を作用させつつ一方のピストン3,4と一緒に移動し、ロッド2は何れか他方のピストン3,4に油圧が作用したときに、一方のピストン3,4と一緒に移動する。
上記第一実施形態及び第二実施形態において、ポンプ機構部52が容積ポンプの一種であるプランジャポンプで構成され、第三実施形態において、ポンプ機構部52が容積ポンプの一種であるベーンポンプで構成されたが、これに限定されるものではない。例えば、ポンプ機構部52は、ギアポンプや、ねじポンプ等の容積ポンプで構成されてもよい。
上記各実施形態において、ポンプ機構部52が容積ポンプで構成されたが、これに限定されるものではない。例えば、ポンプ機構部52は、軸流ポンプ等の非容積ポンプで構成されてもよい。すなわち、ポンプ機構部52は、電動モータの出力軸に作動的に連結された回転軸7の正逆転により、第一領域10A内の作動油を第二領域10Bに送り出す状態と、第二領域10B内の作動油を第一領域10Aに送り出す状態とに切り換え可能に構成されたものであればよい。なお、ロッド2が一方向に移動するに当り、大きな軸力を発生させるには、ポンプ機構部52が作動油の吐出圧力の高い容積ポンプで構成されることが好ましいことは言うまでもない。
上記各実施形態において、電動モータの出力軸を回転軸7に直結することを前提に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、歯車機構等の駆動伝達機構を介して回転軸7と電動モータとを連結してもよい。但し、電動モータの駆動を受けて回転軸7を正逆転可能にすること(ポンプ機構部52による作動油の流通方向が切り替わること)が前提である。
上記各実施形態において、回転軸7がロッド2と同心になるように第二閉塞部13に挿通されたが、これに限定されるものではない。例えば、回転軸7は、シリンダ本体1の内部空間10よりも外側で、軸心方向と直交する方向でロッド2と並列になるように配置され、駆動伝達機構(歯車機構等)を介してポンプ機構部52(回転体520)に作動的に連結されてもよい。このようにすれば、第二閉塞部13に別のロッドを挿通させ、該ロッドを第二ピストン4に連結することができる。従って、アクチュエータを両ロッドにすることができる。この場合、軸力を発生させるために、第一ピストン3と第二ピストン4とを連結体6で連結することが好ましいことは言うまでもない。
上記第二実施形態において、ポンプ機構部52の一部を構成する偏心軸体524が第一閉塞部12に連結(固定)されたが、これに限定されるものではない。例えば、回転体520が外輪体522に対して回転不能に設けられるとともに、偏心軸体524が回転軸7に連結され、回転軸7とともの偏心軸体524を回転させるようにしてもよい。このようにすれば、偏心軸体524が回転体520の内孔に対して偏心して回転するため、プランジャ521を移動させることができる。
上記第一実施形態及び第二実施形態において、第一受圧部50に対して第一溝路501a及び第一直路501bで構成された第一連通路501が形成されるとともに、第二受圧部51に対して第二溝路512a及び第二直路512bで構成された第二連通路512が形成されることで、単一のポンプ機構部52(プランジャポンプ)によって、第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに送り出す状態と、第二領域10Bの作動油を第二領域10Bに送り出す状態とに切り換え可能に構成されたが、これに限定されるものではない。
例えば、ポンプ機構部52は、第一領域10Aの作動油を第二領域10Bに送り出す第一のプランジャポンプと、第二領域10Bの作動油を第一領域10Aに送り出す第二のプランジャポンプとを備えてもよい。この場合、第一のプランジャポンプの第一流路520b及び第二流路520cに繋がる第一連通路501及び第二連通路512が直路で構成され、第一のプランジャポンプの第一流路520b及び第二流路520cに対し、第一領域10A側から第二領域10B側に向けての作動油の流通を許容する一方で、第二領域10B側から第一領域10A側に向けての作動油の流通を阻止する逆止弁が内装されてもよい。また、これに併せて、第二のプランジャポンプの第一流路520b及び第二流路520cに繋がる第一連通路501及び第二連通路512が直路で構成され、第二のプランジャポンプの第一流路520b及び第二流路520cに対し、第二領域10B側から第一領域10A側に向けての作動油の流通を許容する一方で、第一領域10A側から第二領域10B側に向けての作動油の流通を阻止する逆止弁が内装されてもよい。
1…シリンダ本体、2…ロッド、3…ピストン、3…第一ピストン(ピストン)、4…第二ピストン(ピストン)、5…隔壁体、6…連結体、7…回転軸、8…支持体、10…内部空間、10A…第一領域(一方の領域)、10B…第二領域(他方の領域)、11…筒状部、12…第一閉塞部、13…第二閉塞部、14…ガイド部、30…環状溝、31…凹部、40…環状溝、41…凹部、42…筒挿通孔、43…環状溝、50…第一受圧部(受圧部)、51…第二受圧部(受圧部)、52…ポンプ機構部、70…フランジ部、71…軸本体、120…ロッド挿通孔、130…軸挿通孔、500…環状溝、501…第一連通路(流通路)、501a…第一溝路、501b…第一直路、510…環状溝、511…軸挿通孔、512…第二連通路、512a…第二溝路、512b…第二直路、513…環状溝、520…回転体、520a…プランジャ孔、520b…第一流路、520c…第二流路、520d…ベーン収容溝、521…プランジャ、522…外輪体、523…付勢部材、524…偏心軸体、525…案内体、526…ベーン、S…空間部、S1,S2,S3,S4,S5,S6…シール材、Ds…区画空間

Claims (4)

  1. 一方向に延びる内部空間を有するシリンダ本体であって、前記一方向に第一端と第二端とを有するシリンダ本体と、前記一方向に間隔をあけて前記内部空間内に配置された一対のピストンであって、それぞれが前記内部空間内で前記一方向に移動可能に設けられる一対のピストンと、該一対のピストン間の定位置に配置された隔壁体であって、前記内部空間における前記一対のピストン間を前記一方向で二つの領域に仕切る隔壁体と、前記シリンダ本体の第一端に対して前記一方向に移動可能に挿通されたロッドであって、前記一対のピストンのうちの何れか一方のピストンに連結されたロッドとを備え、前記二つの領域には、作動油が充填され、前記隔壁体は、電動モータの駆動で作動するポンプ機構部を備え、該ポンプ機構部は、前記二つの領域のうちの何れか一方の領域の作動油を前記二つの領域のうちの何れか他方の領域に向けて送り出す第一状態と、前記二つの領域のうちの何れか他方の領域の作動油を前記二つの領域のうちの何れか一方の領域に向けて送り出す第二状態とに切り換え可能に構成されるアクチュエータ。
  2. 前記一方向に移動可能に前記隔壁体を貫通し、前記一対のピストン同士を連結する連結体を備える請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記ポンプ機構部は、容積ポンプで構成される請求項1又は2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記一方向に第一端と第二端とを有する回転軸を備え、該回転軸は、前記シリンダ本体の前記第二端に液密に挿通されるとともに、前記一対のピストンのうちの何れか他方のピストンに液密に挿通され、該回転軸の前記第一端側は、前記内部空間内で前記ポンプ機構部に作動的に連結され、該回転軸の前記第二端側は、前記シリンダ本体の外部に配置されるとともに前記電動モータと連結可能に構成される請求項1乃至3の何れか1項に記載のアクチュエータ。
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