JP5450510B2 - 跳ね上げ・折畳み式メガネ - Google Patents

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本発明はフロント部がブリッジを中心として回転することで跳ね上げることが出来、また、折畳んでコンパクトに収納することが可能な跳ね上げ・折畳み式メガネに関するものである。
近年、前掛け式メガネや跳ね上げ式メガネが多用されているが、前掛け式メガネとはフロント部の正面に別の前掛けフレームを着脱可能に取付けるように構成している。これに対して、跳ね上げ式メガネとは、跳ね上げフレームを着脱することなく、必要に応じて該跳ね上げフレームを上方へ跳ね上げることが出来る構造としている。
前掛け式メガネと跳ね上げ式メガネとは、その利便性に関して一長一短があり、各自が好みに応じて選択することが出来る。本発明では跳ね上げ式メガネを対象としているが、跳ね上げフレーム(フロント部)を跳ね上げる為の機構は色々存在している。しかし、基本構造は同じであり、フロント部側に設けた軸を介して上方へ回転出来ると共に、所定の角度に保持されて落下しない構造と成っている。
特開2004−334067号に係る「着脱可能な跳ね上げ眼鏡枠」は、マグネットの磁力により簡単に操作出来る、着脱可能な前掛け式跳ね上げ多機能型眼鏡枠である。すなわち、前掛けフレームを着脱、跳ね上げ両機能をブリッジに集約するためにフレームを正面から見て逆V字形、更に跳ね上げ角度においても90度〜130度のV字形にする事が大事で両ブリッジを重ね合わせた状態で相対的な位置にマグネットを装嵌して、マグネットの磁力を利用してフロントフレームブリッジと前掛けフレームブリッジを保持、安定させている。
実用新案登録第3121730号に係る「跳ね上げ式眼鏡枠」は、可動フレーム部が前面に跳ね上がるための機構部を、背面あるいは同軸上に設置し、全体のデザインを損なわないように組み入れるとともに、弾性力の発生部を眼鏡本体部と可動フレーム部の双方に複数分散させ、倍力作用を得て、従来の弾性力発生の小型化の限界を超えて小型化させたメガネである。
そこで、可動フレームに取り付けられたリムは、跳ね上げ軸、跳ね上げ軸を中心に回転が可能で、眼鏡本枠部から前面にリムが回り出ることができ、さらに弾性体の実施例の一つの形態であるスプリング、スプリングの作用で噛み合わせ部に厚接作用が生じ、どのような角度でも随時固定できるようにしている。
このように、従来の跳ね上げ式メガネはその跳ね上げ機構は色々知られているが、その構造は複雑で組立てが面倒である。従って、製作費が嵩むことでコストの高いメガネとなってしまう。
特開2004−334067号に係る「着脱可能な跳ね上げ眼鏡枠」 実用新案登録第3121730号に係る「跳ね上げ式眼鏡枠」
このように従来の跳ね上げ式メガネには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、跳ね上げ機構を簡単に構成すると共に、フロント部の跳ね上げ動作だけでなく、折畳むことでケースにコンパクトに収納することが出来るように構成した跳ね上げ・折畳み式メガネを提供する。
本発明に係る跳ね上げ式メガネは、そのフロント部が軸を中心として回転して自由に跳ね上げられ、しかも跳ね上げ角度(跳ね上げ高さ)は自由に調整可能としている。そこで、跳ね上げ機構にはコイルバネなどの弾性材を使用し、該コイルバネの軸方向バネ力を付勢してフロント部が自由に跳ね上げられ、所定の位置で停止して保持される。すなわち、如何なる傾斜角度においても停止し、フロント部の跳ね上げ角度が調整される。
さらに、本発明ではこのフロント部を跳ね上げ方向とは逆方向に回転して折畳むことが出来る機構を備えている。すなわち、本発明のメガネは、そのフロント部が所定の角度に跳ね上がることが出来ると共に、コンパクトな収納ケースに収容することが出来るように、フロント部を折畳むことが出来るように構成している。
ところで、メガネのフロントフレームはワタリを有し、このワタリの両側にはヨロイを形成し、該ヨロイ先端には継手を介してツルが折畳み出来るように取付けられており、そしてワタリ中央部には中央連結部材が軸を介して取付けられ、しかも中央連結部材の軸にはコイルバネが取付けられて、上方へ回転するトルクが作用するようにバネ力を付勢している。
また、中央連結部材の正面側には互いに平行を成す別の軸を介してフロント部が取付けられる。しかも、フロント部を取付けている軸にはコイルバネなど弾性材が取付けられていて、フロント部を所定の角度に跳ね上げることが出来、圧縮されて取付けられた上記コイルバネが伸長するバネ力などによって落下することなく保持される。
一方、本発明では跳ね上げ用の軸、及び折畳み用の軸の何れか片方を備えてフロント部をワタリに装着することも可能であり、一方の機能を備えたメガネとして構成することもある。
本発明に係る跳ね上げ・折畳み式メガネは、そのフロント部を所定の角度に跳ね上げることが出来、しかもフロント部を折畳んでケースにコンパクトに収納することが出来る。フロント部を折畳むことが出来る軸にはコイルバネが取付けられている為に、ケースを開くと同時に折畳まれたフロント部は元の位置に戻される為に、折畳み機能を備えていない一般的なメガネと同じように顔に即座に掛けることが可能である。
そして、フロント部は所定の角度に跳ね上げることが出来、跳ね上げられたフロント部は軸に取付けているコイルバネのバネ力、又は弾性材の男性力によって落下することなく所定の角度に保持される。本発明では互いに平行な跳ね上げ用の軸と折畳み用の軸を備えており、この軸には一般にコイルバネを取付けているが、該コイルバネのバネ力を選択して跳ね上げ力及び折畳み力の調整が可能と成る。そして、本発明では、跳ね上げ用と折畳み用の2本の軸を備えていることで、何れか一方の機能を備えたメガネとして構成することが簡単に出来る。
本発明に跳ね上げ・折畳み式メガネで、平面図、正面図、及び側面図を表している。 ワタリ中央部の拡大図。 中央連結部材を示す具体例。 フロント部のブリッジを示す具体例。 ワタリ中央部を表す拡大図。
図1は本発明に係る跳ね上げ・折畳み式メガネを示している実施例である。同図の1はフロント部、2はワタリ、3はヨロイ部、4はツルを示しており、
フロント部1はワタリ2の中央部に取付けられている。ヨロイ部3,3はワタリ2の両側に連続して形成され、ツル4,4はヨロイ部3,3の先端に蝶番5,5を介して折畳み出来るように取付けられている。
ここで、同図に示すヨロイ部3,3はワタリ2の両側に連続して形成されているが、独立した部品としてヨロイを製作し、これをワタリ2の両端にロウ付けすることも出来る。上記フロント部1はブリッジ6の両側にリム7,7をロウ付けして構成し、リム7,7にはレンズが嵌っている。また、フロント部1の形態として、同図のようなフルリムを用いることなく、上側をハーフリムとして下側には水糸などの高張力糸を用いてレンズを保持するように構成することも出来る。又は、リムを持たない縁なしフロント部として構成してもよい。
そして、フロント部1はワタリ2の中央部に取付けられているが、直接でなく中央連結部材8を介してフロント部1のブリッジ6が取着されている。すなわち、ワタリ2の背面側に小さい突片10a,10bが突出し、この両突片10a,10bに軸を介して中央連結部材8が取付けられ、この中央連結部材8の正面側に別の軸を介してフロント部1のブリッジ6が取付けられている。
図2はワタリ2の中央部を表しているが、ワタリ2の背面11に2つの突片10a,10bが所定の間隔をおいて突出し、両突片10a,10bの間には空間12が形成され、この空間12に上記中央連結部材8の脚が保持される軸が嵌って両突片10a,10bに取付けられる。また、ワタリ2の正面側にも空間13が設けられ、フロント部1のブリッジ6は該空間13に嵌ることが出来る。
図3は中央連結部材8を示す具体例であり、(a)は平面図、(b)は側面図を表している。該中央連結部材8は基部側に2本の脚14a,14bを延ばし、正面側中央にはアーム15を突出している。そして、両脚14a,14bには軸穴16が貫通し、同じくアーム15の先端にも軸穴17が貫通しており、これら軸穴16,17に軸が挿通する。その上面側には凹部23を形成している。
図4はフロント部1の中央に位置して両リム7,7を連結するブリッジ6を示す具体例である。該ブリッジ6は正面部18の両端に脚19a,19bを背面側へ延ばし、脚19a,19bの先端部には軸穴20,20が貫通している。該軸穴20,20には中央連結部材8のアーム先端に設けた軸穴17に挿通した軸が嵌り、該軸を中心としてブリッジ6は回動し、ブリッジ6の回動と共にフロント部1は跳ね上げられる。
図5はワタリ2とフロント部1の中央部を表し、(a)は断面図、(b)は(a)のA−A断面図をそれぞれ示している。ワタリ2の背面11に突出した突片10a,10bに設けた軸穴には軸21が嵌って取付けられ、この軸21には中央連結部材8の脚14a,14bが軸支される。そして、両脚14a,14bの間にはコイルバネ22が該軸21に取付けられている。そして、このコイルバネ22の一端はワタリ2に係止し、他端は中央連結部材8に係止していて、中央連結部材8には(b)において時計方向に回転するバネ力を付勢している。すなわち、中央連結部材8の上面には凹部23が形成され、この凹部23にワタリ2が常に嵌ることが出来るバネ力が付勢される。
また、中央連結部材8の正面側へ突出するアーム15には軸24が取付けられ、この軸24の両端はブリッジ6の両脚19a,19bに設けた軸穴20,20に嵌っている。すなわち、ブリッジ6は軸24に取付けられ、軸24を中心に回動することが出来、そしてアーム15と脚19a及びアーム15と脚19bとの間にはコイルバネ25a,25bが軸24に取付けられている。
このコイルバネ25a,25bは圧縮された状態でアーム15と脚19a及びアーム15と脚19bの間に取付けられていることで、コイルバネ25a,25bが伸長するバネ力が脚19a,19bに付勢され、ブリッジ6を回動させる為の摩擦抵抗が発生する。従って、ブリッジ6の両側にリム7,7を備えたフロント部1は軸24を中心として旋回して跳ね上げられるが、該コイルバネ25a,25bのバネ力によって、跳ね上げられたフロント部1は自重にて落下することはない。
すなわち、跳ね上げられたフロント部1が所定の角度にて停止することが出来るバネ力を発生するコイルバネ25a,25bが使用される。そこで、上記アーム15と脚19a及びアーム15と脚19bとの間にはコイルバネ25a,25bを圧縮した状態で介在する場合に限らず、弾性リング又は皿バネなどの弾性材を介在してもよい。
本発明のメガネはフロント部1を跳ね上げると共にケースに収容する場合にはフロント部1は折畳まれる。ところで、フロント部1が折畳まれる場合には軸24を中心として旋回しないように、すなわち軸21を中心として中央連結部材8と共に旋回することが出来るようにブリッジ6の底には当り片26が延びて中央連結部材8の底に当接する。従って、該フロント部1は軸21を中心として中央連結部材8と共に旋回して折畳まれる。
そして、本発明のメガネはケースの蓋を閉じると同時に、蓋によって押圧されることでフロント部1は折畳まれ、コンパクトな収納ケースに収容される。また、収納ケースの蓋を開くならば折畳まれているフロント部1はコイルバネ22の捩れバネ力によって軸21を中心として旋回して元の位置に復帰することが出来る。すなわち、フロント部1を手で戻すことなく、元の位置に自然に復帰する為に一般的なメガネの場合と同じように顔に掛けることが出来る。
ところで、実施例ではフロント部1を跳ね上げる機能と折畳む機能を備えたメガネに関して説明したが、何れか片方の機能を備えたメガネとして構成することが出来る。すなわち、折畳み機能だけを備える場合であれば、中央連結部材8の正面側にブリッジ6が回動することなく取着することが出来る。そして、折畳み機能を備えることなく跳ね上げ機能のみを備える場合であれば、ワタリ2の突片10a,10bに中央連結部材8が回動することなく取着される。
1 フロント部
2 ワタリ
3 ヨロイ部
4 ツル
5 蝶番
6 ブリッジ
7 リム
8 中央連結部材
10 突片
11 背面
12 空間
13 空間
14 脚
15 アーム
16 軸穴
17 軸穴
18 正面部
19 脚
20 軸穴
21 軸
22 コイルバネ
23 凹部
24 軸
25 コイルバネ
26 当り片


Claims (3)

  1. フロント部を所定の角度に跳ね上がることが出来、また収納ケースに収容する際にはコンパクトに折畳むことが出来る跳ね上げ・折畳み式メガネにおいて、ワタリの両側に設けたヨロイ部の先端には継手を介してツルを折畳み出来るように取付け、ワタリ背面側中央には軸を取付けると共に該軸には中央連結部材を軸支し、該軸には中央連結部材が上昇してワタリに当接するようにバネ力を付勢したコイルバネを取付け、そして中央連結部材はワタリの下側を通過して正面側へアームを延ばし、該アームの先端に取付けた軸にはフロント部のブリッジを回動可能に取付けると共にアームとブリッジの脚との間に回動摩擦を得る為にコイルバネなどの弾性部材を軸に取付けたことを特徴とする跳ね上げ・折畳み式メガネ。
  2. 上記ワタリ背面側には所定の距離をおいて突片を突出し、この突片間に軸を取付け、該軸に中央連結部材の2本の脚を軸支すると共に両脚間にコイルバネを取付けた請求項1記載の跳ね上げ・折畳み式メガネ。
  3. 上記フロント部のブリッジをワタリの正面側中央に形成した空間に嵌めた請求項1、又は請求項2記載の跳ね上げ・折畳み式メガネ。
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