JP5455492B2 - スタイレットおよびカテーテルセット - Google Patents

スタイレットおよびカテーテルセット Download PDF

Info

Publication number
JP5455492B2
JP5455492B2 JP2009177171A JP2009177171A JP5455492B2 JP 5455492 B2 JP5455492 B2 JP 5455492B2 JP 2009177171 A JP2009177171 A JP 2009177171A JP 2009177171 A JP2009177171 A JP 2009177171A JP 5455492 B2 JP5455492 B2 JP 5455492B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stylet
catheter
distal end
lumen
engaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009177171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011030615A (ja
Inventor
素紀 渡邊
信篤 蟹江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Covidien Ltd
Original Assignee
Nippon Covidien Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Covidien Ltd filed Critical Nippon Covidien Ltd
Priority to JP2009177171A priority Critical patent/JP5455492B2/ja
Priority to EP10007535A priority patent/EP2279702A3/en
Priority to CA2710720A priority patent/CA2710720A1/en
Priority to US12/841,205 priority patent/US8226613B2/en
Priority to MX2010008195A priority patent/MX2010008195A/es
Publication of JP2011030615A publication Critical patent/JP2011030615A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5455492B2 publication Critical patent/JP5455492B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/0043Catheters; Hollow probes characterised by structural features
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M16/00Devices for influencing the respiratory system of patients by gas treatment, e.g. mouth-to-mouth respiration; Tracheal tubes
    • A61M16/04Tracheal tubes
    • A61M16/0465Tracheostomy tubes; Devices for performing a tracheostomy; Accessories therefor, e.g. masks, filters
    • A61M16/0472Devices for performing a tracheostomy
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M16/00Devices for influencing the respiratory system of patients by gas treatment, e.g. mouth-to-mouth respiration; Tracheal tubes
    • A61M16/04Tracheal tubes
    • A61M16/0475Tracheal tubes having openings in the tube
    • A61M16/0477Tracheal tubes having openings in the tube with incorporated means for delivering or removing fluids
    • A61M16/0484Tracheal tubes having openings in the tube with incorporated means for delivering or removing fluids at the distal end
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M16/00Devices for influencing the respiratory system of patients by gas treatment, e.g. mouth-to-mouth respiration; Tracheal tubes
    • A61M16/04Tracheal tubes
    • A61M16/0486Multi-lumen tracheal tubes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/01Introducing, guiding, advancing, emplacing or holding catheters
    • A61M25/0102Insertion or introduction using an inner stiffening member, e.g. stylet or push-rod
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M25/00Catheters; Hollow probes
    • A61M25/0043Catheters; Hollow probes characterised by structural features
    • A61M2025/0063Catheters; Hollow probes characterised by structural features having means, e.g. stylets, mandrils, rods or wires to reinforce or adjust temporarily the stiffness, column strength or pushability of catheters which are already inserted into the human body

Description

本発明は、カテーテルの挿入性を向上させるために、カテーテルの内腔に挿入されるスタイレットおよびそのスタイレットを備えたカテーテルセットに関する。
