JP5458036B2 - ナノインプリント用スタンパ及びその製造方法 - Google Patents

ナノインプリント用スタンパ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5458036B2
JP5458036B2 JP2011026181A JP2011026181A JP5458036B2 JP 5458036 B2 JP5458036 B2 JP 5458036B2 JP 2011026181 A JP2011026181 A JP 2011026181A JP 2011026181 A JP2011026181 A JP 2011026181A JP 5458036 B2 JP5458036 B2 JP 5458036B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
stamper
substrate
forming
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011026181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012164935A (ja
Inventor
和孝 滝澤
剛史 沖野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2011026181A priority Critical patent/JP5458036B2/ja
Publication of JP2012164935A publication Critical patent/JP2012164935A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5458036B2 publication Critical patent/JP5458036B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明の実施形態は,ナノインプリント技術により微細パターンを転写するためのナノインプリント用スタンパ及びその製造方法に関する。
微細パターンを安価に形成する技術としてナノインプリントリソグラフィーが注目されている。ナノインプリントリソグラフィーは,微細凹凸パターンが表面に形成されたスタンパ(金型,スタンプとも呼ばれる)を被写体レジストに押印してパターン転写を行う技術の総称であり,ナノインプリンティングもしくはソフトリソグラフィーと呼称される場合もある。これは,ステップアンドリピート方式の紫外線露光や電子線描画などの従来技術と比較して,広範に渡る領域のパターンを一括転写することが可能であるため,短時間の処理によるスループット向上と工程のコストダウンが大きく期待されるものである。
ナノインプリント用スタンパはリソグラフィーで形成された微細凹凸パターンを有する基板,いわゆるマスター原盤(モールド,単に原盤とも呼ばれる)から取得することができ,多くの場合,マスター原盤の微細パターンに対する電気めっきによる電鋳転写によって作製される。具体的には,マスター原盤上のレジスト膜に対して種々の露光方法により潜像パターンを形成した後,現像・リンス・乾燥を行うことでマスター原盤にレジスト膜の凹凸パターンが形成され,場合によってはレジスト膜をマスクとしてマスター原盤に凹凸パターンが転写される。この凹凸パターンに対して,例えばNiなどの金属導電化膜を均一に成膜し,電鋳を行うことでスタンパを作製することができる。
ところが,Niを用いた従来のパターンの微細化によりスタンパの歪が無視できなくなる。すなわち,スタンパ歪により平坦性が劣化すると,微細パターンの転写精度が悪くなるといった問題が生じる。加えて,パターンの微細化によりスタンパ凹凸のアスペクト比が大きくなるため,転写方向と直交する方向の応力,いわゆるズレに対してスタンパパターンの機械強度は必然的に脆弱化するので,転写精度はさらに劣化する。
光ディスクやハードディスク用媒体の作製に用いられる円心状スタンパにおいては,繰り返し回転誤差,いわゆるリピータブルランアウトが大きくなる。ハードディスクドライブを例に挙げると,リピータブルランアウトの増大は磁気記録ヘッドの位置決め誤差増大に直結するため,これを可及的に小さくする必要がある。また,半導体製造の分野においては,転写精度の劣化は位置決め誤差の拡大を招き,多重露光などに必要とされる高精度の位置合わせが困難になる。したがって,スタンパの平坦性の改善が微細パターン転写においては重要である。
一方,高密度パターンを電鋳によりスタンパ化する場合,狭小化した凹凸パターンに対する導電化膜のカバレッジが悪化するという問題もある。凹凸に対して導電化膜を成膜する場合,蒸着やスパッタリングに代表される従来の成膜方法ではパターン凹部および側壁における導電化膜の成膜速度がパターン凸部のそれよりも遅いため,導電化膜が面内で不連続になってしまい,均一な成膜処理が困難になる。導電化膜のカバレッジを良好にするために成膜時間を延長すると,凹凸の開口部が閉塞し微細空洞が生じてしまい,電鋳不良箇所となる。そのため,導電化膜の不連続な箇所では電鋳に必要な導電性を得ることができず,パターンの欠損が生じることになる。さらに,導電化膜の不連続性からパターンにバリが発生し,スタンパ品質を劣化させることになり得る。
特開2004−262666号公報 特開2005−59167号公報
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであって,機械強度に優れた微細パターンを有するナノインプリント用スタンパ及びその製造方法を提供することを目的とする。
実施形態のナノインプリント用スタンパは,筒状炭素分子を含む突起部を有し,前記金属を含む基体である。
第1の実施形態に係るナノインプリント用スタンパの製造方法を表すフロー図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 筒状炭素分子14を含むメッキ層15の一部を拡大して表す斜視図である。 筒状炭素分子14が全体に配置されたスタンパの作成状態を示す図である。 筒状炭素分子14が全体に配置されたスタンパの作成状態を示す図である。 筒状炭素分子14が全体に配置されたスタンパの作成状態を示す図である。 スタンパの複製工程を表す図である。 スタンパの複製工程を表す図である。 第1の実施形態の変形例に係るナノインプリント用スタンパの製造方法で作成中のスタンパを表す側面図である。 第1の実施形態の変形例に係るナノインプリント用スタンパの製造方法で作成中のスタンパを表す側面図である。 第1の実施形態の変形例に係るナノインプリント用スタンパの製造方法で作成中のスタンパを表す側面図である。 第1の実施形態の変形例に係るナノインプリント用スタンパの製造方法で作成中のスタンパを表す側面図である。 第2の実施形態に係るナノインプリント用スタンパの製造方法を表すフロー図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 作成中のスタンパを表す側面図である。 光ディスク検査装置30を表す模式図である。 作成中の半導体装置の一例を表す断面図である。 作成中の半導体装置の一例を表す断面図である。 作成中の半導体装置の一例を表す断面図である。 作成中の半導体装置の一例を表す断面図である。 作成中の半導体装置の一例を表す断面図である。 作成中の半導体装置の一例を表す断面図である。 作成中の半導体装置の一例を表す断面図である。 作成中の半導体装置の一例を表す断面図である。
以下,図面を参照して,実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように,第1の実施形態に係るナノインプリント用スタンパの製造方法では,触媒層の形成,加工を経て,ナノインプリント用スタンパが製造される。
(1)触媒層形成工程(ステップS11,図2A参照)
基板11上に筒状炭素分子14を成長させるための触媒層12を形成する。
筒状炭素分子14は,炭素同素体であるグラファイト層を丸めた構造を有するもので,いわゆるカーボンナノチューブである。筒状炭素分子14は,高い機械強度と高い導電性を両立することが可能であるため,多くの産業応用が期待されている。筒状炭素分子14の構造は,グラファイト層の数によって大別され,グラファイト層が1層からなる単層筒状炭素分子と,2層以上からなる多層筒状炭素分子が存在する。また,炭素原子の配列の違いによりグラファイト層には捻じれの有無が生じ,アームチェア型,ジグザグ型,スパイラル型といった構造差異が存在し,これに伴い電気的特性が金属的,半導体的もしくは両者を併せ持つことが知られている。
本実施形態において用いる筒状炭素分子14は,電鋳金属を成長させるための導電化膜として使用するため,高い導電性を具備していることが好ましい。機械的・電気的特性に対する機能性付与のため筒状炭素分子に不純物や金属を内包したものを用いても良い。
これらの筒状炭素分子14は,触媒機能を有する層(触媒層12)から成長する。例えば,芳香族炭化水素からなる原料ガスを触媒層12の表面へ吸着させた状態でガスを分解すると,触媒層12の表面に筒状炭素分子14の核が形成され,これを起点として筒状炭素分子14が成長する。この場合,核を構成する際のエネルギーは触媒層材料によって異なり,エネルギーが低いほど安定であるため,Fe,Ni,Coを用いるのが好ましいが,Pt,Cu,Au,Ag,Ti,Alの他,これらの合金を触媒として適用してもかまわない。
基板11には半導体製造工程で用いられる汎用のSiをはじめとして,SiO,SiC,SiOC,Si,石英などの他,B,Ga,In,P,As,Sbなどの不純物をドーピングした半導体基板を用いてもよい。基板11の表面の平坦性は,電鋳を行った後で得られるスタンパの平坦性と直結するため良好であることが好ましく,鏡面研磨などの処理が施されていることが望ましい。また,基板11の三次元形状に関する限定は特になく,円形,矩形,ドーナツ形のものを用いることが可能である。
触媒層12は蒸着やスパッタリング,イオンプレーティングに代表される物理的気相成長法や,熱・プラズマを用いた化学的気相成長法により形成することが可能である。筒状炭素分子14を均一成長させるため,触媒層12のパターニングによる表面の改質は小さいことが好ましい。
(2)マスク層形成工程(ステップS12,図2A〜図2C参照)
触媒層12上に触媒層12をパターニングするためのマスク層13を形成する。
触媒層12のパターニングはレジスト膜をマスクとしてパターニングを行う方法が代表的である。この場合は,まず触媒層12上にレジスト膜を成膜する成膜工程(図2A),それを露光する露光工程(図2B),現像して凹凸パターンを設ける現像工程を経る(図2C)。
a)成膜工程
レジスト膜の成膜では,レジストと溶媒の混合液を基板上に直接滴下する方法やスプレー噴霧する方法などがあり,スピンナ塗布することで均一に成膜を行う。
レジスト膜材料の種類ならびにポジ型・ネガ型には何ら限定はなく,主鎖切断型,化学増幅型,架橋型レジストを適用する。例えば,ノボラック樹脂,ポリスチレン,ポリメチルメタアクリレート,ポリ−αメチルスチレン,ポリヒドロキシスチレンなどの高分子材料を用いることが可能である。
また,レジスト層は1層のみではなく,触媒層の形成工程に合わせ,例えば露光感度の異なるレジストを多層で用いてもよい。
次いで,成膜したレジスト膜に対して露光,現像を行うことでレジスト膜をパターニングする。
b)露光工程
露光によって,マスク層13(レジスト)に潜像パターン13aを形成する。
露光方法としてはKrF,ArFをはじめとした紫外線露光や,電子線描画,荷電粒子線,X線などを適用すればよく,露光マスクを介した照射の他,干渉露光,縮小投影露光,直接露光を行ってもかまわない。ここでは,ポジ型レジストを用いた場合に関して説明する。
レジスト膜のパターニング方法に関し,同心円状のパターンを例にとって説明する。
同心円状パターンを高精細に形成するためには,電子線描画装置を用いるのが好適である。電子線描画装置は電子線の照射方向と直交する2軸方向においてステージの移動機構を有するx−y描画装置と,1軸移動機構に回転機構を加えたx−θ描画装置が挙げられる。x−y描画装置を用いる場合は,描画フィールド間のつなぎ精度を悪化させないようにステージを連続して駆動させると良い。また,円心パターンを描画する場合はステージを継続して回転するx−θ描画装置を用いると良い。
また,同心円パターンを形成する際には,ステージ駆動系とともに電子線に対して偏向を加えることが望ましい。この場合は,描画パターンに対応した偏向信号を独立に制御するために,信号源と呼ばれる情報処理装置を使用する。信号源では電子線の偏向ピッチや偏向感度,描画ステージの送り量などを独立に制御することが可能である。これにより,1回転毎に電子線に対して偏向信号を送信することで,描画パターンを同心円形状にできる。
c)現像工程
次いで,成膜したレジスト膜に対して露光,現像を行うことでレジスト膜をパターニングする。レジスト膜に対する有機現像液としては酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸アミル,酢酸ヘキシル,酢酸オクチルのようなエステル系溶剤,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,プロピレングリコールモノエチルアセテートのようなケトン系溶剤,アニソール,キシレン,トルエン,テトラリンなどの芳香族系溶剤,エタノール,メタノール,イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤を用いることができる。また,アルカリ現像液としてはテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどを用いることが可能である。
d)リンス工程
次いで,湿式リンスを行いレジスト膜上の現像液を除去する。ここで用いるリンス液は現像液と相溶の関係にあることが望ましく,代表的なものとしてイソプロピルアルコールなどが挙げられる。現像およびリンスにおいては,液温,粘度,混合比など溶液に関するパラメータに加え,現像時間を調整することで所望のパターン寸法を得る。
レジスト膜上のリンス液を乾燥することで所望のレジスト凹凸パターンが得られる。乾燥方法としては,Nのような不活性ガスを直接試料に吹き付ける方法や,リンス液の沸点よりも高い温度で基板を加熱することでリンス液を揮発させる加熱乾燥の他,スピン乾燥,超臨界乾燥などを適用することができる。上記のようにして,レジスト膜の凹凸パターンを得る。
