JP3921108B2 - バルーンカテーテル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、卵管等の体腔内に生じた閉塞部、狭窄部内に挿入するためのバルーンカテーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、卵管に生じた閉塞部、狭窄部を治療するために、外管と、前記外管内を軸方向に移動可能な内管と、一端が前記外管の先端部に取り付けられ、他端が前記内管の先端部に取り付けられたバルーンとを備えたバルーンカテーテルが使用されている。
このバルーンカテーテルは子宮顎より子宮を経由して卵管に挿入される。従って、子宮顎を通過させる時は真っ直ぐで、かつ卵管に挿入する際には卵管口の方向に向かって湾曲する形状を有することが望ましい。
このような要求を満たすために、例えば特表平7−500256号公報に示すバルーンカテーテルがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特表平7−500256号公報に示されているバルーンカテーテルは、スルールーメンとマンドレルルーメンを備えており、かつ先端側に湾曲部を有している。そして、このバルーンカテーテルでは、マンドレルルーメンに組み込んだマンドレルを外部の操作具を用いてマンドレルルーメンに沿って前後に移動させることで、上記湾曲部を真っ直ぐな状態に変化させることが可能となっている。
このバルーンカテーテルでは、子宮顎を通過させる時には上記マンドレルを先端側に移動させて、上記湾曲部を真っ直ぐな状態にする。そして子宮に達した後卵管に挿入する時には、上記湾曲部を基端側に移動させて、上記湾曲部を元の湾曲した状態に復元させる。
しかし特表平7−500256号公報に開示されているバルーンカテーテルは、湾曲部の屈曲角度・壁強度、及びマンドレルの強度・剛性によっては、マンドレルを移動させて湾曲部を真っ直ぐにする際に、必要以上の力が加わってマンドレルがカテーテルの壁を突き破り、マンドレルで子宮等の体腔を傷付けることがある。一方、このような危険を回避するべくマンドレルを柔軟にした場合は、湾曲部が真っ直ぐになりにくいという問題が生ずる。
従って、本発明の目的は、子宮等の体腔内壁を傷付けることなく、かつ安全に真っ直ぐにすることが可能であり、挿入が容易であるバルーンカテーテルを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 外管と、該外管内を軸方向に移動可能な内管と、一端が前記外管の先端部に取り付けられ、他端が前記内管の先端部に取り付けられたバルーンとを備え、かつ、先端側に形成された湾曲部を備えるカテーテル本体と、前記外管を部分的に被包するとともに該外筒の軸方向に沿って移動可能であり、前記湾曲部を収納および露出させることが可能であり、かつ前記湾曲部を収納することにより該湾曲部をほぼ真直な状態とすることが可能な外筒とを備え、さらに、前記外筒は、側孔と該側孔よりも基端側に形成され、前記外管との隙間を小さくするための環状リブを備えるバルーンカテーテル。
(2) 前記側孔の数が4個以上である上記(1)に記載のバルーンカテーテル。
(3) 前記側孔が螺旋状に配列されている上記(2)に記載のバルーンカテーテル。
(4) 前記バルーンカテーテルは、卵管内挿入用バルーンカテーテルである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のバルーンカテーテルを実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例のバルーンカテーテルの外観図である。図2は、図1に示したバルーンカテーテルより外筒を取り外したバルーンカテーテル本体の外観図である。図3は、本発明の実施例のバルーンカテーテルの先端部分の拡大断面図である。図4は、本発明の実施例のバルーンカテーテルの外筒の基端部分の拡大断面図である。図5は、図4のA−A線断面図である。
本発明のバルーンカテーテル1は、外管2と、外管2内を軸方向に移動可能な内管3と、一端が外管2の先端部に取り付けられ、他端が内管3の先端部に取り付けられたバルーン4とを備え、かつ、先端側に形成された湾曲部2aを備えるカテーテル本体10と、外管2を部分的に被包するとともに外筒2の軸方向に沿って移動可能であり、湾曲部2aを収納および露出させることが可能であり、かつ湾曲部2aを収納することにより湾曲部2aをほぼ真直な状態とすることが可能な外筒5とを備えている。
【0006】
本発明のバルーンカテーテルを卵管狭窄部拡張用バルーンカテーテルに応用した実施例を用いて説明する。
この実施例のバルーンカテーテル1は、カテーテル本体10と、外筒5とを備えている。
カテーテル本体10は、外管2と、外管2内を軸方向に移動可能な内管3と、一端が外管2の先端部に取り付けられ、他端が内管3の先端部に取り付けられたバルーン4とを備えている。カテーテル本体10は、バルーンカテーテル1の先端側に形成された湾曲部2aを備える。具体的には、外管2の先端より所定距離基端側の位置に湾曲部2aが形成されており、この湾曲部2aにより、カテーテル本体10の先端、言い換えれば、外管2の先端は、外筒5の中心軸より所定距離ずれた状態となっている。湾曲部2aの位置は特に限定されないが、外管2の先端から10〜50mm、基端側に位置することが好ましい。また、湾曲部2aの形状は特に限定されないが、円弧状が好ましい。
【0007】
外管2は、図1ないし図4に示すように、外管本体21と、外管本体21の先端に固定された先端部材22と、外管本体21の基端に固定された外管ハブ23とを備える。
外管本体21は、先端から基端まで貫通した内部通路を備えるチューブ体である。また、外管本体21は、先端から基端までほぼ同一外径を有するチューブ体である。
外管本体21の外径は、2〜10mm程度であることが好ましく、より好ましくは2.3〜8mm程度である。外管本体21の内径は1.2〜7.8mm程度であることが好ましく、より好ましくは1.5〜5.8mm程度である。また、外管本体21の長さは100〜1500mm程度であることが好ましく、より好ましくは200〜1000mm程度である。
【0008】
外管本体21は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンおよびオレフィン系エラストマー(例えば、ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー)、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタンおよびウレタン系エラストマー、ポリアミドおよびアミド系エラストマー(例えば、ポリアミドエラストマー)、ポリテトラフルオロエチレンおよびフッ素樹脂エラストマー、ポリイミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シリコーンゴム等の可撓性を有する高分子材料により形成される。
そして、外管本体21の先端から所定距離(具体的には、10〜50mm、好ましくは、20〜40mm)基端側となる位置に湾曲部2aが形成されている。湾曲の程度としては、外管本体21の先端部の中心軸と外管本体21の後端部の中心軸との角度が100〜160°程度となるものが好ましい。特に、上記角度は、110〜150°であることが好ましい。
【0009】
また、外管2の先端側の側面には、マーカー24が設けられている。この実施例のバルーンカテーテル1では、マーカー24は、外管2の湾曲部2aより若干基端側となる位置に形成されている。マーカーは複数設けられており、特に、3〜10個設けることが好ましい。また、3つ以上のマーカーを設ける場合には、それぞれの間隔をほぼ等しいものとすることが好ましい。さらに、複数のマーカーを設ける場合には、隣り合うマーカーを区別できるようにすることが好ましい。具体的には、隣り合うマーカーの太さを変化させること、隣り合うマーカーの形状を変化させることなどが考えられる。なお、マーカー24はX線不透過性であっても良い。マーカー24をX線不透過性にする場合、X線不透過物質を含有する樹脂を外管2の外面に塗布することにより形成することができる。
【0010】
外管本体21の先端に固定された先端部材22は、図3に示すような形状となっていることが好ましい。先端部材22は、生体内挿入時に体腔内壁に損傷を与えないように湾曲した先端面を備えている。さらに、先端部材22は、内部通路が外管2の湾曲部より基端側の中心軸と平行となる方向に近づくように屈曲している。このため、外管2よりバルーン4を突出させた時に、バルーン4は、外管2の前方に突出するものとなる。なお、先端部材22としては、内部通路が屈曲しないものであってもよい。
先端部材22の形成材料としては、外管本体21において説明したものが好適に使用できる。
【0011】
そして、外管本体21の先端には、バルーン固定用部材25が固定されている。具体的には、外管本体21の先端に形成された環状小径部21bに筒状のバルーン固定用部材25の基端が固定されている。そして、上述した先端部材22の基端が、バルーン固定用部材25の基端に固定されている。
バルーン固定用部材25の形成材料としては、外管本体21において説明したものが好適に使用できる。
外管本体21の後端に設けられた外管ハブ23は、内管3を挿通するための通路と、バルーン用流体注入ポート26を備えている。さらに、バルーンカテーテル1は、内管3を外管2に解除可能に固定するための固定機能を備えている。具体的には、外管ハブ23は、内管3を押圧する内管固定用ネジ28を備えている。バルーン用流体注入ポート26は、外管本体21の内面と内管本体31の外面間に形成されたバルーン拡張用ルーメン21aと連通している。外管本体21の後端は、外管ハブ23の先端内に挿入され固定されている。
【0012】
外管ハブ23および内管固定用ネジ28は、ポリカーボネート、アクリル樹脂(ポリアクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリエーテルイミド、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、メタクリレート−スチレン共重合体、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル(例えば、硬質塩化ビニル)、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアリレートなどの硬質もしくは半硬質樹脂、ステンレス鋼、チタンもしくはチタン合金などの金属により形成することができる。
【0013】
内管3は、図1ないし図4に示すように、内管本体31と、内管本体31の基端に固定された内管ハブ32とを備える。
内管本体31は、先端から基端まで貫通した内部通路を備えるチューブ体であり、かつ、外管本体21内を移動可能なものである。内管本体31の先端は、通常状態では、外管2の先端より所定距離後端側に位置している。内管本体31の外径は、0.8〜6.8mm程度であることが好ましく、より好ましくは1〜5mm程度であり、肉厚は0.025〜1mm程度であることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.5mm程度であり、長さは100〜1500mm程度であることが好ましく、より好ましくは200〜1000mm程度である。
内管本体31は、例えば、ステンレス鋼、チタンもしくはチタン合金等の金属製パイプ、あるいはポリアミド、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE、FEP、PFA等のフッ素系樹脂等の比較的硬質な材料により形成されることが好ましい。
内管ハブ32は、内管本体31と連通する液体注入ポート33と、ガイドワイヤ、内視鏡などの医療用線状体を挿通するための内部通路を備えている。液体注入ポート33からは、内管3のルーメン内における医療用線状体の動きを滑らかにするための灌流液が注入される。
内管ハブ32の形成材質としては、外管ハブ23において説明したものが好適に使用できる。
【0014】
バルーン4は、体腔内狭窄部を拡張するためのものであり、一端が外管2の先端部に取り付けられ、他端が内管3の先端部に取り付けられている。バルーン4は、外管2の先端部及び内管3の先端部のそれぞれの外周または内周の何れかに接合されている。バルーン4は、図3に示すように、一端において外管2の先端に接合され、他端は外管2のルーメン内に折り込まれて内管3の先端に接合されていることが好ましい。この実施例のバルーンカテーテル1では、バルーン4は、全体が外管2内に収納可能なものとなっている。さらに、内管3を先端側に移動させることにより、バルーン4は、外管2より突出可能なものとなっている。
バルーン4は、折り畳み可能なものであり、外径が0.5〜10mm程度であることが好ましく、より好ましくは1〜3mm程度である。
バルーン4の一端は、外管2の先端より若干基端側となる外管2の内部に固定されており、バルーン4の一端の外管2への固定部は外部に露出しないものとなっていることが好ましい。
【0015】
具体的には、この実施例のバルーンカテーテル1では、バルーン4は、図3に示すように、その一端部は、外管2に設けられた筒状のバルーン固定用部材25の先端部に固定されている。固定の手段は、特に限定されるものではなく、例えば接着剤を用いて行ってもよく、融着で行ってもよい。
そして、この実施例のバルーンカテーテル1では、バルーン4は、図3に示すように、その他端部は、内管3の先端部(具体的には、内管本体31の先端部)に固定されている。特に、バルーン4の他端部は、小径部となっているとともに、内径が内管3の外径とほぼ等しいものとなっている。そして、この小径部内に内管3の先端部が挿入されており、バルーン4は内管3に固定されている。固定の手段は、特に限定されるものではなく、例えば接着剤を用いて行ってもよく、融着で行ってもよい。
バルーン4の材質は、例えば、天然ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミドエラストマー、シリコーンなどが挙げられる。
【0016】
外筒5は、図1ないし図4に示すように、外筒本体51と、外筒本体51の基端に固定された外筒ハブ52とを備える。
外筒5は、外管本体21を部分的に被包するとともに外管2の軸方向に沿って移動可能であり、かつ外管2の湾曲部2aを収納および露出させることが可能である。さらに、外筒5は、外管2の湾曲部2aを収納することにより湾曲部2aをほぼ真直な状態とすることが可能なものとなっている。
外筒本体51は、先端から基端まで貫通した内部通路を備えるチューブ体であり、かつ、外管本体21上を移動可能なものである。また、外筒本体51は、先端から基端までほぼ同一外径を有するチューブ体である。外筒本体51の外径は、2.2〜12mm程度であることが好ましく、より好ましくは2.5〜8.2mm程度であり、厚さは0.05〜1mm程度であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3mm程度であり、その長さは、90〜1300mm程度であることが好ましく、より好ましくは190〜900mm程度である。
外筒本体51は、例えば、ポリアミド、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE、FEP、PFA等のフッ素系樹脂等の比較的硬質な材料により形成されることが好ましい。
外筒5は、側孔53を備えている。さらに、外筒5は、側孔53よりも基端側に形成され、外管2との隙間を小さくするための環状リブ54を備えている。側孔53は、子宮腔及び卵管内腔から外筒5と外管2の隙間に伝わり出る灌流液を術者の手元に至る前に外筒5の外側へ排出するためのものである。
【0017】
具体的には、この実施例のバルーンカテーテル1では、図4および図4のA−A線断面図である図5に示すように、外筒本体51には側孔53が複数個設けられている。側孔の数としては、4個以上であることが好ましい。また、4個以上の側孔53を設ける場合は、側孔53は螺旋状に配列することが好ましい。側孔53を螺旋状に配列することによって、灌流液が上下左右4つの方向に分散されて排出される。なお、側孔の数は4個が好適であるが、5個以上であっても良い。
側孔53の径は、0.5〜3mmが好ましい。側孔53の位置は、バルーンカテーテル1を子宮内に挿入した際に、体外に来るように設けることが好ましい。
外筒ハブ52は、外筒5を操作する場合の操作部として機能する。このような外筒ハブ52を設けることにより、外筒5の操作が容易になる。
さらに、外筒ハブ52部の内面には、図4に示すように、外管本体21の隙間を小さくするための環状リブ54が設けられている。環状リブ54は、子宮腔及び卵管内腔から外筒ハブ52と外管本体21との隙間を伝わり出る灌流液が術者の手元に至らないようにするためのものである。環状リブ54の内径と外管本体21の外径との差は、0.2mm以下であることが好ましい。
【0018】
外筒ハブ52は、ポリカーボネート、アクリル樹脂(ポリアクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、メタクリレート−スチレン共重合体、メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル(例えば、硬質塩化ビニル)、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリスルホン、ポリアリレートなどの硬質もしくは半硬質樹脂、ステンレス鋼、チタンもしくはチタン合金などの金属により形成することができる。
そして、この実施例のバルーンカテーテル1では、図1および図2に示すように、内管3の後端に操作部6が設けられている。この操作部6は、内管3内に挿入される内視鏡、ガイドワイヤーなどの医療用線状体を操作するものである。
【0019】
次に、本発明のバルーンカテーテルの使用方法について説明する。
まず、内管3の後端に取り付けられている操作部6を介して内視鏡を挿入し、操作部6を用いて内視鏡を内管3のルーメン内を進行させて、内視鏡の先端を外管2の先端に到達させる。そして、図6に示すように、外筒5を外管2の先端側に移動させて、外管2の湾曲部2aを外筒5内に収納し、バルーンカテーテル1がほぼ直線状となり、かつ、外管2の先端部が外筒5より突出した状態となるようにする。そして、このように準備したバルーンカテーテル1を子宮顎を越えて子宮内に外管2の先端が到達するまで挿入する。このように、バルーンカテーテル1は、ほぼ直線状とした状態において生体内に挿入できるので挿入作業が容易であり、かつ挿入される体腔内壁に損傷を与えることも少ない。なお、バルーンカテーテル1を子宮内に挿入する時は、バルーン4を外管2内に完全に収納させた状態にし、かつ内管固定用ネジ28により内管3を外管2に固定させた状態となるようにする。
【0020】
そして、上記の挿入作業終了後、外筒5を後端側に引き、子宮内にて湾曲部2aを露出させて、外管2の先端を卵管口に位置させる。そして、内視鏡により卵管口を確認した後、操作部6を用いて内視鏡を少し引き戻す。そして、内管3の外管2に対する固定を解除し(具体的には、固定用ネジ28の螺合を緩める)、バルーン用流体ポートより、液体をルーメン21a内に注入し、バルーン拡張用ルーメンを加圧状態とする。そして、内管3を先端側に押し込んで、内管3およびバルーン4を先端側に移動させて、図7に示すように、バルーン4を外管2の先端より突出させて、バルーン4を卵管に挿入する。この時、バルーン4と連動して内視鏡も先端側に移動する。そして、バルーン4は突出することによって反転するため、内視鏡の先端とバルーン4の先端の距離が縮まる。そして、内視鏡の先端がバルーン4の先端に到達したら、内視鏡で卵管内を観察する。観察後、バルーン拡張用ルーメン内の圧力を下げ、操作部6を用いて内視鏡を少し引き戻す。その際、内管3のルーメン内での内視鏡の動きを滑らかにするために、内管ハブ32に設けられた液体注入ポート33から灌流液を注入する。なお、この時に注入した灌流液が子宮腔及び卵管内腔から逆流して外筒5と外管2の隙間に伝わり出ても、外筒5に設けられた側孔53により外筒5の外側に排出されるため、バルーンカテーテル1の操作が灌流液により阻害されることがない。そして、再びバルーン拡張用ルーメン内の圧力を上げ、内管3を先端側に押し込んで、バルーン4をさらに突出させる。再び内視鏡の先端がバルーン4の先端に到達したら、内視鏡で卵管内を観察する。バルーン4の突出長が患部を通過するまでこの操作を繰り返す。
【0021】
その後、バルーン拡張ルーメン内の圧力を減圧し、操作部6を用いて内視鏡の先端をバルーン4の先端と常に一致させて、卵管内を観察しながら、内管3を引き戻し、バルーン4を外管2内に収納する。そして、外筒5を外管2の先端側に移動させて、外管2の湾曲部2aを外筒5内に収納し、バルーンカテーテル1がほぼ直線状となり、かつ、外管2の先端部が外筒5より突出した状態となるようにして、バルーンカテーテル1を体内より抜去する。
【0022】
【発明の効果】
本発明のバルーンカテーテルは、外管と、該外管内を軸方向に移動可能な内管と、一端が前記外管の先端部に取り付けられ、他端が前記内管の先端部に取り付けられたバルーンとを備え、かつ、先端側に形成された湾曲部を備えるカテーテル本体と、前記外管を部分的に被包するとともに該外筒の軸方向に沿って移動可能であり、かつ前記湾曲部を収納および露出させることが可能であり、かつ前記湾曲部を収納することにより該湾曲部をほぼ真直な状態とすることが可能な外筒とを備えている。
このため、子宮等の体腔内壁を傷付けることなく、かつ安全に真っ直ぐにすることが可能であり、バルーンカテーテルの挿入が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例のバルーンカテーテルの外観図である。
【図2】図2は、図1に示したバルーンカテーテルより外筒を取り外したバルーンカテーテル本体の外観図である。
【図3】図3は、本発明の実施例のバルーンカテーテルの先端部分の拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施例のバルーンカテーテルの外筒の基端部分の拡大断面図である。
【図5】図5は、図4のA−A線断面図である。
【図6】図6は、本発明のバルーンカテーテルの作用を説明するための説明図である。
【図7】図7は、本発明のバルーンカテーテルの作用を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 バルーンカテーテル
2 外管
2a 湾曲部
3 内管
4 バルーン
5 外筒
6 操作部
Claims (4)
- 外管と、該外管内を軸方向に移動可能な内管と、一端が前記外管の先端部に取り付けられ、他端が前記内管の先端部に取り付けられたバルーンとを備え、かつ、先端側に形成された湾曲部を備えるカテーテル本体と、前記外管を部分的に被包するとともに該外筒の軸方向に沿って移動可能であり、前記湾曲部を収納および露出させることが可能であり、かつ前記湾曲部を収納することにより該湾曲部をほぼ真直な状態とすることが可能な外筒とを備え、さらに、前記外筒は、側孔と該側孔よりも基端側に形成され、前記外管との隙間を小さくするための環状リブを備えることを特徴とするバルーンカテーテル。
- 前記側孔の数が4個以上である請求項1に記載のバルーンカテーテル。
- 前記側孔が螺旋状に配列されている請求項2に記載のバルーンカテーテル。
- 前記バルーンカテーテルは、卵管内挿入用バルーンカテーテルである請求項1ないし3のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
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