従来から、患者の体内にある管腔、例えば、血管や気管にカテーテルやカニューレ等の管を留置して、血液透析や、気道を確保する処置等が行われている(例えば、特許文献1参照)。この気管カニューレ(カテーテル)は、挿入補助具(スタイレット)およびディスプレーサを用いて、経皮的に患者の気管に挿入される。すなわち、挿入補助具は、円筒状のステムと円錐状先端部とを筒状のステムセクションで連結して構成されており、ディスプレーサは、挿入補助具の内部に挿入可能な棒状体で構成されている。そして、円錐状先端部はステムの外周面よりも外周側に突出しておりその後端面は、気管カニューレの先端面に係合できる面で構成されている。
また、円錐状先端部およびステムセクションは、内部にディスプレーサが挿入されているときには、膨らんで円錐状先端部の後端面が気管カニューレの先端面に係合するが、ディスプレーサが抜き取られると、円錐状先端部およびステムセクションは、萎んで気管カニューレ内を挿通可能になる。このため、気管カニューレを患者の気管に挿入する際には、気管カニューレ内にステムを挿入して円錐状先端部を気管カニューレの先端から突出させ、さらにステムの内部から円錐状先端部の内部にかけて、ディスプレーサを挿入する。これによって、円錐状先端部の膨らんだ形状を維持できるため気管カニューレを気管に挿入し易くなる。そして、気管カニューレの先端が気管内に到達すると、まず、ディスプレーサを抜き取り、さらに、ステムを円錐状先端部等と抜き取ることにより、気管カニューレだけを体内に残すことができる。
特表2008−539917号公報
しかしながら、前述した気管カニューレを患者の体内に経皮的に挿し込む際には、挿入補助具に加えてディスプレーサも必要になり、部品点数が多くなり操作も煩雑になる。また、気管カニューレに代えて複数の内腔を備えたカテーテルを用いた場合には、挿入補助具だけでなく、ディスプレーサも複数個必要になる。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的は、カテーテルの挿入性を向上させながら操作性も向上させることのできるスタイレットおよびそのスタイレットを備えたカテーテルセットを提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係るスタイレットの構成上の特徴は、隔壁によって二分された二つの内腔を備えたカテーテルの内腔に挿入されるスタイレットであって、断面形状が半円形に形成されたスタイレット本体と、萎んだ状態から先端部の形状を略維持させて後部側が径方向に膨らむように復元することにより、後端部の断面がスタイレット本体の断面よりも大きな半円形で、先端部の断面がスタイレット本体の断面よりも小さな半円形になる先細り状の筒体で構成され、カテーテルの先端開口から突出した状態でカテーテルの基端側に押圧されることにより後端部がカテーテルの先端開口縁部に係合する係合部と、断面形状が半円形の環状膜体で構成されスタイレット本体の先端周縁部と係合部の後端周縁部とを連結する軟質の連結部とを備え、スタイレット本体をカテーテルの内腔に挿入し係合部をカテーテルの先端開口から突出させた状態から、スタイレット本体をカテーテルの基端側に引っ張ることにより、カテーテルの内部に後退していく連結部で係合部の後部側を引っ張って係合部の後部側を径方向に収縮させ、係合部をカテーテルの内腔を通してカテーテルの基端側に引き抜くことができるようにしたことにある。
本発明に係るスタイレットは、長尺のスタイレット本体と、先細り筒状の係合部と、スタイレット本体と係合部とを連結する軟質の連結部とで構成されている。そして、係合部をカテーテルの先端開口から突出させた状態でスタイレット本体をカテーテルの内腔に挿入してスタイレットをカテーテルに組み付けると、カテーテルの先端側には、先細り状の係合部によって、カテーテルの先端から先方に向かって徐々に細径になる曲面が形成される。また、カテーテルの先端開口は、係合部によって閉塞される。この結果、カテーテルの挿入抵抗が小さくなりカテーテルを体内に挿入するときの操作性が向上する。また、その挿入の際、係合部を後方に押圧する力がかかると、係合部の後端部がカテーテルの先端開口縁部に係合するため、係合部がカテーテルの内部に後退することはない。
また、カテーテルの先端部が体内の所定位置に到達してカテーテルからスタイレットを抜き取るときには、スタイレットをカテーテルの後部側(基端側)に引っ張る。これによると、まず、連結部がスタイレット本体に引っ張られてカテーテルの内部に後退していく。そして、係合部の後部側は、連結部によって径方向に収縮する方向およびカテーテルの後部側に引っ張られて萎みカテーテルの内部に入っていくとともに、カテーテルの内部を後方に向かって引っ張られる。このため、スタイレットをカテーテルの後部側に引っ張るだけの操作でカテーテルからスタイレットを容易に抜き取ることができる。
なお、本発明に係る連結部としては、スタイレットをカテーテルの基端側に引っ張ったときに容易に変形してカテーテルの内部に入ることのできる軟らかさを備えたものを用いる。また、本発明に係るスタイレットでは、係合部の先端に軟質部を設けることもできる。これによると、係合部の後部側が径方向に収縮したり膨張したりする際に、係合部は、先端を中心として容易に移動できるようになるため変形し易くなる。この場合の軟質部は、少なくとも係合部の変形を妨げることなく自身も変形できる軟らかさを備えていればよい。また、本発明に係るスタイレットでは、連結部を、スタイレット本体の先端周縁部と係合部の後端周縁部とを連結する環状の膜部で構成している。これによると、スタイレットを引っ張ってカテーテルから抜き取るときに、スタイレット本体から係合部に伝わる力が係合部の後端周縁部の全体に略均一になるため、スタイレットのスムーズな引き抜きが可能になる。
また、本発明に係るスタイレットの他の構成上の特徴は、係合部を、硬質部と軟質部とを周方向に交互に配置して構成することにより径方向に膨張収縮可能にしたことにある。
この場合の硬質部と軟質部とは、それぞれ前後方向(係合部の軸方向)に略沿うように延びるものとする。これによると、スタイレット本体を引っ張って係合部の後端部を径方向の中心側に付勢したときに、軟質部が押し潰されたり撓んだりして、硬質部同士が接近して、係合部全体が萎むようになる。また、係合部の後端部を径方向の中心側に付勢する力が解除されているときには、軟質部が元の形状に復元することにより係合部の後部側が径方向に膨張するように付勢される。
このため、カテーテルを体内に挿入するときには、係合部の硬質部の後端部がカテーテルの先端開口縁部に係合し、カテーテルからスタイレットを抜き取るときには、スタイレット本体を引っ張るだけの操作で済む。なお、硬質部は、カテーテルの先端開口から突出した状態でカテーテルの基端側に押圧されたときに、形状を維持して後端部がカテーテルの先端開口縁部に係合できる硬さを備えたもので構成し、軟質部は、力が加わることにより容易に変形する軟らかさを備えたもので構成する。
また、本発明に係るスタイレットのさらに他の構成上の特徴は、係合部の後部側を伸縮可能な蛇腹状に形成することにより、係合部を径方向に膨張収縮可能にしたことにある。これによると、カテーテルを体内に挿入する際には、係合部が後方に押圧されることにより係合部の後部側が収縮してその収縮した部分の外径が大きくなりカテーテルの先端開口縁部に係合する。また、カテーテルからスタイレットを抜き取るときには、係合部の後部側が伸長することによりその部分の外径が小さくなって、カテーテルからスタイレットを抜き取ることができる。この場合、係合部の前部側の外径はカテーテルの内径よりも小さくしておく。
また、本発明に係るスタイレットのさらに他の構成上の特徴は、係合部の先端に、後端側から先端に行くほど徐々に細くなった軟質先端部を設けたことにある
また、本発明に係るスタイレットのさらに他の構成上の特徴は、ガイドワイヤを通すための挿通孔を係合部の先端側からスタイレット本体の後端部に向かって設けたことにある。これによると、カテーテルを患者の体に留置するための操作が容易になる。また、スタイレット本体を筒状に形成することにより、挿通孔を設けることもでき、これによると、スタイレットの製造に使用する材料を最小限にすることができるとともに、スタイレットの軽量化が図れる。
また、本発明に係るスタイレットのさらに他の構成上の特徴は、スタイレットが二本で構成され、二本のスタイレットをカテーテルの内腔に挿入したときにカテーテルの先端開口から突出する両係合部が略円錐状になるようにしたことにある。これによると、カテーテルの挿入抵抗がより小さくなりカテーテルを体内に挿入するときの操作性が向上する。また、この場合、二本のスタイレットのうちの少なくとも一方にガイドワイヤを通すための挿通孔を係合部の先端側からスタイレット本体の後端部に向かって設けることが好ましい。これによると、二本のスタイレットを用いてカテーテルを患者の体に留置する際の操作が容易になる。
また、本発明に係るカテーテルセットの構成上の特徴は、カテーテルが、隔壁によって二分された二つの内腔を備えたカテーテルであり、二つの内腔に、それぞれ前述したいずれかのスタイレットを挿入可能にしたことにある。これによると、二つの内腔を備えた所謂ダブルルーメンタイプのカテーテルのそれぞれの内腔にスタイレットを挿入することができるため、カテーテルの強度が大きくなり、これによっても挿入操作がし易くなる。なお、この場合の隔壁は、二つの内腔をそれぞれカテーテルの後端側から先端部に連通させた状態でカテーテルの軸方向に延びるものである。
また、本発明に係るカテーテルセットでは、隔壁の先端部を、カテーテルの先端開口から外部に突出させ、その突出部分が二つの内腔にそれぞれ挿入されるスタイレットの係合部に挟まれるようにすることもできる。この場合の隔壁の突出部分は、二つの内腔をカテーテルの内部だけでなく外部における内部近傍でも隔てるために設けられるものであり、隔壁にこのような突出部分を設けても突出部分を二つのスタイレットの係合部で挟むことにより保護できる。
また、本発明に係るカテーテルセットでは、二つの内腔を備えたカテーテルを、脱血用内腔と送血用内腔とを備えた透析用のカテーテルとし、脱血用内腔と送血用内腔とに挿入されるスタイレットのうちの少なくとも一方のスタイレットに、係合部側からスタイレット本体の後部に向かってガイドワイヤを通すための挿通孔を設けることもできる。
これによると、カテーテルを患者の血管に留置するための操作が容易になる血液透析用のカテーテルセットを得ることができる。また、カテーテルに、ガイドワイヤを挿通させる内腔を形成する必要がなくなるため、脱血用内腔と送血用内腔とを備えた透析用のカテーテルの構造を単純にすることができるとともに、そのカテーテルの製造が容易になる。また、双方のスタイレットにガイドワイヤを通すための挿通孔を設けた場合には、1種類のスタイレットを製造するだけで済むようになる。
本発明の第1実施形態に係るカテーテルセットにガイドワイヤを取り付けた状態を示した斜視図である。 図1に示したカテーテルセットが備えるカテーテルを示しており、(a)は平面図、(b)は(a)に示したカテーテルの先端を示した正面図、(c)は側面図である。 穴付スタイレットを示しており、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は先細り先端部を拡大した状態を示した側面図である。 穴無スタイレットを示しており、(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は先細り先端部を拡大した状態を示した側面図である。 カテーテルに穴付スタイレットと穴無スタイレットとを組み付けた状態の要部を示した断面図である。 カテーテルセットを挿入するときの状態の要部を示した断面図である。 カテーテルから穴付スタイレットと穴無スタイレットとを抜き取るときの状態の要部を示した断面図である。 本発明の第2実施形態に係る穴付スタイレットと穴無スタイレットとをカテーテルに組み付けた状態の要部を示した断面図である。 図8に示したカテーテルセットを挿入するときの状態の要部を示した断面図である。 図8に示したカテーテルから穴付スタイレットと穴無スタイレットとを抜き取るときの状態の要部を示した断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて詳しく説明する。図1は、同実施形態に係るカテーテルセットAにガイドワイヤ38を組み付けた状態を示している。このカテーテルセットAは、血液透析に使用されるもので、患者の血管に留置されるカテーテル10と、カテーテル10の内部にそれぞれ挿入される穴付スタイレット20(図3参照),穴無スタイレット30(図4参照)とで構成されている。カテーテル10は、図2に示したように、細長いカテーテル本体11と、カテーテル本体11の基端部(図2(a)、(c)の左端部)に連結された接続部12から分岐した2本の分岐管13,14とで構成されている。以下、カテーテル10における分岐管13,14側を基端側または後部側とし、その反対側を先端側または前部側として説明する。
カテーテル本体11は細長い可撓性の円筒体で構成されており、その内部には、カテーテル本体11内を二分する隔壁11cを挟んで脱血用内腔11aと送血用内腔11bとが形成されている。また、カテーテル本体11の先端部には、脱血用内腔11a側に位置する切り欠き15aと、送血用内腔11b側に位置する切り欠き15bとがカテーテル本体11の軸線回りに180度の間隔を保って形成されている。切り欠き15aは、隔壁11cの幅方向の一方の端部先端(図2(b)の左端部)から隔壁11cの長手方向に沿って基端部側に真っ直ぐ延びたのちに、隔壁11cの幅方向の他方の端部先端側(図2(b)の右端部側)に向かって斜めに延びる略V形の縁部を備えた凹部で構成されている。
そして、切り欠き15aの斜めに延びた縁部は隔壁11cの他方の端部先端の手前でカテーテル本体11の軸線に直交するように切り欠かれて隔壁11cの他方の端部に連なっている。また、切り欠き15bは、隔壁11cの幅方向の他方の端部先端(図2(b)の右端部)から隔壁11cの長手方向に沿って基端部側に真っ直ぐ延びたのちに、隔壁11cの幅方向の一方の端部先端側に斜めに延びる略V形の縁部を備えた凹部で構成されている。そして、切り欠き15bの斜めに延びた縁部は隔壁11cの一方の端部先端の手前でカテーテル本体11の軸線に直交するように切り欠かれて隔壁11cの一方の端部に連なっている。
すなわち、切り欠き15bは、カテーテル本体11の軸線回りに180度回転すると切り欠き15aに重なるように形成されている。また、隔壁11cの先端部はカテーテル本体11の先端開口から外部に少し突出している。このように、隔壁11cの先端部がカテーテル本体11の先端から突出することにより、送血用内腔11bから送り出された血液がそのまま脱血用内腔11a内に入ることが防止される。また、カテーテル本体11における切り欠き15a,15bよりもやや基端側に一対の菱形の側孔16(一方しか図示していない)がカテーテル本体11の軸線回りに180度の間隔を保って形成されている。そして、接続部12の内部には、脱血用内腔11aに連通する内腔と、送血用内腔11bに連通する内腔とがそれぞれ形成されている。