他にも,ポリマーの自己組織化現象を用いたマスク形成や,凹凸の側壁パターン転写などによる微細マスクを用いることが可能であり,所望の寸法が得られるように適宜レジスト材料を選定する。
(3)触媒層加工工程(ステップS13,図2D〜図2E参照)
前記レジストをマスクとして触媒層12をエッチングして,基板11上の触媒層12に凹凸パターンを形成する。加工された触媒層12は,Fe,Pt,Cu,Au,Ag,Co,Ni,Ti,Alの少なくとも何れかを含む。
基板11の加工により形成した凹凸パターンに対して物理的気相成長法や化学的気相成長法などによる触媒層の成膜を行っても良いが,パターン微細化により成膜時のカバレッジが悪化するため,基板11上に設けた触媒層12を加工するのが好適である。
なお,基板11が触媒金属を含む場合は,触媒層12の形成が不要となり,基板11自体に直接凹凸パターンを形成すれば良い。
触媒層12の加工はウェットエッチング,ドライエッチングにより行うことが可能であるが,ウェットエッチングではパターン凹凸に対して横方向に広がるサイドエッチの影響によりパターン寸法が大きく変化するため,パターンの矩形性を比較的良好に維持できるドライエッチングを適用するのが好ましい。この場合は,マスク形状を維持したまま触媒層12を形成できる方法としてリアクティブイオンエッチングを用いる方法の他にも,マスク対触媒層におけるエッチング選択比を損なわない場合はイオンミリングなどの物理的エッチングを適用してかまわない。
レジスト膜が触媒層12上に残存する場合は,ドライエッチングやアッシングを行うか,もしくは剥離溶媒を用いることで触媒層12から除去する。
(4)カーボンナノチューブ成長工程(ステップS14,図2F参照)
パターニングした触媒層12の凹凸および側壁から,筒状炭素分子14を成長させる。
筒状炭素分子14の成長方向は基板11の厚さ方向と同じ方向であることが望ましい。深さ方向のパターン強度を高くすることが可能である。筒状炭素分子14はその長手方向における引っ張り強度が極めて高い。このため,凹凸深さ方向に同じ方向に対して成長させることにより,深さ方向のパターン強度を高くできる。
但し,筒状炭素分子14の成長方向は必ずしも同一でなくても良い。
筒状炭素分子14を成長させる方法としては,アーク放電法,化学的気相成長法,レーザーアブレーション法などの方法がある。原料ガスとしてはエチレン,アセチレンなどの芳香族炭化水素ガスや,メタン,エタノール,メタノールなどのアルコールガスを用いることができる。また,筒状炭素分子14の成長速度,径,強度などに関しては,工程で設定する原料ガス流量,雰囲気温度,真空度,基板種などによって調整すればよい。
さらに,筒状炭素分子14の成長工程において成長方向と並行な方向に磁界を印加することで,配向方向を改善する方法を適用してもよい。
なお,筒状炭素分子14を成長させた後は,触媒層12との平坦性を改善するために研磨を行っても良いが,スタンパ作製工程上は必ずしも必要ではない。
(5)メッキ層形成工程(ステップS15,図2G参照)
これらのパターンを基に,電鋳等によりメッキ層15を形成することで微細凹凸を転写する。微細凹凸部に成長させた筒状炭素分子14は導電性を有する柱状構造となっているため,それ自体が導電膜の役割を果たすことになる。また,電鋳を行うことで筒状炭素分子14同士の間は電鋳金属で充填されることになり,金属のみで構成される従来の凹凸パターンに対して筒状炭素分子14と金属との複合材料が充填されるため,パターン強度の優れた凹凸パターンが得られる。また,筒状炭素分子14同士の間が金属で充填されるために,筒状炭素分子14がダストとして析出するのを抑制できる。複数の筒状炭素分子14同士の間を金属で充填した層を金属充填層とする。
メッキ層15は,平板状の基体部分と,基体部分から突出する突起部に区分できる。突起部は,金属および筒状炭素分子14を含む。
図3に筒状炭素分子14を含むメッキ層15の一部を拡大して表す斜視図を示す。メッキ層15内において,筒状炭素分子14の間がNi等の金属で充填されている。また,筒状炭素分子14がスタンパの厚さ方向に成長している。
また,この工程では従来の導電化膜のカバレッジ劣化の問題も解消される。すなわち,凹部成長した筒状炭素分子を導電膜として用いることが可能であるため,従来のように側壁部などにおける導電膜の被覆異常が問題とならない。このため,微細凹凸パターンが均一に反映されたスタンパを作製することが可能である。
スタンパは金属膜(メッキ層15)が凹凸部分から厚み方向に連続的に形成されたものである。
金属としては種々の材料を適用することが可能であるが,例としてNiを挙げることができる。これは,スルファミン酸浴中での電解めっき法により形成することが可能である。但し,2種類以上の金属を複合したものや,合金を電鋳してもかまわない。
また,無電解めっきによりメッキ層15を形成することも可能である。
メッキ後の膜厚,すなわちスタンパの厚さはめっき浴の水素イオン濃度,温度,粘度の他,めっきに要する通電電流値,めっき時間により調節可能である。
(6)離型工程(ステップS16,図2H参照)
メッキ層15の形成後に基板11上からメッキ層15(スタンパ)を剥離する。離型後においてスタンパの凹凸パターンに残渣等が残る場合はエッチングを行い,残渣を除去して,凹凸パターンを露出させる。またこの際,機械的に剥離する方法の他,基板そのものをウェットエッチングもしくはドライエッチングにより除去しても構わない。
以上のようにして,凹凸部分に筒状炭素分子14と金属を複合化したスタンパを得ることができる。筒状炭素分子14の成長厚さに関する限定は何ら無く,凹凸部分のみならずスタンパ全体を筒状炭素分子14と金属で複合化させてもよい。
図4A〜図4Cは,筒状炭素分子14が全体に配置されたスタンパの作成状態を示す図である。図2Gを用いて説明したメッキ層15の基体にも筒状炭素分子14が含まれている。カーボンナノチューブ成長工程において,長尺の筒状炭素分子14を形成することで,図2F〜図2Hが,図4A〜図4Cに置き換えられる。
得られたスタンパに対しては,打ち抜きを行うことでパターン部分以外の領域を除去するなど,使用用途に応じて形状を加工する。例えば,磁気記録媒体作製で用いる場合のドーナツ型をはじめとして,半導体製造用として円形もしくは矩形にしても良い。次いで,スタンパパターン面に剥離可能な保護膜を形成した後,裏面を鏡面研磨することにより平坦性を改善する。この場合は,機械研磨や化学研磨を適用することが可能である。
(7)スタンパの複製
このようにして得られたスタンパを原盤として用いて電鋳を行い,更に複製を行うことも可能である。
図5A,図5Bにスタンパの複製工程を表す。図2Hのように作成されたスタンパ(メッキ層15)を原盤として,金属や樹脂の複写層16を形成し,メッキ層15から離型して,新たなスタンパ(複写層16)を形成する。
複写層16をNi等の金属とする場合,原盤にそのまま電鋳等でメッキ層(複写層16)を形成し,原盤を複製(複写)できる。
また,原盤に触媒層を形成した後に,筒状炭素分子を成長させ,電鋳等でメッキ層を形成する工程を繰り返すことで,新たなスタンパ(複写層16)を形成しても良い。
