JP5448332B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の動弁機構に関し、特にカムシャフトが揺動し、ロッカーアームを介して弁体を駆動する動弁機構に関する。
近年では、内燃機関のさらなる高性能化を図るべく、体積効率の向上が課題となっている。体積効率の向上のためには、まず吸入空気量を増大させることが必要であり、そのためには同一作動角あたりの吸気バルブのリフト量を増大させることが有効である。
一般に、同一作動角におけるバルブリフト量を増大させるためには、ロッカーアームを介して吸気バルブを開閉駆動する方が、レバー比(バルブ接触点から支持部までの距離と、フォロア接触点から支持部までの距離との比)によるリフト量増大の効果が得られるため有利であり、特許文献1には、すべりタイプのカムフォロアを備えるロッカーアームを用いた動弁機構が開示されている。
特開2001−182514号公報
ところで、すべりタイプのカムフォロアを用いる場合には、フォロア部分の曲率を小さくするほど、リフト量を増大させるために必要なトラベル(カムとカムフォロアとの接触点の軌跡)は長くなる。そして、トラベルが増大すると、駆動中にレバー比が過剰に大きくなる状況が生じ、カム−カムフォロア間接触荷重の増大や、カム軸駆動トルクの増加等といった動弁系に悪影響を及ぼす要因が発生する。
一方、カムフォロアの曲率を大きくするほど、トラベルの増大は抑制できるが、カム−カムフォロア間接触面圧が増大するので、フリクションの増大や摩耗の促進という問題が生じるおそれがある。特に、カムフォロアのバルブリフト初期のカムとの接触点近傍が摩耗すると、気筒間のバルブリフト量のバラツキによるアイドリング性能の悪化や、振動の増大という問題が生じる。
そこで、本発明では、ロッカーアームを用いる動弁装置において、動弁系に悪影響を及ぼす要因の発生や、フリクションの増大、摩耗の促進という問題を回避することを目的とする。
本発明は、機関の回転に同期して揺動する揺動カムと、一方の端部付近には支持部、他方の端部付近には機関弁と接触する弁接触部を備え、揺動カムに接触するカムフォロア部を支持部と弁接触部との間に備えるロッカーアームと、を備える内燃機関の動弁装置に関する。そして、揺動カムのカム面は揺動軸に対して弁接触部と反対側に突出しており、カムフォロア部は少なくとも2つ以上の異なる曲率の円弧からなるプロフィルを有し、かつ支持部側の方が弁接触部側よりも曲率が大きく、曲率の変化点は機関弁がリフト開始するときの揺動カムとの接触点よりも支持部側にある。また、揺動カムとロッカーアームが、ロッカーアームの長手方向において、支持部、揺動軸、弁接触部の順に並ぶよう配置される。これによって、揺動カムは、リフト開始時には接触点の面圧を低減するようカムフォロア部の曲率が小さい部分でカムフォロア部と接触し、リフト量が増大するのに伴ってトラベルの増大を抑制するようカムフォロア部の曲率の大きい部分と接触するようになり、リフト量増大の途中で接触点の移動方向が反転して最大リフト時には接触点の面圧を低減するようカムフォロア部の曲率が小さい部分と接触することを特徴とする。
本発明によれば、リフト量が大きくなるにつれて、カムフォロア部は曲率の大きな部分で揺動カムと接触することになるので、バルブリフト初期の接触点近傍の摩耗を回避しつつ、トラベルの増大を抑制することができる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態で使用するバルブのリフト量及び作動角を可変に制御することができる可変動弁機構の、揺動カム駆動部分についての概略図であり、シリンダヘッド(図示せず)に備えられる。図2は動弁機構の吸気バルブ駆動部分についての概略図(エンジンフロント側から見た図)である。
なお、ここでいうリフト量とは最大リフト量のことをいう。また、リフト量の可変制御とは最大リフト量を可変制御することをいい、クランクシャフトの回転に同期して開閉する際のリフト量変化は除くものである。
本可変動弁機構は、吸気バルブ18のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可変機構13と、そのリフトの中心角の位相(クランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構12と、が組み合わされて構成されている。
なお、このリフト・作動角可変機構13は、本出願人が先に提案し、位相可変機構12とともに特開2002−89303号公報や特開2002−89341号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。
リフト・作動角可変機構13は、シリンダヘッド上部の図示せぬカムブラケットに回転自在に支持された中空状の駆動軸1と、この駆動軸1に圧入等により固定された偏心カム2と、駆動軸1の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されるとともに駆動軸1と平行に配置された制御軸7と、この制御軸7の偏心カム部8に揺動自在に支持された可変動弁用ロッカーアーム4と、各吸気バルブ18の上端部に接触する弁接触部としてのバルブフォロア17を備え、支持部19を軸として揺動可能に備えられたバルブ駆動用ロッカーアーム(以下、単にロッカーアームという)15と、ロッカーアーム15を介して吸気バルブ18を開閉駆動する揺動カム6と、を備えている。可変動弁用ロッカーアーム4は一方の端部付近が連結ピン10を介してリンクアーム3の上方側端部と連結されており、他方の端部付近が連結ピン9を介してリンク部材5の上方側端部と連結されている。リンク部材5の下方側端部は連結ピン11を介して揺動カム6と連結されている。
支持部19は、いわゆるオイルピボットであるHLA(ハイドロリック・ラッシュ・アジャスタ)タイプの支持部材19aにより支持し、揺動カム6とカムフォロア16とのクリアランス(バルブクリアランス)をゼロに保つ。なお、ラッシュアジャスタ機能を有するものであれば、HLAに限らず、例えばバネ等により支持部19を押圧するものであってもよい。
駆動軸1は、後述するように、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動されるものである。
偏心カム2は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸1の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、リンクアーム3の環状部3aが回転可能に嵌合している。
可変動弁用ロッカーアーム4は、略中央部を偏心カム部8が回転可能に貫通している。偏心カム部8は、制御軸7の軸心から偏心しており、従って、制御軸7の角度位置に応じて可変動弁用ロッカーアーム4の揺動中心は変化する。
揺動カム6は、駆動軸1の外周に嵌合して回転自在に支持されており、駆動軸1の軸方向に対して直角方向へ延びた端部付近に、前述したようにリンク部材5の下端部が連結ピン11を介して連結している。この揺動カム6の下面には、駆動軸1と同心状の円弧をなす基円面6cと、該基円面6cから上記端部へと所定の曲線を描いて延びるカム面6bと、が連続して形成されており、これらの基円面6cならびにカム面6bが、揺動カム6の揺動位置に応じてカムフォロア16に接触するようになっている。
すなわち、基円面6cはベースサークル区間として、リフト量がゼロとなる区間であり、揺動カム6が揺動してカム面6bがカムフォロア16に接触すると、ロッカーアーム15は支持部19を軸として傾き、吸気バルブ18は徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
制御軸7は、図1に示すように、一方の端部に設けられたリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ14によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ14への油圧供給は、図示しないエンジンコントロールユニットからの制御信号に基づいて制御されている。
このリフト・作動角可変機構13の作用を説明する。駆動軸1が回転すると、偏心カム2のカム作用によってリンクアーム3が上下動し、これに伴って可変動弁用ロッカーアーム4が制御軸7を揺動軸として揺動する。この可変動弁用ロッカーアーム4の揺動は、リンク部材5を介して揺動カム6へ伝達され、該揺動カム6が揺動する。この揺動カム6のカム作用によって、カムフォロア16が押圧され、ロッカーアーム15が傾いて吸気バルブ18がリフトする。