分岐管13は、接続部12の一方の内腔を介して脱血用内腔11aに連通する内腔を備えた円筒体で構成されており、その基端部には、ルアーアダプター13aが連結されている。また、分岐管14は、接続部12の他方の内腔を介して送血用内腔11bに連通する内腔を備えた円筒体で構成されており、その基端部には、ルアーアダプター14aが連結されている。ルアーアダプター13aの開口側端部の外周にはねじ13bが形成され、ルアーアダプター14aの開口側端部の外周にはねじ14bが形成されている。なお、カテーテル本体11および分岐管13,14は、シリコーンやポリウレタン等の軟質合成樹脂材料からなっており、接続部12およびルアーアダプター13a,14aは、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアセタール等の合成樹脂材料からなっている。
また、分岐管13,14には、それぞれ分岐管13,14の内腔を閉塞するクランプ17が取り付けられている。このクランプ17は、細長い板状体を屈曲して弾性を備えた略三角形の枠状に形成して、一方の端部側部分の内面に段部からなる係合凹部(図示せず)を形成するとともに、他方の端部にその係合凹部に係合できる係合突部17aを形成して構成されている。また、クランプ17の前後にはそれぞれ分岐管13,14を挿通させるための穴部17b,17cが形成されており、穴部17b,17cに分岐管13,14を挿通させてクランプ17は分岐管13,14にそれぞれ取り付けられている。
さらに、クランプ17の内周面における対向する部分には、係合突部17aを係合凹部に係合させたときに、分岐管13,14を両側から押圧してその内腔を閉塞する押圧部17d,17eが形成されている。したがって、係合突部17aを係合凹部に係合させることにより分岐管13,14を閉塞し、係合突部17aと係合凹部との係合を解除することにより分岐管13,14の両端間をそれぞれ連通させることができる。クランプ17は、ポリプロピレン、ABS等の合成樹脂材料からなっている。
穴付スタイレット20は、図3に示したように、スタイレット本体21と、スタイレット本体21の基端部に設けられた把持部22と、スタイレット本体21の先端に連結された先細り先端部23とで構成されている。スタイレット本体21は、カテーテル10の脱血用内腔11aおよび送血用内腔11bに挿通可能な合成樹脂材料からなる細長い筒状の線材で構成されている。このスタイレット本体21の断面形状は、半円形の周縁部の形状をしている。また、先細り先端部23は、図3(c)に示したように、係合部24と、係合部24の後端部をスタイレット本体21の先端部に連結する膜状連結部25と、係合部24の先端部に連結された軟質先端部26とで構成されている。
係合部24は、後端部の断面がスタイレット本体21の断面よりも大きな半円形で、先端部の断面がスタイレット本体21の断面よりも小さな半円形になった先細り状の筒体で構成されている。また、係合部24は、それぞれ前後方向に延びる軟質部24aと硬質部24bとを周方向に交互に配置して構成されており、平面部(図3の下部)およびその左右両側部分(図3(b)の状態での左右)が軟質部24aで構成され、その軟質部24aの両側部分と円弧状の中央部分とが硬質部24bで構成されている。そして、円弧状の中央の硬質部24bと両側の硬質部24bとの間にそれぞれ軟質部24aが配置されている。この係合部24は、通常は、各軟質部24aが平面状態を維持することにより、径方向に膨張した状態を維持するが、各硬質部24bの後端部を、スタイレット本体21の軸に沿った後方に付勢することにより萎む。
膜状連結部25は、後端部がスタイレット本体21の先端周縁部に連結され、先端部が係合部24の後端周縁部に連結された断面形状が半円形の軟質の環状膜体で構成されている。この膜状連結部25は、力を加えることにより自由に変形する。軟質先端部26は、後端部が係合部24の先端周縁部に連結されており後端側から先端に行くほど徐々に細くなっている。この軟質先端部26は、係合部24を変形し易くするために設けられている。また、図3(b)に示したように、係合部24の先端部から軟質先端部26にかけての部分に、ガイドワイヤ38を通すための挿通孔27が形成されている。なお、係合部24の硬質部24bは、ナイロン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ABS樹脂等で構成することができ、係合部24の軟質部24a、膜状連結部25および軟質先端部26は、ポリエーテルブロックアミド、ポリブタジエン、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体等で構成することができる。
また、把持部22は、スタイレット本体21の基端部に連結された把持部本体22aと、把持部本体22aにおけるスタイレット本体21との連結部の外周側で軸回り方向に回転自在な状態で把持部本体22aに取り付けられた円筒ねじ部22bとで構成されている。把持部本体22aは、スタイレット本体21の挿通孔27に連通する挿通孔(図示せず)を備えた円筒状に形成されており、この挿通孔から挿通孔27にかけてガイドワイヤ38を通すことができる。また、円筒ねじ部22bの内周面には、ルアーアダプター13aのねじ13bおよびルアーアダプター14aのねじ14bに螺合可能なねじ(図示せず)が形成されている。
この穴付スタイレット20は、先細り先端部23を脱血用内腔11aまたは送血用内腔11bの基端側から内部に通して外部に突出させた状態で、スタイレット本体21をカテーテル10の脱血用内腔11aまたは送血用内腔11bに挿入することができる。このとき、先細り先端部23は、萎んだ状態で脱血用内腔11aまたは送血用内腔11bの内部を通過し、外部に突出したときには、元の状態に復元して膨張し係合部24の硬質部24bの後端部が、脱血用内腔11aまたは送血用内腔11bの開口縁部に係合する。また、その状態で、円筒ねじ部22bのねじをねじ13bまたはねじ14bに螺合させることにより、穴付スタイレット20をカテーテル10に固定できる。
穴無スタイレット30は、図4に示したように、スタイレット本体31と、スタイレット本体31の基端部に設けられた把持部32と、スタイレット本体31の先端に連結された先細り先端部33とで構成されている。スタイレット本体31は、カテーテル10の脱血用内腔11aおよび送血用内腔11bに挿通可能な合成樹脂材料からなる細長い筒状の線材で構成されている。このスタイレット本体31の断面形状は、半円形の周縁部の形状をしている。また、先細り先端部33は、係合部34と、係合部34の後端周縁部をスタイレット本体31の先端周縁部に連結する膜状連結部35と、係合部34の先端部に連結された軟質先端部36とで構成されている。係合部34、膜状連結部35および軟質先端部36からなる先細り先端部33は、挿通孔27が形成されていないこと以外は、前述した先細り先端部23と同じ構成になっている。