樹脂を母材とする複写層16を用いて,量産性の優れたスタンパを得ることもできる。以下,樹脂スタンパの作製方法について説明する。
樹脂スタンパは射出成形により作製する。まず,射出成形装置にNiスタンパを装荷し,樹脂溶液材料を用いて成形を行い,第1の樹脂スタンパが作成される。樹脂材料としてはシクロオレフィンポリマーやポリカーボネート,ポリメチルメタアクリレートなどを適用すれば良く,Niスタンパならびに後述するインプリントレジストとの剥離性の良いことが好ましい。
続いて,成形した第1のスタンパを用い,紫外線硬化レジストを光ナノインプリントにより硬化することで,第2の樹脂スタンパが作成される。硬化したレジストの底部にはレジスト残渣が生じるため,これをエッチングにより除去することでスタンパ凹凸に対応する紫外線硬化レジストパターン(第2の樹脂スタンパ)を得ることができる。この第2の樹脂スタンパを用いて,下地材料を所望のパターン加工できる。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態の変形例では,スタンパの作成にハードマスクを適用する。この変形例に係るナノインプリント用スタンパの製造手順は図1と同様である。
(1)触媒層形成工程(ステップS11,図6A参照)
(2)マスク層形成工程(ステップS12,図6A〜図6D参照)
この変形例では,触媒層12とマスク層(レジスト層)13の間にハードマスク層17を形成,パターニングし,これをマスクとして触媒層12を加工する。
即ち,触媒層12に凹凸を設ける際には,上層のマスク層13と触媒層12との間のエッチング選択比を大きくすることが好ましく,両者の間に単層もしくは多層のマスク材料(ハードマスク層17)を挿入できる。
この場合は,マスク層(レジスト層)13対ハードマスク層17およびハードマスク層17対触媒層12においてエッチング選択比を維持できる必要がある。例えば,ハードマスク層17として,SiとCの多層マスクを用いる方法がある。SiはOプラズマに対するエッチング耐性が高く,逆にFプラズマに対するエッチング耐性が低い。逆に,CはFプラズマに対するエッチング耐性が高く,Oプラズマに対するエッチング耐性が低い。したがって,両ハードマスクとエッチングガスを組み合わせることで,触媒層12を高アスペクト比で加工することができる。
ただし,上記方法に限らずエッチングガスと試料の構成から最適なマスク材料を選定すれば,エッチング選択比の問題を解決することが可能である。他にもハードマスクとして,例えばCr,Ta,Cuもしくはこれらの化合物などが挙げられる。また一般的に,ベンゼン環のようにCおよびHを多く含む材料はエッチング耐性が高いため,これに準ずる各種高分子材料をマスク材料に適用することも可能である。
エッチングガスにはCF,C,C,C,ClF,CCl,CClF,CHF,NFなどのフッ素系ガスや,Cl,BCl,CCl,SiClなどの塩素系ガスがある。他にもH,N,HBr,NH,CO,He,Ne,Ar,Kr,Xeなどの各種ガスを適用してもよい。また,プラズマを発生させる方式として容量結合,誘導結合,電子サイクロトロン共鳴,多周波重畳結合などの種々の方法を適用することが可能である。パターン寸法の調整に対しては,プロセスガス圧力,ガス流量,プラズマ投入電力,基板温度,チャンバー雰囲気,到達真空度,などのパラメータを適宜設定すればよい。
(3)触媒層加工工程(ステップS13,図2D〜図2E参照)
触媒層加工工程移行は,変形例と第1の実施形態とで本質的に変わるところが無いので,詳細な説明を省略する。
(第2の実施形態)
図7に示すように,第2の実施形態に係るナノインプリント用スタンパの製造方法では,基板の加工,触媒層の形成を経て,ナノインプリント用スタンパが製造される。
(1)マスク層形成工程(ステップS21,図8A〜図8C参照)
基板11上に基板11をパターニングするためのマスク層13を形成する。基板11上にレジスト膜を成膜する成膜工程(図8A),それを露光する露光工程(図8B),現像して凹凸を設ける現像工程を経る(図8C)。
(2)基板加工工程(ステップS22,図8D参照)
前記レジストをマスクとして基板11をエッチングして,基板11に凹凸を設ける。
(3)触媒層形成工程(ステップS23,図8E参照)
加工された基板11上に筒状炭素分子14を成長させるための触媒層12を形成する。
ここでは,凹凸を有する触媒層12の形成に際し,イオンドーピングによる方法を適用する。すなわち,凹凸加工を行った基板表面に触媒金属イオンをドーピングすることで筒状炭素分子14の成長に要する触媒層12を基板11の凹凸表面に形成することが可能である。
この場合は,加速電圧,ガス種,ガス流量などのパラメータを調整すればイオン侵入深さを調整可能であるが,基板表面に触媒金属が存在していればよい。また,スパッタリングによる触媒金属元素の打ち込みでも同様の効果を発現できる。イオンドーピングを行うと矩形性を維持したパターンから筒状炭素分子14を成長させることが可能である。すなわち,エッチングによる微細凹凸形成が困難であるパターン寸法でも,矩形を維持したパターニングが可能となり,電鋳時の導電化膜の不連続箇所を少なくできるため,スタンパのバリの発生は少なくなる。
以下,カーボンナノチューブ成長工程以降は,第1の実施形態と実質的に相違する訳でないので,詳細な説明を省略する。
(4)カーボンナノチューブ成長工程(ステップS24,図8F参照)
(5)メッキ層形成工程(ステップS25,図8G参照)
(6)離型工程(ステップS26,図8H参照)
(リピータブルランアウト測定)
次に,スタンパの真円度に関してリピータブルランアウトに基づいて説明する。リピータブルランアウトは,光記録媒体もしくは磁気記録媒体などで見られるトラック同期位置の歪を意味しており,真円に対するトラックのずれを示す。したがって,スタンパの歪がリピータブルランアウトの劣化に直結することになるため,これが小さくないと媒体に対する位置決めを正確に行うことができない。
ここでは,0.6mm厚に成形加工した樹脂スタンパを例とする。実測では光ディスク検査装置(パルステック工業株式会社製DDU−1000)を用いた。樹脂スタンパにはリピータブルランアウト測定用のダミー溝パターンが形成されており,これがスタンパに対して同心円状に配されているものとする。
図9は,光ディスク検査装置30の模式図である。
測定系の光源31としては,波長が400nm−410nmの範囲の紫外線波長帯光源が用いられ,この光源31からの出射光L1がコリメートレンズ32により平行光となる。平行光は出射方向に設置された偏向ビームスプリッタ33と4分の1波長板34を透過して対物レンズ35に入射され,スタンパの基板10を透過した後にパターン溝部分に集光される。この際,開口数は対象となるスタンパに応じて調整すればよい。スタンパのパターン部分からの反射光は再び対物レンズ35,4分の1波長板34を透過した後,偏向ビームスプリッタ33で反射される。最終的に,反射光L2は集光レンズ36を透過した後,光検出器37に入射されることでリピータブルランアウト(RRO)の情報を得ることができる。
なお,光検出器37からの出力により演算回路38が演算を行い,アクチュエータ39を駆動する駆動信号を生成する。この結果,対物レンズ35からの光がスタンパの基板10に集光されるようアクチュエータ39が対物レンズ35を上下に移動させる。
リピータブルランアウトの数値はスタンパから得る方法の他,所望の装置や媒体上に直接パターンを形成することで実動作時における値を調べる方法もある。なお,光源の波長は400nm台に限定されることはなく,所望のパターンに応じて調整すればよい。以上のようにして,スタンパおよび媒体のリピータブルランアウトを評価することができる。
本実施形態によれば,リピータブルランアウトが小さく,すなわち平坦度が良くかつダストの少ないナノインプリント用スタンパが提供される。また,従来では作製困難な微細凹凸に対して筒状炭素分子を導電化膜とすることで電鋳が可能となるので,従来のような導電化膜形成不良によるパターン欠損を少なくしたスタンパが得られる。さらに,筒状炭素分子と金属との複合化により,スタンパのパターンを強化することが可能であり,高アスペクト比パターンの脆弱性の問題も解決される。
本実施例においては,筒状炭素分子の成長に用いる触媒層をエッチングにより形成し,筒状炭素分子を成長させた後,Ni電鋳を行うことでスタンパを作製した。
まず,Si基板上に触媒金属としてNiを成膜した。成膜ではDCスパッタ法を適用し,到達真空度1.0×10−5Pa,Arガス流量20sccm,投入電力100Wとして90秒間スパッタ成膜を行い,10nm厚のNi膜を成膜した。続いて,Ni膜をパターニングするためのマスク材としてSiを20nm厚で成膜した。Siの成膜はDCスパッタ法により,到達真空度4.0×10−4Pa,投入電力200W,Arガス流量35sccm,スパッタ時間110秒とした。
次いで,パターニング用の主鎖切断型電子線ポジレジストを成膜した。電子線レジストとして日本ゼオン株式会社製のZEP−520Aを用い,アニソールを溶媒として重量比1:3で希釈した溶液に調製した後,回転数を2500rpmに設定し基板上にスピンコートした。試料は真空ホットプレートを用いて180℃に保持した下,180秒間プリベークすることで電子線レジストを硬化させた。
次いで,ZrO/W熱電界放出型電子源を有し,加速電圧100kV・ビーム径10nm径のビームを具備した電子線描画装置を用い,電子線レジストにパターン描画を行った。電子線描画装置は,描画パターンを形成するための信号と,試料ステージの一方向移動機構と回転機構とを具備した,いわゆるx−θ型描画装置である。試料の描画では電子線を偏向するための信号を同期させるとともに,半径方向に対してステージを移動させている。ここで,描画線速度0.15m/s,ビーム電流値13nA,半径方向への送り量を10nmとして,電子線レジストにピッチ30nmを有するドット/スペースパターンおよびライン/スペースパターンの潜像を形成した。
これを現像することで,10nm径ドット/20nmスペース,10nm幅ライン/20nm幅スペースの凹凸パターンを解像できる。現像液には100%酢酸ノルマルアミルを成分とした有機現像液を用い,20秒間浸漬することで電子線レジストの現像を行った。次いで,イソプロピルアルコールに20秒間浸漬してリンスを行い,Nの直接ブローにより試料表面を乾燥させた。
次に,電子線レジストパターンをマスクとしてSi層のエッチングを行った。エッチングでは誘導結合型リアクティブイオンエッチング装置を用いた。エッチングガスをCFとして,到達真空度1.0×10−5Pa,ガス流量5sccm,アンテナ電力100W,バイアス電力5W,エッチングガス圧0.1Pa,エッチング時間100秒に設定し,Si層のエッチングを行った。
Si直下のNi層はArイオンミリングによりパターニングした。Arイオン加速電圧1kV,ガス流量30sccm,ミリング圧力0.1Paで35秒間ミリングを行い,Ni膜を15nm段差でパターニングした。
次いで,再度CFによるエッチングを行いNi膜上のSi残渣を可及的に除去した。
次に,触媒層の凹凸に対して筒状炭素分子をプラズマ化学気相成長法により作製した。プラズマ化学気相成長では,真空チャンバ内を到達真空度1.0×10−4Paまで真空引きした後,エチレンガスを20sccmで導入し,プラズマを120秒間発生させることでNi触媒層表面に筒状炭素分子を50nm高さで成長させた。
このとき,筒状炭素分子の配向方向を一様にするため,試料の厚さ方向と平行に静磁界を印加した。磁界印加の際には永久磁石を用い,0.1Tの磁界を発生させた下で筒状炭素分子を成長させた。
続いて,筒状炭素分子を導電化膜としてNi電鋳を行い,スタンパを作製した。電鋳に用いた溶液として,昭和化学株式会社製の高濃度スルファミン酸Niメッキ液を用いた。液温は55℃とし,P.Hを3.8から4.0の範囲で調整するとともに,印加電流値を20A/dmとしてNi膜を300μm厚で電鋳した。
この電鋳膜をSi基板から剥離することで,筒状炭素分子とNiをパターン表面に含むNiスタンパを得ることができる。
作製したスタンパのパターンを透過型電子顕微鏡で観察したところ,試料パターンと並行および直交方向において筒状炭素分子とNi金属の複合材料パターンを確認することができた。
このスタンパを基に電鋳を繰り返し,複製スタンパを作製した後,円形加工に打ち抜きを行った。続いて,射出成形により樹脂スタンパを作製した。樹脂材料には,日本ゼオン株式会社製樹脂材料のZEONOR 1060Rを用いた。得られた樹脂スタンパをリピータブルランアウト測定装置に装荷し,線速度1.2m/sで回転させ,リピータブルランアウトを測定した結果,Niのみで構成されるスタンパのものよりも小さな値が得られた。
本実施例においては,筒状炭素分子の成長に用いる触媒層をイオンドーピングにより構成した。
まず,Si基板に凹凸を設けるため,ハードマスク層を成膜した。CをターゲットとしたDCスパッタ法により,到達真空度4.0×10−4Pa,投入電力200W,Arガス流量35sccm,スパッタ時間250秒の下,Cマスク層を20nm厚でSi基板上に成膜した。
次いで,Siマスク層をC上に成膜した。Si層はCと同様のDCスパッタ法により到達真空度4.0×10−4Pa,投入電力200W,Arガス流量35sccm,スパッタ時間18秒として,3nm厚で成膜した。Cはフッ素系ガスに,Siは酸素系ガスに対してそれぞれエッチング耐性があるため,エッチングガスを適切に選ぶことで両者を選択的にエッチングすることが可能である。
次に,ハードマスク層上に主鎖切断型電子線ポジレジストを成膜し,加速電圧100kV・ビーム径10nm径のビームを具備した電子線描画装置を用い,電子線レジストにパターン描画を行った後,現像・リンスを行い,レジストマスクをパターニングした。
引き続き,電子線レジストパターンをマスクとして露出したハードマスク層のエッチングを行った。エッチングは誘導結合プラズマ型リアクティブイオンエッチングにより行い,到達真空度1.0×10−5Paに設定した。Siマスク層のエッチングではCFガスを用い,ガス流量5sccm,アンテナ電力100W,バイアス電力5Wとして18秒間のエッチングにより3nm厚Siを選択的に除去した。また,Cマスク層のエッチングではOガスを用い,ガス流量5sccm,アンテナ電力100W,バイアス電力20Wとして40秒間のエッチングにより20nm厚Cを選択的に除去した。
なお,C層のOエッチングにより電子線レジストも除去されることになりSiとCからなる凸パターンがSi基板上に形成される。
