JP2009036122A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】揺動カムを用いた連続可変動弁機構において、ロッカーアームの大型化の抑制、ロッカー比の必要以上の増大の抑制、PV値の低減等を図る。
【解決手段】弁18のリフト特性・作動角を連続的に変更可能な内燃機関の可変動弁装置であって、機関の回転に同期して揺動する揺動カム6と、一方の端部付近には支持部19、他方の端部付近には前記弁18と接触する弁接触部17を備え、前記揺動カム6に接触するカムフォロワ部16を前記支持部19と前記弁接触部17との間に備えるロッカーアーム15と、を備え、前記揺動カム6のカム面6bは、前記揺動カム6の揺動軸6aに対して前記支持部19と反対側に突出しており、前記カムフォロワ部16は、少なくとも2つ以上の異なる曲率の円弧からなり、かつ前記支持部19側が前記弁接触部17側よりも曲率が大きいプロフィルを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、可変動弁装置に関し、特に揺動カムシャフトを用いて作動角及びリフト量を連続的に可変制御し得る可変動弁装置に関する。
揺動カムシャフトを用いた可変動弁装置としては、特許文献1に開示されたもの等が知られている。
特許文献1に開示された可変動弁装置は、バルブリフタを介してバルブを直接駆動するいわゆる直動式であるが、バルブ駆動方式はこれに限られるわけではなく、特許文献2にはロッカーアームを用いたものが開示されている。
特開2004−293406号公報 特開2004−204822号公報
ところで、近年では、内燃機関のさらなる高性能化を図るべく、体積効率の向上が課題となっている。体積効率の向上のためには、まず吸入空気量を増大させることが必要であり、そのためには同一作動角あたりの吸気弁のリフト量を増大させることが有効である。
一般に、同一作動角におけるバルブリフト量を増大させるためには、バルブの加速度を増加させることとなり、この点については、特許文献2のようにロッカーアームを用いた方が、ロッカー比によるリフト量増大の効果が得られるため有利であり、また剛性の面でも有利である。
また、曲面状のカムフォロワを有するロッカーアームの場合にバルブ加速度を増大させるためには、カムプロフィルを内周側に向けて窪んだ部分(以下、凹部)を有する形状にすることが有効である。
ところが、バルブ加速度を大きくしようとするほど凹部の曲率は大きくなる。そして凹部の曲率が大きくなると、成形時に小型の砥石が必要となる等の理由により生産性が著しく低下するばかりか、カムプロフィルを形成できなくなるおそれもある。
一方、凹部の曲率を緩和するためには、カムフォロワの曲率を小さくすればよい。例えば特許文献2に記載の装置においては、フォロワ部であるローラの半径を大きくすればよい。
しかしながら、フォロワの曲率を小さくするとロッカーアームが大型化し、動弁系の質量増加による運動限界の低下や、ロッカー比が必要以上に増大することによる高リフト時におけるバルブとの干渉や、すべり速度の増大、ひいてはPV値(面圧P×すべり速度V)の増大、等の弊害を招くおそれがある。
そこで、本発明では揺動カムシャフトを用いるロッカーアーム式の可変動弁装置において、ロッカーアームの大型化を抑制し、上記弊害を回避することを目的とする。
本発明の内燃機関の可変動弁装置は、弁のリフト特性・作動角を連続的に変更可能な内燃機関の可変動弁装置であって、機関の回転に同期して揺動する揺動カムと、一方の端部付近には支持部、他方の端部付近には前記弁との接触部を備え、前記揺動カムに接触するカムフォロワ部を前記支持部と前記弁接触部との間に備えるロッカーアームと、を備え、前記揺動カムのカム面は、前記揺動カムの揺動軸に対して前記支持部と反対側に突出しており、前記カムフォロワ部は、少なくとも2つ以上の異なる曲率の円弧からなり、かつ前記支持部側が前記弁接触部側よりも曲率が大きいプロフィルを有する。
本発明によれば、カムフォロワ部のプロフィルが少なくとも2つ以上の曲率からなるので、例えば、揺動カムのカム面とバルブリフト前半に接触する部分の曲率を小、バルブリフト後半に接触する部分の曲率を大、とすれば、揺動カムの凹部と接触する部分の曲率が小さくなるため凹部の曲率を緩和され、かつバルブリフト後半に接触する部分の曲率が大きいことでロッカーアームの大型化を抑制することができる。また、バルブリフト後半でのロッカー比の低減や、バルブリフト中のすべり速度及びPV値の低下を実現することができる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態で使用するバルブのリフト量及び作動角を可変に制御することができる動弁機構の、揺動カム駆動部分についての概略図であり、シリンダヘッド(図示せず)に備えられる。図2は動弁機構の吸気弁駆動部分についての概略図(エンジンフロント側から見た図)である。
なお、ここでいうリフト量とは最大リフト量のことをいう。また、リフト量の可変制御とは最大リフト量を可変制御することをいい、クランクシャフトの回転に同期して開閉する際のリフト量変化は除くものである。
本動弁機構は、吸気弁18のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可変機構13と、そのリフトの中心角の位相(クランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構12と、が組み合わされて構成されている。
なお、このリフト・作動角可変機構13は、本出願人が先に提案し、位相可変機構12とともに特開2002−89303号公報や特開2002−89341号公報等によって公知となっているので、その概要のみを説明する。
リフト・作動角可変機構13は、シリンダヘッド上部の図示せぬカムブラケットに回転自在に支持された中空状の駆動軸1と、この駆動軸1に圧入等により固定された偏心カム2と、上記駆動軸1の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されるとともに駆動軸1と平行に配置された制御軸7と、この制御軸7の偏心カム部8に揺動自在に支持された可変動弁用ロッカーアーム4と、各吸気弁18の上端部に接触する弁接触部としてのバルブフォロワ17を備え、ピボット19を支持部として揺動可能に備えられたバルブ駆動用ロッカーアーム(以下、単にロッカーアームという)15と、ロッカーアーム15を介して吸気弁18を開閉駆動する揺動カム6と、を備えている。可変動弁用ロッカーアーム4は一方の端部付近が連結ピン10を介してリンクアーム3の上方側端部と連結されており、他方の端部付近が連結ピン9を介してリンク部材5の上方側端部と連結されている。リンク部材5の下方側端部は連結ピン11を介して揺動カム6と連結されている。
上記駆動軸1は、後述するように、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動されるものである。
上記偏心カム2は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸1の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、リンクアーム3の環状部3aが回転可能に嵌合している。
上記可変動弁用ロッカーアーム4は、略中央部を上記偏心カム部8が回転可能に貫通している。上記偏心カム部8は、制御軸7の軸心から偏心しており、従って、制御軸7の角度位置に応じて可変動弁用ロッカーアーム4の揺動中心は変化する。
上記揺動カム6は、駆動軸1の外周に嵌合して回転自在に支持されており、駆動軸1の軸方向に対して直角方向へ延びた端部付近に、前述したようにリンク部材5の下端部が連結ピン11を介して連結している。この揺動カム6の下面には、駆動軸1と同心状の円弧をなす基円面6cと、該基円面6cから上記端部へと所定の曲線を描いて延びるカム面6bと、が連続して形成されており、これらの基円面6cならびにカム面6bが、揺動カム6の揺動位置に応じてカムフォロワ16に接触するようになっている。
すなわち、上記基円面6cはベースサークル区間として、リフト量がゼロとなる区間であり、揺動カム6が揺動してカム面6bがカムフォロワ16に接触すると、ロッカーアーム15はピボット19を支持部として傾き、吸気弁18は徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
上記制御軸7は、図1に示すように、一方の端部に設けられたリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ14によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用油圧アクチュエータ14への油圧供給は、図示しないエンジンコントロールユニットからの制御信号に基づいて制御されている。
このリフト・作動角可変機構13の作用を説明する。駆動軸1が回転すると、偏心カム2のカム作用によってリンクアーム3が上下動し、これに伴って可変動弁用ロッカーアーム4が制御軸7を揺動軸として揺動する。この可変動弁用ロッカーアーム4の揺動は、リンク部材5を介して揺動カム6へ伝達され、該揺動カム6が揺動する。この揺動カム6のカム作用によって、カムフォロワ16が押圧され、ロッカーアーム15が傾いて吸気弁18がリフトする。
ここで、リフト・作動角制御用油圧アクチュエータ14を介して制御軸7の角度が変化すると、可変動弁用ロッカーアーム4の揺動中心位置が変化し、ひいては揺動カム6の初期揺動位置が変化する。