ここで、リフト・作動角制御用油圧アクチュエータ14を介して制御軸7の角度が変化すると、可変動弁用ロッカーアーム4の揺動中心位置が変化し、ひいては揺動カム6の初期揺動位置が変化する。
例えば、偏心カム部8が上方に位置しているとすると、可変動弁用ロッカーアーム4は全体として上方へ位置し、連結ピン11が相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム6の初期揺動位置は、そのカム面6bがカムフォロア16から離れる方向に傾く。従って、駆動軸1の回転に伴って揺動カム6が揺動した際に、基円面6cが長い間カムフォロア16に接触し続け、カム面6bがカムフォロア16に接触する期間は短い。このためリフト量が全体として小さくなり、かつ、その開時期から閉時期までの角度範囲、すなわちカムの作動角も縮小する。
逆に、偏心カム部8が下方へ位置しているとすると、可変動弁用ロッカーアーム4は全体として下方へ位置し、揺動カム6の端部が相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム6の初期揺動位置は、そのカム面6bがカムフォロア16に近付く方向に傾く。従って、駆動軸1の回転に伴って揺動カム6が揺動した際に、カムフォロア16と接触する部位が基円面6cからカム面6bへと直ちに移行する。このためリフト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大する。
偏心カム部8の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性も連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角を、両者同時にかつ連続的に拡大,縮小させることができる。なお、この実施例では、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気バルブ18の開時期と閉時期がほぼ対称に変化する。
次に、位相可変機構12は、図1に示すように、駆動軸1の前端部に設けられたスプロケット20と、このスプロケット20と駆動軸1とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ21と、から構成されている。スプロケット20は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトと同期して回転している。位相制御用アクチュエータ21は、エンジンコントロールユニット(図示せず)からの制御信号に基づいて制御される。この位相制御用アクチュエータ21の制御によって、スプロケット20と駆動軸1とが相対的に回転し、リフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も連続的に得ることができる。位相可変機構12としては、油圧式、電磁式アクチュエータを利用したものなど、種々の構成が可能である。
なお、前記シリンダヘッドには、燃焼室内の混合気に火花点火するための点火栓(図示せず)が備えられており、前記点火栓の点火時期は運転状態に基づいて制御される。
上述した可変動弁機構を備えるエンジンにおける燃料噴射は、吸気ポート内に噴射するいわゆるポート噴射、又は燃焼室内に直接噴射するいわゆる筒内直接噴射式のいずれであっても構わない。
次に、揺動カム6及びロッカーアーム15について図2を参照して説明する。
ロッカーアーム15は、揺動カム6の揺動軸6aに対してカム面6bと同じ側を支持部19とし、下面には吸気バルブ18の上端部と接する略半球状のバルブフォロア17を備える。揺動軸6aは支持部19と吸気バルブ18との間に位置する。これにより、いわゆるロッカー比の作用によって、実際に揺動カム6がロッカーアーム15を押し下げた量よりも大きなリフト量が得られる。ロッカーアーム15の上面に設けたカムフォロア16は、揺動カム6の揺動角の変化に応じてカム面6bとの接触部が移動する、いわゆるすべりタイプである。
カムフォロア16のプロフィルは、2つの異なる曲率の円弧16a、16bが組み合わされており、支持部19に近い側の円弧16bの曲率の方が、バルブフォロア17に近い側の円弧16aの曲率よりも大きくなっている。なお、ここでいう曲率とは、曲率半径の逆数のことをいう。
曲率が小さい方の円弧16aの半径をR1、大きい方の円弧16bの半径をR2とすると、ベースサークル区間及びリフト区間の初期段階では半径R1の部分がカム面6bと接触し、リフトが進むと、半径R2の部分がカム面6bと接触する。すなわち、半径R1と半径R2の変化点は、基円面6cとの接触点よりも支持部19側に位置する。なお、本実施形態では、可変動弁機構により最小リフト量に設定した場合であっても、リフト区間においてカム面6bとカムフォロア16との接触点が半径R2の部分まで移動するものとする。
カム面6bの方向及びカムフォロア16のプロフィル等を上記のように設定することにより、バルブリフト開始からリフト量が最大になるまでの、カム面6bとカムフォロア16との接触部の移動の軌跡は、バルブリフト開始後に支持部19に近づく方向に進み、曲率半径がR2の範囲内の所定位置で反転してバルブフォロア17方向に進み、曲率半径がR2の範囲内でバルブリフトが最大加速度になり、その後、曲率半径がR1の部分でリフト量が最大となる。
図3は、カムフォロア16が、図2に示すように2つの曲率の円弧16a、16bを組み合わせたプロフィルの場合(図3(b))と、曲率一定のプロフィルの場合(図3(a))のそれぞれについて、ベースサークル区間及びリフト区間の状態を示した図である。
図3(a)のカムフォロア16の曲率中心をO1、曲率を1/R1、図3(b)の円弧16aの曲率中心をO1、曲率を1/R1、円弧16bの曲率中心をO2、曲率を1/R2とし、揺動カム6とカムフォロア16との接触点から支持部19までの距離をa、弁接触部としてのバルブフォロア17と機関弁としての吸気バルブ18との接触点から支持部19までの距離をbとする。また、揺動カム6とカムフォロア16との接触点において、カムフォロア16から揺動カム6に作用する荷重をFとする。なお、比較を容易にするために、図3(b)の揺動カム6は、揺動カム6の揺動角に対する吸気バルブ18のバルブリフト量が図3(a)の構成と同様になるようなプロフィルとなっているものとする。
図3(a)の場合には、カムフォロア16と揺動カム6との接触点の曲率は、常に1/R1であるが、図3(b)の場合には、ベースサークル区間では曲率1/R1の部分で接触し、リフト区間では曲率1/R2の部分で接触する。
接触面の曲率が小さいほどカムトラベルは大きくなるので、図3(b)の場合は図3(a)の場合に比べてカムトラベルが小さくなる。すなわち、距離aが大きくなる。そのため、レバー比も小さくなる。
荷重Fは、主に図示しないバルブスプリングの反力によるものである。したがって、バルブリフト量が同じ、つまりバルブスプリングの反力が同じであれば、レバー比が小さいほど荷重Fは小さくなる。
図4は、レバー比及びバルブリフト量と駆動軸1の回転角(駆動軸角)との関係を示す図である。図4中の実線Vはバルブリフト量、実線L1はカムフォロア16のプロフィルが2つの曲率を組み合わせの場合(図3(b)の場合)のレバー比、破線L2はカムフォロア16のプロフィルが単一の曲率の場合(図3(a)の場合)のレバー比を示している。なお、図4は、揺動カム6のプロフィルを変更することにより、カムフォロア16のプロフィルが異なっても、駆動軸1の回転角とバルブリフト量との関係が同じになるようにした場合について示している。
駆動軸1が回転し、駆動軸角d1でリフト区間が始まると、実線L1及び破線L2はいずれも急峻に立ち上がり、直後の駆動軸角d2で最大値となる。駆動軸角d1〜d2区間は、揺動カム6とカムフォロア16との接触点が支持部19に向けて進む区間なので、図3(a)、(b)を用いて説明したように、実線L1の方が破線L2よりも小さくなっている。
最大値をとった後は、実線L1、L2のいずれもレバー比が減少し、バルブリフトが最大となる駆動軸角d3で最小値をとる。そして、この区間でも実線L1は破線L2よりも小さくなっている。なお、この駆動軸角d2〜d3区間は、揺動カム6とカムフォロア16との接触点が支持部19から遠ざかる方法に進む区間である。最小値をとった後の駆動軸角d3〜d5区間のレバー比は、駆動軸角d1〜d3区間と対称形となる。
上記のように、リフト区間全域(駆動軸角d1〜d5)にわたって、実線L1は破線L2よりも小さくなっている。
図5は、カムフォロア16のプロフィルが2つの曲率を組み合わせである場合(図3(b)の場合)における吸気バルブ18のバルブ加速度、揺動カム6とカムフォロア16との接触点に作用する荷重(接触点荷重)、及び接触点荷重が駆動軸1の中心軸周りのモーメントとして作用する時の腕長さ、と駆動軸角との関係を示す図である。なお、接触点荷重は、接触点におけるカムフォロア16の曲率中心から接触点方向に作用する。
図6は、カムフォロア16のプロフィルが単一の曲率である場合(図3(a)の場合)におけるバルブ加速度、接触点荷重、及び腕長さと駆動軸各との関係を示す図である。図5、6中の実線αはバルブ加速度、実線Fは接触点荷重、実線lは腕長さを示しており、駆動軸角d1〜d5は、図4の駆動軸角d1〜d5に対応している。
図3(a)、(b)と同様に、揺動カム6のカムプロフィルの調整によって駆動軸角に対するバルブリフト特性が同じになるようにしているので、バルブ加速度(実線α)は、図5、図6のいずれもほぼ同様の特性を示している。
腕長さ(実線l)は、接触点荷重の作用方向線と駆動軸1の中心との距離であり、図4に示したレバー比の特性と似た特性となる。したがって、図5、図6のいずれも、駆動軸角d1〜d2区間でほぼ最大値まで急激に大きくなり、最大値はカムフォロア16のプロフィルが単一の曲率である場合の方が大きくなる。その後、駆動軸各d3まで低下する。カムフォロア16のプロフィルが単一の曲率の場合(図3(a)の場合)は、2つの曲率の組み合わせの場合(図3(b)の場合)に比べて、接触点が支持部19側から吸気バルブ18方向に大きく移動するので、駆動軸角d2〜d3区間では、単一の曲率の方が2つの曲率の組み合わせの場合よりも、腕長さが大きく低下する。ただし、最小値は、2つの曲率の組み合わせの方が小さい。
接触点荷重は、図5、図6のいずれの場合も、ランプ区間が終了する駆動軸角d1からレバー比が最大となる駆動軸角d2の間で急激に大きくなり、駆動軸角d2近傍で最大値となる。最大値となった直後に、リフト区間開始時の大きさに近くなるまで小さくなるが、そこからバルブリフト量が最大値となる駆動軸角d3まで徐々に大きくなっている。これは、バルブリフト量の増大に伴って、図示しないバルブスプリングの反力が大きくなるためである。駆動軸角d3〜d5区間は、駆動軸角d1〜d3と対称の特性となる。
荷重の大きさは、前述したようにレバー比が小さい方が小さくなるので、カムフォロア16のプロフィルが2つの曲率の組み合わせである場合(図5)の方が、単一の曲率の場合(図6)よりも全域にわたって小さくなる。
図7は、揺動カム6を駆動するのに必要なトルク(カム軸駆動トルク)の大きさと駆動軸角との関係を示す図である。図7中の実線L1はカムフォロア16のプロフィルが2つの曲率の組み合わせである場合、破線L2は単一の曲率の場合を示している。
カム軸駆動トルクは、接触点荷重と腕長さとの積で表される。したがって、図5、図6の接触点荷重及び腕長さから、カムフォロア16のプロフィルが2つの曲率の組み合わせの場合の方が、単一の曲率の場合よりも、駆動軸角全域にわたって小さくなる。特に、バルブ加速度が最大正加速度付近の領域における両者の差は大きくなる。
図8、図9は、本実施形態のカムフォロア16のプロフィルの他の例を示す図である。図8はカムフォロア16のプロフィルが、3つの異なる曲率の円弧の組み合わせになっており、図2の円弧16bよりもさらにピボット19側に曲率R3(R2<R3)の円弧16cがある。これにより、図3(b)の場合よりもさらにレバー比、接触点荷重、腕長さを低減し、カム軸駆動トルクを低減することができる。
図9は、カムフォロア16のプロフィルが、吸気バルブ18側から支持部19側に向けて連続的に曲率が大きくなるよう構成されている。このような構成でも、同様にカム軸駆動トルク低減効果を得ることができ、さらに、設計の自由度が増すという効果も得られる。
以上のように本実施形態では、次のような効果を得ることができる。
(1)機関の回転に同期して揺動する揺動カム6と、一方の端部付近には支持部19、他方の端部付近には吸気バルブ18と接触するバルブフォロア17を備え、揺動カム6に接触するカムフォロア16を支持部19とバルブフォロア17との間に備えるロッカーアーム15と、を備え、揺動カム6のカム面は揺動軸に対して支持部19側に突出しており、カムフォロア16は少なくとも2つ以上の異なる曲率の円弧16a、16bからなるプロフィルを有し、かつ支持部19側の方がバルブフォロア17側よりも曲率が大きいので、リフト量が大きくなるにつれて、カムフォロア部は曲率の大きな部分で揺動カムと接触することになり、バルブリフト初期の接触点近傍の摩耗を回避しつつ、トラベルの増大を抑制することができる。
(2)カムフォロア16はすべりタイプのフォロワであるので、任意の複数の曲率の円弧を組み合わせたプロフィルを設けることができる。また、ローラタイプのフォロアに比べて、ロッカーアーム15を小形化することができる。
(3)カムフォロア16は、吸気バルブ18がリフト開始するときの揺動カム6との接触点よりも支持部19側に曲率の変化点を有するので、リフト区間初期における接触点近傍の面圧を低減し、かつそれ以外の領域でのカム軸駆動トルクの低減、トラベルの低減、レバー比の低減等の効果を得ることができる。
(4)カムフォロア16は、バルブフォロア17側から支持部19側に向って連続的に曲率が大きくなるプロフィルを有することにより、設計上の自由度が増し、様々な仕様のエンジンに適用することが可能となる。
なお、本実施形態は、吸気バルブ18のリフト量、作動角及び作動角中心位置を可変に制御可能な可変動弁機構について説明したが、これらの可変機構を有せず、単に揺動カム6によりロッカーアーム15を介して吸気バルブ18を駆動する動弁機構についても同様の効果を得ることができる。
第2実施形態について説明する。
本実施形態による可変動弁機構は、図2と同様の構成であり、ロッカーアーム15のカムフォロア16のプロフィルも、2つの異なる曲率の円弧の組み合わせになっている。ただし、リフト区間における揺動カム6とカムフォロア16との接触点と曲率の変化点との位置関係が異なる。
図10は、本実施形態のバルブ作動角が相対的に小さい場合について示す図であり、(a)はベースサークル区間、(b)は最大リフト時について示している。図11(a)、(b)はバルブ作動角が相対的に大きい場合について同様に示す図である。なお、図11は図3(b)と同様の図である。
図10に示すように、例えば低負荷運転時のようにバルブ作動角が相対的に小さいときには、ベースサークル区間及びリフト区間のいずれの場合も、揺動カム6とカムフォロア16との接触点は半径R1の部分となる。これに対して、例えば高負荷運転時のようにバルブ作動角が相対的に大きいときには、ベースサークル区間では図11(a)に示すように、当該接触点は半径R1の部分となるが、リフト区間では図11(b)に示すように、当該接触点は半径R2の部分となる。
図1に示す可変動弁機構において、バルブ作動角を相対的に小さくすると、バルブリフト量も相対的に小さくなる。そのため、図示しないバルブスプリングの反力が相対的に小さくなり、接触点荷重が相対的に小さくなる。したがって、揺動カム6と接触する部分のカムフォロア16の曲率が小さいためにレバー比が相対的に大きくても、リフト量が相対的に大きい場合と比べれば、カム軸駆動トルクは小さくなる。一方、揺動カム6と接触する部分のカムフォロア16の曲率が相対的に小さければ、曲率が相対的に大きい場合に比べて接触部分の面圧が小さくなるので、揺動カム6とカムフォロア16とのフリクションが低減し、また、摩耗が抑制される。
一般的な走行においては、低中負荷領域での運転が多くなるので、バルブ作動角が相対的に小さい状態での運転が多くなる。また、カムフォロア16のリフト区間初期の接触点近傍が摩耗すると、気筒間でのリフト量のバラツキによるアイドリング性能の悪化や、振動増大といった問題が生ずる。これらの問題を回避するために、本実施形態による小作動角時のフリクションの低減や摩耗の抑制は有効である。
また、バルブ作動角が相対的に大きい場合については、第1実施形態と同様に、カム軸駆動トルクの低減、カムとラベルの低減、レバー比の抑制等の効果を得ることができる。
以上のように本実施形態では、第1実施形態と同様の効果に加え、さらに次のような効果を得ることができる。
(1)吸気バルブ18のリフト特性・作動角を連続的に変更可能な可変動弁機構を備え、バルブ作動角が相対的に小さい場合には、カムフォロア16の曲率が相対的に小さい部分のみが揺動カム6と接触するので、バルブ作動角が相対的に小さい場合のカムフォロア16と揺動カム6との間のフリクションを低減し、カムフォロア16の摩耗を抑制することができる。また、バルブ作動角が相対的に大きい場合のカム軸駆動トルク、接触点荷重の低減を図ることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
可変動弁機構の、揺動カム駆動部分についての概略図である。 吸気バルブ駆動部分についての概略図(エンジンフロント側から見た図)である。 (a)は曲率一定のプロフィルの場合、(b)は2つの曲率を組み合わせたプロフィルの場合、についてのベースサークル区間及びリフト区間の状態を示した図である。 レバー比及びバルブリフト量と駆動軸1の回転角(駆動軸角)との関係を示す図である。 カムフォロアのプロフィルが2つの曲率を組み合わせである場合におけるバルブ加速度、接触点荷重、及び腕長さと駆動軸角との関係を示す図である。 カムフォロアのプロフィルが単一の曲率である場合におけるバルブ加速度、接触点荷重、及び腕長さと駆動軸各との関係を示す図である。 カム軸駆動トルクの大きさと駆動軸角との関係を示す図である。 カムフォロアのプロフィルの他の例を示す図である。 カムフォロアのプロフィルの他の例を示す図である。 バルブ作動角が相対的に小さい場合について示す図であり、(a)はベースサークル区間、(b)は最大リフト時について示している。 バルブ作動角が相対的に大きい場合について示す図であり、(a)はベースサークル区間、(b)は最大リフト時について示している。
符号の説明
1 駆動軸
2 偏心カム
3 リンクアーム
4 可変動弁用ロッカーアーム
5 リンク部材
6 揺動カム
7 制御軸
8 偏心カム部
12 位相可変機構
13 リフト・作動角可変機構
14 リフト・作動角制御用油圧アクチュエータ
15 バルブ駆動用ロッカーアーム(ロッカーアーム)
16 カムフォロア
17 バルブフォロア
18 吸気バルブ
19 支持部
20 スプロケット
21 位相制御用アクチュエータ

Claims (5)

  1. 機関の回転に同期して揺動する揺動カムと、
    一方の端部付近には支持部、他方の端部付近には機関弁と接触する弁接触部を備え、前記揺動カムに接触するカムフォロア部を前記支持部と前記弁接触部との間に備えるロッカーアームと、
    を備え、
    前記揺動カムのカム面は揺動軸に対して前記支持部側に突出しており、
    前記カムフォロア部は少なくとも2つ以上の異なる曲率の円弧からなるプロフィルを有し、かつ前記支持部側の方が前記弁接触部側よりも曲率が大きく、前記曲率の変化点は前記機関弁がリフト開始するときの前記揺動カムとの接触点よりも前記支持部側にあり、
    前記揺動カムと前記ロッカーアームが、前記ロッカーアームの長手方向において、前記支持部、前記揺動軸、前記弁接触部の順に並ぶよう配置されることによって、
    前記揺動カムは、リフト開始時には接触点の面圧を低減するよう前記カムフォロア部の曲率が小さい部分と接触し、リフト量が増大するのに伴ってトラベルの増大を抑制するよう前記カムフォロア部の曲率の大きい部分と接触するようになり、リフト量増大の途中で接触点の移動方向が反転して最大リフト時には接触点の面圧を低減するよう前記カムフォロア部の曲率が小さい部分と接触することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記カムフォロア部はすべりタイプのフォロワであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記カムフォロア部は、前記弁接触部側から前記支持部側に向って連続的に曲率が大きくなるプロフィルを有することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 機関弁のリフト特性・作動角を連続的に変更可能な可変動弁機構を備え、
    前記機関弁の作動角が相対的に小さい場合には、前記カムフォロア部の曲率が相対的に小さい部分のみが前記カム面と接触することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の動弁装置。
  5. 前記支持部をラッシュアジャスタを介して押圧することにより、前記カム面と前記カムフォロア部とのクリアランスをゼロに保つことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の動弁装置。
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