JP5447706B1 - 水洗大便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】停電時においても使用者がバケツ等で水を汲む作業を行うことなく、容易にあるいは確実に便器洗浄を行うことができる水洗大便器を提供する。
【解決手段】ボウル部110と、ボウル部に接続され溜水を形成する排水トラップ機構と、供給電力により電気的に駆動されボウル部に洗浄水を供給する洗浄水供給手段150と、停電時に洗浄水供給手段を非常用電源に131より駆動させる制御部174と、を備え、排水トラップ機構は、ボウル部の内部の水位を初期水位よりも上昇させるため排水トラップ機構を機械的に変動させる可動部と、使用者の操作に基づいて可動部を作動させる操作部230と、を有し、操作部は、停電時に使用者の操作に基づいて可動部を作動させるとともに操作信号を制御部に送信し、制御部は、操作信号を受信すると洗浄水供給手段を作動させボウル部に洗浄水を供給する。
【選択図】図3

Description

本発明の態様は、一般的に、水洗大便器に関し、具体的には洗浄水によって洗浄される水洗大便器に関する。
洗浄水供給手段を電力により駆動し、便器洗浄を行う水洗大便器がある(特許文献1)。特許文献1に記載された水洗大便器において、洗浄水供給手段の作動中に停電になると、排水トラップ管路とボウル部との連通を封止するための必要な洗浄水量を確保することができなくなる。そのため、加圧ポンプの回転部の慣性力による回転によって必要な量の洗浄水をジェット吐水口に供給し、排水トラップ管路とボウル部との連通を封止している。
このように、特許文献1に記載された水洗大便器においては、排水トラップ管路とボウル部との連通を封止する洗浄水の補充については考慮されている一方で、停電になると便器洗浄自体を行うことが困難になるという点においては改善の余地がある。すなわち、使用者は、バケツ等で水を汲み、便器のボウル部にバケツ等で汲んだ水を流し込む必要がある。そのため、手間と時間がかかるという問題がある。これは、高齢者や疾病者に対しては好ましいものではない。
また、排水管部の終端開口部を開閉するフラッパー弁を備えた水洗便器がある(特許文献2)。特許文献2に記載された水洗便器は、通常時にはモーター駆動でフラッパー弁を開閉することにより便器洗浄を行い、停電時には手動でフラッパー弁を動かすことにより便器洗浄を行う。しかし、特許文献2に記載された水洗便器においては、使用者は、停電時に手動でフラッパー弁を動かし汚物を排出した後、洗浄水を給水するため、バケツ等で水を汲み、便器のボウル部にバケツ等で汲んだ水を流し込む必要がある。そのため、使用者にとっては、手間と時間がかかる。また、十分な水がボウル部に流し込まれていないと、洗浄性能が得られないという問題がある。つまり、洗浄不良となるおそれがある。
特開2008−174944号公報 特開平8−35248号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、停電時においても使用者がバケツ等で水を汲む作業を行うことなく、容易にあるいは確実に便器洗浄を行うことができる水洗大便器を提供することを目的とする。
第1の発明は、汚物を受けるボウル部と、前記ボウル部に接続され前記汚物を排出するとともに前記ボウル部に溜水を形成する排水トラップ機構と、供給電力により電気的に駆動され前記ボウル部に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、停電時に前記洗浄水供給手段を非常用電源により電気的に駆動させる制御部と、を備え、前記排水トラップ機構は、前記ボウル部の内部の水位を初期水位よりも上昇させるため前記排水トラップ機構を機械的に変動させる可動部と、前記停電時に使用者の操作に基づいて前記可動部を作動させる操作部と、を有し、前記操作部は、前記停電時に前記使用者の操作に基づいて前記可動部を作動させるとともに操作信号を前記制御部に送信し、前記制御部は、前記操作信号を受信すると前記洗浄水供給手段を作動させ前記ボウル部に洗浄水を供給することを特徴とする水洗大便器である。
第2の発明は、汚物を受けるボウル部と、前記ボウル部に接続され前記汚物を排出するとともに前記ボウル部に溜水を形成する排水トラップ機構と、供給電力により電気的に駆動され前記ボウル部に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、停電時に前記洗浄水供給手段を非常用電源により電気的に駆動させる制御部と、を備え、前記排水トラップ機構は、前記排水トラップ機構を機械的に変動させて前記排水トラップ機構の内部の流路の断面積を狭くすることでサイホン発生前に前記ボウル部の内部の水位を初期水位よりも上昇させる可動部であって、前記上昇の後に、前記断面積を広くすることで前記ボウル部の内部の水を前記流路に流れ込ませ前記流路を満水にしてサイホン作用を引き起こす可動部と、使用者の操作に基づいて前記可動部を作動させる操作部と、を有し、前記操作部は、前記停電時に前記使用者の操作に基づいて前記可動部を作動させるとともに操作信号を前記制御部に送信し、前記制御部は、前記操作信号を受信すると前記洗浄水供給手段を作動させ前記ボウル部に洗浄水を供給することを特徴とする水洗大便器である。
この水洗大便器によれば、使用者は、停電時に操作部を操作することにより操作信号を制御部に送信することができる。操作部から操作信号を受信した制御部は、非常用電源により電磁弁を作動させボウル部へ洗浄水を供給する。そのため、停電時においても、使用者は、バケツ等で水を汲む作業を行うことなく、容易に及び確実に便器洗浄を行うことができる。
の発明は、第1または2の発明において、前記制御部は、前記停電時に前記洗浄水供給手段を作動させ、前記ボウル部の内部の水位が前記ボウル部の内部の水を置換可能な水位になるまで第1のタイマ制御を実行することを特徴とする水洗大便器である。
この水洗大便器によれば、ボウル部の内部の水を置換可能な水位までボウル部の内部に確実に水を溜めることができる。ボウル部の内部への洗浄水の供給が停止すると、使用者は、開閉弁を初期状態(開状態)に戻し、便器洗浄を実行することができる。そのため、操作に不慣れな使用者でも、停電時において、確実に便器洗浄を行うことができる。
の発明は、第の発明において、前記ボウル部の内部の水位が前記ボウル部の内部の水を置換可能な水位になると前記使用者に報知を行う報知手段をさらに備えたことを特徴とする水洗大便器である。
この水洗大便器によれば、ボウル部の内部の水を置換可能な水位までボウル部の内部に水が溜まると、使用者に対して報知手段により報知を行う。そのため、報知手段による報知があった後に、使用者は、開閉弁を初期状態に戻し、便器洗浄を実行することができる。そのため、操作に不慣れな使用者でも、停電時において、容易および確実に便器洗浄を行うことができる。
の発明は、第またはの発明において、吐水瞬間流量および給水圧力の少なくともいずれかを検知する検知手段をさらに備え、前記制御部は、前記検知手段の検知結果に応じて前記第1のタイマ制御の時間を設定することを特徴とする水洗大便器である。
この水洗大便器によれば、設置現場の吐水瞬間流量および給水圧力の少なくともいずれかに応じて、第1のタイマ制御の時間が設定される。そのため、ボウル部の内部の水がボウル面から溢れることを抑制することができるとともに、ボウル部の内部の水を置換可能な水位をより確実に確保することができる。
の発明は、第1〜のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記停電時に便器洗浄を実行した後、前記可動部が初期状態であることを検出すると、前記洗浄水供給手段を作動させ第2のタイマ制御により前記ボウル部に洗浄水を再度供給することを特徴とする水洗大便器である。
この水洗大便器によれば、制御部は、開閉弁が初期状態であることを検知すると、ボウル部へ洗浄水を再度供給する。これにより、ボウル部外に洗浄水が溢れることを抑制することができる。また、ボウル部の内部の溜水の水位を初期水位に回復することができる。そのため、操作に不慣れな使用者でも、停電時において、確実に便器洗浄を行うことができる。
の発明は、第の発明において、吐水瞬間流量および給水圧力の少なくともいずれかを検知する検知手段をさらに備え、前記制御部は、前記検知手段の検知結果に応じて前記第2のタイマ制御の時間を設定することを特徴とする水洗大便器である。