これをマスクパターンとすることで,CFエッチングによりSi基板にパターンを転写することが可能である。CFガス流量5sccm,アンテナ電力100W,バイアス電力5Wとし,90秒間のエッチングを行うことで,前記ドット/スペースパターンおよびライン/スペースパターンを30nmの段差でSi基板上に転写した。
最後に,OアッシングによりCマスク層を除去し,凹凸段差を有するSi基板を作製した。OアッシングではOガス流量5sccm,アンテナ電力400W,バイアス電力0Wとし,65秒間アッシングを行うことでC層を除去した。
このSi凹凸に対して筒状炭素分子の成長に用いる触媒層をイオンドーピングにより形成した。イオンドーピングにより基板段差表面に触媒層を形成する場合は,エッチングで触媒層をパターニングする場合よりも凹凸の矩形性の劣化を比較的軽微にしてパターンを形成することが可能である。ここではNiを触媒材料とし,イオン加速器を用いてSi基板表面にドープした。ドーピング時の加速電圧は10kVとした。
次いで,実施例1と同様に筒状炭素分子をSi基板上から成長させた。続いてNi電鋳を行うことで,ドット/スペースおよびライン/スペースパターンを具備したNiスタンパを作製した。次いで実施例1と同様にNiスタンパ複製と樹脂スタンパ作製を行った後,リピータブルランアウト測定を行った結果,Niのみで構成されるスタンパのものよりも小さな値が得られた。
(磁気記録媒体の作製例)
前記実施例において作製したNiスタンパを用いて樹脂スタンパを複製し,これを用いた光ナノインプリントリソグラフィーにより磁気記録媒体の作製を行った。媒体では周方向に沿ってデータ領域とサーボ領域が交互に形成されており,それぞれの領域は互いに分断された矩形状パターンを有している。
まず,ガラス基板上に軟磁性裏打ち層を100nm厚で成膜した。軟磁性裏打ち層の材料としてはFe,Ni,Coをはじめとしてこれらの合金を用いることができる。
次いで,軟磁性裏打ち層上に垂直磁気記録層を成膜した。垂直磁気記録層にはCoを主成分とする材料を用いることができる他,Ptを添加したものでもよい。垂直磁気記録層の厚さは5nmから60nmとするのが好ましい。これは,5nmの場合は信号検出強度が低くなり,逆に60nm厚以上の場合は信号強度が過多で歪信号となるためである。
この磁気記録層をパターニングするため,紫外線硬化樹脂を40nm厚でスピンコートし,レジスト層とした。レジスト層に前記樹脂スタンパをインプリントし,紫外線を照射することにより(紫外線硬化樹脂層をスタンパで押下した状態で,紫外線を照射),レジスト層を硬化させる(スタンパのパターンパターンが転写された硬化樹脂層を得る)。硬化したレジスト層から樹脂スタンパを離型することで所望の凹凸パターンを得た。
レジストの残渣除去では,Oガスを用いたリアクティブイオンエッチングにより,アンテナ電力100W,バイアス電力20W,5秒間のエッチングを行うことで残渣を除去した。
続いて,紫外線硬化樹脂レジスト層をマスクとして下地の垂直磁気記録層をArイオンミリングにより加工し,凹凸を有する垂直磁気記録層パターンを得た。
最後に,紫外線硬化レジストをエッチングにより剥離し,非磁性体を用いて凹部の埋め込みを行い,更にパーフルオロ基を有するC保護膜を成膜することで磁気記録媒体を得た。
(半導体トランジスタの作製)
本実施例では,前記筒状炭素分子とNiからなるスタンパを作製し,樹脂スタンパを複製した後,半導体ゲート電極パターン形成に用いた例を示す。ここでは,NPNトランジスタのモデルに関する例を示す。図10〜図17は,作成中の半導体装置(半導体トランジスタ)の一例を表す断面図である。
まず,酸とアルカリを用いてSiウェーハ(半導体基板41)を洗浄した後,Siウェーハ上にSiO酸化層(酸化層48)を形成した。酸化プロセスでは高温真空アニール炉を用い,1000℃の温度で酸化層を形成した。
続いてイオン加速器を用いてPイオンを注入し,N型ドナー領域(n型領域42)とした。ここが,トランジスタのコレクタ領域となる。
次に,ベース領域を形成するため,マスク層とするSi膜をプラズマCVD法により成膜した。プラズマCVD法ではジボランガスを用い,チャンバ温度は850℃とした。
次に,Si層のパターニングを行うためフォトレジストを成膜した後,エッチングによりパターニングを行う。フォトレジストの露光ではArFエキシマ光源を用いた。この際,露出したSiOを成長させることで,トランジスタの素子分離領域を形成する。ここでは高温アニール炉を用い,1000℃で酸化膜(酸化層48)を成長させた。
この後,リアクティブイオンエッチングを行うことでSi層を剥離し,N型ドナー領域上にSiO層(酸化層48)を均一に形成した。
引き続き,イオン注入によりN型ドナー領域中にP型アクセプタ領域(p型領域43)を形成する。ここでは,イオン注入に対するマスクとしてフォトレジストを再度パターニングし,Bイオンを加速器で注入することでP型アクセプタ領域を形成した。
同様に,フォトレジストマスクを用いて前記P型アクセプタ領域内にPイオンを選択注入し,N型領域(n型領域44)を形成することで,NPN領域を形成した。
続いて,不純物濃度領域と電極との接続を良好にするため,N型領域内に再度Pイオン注入を行い,高濃度不純物領域であるN+領域(n+領域46,n+領域47)を形成する。形成方法はフォトレジストとイオン注入によるもので,前記のものと同一である。同様にして,P型領域内にBイオンを再度注入し,高濃度不純物領域であるP+領域(p+領域45)を形成する。
図10は,以上の工程によって形成された半導体装置の一例を表す断面図である。
半導体基板(Siウエーハ)41に,n型領域42,p型領域43,n型領域44,p+領域45,n+領域46,n+領域47,酸化層48が配置される。素子分離領域A0,A1は,半導体基板41上の素子を互いに分離するための領域である。
続いて,高濃度不純物領域上に電極を形成する。ここでは樹脂スタンパと光ナノインプリントにより微細電極パターンを形成する。
まず,露出しているSiO層(絶縁層,酸化層48)に対する電気的絶縁を確保するためにSiO膜(酸化層49)を再度形成する。本例では,400℃の低温プラズマCVD法により厚さ60nmのSiO層(酸化層49)を形成した。図11に示すように,酸化層48上に酸化層49が形成される。
続いて,Siウェーハにインプリント用紫外線硬化樹脂を50nm厚さでスピンコートして,絶縁層上に紫外線硬化樹脂層(レジスト)51を形成する(図12参照)。
Siウェーハに樹脂スタンパ52をインプリントする(図13参照)。樹脂スタンパ52の突出部が紫外線硬化樹脂層(レジスト)51を貫通して,酸化層49に接触する。その後,紫外線照射により紫外線硬化樹脂層(レジスト)51を硬化させた(紫外線硬化樹脂層51をスタンパ52で押下した状態で,紫外線を照射して,スタンパ52のパターンが転写された硬化樹脂層を形成)。樹脂スタンパ52を離型することにより得られた凹凸パターンには残渣が生じているため,Oガスによるリアクティブイオンエッチングを行うことで,平坦な底面を露出させた。図14に示すように,紫外線硬化樹脂層(レジスト)51がパターン化され(凹部53のパターンの形成),マスクとして利用可能となる。
