JP5455357B2 - タイヤ作用力検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両の検出装置に係り、更に詳細には車輪のタイヤに作用する力を検出するタイヤ作用力検出装置に係る。
自動車等の車両に於いて車輪のタイヤに作用する力を検出するタイヤ作用力検出装置は従来より種々の構成のものが提案されている。例えば下記の特許文献1には、車軸側連結部材及び車輪側連結部材が車輪の回転中心に対し同心をなす周方向に4分割する位置に交互に配置され、車軸側連結部材と車輪側連結部材との間には弾性部材と弾性部材に作用する荷重を検出する荷重センサとが設けられ、荷重センサの検出結果に基づいてタイヤに作用する力を演算するタイヤ作用力検出装置が記載されている。
また本願出願人の先の提案にかかる下記の特許文献2には、車輪のホイールの円板部とホイール支持部材のホイール支持部とを連結する連結手段に作用する応力を検出する応力検出手段と、検出された応力に基づいてタイヤ作用力を演算する演算手段とを有するタイヤ作用力検出装置が記載されている。
特開平2005−241470号公報 WO2008/133353国際公開公報
上記特許文献1に記載されたタイヤ作用力検出装置に於いては、弾性部材を経て車輪側連結部材と車軸側連結部材との間に応力が伝達され、上記特許文献2に記載されたタイヤ作用力検出装置に於いては、連結手段を経てホイールの円板部とホイール支持部との間に応力が伝達され、弾性部材や連結手段に作用する応力が検出される。
そのため特殊な部品が必要であると共に、車輪側連結部材と車軸側連結部材との間の連結構造やタイヤ作用力検出装置の構造が複雑になることが避けられず、よってタイヤ作用力検出装置が高価になることが避けられない。また上述の如き従来のタイヤ作用力検出装置は体格が大きくならざるを得ないため、車輪と車輪支持部材との間への搭載性が悪いという問題がある。
本発明は、車輪側部材と車軸側部材との間に伝達される応力の全てが弾性部材や連結手段の如き中間部材を経て伝達され、その中間部材に作用する応力を検出するよう構成された従来のタイヤ作用力検出装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、車輪側部材と車軸側部材との間に介装され車輪側部材と車軸側部材との間に部分的にのみ応力を伝達する中間体の歪を検出することにより、従来に比して単純且つ低廉で車輪と車輪支持部材との間への搭載性に優れたタイヤ作用力検出装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち回転軸線に垂直な円板部を有するホイールと前記ホイールの外周部に保持されるタイヤとを有する車輪と、車体により前記回転軸線の周りに回転可能に支持され前記回転軸線に垂直なホイール支持部にて前記ホイールを前記回転軸線の周りに回転可能に支持するホイール支持部材と、前記回転軸線に沿って延在し前記ホイールの前記円板部と前記ホイール支持部材の前記ホイール支持部とを連結する連結手段とを備えた車両に於いて、前記タイヤの接地点に作用するタイヤ作用力を検出するタイヤ作用力検出装置にして、前記連結手段が挿通され且つ前記連結手段により前記円板部と前記ホイール支持部との間に弾性圧縮された筒状の中間体と、前記中間体の筒状の外面の歪を検出することにより中間体に作用する応力を検出する応力検出手段と、検出された応力に基づいてタイヤ作用力を演算する演算手段とを有し、前記中間体の両端の少なくとも一方はそれを受ける前記円板部及び前記ホイール支持部の少なくとも一方に設けられた窪みに嵌入していることを特徴とするタイヤ作用力検出装置によって達成される。
上記請求項1の構成によれば、連結手段が挿通され且つ連結手段により円板部とホイール支持部との間に弾性圧縮された筒状の中間体が設けられる。円板部及びホイール支持部が中間体の延在方向に垂直な方向へ相対変位すると、中間体は弾性的に湾曲変形し、筒状の外面に歪が発生する。中間体の筒状の外面の歪は円板部及びホイール支持部を中間体の延在方向に垂直な方向へ相対変位させる応力に比例し、該応力はタイヤの接地点に作用するタイヤ作用力に比例する。
上記請求項1の構成によれば、中間体の筒状の外面の歪が検出されることにより中間体に作用する応力が検出され、検出された応力に基づいてタイヤ作用力が演算される。従ってタイヤ作用力を確実に検出することができる。
また中間体は連結手段が挿通され且つ連結手段により円板部とホイール支持部との間に弾性圧縮された筒状の弾性変形可能な部材であればよい。従って上述の従来のタイヤ作用力検出装置の場合に比して、タイヤ作用力検出装置の構造を単純化し、そのコストを低減し、車輪と車輪支持部材との間への搭載性を向上させることができる。
特に、上記請求項1の構成によれば、中間体の両端の少なくとも一方はそれを受ける円板部及びホイール支持部の少なくとも一方に設けられた窪みに嵌入している。従って窪みが設けられた円板部若しくはホイール支持部に対し中間体を所定の位置に容易に且つ正確に位置決めすることができ、また中間体の軸線と連結手段の軸線とを容易に且つ正確に整合させることができる。また、中間体の両端がただ単に円板部及びホイール支持部に当接している場合に比して、円板部及びホイール支持部の間に応力が作用しそれらが相対変位する際に、中間体を効果的に弾性変形させることができる。
また、上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項2の構成、即ち回転軸線に垂直な円板部を有するホイールと前記ホイールの外周部に保持されるタイヤとを有する車輪と、車体により前記回転軸線の周りに回転可能に支持され前記回転軸線に垂直なホイール支持部にて前記ホイールを前記回転軸線の周りに回転可能に支持するホイール支持部材と、前記回転軸線に沿って延在し前記ホイールの前記円板部と前記ホイール支持部材の前記ホイール支持部とを連結する連結手段とを備えた車両に於いて、前記タイヤの接地点に作用するタイヤ作用力を検出するタイヤ作用力検出装置にして、前記連結手段が挿通され且つ前記連結手段により前記円板部と前記ホイール支持部との間に弾性圧縮された筒状の中間体と、前記中間体の筒状の外面の歪を検出することにより中間体に作用する応力を検出する応力検出手段と、検出された応力に基づいてタイヤ作用力を演算する演算手段とを有し、前記中間体は両端の少なくとも一方に中間体の延在方向に垂直に延在する支持板を一体に有し、前記支持板は前記円板部に当接する状態にて前記ホイール支持部材に嵌合していることを特徴とするタイヤ作用力検出装置によって達成される。
特に、上記請求項2の構成によれば、中間体は両端の少なくとも一方に中間体の延在方向に垂直に延在する支持板を一体に有し、支持板は円板部に当接する状態にてホイール支持部材に嵌合している。よって円板部及びホイール支持部に対し中間体を所定の径方向位置に容易に位置決めすることができる。また中間体の端部がただ単に円板部に当接している場合に比して、円板部及びホイール支持部の間に応力が作用しそれらが相対変位する際に、中間体を効果的に弾性変形させることができる。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項の構成に於いて、前記タイヤ作用力検出装置は前記回転軸線の周りに互いに隔置された複数の中間体を有し、前記支持板は前記回転軸線の周りの周方向に延在し、前記複数の中間体は前記支持板により互いに一体に接続されているよう構成される(請求項の構成)。
上記請求項の構成によれば、回転軸線の周りに互いに隔置された複数の中間体は回転軸線の周りの周方向に延在する支持板により互いに一体に接続されている。従って複数の中間体が一体に接続されていない構造の場合に比して、部品点数を低減することができると共に、円板部及びホイール支持部に対し複数の中間体同時に位置決めすることにより中間体の組付けを容易に且つ能率よく行うことができる。
また、上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項5の構成、即ち回転軸線に垂直な円板部を有するホイールと前記ホイールの外周部に保持されるタイヤとを有する車輪と、車体により前記回転軸線の周りに回転可能に支持され前記回転軸線に垂直なホイール支持部にて前記ホイールを前記回転軸線の周りに回転可能に支持するホイール支持部材と、前記回転軸線に沿って延在し前記ホイールの前記円板部と前記ホイール支持部材の前記ホイール支持部とを連結する連結手段とを備えた車両に於いて、前記タイヤの接地点に作用するタイヤ作用力を検出するタイヤ作用力検出装置にして、前記連結手段が挿通され且つ前記連結手段により前記円板部と前記ホイール支持部との間に弾性圧縮された筒状の中間体と、前記中間体の筒状の外面の歪を検出することにより中間体に作用する応力を検出する応力検出手段と、検出された応力に基づいてタイヤ作用力を演算する演算手段とを有し、前記中間体は前記車輪の径方向に長い長円の外形を有する筒状をなすことを特徴とするタイヤ作用力検出装置によって達成される。
上記請求項4の構成によれば、中間体は円筒状をなすので、後述の第一及び第二の実施例の説明より明らかである如く、車輪の径方向に隔置された二つの位置及び車輪の径方向垂直な方向に隔置された二つの位置に於いて中間体の円筒状の外面の歪を検出することにより、連結手段の位置に於いて車輪の回転方向に作用する応力、車輪の横方向に作用する応力、車輪の上下方向に作用する応力の少なくとも何れかの応力を演算することができる。よってそれらの応力に基づいてタイヤの接地点に於いてタイヤの前後方向に作用する応力、タイヤの横方向に作用する応力、タイヤの上下方向に作用する応力の少なくとも何れかの応力を演算することができる。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至3の何れか一つの構成に於いて、前記中間体は前記車輪の径方向に長い長円の外形を有する筒状をなすよう構成される(請求項5の構成)。
上記請求項5の構成によれば、中間体は前記車輪の径方向に長い長円の外形を有する筒状をなしているので、径方向に垂直な方向には湾曲変形し易いが、径方向には湾曲変形し難い。従って中間体が例えば円筒形である場合に比して、車輪の径方向に作用する応力の影響を低くして車輪の回転方向に作用する応力を演算することができ、これにより車輪の径方向に作用する応力の影響を低くしてタイヤの接地点に於いてタイヤの前後方向に作用する応力を求めることができる。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至4の何れか一つの構成に於いて、前記演算手段は前記筒状の外面に作用する応力に基づいて前記連結手段の位置に於いて前記車輪の回転方向に作用する応力、前記車輪の横方向に作用する応力、前記車輪の上下方向に作用する応力の少なくとも何れかの応力を演算し、前記何れかの応力に基づいて前記タイヤの接地点に於いてタイヤの前後方向に作用する応力、タイヤの横方向に作用する応力、タイヤの上下方向に作用する応力の少なくとも何れかの応力を演算するよう構成される(請求項6の構成)。
上記請求項6の構成によれば、タイヤの接地点に於いてタイヤの前後方向に作用する応力、タイヤの横方向に作用する応力、タイヤの上下方向に作用する応力の少なくとも何れかの応力を求めることができる。
〔課題解決手段の好ましい態様〕
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至6の何れか一つの構成に於いて、応力検出手段は中間体の延在方向について中間体の筒状の外面の歪を検出することにより、中間体の延在方向に沿って中間体の筒状の外面に作用する応力を検出するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至6の何れか一つの構成に於いて、連結手段の軸線及び中間体の軸線は回転軸線と平行に延在し且つ互いに整合しているよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1、2、5の何れか一つの構成に於いて、タイヤ作用力検出装置は互いに接続されることなく回転軸線の周りに互いに隔置された複数の中間体を有するよう構成される(好ましい態様)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1、2、5の何れか一つ又は上記好ましい態様の構成に於いて、タイヤ作用力検出装置は回転軸線の周りに互いに隔置された複数の中間体を有し、中間体は回転軸線の周りに90°互いに隔置されているよう構成される(好ましい態様)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項5の構成に於いて、タイヤ作用力検出装置は各中間体について車輪の径方向に垂直な方向に互いに隔置された一対の応力検出手段を有し、演算手段は応力検出手段により検出された応力に基づいて各中間体の位置に於いて車輪の回転方向に作用する応力を演算し、それらの応力の和に基づいてタイヤの接地点に於いてタイヤの前後方向に作用する応力を演算するよう構成される(好ましい態様)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
[第一の実施例]
図1は駆動輪に適用された本発明によるタイヤ作用力検知装置の第一の実施例を車輪の回転軸線を通る切断面(図2の線I−I)にて切断して示す断面図、図2は第一の実施例の要部を図1の線II−IIにて切断して示す断面図である。
図1に於いて、10は図には示されていない車両の車輪を示し、12はタイヤ作用力検知装置を示している。車輪10は回転軸線14に垂直な円板部16Aを有する金属製のホイール16と、ホイール16の外周のリム部16Bに保持され主としてゴムにて構成されたタイヤ18とを有している。車輪10はハブ部材20により回転軸線14の周りに回転可能に支持されており、タイヤ作用力検知装置12はブレーキロータディスク22と共に車輪10とハブ部材20との間に配設されている。
ハブ部材20は軸受24により回転軸線14の周りに回転可能に支持される管状の軸部26と、該軸部と一体をなし回転軸線14に垂直なフランジ部28とを有している。図1には示されていないが、軸受24はサスペンション部材を介して車体により支持されている。車輪10は駆動輪であり、軸部26には車輪10とは反対の側より駆動軸30が挿入されている。駆動軸30は回転軸線14の周りに回転可能に回転軸線14に沿って延在し、圧入等の手段により軸部26に剛固に連結されている。尚本発明のタイヤ作用力検知装置が適用される車輪は従動輪であってもよい。
ハブ部材20はブレーキロータディスク22の円板部22Aと共働してホイール支持部材として機能し、フランジ部28は円板部22Aと共働してホイール支持部を郭定している。円板部16Aと円板部22Aとの間には回転軸線14と平行な軸線34に沿って延在する四つの中間体32が配置されている。中間体32は回転軸線14の周りに互いに90°隔置された位置に配置されている。各中間体32は一端にて円板部22Aに設けられた窪み36に嵌入し他端にて円板部16Aに当接する円筒形をなしている。
尚ハブ部材20及びブレーキロータディスク22は鉄合金の如き高強度且つ高剛性の金属材料にて形成され、ホイール16はアルミニウム合金や鉄合金の如き強度及び剛性が比較的高い金属材料にて形成され、中間体32はアルミニウム合金の如き弾性が比較的高い金属材料にて形成されていてよい。
中間体32には軸線34に沿って延在する断面円形の孔32Aが設けられており、各孔32Aには連結手段としてのボルト38が挿通されている。各ボルト38の軸線は軸線34に沿ってこれに整合して延在している。各ボルト38のヘッド部はフランジ部28の内面に固定されている。図示の実施例に於いては、孔32Aはボルト38を遊嵌状態にて受け入れる直径を有している。
各ボルト38はハブ部材20のフランジ部28、ブレーキロータディスク22の円板部22A、中間体32、ホイール16の円板部16Aを貫通して円板部16Aの外部まで延在している。中間体32はボルト38及びそれに螺合するナット40により、円板部16Aと円板部22Aとの間に圧縮され、円板部16Aはフランジ部28及びブレーキロータディスク22と一体的に連結されている。
かくして各中間体32は連結手段としてのボルト38が挿通され且つボルト38により円板部16Aと円板部22Aとの間に弾性圧縮されている。従って円板部16A及び22Aが互いに平行に変位すると、各中間体32の両端部は円板部16A及び22Aに対し垂直な状態を維持して円板部16A及び22Aと共に変位し、これにより各中間体32は弾性的に湾曲変形する。
特に図示の第一の実施例に於いては、各中間体32は一端にて円板部22Aに設けられた窪み36に嵌入しているので、一端にて円板部22Aにより円板部22Aに対し傾斜しないよう支持され、ホイール16の側の他端にて円板部16Aに摩擦係合している。従って各中間体32がハブ部材20の側の一端に於いても円板部22Aに摩擦係合している場合に比して、円板部16A及び22Aが互いに他に対し平行に相対変位する場合にも各中間体32の端部が円板部22Aに対し効果的に垂直な状態に維持される。
各中間体32の円筒状の表面には四つの検出素子42が固定されている。各検出素子42は抵抗線式の歪ゲージの如く中間体32の表面部の軸線34に沿う方向の弾性歪に応じた電流値の電流信号を出力し、これにより中間体32の表面に於いて軸線34に沿って作用する応力を検出する応力検出手段として機能する。
尚四つの検出素子42は円板部16A及び22Aが互いに他に対し平行に相対変位する場合に於ける中間体32の弾性変形の変曲点よりも一端側又は他端側の位置に設けられている。従って四つの検出素子42は円板部16A及び22Aの相対変位の方向によって凸状又は凹状に弾性変形する中間体32の表面の歪を検出する。
ハブ部材20の軸部26の外端にはキャップ部材44の内端が部分的に嵌入しており、キャップ部材44の外端はホイール16の円板部16Aに設けられた孔に部分的に嵌入している。キャップ部材44は演算手段としての電子回路装置50を収容している。各検出素子42より出力される電流信号は導線46を経て電子回路装置50へ供給される。また各中間体32の円筒状の表面には温度センサ48が設けられており、温度センサ48により検出された温度Tを示す信号も電子回路装置50へ供給される。
電子回路装置50は、後に説明する如く、各検出素子42より入力される電流信号及び温度センサ48より入力される温度信号に基づき、タイヤ18の接地点の中心Pに於いて路面56よりタイヤ18に作用する回転軸線14に垂直な前後方向の応力(前後力)Fxt、回転軸線14に平行な横方向の応力(横力)Fyt、回転軸線14に垂直な上下方向の応力(上下力)Fztを演算し、各応力を示す信号を図には示されていない車両の制御装置へ出力する。
図2に示されている如く、各中間体32について見て、検出素子42は回転軸線14及び軸線34を通る径方向の直線52と中間体32の外形線との二つの交点と、軸線34を通り直線52に垂直な直線54と中間体32の外形線との二つの交点とに対応する位置に設けられている。換言すれば、軸線34を挟んで互いに対向する一方の一対の検出素子42は車輪10の径方向に沿って互いに隔置され、他方の一対の検出素子42は一方の一対の検出素子42に対し軸線34の周りに90゜隔置されている。
図3は第一の実施例に於いて各検出素子42により検出される応力を車輪10のアウトボード側より見た状態にて示す説明図である。図3に示されている如く、四つの中間体32を32a〜32dとし、中間体32a〜32dに於いて車輪10の径方向外側の検出素子42により検出されるべき応力をそれぞれfz11、fz21、fz31、fz41とし、これらの検出素子42の検出応力をそれぞれfiz11、fiz21、fiz31、fiz41とする。車輪10の径方向内側の検出素子42により検出されるべき応力をそれぞれfz12、fz22、fz32、fz42とし、これらの検出素子42の検出応力をそれぞれfiz12、fiz22、fiz32、fiz42とする。
また中間体32a〜32dに於いて車輪10の径方向外側の検出素子42に対し反時計廻り方向に90°隔置された位置に位置する検出素子42により検出されるべき応力をそれぞれfx11、fx21、fx31、fx41とし、これらの検出素子42の検出応力をそれぞれfix11、fix21、fix31、fix41とする。車輪10の径方向内側の検出素子42に対し反時計廻り方向に90°隔置された位置に位置する検出素子42により検出されるべき応力をそれぞれfx12、fx22、fx32、fx42とし、これらの検出素子42の検出応力をそれぞれfix12、fix22、fix32、fix42とする。
図4は各中間体32a〜32dの外周部にその軸線34に沿って作用する応力fyと各検出素子の検出応力fiとの関係を示すグラフである。図4に示されている如く、各検出素子42は中間体32a〜32dに応力fyが作用していない場合の検出応力fiが標準検出応力fio(正の定数)になるよう調整されている。また各検出素子42の検出応力fiは、応力fyが引張り応力である場合には標準検出応力fioより応力fyの大きさに比例して減少し、応力Fyが圧縮応力である場合には標準検出応力fioより応力fyの大きさに比例して増大する。
尚各検出素子42は既知の温度特性を有し、温度センサ48により検出された中間体32a〜32dの温度をそれぞれT1〜T4とすると、中間体32a〜32dの各検出素子42の検出応力fiの温度依存変動量は温度T1〜T4の関数fi1(T1)〜fi4(T4)にて表されるものとする。
従って*を1〜4とすると、応力fx*1、fx*2、fz*1、fz*2はそれぞれ下記の式1〜4により表される。
fx*1=fix*1−fio−fi*(T*) ……(1)
fx*2=fix*2−fio−fi*(T*) ……(2)
fz*1=fiz*1−fio−fi*(T*) ……(3)
fz*2=fiz*2−fio−fi*(T*) ……(4)
図5は円板部16Bと円板部22Bとの間に車輪10の回転方向の応力Fxが作用する場合に中間体32の表面に軸線34に沿って作用する応力を示す説明図である。図5に示されている如く、中間体32の外周部に作用する応力は軸線34に対し応力Fxの作用方向の側に於いては圧縮応力であり、軸線34に対し応力Fxの作用方向とは反対の側に於いては引張り応力である。従って各中間体32に車輪10の回転方向に作用する応力Fxは、車輪10の径方向外側の検出素子42に対し反時計廻り方向に90°隔置された位置に位置する検出素子42により検出されるべき応力fx11、fx21、fx31、fx41と車輪10の径方向内側の検出素子42に対し反時計廻り方向に90°隔置された位置に位置する検出素子46により検出されるべき応力fx12、fx22、fx32、fx42との差に比例する。
よって比例定数をkx(正の定数)とすると、図3に示されている如く、中間体32a〜32dの中心、従ってボルト38の中心に車輪10の回転方向に作用する応力Fx1〜Fx4はそれぞれ下記の式5〜8により表される。
Fx1=kx(fx11−fx12)
=kx(fix11−fix12) ……(5)
Fx2=kx(fx21−fx22)
=kx(fix21−fix22) ……(6)
Fx3=kx(fx31−fx32)
=kx(fix31−fix32) ……(7)
Fx4=kx(fx41−fx42)
=kx(fix41−fix42) ……(8)
車輪10の回転半径、回転軸線14と軸線34との間の距離等により決定される係数をAx(正の定数)とすると、タイヤ18の接地点の中心Pに於いて路面56よりタイヤ18に作用する前後力Fxtは下記の式9により表される。
Fxt=Ax(Fx1+Fx2+Fx3+Fx4) ……(9)
また中間体32a〜32dの中心に軸線34に沿って作用する応力Fy1〜Fy4はそれぞれ応力fx*1+fx*2+fz*1+fz*2の和に比例するので、その比例定数をkyとすると、下記の式10〜13により表される。
Fy1=ky(fx11+fx12+fz11+fz12)
=ky{fix11+fix12+fiz11+fiz12−4(fio+fi1(T1))} ……(10)
Fy2=ky(fx21+fx22+fz21+fz22)
=ky{fix21+fix22+fiz21+fiz22−4(fio+fi2(T2))} ……(11)
Fy3=ky(fx31+fx32+fz31+fz32)
=ky{fix31+fix32+fiz31+fiz32−4(fio+fi3(T3))} ……(12)
Fy4=ky(fx41+fx42+fz41+fz42)
=ky{fix41+fix42+fiz41+fiz42−4(fio+fi4(T4))} ……(13)
車輪10の回転半径、回転軸線14と軸線34との間の距離等により決定される係数をAy(正の定数)とすると、タイヤ18の接地点の中心Pに於いて路面56よりタイヤ18に作用する横力Fytは下記の式14により表される。
Fyt=Ay(Fy1+Fy2+Fy3+Fy4) ……(14)
図6は中間体32a、32bにその軸線34に作用する径方向の応力Fzz及び軸線34に作用し回転トルク(Fxt/4Ax)が排除された回転方向の応力Fxxと軸線34に作用する上下方向の応力Fzとの関係を示す説明図である。図6より解る如く、回転軸線14の周りのボルトの位置に拘わらず、上下方向の応力Fzは径方向の応力Fzz及び回転トルクが排除された回転方向の応力Fxxの合力と考えることができる。
従って径方向の応力fz*1−fz*2に関する比例定数をkzとすると、中間体32a〜32dの中心に上下方向に作用する応力Fz1〜Fz4はそれぞれ下記の式15〜18により表される。
Fz1={(Fx1−Fxt/4Ax)+kz(fz11−fz12)1/2
={(Fx1−Fxt/4Ax)+kz(fiz11−fiz12)1/2 ……(15)
Fz2={(Fx2−Fxt/4Ax)+kz(fz21−fz22)1/2
={(Fx2−Fxt/4Ax)+kz(fiz21−fiz22)1/2 ……(16)
Fz3={(Fx3−Fxt/4Ax)+kz(fz31−fz32)1/2
={(Fx3−Fxt/4Ax)+kz(fiz31−fiz32)1/2 ……(17)
Fz4={(Fx4−Fxt/4Ax)+kz(fz41−fz42)1/2
={(Fx4−Fxt/4Ax)+kz(fiz41−fiz42)1/2 ……(18)
車輪10の上下運動の瞬間中心と各検出素子42及びタイヤ18の接地点の中心Pとの間の距離等により決定される係数をAz(正の定数)とすると、タイヤ18の接地点の中心Pに於いて路面56よりタイヤ18に作用する上下力Fztは下記の式19により表される。
Fzt=Az(Fz1+Fz2+Fz3+Fz4) ……(19)
以上の説明より解る如く、電子回路装置50は、各検出素子42より入力される電流信号及び温度センサ48より入力される温度信号に基づき、上記式5乃至9に従ってタイヤ18に作用する前後力Fxtを演算し、上記式10乃至14に従ってタイヤ18に作用する横力Fytを演算し、上記式5乃至9及び上記式15乃至19に従ってタイヤ18に作用する上下力Fztを演算する。
尚上下力Fztの演算には回転方向の応力Fx*及び前後力Fxtが使用されるので、前後力Fxtは上下力Fztに先立って演算されるが、横力Fytは前後力Fxt及び上下力Fztよりも先に演算されても後に演算されてもよい。またタイヤ18に作用する前後力Fxtは上記式9に上記式5乃至8が代入された式に従って演算されてもよく、タイヤ18に作用する横力Fytは上記式14に上記式10乃至13が代入された式に従って演算されてもよく、タイヤ18に作用する上下力Fztは上記式19に上記式5乃至9及び上記式15乃至18が代入された式に従って演算されてもよい。
かくして第一の実施例によれば、ホイール16の円板部16Aとハブ部材20のフランジ部28及びブレーキロータディスク22の円板部22Aとの間に応力が作用することによる各中間体32の曲げ変形に伴う表面の歪に基づいて、各中間体32に作用する車輪10の回転方向の応力Fx1〜Fx4、車輪10の横方向の応力Fy1〜Fy4、上下方向の応力Fz1〜Fz4を求めることができ、またこれらの応力に基づいて路面56よりタイヤ18に作用する前後力Fxt、横力Fyt、上下力Fztを正確に演算することができる。
特に第一の実施例によれば、各中間体32はその一端部が円板部22Aに設けられた窪み36に嵌入するよう配置される。従ってホイール16の円板部16A及びブレーキロータディスク22の円板部22Aに対し中間体32を所定の位置に容易に且つ正確に位置決めすることができ、また各中間体32の軸線34と対応するボルト38の軸線とを容易に且つ正確に整合させることができる。
また第一の実施例によれば、各中間体32はその全長に亘りボルト38に遊嵌合しているので、中間体32が少なくとも部分的にボルト38に密に嵌合している場合に比して、ボルト38が中間体32の弾性変形を阻害することを確実に防止することができ、これにより中間体32に作用する応力の検出のS/N比を高くすることができる。
[第二の実施例]
図7は本発明によるタイヤ作用力検知装置の第二の実施例を車輪の回転軸線を通る切断面(図6の線VII−VII)にて切断して示す断面図、図8は第二の実施例の要部を図7の線VIII−VIIIにて切断して示す断面図である。
尚図7及び図8に於いて図1及び図2に示された部材と同一の部材には図1及び図2に於いて付された符号と同一の符号が付されており、この第二の実施例について説明する点以外の構造は、上述の第一の実施例の構造と同一である。このことは後述の第三の実施例についても同様である。
この第二の実施例に於いては、上述の第一の実施例の場合と同様、回転軸線14の周りに互いに90°隔置された位置に四つの円筒状の中間体32が配置されている。しかし四つの中間体32は互いに独立しておらず、それらの一端と一体をなし回転軸線14の周りに円環状に延在する支持板33により互いに一体に接続されている。各中間体32の孔32Aは他端の側に小径部を有し、該小径部にてボルト38に実質的に密に嵌合するようになっている。
またこの第二の実施例に於いては、ブレーキロータディスク22の円板部22Aには上述の第一の実施例に於ける窪み36に相当する窪みは設けられていない。支持板33は円板部22Aに当接しており、これにより円板部16A及び22Aが互いに他に対し平行に相対変位しても、各中間体32が傾斜しないよう各中間体32の一端を支持している。
かくして図示の第二の実施例によれば、上述の第一の実施例の場合と同様に、円板部16A及び22Aが互いに他に対し平行に相対変位すると、各中間体32が弾性的に曲げ変形する。従って中間体32の表面の歪に基づいて各ボルト38の位置に作用する車輪10の回転方向の応力Fx1〜Fx4、車輪10の横方向の応力Fy1〜Fy4、上下方向の応力Fz1〜Fz4を求めることができ、またこれらの応力に基づいて路面56よりタイヤ18に作用する前後力Fxt、横力Fyt、上下力Fztを正確に演算することができる。
特に図示の第二の実施例によれば、四つの中間体32が支持板33により互いに一体に接続されており、四つの中間体32及び支持板33は一つの部品である。従って中間体32が筒状の部品であり、四つの中間体32が一体に接続されていない場合に比して、中間体32の部品点数を低減することができると共に、中間体32の組み付けを容易に且つ能率よく行うことができる。
また上述の第一及び第二の実施例によれば、温度センサ48より各中間体32の温度T1等が検出され、温度T1等に基づいて検出応力fix*1等が補正されることにより温度補正後の応力fx*1等が演算される。従って温度に基づく補正が行われない場合や、外気温又はフランジ部28等の一つの温度に基づいて補正が行われる場合に比して、各中間体32の温度の如何に拘わらず路面56よりタイヤ18に作用する前後力Fxt、横力Fyt、上下力Fztを正確に演算することができる。
また上述の第一及び第二の実施例によれば、各中間体32に作用する上下方向の応力Fz1〜Fz4は上記式15〜18等に従って、径方向の応力Fzz及び回転トルクが排除された回転方向の応力Fxxの合力として演算される。従って回転トルクが排除されない場合に比して、正確に上下方向の応力Fz1〜Fz4することができ、これにより路面56よりタイヤ18に作用する上下力Fztを正確に演算することができる。
[第三の実施例]
図9は本発明によるタイヤ作用力検知装置の第三の実施例を車輪の回転軸線を通る切断面(図10の線IX−IX)にて切断して示す断面図、図10は第三の実施例の中間体を図9の線X−Xにて切断して示す断面図である。
この第三の実施例に於いては、上述の第一及び第二の実施例の場合と同様、回転軸線14の周りに互いに90°隔置された位置に四つの中間体32が配置されている。しかし各中間体32の外形は車輪10の径方向に沿って延在する断面長円形をなしている。各中間体32は径方向内側の端部に接続部58を有し、接続部58は中間体32より径方向内方へ延在している。接続部58の内端は内部に電子回路装置50を収容するキャップ部材44に一体に接続されている。
また円板部22Aには第二の実施例に於ける窪み36に相当する窪みは設けられておらず、従って各中間体32の一端は窪みに嵌入することなく円板部22Aに当接している。また各中間体32の一端には第二の実施例に於ける支持板33に相当する支持板は一体に接続されていない。
また第三の実施例に於いては、各中間体32に設けられた孔32Aはその全長に亘り一定の直径を有し、その直径はボルト38の直径よりも大きく、これにより孔32Aはその全長に亘り遊嵌状態にてボルト38を受け入れるようになっている。
尚中間体32の組み付けに際しては、孔32Aの軸線34がブレーキロータディスク22の円板部22Aに設けられたボルト孔の軸線に整合するよう、キャップ部材44がハブ部材20に固定され、これにより各中間体32に設けられた孔32Aの軸線34が対応するボルト38の軸線に整合する状態に位置決めされる。
また第三の実施例に於いては、図10に示されている如く、各中間体32について見て、検出素子42は軸線34に対し車輪の径方向に垂直な方向の位置、即ち直線54上の位置に設けられている。図示の実施例に於いては、検出素子42は直線52上の位置には設けられておらず、温度センサも設けられていない。
電子回路装置50は、各ボルト38の中心に車輪10の回転方向に作用する応力Fx1〜Fx4をそれぞれ上記式5〜8に従って演算する。また電子回路装置50は、タイヤ18の接地点の中心Pに於いて路面56よりタイヤ18に作用する前後力Fxtを上記式9に従って演算する。
かくして図示の第三の実施例によれば、中間体32が周方向に湾曲変形する際の中間体32の表面部の歪に基づいて各ボルト38の位置に作用する車輪10の回転方向の応力Fx1〜Fx4を求め、これらの応力に基づいて路面56よりタイヤ18に作用する前後力Fxtを正確に演算することができる。
特に図示の第三の実施例によれば、中間体32の外形は車輪10の径方向に沿って延在する断面長円形をなしており、中間体32は径方向に垂直な方向には湾曲変形し易いが、径方向には湾曲変形し難い。従って中間体32が円筒形である場合に比して、車輪10の径方向に作用する応力の影響を低くして前後力Fxtを求めることができる。
また第三の実施例によれば、四つの中間体32が接続部58によりキャップ部材44に一体に接続され、四つの中間体32及びキャップ部材44が一つの部品を構成している。従って上述の第二の実施例の場合よりも更に一層部品点数を低減し、タイヤ作用力検出装置12の組み立てを容易に且つ能率よく行うことができる。
尚車輪10に作用する上下方向の力により中間体32は上下方向の剪断力を受け、各検出素子42より検出される力fx11〜fx41及びfx12〜fx42には上下方向の剪断力による誤差成分が含まれる。しかし上下方向の剪断力による誤差成分の方向は車輪10の回転軸線14に対し水平方向の両側に於いて互いに逆の方向であるので、上記式9の演算により上下方向の剪断力による誤差成分を消去することができる。
また車輪10に作用する横力により中間体32は上下方向の曲げ応力を受け、各検出素子42より検出される力fx11〜fx41及びfx12〜fx42には上下方向の曲げ応力による誤差成分が含まれる。しかし上下方向の曲げ応力による誤差成分の方向は車輪10の回転軸線14に対し上下方向の両側に於いて互いに逆の方向であるので、上記式5〜8の演算により上下方向の曲げ応力による誤差成分を消去することができる。
よって第三の実施例によれば、各中間体32には車輪10の周方向に互いに隔置された一対の検出素子42しか設けられていないが、車輪10に作用する上下方向の力や横力の影響を受けることなくタイヤ18に作用する前後力Fxtを正確に演算することができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の第一及び第二の実施例に於いては、各ボルトの中心に車輪10の回転方向に作用する応力Fx1〜Fx4に基づいてタイヤ18の接地点の中心Pに於いて路面56よりタイヤ18に作用する前後力Fxtが演算され、各ボルトの中心に軸線34に沿って作用する応力Fy1〜Fy4に基づいてタイヤ18の接地点の中心Pに於いて路面56よりタイヤ18に作用する横力Fytが演算され、各ボルトの中心に上下方向に作用する応力Fz1〜Fz4に基づいてタイヤ18の接地点の中心Pに於いて路面56よりタイヤ18に作用する上下力Fztが演算されるようになっているが、前後力Fxt、横力Fyt、上下力Fztの何れかの演算が省略されてもよい。
また上述の第一及び第二の実施例に於いては、電子回路装置50が応力Fx1〜Fx4、Fy1〜Fy4、Fz1〜Fz4を演算すると共に、前後力Fxt、横力Fyt、上下力Fztを演算するようになっているが、演算手段は車両の運動制御装置の如き車体に搭載された制御装置であり、該車体に搭載された制御装置に各検出素子42より入力される電流信号及び温度センサ48より入力される温度信号若しくは応力Fx1〜Fx4、Fy1〜Fy4、Fz1〜Fz4を示す信号が供給され、車体に搭載された制御装置により応力Fx1〜Fx4、Fy1〜Fy4、Fz1〜Fz4若しくは前後力Fxt、横力Fyt、上下力Fztが演算されるよう修正されてもよい。
同様に上述の第三の実施例に於いては、電子回路装置50が応力Fx1〜Fx4を演算すると共に、前後力Fxtを演算するようになっているが、演算手段は車両の運動制御装置の如き車体に搭載された制御装置であり、該車体に搭載された制御装置に各検出素子42より入力される電流信号若しくは応力Fx1〜Fx4を示す信号が供給され、車体に搭載された制御装置により応力Fx1〜Fx4若しくは前後力Fxtが演算されるよう修正されてもよい。
また上述の第一及び第二の実施例に於いては、各中間体32に温度センサ48が設けられ、各中間体毎に検出素子の温度特性に基づく検出応力の補正が行われるようになっているが、各車輪に一つの温度センサが設けられ、その検出値に基づいて当該車輪の全ての中間体32について検出素子の温度特性に基づく検出応力の補正が行われるよう修正されてもよく、また検出素子の温度による検出値の変動が小さい場合には、温度に基づく検出応力の補正が省略されてもよい。
また上述の第一又は第三の実施例に於いて、中間体32の一端に支持板が一体に接続されることによりブレーキロータディスク22等に対し傾斜しないよう支持されてもよく、逆に上述の第二又は第三の実施例に於いて、中間体32の一端がブレーキロータディスク22等に設けられた窪みに嵌入されることにより中間体32の一端がブレーキロータディスク22等に対し傾斜しないよう支持されてもよい。
また上述の第三の実施例に於いては、路面56よりタイヤ18に作用する上下力Ftzは演算されないようになっているが、各中間体32の両側に設けられた一対の検出素子42により検出される応力の差は車輪10の回転に伴って正弦波状に変化するので、応力の差の正弦波状に変化に基づいて行列演算により路面56よりタイヤ18に作用する上下力Ftzが演算されてもよい。
また上述の第三の実施例に於いては、中間体32の温度を検出する温度センサは設けられていないが、第三の実施例に於いても中間体32の温度又は車輪の温度に基づいて検出素子42の温度特性に基づく検出応力の補正が行われるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、四つの中間体32にそれぞれ検出素子42が設けられているが、複数の中間体32のうちの一部の中間体にのみ検出素子42が設けられ、それらの検出素子42の検出結果に基づいて前後力Fxt等が演算されるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、連結手段として四つのボルトが設けられており、これに対応して四つの中間体32が設けられているが、本発明のタイヤ作用力検出装置は車輪の回転軸線の周りに隔置された四つ以外の数、例えば五つ、六つ、八つの連結手段が設けられた車輪に適用されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、連結手段はボルト及びナットよりなる締結式の連結手段であるが、ホイールの円板部とホイール支持部材のホイール支持部とを連結することができるものである限り、好ましくは取り外し可能にホイールの円板部とホイール支持部材のホイール支持部とを連結することができるものである限り、例えばボルトと同様に車輪の回転軸線に平行に延在する棒状部材の先端にキャップ部材がビス、割りピン、回転ロック等の固定手段により固定される構造の如く、ボルト及びナット以外の連結手段であってもよい。
駆動輪に適用された本発明によるタイヤ作用力検知装置の第一の実施例を車輪の回転軸線を通る切断面(図2の線I−I)にて切断して示す断面図である。 第一の実施例の要部を図1の線II−IIにて切断して示す断面図である。 第一の実施例に於いて各検出素子により検出される応力を車輪のアウトボード側より見た状態にて示す説明図である。 各ボルトにその中心軸線に沿って作用する応力fyと各検出素子による検出応力fiとの関係を示すグラフである。 ホイールの円板部とブレーキロータディスクの円板部との間に車輪の回転方向の応力Fxが作用する場合に中間体の表面に軸線に沿って作用する応力を示す説明図である。 ボルトにその中心軸線に作用する径方向の応力Fzz及び中心軸線に作用する回転方向の応力Fxxと中心軸線に作用する上下方向の応力Fzとの関係を示す説明図である。 本発明によるタイヤ作用力検知装置の第二の実施例を車輪の回転軸線を通る切断面(図6の線VII−VII)にて切断して示す断面図である。 第二の実施例の要部を図7の線VIII−VIIIにて切断して示す断面図である。 本発明によるタイヤ作用力検知装置の第三の実施例を車輪の回転軸線を通る切断面(図10の線IX−IX)にて切断して示す断面図である。 第三の実施例の中間体を図9の線X−Xにて切断して示す断面図である。
符号の説明
10…車輪、12…タイヤ作用力検知装置、14…回転軸線、16…ホイール、18…タイヤ、20…ハブ部材、22…ブレーキロータディスク、32…中間体、32A…孔、36…窪み、38…ボルト、42…検出素子、44…キャップ部材、48…温度センサ、50…電子回路装置、56…路面

Claims (6)

  1. 回転軸線に垂直な円板部を有するホイールと前記ホイールの外周部に保持されるタイヤとを有する車輪と、車体により前記回転軸線の周りに回転可能に支持され前記回転軸線に垂直なホイール支持部にて前記ホイールを前記回転軸線の周りに回転可能に支持するホイール支持部材と、前記回転軸線に沿って延在し前記ホイールの前記円板部と前記ホイール支持部材の前記ホイール支持部とを連結する連結手段とを備えた車両に於いて、前記タイヤの接地点に作用するタイヤ作用力を検出するタイヤ作用力検出装置にして、前記連結手段が挿通され且つ前記連結手段により前記円板部と前記ホイール支持部との間に弾性圧縮された筒状の中間体と、前記中間体の筒状の外面の歪を検出することにより中間体に作用する応力を検出する応力検出手段と、検出された応力に基づいてタイヤ作用力を演算する演算手段とを有し、前記中間体の両端の少なくとも一方はそれを受ける前記円板部及び前記ホイール支持部の少なくとも一方に設けられた窪みに嵌入していることを特徴とするタイヤ作用力検出装置。
  2. 回転軸線に垂直な円板部を有するホイールと前記ホイールの外周部に保持されるタイヤとを有する車輪と、車体により前記回転軸線の周りに回転可能に支持され前記回転軸線に垂直なホイール支持部にて前記ホイールを前記回転軸線の周りに回転可能に支持するホイール支持部材と、前記回転軸線に沿って延在し前記ホイールの前記円板部と前記ホイール支持部材の前記ホイール支持部とを連結する連結手段とを備えた車両に於いて、前記タイヤの接地点に作用するタイヤ作用力を検出するタイヤ作用力検出装置にして、前記連結手段が挿通され且つ前記連結手段により前記円板部と前記ホイール支持部との間に弾性圧縮された筒状の中間体と、前記中間体の筒状の外面の歪を検出することにより中間体に作用する応力を検出する応力検出手段と、検出された応力に基づいてタイヤ作用力を演算する演算手段とを有し、前記中間体は両端の少なくとも一方に中間体の延在方向に垂直に延在する支持板を一体に有し、前記支持板は前記円板部に当接する状態にて前記ホイール支持部材に嵌合していることを特徴とするタイヤ作用力検出装置。
  3. 前記タイヤ作用力検出装置は前記回転軸線の周りに互いに隔置された複数の中間体を有し、前記支持板は前記回転軸線の周りの周方向に延在し、前記複数の中間体は前記支持板により互いに一体に接続されていることを特徴とする請求項に記載のタイヤ作用力検出装置。
  4. 前記中間体は円筒状をなすことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載のタイヤ作用力検出装置。
  5. 回転軸線に垂直な円板部を有するホイールと前記ホイールの外周部に保持されるタイヤとを有する車輪と、車体により前記回転軸線の周りに回転可能に支持され前記回転軸線に垂直なホイール支持部にて前記ホイールを前記回転軸線の周りに回転可能に支持するホイール支持部材と、前記回転軸線に沿って延在し前記ホイールの前記円板部と前記ホイール支持部材の前記ホイール支持部とを連結する連結手段とを備えた車両に於いて、前記タイヤの接地点に作用するタイヤ作用力を検出するタイヤ作用力検出装置にして、前記連結手段が挿通され且つ前記連結手段により前記円板部と前記ホイール支持部との間に弾性圧縮された筒状の中間体と、前記中間体の筒状の外面の歪を検出することにより中間体に作用する応力を検出する応力検出手段と、検出された応力に基づいてタイヤ作用力を演算する演算手段とを有し、前記中間体は前記車輪の径方向に長い長円の外形を有する筒状をなすことを特徴とするタイヤ作用力検出装置。
  6. 前記演算手段は前記筒状の外面に作用する応力に基づいて前記連結手段の位置に於いて前記車輪の回転方向に作用する応力、前記車輪の横方向に作用する応力、前記車輪の上下方向に作用する応力の少なくとも何れかの応力を演算し、前記何れかの応力に基づいて前記タイヤの接地点に於いてタイヤの前後方向に作用する応力、タイヤの横方向に作用する応力、タイヤの上下方向に作用する応力の少なくとも何れかの応力を演算することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載のタイヤ作用力検出装置。
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