JP5447782B2

JP5447782B2 - 車両用前照灯ユニット

Info

Publication number: JP5447782B2
Application number: JP2009050876A
Authority: JP
Inventors: 雅典大野; 竜太郎大和田; 紀勝明神
Original assignee: Stanley Electric Co Ltd
Current assignee: Stanley Electric Co Ltd
Priority date: 2009-03-04
Filing date: 2009-03-04
Publication date: 2014-03-19
Anticipated expiration: 2029-03-04
Also published as: JP2010205607A

Description

本発明は車両用前照灯ユニットに係り、特に光源としてＬＥＤ光源を使用したダイレクトプロジェクションタイプの車両用前照灯ユニットに関する。

車両用前照灯ユニットは図６に示すように、光源１及び光学レンズ２を主たる構成とし、光源１からの光を光学レンズ２によって車両前方に照射し、光学レンズ２の光学面２Ａから照射される光によって所望の配光パターンを得るようにしている。

ところで光学レンズ２は、前面に形成された光学面２Ａの他、光学面以外の面である周縁部２Ｂからも光が出射される。この光は配光に関与する光ではなく、グレア光となって対向車の運転手を幻惑させてしまう光となる場合がある。そのため従来は、光学レンズ２の周縁部２Ｂを遮光することによって、周縁部２Ｂから出る制御困難な光線をカットしている。しかしながら、この場合、光学レンズ２は光学面２Ａのみしか露出しない制限されたものとなるため発光面が小さくなり、対向車の運転手及び歩行者に対する視認性が悪くなるという欠点があった。また、光源の光利用率も低下するという欠点もあった。

また、配光に関与しないレンズの面の制御を行おうとした場合、レンズ内で複数回反射した後の光線を対象としなければならないため、制御が難しく、別部品に吸収させるしか方法が無かった。

特許文献１には、光源の光利用率を高めて視認性を向上させた車両用前照灯ユニットが開示されている。この車両用前照灯ユニットは光源、凸レンズ、及び補助レンズユニット等を備えており、光源から光源の光軸方向に照射される光を、光源の光軸上に配置された凸レンズによって前方に照射することにより主配光を作り、かつ、光源から拡散照射される光を、光源と凸レンズとの間に配置された補助レンズユニットによって前方に照射することにより、光源の光利用率を高めて視認性を向上させている。

特開２００３−８６００９号公報

しかしながら、特許文献１の車両用前照灯ユニットは、光源と凸レンズとの間に補助レンズユニットの光入射面を配置しなければならないので、光源と凸レンズとの距離が長くなり、その分だけ車両用前照灯ユニットの奥行き方向の寸法が長くなる。よって、特許文献１では、車両用前照灯ユニットが大型になるという欠点があった。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、光源の光利用率を高めて視認性を向上させるとともに、コンパクトな構造の車両用前照灯ユニットを提供することを目的とする。

本発明は、前記目的を達成するために、光源と光学レンズとを備え、光源からの直射光を光学レンズの光学面を介して前方に照射する車両用前照灯ユニットにおいて、前記光学レンズの前記光学面以外の周縁部の少なくとも一部には、前記周縁部がカットされた平坦面が形成され、前記光学レンズの前記平坦面から出射された光を前方に反射させる反射部材が、光学レンズの周囲の少なくとも一部に設けられ、前記反射部材は導光体からなり、前記平坦面に対向する入射面と、前記入射面から前記導光体に入った光を内面反射する傾斜面と、前記傾斜面で内面反射された前記光を出射する出射面とを有していて、前記導光体の内面を利用して前記光を前方に拡散させて出射させることを特徴とする車両用前照灯ユニットを提供する。

本発明の車両用前照灯ユニットによれば、光学レンズの周囲に反射部材を設け、この反射部材によって、光学レンズの周縁部から出射された制御不能な光を前方に反射させる。これにより、本発明の車両用前照灯ユニットは、制御不能な光を有効利用できるので、光源の光利用率が向上する。また、点灯時の発光面も光学レンズの光学面に反射部材を加えたものとなるので、発光面の面積が大きくなり、これによって、対向車の運転手及び歩行者に対する車両の被視認性が向上するとともに、意匠性も向上する。更に、本発明の車両用前照灯ユニットは、反射部材を光源と光学レンズとの間に配置せず、光学レンズの周囲に配置した構成なので、奥行き方向の長さを抑えることができ、これによって、コンパクトな構造となる。

本発明によれば、光学レンズの周縁部から出射された制御不能な光を、導光体の内面で全反射させて前方に出射させる。これにより、アルミニウム蒸着によって構成される反射板と比較して光損失を抑えることができるので、光源の光利用率が向上する。

以上説明したように本発明の車両用前照灯ユニットによれば、光源の光利用率が向上するとともに視認性も向上し、かつ、コンパクトな構造となる。

実施の形態の車両用前照灯ユニットを正面側から見た斜視図図１に示した車両用前照灯ユニットの縦断面図図１に示した車両用前照灯ユニットの発光面を斜線部で示した説明図従来の車両用前照灯ユニットの発光面を斜線部で示した説明図反射部材として金属製のリフレクタを使用した車両用前照灯ユニットの縦断面図従来の車両用前照灯ユニットの構成を示した縦断面図

以下、添付図面に従って本発明に係る車両用前照灯ユニットの好ましい実施の形態について詳説する。

図１は、実施の形態の車両用前照灯ユニット１０を正面側から見た斜視図である。

この車両用前照灯ユニット１０は、特にロービーム配光パターン（すれ違い配光パターン）を形成する灯具ユニットである。車両用前照灯は、実施の形態の車両用前照灯ユニット１０を１台又は複数台並設することにより構成され、複数台並設した場合には、各々の車両用前照灯ユニット１０、１０…から照射される複数の光を合成してロービーム配光パターンを得るものである。また、この車両用前照灯ユニット１０は、特にＬＥＤ光源１２と光学レンズ１４を用いてＬＥＤ光源１２の直射光を光学レンズ１４から照射する、いわゆるダイレクトプロジェクションタイプのものである。更に、ＬＥＤ光源１２は、例えば１つ又は複数の白色の発光ダイオードが配置されたＬＥＤパッケージである。更にまた、ＬＥＤ光源１２の直近の前方側には、ロービーム配光パターンを形成するためのシェード（不図示）が配置されている。なお、同図においては、ハイビーム用車両用前照灯ユニット、ターンシグナル、ポジションランプ、アウターレンズ等の灯具部品は省略している。

実施の形態の車両用前照灯ユニット１０は、光学レンズ１４の光学面以外を露出することによって意匠性に優れ、かつ、光学面以外の周縁部から出る光線を有効に活用することによってＬＥＤ光源１２の光利用率を高め、また、前方への発光面の面積を大きくすることにより、対向車の運転手及び歩行者からの視認性を高めたものである。

車両用前照灯ユニット１０は、ＬＥＤ光源１２、光学レンズ１４、レンズホルダー１６、ヒートシンク１８、及び導光体（反射部材）２０から構成される。

ＬＥＤ光源１２は、矩形状に構成されたヒートシンク１８の前面中央部に固定され、このヒートシンク１８の各隅部から前方に延設された４本の脚部２２、２２…からなるレンズホルダー１６の前部に光学レンズ１４が接着固定されている。光学レンズ１４は凸レンズ状に構成されるとともに、上部及び下部がカットされた正面視横長の矩形状に構成されている。この光学レンズ１４の焦点位置に、前述したシェードが配置されており、シェードのカットオフ形状が光学レンズ１４を介して前方に投影されることによってロービーム配光パターンが形成される。

光学レンズ１４は、屈折により配光パターンを作るレンズが用いられているが、屈折だけでなく、反射膜による反射、全反射のいずれか、或いは全てによる制御を行う光学レンズを用いてもよい。

本発明の反射部材の一例である導光体２０は図２の如く、光学レンズ１４の周縁部、特に光学レンズ１４の上下の平坦面１４Ａ、１４Ｂから出射された光を前方に反射させるように、光学レンズ１４の周囲に設けられている。この導光体２０は、正面視矩形の枠状に形成されるとともに、縦断面が図２の如く略三角形状に形成され、その傾斜面２０Ａが外周部に配置されている。光学レンズ１４の周縁部から出射された制御不能な光線は、図２の矢印で示すように導光体２０の水平面である入射面２０Ｂから導光体２０内に入射し、導光体２０の傾斜面２０Ａによって全反射されて、導光体２０の垂直面である出射面２０Ｃから前方に照射される。

このように、車両用前照灯ユニット１０によれば、光学レンズ１４の周囲に導光体２０を設け、導光体２０によって、光学レンズ１４の周縁部（特に光学レンズ１４の上下の平坦面１４Ａ、１４Ｂ）から出射された制御不能な光を前方に反射させる。これにより、車両用前照灯ユニット１０によれば、ＬＥＤ光源１２の光利用率が向上する。

また、図３の斜線部で示すように、点灯時の発光面も光学レンズ１４の光学面１４Ｃに導光体２０を加えたものとなるので、図４に示す光学レンズ１４の光学面１４Ｃのみを発光させる従来の車両用前照灯ユニットと比較して、発光面の面積が大きくなる。これによって、実施の形態の車両用前照灯ユニット１０によれば、発光面の面積が増加した分、対向車の運転手及び歩行者に対する視認性が向上するとともに、歩行者は発光面の面積の大きな前照灯ほど夜間点灯時に近くにいるように感じられるため、道路横断中など早く対処することができ、安全性が向上する。また、見栄えによる意匠性も向上する。

更に、この車両用前照灯ユニット１０は、導光体２０をＬＥＤ光源１２と光学レンズ１４との間に配置せず、光学レンズ１４の周囲に配置した構成なので、車両用前照灯ユニット１０の奥行き方向の長さを抑えることができ、これによって、車両用前照灯ユニット１０はコンパクトな構造となる。

なお、導光体２０は反射、全反射、屈折、乱反射のいずれか、或いはこのうち複数の特性を用いて、光学レンズ１４の上下方向から出射された光を車両前方に向けて拡散させて出射するものであればよい。導光体２０を配置しない場合、光学レンズ１４の上下の平坦面１４Ａ、１４Ｂからの光は、車両前方正面に意図して配光制御した光学レンズ１４の光学面１４Ｃからの配光とは異なっており、対向車の運転手にとって視認性向上に寄与しない光となる。導光体２０を配置したことにより、光学レンズ１４の上下の平坦面１４Ａ、１４Ｂからの光は、車両前方正面に拡散出射することが可能となり、対向車の運転手を幻惑するおそれが無くなるだけではなく、対向車の運転手の視認性向上に寄与することができる。

図５には、導光体２０に代えて金属製のリフレクタ２４を、本発明の反射部材として用いた車両用前照灯ユニット２６の縦断面図が示されている。このリフレクタ２４は、金属製又はプラスチック製の基材にアルミニウムを蒸着することによって反射面２４Ａが形成されている。

この車両用前照灯ユニット２６によれば、光学レンズ１４の周縁部から出射された制御不能な光線を反射面２４Ａによって前方に反射することができる。これによって、得られる効果は、導光体２０を設けた車両用前照灯ユニット１０と同様である。

なお、反射部材としてリフレクタ２４を適用してもよいが、反射による光損失を考慮した場合には、導光体２０の方が好適であり、導光体２０を適用することによってＬＥＤ光源１２の光利用率を高めることができる。

一方で、車両用信号灯具を複数の車両用前照灯ユニット１０、１０…を用いて構成する場合、発光部が大きくなり車両用前照灯ユニット１０、１０間の距離を短くすることができる。これにより、一体感のあるレイアウトの実現、シングルランプ要件を容易に実現できる。

実施の形態では、導光体２０又はリフレクタ２４によって光学レンズ１４の周囲全体を覆った例を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明の反射部材は、導光体２０又はリフレクタ２４を光学レンズ１４の全周囲ではなく、上下だけ、左右だけなど、光学レンズの周囲の一部に設けられていればよい。

また、実施の形態において、導光体２０又はリフレクタ２４は、例えば図２、図５のように光学レンズ１４と間隔をおいて設けられているが、本発明はこれに限定されない。つまり、本発明において、光学レンズ１４と反射部材とが接するように設けられていても、所定の間隔をもって設けられていてもどちらでもよい。

上述した実施の形態においては、ロービーム配光パターンを作る車両用前照灯ユニットについて説明したが、ハイビーム配光を作る車両用前照灯ユニット、又は車両用信号灯具に本発明の車両用前照灯ユニットを適用することもできる。

１０…車両用前照灯ユニット、１２…ＬＥＤ光源、１４…光学レンズ、１６…レンズホルダー、１８…ヒートシンク、２０…導光体、２０Ａ…反射面、２０Ｂ…入射面、２０Ｃ…出射面、２２…脚部、２４…リフレクタ、２６…車両用前照灯ユニット

Claims

光源と光学レンズとを備え、光源からの直射光を光学レンズの光学面を介して前方に照射する車両用前照灯ユニットにおいて、
前記光学レンズの前記光学面以外の周縁部の少なくとも一部には、前記周縁部がカットされた平坦面が形成され、
前記光学レンズの前記平坦面から出射された光を前方に反射させる反射部材が、光学レンズの周囲の少なくとも一部に設けられ、
前記反射部材は導光体からなり、前記平坦面に対向する入射面と、前記入射面から前記導光体に入った光を内面反射する傾斜面と、前記傾斜面で内面反射された前記光を出射する出射面とを有していて、前記導光体の内面を利用して前記光を前方に拡散させて出射させることを特徴とする車両用前照灯ユニット。