例えば、偏心カム部8が上方に位置しているとすると、可変動弁用ロッカーアーム4は全体として上方へ位置し、連結ピン11が相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム6の初期揺動位置は、そのカム面6bがカムフォロワ16から離れる方向に傾く。従って、駆動軸1の回転に伴って揺動カム6が揺動した際に、基円面6cが長い間カムフォロワ16に接触し続け、カム面6bがカムフォロワ16に接触する期間は短い。このためリフト量が全体として小さくなり、かつ、その開時期から閉時期までの角度範囲、すなわちカムの作動角も縮小する。
逆に、偏心カム部8が下方へ位置しているとすると、可変動弁用ロッカーアーム4は全体として下方へ位置し、揺動カム6の端部が相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム6の初期揺動位置は、そのカム面6bがカムフォロワ16に近付く方向に傾く。従って、駆動軸1の回転に伴って揺動カム6が揺動した際に、カムフォロワ16と接触する部位が基円面6cからカム面6bへと直ちに移行する。このためリフト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大する。
上記の偏心カム部8の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性も連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角を、両者同時にかつ連続的に拡大,縮小させることができる。なお、この実施例では、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁18の開時期と閉時期がほぼ対称に変化する。
次に、位相可変機構12は、図1に示すように、上記駆動軸1の前端部に設けられたスプロケット20と、このスプロケット20と上記駆動軸1とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ21と、から構成されている。上記スプロケット20は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトと同期して回転している。位相制御用アクチュエータ21は、エンジンコントロールユニット(図示せず)からの制御信号に基づいて制御される。この位相制御用アクチュエータ21の制御によって、スプロケット20と駆動軸1とが相対的に回転し、リフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も連続的に得ることができる。位相可変機構12としては、油圧式、電磁式アクチュエータを利用したものなど、種々の構成が可能である。
なお、前記シリンダヘッドには、燃焼室内の混合気に火花点火するための点火栓(図示せず)が備えられており、前記点火栓の点火時期は運転状態に基づいて制御される。
上述した可変動弁機構を備えるエンジンにおける燃料噴射は、吸気ポート内に噴射するいわゆるポート噴射、又は燃焼室内に直接噴射するいわゆる筒内直接噴射式のいずれであっても構わない。
次に、揺動カム6及びロッカーアーム15について図2を参照して説明する。
揺動カム6のカムプロフィルは、図2に示すようにカム面6bの一部、具体的には吸気弁18の開弁動作(以下、バルブイベントという)の初期に後述するカムフォロワ16と接する部分(図中破線で囲んだ部分)が、揺動カム6の内周側に窪んだ形状となっている。以下、この窪んだ部分を「凹部」という。
ロッカーアーム15は揺動カム6の揺動軸6aに対してカム面6bとは反対側をピボット19とし、下面には吸気弁18の上端部と接する略半球状のバルブフォロワ17を備える。揺動軸6aはピボット19と吸気弁18との間に位置する。これにより、いわゆるロッカー比の作用によって、実際に揺動カム6がロッカーアーム15を押し下げた量よりも大きなリフト量が得られる。
ロッカーアーム15の上面に設けたカムフォロワ16は、揺動カム6の揺動角の変化に応じてカム面6bとの接触部が移動する、いわゆるすべりタイプである。
揺動カム6の揺動軸6aは、基円面6cとカムフォロワ16とが接する部分及びカムフォロワ16の曲率が小さい円弧部分の中心O1と一直線上に並ぶように配置する。なお、ここでいう曲率とは、曲率半径の逆数のことをいう。
カムフォロワ16のプロフィルは、2つの異なる曲率の円弧からなり、ピボット19に近い側の曲率の方がバルブフォロワ17に近い側の曲率よりも大きい。
そして、2つの曲率の境界が、バルブリフト開始時に基円面6cと接する部分の近傍となるようにプロフィルを設定する。すなわち、曲率が小さい方の曲率半径をR1、その中心をO1、曲率の大きい方の曲率半径をR2、その中心をO2としたときに、∠OC12が微少角度となるようにする。
上述したようにカム面6bの方向及びカムフォロワ16のプロフィル等を設定することにより、バルブリフト開始からリフト量が最大になるまでの、カム面6bとカムフォロワ16との接触部の移動の軌跡は、バルブリフト開始後に支持部から遠ざかる方向に進み、曲率半径がR1の範囲内の所定位置で反転して支持部方向に進み、曲率半径がR1の範囲内でバルブリフトが最大加速度になり、その後、曲率半径がR2の部分でリフト量が最大となる。
次に、PV値、ロッカー比、すべり速度について図3、図4、図5を参照して説明する。
図3はロッカー比及びバルブリフト量とドライブシャフト角との関係を表す図である。図中の実線VR1は本実施形態のバルブリフト量、破線VR2はカムフォロワ16の曲率が単一(曲率半径はR1)の場合のバルブリフト量、実線RR1は本実施形態のロッカー比、破線RR2はカムフォロワ16の曲率が単一(曲率半径はR1)の場合のロッカー比を表す。なお、ドライブシャフト角は、駆動軸1の回転角であり、一般的なカムシャフト回転角に相当するものである。
図3に示すように、バルブリフト開始後は実線RR1及び破線RR2はともにロッカー比が低下する。これは、前述したようにカムフォロワ16とカム面6bとの接触部が吸気弁18側に進行するからである。その後、実線RR1及びRR2はともにロッカー比が増大し始める。これは、カムフォロワ16とカム面6bとの接触部が支持部方向に進行するためである。そして、バルブリフトの中間付近からは、実線RR1の方が破線RR2よりもロッカー比の増加割合が小さくなる。これは、破線RR2の方はカムフォロワ16の曲率が一定であるのに対して、実線RR1の方はカムフォロワ16の曲率が小さくなったためである。最大リフト量から閉弁するまでの挙動は、開弁開始から最大リスト量になるまでと対称の挙動となる。
このようなロッカー比の相違により、バルブリフト量も異なったものとなり、バルブリフトの中間付近から最大リフト量までの間で、実線VR1の方が破線VR2よりも低リフト量となる。
図4はすべり速度及びバルブリフト量とドライブシャフト角との関係を表す図である。図中の実線VR1は本実施形態のバルブリフト量、破線VR2はカムフォロワ16の曲率が単一(曲率半径はR1)の場合のバルブリフト量、実線SV1は本実施形態のすべり速度、破線SV2はカムフォロワ16の曲率が単一(曲率半径はR1)の場合のすべり速度を表す。
図4に示すように、バルブリフトの開始直後と終了直前にSV値が大きくなる点については、実線SV1と破線SV2とに相違はないが、バルブリフトの中間付近から最大リフト量を経て再び中間付近まで、すなわち、開弁動作時にバルブ加速度が最大となる付近から閉弁動作時にバルブ加速度が最大となる付近までの範囲では、実線SV1は破線SV2に比べてSV値が低減する。
図5はPV値(面圧Pとすべり速度Vとの積)及びバルブリフト量とドライブシャフト角との関係を表す図である。図中の実線VR1は本実施形態のバルブリフト量、破線VR2はカムフォロワ16の曲率が単一(曲率半径はR1)の場合のバルブリフト量、実線PV1は本実施形態のPV値、破線PV2はカムフォロワ16の曲率が単一(曲率半径はR1)の場合のPV値を表す。
上述したように、すべり速度が図4に示すような挙動となるので、すべり速度と面圧との積であるPV値も、図5に示すように、すべり速度と同様の挙動となる。
すなわち、開弁動作時にバルブ加速度が最大となる付近から閉弁動作時にバルブ加速度が最大となる付近までの範囲では、実線PV1は破線PV2に比べてPV値が低減する。
以上により本実施形態では、次のような効果を得ることができる。
吸気弁18のリフト特性・作動角を連続的に変更可能な内燃機関の可変動弁装置であって、機関の回転に同期して揺動する揺動カム6と、一方の端部付近にはピボット19、他方の端部付近にはバルブフォロワ17を備え、カムフォロワ16をピボット19とバルブフォロワ17との間に備えるロッカーアーム15と、を備え、揺動カム6のカム面6bは揺動軸6aに対してピボット19と反対側に突出しており、カムフォロワ16は、少なくとも2つ以上の異なる曲率の円弧からなり、かつピボット19側がバルブフォロワ17側よりも曲率が大きいプロフィルを有するので、バルブリフト後半でのロッカー比の低減や、バルブリフト中のすべり速度の低下、ひいてはPV値の低下を実現することができる。
バルブリフト後半でのロッカー比を低減させることにより、バルブリフト後半のリフト量を抑制することができ、これにより吸気弁18とピストン(図示せず)との干渉等を回避することができる。
すべり速度を低減することで、潤滑油の油膜切れ等を回避することができる。また、すべり速度が低減することでPV値も低減され、これにより摩耗等を抑制することができる。
カムフォロワ16をすべりタイプとしたので、カム面6bとの接触位置はバルブリフト中に変化し、本実施形態のように揺動カム6を用いる場合にはカムフォロワ16のプロフィルを非対称形状にすることができる。
カムフォロワ16は、吸気弁18の加速度が最大となるときに揺動カム6と接する部分の曲率が相対的に小さく、吸気弁18のリフト量が最大となるときに揺動カム6と接する部分の曲率が相対的に大きいので、最大加速時近傍でカムフォロワ16と接触するカム面6bの凹部の曲率を緩和しつつ、プロフィルの他の部分の曲率を大きくすることでロッカーアーム15の大型化を抑制することができる。
カムフォロワ16は、揺動カム6の基円面6cと接触する位置近傍に曲率の変化点をもつので、バルブ加速度が最大になるときとリフト量が最大になるときでカム面6bとの接触位置を異ならせることができ、バルブ最大加速時近傍と最大リフト量時近傍とでそれぞれ異なる要求に応じたプロフィルにすることができる。
なお、カムフォロワ16の2つの曲率の境界が、バルブリフト開始時に基円面6cと接する部分となるように、すなわち∠OC12がゼロ度となるように設定してもよい。
また、バルブリフト開始時に基円面6cと接する部分又はその近傍の境界で変化しているのであれば、当該境界よりもピボット19側でさらに大きな曲率に変化したり、境界よりも吸気弁18側でさらに小さな曲率に変化してもよい。
第2実施形態について図6を参照して説明する。
図6は本実施形態の動弁機構の吸気弁駆動部分についての概略図である。本実施形態は、動弁機構の揺動カム駆動部分やロッカーアーム15は基本的に第1実施形態と同様であり、カムフォロワ16のプロフィルが異なる。
本実施形態のカムフォロワ16のプロフィルは、吸気弁18側からピボット19側に向けて曲率が連続的に大きくなっており、かつ、バルブ加速度が最大になる位置とバルブリフト量が最大になる位置とが異なる。
以上により本実施形態では、第1実施形態と同様の効果が得られる他に、さらに、カムフォロワ16のプロフィルの曲率の変化のさせ方次第で、様々なバルブリフト特性を実現することができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
第1実施形態の揺動カム駆動部分についての概略図である。 第1実施形態の吸気弁駆動部分についての概略図である。 ロッカー比とドライブシャフト角との関係を表す図である。 すべり速度とドライブシャフト角との関係を表す図である。 PV値とドライブシャフト角との関係を表す図である。 第2実施形態の吸気弁駆動部分についての概略図である。
符号の説明
1 駆動軸
2 偏心カム
3 リンクアーム
4 可変動弁用ロッカーアーム
5 リンク部材
6 揺動カム
7 制御軸
8 偏心カム部
9 連結ピン
10 連結ピン
11 連結ピン
12 位相可変機構
13 リフト・作動角可変機構
14 リフト・作動角制御用油圧アクチュエータ
15 バルブ駆動用ロッカーアーム(ロッカーアーム)
16 カムフォロワ
17 バルブフォロワ
18 吸気弁
19 ピボット

Claims (6)

  1. 弁のリフト特性・作動角を連続的に変更可能な内燃機関の可変動弁装置であって、
    機関の回転に同期して揺動する揺動カムと、
    一方の端部付近には支持部、他方の端部付近には前記弁と接触する弁接触部を備え、前記揺動カムに接触するカムフォロワ部を前記支持部と前記弁接触部との間に備えるロッカーアームと、
    を備え、
    前記揺動カムのカム面は、前記揺動カムの揺動軸に対して前記支持部と反対側に突出しており、
    前記カムフォロワ部は、少なくとも2つ以上の異なる曲率の円弧からなり、かつ前記支持部側が前記弁接触部側よりも曲率が大きいプロフィルを有することを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記カムフォロワはすべりタイプのフォロワであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記カムフォロワ部は、前記弁の加速度が最大となるときに前記揺動カムと接する部分の曲率が相対的に小さく、前記弁のリフト量が最大となるときに前記揺動カムと接する部分の曲率が相対的に大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記フォロワ部は、前記揺動カムのベースサークルと接触する位置近傍に曲率の変化点をもつことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記フォロワ部は、前記揺動カムのベースサークルと接触する位置を境として、前記弁側は曲率が相対的に小さく、前記支持部側は曲率が相対的に大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 前記フォロワ部は、前記弁側から前記支持部側に向けて連続的に曲率が増大するプロフィルを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の内燃機関の可変動弁装置。
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