この水洗大便器によれば、設置現場の吐水瞬間流量および給水圧力の少なくともいずれかに応じて、第2のタイマ制御の時間が設定される。そのため、初期水位を安定化させることができるとともに、ボウル部の内部の水がボウル面から溢れることを抑制することができる。
の発明は、第1〜のいずれか1つの発明において、前記可動部は、前記排水トラップ機構が有する排水ソケットの内側壁と係合可能な支持軸と、前記支持軸を中心として上下方向に回動することにより前記排水ソケットの流路の断面積を変化させる弁体と、を有する開閉弁を含み、前記操作部は、前記支持軸に連結され、外部からの操作により前記弁体を前記上下方向に回動させることを特徴とする水洗大便器である。
この水洗大便器によれば、開閉弁の外部からの操作により、排水ソケットの流路の断面積を変化させることができる。そのため、開閉弁がしばらく使用されず、弁体が排水ソケットの内側壁に固着していても、回動操作により簡単に固着状態を破壊することができる。これにより、確実に便器洗浄を行うことができる。
本発明の態様によれば、停電時においても使用者がバケツ等で水を汲む作業を行うことなく、容易にあるいは確実に便器洗浄を行うことができる水洗大便器が提供される。
本発明の実施の形態にかかる水洗大便器を表す模式的斜視図である。 本実施形態にかかる水洗大便器を表す模式的断面図である。 本実施形態にかかる水洗大便器の要部構成を表すブロック図である。 停電時における便器洗浄の動作の概略を説明する模式的断面図である。 停電時における便器洗浄の動作の概略を説明するタイミングチャート図である。 吐水時間と初水位からの水位高さとの関係の一例を例示するグラフ図である。 停電時における便器洗浄の動作の具体例を例示するフローチャート図である。 停電時における便器洗浄の動作の他の具体例を例示するタイミングチャート図である。 停電時における便器洗浄の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャート図である。 停電時における便器洗浄の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャート図である。 停電時における便器洗浄の動作のさらに他の具体例を例示するフローチャート図である。 本実施形態の開閉弁の近傍を拡大した模式的断面図である。 本実施形態の開閉弁を表す模式的平面図である。 本実施形態の排水ソケット本体と開閉弁との関係を説明する模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる水洗大便器を表す模式的斜視図である。
図1(a)は、本実施形態にかかる水洗大便器10を斜め後方から眺めた模式的斜視図である。図1(b)は、本実施形態にかかる水洗大便器10を図1(a)に表した矢印A1の方向にみたときの模式的斜視図である。
図1(a)および図1(b)に表したように、本実施形態にかかる水洗大便器10は、ボウル部110と、排水トラップ機構300と、を備える。排水トラップ機構300は、排水トラップ部120と、排水ソケット200と、を有する。
言い換えれば、本実施形態にかかる水洗大便器10は、便器本体100と、排水ソケット200と、を備える。
便器本体100は、ボウル部110と、排水トラップ部120と、を有する。ボウル部110は、使用者から排泄された汚物や尿などを受けることができる。排水トラップ部120は、ボウル部110に接続され、汚物を排水管50に排出することができる。また、排水トラップ部120は、ボウル部110に溜水を形成し、例えば排水管50から悪臭や害虫類などが室内に侵入することを防止する。なお、図示しない便座が、便器本体100の上面において便器本体100に対して回動自在に軸支されている。
排水ソケット200は、便器本体100の内部に設けられ、排水トラップ部120の下流端121と、排水管50の上流端と、を接続する。排水ソケット200は、排水ソケット本体210と、パッキン220と、操作部230と、を有する。パッキン220は、排水ソケット本体210の上端部に設けられ、例えばゴムなどの弾力性を有する材料により形成されている。また、パッキン220は、上下方向に貫通する貫通孔を有する。排水トラップ部120の下流端121は、パッキン220の貫通孔に挿入され保持されている。
なお、本願明細書においては、便器本体100の前に立った使用者からみて手前側を「前方」とし、奥側を「後方」とする。また、便器本体100の前に立った使用者からみて右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。便器本体100の前に立った使用者からみて上方を「上方」とし、下方を「下方」とする。
操作部230は、例えばレリースワイヤなどである。すなわち、図1(a)および図1(b)に表した操作部230は、アウターチューブ231と、インナーワイヤ233と、把持部236と、を有する。インナーワイヤ233は、アウターチューブ231の内部を移動自在に設けられている。例えば、使用者が把持部236を掴み引っ張ると、インナーワイヤ233は、アウターチューブ231の内部から引き出される方向へ移動する。但し、操作部230は、レリースワイヤに限定されるわけではない。操作部230は、例えば、回転可能なハンドルなどであってもよい。
図1(a)および図1(b)に表したように、操作部230は、便器本体100の後方へ引き出されている。なお、図1(a)に表した操作部230は、説明の便宜上、便器本体100の外部へ引き出されている。図1(b)に表したように、操作部230が便器本体100に取り付けられた状態では、インナーワイヤ233、アウターチューブ231および把持部236は、便器本体100の内部において適宜配置されている。例えば、使用者は、便器本体100の側部に取り付けられたパネル101を取り外すことにより、把持部236をより容易に掴み操作することができる。なお、操作部230の設置形態は、これだけに限定されるわけではない。
図2は、本実施形態にかかる水洗大便器を表す模式的断面図である。
また、図3は、本実施形態にかかる水洗大便器の要部構成を表すブロック図である。
なお、図2(a)および図2(b)は、図1に表した切断面B−Bにおける模式的断面図である。図2(a)は、本実施形態の開閉弁が開いた状態を表す模式的断面図である。図2(b)は、本実施形態の開閉弁が閉じた状態を表す模式的断面図である。図3は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
まず、図3を参照しつつ本実施形態にかかる水洗大便器10の要部構成について説明する。
便器本体100の後方には、洗浄水供給手段150が配置されている。洗浄水供給手段150は、以下のように、供給電力により電気的に駆動されボウル部110に洗浄水を供給することができる。
洗浄水供給手段150には、定流量弁155と、電磁弁156と、リム吐水用バキュームブレーカ164と、が設けられている。さらに、給水路151には、貯水タンク177への給水とリム吐水とを切り替える切替弁157と、貯水タンク177と、加圧ポンプ173と、ジェット吐水用バキュームブレーカ166と、水抜栓171と、が内蔵されている。また、洗浄水供給手段150には、電磁弁156の開閉操作、切替弁157の切換操作、及び、加圧ポンプ173の回転数や作動時間等を制御する制御部174が内蔵されている。
定流量弁155は、止水栓152、ストレーナ153、及び分岐金具154を介して流入した洗浄水を、所定の流量以下に絞る。本実施形態においては、この定流量弁155は、洗浄水の流量を16リットル/分以下に制限する。また、定流量弁155を通過した洗浄水は、電磁弁156に流入し、電磁弁156を通過した洗浄水は、切替弁157により、リム吐水口113又は貯水タンク177に供給される。
電磁弁156は、制御部174の制御信号により開閉され、供給された洗浄水を切替弁157に流入させ、又は停止させる。
また、切替弁157は、制御部174の制御信号により切り替えられ、電磁弁156を介して流入した洗浄水をリム吐水口113から吐出させ、又は、貯水タンク177に流入させる。
リム吐水用バキュームブレーカ164は、切替弁157を通過した洗浄水をリム吐水口113へ導くリム側給水路159の途中に配置され、洗浄水のリム吐水口113からの逆流を防止している。また、リム吐水用バキュームブレーカ164は、ボウル部110の上端面よりも上方に配置され、これにより、逆流を確実に防止している。さらに、リム吐水用バキュームブレーカ164の大気開放部から溢れた洗浄水は、戻り管路165を通ってフロート式逆止弁169を介して貯水タンク177に流入する。
貯水タンク177は、ジェット吐水口111から吐水すべき洗浄水を貯水する。なお、本実施形態において、貯水タンク177は、約2.5リットルの内容積を有する。
さらに、本実施形態においては、タンク側給水路161の先端(下端)はフロート式逆止弁167に接続されており、貯水タンク177からタンク側給水路161への逆流を防止している。また、貯水タンク177の内部には、上端フロートスイッチ175及び下端フロートスイッチ176が配置されており、貯水タンク177内の水位を検出できるようになっている。上端フロートスイッチ175は、貯水タンク177内の水位が所定の貯水水位に達するとオンに切り替わり、制御部174はこれを検知して、電磁弁156を閉鎖させる。一方、下端フロートスイッチ176は、貯水タンク177内の水位が所定の水位まで低下するとオンに切り替わり、制御部174はこれを検知して、加圧ポンプ173を停止させる。
加圧ポンプ173は、貯水タンク177に貯水された洗浄水を加圧して、ジェット吐水口111から吐出させる。加圧ポンプ173は、貯水タンク177から延びるポンプ側給水路162により接続され、貯水タンク177内に貯水された洗浄水を加圧する。なお、本実施形態においては、加圧ポンプ173は、貯水タンク177内の洗浄水を加圧して、洗浄水を最大約120リットル/分の流量でジェット吐水口111から吐出させる。
また、加圧ポンプ173よりも下方の、貯水タンク177の下端部付近の高さにおいて、水抜栓171が配置されている。このため、水抜栓171を開放することにより、メンテナンス時等に貯水タンク177内及び加圧ポンプ173内の洗浄水を排出することができる。また、加圧ポンプ173の下方には、水受けトレイ172が配置されている。水受けトレイ172は、結露した水滴や漏水を受ける。
一方、加圧ポンプ173の流出口は、ジェット側給水路163を介して、ボウル部110の底部のジェット吐水口111に接続されている。このジェット側給水路163の途中は、上方に向けて凸型に形成されており、この凸型部分の最も高い部分であるジェット側給水路頂部163aは、貯水タンク177からジェット吐水口111に至る洗浄水管路の中で最も高い部分になっている。さらに、図3に表したように、ジェット側給水路163のジェット側給水路頂部163aよりも下流側は、前述したジェット吐水口111と同じレベル(高さ)に設定されている。
ジェット側給水路163には、一端にオーバーフロー口168aを有するオーバーフロー流路168が接続されている。オーバーフロー口168aは、上端フロートスイッチ175よりも上方に設けられている。貯水タンク177内の水位が上端フロートスイッチ175よりも高くなった場合には、貯水タンク177内の水は、オーバーフロー口168aからオーバーフロー流路168に流入し、加圧ポンプ173により加圧され、フラッパー弁178を介してジェット吐水口111から吐出される。
ジェット吐水用バキュームブレーカ166は、切替弁157を通過した洗浄水を貯水タンク177へ導くタンク側給水路161の途中に配置され、洗浄水の貯水タンク177からの逆流を防止している。また、ジェット吐水用バキュームブレーカ166の大気開放部から溢れた洗浄水は、戻り管路165を通ってフロート式逆止弁169を介して貯水タンク177に流入するようになっている。
制御部174は、使用者による便器洗浄スイッチ(図示せず)の操作により、電磁弁156、切替弁157、加圧ポンプ173を順次作動させ、リム吐水口113及びジェット吐水口111からの吐水を順次開始させて、ボウル部110を洗浄する。さらに、制御部174は、洗浄終了後、電磁弁156を開放し、切替弁157を貯水タンク177側に切り替えて洗浄水を貯水タンク177に補給する。貯水タンク177内の水位が上昇し、上端フロートスイッチ175が規定の貯水量を検出すると、制御部174は、電磁弁156を閉鎖して給水を停止する。
図3に表した本実施形態においては、切替弁157を切替えることにより、リム側給水路159を経由してリム吐水口113に洗浄水を供給し、また、タンク側給水路161を経由してフロート式逆止弁167を介して貯水タンク177に洗浄水を補給する。
これに対して、本実施形態においては、変形例として、図3に表した電磁弁156及び切替弁157に代えて、リム吐水用電磁弁及びタンク給水用電磁弁を設けるようにしても良い。具体的には、このリム吐水用電磁弁は、定流量弁155の下流側に設けられ、リム側給水路159に接続されている。また、タンク給水用電磁弁は、定流量弁155の下流側に設けられ、タンク側給水路161に接続されている。さらに、これらのリム吐水用電磁弁及びタンク給水用電磁弁の開閉操作(ON及びOFF操作)は、制御部174からの制御信号により行われる。
本実施形態にかかる水洗大便器10は、非常用電源131と、報知手段133と、を備える。非常用電源131は、制御部174、電磁弁156および報知手段133を作動させることができる。非常用電源131としては、例えば電池やコンデンサなどが挙げられる。報知手段133は、例えば音を鳴らしたり光を発することにより、使用者に所定の情報を報知する。
次に、本実施形態にかかる水洗大便器10の作用(動作)について説明する。
待機状態において、便器洗浄スイッチ(図示せず)が操作されると、1回目のリム吐水(前リム洗浄)が開始される。即ち、使用者が便器洗浄スイッチ(図示せず)を操作すると、制御部174は電磁弁156に信号を送って開放させると共に、切替弁157をリム吐水口113の側に切り替え、水道の給水圧力によりリム吐水口113から洗浄水を吐出させる。電磁弁156が開放されると、水道から供給された洗浄水が止水栓152、ストレーナ153、分岐金具154を経て定流量弁155に流入する。定流量弁155では、水道の給水圧力が高い場合には、通過する洗浄水の流量が所定流量に制限され、給水圧力が低い場合には、洗浄水は流れを制限されることなくそのまま通過される。定流量弁155を通過した洗浄水は、電磁弁156、切替弁157を通過し、リム吐水用バキュームブレーカ164、リム側給水路159を通って、ボウル部110の上部の後方左側に開口したリム吐水口113から吐出される。リム吐水口113から吐出された洗浄水は、ボウル部110内を旋回しながら下方へ流下し、ボウル部110の内壁面が洗浄される。
その後、ジェット吐水が開始されるが、この間もリム吐水口113からは洗浄水の吐水が続いている。
まず、制御部174は、加圧ポンプ173に信号を送ってこれを起動させる。加圧ポンプ173が起動されると、貯水タンク177内に貯水されていた洗浄水は、加圧ポンプ173に流入し、加圧される。加圧ポンプ173によって加圧された洗浄水は、ジェット側給水路163のジェット側給水路頂部163aを通って、ボウル部110の底部に開口したジェット吐水口111から吐出される。
ジェット吐水口111から吐出された洗浄水は排水トラップ部120内に流入し、排水トラップ部120を満水にしてサイホン作用を引き起こす。このサイホン作用により、ボウル部110内の溜水及び汚物は、排水トラップ部120に吸引され、排水管50から排出される。
加圧ポンプ173によってジェット吐水口111から洗浄水が吐出されると、貯水タンク177内の水位が降下し、下端フロートスイッチ176がONになる。下端フロートスイッチ176がONになると、制御部174は、貯水タンク177内に貯水されていた洗浄水が無くなったことを検知し、加圧ポンプ173に信号を送ってこれを停止させ、ジェット吐水を終了させる。継続的に行われているリム吐水口113からの吐水によりボウル部110内の溜水の水位は上昇し、所定のリム吐水時間経過後、ボウル部110内は所定の溜水水位に到達する(リフィール)。
リム吐水終了後、貯水タンク177の洗浄水が補給される。このとき、前述したように、制御部174は、電磁弁156を開放状態に保持した状態で、切替弁157に信号を送って、これを貯水タンク177側に切り替え、洗浄水は、貯水タンク177内に流入する。
貯水タンク177内に洗浄水が補給され、貯水タンク177内の水位が規定の貯水水位に達すると、上端フロートスイッチ175がONになる。上端フロートスイッチ175がONになると、制御部174は電磁弁156に信号を送り、これを閉鎖させる。また、制御部174は、切替弁157に信号を送って、これをリム吐水口113の側に切り替える。そして、水洗大便器10は、待機状態となる。
以上説明したように、本実施形態にかかる水洗大便器10は、制御部174からの信号により電磁弁156、切替弁157、および加圧ポンプ173などの動作を制御し、リム吐水口113あるいはジェット吐水口111から洗浄水を吐出させて便器洗浄を行う。ここで、停電になると、制御部174、電磁弁156、切替弁157、および加圧ポンプ173などの動作が停止し、便器洗浄自体を行うことが困難となる。例えば、使用者は、バケツ等で水を汲み、便器本体100のボウル部110にバケツ等で汲んだ水を流し込む必要がある。そのため、手間と時間がかかる。これは、高齢者や疾病者に対しては好ましいものではない。
これに対して、本実施形態にかかる水洗大便器10の排水ソケット200は、開閉弁(可動部)240を有する。開閉弁240は、通常時(通電時あるいは電力供給時)には、図2(a)に表したように開状態に維持され、排水ソケット本体210の流路断面積を変化させてはいない。一方、開閉弁240は、停電時において、使用者の操作部230(図1および図3参照)の操作により排水ソケット本体210の流路断面積を変化させることができる。すなわち、開閉弁240は、排水トラップ部120に接続された流路を機械的に変動させる。言い換えれば、開閉弁240は、排水トラップ機構300を機械的に変動させる。
なお、可動部は、開閉弁240に限定されず、ターントラップ部であってもよい。この場合、ターントラップは、電動で上下回動し、ボウル部内に貯水された洗浄水を汚水と共に排出させることができる。
また、本実施形態では、可動部が排水ソケット200に設けられた場合を説明したが、可動部は、排水トラップ部120に設けられていてもよい。
具体的には、開閉弁240は、支持軸243を有し、その支持軸243において排水ソケット本体210に対して回動自在に軸支されている。また、後に詳述するように、開閉弁240の支持軸243は、操作部230と連結されている。そのため、使用者は、操作部230を適宜操作することで、図2(a)に表した矢印A1のように、支持軸243を略中心として開閉弁240を回動させることができる。そして、図2(b)に表したように、使用者は、開閉弁240により排水ソケット本体210の流路断面積を狭くし、排水ソケット本体210の流路をほぼ閉鎖状態とすることができる。
なお、開閉弁240は、排水ソケット本体210の流路を完全に閉鎖する必要はない。すなわち、開閉弁240が排水ソケット本体210の流路を閉鎖した状態において、リム吐水口113およびジェット吐水口111から供給される洗浄水によりボウル部110の内部の水位を初期水位よりも上昇させることができれば、開閉弁240と排水ソケット本体210の流路との間に隙間が生じていてもよい。
この状態において、使用者は、非常用電源131により制御部174および電磁弁156を動作させ、リム吐水口113およびジェット吐水口111の少なくともいずれかからボウル部110へ洗浄水を供給する。このとき、リム吐水口113から供給される洗浄水の流量だけでは、排水トラップ部120を満水にできず、サイホン作用を引き起こすことはできない。また、非常用電源131により加圧ポンプ173を駆動させることは困難である。そのため、オーバーフロー口168aからオーバーフロー流路168に流入した水が、フラッパー弁178を介してジェット吐水口111から供給される。このとき、ジェット吐水口111から供給される洗浄水の流量だけでは、リム吐水口113からの洗浄水の供給と同様に、排水トラップ部120を満水にできず、サイホン作用を引き起こすことはできない。
これに対して、本実施形態では、使用者は、停電時に操作部230を操作することにより開閉弁240を作動させ、排水ソケット本体210の流路断面積を狭くすることができる。また、使用者が停電時に操作部230を操作し開閉弁を作動させると、操作信号が制御部174へ送信される。制御部174は、操作部230から操作信号を受信すると、非常用電源131により電磁弁156を開く。これにより、停電時でも、リム吐水口113およびジェット吐水口111の少なくともいずれかからボウル部110へ洗浄水が供給される。
使用者は、開閉弁240により排水ソケット本体210の流路断面積を狭くしているため、リム吐水口113およびジェット吐水口111の少なくともいずれかから供給される洗浄水によりボウル部110の内部の水位を上昇させることができる。そして、ボウル部110の内部の水位が所定水位まで上昇した後に、使用者は、操作部230を適宜操作することで、図2(b)に表した矢印A2のように、開閉弁240を回動させる。すると、ボウル部110に滞留した大量の洗浄水が排水トラップ部120に流れ込むことで、排水トラップ部120を満水にしてサイホン作用を引き起こすことができる。
これによれば、使用者は、停電時に操作部230を操作することにより操作信号を制御部174に送信することができる。操作部230から操作信号を受信した制御部174は、非常用電源131により電磁弁156を作動させボウル部110へ洗浄水を供給する。そのため、停電時においても、使用者は、バケツ等で水を汲む作業を行うことなく、容易に及び確実に便器洗浄を行うことができる。
なお、本実施形態では、便器本体100がサイホン作用により汚物等を排出するサイホン式の便器である場合を例に挙げて説明した。但し、本実施形態では、便器本体100は、サイホン式の便器に限定されず、サイホン作用を生じないいわゆる「洗い落とし式」の便器であってもよい。便器本体100が洗い落とし式の便器であっても、前述した効果と同様の効果が得られる。以下の説明では、説明の便宜上、便器本体100がサイホン式の便器である場合を例に挙げる。
次に、停電時における便器洗浄の動作の概略について、図面を参照しつつ説明する。 図4は、停電時における便器洗浄の動作の概略を説明する模式的断面図である。
図5は、停電時における便器洗浄の動作の概略を説明するタイミングチャート図である。
使用者が停電時において排泄行為を行う前においては、開閉弁240は、開状態(排水ソケット本体210の流路断面積が通常時から変化していない状態)とされている(タイミングt1)。
続いて、使用者は、停電時に排泄行為を行ったときには、図4(a)に表したように、まず、操作部230を操作する(例えば把持部236を引っ張る)ことで支持軸243を略中心として開閉弁240を回動させ、開閉弁240により排水ソケット本体210の流路断面積を狭くする(タイミングt2)。つまり、使用者は、操作部230を操作することで開閉弁240を閉状態とする。
すると、操作信号が操作部230から制御部174へ送信される。すなわち、操作部230は、例えばリミットスイッチなどのスイッチを有し、使用者の操作によりスイッチが入ると操作信号を制御部174へ送信する。制御部174は、操作部230から操作信号を受信すると、非常用電源131により電磁弁156を開く。これにより、停電時でも、リム吐水口113およびジェット吐水口111の少なくともいずれかからボウル部110へ洗浄水が供給される。
開閉弁240と排水ソケット本体210の流路との間には、隙間が生じている。そのため、排水トラップ部120を通り開閉弁240へ到達した洗浄水のうちの一部の水は、開閉弁240と排水ソケット本体210の流路との間の隙間を通り排水管50から排出される。このとき、リム吐水口113およびジェット吐水口111の少なくともいずれかからボウル部110へ供給される洗浄水の流量は、開閉弁240と排水ソケット本体210の流路との間の隙間を通過する洗浄水の流量よりも多い。そのため、図4(b)に表したように、ボウル部110の内部の水位が上昇する。
続いて、制御部174は、電磁弁156が開いてから第1の時間T1が経過すると、非常用電源131により電磁弁156を閉じる(タイミングt3)。これにより、ボウル部110への洗浄水の供給が停止する。また、制御部174は、電磁弁156が開いてから第1の時間T1が経過すると、使用者に対して報知手段133により報知を行う。例えば、報知手段133は、電磁弁156が開いてから第1の時間T1が経過すると音を鳴らす。これにより、使用者は、電磁弁156が開いてから第1の時間T1が経過したことを知ることができる。
第1の時間T1は、電磁弁156が開いてから、ボウル部110の内部の水位がボウル部110を洗浄可能な水位となるまでの時間である。「ボウル部110を洗浄可能な水位」とは、例えば、ボウル部110の内部の水を排出可能あるいは置換可能な水位である。あるいは、「ボウル部110を洗浄可能な水位」とは、例えば、サイホン作用を発生させることが可能な水位である。第1の時間T1は、タイマ制御(第1のタイマ制御)により設定されている。
第1の時間T1については、水洗大便器10の設置現場における吐水瞬間流量や水圧などに応じて適宜変更することができる。前述したように、第1の時間T1の経過中では、ボウル部110の内部の水位が上昇する。そのため、ボウル部110の内部の水がボウル面(便器本体100の上面)から溢れないように、第1の時間T1を設定する必要がある。
図6は、吐水時間と初水位からの水位高さとの関係の一例を例示するグラフ図である。 図6に表したグラフ図の横軸は、吐水時間(秒)を表す。図6に表したグラフ図の縦軸は、初水位からの水位高さ(ミリメートル:mm)を表す。
図6は、本発明者が実施した検討の結果の一例を例示している。本検討に用いられた便器本体100では、サイホン作用を発生させることが可能な水位H1は、初水位(初期水位)から70mm以上である。また、本検討に用いられた便器本体100では、初水位からボウル面までの距離は、125mmである。本発明者は、吐水瞬間流量を「小」および「大」に設定した。本発明者は、開閉弁240と排水ソケット本体210の流路との間の隙間を通過する洗浄水の流量(漏れ量)を、それぞれの吐水瞬間流量において「多」および「少」に設定した。
図6に表したグラフ図によれば、各吐水瞬間流量および各漏れ量において、ボウル部110の内部の水がボウル面から溢れない水位であり、且つボウル部110を洗浄可能な水位(本検討ではサイホン作用を発生させることが可能な水位)となる吐水時間(第1の時間T1)は、約30秒以上である。このようにして、第1の時間T1を設定することができる。なお、前述した第1の時間T1「約30秒以上」は、一例であり、これだけに限定されるわけではない。
吐水瞬間流量については、例えば、上端フロートスイッチ(検知手段)175により測定することができる。すなわち、制御部174は、電磁弁156が開いてから上端フロートスイッチ175がONになるまでの時間により、吐水瞬間流量を判断することができる。あるいは、制御部174は、図示しない瞬間流量計(検知手段)の検知結果に基づいて吐水瞬間流量を判断してもよい。あるいは、制御部174は、水圧計(検知手段)の検知結果に基づいて給水圧力を判断してもよい。
本実施形態にかかる水洗大便器10は、非停電時の吐水時間を学習し、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの半導体メモリからなる不揮発性記憶部に記憶させておいてもよい。この場合には、制御部174は、停電時において、吐水瞬間流量に応じた吐水時間を記憶部から読み取り、第1の時間T1を設定することができる。
続いて、図4および図5に戻って停電時における便器洗浄の動作の概略を説明する。
使用者は、ボウル部110への洗浄水の供給停止を確認すると、あるいは報知手段133による報知を確認すると、操作部230を操作する(例えば引っ張っていた把持部236を戻す)ことで開閉弁240を開状態とする(タイミングt3)。すると、図4(c)に表したように、ボウル部110に滞留した大量の洗浄水が排水トラップ部120に流れ込むことで、排水トラップ部120が満水となり、サイホン作用が発生する。
また、使用者が操作部230を操作し開閉弁240を開状態とすると、操作信号が操作部230から制御部174へ送信される。すなわち、操作部230は、使用者の操作によりスイッチが切れると操作信号を制御部174へ送信する。制御部174は、操作部230から操作信号を受信すると、ボウル部110への洗浄水の供給を停止する第2の時間T2のタイマ制御を開始する(タイミングt3)。
第2の時間T2は、図4(d)に表したように、開閉弁240が開状態となってからサイホン作用が終了するまでの時間である。すなわち、前述したように、制御部174は、電磁弁156が開いてから第1の時間T1が経過すると、電磁弁156を閉じてボウル部110への洗浄水の供給が停止させる。そのため、サイホン作用が発生してからしばらくすると、ボウル部110に滞留した大量の洗浄水が排出され、サイホン作用が終了する。
続いて、制御部174は、開閉弁240が開状態となってから第2の時間T2が経過すると、非常用電源131により電磁弁156を第3の時間T3だけ開く(タイミングt4〜t5)。すると、図4(e)に表したように、リム吐水口113およびジェット吐水口111の少なくともいずれかからボウル部110へ洗浄水が再度供給される(リフィール)。第3の時間T3は、タイマ制御(第2のタイマ制御)により設定されている。第3の時間T3については、第1の時間T1に関して前述した学習制御と同様に、制御部174は、停電時において、吐水瞬間流量に応じた吐水時間を記憶部から読み取り、第3の時間T3を設定することができる。
これにより、ボウル部110内の水位は、初水位に戻る。ボウル部110内の水位を初水位に戻す(リフィールを行う)ことにより、初水位を安定化させ、ボウル部110の内部の水がボウル面から溢れることを抑制することができる。
本実施形態にかかる水洗大便器10の便器洗浄の動作によれば、ボウル部110の内部の水を排出可能あるいは置換可能な水位までボウル部110内に確実に水を溜めることができる。ボウル部110内への洗浄水の供給が停止すると、使用者は、開閉弁240を初期状態(開状態)に戻し、便器洗浄を実行することができる。そのため、操作に不慣れな使用者でも、停電時において、確実に便器洗浄を行うことができる。
また、ボウル部110の内部の水を排出可能あるいは置換可能な水位までボウル部110内に水が溜まると、制御部174は、使用者に対して報知手段133により報知を行う。そのため、報知手段133による報知があった後に、使用者は、開閉弁240を初期状態(開状態)に戻し、便器洗浄を実行することができる。そのため、操作に不慣れな使用者でも、停電時において、容易および確実に便器洗浄を行うことができる。
また、制御部174は、開閉弁240が初期状態(開状態)であることを検知すると、ボウル部110へ洗浄水を再度供給する。これにより、ボウル部110外に洗浄水が溢れることを抑制することができる。また、ボウル部110内の溜水の水位を初水位に回復することができる。そのため、操作に不慣れな使用者でも、停電時において、確実に便器洗浄を行うことができる。
次に、停電時における便器洗浄の動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。 図7は、停電時における便器洗浄の動作の具体例を例示するフローチャート図である。
使用者が操作部230を操作することでスイッチが入ると(ステップS101)、制御部174は、タイマ制御のカウントをリセットする(ステップS103)。制御部174は、操作部230のスイッチが入っている(開閉弁240が閉状態である)か否かを判断する(ステップS105)。操作部230のスイッチが入っている場合には(ステップS105:yes)、制御部174は、電磁弁156を開き(ステップS107)、タイマ制御のカウントを「1」だけ増加させる(ステップS109)。続いて、制御部174は、タイマ制御のカウントが第1の時間T1以上であるか否かを判断する(ステップS111)。第1の時間T1は、例えば約25〜35秒間程度である。タイマ制御のカウントが第1の時間T1以上である場合には(ステップS111:yes)、制御部174は、タイマ制御のカウントをリセットする(ステップS113)。一方、タイマ制御のカウントが第1の時間T1以上でない場合には(ステップS111:no)、制御部174は、ステップS105に関して前述した制御を実行する。
ステップS105において、操作部230のスイッチが入っていない場合には(ステップS105:no)、制御部174は、タイマ制御のカウントをリセットする(ステップS113)。
制御部174は、ステップS113に関して前述した制御を実行すると、電磁弁156を閉じる(ステップS115)。続いて、制御部174は、操作部230のスイッチが切れている(開閉弁240が開状態である)か否かを判断する(ステップS117)。操作部230のスイッチが切れている場合には(ステップS117:yes)、制御部174は、電磁弁156を閉じる(ステップS119)。一方、操作部230のスイッチが切れていない場合には(ステップS117:no)、制御部174は、ステップS115に関して前述した制御を実行する。
制御部174は、ステップS113に関して前述した制御を実行すると、タイマ制御のカウントを「1」だけ増加させる(ステップS121)。続いて、制御部174は、タイマ制御のカウントが第2の時間T2以上であるか否かを判断する(ステップS123)。第2の時間T2は、例えば約10秒程度である。タイマ制御のカウントが第2の時間T2以上である場合には(ステップS123:yes)、制御部174は、タイマ制御のカウントをリセットする(ステップS125)。一方、タイマ制御のカウントが第2の時間T2以上でない場合には(ステップS123:no)、制御部174は、ステップS119に関して前述した制御を実行する。
制御部174は、ステップS125に関して前述した制御を実行すると、電磁弁156を開き(ステップS127)、タイマ制御のカウントを「1」だけ増加させる(ステップS129)。
続いて、制御部174は、タイマ制御のカウントが第3の時間T3以上であるか否かを判断する(ステップS131)。第3の時間T3は、例えば約12〜19秒程度である。タイマ制御のカウントが第3の時間T3以上である場合には(ステップS131:yes)、制御部174は、電磁弁156を閉じ(ステップS133)、タイマ制御のカウントをリセットし(ステップS135)、停電時における便器洗浄の動作を終了する(ステップS137)。一方、タイマ制御のカウントが第3の時間T3以上でない場合には(ステップS131:no)、制御部174は、ステップS127に関して前述した制御を実行する。
本具体例によれば、停電時においても、使用者は、バケツ等で水を汲む作業を行うことなく、容易に及び確実に便器洗浄を行うことができる。また、図4および図5に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
図8は、停電時における便器洗浄の動作の他の具体例を例示するタイミングチャート図である。
本具体例は、ボウル部110の内部の水位がボウル部110を洗浄可能な水位となる前に、使用者が操作部230を操作し開閉弁240を開状態とする例である。
タイミングt11〜t12の動作は、図5に関して前述したタイミングt1〜t2の動作と同様である。
続いて、例えば使用者が不意に操作部230を操作し開閉弁240を開状態とした場合などには、操作信号が操作部230から制御部174へ送信される。すなわち、操作部230は、使用者の不意の操作によりスイッチが切れると操作信号を制御部174へ送信する。制御部174は、操作部230から操作信号を受信すると、第1の時間T1が経過する前であっても電磁弁156を閉じる(タイミングt13)。これにより、ボウル部110への洗浄水の供給が停止する。また、制御部174は、第2の時間T2のタイマ制御を開始する(タイミングt13)。
このとき、第1の時間T1は、未だ経過していない。そのため、ボウル部110の内部の水位は、ボウル部110の内部の水を排出可能あるいは置換可能な水位まで上昇していない場合がある。そのため、ボウル部110の内部の水を排出あるいは置換することができない場合がある。具体的には、サイホン作用が発生しない場合がある。
続いて、制御部174は、開閉弁240が開状態となってから第2の時間T2が経過すると、非常用電源131により電磁弁156を第3の時間T3だけ開く(タイミングt14〜t15)。すると、リム吐水口113およびジェット吐水口111の少なくともいずれかからボウル部110へ洗浄水が再度供給される。これにより、ボウル部110内の水位は、初水位に戻る。
本具体例によれば、第1の時間T1が経過する前に、使用者が操作部230を操作し開閉弁240を開状態とすると、制御部174は、電磁弁156を閉じ洗浄水の供給を停止する。そのため、ボウル部110の内部の水がボウル面から溢れることをより確実に抑制することができる。
なお、開閉弁240が開状態となったときに(タイミングt13)、ボウル部110の内部の水を排出あるいは置換することができない場合には、使用者は、操作部230を再度操作しボウル部110の内部の水位を上昇させる必要がある。
図9は、停電時における便器洗浄の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャート図である。
本具体例は、ボウル部110の内部の水位がボウル部110を洗浄可能な水位となった後、しばらくの間、使用者が開閉弁240を閉状態に維持する例である。
タイミングt21〜t22の動作は、図5に関して前述したタイミングt1〜t2の動作と同様である。
続いて、制御部174は、電磁弁156が開いてから第1の時間T1が経過すると、非常用電源131により電磁弁156を閉じる(タイミングt23)。これにより、ボウル部110への洗浄水の供給が停止する。また、制御部174は、電磁弁156が開いてから第1の時間T1が経過すると、使用者に対して報知手段133により報知を行う。
このとき、例えば使用者が洗浄水の供給の停止あるいは報知手段133の報知に気付かず開閉弁240を閉状態に維持している場合でも、制御部174は、電磁弁156が開いてから第1の時間T1が経過すると非常用電源131により電磁弁156を強制的に閉じる(タイミングt23)。
図4および図5に関して前述したように、開閉弁240と排水ソケット本体210の流路との間には、隙間が生じている。そのため、洗浄水の供給が停止してからしばらくの間、使用者が開閉弁240を閉状態に維持すると、開閉弁240へ到達した洗浄水のうちの一部の水は、開閉弁240と排水ソケット本体210の流路との間の隙間を通り排水管50から排出される。洗浄水の供給が停止しているため、ボウル部110の内部の水位は下降する。
そのため、使用者が操作部230を操作し開閉弁240を開状態としたときには(タイミングt24)、ボウル部110の内部の水を排出あるいは置換することができない場合がある。具体的には、サイホン作用が発生しない場合がある。また、使用者が操作部230を操作し開閉弁240を開状態とすると、制御部174は、第2の時間T2をタイマ制御を開始する(タイミングt24)。続いて、タイミングt25〜t26の動作は、図5に関して前述したタイミングt4〜t5の動作と同様である。
本具体例によれば、開閉弁240の開閉状態にかかわらず、制御部174は、電磁弁156が開いてから第1の時間T1が経過すると非常用電源131により電磁弁156を強制的に閉じる。また、使用者が開閉弁240を閉状態に維持していても、開閉弁240へ到達した洗浄水のうちの一部の水は、開閉弁240と排水ソケット本体210の流路との間の隙間から排出される。そのため、ボウル部110の内部の水がボウル面から溢れることをより確実に抑制することができる。
なお、開閉弁240が開状態となったときに(タイミングt24)、ボウル部110の内部の水を排出あるいは置換することができない場合には、使用者は、操作部230を再度操作しボウル部110の内部の水位を上昇させる必要がある。
図10は、停電時における便器洗浄の動作のさらに他の具体例を例示するタイミングチャート図である。
本具体例は、ボウル部110の内部の水位がボウル部110を洗浄可能な水位となってから初水位に戻るまで、使用者が開閉弁240を閉状態に維持する例である。
タイミングt31〜t33の動作は、図5に関して前述したタイミングt1〜t2および図9に関して前述したタイミングt23の動作と同様である。
図9に関して前述したように、使用者が開閉弁240を閉状態に維持していても、開閉弁240へ到達した洗浄水のうちの一部の水は、開閉弁240と排水ソケット本体210の流路との間の隙間を通り排水管50から排出される。そのため、ボウル部110の内部の水位が初水位に戻る場合がある。
そこで、本具体例では、電磁弁156が開いてから第4の時間T4が経過すると、制御部174は、非常用電源131により電磁弁156を第3の時間T3だけ開く(タイミングt34〜t35)。すると、リム吐水口113およびジェット吐水口111の少なくともいずれかからボウル部110へ洗浄水が再度供給される。第4の時間T4は、洗浄水が第1の時間T1にわたってボウル部110へ供給された後に(タイミングt33以降)、洗浄水が再度供給されても、ボウル部110の内部の水がボウル面から溢れない時間である。
本具体例によれば、ボウル部110の内部の水がボウル面から溢れることをより確実に抑制することができる。また、停電時における便器洗浄の動作を最後まで終了させることができる。そのため、次回の便器洗浄の動作をより早く開始させ、非常用電源131にかかる負担を低減させることができる。また、タイミングt34〜t35における洗浄水の再度の供給量は、サイホン作用を発生させる供給量よりも少ない。そのため、タイミングt34〜t35における洗浄水の供給によりサイホン作用が発生することを抑え、破封が生ずることを抑えることができる。
図11は、停電時における便器洗浄の動作のさらに他の具体例を例示するフローチャート図である。
使用者が操作部230を操作することでスイッチが入ると(ステップS201〜S203)、制御部174は、電磁弁156を開き(ステップS205)、タイマ制御のカウントを開始させる(ステップS207)。続いて、制御部174は、タイマ制御のカウントが第1の時間T1以上であるか否かを判断する(ステップS209)。タイマ制御のカウントが第1の時間T1以上でない場合には(ステップS209:no)、制御部174は、タイマ制御のカウントが第1の時間T1以上であるか否かを再度判断する(ステップS209)。一方、タイマ制御のカウントが第1の時間T1以上である場合には(ステップS209:yes)、制御部174は、タイマ制御のカウントをリセットし(ステップS211)、電磁弁156を閉じる(ステップS213)。
続いて、制御部174は、操作部230のスイッチが切れている(開閉弁240が開状態である)か否かを判断する(ステップS215)。操作部230のスイッチが切れている場合には(ステップS215:yes)、制御部174は、タイマ制御のカウントを開始させる(ステップS223)。一方、操作部230のスイッチが切れていない場合には(ステップS215:no)、制御部174は、タイマ制御のカウントを開始させ(ステップS217)、タイマ制御のカウントが第4の時間T4以上であるか否かを判断する(ステップS219)。
タイマ制御のカウントが第4の時間T4以上でない場合には(ステップS219:no)、制御部174は、タイマ制御のカウントが第4の時間T4以上であるか否かを再度判断する(ステップS219)。一方、タイマ制御のカウントが第4の時間T4以上である場合には(ステップS219:yes)、制御部174は、タイマ制御のカウントをリセットし(ステップS221)、タイマ制御のカウントを開始させる(ステップS223)。
続いて、制御部174は、タイマ制御のカウントが第2の時間T2以上であるか否かを判断する(ステップS225)。タイマ制御のカウントが第2の時間T2以上でない場合には(ステップS225:no)、制御部174は、タイマ制御のカウントが第2の時間T2以上であるか否かを再度判断する(ステップS225)。一方、タイマ制御のカウントが第2の時間T2以上である場合には(ステップS225:yes)、制御部174は、タイマ制御のカウントをリセットし(ステップS227)、電磁弁156を開き(ステップS229)、タイマ制御のカウントを開始させる(ステップS231)。
続いて、制御部174は、タイマ制御のカウントが第3の時間T3以上であるか否かを判断する(ステップS233)。タイマ制御のカウントが第3の時間T3以上でない場合には(ステップS233:no)、制御部174は、タイマ制御のカウントが第3の時間T3以上であるか否かを再度判断する(ステップS233)。一方、タイマ制御のカウントが第3の時間T3以上である場合には(ステップS233:yes)、制御部174は、タイマ制御のカウントをリセットし(ステップS235)、電磁弁156を閉じ(ステップS237)、停電時における便器洗浄の動作を終了する(ステップS239)。
本具体例によれば、図10に関して前述した効果と同様の効果が得られる。
次に、本実施形態の開閉弁240の構造および動作について、図面を参照しつつ説明する。
図12は、本実施形態の開閉弁の近傍を拡大した模式的断面図である。
図13は、本実施形態の開閉弁を表す模式的平面図である。
図14は、本実施形態の排水ソケット本体と開閉弁との関係を説明する模式図である。
図12(a)は、図2(a)に表した範囲A11を拡大した模式的断面図である。図12(b)は、図2(b)に表した範囲A12を拡大した模式的断面図である。図13(a)は、本実施形態の開閉弁240を上方から眺めた模式的平面図である。図13(b)は、本実施形態の開閉弁240を正面から眺めた模式的平面図である。図13(c)は、本実施形態の開閉弁240を側方から眺めた模式的平面図である。図14(a)は、本実施形態の排水ソケット200を側方から眺めた模式的平面図である。図14(b)は、図14(a)に表した切断面B−Bにおける模式的断面図である。
図13(a)〜図13(c)に表したように、本実施形態の開閉弁240は、弁体241と、支持軸243と、を有する。図14(a)および図14(b)に表したように、支持軸243は、排水ソケット本体210の内側壁(流路内壁)211と係合可能である。そして、開閉弁240は、支持軸243において排水ソケット本体210に対して回動自在に軸支されている。つまり、開閉弁240は、例えば、図12(a)に表した矢印A1および図12(b)に表した矢印A2のように、支持軸243を略中心として上下方向に回動可能である。また、開閉弁240の支持軸243は、操作部230のインナーワイヤ233(図1(a)参照)と連結されている。支持軸243は、インナーワイヤ233とは異なる他の部材を介してインナーワイヤ233と連結されていてもよい。開閉弁240が支持軸243を略中心として回動することで、弁体241は、排水ソケット本体210の流路断面積を変化させることができる。
図12(a)に表したように、開閉弁240は、通常時には、開状態に維持されている。言い換えれば、開閉弁240は、通常時には、排水ソケット本体210の流路断面を開状態としている。このときに、開閉弁240は、排水管50の近傍すなわち排水ソケット200の下流側に位置している。そのため、供給電力があるときの通常の便器洗浄において、水洗大便器10の排出性能に影響を与えることなく、汚物等が詰まることを抑えた通常通りの便器洗浄を行うことができる。
また、図12(a)に表したように、開閉弁240が排水ソケット本体210の流路断面を開状態としているときにおいて、開閉弁240の弁体241は、平面視で排水ソケット本体210の流路断面の中心点を中心として外側に円を描いた円弧状に形成されており、排水ソケット本体210の内側壁211に沿った形状を有する。また、弁体241の表面(洗浄水が流れる側の面)は、排水ソケット本体210の内側壁211の表面と同一面あるいはそれよりも後退した位置の面として設けられている。そのため、供給電力があるときの通常の便器洗浄において、排水ソケット本体210の流路を流れる洗浄水が受ける抵抗を抑制することができる。これにより、水洗大便器10の排出性能に影響を与えることなく、汚物等が詰まることを抑えた通常通りの便器洗浄を行うことができる。
続いて、図12(a)に表した矢印A1のように、使用者は、操作部230を適宜操作することで支持軸243を略中心として開閉弁240を回動させ、開閉弁240により排水ソケット本体210の流路断面積を狭くすることができる。ここで、開閉弁240は、支持軸243を略中心として上下方向に回動可能であるため、開閉弁240がしばらく使用されず、弁体241が排水ソケット本体210の内側壁211に固着していても、回動操作により簡単に固着状態を破壊することができる。そのため、停電時には、使用者の手動操作または非常用電源131により、開閉弁240の安定した回動動作が可能となり、良好に汚物等を排水管50へ排出することができる。そのため、使用者は、バケツ等で水を汲む作業を行うことなく、簡単に良好な便器洗浄を行うことができる。
また、開閉弁240および排水ソケット本体210は、樹脂により形成されている。そして、開閉弁240を形成する樹脂と、排水ソケット本体210を形成する樹脂と、が互いに接触する。つまり、開閉弁240と排水ソケット本体210とは、例えばゴムなどのパッキンにより密着するわけではない。
そのため、本実施形態では、弁体241の先端部(支持軸243とは反対側の端部)241aと、排水ソケット本体210の内側壁211と、の間に隙間が存在する。そのため、図12(b)に表した矢印A3のように、排水トラップ部120を通過し排水ソケット本体210に流入した水は、弁体241の先端部241aと排水ソケット本体210の内側壁211との間の隙間を通過し排水管50へ排出される。これにより、リム吐水口113およびジェット吐水口111の少なくともいずれかから供給される洗浄水によりボウル部110の内部の水位が上昇するときに、例えば排水トラップ部120のトラップ頂部123(図2(a)および図2(b)参照)に空気が溜まることを抑え、排水トラップ部120の内部の空気を流れやすくすることができる。そのため、排水トラップ部120をより確実に満水にして、より確実にサイホン作用を引き起こすことができる。
なお、図12(b)に表した状態では、弁体241の周縁部が排水ソケット本体210の内側壁211と接触(線接触)しているが、弁体241と排水ソケット本体210の内側壁211との接触状態は、これだけに限定されるわけではない。例えば、水洗大便器10の排出性能に影響を与えない程度の突起部が排水ソケット本体210の内側壁211に設けられ、弁体241の周端部の表面がその突起部に接触(面接触)してもよい。
また、図12(a)に表したように、開閉弁240が排水ソケット本体210の流路断面を開状態としているときに、支持軸243は、弁体241よりも上方に位置する。つまり、支持軸243から弁体241の先端部241aへ向かう方向は、略下方となっている。そして、図12(a)に表した矢印A1のように、開閉弁240は、支持軸243を略中心として下方から上方へ向かって回動することで、排水ソケット本体210の流路断面積を狭くする。そのため、汚物等が弁体241の先端部241aに引っ掛かったり、開閉弁240が回動したときに汚物等を挟み込んだりすることを抑えることができる。また、水洗大便器10の排出性能に影響を与えることなく、通常通りの便器洗浄を行うことができる。
また、図12(b)に表したように、開閉弁240が排水ソケット本体210の流路断面積を狭くしているときに、支持軸243は、弁体241の先端部241aより上方に位置する。そのため、図12(b)に表した矢印A4のように、排水トラップ部120を通過し弁体241に到達した洗浄水は、支持軸243の方向ではなく先端部241aの方向へ向かって流れる。これにより、汚物等を含む洗浄水が支持軸243の方向へ流れることで、支持軸243に詰まりが生じたり、支持軸243が脆化することを抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便器本体100および排水ソケット200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや排水ソケット本体210および操作部230の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10 水洗大便器、 50 排水管、 100 便器本体、 110 ボウル部、 111 ジェット吐水口、 113 リム吐水口、 120 排水トラップ部、 121 下流端、 123 トラップ頂部、 131 非常用電源、 133 報知手段、 150 洗浄水供給手段、 151 給水路、 152 止水栓、 153 ストレーナ、 154 分岐金具、 155 定流量弁、 156 電磁弁、 157 切替弁、 159 リム側給水路、 161 タンク側給水路、 162 ポンプ側給水路、 163 ジェット側給水路、 163a ジェット側給水路頂部、 164 リム吐水用バキュームブレーカ、 165 戻り管路、 166 ジェット吐水用バキュームブレーカ、 167 フロート式逆止弁、 168 オーバーフロー流路、 168a オーバーフロー口、 169 フロート式逆止弁、 171 水抜栓、 172 トレイ、 173 加圧ポンプ、 174 制御部、 175 上端フロートスイッチ、 176 下端フロートスイッチ、 177 貯水タンク、 178 フラッパー弁、 200 排水ソケット、 210 排水ソケット本体、 211 内側壁、 220 パッキン、 230 操作部、 231 アウターチューブ、 233 インナーワイヤ、 236 把持部、 240 開閉弁、 241 弁体、 241a 先端部、 243 支持軸、 300 排水トラップ機構

Claims (8)

  1. 汚物を受けるボウル部と、
    前記ボウル部に接続され前記汚物を排出するとともに前記ボウル部に溜水を形成する排水トラップ機構と、
    供給電力により電気的に駆動され前記ボウル部に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、
    停電時に前記洗浄水供給手段を非常用電源により電気的に駆動させる制御部と、
    を備え、
    前記排水トラップ機構は、
    前記ボウル部の内部の水位を初期水位よりも上昇させるため前記排水トラップ機構を機械的に変動させる可動部と、
    前記停電時に使用者の操作に基づいて前記可動部を作動させる操作部と、
    を有し、
    前記操作部は、前記停電時に前記使用者の操作に基づいて前記可動部を作動させるとともに操作信号を前記制御部に送信し、
    前記制御部は、前記操作信号を受信すると前記洗浄水供給手段を作動させ前記ボウル部に洗浄水を供給することを特徴とする水洗大便器。
  2. 汚物を受けるボウル部と、
    前記ボウル部に接続され前記汚物を排出するとともに前記ボウル部に溜水を形成する排水トラップ機構と、
    供給電力により電気的に駆動され前記ボウル部に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、
    停電時に前記洗浄水供給手段を非常用電源により電気的に駆動させる制御部と、
    を備え、
    前記排水トラップ機構は、
    前記排水トラップ機構を機械的に変動させて前記排水トラップ機構の内部の流路の断面積を狭くすることでサイホン発生前に前記ボウル部の内部の水位を初期水位よりも上昇させる可動部であって、前記上昇の後に、前記断面積を広くすることで前記ボウル部の内部の水を前記流路に流れ込ませ前記流路を満水にしてサイホン作用を引き起こす可動部と、
    使用者の操作に基づいて前記可動部を作動させる操作部と、
    を有し、
    前記操作部は、前記停電時に前記使用者の操作に基づいて前記可動部を作動させるとともに操作信号を前記制御部に送信し、
    前記制御部は、前記操作信号を受信すると前記洗浄水供給手段を作動させ前記ボウル部に洗浄水を供給することを特徴とする水洗大便器。
  3. 前記制御部は、前記停電時に前記洗浄水供給手段を作動させ、前記ボウル部の内部の水位が前記ボウル部の内部の水を置換可能な水位になるまで第1のタイマ制御を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の水洗大便器。
  4. 前記ボウル部の内部の水位が前記ボウル部の内部の水を置換可能な水位になると前記使用者に報知を行う報知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項記載の水洗大便器。
  5. 吐水瞬間流量および給水圧力の少なくともいずれかを検知する検知手段をさらに備え、
    前記制御部は、前記検知手段の検知結果に応じて前記第1のタイマ制御の時間を設定することを特徴とする請求項またはに記載の水洗大便器。
  6. 前記制御部は、前記停電時に便器洗浄を実行した後、前記可動部が初期状態であることを検出すると、前記洗浄水供給手段を作動させ第2のタイマ制御により前記ボウル部に洗浄水を再度供給することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の水洗大便器。
  7. 吐水瞬間流量および給水圧力の少なくともいずれかを検知する検知手段をさらに備え、
    前記制御部は、前記検知手段の検知結果に応じて前記第2のタイマ制御の時間を設定することを特徴とする請求項記載の水洗大便器。
  8. 前記可動部は、
    前記排水トラップ機構が有する排水ソケットの内側壁と係合可能な支持軸と、
    前記支持軸を中心として上下方向に回動することにより前記排水ソケットの流路の断面積を変化させる弁体と、
    を有する開閉弁を含み、
    前記操作部は、前記支持軸に連結され、外部からの操作により前記弁体を前記上下方向に回動させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の水洗大便器。
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