このレジストをマスクとして,CFガスによるリアクティブイオンエッチングを行い,SiO膜を選択的に除去した。図15に示すように,紫外線硬化樹脂層(レジスト)51のパターンに対応して,酸化層49がパターン化される(凹部54のパターンの形成)。酸化層48と酸化膜49のエッチング耐性が異なることから(酸化層48は熱酸化膜であり,酸化膜49はCVD膜),酸化膜49はエッチングされ,酸化膜48はエッチングされない。
酸化層49のパターニング後に,紫外線硬化樹脂層(レジスト)51は溶剤等により除去される(図16参照)。
最後に,SiO(酸化層49)上にCuめっき用シード層をDCスパッタ法により成膜し,電解めっきを行うことで電極55を形成した。即ち,酸化層49の凹部54中にCuメッキからなる電極55が形成される。
以上のようにしてトランジスタを作製したところ,電極55のパターンは広範に渡って一様形成されていることが確認でき,ナノインプリントによるパターンばらつきが非常に小さいことがわかった。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが,これらの実施形態は,例として提示したものであり,発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は,その他の様々な形態で実施されることが可能であり,発明の要旨を逸脱しない範囲で,種々の省略,置き換え,変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は,発明の範囲や要旨に含まれるとともに,特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11 基板
12 触媒層
13 マスク層
13a 潜像パターン
14 筒状炭素分子
14 筒状炭素分子
15 メッキ層
16 複写層
17 ハードマスク層

Claims (9)

  1. 金属を含む基体部分と,
    前記基体部分から突出し,前記金属及び筒状炭素分子を含む突起部と,
    を具備することを特徴とするナノインプリント用スタンパ。
  2. 前記筒状炭素分子は,前記基体部分の表面及び前記突起部の表面に存在することを特徴とする請求項1記載のナノインプリント用スタンパ。
  3. 基板上に,Fe,Pt,Cu,Au,Ag,Co,Ni,Ti,Alの少なくとも何れかを含む触媒層を形成する工程と,
    前記触媒層上にレジスト膜を成膜する工程と,
    前記レジスト膜をパターニングする工程と,
    前記レジスト膜をマスクとして前記触媒層をエッチングして,前記触媒層に凹凸パターンを形成する工程と,
    前記凹凸パターンが形成された触媒層上に複数の筒状炭素分子を成長させる工程と,
    前記複数の筒状炭素分子同士の間を金属で充填した金属充填層を形成する工程と,
    前記基板から前記複数の筒状炭素分子および前記金属充填層を剥離する工程と,
    を具備することを特徴とするナノインプリント用スタンパの製造方法。
  4. Fe,Pt,Cu,Au,Ag,Co,Ni,Ti,Alの少なくとも何れかを含む基板上に,レジスト膜を成膜する工程と,
    前記レジスト膜をパターニングする工程と,
    前記レジスト膜をマスクとして前記基板をエッチングして,前記基板に凹凸パターンを形成する工程と,
    前記凹凸パターンが形成された基板上に複数の筒状炭素分子を成長させる工程と,
    前記複数の筒状炭素分子同士の間を金属で充填した金属充填層を形成する工程と,
    前記基板から前記複数の筒状炭素分子および前記金属充填層を剥離する工程と,
    を具備することを特徴とするナノインプリント用スタンパの製造方法。
  5. 基板上にレジスト膜を成膜する工程と,
    前記レジスト膜をパターニングする工程と,
    前記レジスト膜をマスクとして前記基板をエッチングして,前記基板に凹凸パターンを形成する工程と,
    前記基板表面にFe,Pt,Cu,Au,Ag,Co,Ni,Ti,Alの少なくともいずれからなる金属イオン種をドーピングする工程と,
    前記基板上に複数の筒状炭素分子を成長させる工程と,
    前記複数の筒状炭素分子同士の間を金属で充填した金属充填層を形成する工程と,
    前記基板から前記複数の筒状炭素分子および前記金属充填層を剥離する工程と,
    を有することを特徴とするナノインプリント用スタンパの製造方法。
  6. 前記金属充填層を形成する工程において,めっき法が用いられる
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のナノインプリント用スタンパの製造方法。
  7. 前記剥離された金属充填層を原盤として,前記金属充填層の凹凸パターンが複写される複写層を形成する工程と,
    前記金属充填層から前記複写層を剥離する工程と,
    をさらに具備することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載のナノインプリント用スタンパの製造方法。
  8. 基板上に垂直磁気記録層を形成する工程と,
    前記垂直磁気記録層上に紫外線硬化樹脂層を形成する工程と,
    前記紫外線硬化樹脂層を請求項7記載のナノインプリント用スタンパの製造方法で製造され樹脂からなるナノインプリント用スタンパを押下した状態で,紫外線を照射して,前記ナノインプリント用スタンパのパターンが転写された硬化樹脂層を形成する工程と,
    前記硬化樹脂層をマスクとして,前記垂直磁気記録層をエッチングする工程と,
    を具備することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  9. 基板上に絶縁層を形成する工程と,
    前記絶縁層上に紫外線硬化樹脂層を形成する工程と,
    前記紫外線硬化樹脂層を請求項7記載のナノインプリント用スタンパの製造方法で製造され樹脂からなるナノインプリント用スタンパを押下した状態で,紫外線を照射して,前記ナノインプリント用スタンパのパターンが転写された硬化樹脂層を形成する工程と,
    前記硬化樹脂層をマスクとして,前記絶縁層をエッチングする工程と,
    前記エッチングされた絶縁層上に配線となる金属層を形成する工程と,
    を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
JP2011026181A 2011-02-09 2011-02-09 ナノインプリント用スタンパ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5458036B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011026181A JP5458036B2 (ja) 2011-02-09 2011-02-09 ナノインプリント用スタンパ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011026181A JP5458036B2 (ja) 2011-02-09 2011-02-09 ナノインプリント用スタンパ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012164935A JP2012164935A (ja) 2012-08-30
JP5458036B2 true JP5458036B2 (ja) 2014-04-02

Family

ID=46844002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011026181A Expired - Fee Related JP5458036B2 (ja) 2011-02-09 2011-02-09 ナノインプリント用スタンパ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5458036B2 (ja)

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004261910A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Moriroku Co Ltd ナノ構造膜の転写金型とその製造方法
JP2006108649A (ja) * 2004-09-09 2006-04-20 Masaru Hori ナノインプリント用金型、ナノパターンの形成方法及び樹脂成型物
WO2006030981A1 (ja) * 2004-09-17 2006-03-23 National Institute Of Advanced Industrial Scienceand Technology 透明導電性カーボンナノチューブフィルムとその製造方法
JP2006152372A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Shinshu Univ 金属−ファイバ複合めっき物およびその製造方法
JP2006198883A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Asahi Glass Co Ltd モールドおよび表面に微細パターンを有する物品
KR100758699B1 (ko) * 2005-08-29 2007-09-14 재단법인서울대학교산학협력재단 고종횡비 나노구조물 형성방법 및 이를 이용한 미세패턴형성방법
JP2008097783A (ja) * 2006-10-16 2008-04-24 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体及びその製造方法、並びに磁気記録装置
JP2009023132A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Tomei Diamond Co Ltd ナノインプリント用スタンパ及びその製造方法。
MY153444A (en) * 2008-08-05 2015-02-13 Smoltek Ab Template and method of making high aspect ratio template for lithography and use of the template for perforating a substrate at nanoscale
JP2009149097A (ja) * 2009-02-04 2009-07-09 Toshiba Corp インプリント加工用スタンパーおよびその製造方法
JP2011214057A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Yamagata Prefecture 耐熱性ニッケル合金めっき被膜及びそれを用いた成形型
JP5629851B2 (ja) * 2010-10-01 2014-11-26 山形県 複合めっき処理方法および処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012164935A (ja) 2012-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007266384A (ja) インプリント用モールド及びその製造方法
US20080187719A1 (en) Nano-imprinting mold, method of manufacture of nano-imprinting mold, and recording medium manufactured with nano-imprinting mold
WO2011125571A1 (ja) レジスト現像剤、レジストパターンの形成方法及びモールドの製造方法
US9028704B2 (en) Magnetic recording medium and method of manufacturing
JP4998168B2 (ja) インプリントモールド製造方法
US20060222967A1 (en) Reticle, method for manufacturing magnetic disk medium using reticle, and magnetic disk medium
JP5050532B2 (ja) インプリントモールド、インプリントモールド製造方法および表面改質装置
JP5651616B2 (ja) 磁気記録媒体、及びその製造方法
JP2005070650A (ja) レジストパターン形成方法
JP5798466B2 (ja) レジスト現像剤、レジストパターンの形成方法及びモールドの製造方法
JP2005133166A (ja) パターン転写用スタンパ及びその製造方法
JP2008192250A (ja) スタンパおよびその製造方法
JP4802799B2 (ja) インプリント法、レジストパターン及びその製造方法
JP2010017865A (ja) ナノインプリント用モールドの製造方法
JP4869396B2 (ja) 電鋳用原盤、及びその製造方法
JP2007194550A (ja) インプリント用モールド及びその製造方法
JP5458036B2 (ja) ナノインプリント用スタンパ及びその製造方法
JP4899638B2 (ja) モールドの製造方法
US20050011767A1 (en) Manufacturing method for a magnetic recording medium stamp and manufacturing apparatus for a magnetic recording medium stamp
JP2008254413A (ja) 複製スタンパおよびその製造方法
JP2013140917A (ja) ナノインプリント用テンプレート及びその製造方法
JP2020120023A (ja) インプリントモールドおよびその製造方法
Hocheng et al. Effect of back mold grooves on improving uniformity in nanoimprint lithography
KR101226076B1 (ko) 나노자성체의 2차원 배열구조 제조방법
US7897301B2 (en) Fine pattern forming method and stamper

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140110

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees