JP5453679B2 - シリカガラスルツボの製造装置及びシリカガラスルツボの製造方法 - Google Patents

シリカガラスルツボの製造装置及びシリカガラスルツボの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリカガラスルツボの製造装置及びシリカガラスルツボの製造方法に関し、特に、シリコン単結晶の引上げに用いられるシリカガラス製のルツボ製造における内表面特性の制御に好適な技術に関するものである。
一般に、シリコン単結晶の製造には、シリカガラスルツボを用いたチョクラルスキー法(CZ法)と呼ばれる方法が採用されている。シリカガラスルツボは、その内部にシリコン多結晶原料を熔融したシリコン融液が貯留され、回転させながらシリコン単結晶の種結晶を浸漬して徐々に引上げ、種結晶を核としてシリコン単結晶を成長させながら引き上げる際に使用される。
このようなシリカガラスルツボは、多数の気泡を含む外層と透明な内層とからなる二層構造とされ、この内層の表面、つまり、単結晶引き上げ時にシリコン融液と接している内表面の特性により、引き上げられるシリコン単結晶の特性が左右され、最終的なシリコンウェーハの収率にも影響を及ぼすことが知られている。このため、シリカガラスルツボとしては、従来から、内層を非晶質である合成シリカ粉からなる合成シリカガラスとし、外層を天然シリカガラスからなる構成とすることが知られている。
従来、例えば、シリカガラスルツボを用いてシリコンを熔融し、単結晶を引き上げる際、熔融シリコンの液面に波が発生し、種結晶の適確な浸漬による種付けが困難となり、シリコン単結晶の引上げができなかったり、あるいは、単結晶化が阻害されたりするという湯面振動の問題がしばしば発生していた。このような湯面振動(液面振動)現象は、シリコン結晶が大口径化するに伴い、さらに発生し易くなってきていることから、シリカガラスルツボの内表面特性を改善することが強く求められるようになっている。
一方、上述のようなCZ法において用いられるシリカガラスルツボを回転モールド法と呼ばれる方法で製造する場合、まず、回転するモールド内部にシリカ粉を所定の厚さで堆積させた後、このシリカ粉層をアーク放電によって熔融させ、冷却固化させることで得られる。このようなシリカガラスルツボの製造工程においては、シリカ粉原料がアーク放電で反応した際、SiO等のシリカ蒸気からなるヒュームが発生する。このため、シリカガラスルツボの製造装置においては、一般に、炉内からヒューム等のガスや残渣を外部に排出するための排出管が備えられている。しかしながら、このヒュームは、例えば、シリカガラスルツボの製造装置の炉内において電極や炉壁等に付着し、さらに、このヒュームが剥離してモールド内に入り込むことがある。この際、モールド内部でシリカ粉層に付着したヒュームが、そのまま熔融・固化され、シリカガラスルツボの内表面に特性が劣化した箇所が生じる。
そして、内表面に特性欠陥が生じたシリカガラスルツボを用い、上述のようなCZ法によってシリコン単結晶を引き上げた場合には、上記同様、ルツボ内の欠陥箇所において熔融シリコンの液面に波が発生し、種結晶の適確な浸漬による種付けが困難となる。このため、シリコン単結晶の引上げができなかったり、あるいは、単結晶化が阻害されたりするという大きな問題があった。
また、近年、30インチ(76.2cm)〜40インチ(116cm)といった大口径ウェーハに対応するため、シリコン単結晶の大口径化が要求されるのに伴い、シリカ粉層を熔融するために必要な電力量も増大し、電極に印加する電力を高くする必要性が生じている。しかしながら、電極に高電力を印加した場合、アーク放電の開始時に電極に発生する振動が大きくなる。このため、電極表面に付着したヒュームに由来するコンタミが振動によってモールド内に落下し、そのまま熔融・固化され、シリカガラスルツボの内表面の特性が著しく低下する。そして、上記同様、内表面に特性欠陥が生じたシリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶を引き上げた場合には、シリコン単結晶の成長に不具合が生じるという問題がある。
上述のような問題に対応するため、例えば、特許文献1に記載の技術のように、シリカガラスルツボの内表面において発生するシリカ蒸気(ヒューム)を除去する対応を施すことが知られている。
また、シリカガラスルツボの内表面特性をより一層向上させるため、例えば、特許文献2、3に記載の技術のように、シリカガラスルツボの内表面を形成するシリカ粉として、非晶質である合成シリカ粉を使用する方法等も提案されている。
特開2002−154894号公報 特許第2811290号公報 特許第2933404号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3の何れにおいても、シリカガラスルツボを製造する工程中で発生するヒュームの量を的確に把握することができず、ヒュームの除去作業が後処理となり、また、製造条件を適性に制御するのが困難となる。このため、特許文献1〜3に記載の方法でシリカガラスルツボを製造しても、内表面特性を向上させることは困難であり、また、生産性や歩留まりを向上させることが出来ないという問題があった。
また、上述したように、回転モールド法によってシリカガラスルツボを製造する場合には、数千℃となりうる高温のアーク火炎によって、被熔融部分を2000℃程度以上に加熱して原料粉を熔融するが、この際、熔融している部分の温度を正確に測定できないという問題があった。特に、被熔融部分への接触状態による温度測定は、汚染の可能性があるため好ましくないうえ、熔融中においては、近傍に存在するアークプラズマの高温に測定素子(端子)等が耐えられない。また、非接触による放射温度計等による測定では、熔融中に、被測定箇所である熔融部分に比べてより高温であるアーク火炎(アークプラズマ)が、測定部分近傍又は測定線上付近に存在するため、高温のアーク火炎の影響で正確な温度測定ができない。このため、熔融中の温度状態の情報を取得して、この情報によって熔融状態を制御してルツボ表面特性を初期設定状態に形成するという手法は未だ確立されていない。
またさらに、回転モールド法においては、被測定箇所が回転した状態であるため、高温のアークの影響を受けずに、回転状態にある被測定箇所の温度を正確に測定することは困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、以下に示す目的を達成可能なシリカガラスルツボの製造装置及びシリカガラスルツボの製造方法を提供するものである。
1.シリカガラスルツボの製造工程において、製造中に、正確なヒューム発生量の測定を可能とすること。
2.シリカガラスルツボの内表面の特性の低下を防止し、その向上を図ること。
3.シリカガラスルツボの製造工程において、原料熔融状態の制御をリアルタイムで可能とすること。
4.製品特性のバラツキ発生を低減し、安定した品質管理を可能とすること。
本発明のシリカガラスルツボの製造装置は、シリカ粉をモールド内に供給してシリカ粉層を形成し、このシリカ粉層をアーク放電によって加熱熔融してシリカガラスルツボを製造する装置であって、シリカガラスルツボの外形を規定するモールドと、複数本の電極及び電力供給手段を具備するアーク放電手段と、前記モールド内において発生するヒュームの量を検出するヒューム量測定部を備える。このような構成とすることにより、シリカ粉層の表面付近から発生するヒューム量をリアルタイムで測定することが可能となる。これにより、シリカ粉層にアーク放電を行ないながら、ヒュームの発生状態をリアルタイムで正確に測定することができ、ヒュームのシリカ粉層への付着を防止することが可能になるとともに、製造条件の正確な把握が容易になる。従って、ヒューム量測定部の検出結果を製造条件へ正確にフィードバックすることができ、シリカガラスルツボの内表面特性を向上させるための詳細な条件制御を行なうことが可能となる。
ここで、本発明において述べる、シリカガラスルツボの内表面特性とは、シリカガラスルツボで引き上げた半導体単結晶の特性に影響を与える全ての要因を意味し、特に、引き上げ時に単結晶原料となるシリコン融液と接しているかまたは引き上げ中における溶損によってシリコン融液と接する範囲であるルツボ内面側の特性、および、長時間加熱状態とされるルツボ強度に影響を与えるルツボの特性を含むものである。具体的には、シリカガラスルツボの内表面特性とは、ルツボの厚さ方向およびルツボ内表面に沿った方向における分布状態(均一性、不均一性)としての気泡密度、気泡の大きさ、不純物濃度、ルツボ内表面形状としての表面凹凸、ガラス化状態、OH基の含有量などを対象とするものである。また、シリカガラスルツボの内表面特性とは、ルツボの厚さ方向における気泡分布及び気泡の大きさ分布、ルツボ内表面付近における不純物の分布、表面の凹凸の他、ガラス化状態、OH基の含有量、及び、これらのルツボ高さ方向における不均一などの分布状態等、シリカガラスルツボで引き上げた半導体単結晶の特性に影響を与える要因を意味することもできる。
本発明において、前記ヒューム量測定部は、光センサ、CCDカメラ等の画像撮影手段、静電センサ、あるいは誘電センサにより、前記シリカ粉層をアーク放電した際に発生するシリカ蒸気を測定するものにすることができる。このような測定手段で被測定対象であるヒュームの量を検知することにより、正確な測定を行うことが可能となる。
本発明において、ヒューム濃度を測定できる手法であれば、質量濃度を測定する手法、圧電素子を使う構成等、上記の手段に限定されないことは明らかである。
また、本発明においては、前記ヒューム量測定部からの測定結果に基づいて、前記モールドと前記電極との相対位置状態、前記モールドの位置状態、前記電極に供給する電力、前記電極の位置状態の内の何れかを変動させることにより、前記モールド内におけるシリカガラスの熔融状態を制御する制御手段を具備してもよい。この場合、前記ヒューム量測定部からの測定結果に基づいて、モールド内におけるシリカガラス熔融状態を制御し、内表面特性を詳細に制御しながらシリカガラスルツボを製造することが可能となる。
また、本発明において、前記制御手段は、前記ヒューム量測定部の測定結果に基づき、前記モールドを、水平方向移動、傾斜、回転又は旋回させるか、あるいは、前記電極と前記モールドとを垂直相対位置で移動させるかの、何れかの制御を行なう構成としてもよい。これにより、上述したように、前記ヒューム量測定部からの測定結果に基づいてモールド内におけるシリカガラス熔融状態を制御する際、内表面特性をより詳細に制御しながらシリカガラスルツボを製造することが可能となる。
また、本発明において、前記制御手段は、前記ヒューム量測定部が、基準ヒューム量に対する増減が20%を超えるヒューム量を検出した際に、前記モールドと前記電極との相対位置状態、前記モールドの位置状態、前記電極に供給する電力、前記電極の位置状態の内の何れかを変動させる制御を行なう構成としてもよい。これにより、内表面特性をさらに詳細に制御しながらシリカガラスルツボを製造することが可能となる。
ここで、本発明で説明する基準ヒューム量とは、検出されるヒューム量において好ましいルツボが得られた際の経験値(ヒューム量測定値)を意味する。例えば、アーク熔融開始時から、大まかに4段階等の多段階(ステップ)に熔融状態(加熱状態)を設定する製造工程においては、それぞれのステップにおける基準ヒューム量がそれぞれ設定される。また、ヒューム量の測定位置や測定方法によっても、それぞれの基準ヒューム量を先行して予め設定しておくことができる。
また、本発明で説明する、基準ヒューム量に対する増減が20%を超えるとは、基準範囲を設定するとの意味であり、上述したそれぞれの条件における基準ヒューム量に対して、検出されたヒューム量の比がこの範囲を超えて変化したときに、その変化を妨げるように製造条件制御をおこなえばよい。具体的には、検出ヒューム量が増加して基準範囲を超えたときには温度を下げる、つまり、電極とモールドとの相対位置を離すか、あるいは供給電力を減少させる等の制御を行なえば良い。また、検出ヒューム量が減少して基準範囲を下回ったときには温度を上げる、つまり、電極とモールドとの相対位置を近付けるか、あるいは供給電力を増大させる等の制御を行えば良い。
なお、上記基準範囲は、基準ヒューム量に対して、上下幅5%〜50%、好ましくは10〜30%、より好ましくは15〜25%、最も好ましくは20%程度とすることができる。
また、本発明においては、前記ヒューム量測定部が、前記モールド及び前記電極が収容されてアーク放電を行なう炉内か、あるいは、前記モールド内において発生するヒュームを炉外に排出するための排出管の、少なくとも何れかに設けられた構成としてもよい。こうすることで、被測定対象であるヒュームの量を正確に測定することが可能となる。
本発明のシリカガラスルツボの製造方法は、シリカ粉をモールド内に供給してシリカ粉層を形成するシリカ粉供給工程と、複数本の電極によるアーク放電で前記シリカ粉層を熔融するアーク熔融工程とを有し、前記アーク熔融工程は、少なくとも、前記モールド内において発生するヒュームの量を検出しながら、前記シリカ粉層を熔融する方法である。この方法により、シリカ粉層の表面付近から発生するヒューム量をリアルタイムで測定することが可能となる。これにより、シリカ粉層にアーク放電を行ないながら、ヒュームの発生状態をリアルタイムで正確に測定することができ、ヒュームのシリカ粉層への付着を防止することが可能になるとともに、製造条件の正確な把握が容易になる。従って、ヒューム量の検出結果を製造条件へ正確にフィードバックすることができ、シリカガラスルツボの内表面特性を向上させるための詳細な条件制御を行なうことが可能となる。
本発明において、前記アーク熔融工程は、光センサ、CCDカメラ等の画像撮影手段、静電センサ、あるいは誘電センサを用いて、前記シリカ粉層に対してアーク放電を行った際に発生するシリカ蒸気を測定することにより、前記モールド内で発生するヒュームの量を測定してもよい。これにより、正確な測定を行うことが可能となる。
また、本発明において、前記アーク熔融工程は、前記ヒューム量の測定結果に基づき、前記モールドと前記電極との相対位置状態、前記モールドの位置状態、前記電極に供給する電力、前記電極の位置状態の内の何れかを変動させることにより、前記モールド内におけるシリカガラスの熔融状態を制御する方法とすることができる。これにより、ヒューム量の測定結果に基づいて、モールド内におけるシリカガラス熔融状態を制御し、内表面特性を詳細に制御しながらシリカガラスルツボを製造することが可能となる。
また、本発明において、前記アーク熔融工程は、前記ヒューム量の測定結果に基づき、前記モールドを、水平方向移動、傾斜、回転又は旋回させるか、あるいは、前記電極と前記モールドとを垂直相対位置で移動させるかの、何れかの制御を行なうようにしてもよい。これにより、上述したように、ヒューム量の測定結果に基づいてモールド内におけるシリカガラス熔融状態を制御する際、内表面特性をより詳細に制御しながらシリカガラスルツボを製造することが可能となる。
また、本発明において、前記アーク熔融工程は、基準ヒューム量に対する増減が20%を超える前記ヒューム量を検出した際に、前記モールドと前記電極との相対位置状態、前記モールドの位置状態、前記電極に供給する電力、前記電極の位置状態の内の何れかを変動させる制御を行なうようにしてもよい。これにより、内表面特性をさらに詳細に制御しながらシリカガラスルツボを製造することが可能となる。検出したヒューム量の基準ヒューム量に対する増減が20%以下であると、ルツボ内表面特性に影響がある程度の変化ではなく、この変化に対応して供給電力量、モールドと電極との相対位置、モールドの回転位置状態、電極の位置状態を変化させると、かえって変化に過剰に反応してしまうことになるため好ましくない。
また、本発明において、前記アーク熔融工程は、前記ヒューム量の測定を、前記モールド及び前記電極が収容されてアーク放電を行なう炉内か、あるいは、前記モールド内において発生するヒュームを炉外に排出するための排出管の、少なくとも何れかの箇所で行なってもよい。これにより、被測定対象であるヒュームの量を正確に測定することが可能となる。
なお、原料粉(シリカ粉)として、内面層に対応して主として合成シリカ粉を使用し、外面層に対応して天然シリカ粉を使用することもできる。ここで、合成シリカ粉とは合成シリカからなるものを意味しており、合成シリカは、化学的に合成・製造した原料であり、合成シリカ粉は非晶質である。合成シリカの原料は気体又は液体であるため、容易に精製することが可能であり、合成シリカ粉は天然シリカ粉よりも高純度とすることができる。合成シリカガラスの原料としては、四塩化ケイ素などの気体の原料由来とケイ素アルコキシドのような液体の原料由来がある。合成シリカガラスでは、全ての不純物を0.1ppm以下とすることが可能である。
合成シリカ粉の内、ゾル−ゲル法によるものでは、アルコキシドの加水分解により生成したシラノールが通常50〜100ppm残留する。四塩化ケイ素を原料とする合成シリカガラスでは、シラノールを0〜1000ppmの広い範囲で制御可能であるが、通常、塩素が100ppm程度以上含まれている。アルコキシドを原料とした場合には、塩素を含有しない合成シリカガラスを容易に得ることができる。ゾル−ゲル法による合成シリカ粉は、上述のように、熔融前には50〜100ppm程度のシラノールを含有している。これを真空熔融すると、シラノールの脱離が起こり、得られるシリカガラスのシラノールは5〜30ppm程度にまで減少する。なお、シラノール量は熔融温度、昇温温度等の熔融条件によって異なる。同じ条件で天然シリカ粉を熔融して得られる天然シリカガラスのシラノール量は50ppm未満である。
一般に、合成シリカガラスは天然シリカ粉を熔融して得られるシリカガラスよりも高温における粘度が低いと言われている。この原因の一つとしてシラノールやハロゲンがSiO四面体の網目構造を切断していることが挙げられる。合成シリカ粉を熔融して得られたガラスは、光透過率を測定すると、波長200nm程度までの紫外線を良く透過し、紫外線光学用途に用いられている四塩化ケイ素を原料とした合成シリカガラスに近い特性であると考えられる。合成シリカ粉を熔融して得られたガラスでは、波長245nmの紫外線で励起して得られる蛍光スペクトルを測定すると、天然シリカ粉の熔融品のような蛍光ピークは見られない。
また、天然シリカ粉とは天然シリカからなるものを意味しており、天然シリカとは、自然界に存在する石英原石を掘り出し、破砕・精製などの工程を経て得られる原料であり、天然シリカ粉はα−石英の結晶からなる。天然シリカ粉ではAl、Tiが1ppm以上含まれている。またその他に金属不純物についても合成シリカ粉よりも高いレベルにある。天然シリカ粉はシラノールをほとんど含まない。天然シリカ粉から得られたガラスでは、光透過率を測定すると、主に不純物として約1ppm含まれるTiのために波長250nm以下になると急激に透過率が低下し、波長200nmではほとんど透過しない。また245nm付近に酸素欠陥に起因する吸収ピークが見られる。
また、天然シリカ粉の熔融品では、波長245nmの紫外線で励起して得られる蛍光スペクトルを測定すると、280nmと390nmに蛍光ピークが観測される。これらの蛍光ピークは、ガラス中の酸素欠陥に起因するものである。含有する不純物濃度を測定するか、シラノール量の違い、あるいは、光透過率を測定するか、波長245nmの紫外線で励起して得られる蛍光スペクトルを測定することにより、ガラス材料が天然シリカであったか合成シリカであったかを判別することができる。
本発明においては、原料としてシリカ粉が用いられているが、シリカ粉は、合成シリカ粉であっても天然シリカ粉であってもよい。天然シリカ粉は、石英の粉であってもよく、水晶、珪砂等のシリカガラスルツボの原材料として周知の材料の粉であってもよい。また、シリカ粉は、結晶状態、アモルファス、ガラス状態の何れであってもよい。
本発明によれば、シリカガラスルツボの製造中にヒュームの発生量を測定する上記構成により、製造工程において、ヒュームのシリカ粉層への付着を防止することが可能になるとともに、原料熔融状態の制御がリアルタイムで可能となる。これにより、製品特性のバラツキ発生を低減し、安定した品質管理が可能となり、内表面特性に優れたシリカガラスルツボを製造することができる。
そして、本発明で得られるシリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引き上げを行い、シリコン単結晶を製造した場合には、結晶欠陥が抑制されて結晶性に優れたシリコン単結晶が得られる。
本発明のシリカガラスルツボの製造装置の一実施形態を説明する正面図である。 本発明のシリカガラスルツボの製造装置の一実施形態を説明する模式図であり、(a)は図1における電極の位置を詳細に示す平面図、(b)は側面図である。 本発明のシリカガラスルツボの製造装置の一実施形態を説明する模式図であり、図1におけるモールドの位置を詳細に示す側面図である。 本発明のシリカガラスルツボの製造方法の一実施形態を説明する模式図であり、各工程を示すフローチャートである。 本発明のシリカガラスルツボの製造装置の一実施形態におけるヒューム量測定部を説明する拡大正断面図である。 本発明のシリカガラスルツボの製造装置の一実施形態におけるヒューム量測定部の他の例を説明する拡大側断面図である。 本発明のシリカガラスルツボの製造装置の一実施形態におけるヒューム量測定部の他の例を説明する拡大正断面図である。
以下、本発明に係るシリカガラスルツボの製造装置及びシリカガラスルツボの製造方法の一実施形態について、図面を適宜参照しながら説明する。
図1は、本実施形態におけるシリカガラスルツボ製造装置の一部を示す正面図であり、図1中において符号1は、シリカガラスルツボ製造装置である。なお、以下の説明において参照する図面は、シリカガラスルツボの製造装置及びシリカガラスルツボの製造方法を説明する図面であって、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の寸法関係とは異なっていることがある。
本発明に係るシリカガラスルツボ製造装置1及びシリカガラスルツボの製造方法によって得られるシリカガラスルツボ50は、内部にシリコン多結晶原料を熔融したシリコン融液が貯留され、回転させながらシリコン単結晶の種結晶を浸漬して徐々に引上げ、種結晶を核としてシリコン単結晶を成長させながら引き上げる際に使用されるものである。
[シリカガラスルツボの製造装置]
本実施形態のシリカガラスルツボ製造装置1は、図1に示すように、図示しない回転手段によって回転可能とされ、シリカガラスルツボの外形を規定するモールド10を有し、モールド10の内部に原料粉(シリカ粉)が所定の厚さで供給され、シリカ粉層11とされる。このモールド10内部には、その内表面に貫通するとともに図示しない減圧手段に接続された通気口12が複数設けられ、シリカ粉層11が配されたモールド10内部を減圧可能となっている。また、モールド10の上側の位置には、アーク放電手段として電力供給手段40に接続された炭素電極(電極)13が設けられ、シリカ粉層11を加熱可能とされている。
シリカガラスルツボ製造装置1は、モールド10内において、炭素電極13によるアーク放電でシリカ粉層11を熔融させた際に発生するヒューム80の量を検出するヒューム量測定部30が備えられている。図示例では、炉壁17に覆われた炉内15から炉外にヒューム80を排出する排気管16にヒューム量測定部30が設けられている。また、シリカガラスルツボ製造装置1は、ヒューム量測定部30の測定結果に基づき、モールド10と炭素電極13との相対位置状態、モールド10の位置状態、炭素電極13に供給する電力、炭素電極13の位置状態の内の何れかを変動させることにより、モールド10内におけるシリカガラスの熔融状態を制御する制御手段35が備えられている。
図1に示す炭素電極13は、制御手段35に接続された電極位置設定手段20により、図中矢印Tで示すように上下動可能とされ、高さ方向位置Hの設定が可能とされている。また、炭素電極13は、電極位置設定手段20によって電極開度が可変とされており、図中矢印Dで示すように電極間距離D等を設定可能とされるとともに、この電極位置設定手段20により、モールド10との高さ以外の相対位置も設定可能となっている。また、電極位置設定手段20及び電力供給手段40は、それぞれ、制御手段35に接続されている。
シリカガラスルツボ製造装置1は、300kVA〜12000kVAの出力範囲で、複数の炭素電極13を用いたアーク放電によって非導電性対象物(シリカ粉)を加熱熔融する高出力の装置とされている。また、電力供給手段40から炭素電極13に供給される電力は、制御手段35によって制御可能となっている。
図2は、本実施形態におけるシリカガラスルツボ製造装置の炭素電極13及びモールド10の位置を示す平面図(a)、側面図(b)である。
炭素電極13は、例えば、交流3相(R相、S相、T相)のアーク放電をおこなうよう同形状の電極棒とされ、図1及び図2に示すように、下方に頂点を有するような逆三角錐状となるように、それぞれの軸線13Lが所定の角度θをなすようにそれぞれが設けられている。電極の本数、配置状態、供給電力方式は上記の構成に限ることはなく、他の構成も採用することが可能である。
本実施形態の炭素電極13の各々は、粒子径0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下、さらに好ましくは粒子径0.05mm以下の高純度炭素粒子によって形成されていることが好ましい。また、炭素電極13は、その各々の密度が1.30g/cm 〜1.80g/cm 、あるいは1.30g/cm 〜1.70g/cmの範囲である時、各相に配置した炭素電極13の相互の密度差が0.2g/cm以下とされ、高い均質性を有するものであることが好ましい。
電極位置設定手段20は、詳細な図示を省略するが、炭素電極13について、その電極間距離Dを設定可能として支持する支持部と、この支持部を水平方向に移動可能とする水平移動手段と、複数の支持部およびその水平移動手段を一体として上下方向に移動可能とする上下移動手段とを有するものとされている。上述の支持部においては、炭素電極13が図示略の角度設定軸周りに回動可能に支持され、角度設定軸の回転角度を制御する回転手段を有している。また、炭素電極13の電極間距離Dを調節するには、図1中に矢印で示すように、回転手段により炭素電極13の角度を制御するとともに、水平移動手段により支持部の水平位置を制御する。また、上下移動手段により、支持部の高さ位置を制御して電極先端部13aのシリカ粉層11上端位置(モールド開口上端位置)に対する高さ位置Hを制御することが可能となる。
本実施形態のシリカガラスルツボ製造装置1においては、ヒューム量測定部30の測定信号が制御手段35に入力される。そして、制御手段35において、ヒューム80の検出量に基づいた制御が行なわれることにより、電極位置設定手段20及び電力供給手段40を介して、上述したような、炭素電極13の各位置状態や、印加電力の制御が行なわれる。
図3は、本実施形態におけるシリカガラスルツボ製造装置のモールド10の位置を示す側面図である。
シリカガラスルツボ製造装置1は、上述のモールド10が、制御手段35に接続されたモールド位置設定手段21により、作動軸22を介して、図3中において、水平方向移動(図中矢印Y方向)や、傾斜(図中矢印F方向)するように移動する他、回転(図中矢印R方向)又は旋回(図中矢印S方向)動作が可能な構成とされている。またさらに、シリカガラスルツボ製造装置1は、図3中の矢印X方向で示すように、炭素電極13(図1参照)とモールド10とを垂直相対位置で移動させることが可能な構成とされている。
モールド位置設定手段21は、上述のヒューム量測定部30の測定結果に基づいて制御され、モールド10を、上記各種作動方向にて移動させるものである。
モールド位置設定手段21は、図1に示すように、作動軸22を介してモールド10を回転状態を維持または回転数を所定の状態に制御しながら、その回転軸の位置および/または方向を各方向に変化させるものであり、詳細な図示を省略するが、内部には、作動軸22及びモールド10を所望の方向で作動させるためのモータやカム機構、昇降装置等が備えられている。
ヒューム部測定部30は、上述したように、排気管16の経路上に設けられ、外排気管16から炉外に排出される排気ガス中に含有され、SiO等のシリカ蒸気からなるヒューム80の量を測定するものである。
ヒューム測定部30は、例えば、光センサ、CCDカメラ等の画像撮影手段、静電センサ、あるいは誘電センサを用いて、測定対象であるシリカ蒸気、即ちヒューム80を検知することで検知信号を出力する。
図5にLambert-Beer の法則を利用している光透過法によるヒューム測定部30の例を示す。
この場合、ヒューム測定部30は、外排気管16のガス流Gの流速方向に対して略直交する測定光SLを放射可能な投光器(測定光源)31aと、この放射光SLを直接受光してその強度を測定可能な受光部31bとを有し、これら投光器31aと受光器31bとは互いに対向した状態で排ガスダクト16に設けた開口付近に直接取り付けられる。なお、取り付け機構は図示していない。この受光素子31bとしては、光センサ、画像撮影手段等が採用できる。
ヒューム測定部30における測定は、光源31aによって外排気管16内の排ガスG中に測定光SLを投射すると,外排気管16内を流れるガスG中のダスト粒子(ヒューム)により,その一部が遮光され、ヒュームがない場合の光量に対して減衰した光量が受光部30の受光素子に投射される。受光した光エネルギを測定して,ダスト粒子(ヒューム)の相対濃度を求めることができる。
なお、図5に示す構成に代えて、測定光源31aと受光素子31bを収納した検出部と、反射器とを、排ガスダクト16に対向して取り付け,測定光SLを同一光路で往復させるダブルビーム方式とすることもできる。この方式は、受光量はダスト濃度には比例しない。また、比較的安価で簡単な構成によって手軽にダストの状況をモニタリングできる。
なお、外排気管16から排ガスの一部を吸引して、外排気管16外部に設けられた測定光路に導いて測定することもできる。
図6に光散乱法によるヒューム測定部30の例を示す。
この場合、ヒューム測定部30は、外排気管16のガス流Gの流速方向に対して略直交する測定光SLを放射可能な投光器(測定光源)32aと、ガス流Gの流速方向および放射光SLとは角度を有する散乱光SLLを受光してその強度を測定可能な受光部32bとを有し、投光器32aと受光器32bとが排ガスダクト16に設けた開口付近にレンズ33cとともに直接取り付けられる。なお、取り付け機構は図示していない。
ヒューム測定部30における測定は、外排気管16の排ガス中のダスト粒子に測定光SLを投射した時、ダスト粒子80により測定光SLが吸収・散乱される。その散乱光SLL強度が、ダスト濃度に比例する性質を利用して、外排気管16の中心付近とされる検出部位を通過するダスト粒子(ヒューム)80に継続的に測定光SLを照射し、散乱光SLLを電気的に変換・演算処理を行う。この例におけるダスト濃度の校正は,標準散乱棒でのスパン点校正,クリーンエアでのゼロ点校正が可能であり、JIS Z 8808による測定値による重量換算係数設定が可能である。また、炉内15からのガス採取口から煙道ガス流速に等しい流速で吸引する等速吸引方式に近似しており,流速による誤差はほとんどなく,上記JIS法の測定値に近い値になる。この受光素子32bとしては、光センサ、画像撮影手段等が採用できる。
図7に摩擦静電気検出法によるヒューム測定部30の例を示す。この場合、ヒューム測定部30は、外排気管16のガス流Gの流速方向に対して略直交する棒状の静電センサ33bが排ガスダクト16に直接取り付けられる。
ヒューム測定部30における測定は、摩擦静電気あるいは接触帯電として知られているもので、2つの固体粒子が接触すると粒子間で電荷の移動が起こることを利用して、排ガスダクト16に基端を保持した状態で立設しているプローブ状のセンサ33bが排ガスG中に挿入され、排ガスG中のヒューム粒子80がセンサ33bに衝突または近くを通過すると電荷の移動が起こり、センサに発生する電流の大小によってダストの相対濃度を求めるものである。摩擦静電気によって生じる電流は,次式で与えられる。
I = Ka・M・V・(b/d)
ここで、
I:摩擦電流(A)
Ka;定数
M:ヒューム粒子の質量流量(kg/s)
V:流速(m/s)
b:定数
d:粒子径(m)
である。
そして、これらヒューム測定部30の受光部(センサ)31b、32b、33bから出力される検知信号を図示略のAD変換器を介して制御部(CPU)に入力し、所定の演算処理を行なうことにより、ヒューム80の測定量が正確に得られ、後述の制御手段35に向けて出力することができる。
なお誘電センサとしては図示しないが、投光器31aと受光器31bとのように、対向する静電容量検知端子を有する誘電率検知器を設け、外排気管16内を流れるガスG中のダスト粒子(ヒューム)により誘電率検知器における誘電率が変化するが、これを、ヒュームがない場合の誘電率に対して比較して,ダスト粒子(ヒューム)の相対濃度を求める誘電センサによって測定することができる。
また、本実施形態では、ヒューム量測定部30が、モールド10内において発生するヒューム80を炉外に排出するための排出管16に設けられた例を説明しているが、これには限定されない。ヒューム量測定部30は、例えば、モールド10及び炭素電極13が収容されてアーク放電を行なう炉内15に設置しても良く、ヒューム80の発生量を適正に測定できる位置であれば、その設置場所は何ら限定されない。たとえば、回転モールド10の縁部上側位置10cmの点付近が測定位置となるように、光散乱法によるヒューム測定部30の投光器32aと受光器32bとの角度を調節して設けることが可能である。あるいは、排気管16の炉内15への開口位置を所定の測定位置となるようにして、ヒューム測定部30そのものは排気管16に設けることも可能である。
制御手段35は、ヒューム量測定部30におけるヒューム80の測定量の信号が入力され、例えば、CPU等からなる演算処理装置からなるものである。そして、ヒューム量測定部30から出力されるヒューム80の測定結果に基づき、モールド10と炭素電極13との相対位置状態、モールド10の位置状態、炭素電極13に供給する電力、炭素電極13の位置状態の内の何れかを変動させる制御を行なう。制御手段35は、モールド10を上記の様に動作させる制御を行なうことにより、モールド10内におけるシリカガラスの熔融状態を適正に制御することを可能とするものである。また、制御手段35は、例えば、液晶表示装置等の手段を備えることにより、作業者が、製造条件の状況をリアルタイムで把握することが可能な構成とすることができる。
また、制御手段35は、ヒューム量測定部が、基準ヒューム量に対する増減が20%を超えてヒューム80の量を検出した際に、モールド10と炭素電極13との相対位置状の他、モールド10の位置状態、炭素電極13に供給する電力、炭素電極13の位置状態の内の何れかを変動させる制御を行なう構成とすることが、モールド10内におけるシリカガラスの熔融状態をより適正に制御可能となる点からより好ましい。
シリカガラスルツボ製造装置1は、上述のようなヒューム量測定部30が備えられ、製造中においてヒューム80の発生量を測定し、リアルタイムで製造条件へのフィードバックが可能な構成とされている。このような構成とすることにより、ヒューム80の発生量を常時監視することができるので、シリカガラスルツボ50を製造する際、内表面の特性が低下するのを防止できる。すなわち、製造工程において、ヒューム80のシリカ粉層11への付着を防止することが可能になるとともに、原料熔融状態の制御がリアルタイムで可能となる。従って、製品特性のバラツキ発生を低減し、安定した品質管理が可能となり、内表面特性に優れたシリカガラスルツボ50を製造することができる。
[シリカガラスルツボの製造方法]
次に、上述のようなシリカガラスルツボ製造装置1を用いた製造方法について、図面を適宜参照しながら説明する。
本実施形態のシリカガラスルツボの製造方法は、シリカ粉をルツボ成形用のモールド10内に成形し、このシリカ粉層11をアーク放電によって加熱熔融する方法であり、少なくとも、シリカ粉をモールド10の内部に供給してシリカ粉層11を形成するシリカ粉供給工程と、複数本の炭素電極13によるアーク放電でシリカ粉層11を熔融するアーク熔融工程とを有し、このアーク熔融工程は、少なくとも、モールド10内において発生するヒューム80の量を検出しながら、シリカ粉層11を熔融する方法である。
図4は、本実施形態におけるシリカガラスルツボ製造方法を示すフローチャートである。本実施形態のシリカガラスルツボの製造方法は、図1に示すシリカガラスルツボ製造装置1を用いた回転モールド法による方法とされ、図4に示すように、シリカ粉供給工程S1、電極初期位置設定工程S2、モールド初期位置設定工程S3、アーク熔融工程S4、冷却工程S5、取り出し工程S6、仕上げ処理工程S7の各工程が備えられる。
まず、図4に示すシリカ粉供給工程S1において、モールド10の内表面に原料シリカ粉を堆積することにより、シリカ粉層11を所望の形状、即ち、ルツボ状に形成する。このシリカ粉層11は、モールド10が回転することでの遠心力により、モールド10の内壁面に保持される。
次に、図4に示す電極初期位置設定工程S2においては、図1及び図2に示すように、電極位置設定手段20により、炭素電極13の各々が、下方に頂点を有するような逆三角錐状を維持し、且つ、各々の軸線13Lが適正角度を維持しつつ、先端13aで互いに接触するように電極初期位置を設定する。これと同時に、モールド10の縁からの電極先端までの高さ寸法である電極高さ位置H、あるいは、炭素電極13で形成される逆三角錐の中心軸である電極位置中心軸とモールド10の回転軸線との位置及び角度からなる、モールド−電極相対位置状態の初期状態を設定する。
次に、図4に示すモールド初期位置設定工程S3においては、図1及び図3に示すように、モールド位置設定手段21により、モールド10が、開口10A側を上側として垂直状態となるように、初期状態を設定する。
次に、図4に示すアーク熔融工程S4においては、電極13の位置設定を行なうことで、保持されたシリカ粉層11をアーク放電手段で加熱しつつ、減圧通路12を通じてモールド10とシリカ粉層11との間を減圧することにより、シリカ粉層11を熔融させてシリカガラス層とする。
また、本実施形態のアーク熔融工程S4は、電力供給開始工程S41、電極位置調整工程S42、モールド位置調整工程S43、電力供給終了工程S44を有している。ここで、電力供給開始工程S41においては、上述したように、電力供給手段40から、所定の電力量で炭素電極13への電力供給を開始する。なお、この状態においては、アーク放電は発生しない。
図4に示す電極位置調整工程S42においては、電極位置設定手段20により、炭素電極13が下方に頂点を有するような逆三角錐状を維持するかその角度θを変更して電極間距離Dを拡大する。これに伴って、炭素電極13の各々の間で放電が開始される。この際、各々の炭素電極13における電力密度が、例えば、40kVA/cm 〜1700kVA/cmの範囲となるように、電力供給手段40によって供給電力を制御する。さらに、電極位置設定手段20により、所定の角度θを維持した状態で、シリカ粉層11の熔融に必要な熱源としての条件を満たすように、電極高さ位置H等のモールド−電極相対位置状態を設定する。
なお、本発明において説明する電力密度とは、電極において、電極中心軸に直交する電極断面における単位断面積あたりで供給される電力量を意味するものである。具体的には、電極先端から軸方向長さが15〜25mm程度、好ましくは20mmの位置において、電極中心軸に直交する電極の断面積に対する、1本の電極に供給する電力の比として、次式{供給電力量(kVA)/電極断面積(cm)}で表される。また、より具体的には、20mmの位置における電極径寸法としては、φ20〜40mmが好ましく、より好ましくはφ25〜35mm、最も好ましくはφ30mmとして上記の範囲を設定することができる。
図4に示すモールド位置調整工程S43においては、排気管16に設けられ、光センサ、CCDカメラ等の画像撮影手段、静電センサ、あるいは誘電センサが用いられてなるヒューム量測定部30から出力される、ヒューム80の検知量(発生量)の測定信号に基づき、モールド位置設定手段21及び電極位置設定手段20の動作制御を行なう。本実施形態では、ヒューム量測定部30で測定されるヒューム80の量に基づき、制御手段35により、モールド10と炭素電極13との相対位置状態、モールド10の位置状態、炭素電極13に供給する電力、炭素電極13の位置状態の内の何れかを変動させることにより、モールド10内におけるシリカガラスの熔融状態を制御する。これにより、炉内15におけるヒューム80の発生量の測定結果に基づいて、モールド10内におけるシリカガラス熔融状態を制御し、内表面特性を詳細に制御しながらシリカガラスルツボ50を製造することが可能となる。
また、アーク熔融工程S4の備えられるモールド位置調整工程S43では、ヒューム80の量の測定結果に基づき、上述のように、図3(a)、(b)中において、水平方向移動(図中矢印Y方向)や、傾斜(図中矢印F方向)するように移動する他、回転(図中矢印R方向)又は旋回(図中矢印S方向)動作させるか、あるいは、矢印X方向で示すように、炭素電極13とモールド10とを垂直相対位置で移動させる制御を行なうことがより好ましい。これにより、ヒューム80の量の測定結果に基づいてモールド10内におけるシリカガラス熔融状態を制御する際、内表面特性をより詳細に制御しながらシリカガラスルツボ50を製造することが可能となる。
また、モールド位置調整工程S43においては、基準ヒューム量に対する増減が20%を超えてヒューム80の量を検出した際に、上述のような、モールド10並びに炭素電極13の各位置状態や、炭素電極13の各々に供給する電力の内の何れかを変動させる制御を行なうことにより、内表面特性をさらに詳細に制御しながらシリカガラスルツボ50を製造することが可能となる。
また、本実施形態で説明する、アーク熔融工程S4に備えられるモールド位置調整工程S43においては、ヒューム80の量の測定を、モールド10内において発生するヒューム80を炉外に排出するための排出管16の経路で行なう方法を説明しているが、これには限定されない。例えば、ヒューム80の量の測定箇所としては、炉内15における何れかの場所であっても良く、これら何れの場合であっても、被測定対象であるヒューム80の量を正確に測定することが可能である。
またさらに、本実施形態の製造方法において備えられるモールド位置調整工程S43では、制御手段35に表示装置が設けられることで、作業者が製造条件の状態をリアルタイムで確認できる。これにより、例えば、ヒューム80の発生量が所定よりも多くなった場合には、作業者が、炉内15におけるヒューム80に由来するコンタミの発生を防止するための操作を行うことも可能となる。
次に、図4に示す電力供給終了工程S44においては、シリカ粉層11の熔融状態が所定の状態となった後に、電力供給手段40による電力供給を停止する。
以上のようなアーク熔融工程S4により、シリカ粉からなるシリカ粉層11を熔融させ、シリカガラス層51に成形する。
次に、図4に示す冷却工程S5においては、電極13への電力供給を停止した後に、シリカガラス層51を冷却し、シリカガラスルツボ50とする。
次に、図4に示す取り出し工程S6においては、形成されたシリカガラスルツボ半製品52をモールド10から取り出す。
その後、図4に示す仕上げ工程S7においては、高圧水を外周面噴射するホーニング処理や、ルツボ高さ寸法を所定の状態にするリムカット処理、ルツボ内表面をHF処理する等の洗浄処理を行うことにより、シリカガラスルツボ50を製造することができる。
本実施形態においては、上述のアーク熔融工程S4において、シリカ粉層の表面付近から発生するヒューム80の量をリアルタイムで測定することが可能となる。これにより、シリカ粉層11にアーク放電を行ないながら、ヒューム80の発生量の検出結果を製造条件へ正確にフィードバックすることができ、シリカガラスルツボの内表面特性を向上させるための詳細な条件制御を行なうことが可能となる。さらに、ヒューム80の発生状態をリアルタイムで正確に測定することで、ヒューム80のシリカ粉層11への付着を防止することも可能となる。
以上説明したような、本発明のシリカガラスルツボの製造装置及びシリカガラスルツボの製造方法によれば、シリカガラスルツボ50の製造中にヒューム80の発生量を測定する上記構成により、製造工程において、ヒューム80のシリカ粉層11への付着を防止することが可能になるとともに、原料熔融状態の制御がリアルタイムで可能となる。これにより、製品特性のバラツキ発生を低減し、安定した品質管理が可能となり、内表面特性に優れたシリカガラスルツボ50を製造することができる。
上述のような、本発明で得られるシリカガラスルツボ50を用いて、シリコン単結晶の引き上げを行い、シリコン単結晶インゴットを製造した場合には、結晶欠陥が抑制されて結晶性に優れたシリコン単結晶が得られる。
以下、実施例を示して、本発明のシリカガラスルツボの製造装置及びシリカガラスルツボの製造方法について、更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、以下に説明する各実施例及び比較例の条件で、各々、回転モールド法を用いてシリカガラスルツボを製造した。この際、モールドとして口径が868.8mm(34.2インチ)のものを使用し、モールド内表面に堆積するシリカ粉層の平均層厚を28mmとすることにより、口径が812.8mm(32インチ)とされたシリカガラスルツボを製造した。また、シリカ粉層を熔融する際の通電時間を60minとし、同様に、通気口に接続された減圧手段により最大80〜90〜100〜120kPa程度までとなる減圧処理を通電開始から60minはシリカ粉層に対して行った。
[実施例1〜6]
下記表1に示すような条件とされ、図1に示すような、モールドの縁部直上10cmとなる位置に炉内からの排出位置となる開口を有し炉外へ接続された排出管にヒューム量測定部が設けられたシリカガラスルツボ製造装置を用い、モールド内において発生するヒュームの量を検出しながら、モールド内表面に堆積させたシリカ粉層をアーク熔融してガラス化した。ヒューム量測定部としては、光センサ、画像撮影手段であるCCDカメラ、誘電センサを用い、この画像信号を演算処理することでヒューム量を測定可能な構成のものを用いた。また、この際、アーク放電の条件を下記表1に示す条件とし、実施例1〜3のシリカガラスルツボを製造した。なお、表1には「炉内」と表記してある。
これら実施例1〜3と同様にして、炉壁(天井)に炉内からの排出位置となる開口を有し炉外へ接続された排出管にヒューム量測定部が設けられたシリカガラスルツボ製造装置を用い実施例4〜6とした。
本実施例においては、シリカ粉層をアーク熔融する際、炭素電極や炉壁内部へのヒューム付着の有無を、常時、目視で確認した。また、予め、好ましいルツボが得られた際のヒューム量測定値を取得して、これを基準ヒューム量として設定することにより、この基準ヒューム量に対する増減が20%を超えた場合に、製造条件を変化させる制御を行った。具体的には、良好なシリカガラスルツボが得られた際にヒューム量測定部で検出されたヒューム量は10秒ごとの平均値が概ね0.004mg/mであったので、この数値を基準ヒューム量とし、これに対して20%を越える増減があった場合に製造条件を変化させた。なお、排出管における排気ガス流量は3±0.1×10−2/secであった。
ここで、ヒューム量測定部で検知されたヒューム量が増加して基準ヒューム量を超えた場合は、炭素電極への供給電力を弱める(アーク強度を弱める)か、あるいは、炭素電極とモールドとの相対位置を離間させることにより、熔融したシリカ粉層の温度を下げた。一方、検知されたヒューム量が基準ヒューム量を下回った場合には、炭素電極への供給電力を高めるか、あるいは、炭素電極とモールドとの相対位置を近付けることにより、熔融したシリカ粉層の温度を上げた。
そして、製造したシリカガラスルツボの内表面、即ち、側壁内面及び底部内面の表面状態を目視検査して以下に示す基準で判定し、上記シリカ粉層を熔融した際の炭素電極や炉壁内部へのヒューム付着の有無とともに、結果を下記表2に示した。
(1)◎(優良)・・・製造したシリカガラスルツボの内表面において、加熱状態の適正値からの逸脱によって生じた気泡の過剰存在、凹凸の存在、ガラス化の不良等および/またはヒュームの落下に由来すると考えられる表面欠陥がほとんど見られなかった。
(2)○(良)・・・製造したシリカガラスルツボの内表面において、上記と同様の表面欠陥が僅かに見られたが、許容範囲内であった。
(3)×(問題あり)・・・製造したシリカガラスルツボの内表面において、上記と同様の表面欠陥が多数見られた。
またさらに、上記手順で製造したシリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引き上げを行い、引き上げられたインゴットの単結晶収率を調べ、以下に示す基準で判定し、結果を下記表2に示した。
(1)◎(優良)・・・単結晶収率が70%超であり、優れた結晶特性を示した。
(2)○(良)・・・単結晶収率が50〜70%と、許容範囲内であった。
(3)×(問題あり)・・・単結晶収率が50%未満であり、結晶欠陥が多かった。
[比較例1]
ヒューム量測定部が備えられていない従来の構成のシリカガラスルツボ製造装置を用い、ヒューム量に基づいた各種制御等を行なわずに、モールド内に供給されたシリカ粉層に対してアーク放電を行った点を除き、上記実施例4〜6と同様の手順で、比較例1のシリカガラスルツボを製造した。
また、上記実施例4〜6と同様、製造したシリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引き上げを行い、引き上げられたインゴットの単結晶収率を調べ、結果を下記表2に示した。
上記各実施例及び比較例におけるシリカガラスルツボの製造条件の一覧を下記表1に示すとともに、各々の評価結果の一覧を下記表2に示す。
表2に示すように、本発明に係る製造装置並びに製造方法を用いて製造した実施例1〜3のシリカガラスルツボにおいては、内表面に表面欠陥がほとんど見られず、表面特性の評価が全て「◎」又は「○」の判定であった。これにより、本発明の製造装置並びに製造方法が、ヒュームの発生量を効果的に抑制することができるとともに、同時に、これによって得られるシリカガラスルツボは、熔融状態が適正化された結果、内表面特性に非常に優れていることが確認できた。
そして、上記本発明の製造装置並びに製造方法によって得られるシリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶を引き上げた場合には、表2に示すように、単結晶収率が75〜80%であり、単結晶引き上げ特性の評価が全て「◎」の判定であり、結晶欠陥が無く優れた特性を有する単結晶が得られることが確認できた。
これに対して、従来の製造装置並びに製造方法を用いて製造した比較例1のシリカガラスルツボは、表2に示すように、炉壁及び炭素電極にヒュームの付着が確認された。また、比較例1のシリカガラスルツボは、内表面において表面欠陥が多数見られ、底部内面の表面特性の評価が全て「×」の判定であった。このため、比較例1のように、従来の製造装置並びに製造方法を用いてシリカガラスルツボを製造した場合には、熔融状態が適正化されない場合や、ヒュームが大量に発生する場合があり、これによって、製造後のシリカガラスルツボの内表面特性を低下させてしまうことがわかる。
そして、比較例1のシリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶を引き上げた場合には、表2に示すように、単結晶収率が10〜41%と低く、単結晶引き上げ特性の評価が全て「×」の判定であり、欠陥を含む結晶となることがわかる。
上記実施例の結果により、本発明のシリカガラスルツボの製造装置及び製造方法が、ヒュームの発生量を検知しながらシリカ粉層を熔融させることで、製造条件の制御が容易になり、製造後のシリカガラスルツボの内表面にヒュームに由来する表面欠陥が生じるのを抑制でき、内表面特性に優れたシリカガラスルツボを製造できることが明らかである。
そして、このようなシリカガラスルツボを用いてシリコン単結晶の引き上げを行った場合には、結晶欠陥が抑制されて結晶性に優れたシリコン単結晶が得られることが明らかである。
1...シリカガラスルツボ製造装置、10...モールド、11...シリカ粉層、13...炭素電極(アーク放電手段)、15...炉内、16...排出管、40...電力供給手段(アーク放電手段)、30...ヒューム量測定部、35...制御手段、50...シリカガラスルツボ、80...ヒューム

Claims (12)

  1. シリカ粉をモールド内に供給してシリカ粉層を形成し、このシリカ粉層をアーク放電によって加熱熔融してシリカガラスルツボを製造する装置であって、
    シリカガラスルツボの外形を規定するモールドと、
    複数の電極及び電力供給手段を具備するアーク放電手段と、
    前記モールド内において発生するヒュームの量を検出するヒューム量測定部を備えることを特徴とするシリカガラスルツボの製造装置。
  2. 前記ヒューム量測定部は、光センサ、画像撮影手段、静電センサ、あるいは、誘電センサにより、前記シリカ粉層に対してアーク放電した際に発生するシリカ蒸気を測定するものであることを特徴とする請求項1に記載のシリカガラスルツボの製造装置。
  3. さらに、前記ヒューム量測定部における測定結果に基づき、前記モールドと前記電極との相対位置状態、前記モールドの位置状態、前記電極に供給する電力、前記電極の位置状態の内の何れかを変動させることにより、前記モールド内におけるシリカガラスの熔融状態を制御する制御手段を具備してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリカガラスルツボの製造装置。
  4. 前記制御手段は、前記ヒューム量測定部における測定結果に基づき、前記モールドを、水平方向移動、傾斜、回転又は旋回させるか、あるいは、前記電極と前記モールドとを垂直相対位置で移動させるかの、何れかの制御を行なうことを特徴とする請求項3に記載のシリカガラスルツボの製造装置。
  5. 前記制御手段は、前記ヒューム量測定部が、基準ヒューム量に対する増減が20%を超えるヒューム量を検出した際に、前記モールドと前記電極との相対位置状態、前記モールドの位置状態、前記電極に供給する電力、前記電極の位置状態の内の何れかを変動させる制御を行なうことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のシリカガラスルツボの製造装置。
  6. 前記ヒューム量測定部が、前記モールド及び前記電極が収容されてアーク放電を行なう炉内か、あるいは、前記モールド内において発生するヒュームを炉外に排出するための排出管の、少なくとも何れかに設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のシリカガラスルツボの製造装置。
  7. シリカ粉をモールド内に供給してシリカ粉層を形成するシリカ粉供給工程と、複数本の電極によるアーク放電で前記シリカ粉層を熔融するアーク熔融工程とを有し、
    前記アーク熔融工程は、少なくとも、前記モールド内において発生するヒュームの量を検出しながら、前記シリカ粉層を熔融することを特徴とするシリカガラスルツボの製造方法。
  8. 前記アーク熔融工程は、光センサ、画像撮影手段、静電センサ、あるいは、誘電センサを用いて、前記シリカ粉層に対してアーク放電を行った際に発生するシリカ蒸気を測定することにより、前記モールド内で発生するヒュームの量を測定することを特徴とする請求項7に記載のシリカガラスルツボの製造方法。
  9. 前記アーク熔融工程は、前記ヒューム量の測定結果に基づき、前記モールドと前記電極との相対位置状態、前記モールドの位置状態、前記電極に供給する電力、前記電極の位置状態の内の何れかを変動させることにより、前記モールド内におけるシリカガラスの熔融状態を制御することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のシリカガラスルツボの製造方法。
  10. 前記アーク熔融工程は、前記ヒューム量の測定結果に基づき、前記モールドを、水平方向移動、傾斜、回転又は旋回させるか、あるいは、前記電極と前記モールドとを垂直相対位置で移動させるかの、何れかの制御を行なうことを特徴とする請求項9に記載のシリカガラスルツボの製造方法。
  11. 前記アーク熔融工程は、基準ヒューム量に対する増減が20%を超える前記ヒューム量を検出した際に、前記モールドと前記電極との相対位置状態、前記モールドの位置状態、前記電極に供給する電力、前記電極の位置状態の内の何れかを変動させる制御を行なうことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のシリカガラスルツボの製造方法。
  12. 前記アーク熔融工程は、前記ヒューム量の測定を、前記モールド及び前記電極が収容されてアーク放電を行なう炉内か、あるいは、前記モールド内において発生するヒュームを炉外に排出するための排出管の、少なくとも何れかの箇所で行なうことを特徴とする請求項7〜請求項11の何れか1項に記載のシリカガラスルツボの製造方法。
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