JP5453933B2 - 電磁ユニット - Google Patents

電磁ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP5453933B2
JP5453933B2 JP2009133918A JP2009133918A JP5453933B2 JP 5453933 B2 JP5453933 B2 JP 5453933B2 JP 2009133918 A JP2009133918 A JP 2009133918A JP 2009133918 A JP2009133918 A JP 2009133918A JP 5453933 B2 JP5453933 B2 JP 5453933B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
stator
rotor
unit
teeth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009133918A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010259309A (ja
Inventor
章夫 鳥羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2009133918A priority Critical patent/JP5453933B2/ja
Publication of JP2010259309A publication Critical patent/JP2010259309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5453933B2 publication Critical patent/JP5453933B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K37/00Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors
    • H02K37/02Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of variable reluctance type
    • H02K37/04Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of variable reluctance type with rotors situated within the stators
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K37/00Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors
    • H02K37/02Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of variable reluctance type
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K37/00Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors
    • H02K37/02Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of variable reluctance type
    • H02K37/06Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of variable reluctance type with rotors situated around the stators
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K37/00Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors
    • H02K37/02Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of variable reluctance type
    • H02K37/08Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of variable reluctance type with rotors axially facing the stators
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K37/00Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors
    • H02K37/10Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of permanent magnet type
    • H02K37/12Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of permanent magnet type with stationary armatures and rotating magnets
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K37/00Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors
    • H02K37/10Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of permanent magnet type
    • H02K37/12Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of permanent magnet type with stationary armatures and rotating magnets
    • H02K37/14Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors of permanent magnet type with stationary armatures and rotating magnets with magnets rotating within the armatures

Description

本発明は、ステータユニット内にリング形コイルを備えた電磁ユニットに関するものである。
ロボット、産業機械などの技術分野に適用される小型モータでは、コイルの巻回や装着を容易化し、コイルの実装密度を向上させて高効率化やトルク特性を向上させることが求められている。
ここで、図28A,図28Bは特許文献1に記載されたリングコイルモータの例を示しており、図28Aはアウターロータ型、図28Bはインナーロータ型のステップモータである。
図28Aにおいて、1は固定軸、2,3は軸受、4はロータケース、5はロータヨーク、6,7はステータヨーク、8,9はリング形コイル、10はマグネット板である。
また、図28Bにおいて、11は回転軸、12,13は軸受、15はロータヨーク、16,17はステータヨーク、18,19はリング形コイル、20はマグネット板である。
ロータヨーク5,15及びステータヨーク6,7,16,17の対向面には歯が形成されており、これらの歯の間には永久磁石がそれぞれ配置されている。
上記モータでは、ロータの回転に伴い、内蔵された前記永久磁石の作用によってリング形コイル8,9,18,19に鎖交する磁束が変化する、すなわち、これらのコイルに無負荷誘起電圧が生じるように構成されている。このため、コイルに交番電流を通流することにより、モータにトルクが発生する仕組みとなっている。
これらのリングコイルモータでは、通常のモータのようにスロット内にコイルを配置する必要がなく、リング形コイルの製造も容易であると共に、ステータとロータとの相互作用によって高トルクを発生可能であるという特徴を有している。
特開平10−23732号公報(段落[0006]〜[0009]、図1,図8等)
一般に、狭いスペースにモータを配置して装置全体の小型化を図りたい場合には、軸方向の長さが短い扁平モータを使用することが望ましい。
しかし、図28A,図28Bに示したモータは、ラジアルギャップ、すなわちステータとロータとの対向面が形成するギャップが円筒形状であるモータを想定している。この種のモータは軸方向に長くなりがちなため、モータを扁平に形成することが難しい。特に、三相のコイルを軸方向に並べる場合には、モータの扁平化は一層実現しにくくなる。
更に、図28Bに示したインナーロータ型のモータでは、リング形コイル18,19の側部及び外周部をステータヨーク16,17によって囲む構造であるため、コイル18,19の構造が簡単であるにも関わらず、コイル18,19をステータヨーク16,17に組み込む場合に複雑な組立作業を要するという問題もある。
この組立作業を容易にするために、ステータヨーク16,17をそれぞれ軸方向中央部付近で2分割し、コイルを挟んだ後に結合するという方法が考えられるが、その場合にはステータコアにおける磁路が分断されるため、磁気抵抗が大きくなり、結果としてトルク低下を招くという問題がある。
一方、図28Aに示したアウターロータ型のモータによれば、ステータヨーク6,7の周囲にリング形コイル8,9を配置するため組立作業は容易であるものの、この種のアウターロータ型のモータを適用できる製品分野は必ずしも多くはない。
そこで、本発明の目的は、全体的に扁平化が可能であって組立も容易な電磁ユニットを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ステータとロータとの磁気的な相互作用によって高トルクを発生可能な電磁ユニットを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る電磁ユニットは、リング状のステータ磁性ヨークと、前記ステータ磁性ヨークの周方向に沿って規則的に配置された複数のステータ磁性歯列と、を有するリング状のステータコアと、
前記ステータコアと同軸上に近接して配置されるリング形コイルと、
からなるステータユニット、
及び、
ロータ磁極を有し、かつ、前記ステータユニットと同軸上に配置されるロータユニット、
を備えた電磁ユニットにおいて、
前記ステータ磁性歯列の各歯は、前記ステータ磁性ヨークから軸方向に沿って形成されており、
前記ステータ磁性歯列が同心円状に2列形成され、
前記2列のステータ磁性歯列の間に前記リング形コイルが配置されて、前記2列のステータ磁性歯列に挟まれるように前記ロータ磁極を配置すると共に、
前記2列のステータ磁性歯列はそれぞれ同数の磁性歯を有し、
前記ロータ磁極は、回転軸方向に磁化された永久磁石部と、この永久磁石部を回転軸方向に挟む二つの軟磁性部とにより構成され、
前記二つの軟磁性部は、前記2列のステータ磁性歯列に空隙を介して対向配置された第1列,第2列の磁性歯列をそれぞれ有しており、
一方の軟磁性部の第1列の磁性歯が一方のステータ磁性歯列の磁性歯に対向し、かつ第2列の磁性歯が他方のステータ磁性歯列の間隙に対向しているときに、
他方の軟磁性部については、前記第1列と同じ側の第1列の磁性歯が一方のステータ磁性歯列の間隙に対向し、かつ前記第2列と同じ側の第2列の磁性歯が他方のステータ磁性歯列の磁性歯に対向するものである。
請求項2に係る電磁ユニットは、請求項1に記載した電磁ユニットにおいて、前記ステータコアが、その周方向に沿って分割された複数の分割コアからなることを特徴とする。
請求項3に係る電磁ユニットは、請求項に記載した電磁ユニットにおいて、隣り合う前記分割コアの間に隙間を設けたことを特徴とする。
請求項4に係る電磁ユニットは、請求項1〜3の何れか1項に記載した電磁ユニットにおいて、前記ステータ磁性歯列の隣り合う歯同士を、前記ロータとの対向面から離れた位置において磁性体により連結したことを特徴とする。
本発明によれば、リング状のステータコアとリング形コイルとからなるステータユニットと、ロータ磁性歯列またはロータ磁極を有するリング状のロータユニットとを、同軸上に積層配置することにより、ステータ磁性歯列とロータ磁性歯列またはロータ磁極とが対向する電磁ユニットが構成される。また、この電磁ユニットを軸方向に複数連結することで、リング形コイルを有するリングコイルモータが構成される。
これにより、軸方向の長さが短い扁平な電磁ユニット及びリングコイルモータを、簡単な組立作業によって製造することができる。また、ステータ磁性歯列とロータ磁性歯列またはロータ磁極との磁気的な相互作用により、大きなトルクを発生させることが可能である。
更に、永久磁石部と軟磁性部とからなるロータユニットを備えた電磁ユニットを用いれば、リング状の永久磁石を用いる必要がなくなり、コストの低減が可能になる。
本発明の第1参考形態における主要部の分解斜視図である。 本発明の第1参考形態における主要部の組立後の斜視図である。 本発明の第2参考形態における主要部の分解斜視図である。 本発明の第2参考形態における主要部の組立後の斜視図である。 本発明の第3参考形態における主要部の分解斜視図である。 本発明の第3参考形態における主要部の組立後の斜視図である。 本発明の第2参考形態におけるトルク発生原理を説明するための図である。 本発明の第2参考形態におけるトルク発生原理を説明するための図である。 本発明の第2参考形態におけるトルク発生原理を説明するための図である。 図4A〜図4Cに示した電磁ユニットの発生トルクの説明図である。 本発明の第4参考形態におけるトルク発生原理を説明するための図である。 本発明の第4参考形態におけるトルク発生原理を説明するための図である。 本発明の第4参考形態におけるトルク発生原理を説明するための図である。 本発明の第4参考形態における発生トルクの説明図である。 本発明の第5参考形態における主要部の分解斜視図である。 本発明の第5参考形態における主要部の組立後の斜視図である。 本発明の第6参考形態を示す斜視図である。 本発明の第6参考形態における各電磁ユニットの発生トルク及び合成トルクの説明図である。 本発明の第7参考形態を示す斜視図である。 本発明の第7参考形態における各電磁ユニットの発生トルク及び合成トルクの説明図である。 本発明の各参考形態に使用可能な圧粉磁心の概要図である。 本発明の第8参考形態における電磁ユニットの主要部の分解斜視図である。 第8参考形態の作用を説明するための図である。 第8参考形態の作用を説明するための図である。 第8参考形態の作用を説明するための図である。 本発明の第実施形態における電磁ユニットの主要部の分解斜視図である。 ロータユニットのトポロジー変形を示す概念図である。 本発明の第実施形態におけるロータユニットの主要部の構成図である。 本発明の第9参考形態を示す斜視図である。 本発明の第実施形態におけるステータコアの斜視図である。 本発明の第実施形態におけるステータコアの主要部の斜視図である。 実施形態の変形例を示す斜視図である。 実施形態の変形例を示す斜視図である。 図14及び図15Aにおけるロータユニットの平面図である。 本発明の第10参考形態におけるロータユニットの平面図である。 図23における主要部の平面図である。 図24における主要部の平面図である。 本発明の第11参考形態におけるロータユニットの平面図である。 本発明の第12参考形態におけるロータユニットの平面図である。 従来技術の構成図である。 従来技術の構成図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、電磁ユニットに係る本発明の第1参考形態を示しており、図1Aは主要部の分解斜視図、図1Bは各部品を組み立てた状態の斜視図である。
図1Aにおいて、100Aはステータユニットであり、ステータコア101とリング形コイル300とから構成されている。なお、コイルは、一般には導線を複数回、巻回して構成するが、図では一つのリングとして表記してある。ステータコア101は、リング状のステータ磁性ヨーク102と、各歯が、前記ステータ磁性ヨーク102からその中心軸(z軸)に沿って形成され、かつ周方向に等間隔に配置された多数のステータ磁性歯列103と、を備えている。なお、図中のx軸,y軸は、z軸に直交してステータ磁性ヨーク102の半径方向の軸を示す。
また、200Aはロータユニットであり、z軸方向に若干の長さを持つ円筒状のロータ磁性ヨーク201と、その外周面に沿って多数配置されたロータ磁性歯列202とを備えている。これらのロータ磁性歯列202は、ロータユニット200Aの半径方向(x軸,y軸方向)に突設されている。
ここで、ステータユニット100A及びロータユニット200Aの最大外径はほぼ等しい長さに形成されている。
図1Bは、前記ステータユニット100A及びロータユニット200Aをz軸に沿って積層し、組み立てた状態の斜視図である。この図1Bでは、見やすくするために一部を省略して表示している。
図1Bに示すように、ステータ磁性歯列103の内側に位置するように、ステータ磁性ヨーク102と同軸上にリング形コイル300が載置され、更に、ロータユニット200Aのロータ磁性ヨーク201が同軸上に載置されて全体が形成される。
これにより、ロータ磁性歯列202とステータ磁性歯列103とは、z軸に直交する面(x−y軸上の平面)が互いに対向することになる。
次に、図2は、電磁ユニットに係る本発明の第2参考形態を示しており、図2Aは主要部の分解斜視図、図2Bは各部品を組み立てた状態の全体の斜視図である。
図2Aにおいて、ステータユニット100Aの構成は図1Aと同様である。ロータユニット200Bは、図1Aにおけるロータユニット200Aとほぼ同様にロータ磁性ヨーク203とロータ磁性歯列204とから構成されているが、ロータユニット200Bの最大外径はステータ磁性歯列103の内径よりも短くなっている。
図2Bは、前記ステータユニット100A及びロータユニット200Bをz軸に沿って積層し、組み立てた状態の斜視図である。この図2Bでも、見やすくするために一部を省略して表示している。
図2Bに示す如く、ステータ磁性歯列103の内側に位置するように、ステータ磁性ヨーク102と同軸上にリング形コイル300が載置され、更に、ロータユニット200Bが同軸上に載置されて全体が形成される。この参考形態では、ロータユニット200Bの最大外径がステータ磁性歯列103の内径よりも短いため、ステータ磁性歯列103の内側にロータユニット200Bが収容される。これにより、ステータ磁性歯列103の内周面とロータ磁性歯列204の外周面(何れの面も、z軸に平行な面である)とが対向することになる。
図3は、電磁ユニットに係る本発明の第3参考形態を示しており、図3Aは主要部の分解斜視図、図3Bは各部品を組み立てた状態の斜視図である。
図3Aにおいて、ステータユニット100Aの構成は図1A,図2Aと同様である。ロータユニット200Cは、リング状のロータ磁性ヨーク205とその外周面に多数配置されたロータ磁性歯列206とから構成されているが、ロータ磁性歯列206の内径はステータ磁性歯列103の外径よりも長くなっている。
図3Bは、前記ステータユニット100A及びロータユニット200Cをz軸に沿って積層し、組み立てた状態の斜視図である。この図3Bでも、見やすくするために一部を省略して表示している。
図3Bに示す如く、ステータ磁性歯列103の内側に位置するように、ステータ磁性ヨーク102と同軸上にリング形コイル300が載置され、更に、ステータ磁性歯列103をロータ磁性歯列206が包囲するようにロータユニット200Cが同軸上に載置されて全体が形成される。この参考形態では、ロータ磁性歯列206の内径がステータ磁性歯列103の外径よりも長いため、ロータ磁性歯列206の内側にステータユニット100Aが収容される。これにより、ステータ磁性歯列103の外周面とロータ磁性歯列206の内周面(何れの面も、z軸に平行な面である)とが対向することになる。
こで、ロータ磁性歯列とは、例えば鉄のような磁性体の凸凹部が周方向に規則的に並んでいるものをいい、また、ロータ磁極とは、磁石によって形成されるN極,S極が周方向に規則的に並んでいるものをいう。なお、ステータ磁性歯列とは、ロータ磁性歯列と同様に磁性体の凸凹部が周方向に規則的に並んでいるものをいう。
ここで、これらの電磁ユニットにおけるトルク発生の原理を説明する。図4A〜図4Cはトルク発生原理を説明するための図であり、これらの図では図2A,図2Bに示した第2参考形態の電磁ユニットを例示してある。
第2参考形態の電磁ユニットでは、ステータ磁性歯列103がステータ磁性ヨーク102の周方向に沿って等間隔に配置されている。このステータ磁性歯列103の内側に、ロータ磁性歯列204が対向配置される。また、リング形コイル300は、図4AのA−A断面図や図4BのA’−A’断面図に示される如く、ステータ磁性歯列103に沿って、ステータ磁性歯列103、ステータ磁性ヨーク102、ロータ磁性歯列204及びロータ磁性ヨーク203に挟まれた空間に配置されている。ここで、ステータ磁性歯列103及びロータ磁性歯列204の歯数は等しい。
なお、リング形コイル300の巻数にトルク発生原理上の制約はなく、コイル300に印加される電源の電圧に応じて適切に定めれば良い。
図4Aは、ステータ磁性歯列103及びロータ磁性歯列204の位置が揃っている状態を示している。A−A断面図に示すように、この状態ではステータ磁性歯列103及びロータ磁性歯列204を含む磁性体がリング形コイル300の電流通流方向を囲んでおり、この磁性体内部に、コイル300の電流によって発生する磁路aが形成される。この状態は、ロータの位置としては最も磁気的に安定な状態(低磁気エネルギー状態)であり、コイル300に電流を通流してもトルクは発生しない。
図4Bは、ステータ磁性歯列103及びロータ磁性歯列204の位置が完全にずれている状態を示している。この状態では、A’−A’断面図に示すように、リング形コイル300の電流通流方向を囲む磁路aに大きな空間が存在しており、図4Aに比べて磁路aの磁気抵抗が大きくなり、電流による発生磁束は図4Aよりも小さくなる。
この状態は、ロータの位置としては最も磁気的に不安定な状態(高磁気エネルギー状態)であり、コイル300に電流を通流しても理論上はトルクが発生しない。しかし、実際には、ロータの位置が僅かにずれることにより、磁気エネルギーが小さくなって磁気的に安定するような方向にトルクが発生する。
ステータ磁性歯列103の隣合う歯のピッチを例えば1ピッチとすると、図4Cは、ステータ磁性歯列103とロータ磁性歯列204とが、(1/4)ピッチだけずれている状態である。この状態では、コイル300に電流を通流することで磁束が発生し、ステータ磁性歯列103とロータ磁性歯列204とが揃おうとするトルクが矢印b方向に発生する。換言すると、両歯列103,204が揃っている状態が磁気的に最も安定な状態(低磁気エネルギー状態)であるため、その状態になろうとするトルクが発生する。
次に、図5は、図4A〜図4Cに示した電磁ユニットの発生トルクを説明するための図である。
コイル300を流れる電流が一定である時のステータ磁性歯列103とロータ磁性歯列204との位置ずれ角θ(ステータ磁性歯列103及びロータ磁性歯列204の位置が揃っている状態をθ=0°とし、歯の1ピッチを360°とする。)によるトルクの変化は、概略、図5のようになる。図5ではトルクの変化を簡易的に正弦波で示しているが、実際にはθに対するトルクの変化は正弦波とは限らず、一般に高調波を含む歪み波形となる。図5では、ステータ磁性歯列103とロータ磁性歯列204との位置関係を模式図的に併記してある。
なお、ステータ側、ロータ側が共に磁性歯列のみを有する場合には、電流の極性を変更しても、トルク−θ特性は同じになる。
次いで、図6A〜図6Cは本発明の第4参考形態の電磁ユニットにおけるトルク発生原理を示している。この第4参考形態は、ロータユニットがロータ磁性歯列ではなくロータ磁極(前述したように、磁石によって形成されるN極,S極が周方向に規則的に並んでいる構造)を有する場合のものである。
ステータユニット100Aの構成は、第2参考形態(図2A,図2B,図4A〜図4C)と同様である。
ロータユニットの構成は、第2参考形態におけるロータユニット200Bのロータ磁性歯列204をロータ磁極に置き換えたものに相当しており、図6A〜図6Cに示すように、リング状のステータコア101の内側に同心円状にロータユニット200Dが配置されている。ロータユニット200Dは、リング状のロータ磁性ヨーク203と、このヨーク203の周方向に沿って多数、配置されたロータ磁極207とから構成されている。
ステータ磁性歯列103の内周面には、ロータ磁極207の外周面が対向している。また、図6A〜図6Cに示す如く、ステータ磁性歯列103に沿って、このステータ磁性歯列103とステータ磁性ヨーク102、ロータ磁極207及びロータ磁性ヨーク203に挟まれた空間にリング形コイル300が配置されている。ここで、ステータ磁性歯列103とロータ磁極207のN極,S極の対(ロータ磁極対)数は等しい。
参考形態におけるロータ磁極207の構成方法は様々考えられるが、最も単純なものは、N極,S極に対応した永久磁石を配置する構造である。
図6Aは、ステータ磁性歯列103及びロータ磁極207のN極の位置が揃っている状態を示している。この場合、ロータ磁極207が作る磁束とコイル300の電流による磁束とが、共にB−B断面図に示す磁路aの方向に発生する。この状態はロータユニット200Dの位置及び電流極性について、磁気的に最も安定な状態であり、トルクは発生しない。なお、電流極性が逆になると、ロータ磁極207が作る磁束とコイル300の電流による磁束との極性が相反するようになり、磁気的には最も不安定な状態となる。
図6Bは、ステータ磁性歯列103及びロータ磁極207のS極の位置が揃っている状態を示している。この場合、図6Aと電流極性が同じならば、ロータ磁極207が作る磁束とコイル300の電流による磁束との極性が相反するため、磁気的に最も不安定な状態となり、原理的にはトルクは発生しない。しかし、実際にはロータの位置が僅かにずれることによって、図6Aの状態になるようにトルクが発生する。
図6Cは、ステータ磁性歯列103とロータ磁極207のN極,S極の境界部とが対向している状態を示している。この状態でコイル300に図6Aに示した極性の電流を通流すると、ステータ磁性歯列103とロータ磁極207のN極とが揃う方向(図6Cにおける矢印b方向)にトルクが発生する。逆に、図6Aと反対極性の電流をコイル300に通流すると、ステータ磁性歯列103とロータ磁極207のS極とが揃う方向(図6Cにおける矢印c方向)にトルクが発生する。
このように、ロータ磁極207が存在する場合には、コイル300に通流する電流の極性によって発生トルクの方向が変化する点が、第2参考形態のようにロータ磁性歯列204を有する場合と異なる。なお、ロータユニットがロータ磁極207とロータ磁性歯列204との両方を備えている場合には、両特性を合成したトルク特性が現れることとなる。
図7は、図6A〜図6Cに示した電磁ユニットの発生トルクを説明するための図である。
コイル300を流れる電流が一定である時のステータ磁性歯列103とロータ磁極207との位置ずれ角θ(ステータ磁性歯列103及びロータ磁極のN極の位置が揃っている状態をθ=0°とし、歯の1ピッチを360°とする)によるトルクの変化は、概略、図7のようになる。図5の場合と同様に、θに対するトルクの変化は正弦波とは限らず、一般に高調波を含む歪み波形となる。図7では、ステータ磁性歯列103とロータ磁極207との位置関係を模式図的に併記してある。
この参考形態によれば、コイル300に通流する電流の極性を反転することにより、トルクの極性が反転する。
以上のように、上述した各参考形態によれば、リング形コイル300を備えた電磁ユニットにおいて、電流とロータ磁性歯列またはロータ磁極の位置とに応じたトルクを発生することができる。ただし、各1個のステータユニット及びロータユニットからなる1個の電磁ユニットの発生トルクは脈動トルクであり、連続的かつ一方向にトルクを発生することができない。よって、連続的かつ一方向にトルクを発生させ、モータとして機能させるためには、後述するように前記電磁ユニットを複数個組合せて使用する必要がある。
第1〜第4参考形態に示したように電磁ユニットを構成すれば、この電磁ユニットを用いるモータを全体的に扁平化、薄形化することができる。また、ステータ磁性ヨーク102の内側にリング形コイル300を嵌め込めば良いため、ステータユニット100Aの組立も極めて容易である。更に、ロータユニット200A〜200Dとステータユニット100Aとをz軸方向に嵌合させれば良いから、電磁ユニットの組立性も良好である。
なお、ロータユニット200A〜200D及びステータユニット100Aの支持機構については図示していないが、z軸方向及びx軸,y軸方向(半径方向)の位置を維持しつつ、周知の機構によって相対的に回転可能に保持すれば良い。
また、ステータ磁性歯列の数とロータ磁性歯列あるいはロータ磁極対の数とは、必ずしも等しくする必要はない。その理由は、前述したように、ロータの回転に応じて磁気エネルギーが変化すればトルクが発生するからである。
更に、ステータコア、ロータユニットは、いずれも周方向に分割可能とすることができる。すなわち、構造に周方向の周期性があるため、例えば120°毎、90°毎に同形状のコア、磁極を周方向に並べて配置することによって、図1A〜図3B等に示すステータコア、ロータユニットを構成することができる。それらの結合は接着によってもよいし、または図示しない支持構造によってもよい。本発明に係る電磁ユニットまたはモータでは、磁束が主にリングコイルを囲むように流れ、周方向には殆ど流れないため、上記のようなコアの分割による影響が少ないという特徴がある。
なお、一般的に平面よりも円筒面の方が加工上の観点からは高精度化が容易である。このため、第1参考形態のようにステータ磁性歯列とロータ磁性歯列またはロータ磁極との対向面がz軸に直交する面である場合よりも、第2〜第4参考形態のように、ステータ磁性歯列とロータ磁性歯列またはロータ磁極との対向面を、ステータ磁性歯列の半径方向に沿って内側または外側に形成する方が良い。これにより対向面間の距離を短くすることができ、コイル300から見た磁気抵抗を小さくすることができるため、発生磁束が増えてトルクを大きくし易くなる。
図8A,図8Bは、電磁ユニットに係る本発明の第5参考形態を示しており、図8Aは主要部の分解斜視図、図8Bは各部品を組み立てた状態の斜視図である。この図8Bでも、見やすくするために一部の図示を省略してある。
図8Aにおいて、100Bはステータユニットであり、ステータコア104とリング形コイル300とから構成されている。ステータコア104は、リング状のステータ磁性ヨーク105と、ヨーク105の端面(z軸に直交する面)に、周方向に沿って互いに等間隔に配置された第1のステータ磁性歯列106と、その内側に所定の隙間をおいて、周方向に沿って互いに等間隔に配置された第2のステータ磁性歯列107とからなっている。
また、200Eはロータユニットであり、リング状のロータ磁性ヨーク208と、その端面(z軸に直交する面)に、周方向に沿って互いに等間隔に配置されたロータ磁性歯列209とから構成されている。このロータ磁性歯列209は、図8Bに示すように、ステータコア104側の第1のステータ磁性歯列106と第2のステータ磁性歯列107との間の隙間に収容可能となっている。つまり、本参考形態は、同心円状に配置された2列のステータ磁性歯列106,107に挟まれるように、ロータ磁性歯列209が配置される構造である。ここで、図示しないが、ロータユニットが、ロータ磁性歯列209の代わりにロータ磁極を備え、このロータ磁極が2列のステータ磁性歯列106,107に挟まれるように配置しても良い。
参考形態によれば、ロータ磁性歯列209またはロータ磁極が対向する2列のステータ磁性歯列106,107のそれぞれに対してトルクを発生させることができるため、トルクを一層大きくすることができる。
次に、図9はリングコイルモータに係る本発明の第6参考形態を示す斜視図である。この参考形態は、ロータユニットがロータ磁性歯列のみを有する電磁ユニット、例えば第2参考形態(図2A,図2B)に係る電磁ユニット401をz軸方向に3個連結して、リングコイルモータを構成したものである。なお、以下に述べるように電磁ユニット401を4個以上連結しても良い。
前述したように、電磁ユニットは脈動トルクを発生するため、連続的にトルクを得るためには複数個の電磁ユニットを連結する必要がある。ここで、連結する電磁ユニットの数に関して考察すると、ロータユニットが、ロータ磁性歯列のみを有していてロータ磁極を有しない場合、前述した如く電流極性が反転しても発生トルクが変わらない。従って、原理的には3個以上の電磁ユニットを用いてモータを構成する必要がある。
図9には現れていないが、3個のロータユニット及び3個のステータユニットは、それぞれ機械的に連結されて各1個のロータ及びステータを形成しており、ロータユニットとステータユニットとは相対的に回転可能に保持されている。
なお、対向するロータユニットとステータユニットの組についての磁性歯列の相対的な位置関係(ロータ磁性歯列とステータ磁性歯列との相対的な位置関係)は、3個の電磁ユニット401の間で互いに(1/3)歯ピッチずれているが、その理由については後述する。ここで、上記の歯ピッチとは、ステータ磁性歯列の隣り合う歯同士の間隔をいう。
図9には、一つの電磁ユニット401を基準とした上記位置関係を示すために、z軸に平行な基準線dを表示してある。
図9では、3個の電磁ユニット401の間でステータ磁性歯列103の位置が基準線dを基準としてずれており、ロータ磁性歯列に関しては揃っている。しかし、上述のようにロータ磁性歯列とステータ磁性歯列との相対的な位置関係がずれていれば良いので、例えば3個の電磁ユニット401の間でステータ磁性歯列の位置を揃え、ロータ磁性歯列の位置をずらしても良い。
図10は、図9に示した第6参考形態における各電磁ユニットの発生トルクと合成トルクを説明するための図である。
図10において、(a)は、第1の電磁ユニット401における、電流一定の場合のトルク−θ特性であり、図5に示したものと同じである。ここで、位置ずれ角θに応じて図10(b)に示す電流(間欠的な波形とする)をコイル300に通流すると、図10(c)に示すようなトルクが第1の電磁ユニット401に発生する。これは、図10(a)においてトルクが負となる期間に電流を通流すると、前述のとおり電流極性に依らず連続的に得たいトルクの方向とは逆方向のトルクが発生してしまうため、その期間は電流を通流していないことによる。
図9に示した3個の電磁ユニット401は、それぞれステータ磁性歯列とロータ磁性歯列とが位置ずれ角θ=120°ずつ、ずれるように配置される。これは、電磁ユニット401が3個であるため、θ=360°で1周期となるトルク特性が均等に分散するように、360°/3=120°としたものである。このように、モータを構成する電磁ユニット401の個数に応じて、各電磁ユニット401の配置(各電磁ユニット401間の位置ずれ角θ)を設定すれば良い。
図10(d)は、3個の電磁ユニット401のトルクとその合成トルクを示している。前述した如く、3個の電磁ユニット401のロータユニット、ステータユニットはそれぞれ機械的に連結されてロータ、ステータを構成し、その全体によりモータが構成されているので、ロータに発生するトルクは3個の電磁ユニット401のトルクの合計値となる。これを示したのが、図10(d)の合成トルクである。
図10(d)に示した合成トルクは、一定のトルクに脈動成分が重畳した波形となっていることから、連続的なトルク発生が可能であることが分かる。これが、本発明に係るリングコイルモータのトルク発生の原理である。
なお、合成トルクに重畳される脈動分は除去することが望ましい場合が多い。この脈動分を除去する方法としては、コイル300に通流する電流の波形を調整すれば、トルクの脈動成分を極小化することが可能である。なお、コイル300への電流通流は通常、インバータ等の電力変換器を用いて行うため、波形調整の自由度は一般に高い。
上記の説明は、ロータユニットがロータ磁極を有さない場合のものである。しかし、ロータユニットがロータ磁極を有する場合も本発明は適用可能である。すなわち、電磁ユニットを3個以上用い、それぞれの電磁ユニットにおける無負荷誘導起電力が等間隔位相差となるように各電磁ユニット間の位置を決め、電磁ユニットの個数に応じた相数(例えば、電磁ユニット3個の場合には三相)の電流を各コイルに通流することによって、同様にモータとして機能させることができる
次いで、図11はリングコイルモータに係る本発明の第7参考形態を示す斜視図である。
この参考形態は、ロータユニットがロータ磁極210を有しており、このロータユニットとステータユニットからなる電磁ユニット402を2個、z軸方向に背中合わせに連結して扁平なモータを構成したものである。
各ロータユニットにおいては、N極,S極のロータ磁極210が周方向に交互に配置されており、これらのロータ磁極210の外周面がステータ磁性歯列103の内周面に対向している。
図11においては、図6A〜図6Cに示した電磁ユニットとほぼ同様の構造の電磁ユニット402を2個、ステータ磁性ヨーク102が背中合わせになるようにz軸に沿って背中合わせに連結してある。図11には現れていないが、各電磁ユニット402を構成する2つのロータユニット及び2つのステータユニットは、それぞれ機械的に連結されており、周知の機構によって相対的に回転可能に保持されている。
対向するロータユニットとステータユニットの組についての相対的な位置関係(ロータ磁極とステータ磁性歯列との相対的な位置関係)は、2個の電磁ユニット402の間で(1/4)歯ピッチずれているが、その理由については後述する。図11において、eは2個の電磁ユニット402の間の、ロータ磁極210とステータ磁性歯列103との相対的な位置関係を示すための基準線である。
図11では、2個の電磁ユニット402の間でステータ磁性歯列103の位置が基準線eを基準としてずれており、ロータ磁極210に関しては揃っている。しかし、上述のようにロータ磁極とステータ磁性歯列との相対的な位置関係がずれていれば良いので、例えば2個の電磁ユニット402の間でステータ磁性歯列の位置を揃え、ロータ磁極の位置をずらしても良い。
次いで、図12は、図11に示した第7参考形態における各電磁ユニット402の発生トルクと合成トルクを説明するための図である。
図12において、(a)は、第1の電磁ユニット402における、電流一定の場合のトルク−θ特性であり、図10(a)に示したものと同じである。ここで、位置ずれ角θに応じて図12(b)に示す電流をコイル300に通流すると、図12(c)に示すようなトルクが第1の電磁ユニット402に発生する。図10の場合と異なり、電流としては交番電流を与えるものとし、その結果、図12(c)のように正側にバイアスのある脈動トルクが得られる。図12(a)において、トルクが負となる期間には電流極性を反転させることで、所望の方向にトルクを発生することができる。
電磁ユニット402が2個の場合、ステータ磁性歯列とロータ磁極との位置関係は、位置ずれ角θ=90°となるように配置されている。2個の電磁ユニット402の発生トルクは図12(d)のようになり、これらの合計値がモータとしての合成トルクとなる。
図12では、(a)のトルク−θ特性と(b)の通流電流波形が共に正弦波である場合について示してあり、この場合には、図12(d)に示すように合成トルクがほぼ一定値になる。これは、2つの電磁ユニット402の発生する脈動トルクがお互いに相殺し合うためであり、一つの理想状態である。
実際には、トルク−θ特性は高調波を含むことが多く、その場合には、コイル300に正弦波電流を通流すると高調波に応じた脈動トルクが重畳することになる。一定のトルクを得るためには、モータの磁気設計によってトルク−θ特性における高調波を極力減らすこと、及び、高調波による脈動トルクを打ち消すような電流波形とすることが有効である。図10について説明したのと同様に、コイル300に通流する電流波形の調整は、インバータによって高い自由度で実現可能である。
図13は、上記各参考形態におけるステータユニットまたはロータユニットの磁性材料に適した圧粉磁心の概要図である。
本発明を実現する場合、ステータユニットまたはロータユニットの磁性材料として通常の積層綱板を使用するのは明らかに困難である。積層綱板は電気機器の鉄心材料として多用されているが、基本的には同じ形状の板を重ねて構成するため、断面形状が均一な機器用の材料と言える。従って、断面形状に均一性のないステータユニット等を有する電磁ユニットを実現するためには、積層綱板以外の材料を用いる必要がある。
上記の課題は、圧粉磁心を用いることによって解決可能である。圧粉磁心は、図13に示す如く、数10〜数100μm程度の径を有する磁性粉(例えば鉄粉)501を絶縁物502によりコーティングしたものを硬化させて使用される。具体的には、所望の形状を有する型を用意し、この型に圧粉磁心を注入して成形し、硬化させれば良い。
このように磁性材料として磁性粉501を用いることで透磁率を高めると共に、絶縁物502を用いたコーティングによって磁束変化に伴う渦電流を抑制し、損失を低減させることができる。
以上のように、圧粉磁心を用いれば形状の自由度が向上するので、本発明に係る電磁ユニットやリングコイルモータを構成する磁性材料として好適である。
次に、図14は、本発明の第8参考形態における電磁ユニットの主要部の斜視図である。なお、この図は電磁ユニットの回転方向(周方向)に沿った一部を示したものであり、図14と同一の構造が電磁ユニットの全周にわたり周期的に形成されている。
ロータ磁極の構成方法としては、図11に示したように、リング状の永久磁石を用い、その周方向に沿ってN極,S極を交互に着磁することが考えられる。また、他の方法としては、リング状の磁性ヨークの内周部及び外周部に大小二つのリング状の永久磁石を貼り付けることもできる。
しかし、一般に、リング状の永久磁石は高価であるため、より安価で同等の作用を果たすロータ磁極の提供が望まれており、本発明の第8参考形態はこの課題に応えるものである。
すなわち、図14において、100Fはステータユニット、120は外側のステータ磁性歯列を構成する磁性歯、130は内側のステータ磁性歯列を構成する磁性歯であり、外側の磁性歯120の総数と内側の磁性歯130の総数とは等しくなっている。125は外側のステータ磁性歯列の間隙、135は内側のステータ磁性歯列の間隙である。
また、200Fはリング状のロータユニットであり、上述した内外2列のステータ磁性歯列の間に僅かな空隙を介して配置されている。このロータユニット200Fは、回転方向にネオジム磁石等からなる永久磁石部221と鉄系の合金等からなる軟磁性部222とを交互に配置して構成されている。永久磁石部221の総数は磁性歯120,130の総数に等しく、軟磁性部222の総数も磁性歯120,130の総数に等しい。
これらの永久磁石部221及び軟磁性部222により、ロータ磁極が構成されている。
前記同様に105はステータ磁性ヨーク、300はリング形コイルを示す。
図15A〜図15Cは、この第8参考形態の作用を説明するための図である。
まず、図15Aはロータユニット200Fの一部を示したものであり、永久磁石部221a,221b,221c,……は、符号▲で示すようにロータユニット200Fの回転方向に沿って交互に逆向きに着磁されている。このため、二つの永久磁石部に挾まれる軟磁性部222a,222b,222c,……は、順番にS極,N極,S極,……の磁極を形成することになる。
図15Bは、ロータユニット200F側の永久磁石部221a,221b,221c及び軟磁性部222a,222b,222c,222dと、ステータユニット100Fの外側の磁性歯120a,120b(図14の磁性歯120に相当)及び内側の磁性歯130a,130b(同じく磁性歯130に相当)との位置関係を示している。符号120X,130Xは、外側,内側のステータ磁性歯列をそれぞれ示す。
なお、図15B(図15A,図15Cも同様)では、便宜的に、永久磁石部221a,221b,221c、軟磁性部222a,222b,222c,222d及びステータ磁性歯列120X,130Xが直線上に配置されるように図示してあるが、これらは、図14から明らかなように、実際には回転軸を中心とした同心円上にそれぞれ配置されるものである。
図15Bに示すように、例えば、ロータユニット200Fの半径方向に沿った軟磁性部222aの一端面が外側のステータ磁性歯列120Xの磁性歯120aに対向しているとき、軟磁性部222aの他端面は内側のステータ磁性歯列130Xの間隙135に対向しており、その時、隣の軟磁性部222bの一端面は外側のステータ磁性歯列120Xの間隙125に対向し、軟磁性部222bの他端面は内側のステータ磁性歯列130Xの磁性歯130aに対向している。このような位置関係が、ロータユニット200Fの回転方向に繰り返されている。
いま、図15Bの状態では、永久磁石部221a,221bによる磁束は、軟磁性部222b→磁性歯130a→ステータ磁性ヨーク105(図15Bでは図示を省略)→磁性歯120a,120b→軟磁性部222a,222c→永久磁石部221a,221b→軟磁性部222bという経路hを通って還流するので、この経路hが図14のリング形コイル300に鎖交する。
この状態から、ロータユニット200Fがステータ磁性歯列120X,130Xの歯ピッチの1/2だけ図の上方に回転すると、図15Cのような位置関係となる。
すなわち、永久磁石部221b,221cによる磁束は、軟磁性部222b,222d→磁性歯120a,120b→ステータ磁性ヨーク105→磁性歯130a→軟磁性部222c→永久磁石部221b,221c→軟磁性部222b,222dという経路h’(図15Bの経路hとは逆の経路)を通って還流するので、この経路h’がリング形コイル300に鎖交する。
以上の説明から明らかなように、ロータユニット200Fの回転によって永久磁石部に起因するリング形コイル300の鎖交磁束が交番することになり、図6A〜図6C,図7等を用いて既に説明したように、リング形コイル300に適切な電流を通流することによりモータとしてのトルクが発生する。
参考形態によれば、永久磁石部のみからなる高価なリング状の永久磁石が不要になり、永久磁石部と軟磁性部とを交互に配置することで、リング状の永久磁石と同形であって同様の作用を果たすロータユニットを形成することができる。このため、電磁ユニットまたはリングコイルモータの製造コストの低減が可能である。
また、永久磁石部の磁束が軟磁性部との相互作用により無駄なく用いられるので、トルク密度の増加という観点からも有利な構成である。すなわち、リング状の永久磁石を用いて磁極を構成する場合、ステータ磁性歯列の間隙に対向している磁極は、トルク発生に何ら寄与しないばかりか、ステータ磁性歯列の磁性歯に対向している隣の磁極の磁束が漏れる原因となり、むしろトルクを低下させてしまう。しかし、本参考形態によれば、図15A〜図15Cから明らかなように、永久磁石部の磁束は軟磁性部により集められてステータ磁性歯列に導かれることになり、そのような問題は生じないものである。
さて、上述した第8参考形態では、永久磁石部及び軟磁性部の数が多いため、ロータユニットの組立作業が煩雑になる恐れがあり、ロータユニットの構造を更に簡略化したいという課題がある。
図16に示す第実施形態は、上記の課題を解決するものである。すなわち、図16において、ロータユニット200Gは、回転軸方向に磁化されたリング形の永久磁石部223と、この永久磁石部223を回転軸方向の両側から挟むように配置されたリング状の軟磁性部224,225とを備えている。そして、これらの軟磁性部224,225には、半径方向の外側及び内側に各々2列の磁性歯224A,224B、225A,225Bがそれぞれ突設されている。
ここで、軟磁性部224の磁性歯224Aは、請求項における第1列の磁性歯、磁性歯224Bは第2列の磁性歯にそれぞれ相当し、同様に軟磁性部225の磁性歯225Aは、請求項における第1列の磁性歯、磁性歯225Bは第2列の磁性歯にそれぞれ相当する。
また、100Gはステータユニット、140は外側のステータ磁性歯列を構成する磁性歯、150は内側のステータ磁性歯列を構成する磁性歯であり、これらの磁性歯140,150、及び、ロータユニット200Gの磁性歯224A,224B,225A,225Bの各々の総数は、すべて等しくなっている。145は外側のステータ磁性歯列の間隙、155は内側のステータ磁性歯列の間隙である。
なお、図14と同様に、図16に示した構造は電磁ユニットの全周にわたり周期的に形成されている。
上述した構成において、リング形の永久磁石部223を用いる代わりに、複数の扇形の永久磁石を回転方向に連結しても良いし、直方体の小形の永久磁石を多数連結して全体としてリング形に形成しても良い。
一方の軟磁性部224の磁性歯224A,224Bと、他方の軟磁性部225の磁性歯225A,225Bとは、それぞれ(1/2)ピッチずれて配置されている。これにより、例えば、一方の軟磁性部224の外側の磁性歯224Aがステータユニット100Gの外側の磁性歯140に対向している(このとき、内側の磁性歯224Bはステータユニット100Gの内側の間隙155に対向している)とき、他方の軟磁性部225の外側の磁性歯225Aは外側の間隙145に対向し、軟磁性部225の内側の磁性歯225Bは内側の磁性歯150に対向している。
図16に示した構造によれば、永久磁石部223及び軟磁性部224,225の個数が少なくて済み、ロータユニット200Gの組立作業や部品管理が容易になるという利点がある。なお、トルク発生の原理は基本的に第8参考形態と同様である。
すなわち、図16のロータユニット200Gは、図14におけるロータユニット200Fの永久磁石部221と軟磁性部222との相互作用によるトルク発生の原理を維持しつつ、永久磁石部の個数を減らすようにロータユニットの構造をトポロジー的に変形したものと理解することもできる。
図17は、上記のトポロジー変形を示す概念図であり、図14のロータユニット200Fから図16のロータユニット200Gへの変形過程を示したものである。
図17の最上段において、軟磁性部222の磁化の状態はロータユニット200Fの回転方向に沿って一つおきに等しくなるため、これらを結合した場合でも、永久磁石部221による磁束のステータユニットへの経路を維持することができる。
この原理を利用すれば、図17の最上段に示すロータユニット200Fを図示のごとく次第に変形し、最終的に図17の最下段に示すロータユニット200Gのように簡略化することが可能である。なお、図17の最下段の図は、図16におけるロータユニット200Gのみを半径方向の一点から見た状態を模式的に表したものであり、図17における224Cは軟磁性部224の磁性歯(図16における磁性歯224Aまたは224B)を示し、図17における225Cは軟磁性部225の磁性歯(図16における磁性歯225Aまたは225B)を示している。
次に、図18は第実施形態におけるロータユニット200Hの主要部の構成図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
この実施形態は、図17の最下段に示したロータユニット200Gの磁性歯224C,225Cを、永久磁石部223側にそれぞれ拡張して磁性歯224D,225Dを形成したものである。この場合、磁性歯224D,225DのN極,S極は回転方向に交互に存在するため、互いに干渉することなく面積を増加させることができる。
なお、図18では、軟磁性部224及びその磁性歯224Dを一点鎖線により、軟磁性部225及びその磁性歯225D、並びに永久磁石部223を実線により表してある。ここで、磁性歯224D,225Dは、それぞれ異極の軟磁性部225,224との間に十分な間隔を保有させて、永久磁石部223からの磁束が極間で漏れないようにすることが必要である。
このようにして磁性歯224D,225Dの面積を増加させることにより、永久磁石部223から発生する磁束の磁気抵抗を低下させることができるため、リング形コイル300の鎖交磁束数が増加し、トルクを一層増加させることができる。
ちなみに、図18の構成による磁束の経路は、永久磁石部223→軟磁性部224→外側のステータ磁性歯列の磁性歯(図16の磁性歯140)→ステータ磁性ヨーク105→内側のステータ磁性歯列の磁性歯(図16の磁性歯150)→軟磁性部225→永久磁石部223となる。
以上のように、図16の第実施形態や図18の第実施形態によれば、図14の第8参考形態に比べて、ロータユニットの構成部品の個数を大幅に減少させつつ第8参考形態と同等の作用効果を得ることができ、製造コストの低減が可能になる。
次に、図19は本発明の第9参考形態を示す斜視図である。この参考形態は、図11の第7参考形態における2つのステータユニット(ステータコア)を一体的に形成したものである。
すなわち、図19に示す如く、1個のリング状のステータ磁性ヨーク108のz軸方向の両側(ステータ磁性ヨーク108の表裏)に、基準線eを基準として周方向にずれるようにステータ磁性歯列103がそれぞれ形成されている。他の構成は図11と同一であるため、説明を省略する。
この参考形態によれば、ステータ磁性ヨーク108の表裏に形成されるステータ磁性歯列103同士の(1/4)歯ピッチの位置ずれを高精度に決めることができる。また、ステータ磁性ヨーク108が単一であるため、磁路を有効利用してステータ磁性ヨーク108の厚さを減少させることができ、使用材料を少なくすることが可能である。
次いで、図20は、本発明の第実施形態におけるステータコアの斜視図である。この実施形態は、図8A,図8Bの第5参考形態におけるステータコア104を周方向に複数に分割したものである。
図20では、図8A,図8Bのステータコア104を周方向に沿って4分割した例を示してあり、実際には、4分割された分割コア109をフレームへの焼き嵌め等の機械的手段により連結して使用する。
ステータコアを圧粉磁心により構成する場合、ステータコアをリング状に一体的に製造すると、金型やプレス機が大型化してコスト高の原因となる。また、成形後のコアの一部に損傷があると、ステータコアの全体が不良品となりかねない。
これに対し、本実施形態のようにステータコアを複数に分割すれば、金型やプレス機の小型化を可能にしてコストの低減を図ることができる。
また、金型を小さくすると一般に寸法精度が向上すると共に、一部の分割コア109が損傷した場合にはその分割コア109だけを不良扱いすればよいので、歩留まりの向上も期待できる。
図20ではステータコアを4分割してあるが、ステータコアは任意の複数に分割可能である。但し、複数の分割コアがすべて同一形状となるように等分割すれば、部品を共用することができ、好都合である。
なお、図19に示したように、ステータ磁性ヨーク108の表裏にステータ磁性歯列103をそれぞれ形成してなる一体的なステータコアを、周方向に複数に分割しても良い。
上記説明から明らかなように、ステータコアにおける主要な磁束の流れはリング形コイル300の電流通流方向を取り巻く方向に沿っている。従って、ステータコアの周方向の分割部を貫く磁束はごく少なく、ステータコアを分割することに伴う特性劣化が少ないことが、本発明に係るリングコイルモータの特徴の一つとなっている。
よって、ステータコアを分割した分割コア109の突き合わせ面に隙間を設けることができる。これにより、分割コア109の突き合わせ面の加工精度、隙間距離の精度を緩和することができ、金型加工コストの低減、ステータコアの歩留まりの向上が可能になる。
また、分割コア109の突き合わせ面に隙間を設けることにより、分割コア109の熱膨張に対応することができる。すなわち、分割コア109の熱膨張量を設計時に把握しておき、最大膨張時に分割コア109同士がぶつからないような隙間を設けておくことにより、応力を緩和しつつ、ステータ磁性歯列とロータとの距離を高精度に保つことができる。
次に、図21は、本発明の第実施形態におけるステータコア111の主要部の斜視図である。図21では、便宜的にステータコア111の周方向の一部のみを示してある。このステータコア111は、図8A,図8Bの第5参考形態におけるステータコア104に結合ブリッジ110を付加した構造である。
前述したように、ステータ磁性歯列は、ロータ磁性歯列またはロータ磁極と対向して磁束の流れを変化させることにより、トルクを発生する。従って、ロータとの対向面から見たステータ磁性歯列の磁気抵抗が歯の有無に応じて変化することが重要である。つまり、歯が存在する部分の磁気抵抗が低く、歯が存在しない部分の磁気抵抗が高くなっていることが必要である。
一方、図21に示すように、ステータ磁性歯列106,107の各々の歯間におけるロータとの対向面から離れた位置(ステータ磁性歯列106については歯間におけるz軸に近い側、ステータ磁性歯列107については歯間におけるz軸に遠い側)については、仮に磁性体が存在しても、ロータとの対向面から見たステータ磁性歯列の磁気抵抗の変化に対する影響は小さい。よって、この箇所(ステータ磁性歯列106については歯間におけるz軸に近い側、ステータ磁性歯列107については歯間におけるz軸に遠い側)では、隣り合う歯同士を磁性体によって連結しても差し支えない。このような観点から、第実施形態では、ステータ磁性歯列106,107の各々の歯間に磁性体からなる結合ブリッジ110を配置することとした。
本実施形態によれば、ステータ磁性歯列106,107の歯部の機械的強度を増すことができる。
更に、ステータ磁性歯列106,107では、先端部から根元部に向かって磁束密度が大きくなるため、根元部ほど磁気飽和しやすくなる。よって、隣合う歯同士を結合ブリッジ110によって連結することにより、結合ブリッジにも磁束が流れて磁束密度を低下させ、もって磁気飽和をしにくくすることが可能である。
なお、この第実施形態は、前述したすべての実施形態の電磁ユニットに適用することができる。
結合ブリッジ110を配置する場合の留意点としては、結合ブリッジをロータ磁性歯列や磁極に近付け過ぎると、結合ブリッジが漏れ磁束の経路になり、コイルに鎖交する磁束が減ってトルクが減るという問題がある。このため、結合ブリッジはロータ磁性歯列または磁極に近付け過ぎないように配慮することが必要である。
一方、結合ブリッジが太いほど機械的強度が増す。つまり、結合ブリッジの太さについては、磁気特性と機械特性のとの間でトレードオフの関係が存在するが、その最適点については、磁界解析や強度解析等によって見出すことができる。
本実施形態の変形例としては、図22A,図22Bに示すように、基片部112aと、その根元側(ステータ磁性ヨーク105側)に設けた段部112bとによって結合ブリッジ112を形成することにより、根元側を太く(断面積を大きく)しても良い。なお、図22Aはステータ磁性歯列106,107の間にリング形コイル300を収納した状態であり、図22Bはリング形コイル300を除去した状態である。
ステータ磁性歯列106,107の根元部にはコイル300が収納される分、ロータ磁性歯列や磁極から距離を確保できるため、結合ブリッジをロータ磁性歯列などに一層近接させることができ、図22A,図22Bに示す如く、根元の太い結合ブリッジ112を用いることができる。この結合ブリッジ112によって機械的強度を高め、磁束密度を更に低下させることができる。
結合ブリッジの詳細な形状、構造は種々考えられるが、原則的には、上述したように先端部側が比較的薄く、根元部、特にコイル300の収納部近傍は太く形成することが望ましい。
ここで、図23は、図14及び図15Aに示したロータユニット200Fの平面図である。図23において、永久磁石部221が発生する磁束量は、磁束密度が一定である場合、着磁方向に直交する面の断面積に比例する。モータのトルクは、永久磁石が発生する磁束量と正の相関があるので、着磁方向に直交する面の断面積が大きいほど、トルク増大の観点からは有利となる。
図23の例では、永久磁石部221の着磁方向がロータユニット200Fの周方向と一致しており、永久磁石部221の着磁方向に直交する面はロータユニット200Fの中心軸を含む(言い換えればロータユニット200Fの半径を含む)位置関係となっている。この場合、永久磁石部221の着磁方向に直交する面の断面積は、ロータユニット200Fの半径方向の永久磁石部221の幅Wmagに依存する。なお、図23において、200rはロータユニット200Fの半径を含む径線を示し、221r’は永久磁石部221の着磁方向に直交する面を示しており、図23では面221r’に径線200rが含まれることとなる。
永久磁石部221の幅Wmagをロータユニット200Fの半径方向に長くすれば、着磁方向に直交する面の断面積が増加するので、トルクの増大が可能である。しかし、その場合には、永久磁石部221の相互間の軟磁性部222の体積も増加するので、ロータユニット200Fの重量が全体的に増加する等の問題がある。
そこで、本発明の第10参考形態では、図24に示すような構造のロータユニット200Iを用いることとした。このロータユニット200Iは、永久磁石部221dの幅Wmagを長くして着磁方向に直交する面の断面積を増加させると共に、永久磁石部221dの着磁方向に直交する面221rがロータユニット200Iの中心軸を含まないように、つまり、径線200rに対し所定角度αで傾斜するように、永久磁石部221dを配置したものである。なお、図24において、226は軟磁性部である。
この第10参考形態によれば、永久磁石部221dの着磁方向に直交する面の断面積を増加させ、永久磁石部221dが発生する磁束量を増加させてモータのトルクを増大させることができる。
図25Aは、図23の主要部をステータ磁性歯列120X,130Xと共に示した平面図であり、実質的に図15Cと同一の図である。これに対し、図25Bは、図24の主要部をステータ磁性歯列120X,130Xと共に示した平面図である。
なお、前述した角度αの大きさにより、軟磁性部226の内周面及び外周面の周方向位置がずれる。従って、図25Bに示すごとく、軟磁性部226の内周面及び外周面にそれぞれ適切に対向するように、外側及び内側のステータ磁性歯列120X,130Xの位置を調整する必要がある。
次に、図26は本発明の第11参考形態に係るロータユニット200Jの平面図である。
図23,図24等に示したロータユニット200F,200Iでは、軟磁性部222,226が個々に分離しているため、組立が難しいという問題がある。この点に鑑み、本発明の第11参考形態はロータユニットの組立を容易化したものである。
すなわち、図26において、軟磁性部227は円環状の鋼板を軸方向に多数積層して形成されており、鋼板の周方向に等間隔で形成されたほぼ長方形の孔に角棒状の永久磁石部221eを埋め込むことにより、ロータユニット200Jが構成されている。
この構造によれば、軟磁性部227を一体化することができ、しかも永久磁石部221eを軟磁性部227により抱き込む形で固定できるため、ロータユニット200Jの組立作業を大幅に容易化することができる。なお、軟磁性部227を構成するために積層された多数の鋼板は、通しピンを用いたり、かしめ加工、接着等によって一体的に固定すればよい。
この参考形態では、軟磁性部227の永久磁石部埋込用の孔の内外周部(図26におけるブリッジ部221f)により、永久磁石部221eが磁気的に短絡される。つまり、永久磁石部221eから発生した磁束が前記ブリッジ部221fを介して環流するので、リング形コイルに鎖交する磁束が減り、モータのトルクが減少するおそれがある。
この問題を解消するため、軟磁性部227における永久磁石部埋込用の孔を径方向になるべく長く形成してブリッジ部221fの幅を狭くし、このブリッジ部221fを磁気飽和させて磁気抵抗を大きくする必要がある。
この種の技術は、例えば、特開2002−281700号公報(発明の名称:埋込み磁石型回転機の回転子)の段落[0014]、図1等に記載されているように、通常の埋込磁石型同期モータにおいて永久磁石の漏れ磁束を低減するために採用されている技術と同様であるため、ここでは詳述を省略する。
上述したように、図26のロータユニット200Jによれば、組立が容易になる反面、トルクが減少するという問題がある。
このため、本発明の第12参考形態では、ロータユニットの組立をある程度容易にしながら、前記ブリッジ部221fに起因したトルクの減少を防止するようにした。
図27は、この第12参考形態に係るロータユニット200Kの平面図である。図26において、228はロータユニット200Kの周方向に沿って分割形成された複数の軟磁性部であり、これらの軟磁性部228は、間隙221gによって互いに分離されている。すなわち、図26におけるブリッジ部221fに代えて図27に示す如く間隙221gを部分的に形成することにより、当該間隙221gによって永久磁石部221eからの磁束の短絡を防止し、結果的にリング形コイルとの鎖交磁束数を多くしてトルクの減少を抑制している。
間隙221gの形成方法としては、軟磁性部228を予め複数に分割形成してこれらを結合することにより、隣合う軟磁性部228の間に間隙221gを形成するか、あるいは、図26のように円環状に形成された軟磁性部227のブリッジ部221fを一部切断(除去)してその部分を間隙221gとする、といった方法が考えられる。
前者の方法では、360°を複数に等分して所定数(例えば図27に示すように6個)の軟磁性部228を形成し、これらの軟磁性部228を円周上に等間隔に配置したうえで永久磁石部221eを取り付け、固定すればよい。
一方、後者の方法では、ブリッジ部221fを切断する工程が増えるものの、それ以前の工程については軟磁性部が一体化されているため組立が容易である。また、ブリッジ部221fを切断する前に軟磁性部を強固に固定し、ブリッジ部221fを切断した後も残りの部分が動かないようにしておくことで、切断後の軟磁性部228の相対位置を高精度に決めることができる。
なお、図27では、同じ形状の軟磁性部228を6個用いてロータユニット200Kを形成しているが、本発明はこの参考形態に何ら限定されない。すなわち、軟磁性部の個数(言い換えれば360°を複数に分割する際の角度)や間隙の位置、数などは必要に応じて任意に選定可能である。


100A,100B,100F,100G:ステータユニット
101,104,111:ステータコア
102,105,108:ステータ磁性ヨーク
103,106,107,120X,130X:ステータ磁性歯列
109:分割コア
110,112:結合ブリッジ
112a:基片部
112b:段部
120,120a,120b,130,130a,130b,140,150:磁性歯
125,135,145,155:間隙
200A,200B,200C,200D,200E,200F,200G,200H,200I,200J,200K:ロータユニット
201,203,205,208:ロータ磁性ヨーク
202,204,206,209,:ロータ磁性歯列
207,210:ロータ磁極
221,221a,221b,221c,221d,221e,223:永久磁石部
221f:ブリッジ部
221g:間隙
222,222a,222b,222c,222d,224,225,226,227,228:軟磁性部
224A,224B,224C,224D,225A,225B,225C,225D:磁性歯
300:リング形コイル
401,402:電磁ユニット
501:磁性粉
502:絶縁物

Claims (4)

  1. リング状のステータ磁性ヨークと、前記ステータ磁性ヨークの周方向に沿って規則的に配置された複数のステータ磁性歯列と、を有するリング状のステータコアと、
    前記ステータコアと同軸上に近接して配置されるリング形コイルと、
    からなるステータユニット、
    及び、
    ータ磁極を有し、かつ、前記ステータユニットと同軸上に配置されるロータユニット、
    を備えた電磁ユニットにおいて、
    前記ステータ磁性歯列の各歯は、前記ステータ磁性ヨークから軸方向に沿って形成されており、
    前記ステータ磁性歯列が同心円状に2列形成され、
    前記2列のステータ磁性歯列の間に前記リング形コイルが配置されて、前記2列のステータ磁性歯列に挟まれるように前記ロータ磁極を配置すると共に、
    前記2列のステータ磁性歯列はそれぞれ同数の磁性歯を有し、
    前記ロータ磁極は、回転軸方向に磁化された永久磁石部と、この永久磁石部を回転軸方向に挟む二つの軟磁性部とにより構成され、
    前記二つの軟磁性部は、前記2列のステータ磁性歯列に空隙を介して対向配置された第1列,第2列の磁性歯列をそれぞれ有しており、
    一方の軟磁性部の第1列の磁性歯が一方のステータ磁性歯列の磁性歯に対向し、かつ第2列の磁性歯が他方のステータ磁性歯列の間隙に対向しているときに、
    他方の軟磁性部については、前記第1列と同じ側の第1列の磁性歯が一方のステータ磁性歯列の間隙に対向し、かつ前記第2列と同じ側の第2列の磁性歯が他方のステータ磁性歯列の磁性歯に対向することを特徴とする電磁ユニット。
  2. 請求項1に記載した電磁ユニットにおいて、
    前記ステータコアが、その周方向に沿って分割された複数の分割コアからなることを特徴とする電磁ユニット。
  3. 請求項に記載した電磁ユニットにおいて、
    隣り合う前記分割コアの間に隙間を設けたことを特徴とする電磁ユニット。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した電磁ユニットにおいて、
    前記ステータ磁性歯列の隣り合う歯同士を、前記ロータとの対向面から離れた位置において磁性体により連結したことを特徴とする電磁ユニット
JP2009133918A 2008-09-30 2009-06-03 電磁ユニット Expired - Fee Related JP5453933B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009133918A JP5453933B2 (ja) 2008-09-30 2009-06-03 電磁ユニット

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008252599 2008-09-30
JP2008252599 2008-09-30
JP2008325635 2008-12-22
JP2008325635 2008-12-22
JP2009089230 2009-04-01
JP2009089230 2009-04-01
JP2009133918A JP5453933B2 (ja) 2008-09-30 2009-06-03 電磁ユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010259309A JP2010259309A (ja) 2010-11-11
JP5453933B2 true JP5453933B2 (ja) 2014-03-26

Family

ID=41720062

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009133918A Expired - Fee Related JP5453933B2 (ja) 2008-09-30 2009-06-03 電磁ユニット

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5453933B2 (ja)
DE (1) DE102009043614A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102624108B (zh) * 2012-03-14 2014-07-30 上海海马汽车研发有限公司 轴向间隙型电动机的定子及轴向间隙型电动机
JP5851972B2 (ja) * 2012-10-31 2016-02-03 株式会社神戸製鋼所 アキシャルギャップ型ブラシレスモータ
CN110266125A (zh) * 2019-06-27 2019-09-20 珠海凯邦电机制造有限公司 定子铁芯及电机

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6146153A (ja) * 1984-08-10 1986-03-06 Hitachi Metals Ltd ステツピングモ−タ用ロ−タ
JPS6181773U (ja) * 1984-10-29 1986-05-30
JPH0397353U (ja) * 1990-01-23 1991-10-07
JP3579642B2 (ja) * 2000-12-20 2004-10-20 台達電子工業股▲ふん▼有限公司 モータ構造
JPH1023732A (ja) 1996-07-05 1998-01-23 Tamagawa Seiki Co Ltd ハイブリッド型ステップモータ
JP3882949B2 (ja) * 1996-08-30 2007-02-21 日本サーボ株式会社 環状コイル式永久磁石型回転電機
KR100982536B1 (ko) * 2005-05-17 2010-09-16 가부시키가이샤 덴소 모터 및 모터 시스템
KR100860606B1 (ko) * 2006-12-28 2008-09-26 한국전기연구원 내전형 영구자석 여자 횡자속 전동기

Also Published As

Publication number Publication date
DE102009043614A1 (de) 2010-04-01
JP2010259309A (ja) 2010-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9130425B2 (en) Integrated rotor pole pieces
JP4723118B2 (ja) 回転電機及びこの回転電機を用いた滑車駆動装置
JP6265569B2 (ja) 環状磁極部材及び磁気波動歯車装置
JP2011244671A (ja) 分割型ステータ
JP2013027240A (ja) 回転電機
JP6569396B2 (ja) 回転電機
CN103051136A (zh) 马达
JPH0767272A (ja) 同期機のステータ構造,その製造方法並びにティース片
JP2013115938A (ja) 回転電機用ロータ
KR20120009747A (ko) 전기기기의 고정자 코어
JP5453933B2 (ja) 電磁ユニット
JP2013094059A (ja) 回転電機
JP2004274970A (ja) 回転電機
JP2011244672A (ja) 分割型ステータ
JP5510079B2 (ja) アキシャルギャップモータ
JP5278238B2 (ja) 回転電機
JP5143119B2 (ja) 印刷機又は印刷機のための電気機械
JP2004215495A (ja) 励磁機、界磁機およびそれを用いた同期機
JP2012019605A (ja) 永久磁石回転電機
US20220329114A1 (en) Electric machine and magnetic field portion
JP2004304995A (ja) 励磁機、界磁機、およびそれを用いた電動機
JP2011244673A (ja) 分割型ステータ
JP5413919B2 (ja) 発電装置
JP6745212B2 (ja) 回転子およびリラクタンス回転電機
KR100932687B1 (ko) 고 토크밀도 하이브리드 스테핑 모터

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131223

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5453933

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees