JP5454049B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
即ち、請求項1に係る発明は、結着樹脂と、一部のイソシアネート基が未結合基である複数のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物で表面処理されたカーボンブラックと、酸価が5mgKOH/g以上、または水酸基価が5mgKOH/g以上である離型剤と、を含む静電荷像現像用トナーである。
前記離型剤が前記イソシアネート基と相互作用する官能基を少なくとも1つ有する請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像用現像剤である。
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーが少なくとも収容されるトナーカートリッジである。
請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、静電潜像保持体、該静電潜像保持体表面を帯電させるための帯電手段、前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、及び該静電潜像保持体表面に残存したトナーを除去するための清掃手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備えるプロセスカートリッジである。
静電潜像保持体と、該静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置である。
請求項2に係る発明によれば、前記離型剤が前記イソシアネート基と相互作用する官能基を有さない場合に比べて、凝集し難い静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項4に係る発明によれば、本願構成を有しないトナーを適用した場合に比べて、凝集物によって引き起こされる画像欠陥が抑制されるトナーカートリッジが提供される。
請求項6に係る発明によれば、本願構成を有しないトナーを適用した場合に比べて、凝集物によって引き起こされる画像欠陥が抑制される画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」ともいう。)は、結着樹脂と、一部のイソシアネート基が未結合基である複数のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物で表面処理されたカーボンブラックと、酸価が5mgKOH/g以上、または水酸基価が5mgKOH/g以上である離型剤(以下、「離型剤」ともいう。)と、を含むことを特徴とする。
前記複数のイソシアネート基を有する化合物(以下、「多価のイソシアネート化合物」ともいう。)で表面処理されたカーボンブラックを、以下「処理されたカーボンブラック」ともいうものとする。
本実施形態に係るトナーは、処理されたカーボンブラックと、酸価または水酸基価が5mgKOH/g以上を満たす特定の離型剤とを併用することで、凝集し難くく、色点の発生が抑制されるトナーとなる。
ここで、「凝集」とはトナーが貯蔵中又は現像機中などで、トナーの粒子が塊になることを言う。
また、本実施形態に係るトナーは、結着樹脂と処理されたカーボンブラックと離型剤とを含有するトナー粒子を含み、更に、外添剤等の他の成分を含んでもよい。
前記トナー粒子は前記3成分を含むが、更にその他の成分を含んでもよい。
前記カーボンブラックと未結合であるイソシアネート基がカーボンブラックの粒子の表面に存在すると、前記カーボンブラックと未結合であるイソシアネート基が離型剤中に入り込んだ構造をとり易くなり、離型剤とカーボンブラックとの親和性が強化されると考えられる。
また、離型剤が前記イソシアネート基と後述の相互作用する官能基を有する場合には、離型剤と処理されたカーボンブラックとの官能基同士の相互作用が更に強くなると考えられる。
これらの結果、離型剤の結晶成長を抑制することができるものと考えられる。
離型剤の結晶成長が抑制されることにより、トナー粒子の表面への離型剤の飛び出し(以下、「角だし」ともいう。)が抑制され、抑制の結果、離型剤のトナー粒子表面への露出が抑制されることから、トナー粒子の凝集が抑制されると考えられる。
また、外添剤を添加した場合、外添剤を添加しない上記の場合と同様に、離型剤のトナー粒子表面への露出が抑制されることから、外添剤がバラツキなく付着し易くなると考えられ、トナーが凝集し難くなると考えられる。また、トナーの粉体特性(例えば、トナーの流動性、均一性)が改善されると考えられる。
先ず、前記トナー粒子について説明する。
前記処理されたカーボンブラックに用いられるカーボンブラックとしては、イソシアネート基と結合可能な官能基をカーボンブラックの表面に有すること以外は特に制限はないが、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられる。前記カーボンブラックとしては、製造安定性に優れる点で、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が50ml/100g以上250ml/100g以下であるカーボンブラックが好ましい。尚、DBP(ジブチルフタレート)吸油量とは、ASTM D2414−6TTに定義されており、カーボンブラック100gに吸収されるDBP量(ml)が多いか少ないかを表すものである。
前記結着樹脂として具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジンが挙げられる。この中でも、特にポリエステルを結着樹脂とすることが好ましい。
前記離型剤としては、酸価が5mgKOH/g以上または水酸基価が5mgKOH/g以上である離型剤であればよいが、中でも、凝集し難い効果が大きい点で、酸価の値を満たすことが水酸基価の値を満たすことより好ましい。
ここで、本実施形態における酸価及び水酸基価の測定は、以下の方法により行う。
酸価及び水酸基価は、JIS K0070−1992に定められた方法(電位差滴定法)に準じて測定した値を採用する。但しサンプルが溶解しない場合は溶媒にジオキサン、THF等の溶媒を用いる。
水酸基価が5mgKOH/gより小さい場合には、処理されたカーボンブラックとの親和性が悪くなり、凝集しやすくなる。水酸基価が5mgKOH/g以上であれば凝集し難くなり、その水酸基価の値は高くなれば高くなるほど良好となるが、作業効率、吸湿性の観点から、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。
離型剤としては、ポリオレフィン類等のワックス、パラフィン類等のワックス、シリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスから選択される。
脂肪族炭化水素系ワックスから水酸基を有する炭化水素系ワックスを生成する一連の工程をアルコール転化と称する。アルコール転化には、種々の工程群を挙げることができるが、例えば、炭化水素系ワックスから上記炭化水素系ワックスのホウ酸エステルを生成し、上記炭化水素系ワックスのホウ酸エステルを加水分解して、水酸基を有する炭化水素系ワックスを生成する方法が挙げられる。アルコール転化の工程を利用して所望の特性を有する炭化水素系ワックスを得ることが、炭化水素系ワックスの酸基、水酸基、エステル基の転化率をコントロールしやすいという点で好ましい。
使用されるホウ酸と無水ホウ酸の添加量は、その混合物をホウ酸に換算して、原料の脂肪族炭化水素1molに対して0.001〜10mol、特に0.1〜1.0molが好ましい。
反応系に吹き込む分子状酸素含有ガスとしては酸素、空気、又はそれらを不活性ガスで希釈した広範囲のものが使用可能であるが、酸素濃度が1〜30容量%であるのが好ましく、より好ましくは3〜20容量%である。
液相酸化反応は通常溶媒を使用せず、原料の脂肪族炭化水素の溶融状態下で行われる。反応温度は120〜280℃、好ましくは150〜250℃である。反応時間は1〜15時間が好ましい。ホウ酸と無水ホウ酸はあらかじめ混合して反応系に添加するのが好ましい。ホウ酸のみを単独で添加すると、ホウ酸の脱水反応等が起こり好ましくない。また、ホウ酸と無水ホウ酸の混合触媒の添加温度は100℃〜180℃がよく、好ましくは110〜160℃であり、100℃より低い場合には系内に残存する水分等に起因して、無水ホウ酸の触媒機能が低下するので好ましくない。
反応終了後、反応混合物に水を加え、生成したワックスのホウ酸エステルを加水分解後、精製して、所望のワックスが得られる。
前記相互作用としては、離型剤がカーボンブラックに入り込んだ構造を取りやすいという点から、共有結合、特段のエネルギー付与、例えば、熱を加えるなどを行わなくても強い結合(相互作用)が形成されるイオン結合、水素結合、極性相互作用、ファンデアワールズ相互作用などを包含する。
例えば、離型剤が相互作用する官能基としてカルボキシル基を有する場合、カルボキシル基と処理されたカーボンブラックのイソシアネート基とが電気的な相互作用をするため、熱や光等の外部からのエネルギーの作用を受けても、絡み合いを容易に解除しない効果をもたらしていると考えられ、長期に亘り、効果が維持するものと考えられる。
離型剤の使用量としては、トナー中2質量%以上20質量%以下含まれることが好ましく、さらに好ましくは4質量%以上12質量%以下である。2質量%を超えるとオフセットが発生し難く、20質量%以下であるとトナーの粉体流動性が良化する点で好ましい。
上記トナー粒子は上記処理されたカーボンブラック及び特定の離型剤を用いて作製されることで、トナー粒子の表面への離型剤の角だしが抑制され、抑制の結果、離型剤のトナー粒子表面への露出が抑制されることから、トナー粒子の凝集が抑制されると考えられる。
また、外添剤を添加した場合、外添剤を添加しない上記の場合と同様に、離型剤のトナー粒子表面への露出が抑制されることから、外添剤がバラツキなく付着し易くなると考えられ、トナーが凝集し難くなると考えられる。また、トナーの粉体特性(例えば、トナーの流動性、均一性)が改善されると考えられる。
前記外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられ、該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
本実施形態に係るトナーにおけるトナー粒子100質量部に対する外添剤の比率としては、例えば、0.5質量部以上2.5質量部以下が挙げられる。
本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤は、既述の本実施形態に係るトナーを含有する。
本実施形態に係るトナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、静電潜像保持体と、該静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、既述の本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、を備えるものである。既述の本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤を用いるため、トナーの凝集が抑制されて、またトナーの流動性に伴う画像欠陥が抑制された画像が得られる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを供給する。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
図1に示す画像形成装置では、第4のユニット10Kにおいて、本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤を用いるため、トナーの凝集が抑制され、トナーの流動性に伴う画像欠陥が抑制された画像が得られる。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、既述の本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、静電潜像保持体、該静電潜像保持体表面を帯電させるための帯電手段、及び該静電潜像保持体表面に残存したトナーを除去するための清掃手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、を備えるものである。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの好適な一例の実施形態を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。なお、図2において符号300は被転写体を示す。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。
カーボンブラック(キャボット社製:BPL)10.0部、メチルシリルトリイソシアネート(松本交商(株)製、オルガチックスSI−310)3.5部、及び酢酸エチル100部を90℃の条件下、ボールミルにより充分に混合した後、未反応のトリイソシアネート化合物を洗浄し、引き続き乾燥することでトリイソシアネート処理カーボンブラックを得た。なおIRスペクトルにより2,260cm-1のイソシアネート基の吸収が観測されることから、メチルシリルトリイソシアネートの少なくともひとつのイソシアネート基は未結合のイソシアネート基として残留していることが確認された。
カーボンブラック(キャボット社製:BPL)10.0部、キシリレンジイソシアネート(三井化学(株)製、製品名タケネート500)3.5部、及び酢酸エチル100部を90℃の条件下、ボールミルにより充分に混合した後、未反応のジイソシアネート化合物を洗浄し、引き続き乾燥することでジイソシアネート処理カーボンブラックを得た。なおIRスペクトルにより2,260cm-1のイソシアネート基の吸収が観測されることから、キシリレンジイソシアネートの少なくともひとつのイソシアネート基は未結合のイソシアネート基として残留していることが確認された。
カーボンブラック(キャボット社製:BPL)10.0部、フェニルイソシアネート(純正化学社製、イソシアン酸フェニル)3.5部、及び酢酸エチル100部を90℃の条件下、により充分に混合した後、未反応のモノイソシアネート化合物を洗浄し、引き続き乾燥することでモノイソシアネート処理カーボンブラックを得た。なおIRスペクトルにより2,260cm-1のイソシアネート基の吸収は観測されなかった。
・トリイソシアネート処理カーボンブラックT1:60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5部
・イオン交換水:240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて10分間分散処理して平均粒径が250nmである着色剤(黒顔料)粒子が分散された黒着色剤分散液を調製した。
黒着色剤分散液1の調製において、トリイソシアネート処理カーボンブラックT1を、ジイソシアネート処理カーボンブラックD1、及びトリイソシアネート処理カーボンブラックM1にそれぞれ変更して、黒着色剤分散液をそれぞれ調製した。
スチレン280部、n−ブチルアクリレート120部、アクリル酸8部、ドデカンチオール8部、四臭化炭素4部を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、150nmであり、Tg=58℃、重量平均分子量Mw=33000、からなる粒子が分散された樹脂粒子分散液1が得られた。この分散液の固形分濃度は40%であった。
原料物質としてフィッシャートロプシュワックス(日本精鑞(株)製、FNP−92)1,000gをガラス製の円筒反応器に入れ、窒素ガスを少量(3リットル/分)吹き込みながら、140℃まで昇温した。ホウ酸/無水ホウ酸=1.4(モル比)の混合触媒48.24g(0.33mol)を加えた後、空気(21リットル/分)と窒素(18リットル/分)を吹き込みながら、180℃で2.5時間反応を行った。反応終了後反応混合物に等量の温水(95℃)を加え、反応混合物を加水分解して離型剤1を得た。離型剤1の水酸基価は65.0mgKOH/g、酸価は7mgKOH/gであった。
(酸価・水酸基価の測定)
離型剤を2g秤量し、150mlに溶解した後、この試料を用い、JIS K0070−1992の電位差滴定法により酸価・水酸基価を求めた。
原料物質としてフィッシャートロプシュワックス(日本精鑞(株)製、FNP−92)1,000gを用い、ホウ酸/無水ホウ酸=1.4(モル比)の混合触媒を0.10molに変えた以外は離型剤1の調製と同様にして離型剤2を得た。離型剤2の物性を表1に示す。
原料物質としてフィッシャートロプシュワックス(日本精鑞(株)製、FNP−92)1,000gを用い、180℃での反応時間を0.5時間に変えた以外は離型剤1の調製と同様にして離型剤3を得た。離型剤3の物性を表1に示す。
原料物質としてフィッシャートロプシュワックス(日本精鑞(株)製、FNP−92)1,000gを用い、ホウ酸/無水ホウ酸=1.4(モル比)の混合触媒を0.10molに変え、180℃での反応時間を0.5時間に変えた以外は離型剤1の調製と同様にして離型剤4を得た。離型剤4の物性を表1に示す。
原料物質としてフィッシャートロプシュワックス(日本精鑞(株)製、FNP−92)1,000gを用い、ホウ酸/無水ホウ酸=1.4(モル比)の混合触媒を0.10molに変え、180℃での反応時間を2.0時間に変えた以外は離型剤1の調製と同様にして離型剤5を得た。離型剤5の物性を表1に示す。
原料物質としてポリエチレンワックス(Baker petrolite社製、PW725)1,000gを用い、ホウ酸/無水ホウ酸=1.4(モル比)の混合触媒を0.10molに変え、180℃での反応時間を2.5時間に変えた以外は離型剤1の調製と同様にして離型剤6を得た。離型剤6の物性を表1に示す。
原料物質としてマイクロクリスタリンワックス(日本精鑞(株)製、HiMic−1090)1,000gを用い、ホウ酸/無水ホウ酸=1.4(モル比)の混合触媒を48.24g(0.33mol)に変え、180℃での反応時間を2.0時間に変えた以外は離型剤1の調製と同様にして離型剤7を得た。離型剤7の物性を表1に示す。
原料物質としてパラフィンワックス(日本精鑞(株)製、HNP−9)1,000gを用い、ホウ酸/無水ホウ酸=1.4(モル比)の混合触媒を48.24部(0.33mol)に変え、180℃での反応時間を2.0時間に変えた以外は離型剤1の調製と同様にして離型剤8を得た。離型剤8の物性を表1に示す。
原料物質としてパラフィンワックス(日本精鑞(株)製、HNP−9)1,000gを用い、ホウ酸/無水ホウ酸=1.4(モル比)の混合触媒を48.24部(0.33mol)に変え、180℃での反応時間を0.5時間に変えた以外は離型剤1の調製と同様にして離型剤9を得た。離型剤9の物性を表1に示す。
原料物質としてパラフィンワックス(日本精鑞(株)製、HNP−9)1,000gを用い、ホウ酸/無水ホウ酸=1.4(モル比)の混合触媒を0.10molに変え、180℃での反応時間を0.5時間に変えた以外は離型剤1の調製と同様にして離型剤10を得た。離型剤10の物性を表1に示す。
・離型剤1:100部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):5部
・イオン交換水:240部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が350nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調製した。
離型剤1の代わりに離型剤2〜10を用いた以外は離型剤分散液1と同様にして離型剤分散液2〜10を得た。
−トナー粒子(1)の作製−
・樹脂粒子分散液1:234部
・黒着色剤分散液T1:30部
・離型剤分散液1:40部
・ポリ塩化アルミニウム(浅田化学社製、PAC100W):1.8部
・イオン交換水:600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら52℃まで加熱した。52℃で120分保持した後、体積平均粒径D50が4.8μmの凝集粒子が生成していることを確認した。その後、この凝集体粒子を含む分散液に32部の樹脂粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を53℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液に、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを5.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、pHを5.0にて2時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー粒子(1)を得た。前記トナー粒子(1)の体積平均粒径D50vは5.5μm、形状係数は135であった。
トナー粒子(1)を100部に、平均粒径40nmのシリコンオイル処理酸化珪素粒子(RY50:日本エアロジル社製)1.3部をサンプルミルで混合し、トナー(1)を得た。
・トルエン:15部
・メチルメタクリレート・パーフルオロオクチルメタアクリレート共重合体
(Mw:5万、メチルメタクリレート・パーフルオロオクチルメタアクリレートの共重合比:75/25):1.5部
・メラミンビーズ(体積平均粒径:0.3μm):0.4部
上記成分を、攪拌しながら超音波分散器で10分間分散し被覆層形成液を得た。この被覆層形成溶液と平均粒径50μmのフェライト100部を真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃にて10分間攪拌後、減圧、トルエンを留去して、フェライト表面に樹脂被覆層を形成し、キャリアを得た。
トナー(1)を8部と、キャリア100部とを、V−ブレンダーで、40rpm×20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することにより現像剤(1)を得た。
(1)凝集性(2g法凝集度)
トナー(1)の凝集性は以下の凝集度試験により確認した。
静電荷像現像用トナー2gを秤量し、40℃湿度80%の雰囲気下で24時間保存し、保存トナーを15μmの開口を有する篩上に投入し、一定振動(振動数3600VPM、60Hzにより3分間)を加えて、篩上に残ったトナー量を秤量した。凝集度は下記式1に従って計算し、凝集性を評価した。
凝集度(%)=(篩上に残ったトナー(g)/2(g))×100 ・・・ 式1
(2)画像欠陥
A3用紙の白紙をプリントアウトした際の、トナー凝集体による斑点(色点)の個数、プリント枚数100枚における斑点の個数を数え評価とする。トナーは事前に40℃湿度80%のチャンバーに24時間保存したものを用いる。
少ないほど良く、許容できるのは9個までである。
実施例1において、トナー粒子(1)の作製に用いた離型剤分散液1を離型剤分散液2〜8に変更したこと以外、実施例1と同様にして、トナー(2)〜(8)及び現像剤(2)〜(8)を作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、トナー粒子(1)の作製に用いた黒着色剤分散液T1を黒着色剤分散液D1に、トナー粒子(1)の作製に用いた離型剤分散液1を離型剤分散液1、2にそれぞれ変更したこと以外、実施例1と同様にして、トナー(9)、(10)及び現像剤(9)、(10)を作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、トナー粒子(1)の作製に用いた黒着色剤分散液T1を黒着色剤分散液M1に変更したこと以外、実施例1と同様にして、トナー(11)及び現像剤(11)を作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
実施例2において、トナー粒子(2)の作製に用いた黒着色剤分散液T1を黒着色剤分散液M1に変更したこと以外、実施例2と同様にして、トナー(12)及び現像剤(12)を作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
実施例1において、トナー粒子(1)の作製に用いた離型剤分散液1を離型剤分散液9、10にそれぞれ変更したこと以外、実施例1と同様にして、トナー(13)、(14)及び現像剤(13)、(14)を作製し、実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト 22 駆動ローラ 24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段) 28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置 112 転写装置 116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部 118 露光のための開口部 200 プロセスカートリッジ
P、300 記録紙(被転写体)
Claims (6)
- 結着樹脂、一部のイソシアネート基が未結合基である複数のイソシアネート基を持つイソシアネート化合物で表面処理されたカーボンブラックと、酸価が5mgKOH/g以上、または水酸基価が5mgKOH/g以上である離型剤とを含む静電荷像現像用トナー。
- 前記離型剤が前記イソシアネート基と相互作用する官能基を少なくとも1つ有する請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像用現像剤。
- 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーが少なくとも収容されるトナーカートリッジ。
- 請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
静電潜像保持体、該静電潜像保持体表面を帯電させるための帯電手段、前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段、及び該静電潜像保持体表面に残存したトナーを除去するための清掃手段からなる群より選ばれる少なくとも一種と、
を備えるプロセスカートリッジ。 - 静電潜像保持体と、該静電潜像保持体表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に該トナー像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置。
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