また、把持部32は、スタイレット本体31に連結された把持部本体32aと、把持部本体32aにおけるスタイレット本体31との連結部の外周側で軸回り方向に回転自在な状態で把持部本体32aに取り付けられた円筒ねじ部32bとで構成されている。円筒ねじ部32bの内周面には、ルアーアダプター13aのねじ13bおよびルアーアダプター14aのねじ14bに螺合可能なねじ(図示せず)が形成されている。このため、スタイレット本体31をカテーテル10の脱血用内腔11aまたは送血用内腔11bに挿入して、円筒ねじ部32bのねじをねじ13bまたはねじ14bに螺合させることにより、穴無スタイレット30をカテーテル10に固定できる。また、スタイレット本体21およびスタイレット本体31の先細り先端部23,33は、それぞれ脱血用内腔11aと送血用内腔11bとの先端部から突出したときに、双方で略円錐形状を形成するように先細り状になる。
ガイドワイヤ38は、予め患者の血管内における所定部分に挿し込まれてカテーテル10を導くために使用されるもので、外径が0.5〜1.0mmのステンレススチールで構成されている。なお、ガイドワイヤ38を血管に挿し込む際には、まず、円筒状の穿刺針からなるカニューレ(図示せず)を患者の体に穿刺してその先端を血管に到達させる。ついで、カニューレにガイドワイヤ38を通し、ガイドワイヤ38の先端部を血管内に挿入する。そして、患者の体にガイドワイヤ38を残したまま、カニューレを患者の体から引き抜いて、そのガイドワイヤ38を利用して、後述する操作によって、カテーテル10の留置が行われる。
このように構成されるカテーテルセットAは、まず、製造工程において、カテーテル10に穴付スタイレット20と穴無スタイレット30とを取り付ける作業が行われ、組み付けられたカテーテルセットAに対して滅菌処理が施される。そして、滅菌処理されたカテーテルセットAを用いて血液透析が行われる。この場合、まず、図2(a)に示したように、分岐管13,14にそれぞれ緩めた状態のクランプ17が取り付けられたカテーテル10における、例えば、分岐管13のルアーアダプター13aの開口からカテーテル本体11の脱血用内腔11aの先端開口に向けて、穴付スタイレット20を先細り先端部23側から挿入していく。
この場合、先細り先端部23は脱血用内腔11aの内面に規制されて萎み細くなった状態で脱血用内腔11aを通過していく。そして、先細り先端部23がカテーテル本体11の先端開口から外部に突出すると、脱血用内腔11aの内面による規制から解除されて径方向に膨らみ、係合部24の硬質部24bの後端部が、脱血用内腔11aの開口縁部に係合する。ついで、円筒ねじ部22bのねじをねじ13bに螺合させることにより、穴付スタイレット20をカテーテル10に固定する。これによって、穴付スタイレット20は、カテーテル10に対して移動できなくなり、カテーテル10の脱血用内腔11a内への穴付スタイレット20の取り付けが終了する。
つぎに、分岐管14のルアーアダプター14aの開口からカテーテル本体11の送血用内腔11bの先端開口に向けて、穴無スタイレット30を先細り先端部33側から挿入していく。この場合も、先細り先端部33は萎んで細くなった状態で送血用内腔11bを通過していく。そして、先細り先端部33がカテーテル本体11の先端開口から外部に突出すると、径方向に膨らんで、係合部34の硬質部34bの後端部が、送血用内腔11bの開口縁部に係合する。ついで、円筒ねじ部32bのねじをねじ14bに螺合させることにより、穴無スタイレット30をカテーテル10に固定する。
これによって、穴無スタイレット30は、カテーテル10に対して移動できなくなり、カテーテル10の送血用内腔11b内への穴無スタイレット30の取り付けが終了する。このとき、脱血用内腔11aの先端開口から突出する穴付スタイレット20の先細り先端部23と、送血用内腔11bの先端開口から突出する穴無スタイレット30の先細り先端部33とで、図5に示したように、カテーテル本体11の先端開口から先方に向かって徐々に細くなる突出部分が形成される。このとき、先細り先端部23と先細り先端部33とは、カテーテル本体11の先端から突出する隔壁11cの先端部を挟むようにして対向する。
このようにして、穴付スタイレット20および穴無スタイレット30が取り付けられ先端に先細り状の突出部が形成されたカテーテル10は、前述したようにして先端部が血管内に挿入されたガイドワイヤ38を利用して血管に留置される。この場合、患者の体内から延びるガイドワイヤ38の後端部を、穴付スタイレット20の先細り先端部23の挿通孔27から穴付スタイレット20の内部に挿し込んでその後端部を把持部本体22aの開口から外部に突出させる。
そして、ガイドワイヤ38に沿わせて、カテーテル10を穴付スタイレット20および穴無スタイレット30とともに患者の体内に挿し込んでいき、カテーテル本体11の先端開口を血管内に位置させる。このとき、図6に示したように、先細り先端部23,33には後方に向かう力が加わるが、係合部24,34の後端部外周側部分がそれぞれカテーテル本体11の先端開口縁部に係合して、先細り先端部23,33が、カテーテル本体11の内部に後退することを防止する。また。先細り先端部23,33は、係合部24,34によってカテーテル本体11の先端開口から先方に向かって徐々に細くなる形状を維持する。
ついで、ガイドワイヤ38、穴付スタイレット20および穴無スタイレット30を順次カテーテル10から引き抜いていくことにより、カテーテル10だけを患者の体に残す。この場合、ガイドワイヤ38を穴付スタイレット20から引き抜いたのちに、円筒ねじ部22bのねじとねじ13bとの螺合を解除するとともに、円筒ねじ部32bのねじとねじ14bとの螺合を解除する。そして、穴付スタイレット20の把持部22と、穴無スタイレット30の把持部32とを後方に引っ張る。これによって、図7に示したように、先細り先端部23,33は径方向に萎んでカテーテル本体11の内部に後退していく。
このとき、把持部22,32を後方に引っ張ることにより、まず、膜状連結部25,35がそれぞれカテーテル本体11の内部に入っていく。ついで、膜状連結部25,35によって、係合部24,34の後部側部分がカテーテル本体11の内部後方に引っ張られる。これによって、係合部24,34の各軟質部24a,34aを押し潰すようにして各硬質部24b,34bどうしが接近し、先細り先端部23,33はそれぞれ径方向に萎んでいく。この場合、穴付スタイレット20と、穴無スタイレット30とは同時に引き抜いてもよいし、1本ずつ順に引き抜いてもよい。
そして、分岐管13のルアーアダプター13aに血液を吸い出すための透析回路の脱血側を接続し、分岐管14のルアーアダプター14aに浄化された血液を体内の血管に戻すための透析回路の送血側を接続する。その状態で、透析回路に接続された透析装置を作動させて血液透析を行う。この場合、血管内の血液は、脱血用内腔11aから抜かれて透析装置で浄化されたのちに、送血用内腔11bから血管内に戻される。この際、脱血される血液の一部は、カテーテル本体11の脱血用内腔11a側に設けられた側孔16を通過し、送血される血液の一部は、カテーテル本体11の送血用内腔11b側に設けられた側孔16を通過する。また、カテーテル本体11の先端開口から突出する隔壁11cの先端部によって、送血用内腔11bから送り出された血液がそのまま脱血用内腔11a内に入ることが防止される。
このように、本実施形態に係るカテーテルセットAでは、カテーテル10が脱血用内腔11aと送血用内腔11bとが備わったダブルルーメンタイプのカテーテルであり、スタイレットとしては、ガイドワイヤ38を挿通させることのできる穴付スタイレット20と、穴無スタイレット30とが用いられている。そして、穴付スタイレット20と、穴無スタイレット30とは、それぞれ、長尺筒状のスタイレット本体21,31と、先細り先端部23,33とで構成されている。また、各先細り先端部23,33は、軟質部24a,34aと硬質部24b,34bとが交互に配置された係合部24,34と、スタイレット本体21,31と係合部24,34とを連結する軟質の膜状連結部25,35と、係合部24,34の先端に形成された軟質先端部26,36とで構成されている。
そして、穴付スタイレット20と、穴無スタイレット30とをカテーテル10に組み付けたときには、カテーテル本体11の先端開口は先細り先端部23,33によって閉塞され、カテーテル本体11の先端側には、先細り先端部23,33によって、カテーテル本体11の先端から先方に向かって徐々に細径になる曲面を備えた突出部が形成される。このため、カテーテル10の挿入抵抗が小さくなり操作性が向上する。また、カテーテル10から穴付スタイレット20と、穴無スタイレット30とを抜き取るときには、穴付スタイレット20と、穴無スタイレット30とをカテーテル10の基端側に引っ張ることにより、容易に抜き取ることができる。
また、係合部24,34を、軟質部24a,34aと硬質部24b,34bとを周方向に交互に配置して構成しているため、穴付スタイレット20と、穴無スタイレット30とを引っ張ったときに、軟質部24a,34aが押し潰されるようにして、硬質部24b,34b同志が接近して、係合部24,34全体が確実に萎むようになる。さらに、係合部24,34の後端部を径方向の中心側に付勢する力が解除されているときには、係合部24,34の後部側が径方向に膨張するように付勢され、その状態で、先細り先端部23,33が後方に押圧されると係合部24,34の後端部がカテーテル本体11の先端開口縁部に確実に係合する。これによって、先細り先端部23,33がカテーテル本体11の内部に後退することが防止される。
また、係合部24,34の先端に軟質先端部26,36を設けたため、係合部24,34の後部側が径方向に収縮したり膨張したりする際に、係合部24,34の後部側部分が、軟質先端部26,36を中心として変形し易くなる。さらに、スタイレットとして、穴付スタイレット20と、穴無スタイレット30とを用いるため、カテーテル10の強度が大きくなり、これによっても挿入操作がし易くなる。また、カテーテル本体11の先端から突出する隔壁11cの先端部を、先細り先端部23,33で挟むようにしているため、隔壁11cの先端部を保護できる。さらに、ガイドワイヤ38を用いるため、カテーテル10を患者の血管に留置するための操作が容易になる。また、穴付スタイレット20に挿通孔27を設けることによって、カテーテル10に、ガイドワイヤ38を挿通させる内腔を形成する必要がなくなるため、カテーテル10の構造を単純にすることができるとともに、カテーテル10の製造が容易になる。
(第2実施形態)
図8ないし図10は、本発明の第2実施形態に係るカテーテルセットBの要部を示している。このカテーテルセットBでは、穴付スタイレット40の先細り先端部43は、係合部44と、係合部44の後端周縁部をスタイレット本体41の先端周縁部に連結する膜状連結部45と、係合部44の先端部に連結された軟質先端部46とで構成されている。そして、係合部44は、後端部の断面形状がスタイレット本体41の断面と略同じ大きさの半円形で、先端部の断面形状がスタイレット本体41の断面よりも小さな半円形になった先細り状の硬質筒体44aの後部に蛇腹状の伸縮部44bを接続した構成をしている。
この係合部44は、通常は、伸縮部44bが所定の長さを維持することにより、図8に示したように、径方向に膨張した状態を維持するが、軸方向に圧縮されることにより、図9に示したように外径をさらに大きくして伸縮部44bが収縮し、軸方向の前後に引っ張られることにより、伸縮部44bが伸長して外径が小さくなる。そして、硬質筒体44aの先端部から軟質先端部46にかけての部分に、ガイドワイヤ38を通すための挿通孔47が形成されている。なお、膜状連結部45は前述した膜状連結部25と同じ構成をしており、軟質先端部46は前述した軟質先端部26と同じ構成をしている。
また、穴無スタイレット50の先細り先端部53は、係合部54と、係合部54の後端周縁部をスタイレット本体51の先端周縁部に連結する膜状連結部55と、係合部54の先端部に連結された軟質先端部56とで構成されている。そして、係合部54は、後端部の断面形状がスタイレット本体51の断面と略同じ大きさの半円形で、先端部の断面形状がスタイレット本体51の断面よりも小さな半円形になった先細り状の硬質筒体54aの後部に蛇腹状の伸縮部54bを接続した構成をしている。
この係合部54は、通常は、伸縮部54bが所定の長さを維持することにより、図8に示したように、径方向に膨張した状態を維持するが、軸方向に圧縮されることにより、図9に示したように外径をさらに大きくして伸縮部54bが収縮し、軸方向の前後に引っ張られることにより、伸縮部54bが伸長して外径が小さくなる。また、膜状連結部55は前述した膜状連結部35と同じ構成をしており、軟質先端部56は前述した軟質先端部36と同じ構成をしている。なお、伸縮部44b,54bにおける隔壁11c側の部分は、伸縮部44b,54bが収縮したときに、伸縮部44b,54bの内部側に向かって突出し、外部に向かっては突出しないように形成されている。このカテーテルセットBのそれ以外の部分の構成については、前述したカテーテルセットAと同じである。
このように構成された穴付スタイレット40は、例えば、カテーテル本体11の脱血用内腔11a内に挿入され、穴無スタイレット50は、カテーテル本体11の送血用内腔11b内に挿入される。この場合、伸縮部44b,54bを伸長させて先細り先端部43,53を細くした状態で、穴付スタイレット40および穴無スタイレット50をカテーテル本体11内に通していく。そして、先細り先端部43,53がカテーテル本体11の先端開口から外部に突出すると、伸縮部44b,54bが元の状態に復元して径方向に膨らむ。
また、ガイドワイヤ38に沿わせて、カテーテル10を穴付スタイレット40および穴無スタイレット50とともに患者の体内に挿し込んでいき、カテーテル本体11の先端開口を血管内に位置させるときには、図9に示したように、先細り先端部43,53には後方に向かう力が加わる。このとき、伸縮部44b,54bが収縮して伸縮部44b,54bの外周側部分が径方向に膨らむ。これによって、それぞれの伸縮部44b,54bがカテーテル本体11の先端開口縁部に係合して、先細り先端部43,53が、カテーテル本体11の内部に後退することを防止する。このとき、先細り先端部43,53は、硬質筒体44a,54aによって、カテーテル本体11の先端開口から先方に向かって徐々に細くなる形状を維持する。
また、カテーテル本体11から穴付スタイレット40および穴無スタイレット50を抜き取る際には、穴付スタイレット40の把持部(図示せず)と、穴無スタイレット50の把持部(図示せず)を後方に引っ張る。これによって、図10に示したように、先細り先端部43,53は、カテーテル本体11の内面に規制されて萎みカテーテル本体11の内部に後退していく。このとき、把持部を後方に引っ張ることにより、まず、膜状連結部45,55がそれぞれカテーテル本体11の内部に入っていく。ついで、膜状連結部45,55によって、係合部44,54がカテーテル本体11の内部後方に引っ張られ、伸縮部44b,54bが伸長して細くなる。この場合も、穴付スタイレット40と、穴無スタイレット50とは同時に引き抜いてもよいし、1本ずつ順に引き抜いてもよい。
このように、本実施形態に係るカテーテルセットBでは、係合部44,54を、硬質筒体44a,54aと、伸縮可能な蛇腹状の伸縮部44b,54bとで構成したため、カテーテル10を体内に挿入する際には、伸縮部44b,54bが収縮することにより外径が大きくなってカテーテル本体11の先端開口縁部に係合する。また、カテーテル10から穴付スタイレット40と、穴無スタイレット50とを抜き取るときには、伸縮部44b,54bが伸長することにより外径が小さくなって、カテーテル10から穴付スタイレット40と、穴無スタイレット50とを容易に抜き取ることができる。このカテーテルセットBのそれ以外の作用効果については、前述したカテーテルセットAと同じである。
本発明に係るカテーテルセットは、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、前述した実施形態では、穴無スタイレット30,50のスタイレット本体31,51を筒状にしているが、このスタイレット本体31,51は中実の棒体で構成してもよい。また、穴付スタイレット20,40のスタイレット本体21,41は、ガイドワイヤ38の直径に応じた挿通孔を備えた筒状に形成してもよい。さらに、前述した各実施形態では、脱血用内腔11aに穴付スタイレット20,40を挿入し、送血用内腔11bに穴無スタイレット30,50を挿入しているが、脱血用内腔11aに穴無スタイレット30,50を挿入し、送血用内腔11bに穴付スタイレット20,40を挿入してもよい。
また、穴付スタイレット20,40と穴無スタイレット30,50との一方は省略してもよい。穴付スタイレット20,40を省略するときには、ガイドワイヤ38は用いない。さらに、一対のスタイレットとして、穴付スタイレット20,40どうしを組み合わせたり、穴無スタイレット30,50どうしを組み合わせたりしてもよい。また、カテーテルとしては、前述したカテーテル10に限らず、種々の形状をしたものを用いることができる。例えば、カテーテルとして一つの内腔を備えた円筒状のカテーテルを用いることができる。この場合、スタイレットとしては、円筒形や円柱形のスタイレット本体や、円錐形の先細り先端部を備えたものを用いる。
10…カテーテル、11a…脱血用内腔、11b…送血用内腔、11c…隔壁、20,40…穴付スタイレット、21,31,41,51…スタイレット本体、24,34,44,54…係合部、24a,34a…軟質部、24b,34b…硬質部、25,35,45,55…膜状連結部、26,36,46,56…軟質先端部、27,47…挿通孔、30,50…穴無スタイレット、38…ガイドワイヤ、44a,54a…硬質筒体、44b,54b…伸縮部、A,B…カテーテルセット。

Claims (8)

  1. 隔壁によって二分された二つの内腔を備えたカテーテルの内腔に挿入されるスタイレットであって、
    断面形状が半円形に形成されたスタイレット本体と、
    萎んだ状態から先端部の形状を略維持させて後部側が径方向に膨らむように復元することにより、後端部の断面が前記スタイレット本体の断面よりも大きな半円形で、先端部の断面が前記スタイレット本体の断面よりも小さな半円形になる先細り状の筒体で構成され、前記カテーテルの先端開口から突出した状態で前記カテーテルの基端側に押圧されることにより後端部が前記カテーテルの先端開口縁部に係合する係合部と、
    断面形状が半円形の環状膜体で構成され前記スタイレット本体の先端周縁部と前記係合部の後端周縁部とを連結する軟質の連結部とを備え、
    前記スタイレット本体を前記カテーテルの内腔に挿入し前記係合部を前記カテーテルの先端開口から突出させた状態から、前記スタイレット本体を前記カテーテルの基端側に引っ張ることにより、前記カテーテルの内部に後退していく前記連結部で前記係合部の後部側を引っ張って径方向に収縮させ、前記係合部を前記カテーテルの内腔を通して前記カテーテルの基端側に引き抜くことができるようにしたことを特徴とするスタイレット。
  2. 前記係合部を、硬質部と軟質部とを周方向に交互に配置して構成することにより径方向に膨張収縮可能にした請求項1に記載のスタイレット。
  3. 前記係合部の後部側を伸縮可能な蛇腹状に形成することにより、前記係合部を径方向に膨張収縮可能にした請求項1または2に記載のスタイレット。
  4. 前記係合部の先端に、後端側から先端に行くほど徐々に細くなった軟質先端部を設けた請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載のスタイレット。
  5. ガイドワイヤを通すための挿通孔を前記係合部の先端側から前記スタイレット本体の後端部に向かって設けた請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載のスタイレット。
  6. 前記スタイレットが二本で構成され、前記二本のスタイレットを前記カテーテルの内腔に挿入したときに前記カテーテルの先端開口から突出する両係合部が略円錐状になるようにした請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載のスタイレット。
  7. 前記二本のスタイレットのうちの少なくとも一方にガイドワイヤを通すための挿通孔を前記係合部の先端側から前記スタイレット本体の後端部に向かって設けた請求項6に記載のスタイレット。
  8. 前記カテーテルの二つの内腔に、それぞれ請求項1ないし7のいずれか一つに記載のスタイレットを挿入可能にしたカテーテルセット。
JP2009177171A 2009-07-30 2009-07-30 スタイレットおよびカテーテルセット Expired - Fee Related JP5455492B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009177171A JP5455492B2 (ja) 2009-07-30 2009-07-30 スタイレットおよびカテーテルセット
EP10007535A EP2279702A3 (en) 2009-07-30 2010-07-21 Stylet and catheter set
CA2710720A CA2710720A1 (en) 2009-07-30 2010-07-22 Stylet and catheter set
US12/841,205 US8226613B2 (en) 2009-07-30 2010-07-22 Stylet and catheter set
MX2010008195A MX2010008195A (es) 2009-07-30 2010-07-27 Estilete y conjunto de cateter.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009177171A JP5455492B2 (ja) 2009-07-30 2009-07-30 スタイレットおよびカテーテルセット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011030615A JP2011030615A (ja) 2011-02-17
JP5455492B2 true JP5455492B2 (ja) 2014-03-26

Family

ID=43033353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009177171A Expired - Fee Related JP5455492B2 (ja) 2009-07-30 2009-07-30 スタイレットおよびカテーテルセット

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8226613B2 (ja)
EP (1) EP2279702A3 (ja)
JP (1) JP5455492B2 (ja)
CA (1) CA2710720A1 (ja)
MX (1) MX2010008195A (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9126011B2 (en) 2006-03-24 2015-09-08 Merit Medical Systems, Inc. Anti-clotting indwelling catheter
US8029457B2 (en) 2006-03-24 2011-10-04 Aat Catheter Technologies, Llc Indwelling catheter with anti-clotting features
US9474884B2 (en) * 2012-01-13 2016-10-25 Teleflex Medical Incorporated Bumped dilator tip
EP2802375B1 (en) * 2012-01-13 2019-03-27 Teleflex Medical, Incorporated Novel bumped dilator tip
US10537718B2 (en) 2013-10-15 2020-01-21 The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Vascular dilators
US11712539B2 (en) 2016-04-27 2023-08-01 Qxmedical, Llc Devices for assisting with advancement of catheters and related systems and methods
US11176913B2 (en) * 2019-02-15 2021-11-16 Lester Silver Device and method for introducing different embouchures
EP4076615A4 (en) * 2019-12-17 2023-06-21 Surmodics, Inc. ANCHORED DILATOR SYSTEM AND PROCEDURE THEREOF

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3050066A (en) * 1958-12-31 1962-08-21 Wilbur R Koehn Retention catheters
US3957055A (en) * 1974-09-23 1976-05-18 Linder Gerald S Catheter guide
US5073166A (en) * 1989-02-15 1991-12-17 Medical Innovations Corporation Method and apparatus for emplacement of a gastrostomy catheter
US5637097A (en) * 1992-04-15 1997-06-10 Yoon; Inbae Penetrating instrument having an expandable anchoring portion
US5935107A (en) * 1996-10-07 1999-08-10 Applied Medical Resources Corporation Apparatus and method for surgically accessing a body cavity
US6743207B2 (en) * 2001-04-19 2004-06-01 Scimed Life Systems, Inc. Apparatus and method for the insertion of a medical device
US7241308B2 (en) * 2003-06-09 2007-07-10 Xtent, Inc. Stent deployment systems and methods
DE102005021470A1 (de) * 2005-05-10 2006-11-16 Tracoe Medical Gmbh Einführhilfe für die perkutane Tracheostomie
JP4945174B2 (ja) * 2006-06-23 2012-06-06 ユニチカ株式会社 4ルーメンカテーテル
WO2009052506A1 (en) * 2007-10-19 2009-04-23 Navilyst Medical, Inc. Recirculation minimizing catheter

Also Published As

Publication number Publication date
EP2279702A2 (en) 2011-02-02
MX2010008195A (es) 2011-01-31
US20110028904A1 (en) 2011-02-03
US8226613B2 (en) 2012-07-24
JP2011030615A (ja) 2011-02-17
EP2279702A3 (en) 2011-11-09
CA2710720A1 (en) 2011-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5455492B2 (ja) スタイレットおよびカテーテルセット
EP0150281A1 (en) Medical introducer-catheter system
JP5521195B2 (ja) 内視鏡用挿入補助具
JP5995333B2 (ja) 患者の経腸栄養法に用いるプローブ
JP6043059B2 (ja) ガイドワイヤ保持具
EP3376937B1 (en) Dilator with slit and slidable sleeve
JPH0951954A (ja) ガイドワイヤ固定具およびそれを備えたカテーテルセット
US20220080163A1 (en) Balloon catheter
JP2015109881A (ja) イントロデューサー用シース
JP3921108B2 (ja) バルーンカテーテル
JP2022020124A (ja) バルーンカテーテル
JP6046455B2 (ja) ガイドワイヤ保持具
JP5439886B2 (ja) 医療用拡張器
JP6907643B2 (ja) 医療用チューブ部品およびその製造方法
CN217793519U (zh) 鼻腔支架组件
KR101610282B1 (ko) 벌룬 카테터
CN212346487U (zh) 胃镜手术套管组件
WO2021059943A1 (ja) バルーンカテーテル
JP2018143421A (ja) カテーテル組立体
JP2018064866A (ja) カテーテル押込み補助具
JP2023004155A (ja) カテーテルシステム
JP2021049256A (ja) バルーンカテーテル
JP2014121469A (ja) 胃瘻造設術用拡張器
JP2022123427A (ja) バルーンカテーテル及びカテーテルシステム
JP2022123437A (ja) カテーテルシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees