JP5451427B2 - 音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ及び音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法及び音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法。 - Google Patents

音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ及び音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法及び音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、水晶振動子に用いられる音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ及び音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法に関する。
従来の電子機器には、水晶デバイスが用いられている。従来の水晶デバイスは、その例として素子搭載部材、音叉型屈曲水晶振動素子、蓋部材とから主に構成されている。
素子搭載部材は、基板部と枠部で構成されている。
この素子搭載部材は、基板部の一方の主面に枠部が設けられて凹部空間が形成される。
その凹部空間内に露出する基板部の一方の主面には、一対の圧電振動素子搭載パッドが設けられ、音叉型水晶振動素子が搭載される。
また、基板部は、積層構造となっており、基板部の内層には、配線パターン(図示せず)等が設けられている。この配線パターンにより圧電振動素子搭載パッドは、素子搭載部材の基板部の他方の主面に設けられている外部接続用電極端子と接続している。
この音叉型屈曲水晶振動素子を囲繞する素子搭載部材の枠部の頂面には金属製の蓋部材が被せられ、接合されている。これにより、凹部空間が気密封止されている。
また、このような音叉型屈曲水晶振動素子は、水晶片と、外部接続用電極と、励振用電極と、周波数調整用金属膜とによって構成されている。
水晶片は、基部と、前記基部の側面より同一の方向に延びる2本の平板形状の振動腕部とによって構成されている。
これらの基部、振動腕部の表面には、素子搭載部材の圧電振動素子搭載パッドと電気的に接続を取る外部接続用電極、励振用電極、周波数調整用金属膜が形成されている。
また、図13に示すように、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ400は、水晶片410と、フレーム部420と、連結部430とによって構成されている。
前記水晶片410は、水晶ウエハをフォトリソグラフィー技術とエッチング技術により加工することで、同時に複数設けられている。
前記フレーム部420は、前記複数の水晶片410を囲むように設けられている。
前記連結部430は、前記水晶片の基部と前記フレーム部が連結されるように設けられている。
前記連結部430には、直線状の凹部440が設けられており、この直線状の凹部440に沿って水晶片を折り取ることにより、水晶片410を連結部420から分離する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法は、基部411と前記基部411から同一方向に延設した2本の振動腕部とを備えた水晶片410と、水晶片410を囲むようにして設けられているフレーム部420と、前記水晶片410の基部411と前記フレーム部420が連結されている連結部430と、前記連結部430の主面に直線状の凹部440と、を備えるように水晶ウエハ(図示せず)を加工して音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ400を形成する音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ形成工程を含むことが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、エッチング加工において、エッチングの進行は、マスクパターン(図示せず)の形状に従って、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ400の厚み方向に進行する。
このとき、水晶の異方性により、エッチングは基板平面に対して垂直には進行せず、断面視斜め方向に進行する。このため、厚み方向へエッチングが完了しても、平面視でマスクパターンよりはみ出た部分であるエッチング残り450が形成される。
また、エッチングの進行方向が、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの平面の方向(結晶方向)により異なるため、前記エッチング残り450の状態が、水晶片410の縁部の位置によって異なる。
また、従来の音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法は、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの複数の水晶片の前記基部に接続用電極と前記振動腕部に励振用電極とを形成する電極形成工程と、前記連結部に形成された直線状の凹部に沿って、水晶片を連結部から分離する音叉型屈曲水晶振動素子分離工程と、を含むことが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−39780号公報 特開昭58−157211号公報
しかしながら、従来の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ400は、連結部430に設けられた直線状の凹部440に沿って水晶片410を折り取ることで、前記連結部430から水晶片410を分離する際に、前記連結部430周囲のエッチング残り450が音叉型屈曲水晶振動素子側に付随してしまうことで、バリ450が形成されてしまうといった課題があった。
音叉型屈曲水晶振動素子にバリ450が形成されると、前記音叉型屈曲水晶振動素子を素子搭載部材に搭載する際に、素子搭載部材の枠部に接触することで位置ずれを起こしてしまうといった課題があった。また、前記音叉型屈曲水晶振動素子が位置ずれを起こすことで、前記音叉型屈曲水晶振動素子が搭載されている水晶デバイスの周波数特性が変動してしまうといった課題があった。
従来の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法によれば、基部と前記基部から同一方向に延設した2本の振動腕部とを備えた水晶片と、前記音叉型屈曲水晶振動素子ウエハのフレーム部と、前記水晶片の前記基部と前記フレーム部が連結されている連結部とを有し、前記連結部に直線状の凹部を形成するように音叉型屈曲水晶振動素子ウエハを加工する音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ加工工程を含むことによって、直線状に凹部を形成した後、別工程に移動する際に、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハに横からの応力が加わることによって、音叉型屈曲水晶振動素子が脱落してしまい、生産性が低下してしまうといった課題があった。
また、従来の音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法は、連結部420に設けられた直線状の凹部440を加工することで、前記連結部430から水晶片410を分離する際に、前記連結部430周囲のエッチング残り450が音叉型屈曲水晶振動素子側に付随してしまうことで、バリ450が形成されてしまうといった課題があった。
音叉型屈曲水晶振動素子にバリ450が形成されると、前記音叉型屈曲水晶振動素子を素子搭載部材に搭載する際に、素子搭載部材の枠部に接触することで位置ずれを起こしてしまうといった課題があった。また、前記音叉型屈曲水晶振動素子が位置ずれを起こすことで、前記音叉型屈曲水晶振動素子が搭載されている水晶デバイスの周波数特性が変動してしまうといった課題があった。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、音叉型屈曲水晶振動素子にバリが付随してしまうことを低減することができる音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ及び音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法及び音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハは、基部と基部から同一方向に延設した2本の振動腕部とを備えた水晶片と、ウエハのフレーム部と、水晶片の基部とフレーム部が連結されている連結部とを備え、連結部に曲線状の凹部が複数設けられており、前記凹部の開口面は、前記水晶片側に位置する一つの円弧形状の線分と、前記連結部側に位置する別の一つの円弧形状の線分と、前記2つの円弧形状の線分の両端をそれぞれつなげた2本の線分とで囲まれた位置に一定の間隔を空けて設けられていることを特徴とするものである。
本発明の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法は、基部と基部から同一方向に延設した2本の振動腕部とを備えた水晶片と、水晶片を囲むようにして設けられているフレーム部と、前記水晶片の基部とフレーム部が連結されている連結部と、前記連結部の主面に前記水晶片側に位置する一つの円弧形状の線分と、前記連結部側に位置する別の一つの円弧形状の線分と、前記2つの円弧形状の線分の両端をそれぞれつなげた2本の線分とで囲まれた位置に一定の間隔を空けて設けられた開口面を有する曲線状の複数の凹部と、を備えるように水晶ウエハを加工して音叉型屈曲水晶振動素子ウエハを形成する音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ形成工程を含むことを特徴とするものである。
本発明の音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法は、請求項2に記載の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法により製造された音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの基部に接続用電極と振動腕部に励振用電極とを形成する電極形成工程と、連結部に形成された曲線状の凹部に沿って、水晶片を連結部から分離する音叉型屈曲水晶振動素子
分離工程と、を含むことを特徴とするものである。
本発明の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハによれば、連結部に曲線状の凹部が設けられていることによって、前記連結部から水晶素板を分離する際に、応力が水晶片側にかかるため、連結部の水晶片側の曲線に沿って分離される。よって、音叉型屈曲水晶振動素子の前記連結部周囲のエッチング残りが音叉型屈曲水晶振動素子に付随してしないため、バリが形成されてしまうことを低減することができる。
また。音叉型屈曲水晶振動素子にバリが形成されることを低減することができるため、音叉型屈曲水晶振動素子を素子搭載部材に搭載する際に、位置ずれを起こしてしまうことを防ぐことができる。また、音叉型屈曲水晶振動素子が位置ずれを起こさないため、前記音叉型屈曲水晶振動素子が搭載されている水晶デバイスの周波数特性が変動することを防ぐことができる。
本発明の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法によれば、基部と前記基部から同一方向に延設した2本の振動腕部とを備えた水晶片と、水晶片を囲むようにして設けられているフレーム部と、前記水晶片の基部と前記フレーム部が連結されている連結部と、前記連結部の主面に曲線状の凹部と、を備えるように水晶ウエハを加工して音叉型屈曲水晶振動素子ウエハを形成する音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ形成工程を含むことによって、別工程に移動する際に、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハに横からの応力が加わっても、音叉型屈曲水晶振動素子の脱落することがないため、生産性を向上させることができる。
本発明の音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法によれば、前記連結部に形成された前記曲線状の凹部に沿って、音叉型屈曲水晶振動素子を連結部から分離する音叉型屈曲水晶振動素子分離工程と、を含むことによって、応力が音叉型屈曲水晶振動素子側にかかるため、連結部の音叉型屈曲水晶振動素子側の曲線に沿って分離される。よって、音叉型屈曲水晶振動素子の前記連結部周囲のエッチング残りが音叉型屈曲水晶振動素子側に付随してしないため、バリが形成されてしまうことを低減することができる。
また。音叉型屈曲水晶振動素子にバリが形成されることを低減することができるため、音叉型屈曲水晶振動素子を素子搭載部材に搭載する際に、位置ずれを起こしてしまうことを防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動子を用いた水晶デバイスの分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動子を示す外観斜視図である。 本発明の実施形態に係る水晶片を示す外観斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子ウエハを示す斜視図である。 半発明の第1の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子ウエハを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子ウエハであって、(a)は、水晶片の基部を一方の主面上より見た平面図であり、(b)は、水晶片を連結部より分離した状態を示す平面図である。 (a)は、本発明の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ加工工程で用いる水晶ウエハを示した斜視図であり、(b)は、本発明の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ加工工程を示す斜視図である。 (a)は、本発明の音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ加工工程で用いる水晶ウエハを示した斜視図であり、(b)は、本発明の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ加工工程を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子ウエハであって、(a)は、音叉型屈曲水晶振動素子の基部を一方の主面上より見た平面図であり、(b)は、音叉型屈曲水晶振動素子を連結部より分離した状態を示す平面図である。 本発明の他の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子ウエハを示す斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子ウエハを示す斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子ウエハを示す斜視図である。 従来の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハであって、(a)は、音叉型屈曲水晶振動素子の基部を一方の主面上より見た平面図であり、(b)は、音叉型屈曲水晶振動素子を連結部より分離した状態を示す平面図である。
以下に、本発明における音叉型屈曲水晶振動素子の実施形態を、図面を参照しながら説明する。尚、各図では、説明を明瞭にするため構造体の一部を図示せず、また寸法も一部誇張して図示している。
(水晶デバイス)
図1に示すように、水晶デバイスXTは、その例として素子搭載部材TB、音叉型屈曲水晶振動素子100、蓋部材RDとから主に構成されている。
素子搭載部材TBは、基板部と、枠部とで主に構成されている。
この素子搭載部材TBは、基板部の一方の主面に枠部が設けられて、凹部空間K1が形成されている。
前記素子搭載部材TBの凹部空間K1を囲繞する枠部の開口側頂面の全周には、環状の封止用導体パターンHPが形成されている。
凹部空間K1内で露出した基板部の一方の主面には、2個一対の圧電振動素子搭載パッドTPが設けられている。
素子搭載部材TBの基板部の他方の主面の両端には、外部接続用電極端子Gが設けられている。
基板部の内層には、配線パターン(図示せず)等が設けられており、所定の圧電振動素子搭載パッドTPと外部接続用電極端子Gを接続している。
蓋部材RDは、素子搭載部材TBの封止用導体パターンHP上に凹部空間K1の開口部を覆うように配置接合される。この蓋部材RDには、前記封止用導体パターンHPに相対する箇所に封止部材HBが設けられている。
また、前記素子搭載部材TB上に配置される蓋部材RDは、従来周知の金属加工法を採用し、42アロイ等の金属を所定形状に整形することによって製作される。蓋部材RDの上面には、ニッケル(Ni)層が形成され、更にニッケル(Ni)層の上面に少なくとも封止用導体パターンHPに相対する箇所に封止部材HBである金錫(Au−Sn)層が形成される。金錫(Au−Sn)層の厚みは、10μm〜40μmである。例えば、成分比率が、金が80%、錫が20%のものが使用されている。
(音叉型水晶振動素子)
図2及び図3に示すように、音叉型屈曲水晶振動素子100は、水晶片110aと、その水晶片110aの表面に設けられた励振用電極121a、121b、122a及び122bと、接続用電極123a及び123bと、周波数調整用金属膜124a及び124bと、導配線パターン125、126とにより概略構成される。
図3に示すように、水晶片110aは、基部111と振動腕部112からなり、振動腕部112が第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bとから成る。基部111は、結晶の軸方向として電気軸がX軸、機械軸がY軸、及び光軸がZ軸となる直交座標系としたとき、X軸回りに−5°〜+5°の範囲内で回転させたZ′軸の方向が厚み方向となる平面視略四角形の平板である。第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bは、基部111の一辺からY′軸の方向に平行に延設されている。
このような水晶片110aは、基部111と各振動腕部112とが一体となって音叉形状を成しており、フォトリソグラフィー技術と化学エッチング技術により製造される。
水晶片110aは、平板状となる基部111と、この基部111の一辺から同一方向に延出している2本一対の振動腕部112と、から構成されている。
なお、振動腕部112は、2本一対であることから、第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bとして説明する。
図2に示すように、励振用電極121aは、第一の振動腕部112aの表裏主面に設けられている。また、励振用電極121bは、第一の振動腕部112aの対向する両側面に設けられている。
周波数調整用金属膜124aは、第一の振動腕部112aの表主面及び両側面の先端部に設けられている。
接続用電極123aは、基部111の第一の振動腕部112a側であって、基部111の表裏主面に設けられている。
また、図2に示すように、励振用電極122aは、第二の振動腕部112bの表裏主面に設けられている。また、励振用電極122bは、第二の振動腕部112bの対向する両側面に設けられている。
周波数調整用金属膜124bは、第二の振動腕部112bの表主面及び側面の先端部に設けられている。
また、接続用電極123bは、基部111の第二の振動腕部112b側であって、基部111の表裏主面に設けられている。
なお、音叉型屈曲水晶振動素子100は、周波数調整用金属膜124a及び124bを構成する金属の量を増減させることにより、その振動周波数値を所望する値に調整することができる。
図2に示すように、励振用電極121a及び122bと、周波数調整用金属膜124bと接続用電極123bとは、水晶素板110a表面に設けられた、例えば導配線パターン125により電気的に接続している。
接続用電極123bは、基部111に設けられている導配線パターン125により励振用電極121aと電気的に接続している。また、接続用電極123bは、励振用電極122bと電気的に接続している。
また、励振用電極121b及び122aと、周波数調整用金属膜124aと接続用電極123aとは、水晶片110a表面に設けられた、例えば導配線パターン126により電気的に接続している。
接続用電極123aは、励振用電極121b及び周波数調整用金属膜124aと電気的に接続している。また、基部111の表主面に設けられた導配線パターン126は、励振用電極122a及び励振電極121bと電気的に接続している。
なお、各励振用電極121a、121b、122a及び122bと、接続用電極123a、123bと、周波数調整用金属膜124a、124bと、導配線パターン125、126とは、例えば下地金属としてのCr層と、その下地金属の上に重ねて設けられたAu層とから構成されている。
この音叉型屈曲水晶振動素子100を振動させる場合、接続用電極123a及び123bに交番電圧を印加する。印加後のある電気的状態を瞬間的にとらえると、第一の振動腕部112aの励振用電極121bは+(プラス)電位となり、励振用電極121aは−(マイナス)電位となり、+から−に電界が生じる。一方、このときの第二の振動腕部112bの励振用電極は、第一の振動腕部112aの励振用電極に生じた極性とは反対の極性となる。これらの印加された電界により、第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bに伸縮現象が生じ、各振動腕部112に設定した共振周波数の屈曲振動を得る。
(音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ)
図4〜図6に示すように、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aは、水晶片110aと、フレーム部20と、連結部30とによって構成されている。
前記水晶片110aは、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aをフォトリソグラフィー技術とエッチング技術により加工することで、同時に複数個設けられている。つまり、図4に示すように、前記水晶片110aは、マトリクス状になるように音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10a内に複数設けられている。
尚、この水晶片110aは、図2に示すように、各励振用電極121a、121b、122a及び122bと、接続用電極123a、123bと、周波数調整用金属膜124a、124bと、導配線パターン125、126が設けられている音叉型水晶振動素子100の状態であっても構わない。
前記フレーム部20は、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aをエッチング技術にて加工する際に、枠状になるように設けられている。つまり、図4〜図6(a)に示すようにフレーム部20は、前記複数の水晶片110aを囲むように設けられ、後述する連結部30にて、前記水晶片110aの前記基部111と連結されている。
図4〜図6(a)に示すように、前記連結部30は、前記水晶片110aの前記基部111と前記フレーム部20が連結されるように設けられている。
図4〜図6(a)に示すように、前記連結部30の主面には、曲線状の凹部40が複数設けられている。つまり、図4に示すように、前記凹部40の開口面は、水晶片110a側に位置する円弧形状の線分と、連結部30側に位置する円弧形状の線分と、前記2つの円弧形状の線分の両端をそれぞれつなげた2本の線分とで囲まれた位置に一定の間隔を空けて、複数設けられている。
また、図6(a)に示すように、連結部30の主面に設けられている曲線状の凹部40の連結部30側の曲線が設けられている幅W1は、水晶片110a側の曲線が設けられている幅W2と同じ長さになっている。また、曲線状の凹部40が設けられている箇所の幅寸法W1、W2は、例えば、60〜100μmである。
また、図6(a)に示す曲線状の凹部40の幅寸法W3は、例えば、20〜40μmであり、長さ寸法L1は、例えば、5〜20μmであり、厚み寸法は、例えば、80〜120μmである。また、隣り合う凹部40同士の間隔W4は、例えば、10〜30μmである。
また、エッチング技術において、エッチングの進行は、マスクパターン(図示せず)の形状に従って、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aの厚み方向に進行する。
このとき、水晶の異方性により、エッチングは基板平面に対して垂直には進行せず、断面視斜め方向に進行する。このため、図6(a)に示すように、厚み方向へエッチングが完了しても、平面視でマスクパターンよりはみ出た部分であるエッチング残り50が形成される。
また、エッチングの進行方向が、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aの平面の方向(結晶方向)により異なるため、前記エッチング残り50の状態が、水晶片110aの縁部の位置によって異なる。
本発明の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aによれば、連結部30に曲線状の凹部40が設けられていることによって、前記連結部30から水晶片110aを分離する際に、応力が水晶片110a側にかかるため、連結部30の凹部40に沿って分離される。よって、図6(b)に示すように、水晶片110aの前記連結部30周囲のエッチング残り50が音叉型屈曲水晶振動素子100側に付随してしないため、バリ50が形成されてしまうことを低減することができる。
また。音叉型屈曲水晶振動素子100にバリ50が形成されることを低減することができるため、音叉型屈曲水晶振動素子100を素子搭載部材TB(図1参照)に搭載する際に、位置ずれを起こしてしまうことを防ぐことができる。また、前記音叉型屈曲水晶振動素子100が位置ずれを起こさないため、前記音叉型屈曲水晶振動素子100が搭載されている水晶デバイスXT(図1参照)の周波数特性が変動することを防ぐことができる。
次に本発明の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法について図7(a)及び(b)を用いて説明する。
(音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ形成工程)
図7(a)及び(b)に示すように、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ形成工程は、基部111と前記基部111から同一方向に延設した2本の振動腕部112とを備えた水晶片110aと、水晶片110aを囲むようにして設けられているフレーム部20と、前記水晶片110aの基部111と前記フレーム部20が連結されている連結部30と、前記連結部30の主面に曲線状の凹部40と、を備えるように水晶ウエハWHを加工して音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aを形成する工程である。
まず、図7(a)及び(b)に示すように、平板の水晶ウエハWHをフォトリソグラフィー技術とエッチング技術により加工することで、基部111と前記基部111から同一方向に延設した2本の振動腕部112とを備えた水晶片110aと、前記音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aのフレーム部20と、前記水晶片110aの基部111と前記フレーム部20が連結されている連結部30とを形成すると共に、前記連結部30に曲線状の凹部40とを備えた音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aを形成するように加工する。
本発明の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法によれば、基部111と前記基部111から同一方向に延設した2本の振動腕部112とを備えた水晶片110aと、水晶片110aを囲むようにして設けられているフレーム部と、前記水晶片110aの基部111と前記フレーム部20が連結されている連結部30と、前記連結部30の主面に曲線状の凹部40と、を備えるように水晶ウエハWHを加工して音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aを形成する音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ形成工程を含むことによって、別工程に移動する際に、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aに横からの応力が加わっても、音叉型屈曲水晶振動素子110aの脱落することがないため、生産性を向上させることができる。
次に本発明の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法について図8(a)及び(b)を用いて説明する。
(電極形成工程)
電極形成工程は、図8(a)に示すように、前記音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aの複数の水晶片110aの前記基部111に接続用電極123a、123bと前記振動腕部112に励振用電極121a、121b、122a及び122bとを形成する工程である。
また、この励振用電極121a、121b、122a及び122b及び接続用電極123a、123bは、フォトリソグラフィー技術、蒸着技術やスパッタリング技術によって、所定のパターン形状にパターン形成される。
(音叉型屈曲水晶振動素子分離工程)
音叉型屈曲水晶振動素子分離工程は、図8(b)に示すように、前記連結部30に形成された前記曲線状の凹部40に沿って、水晶素板110aを連結部30から分離する工程である。
音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10aの各水晶片110aに分離ピン(図示せず)を押し当てることによって、音叉型屈曲水晶振動素子100を連結部30から分離する。つまり、分離ピンを各水晶片110aに押し当てることによって、応力が音叉型屈曲水晶振動素子100側にかかるため、連結部30に設けられた複数の凹部40に沿って分離される。
本発明の音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法によれば、前記連結部30に形成された前記曲線状の凹部40に沿って、音叉型屈曲水晶振動素子100を連結部30から分離する音叉型屈曲水晶振動素子分離工程と、を含むことによって、応力が音叉型屈曲水晶振動素子100側にかかるため、連結部30の凹部40に沿って分離される。よって、音叉型屈曲水晶振動素子100の前記連結部30周囲のエッチング残り50が音叉型屈曲水晶振動素子100側に付随してしないため、バリ50が形成されてしまうことを低減することができる。
また。音叉型屈曲水晶振動素子100にバリ50が形成されることを低減することができるため、音叉型屈曲水晶振動素子100を素子搭載部材TB(図1参照)に搭載する際に、位置ずれを起こしてしまうことを防ぐことができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子ウエハは、図9(a)に示すように、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10bの連結部30の主面に設けられている曲線状の凹部40の連結部120側の曲線が設けられている幅W1が水晶片110a側の曲線が設けられている幅W2よりも短い点で第1の実施形態と異なる。
図9(a)に示すように、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10bの連結部30は、前記水晶片110aの前記基部111と前記フレーム部20が連結されるように設けられている。
前記連結部30の主面には、曲線状の凹部40が設けられている。前記凹部40の開口面は、水晶片110a側に位置する円弧形状の線分と、連結部30側に位置する円弧形状の線分と、前記2つの円弧形状の線分の両端をそれぞれつなげた2本の線分とで囲まれるように位置に一定の間隔を空けて、複数設けられている。
この際に、図9(a)に示すように、連結部30の主面に設けられている曲線状の凹部40の連結部30側の曲線の幅W1が水晶片110a側の曲線が設けられている幅W2よりも短くなるように形成されている。つまり、凹部40を備えた部分を境界として、連結部30の主面に設けられている曲線状の凹部40の連結部30側の曲線の幅W1を短くすることにより、凹部40で分離しやすくしている。曲線状の凹部40が設けられている箇所の連結部側の幅寸法W1は、例えば、60〜100μmである。また、曲線状の凹部40が設けられている箇所の連結部側の幅寸法W2は、例えば、30〜70μmである。
このように本発明の第2の実施形態に係る音叉型屈曲水晶振動素子ウエハを構成しても、図9(b)に示すように、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
なお、本発明の実施形態について説明したが、振動腕部112の形状は、前記実施形態に限定されず、適宜、変更が可能である。
図10に示すように、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの水晶片110bの振動腕部112である第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bが第二の凹部113を有して構成されていても良い。
図11に示すように、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの水晶片110cの振動腕部112である第一の振動腕部112a及び第二の振動腕部112bがそれぞれ2本一対の第二の凹部113を有して構成されていても良い。
また、基部の形状は、前記実施形態に限定されず、適宜、変更が可能である。
例えば、基部の幅を部分的に変化させた構造である場合も、本発明を適用することができる。例えば、振動腕部112側の基部の幅と、実装により支持される端部側の幅とが異なるように構成されている場合でも、基部の幅方向に溝状の第一の凹部を設ければ、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
また、基部の幅を2本の振動腕部の外側を向く辺に合わせて、振動腕部の外側の辺と基部の外側の辺とが、直線上に位置するように合わせた構造としても良い。
これらのように音叉型屈曲水晶振動素子を構成しても、振動腕部から漏れる振動を減衰させて、支持する部分への振動の伝播を軽減し、温度特性やCI値の悪化を軽減させることができる。
また、第二の溝部は、振動腕部112の長さ方向に並べて設けても良い。
また、本発明の実施形態について、曲線状の凹部が、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの連結部の一方の主面に形成されている場合を説明したが、図12に示すように、前記曲線状の凹部40が音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ10cの連結部の両主面に設けても良い。
本発明の実施形態について、曲線状の凹部40が、音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの連結部の一方の主面に複数形成されている場合を説明したが、1つの凹部40でも構わない。
100・・・音叉型屈曲水晶振動素子
110a,110b,110c
・・・水晶片
111・・・基部
112a・・・第一の振動腕部
112b・・・第二の振動腕部
121a、121b、122a、122b・・・励振用電極
123a、123b・・・接続用電極
124a、124b・・・周波数調整用金属膜
125、126・・・導配線パターン
10a、10b、10c・・・音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ
20・・・枠部
30・・・連結部
40・・・凹部
50・・・エッチング残り、バリ
WH・・・水晶ウエハ

Claims (3)

  1. 基部と前記基部から同一方向に延設した2本の振動腕部とを備えた水晶片と、前記音叉型屈曲水晶振動素子ウエハのフレーム部と、前記水晶片の基部と前記フレーム部が連結されている連結部とを備え、
    前記連結部には曲線状の凹部が複数設けられており、
    前記凹部の開口面は、前記水晶片側に位置する一つの円弧形状の線分と、前記連結部側に位置する別の一つの円弧形状の線分と、前記2つの円弧形状の線分の両端をそれぞれつなげた2本の線分とで囲まれた位置に一定の間隔を空けて設けられていることを特徴とする音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ。
  2. 基部と前記基部から同一方向に延設した2本の振動腕部とを備えた水晶片と、水晶片を囲むようにして設けられているフレーム部と、前記水晶片の基部と前記フレーム部が連結されている連結部と、前記連結部の主面に前記水晶片側に位置する一つの円弧形状の線分と、前記連結部側に位置する別の一つの円弧形状の線分と、前記2つの円弧形状の線分の両端をそれぞれつなげた2本の線分とで囲まれた位置に一定の間隔を空けて設けられた開口面を有する曲線状の凹部と、を備えるように水晶ウエハを加工して音叉型屈曲水晶振動素子ウエハを形成する音叉型屈曲水晶振動素子ウエハ形成工程を含むことを特徴とする音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法。
  3. 請求項2に記載の音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの製造方法により製造された前記音叉型屈曲水晶振動素子ウエハの前記基部に接続用電極と前記振動腕部に励振用電極とを形成する電極形成工程と、
    前記連結部に形成された前記曲線状の凹部に沿って、水晶片を連結部から分離する音叉型屈曲水晶振動素子分離工程と、を含むことを特徴とする音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法。
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