JP5446538B2 - 定着装置、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、高光沢画像が得られるとともに、低消費電力を実現する技術が提案されている(特許文献3〜5参照)。
<1> 複数のニップ部と、トナーが転写された転写材をニップ部に搬送する搬送手段と、を有し、前記トナーが下記式(1)を満たすことを特徴とする定着装置、
20℃≦T(1MPa)−T(10MPa)≦120℃ (1)
(式(1)中、T(10MPa)は、フローテスター印加圧力10MPaにおいて粘度が104Pa・sになるときの温度を表し、T(1MPa)は、フローテスター印加圧力1MPaにおいて粘度が104Pa・sになるときの温度を表す。)
<3> 前記トナーのフローテスター溶融粘度が105Pa・sになる圧力P1以上で加圧している時間の合計T1は、前記圧力P1においてニップ時間を長くした場合に画像グロス飽和点の値G1の80%に達する時間T0以上である、<2>に記載の定着装置、
<4> 前記ニップ部において前記圧力P1以上で加圧するインターバル時間I1は、加圧合計時間をT1にして加圧間隔を長くしたときに画像グロスが画像グロス飽和点の値G1の50%になる時間以下である、<3>に記載の定着装置、
<5> 前記定着装置と前記転写材との剥離部が1箇所である、<1>〜<4>いずれか1つに記載の定着装置、
<6> 前記ニップ部が加圧部材及び対向部材を有し、前記加圧部材及び/又は前記対向部材に沿って、加圧部材と対向部材との間に配置された無端状ベルトを有する、<1>〜<5>いずれか1つの定着装置、
<7> 像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤によりトナー像に現像する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記被転写体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記定着手段として、<1>〜<6>いずれか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置、
<8> 像保持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体の表面に形成された潜像を少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記被転写体に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を有し、前記トナーが下記式(1)を満たし、前記定着工程において、複数回加圧することを特徴とする画像形成方法、
20℃≦T(1MPa)−T(10MPa)≦120℃ (1)
(式(1)中、T(10MPa)は、フローテスター印加圧力10MPaにおいて粘度が104Pa・sになるときの温度を表し、T(1MPa)は、フローテスター印加圧力1MPaにおいて粘度が104Pa・sになるときの温度を表す。)
<10> 前記定着工程において、前記トナーのフローテスター溶融粘度が105Pa・s以下になる圧力P1以上で加圧している時間の合計T1は、前記圧力P1においてニップ時間を長くした場合に画像グロス飽和点の値G1の80%に達する時間T0以上である、<9>に記載の画像形成方法、
<11> 前記定着工程において、前記圧力P1以上で加圧するインターバル時間I1は、加圧合計時間をT1にして加圧間隔を長くしたときに画像グロスが画像グロス飽和点の値G1の50%になる時間以下である、<10>に記載の画像形成方法。
上記<2>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より定着性が改善された定着装置が提供される。
上記<3>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、定着時のトナー流動性が増大し、より光沢性の高い画像が提供される。
上記<4>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、定着時のトナー流動性が増大し、より光沢性の高い画像が提供される。
上記<5>に記載の発明によれば、剥離部が複数である場合に比べ、トナーのオフセットや像ずれが抑制される。
上記<6>に記載の発明によれば、無端状ベルトを有しない場合に比して、トナーのオフセットや像ずれが抑制される。
上記<7>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、高光沢な画像形成が可能な画像形成装置が提供される。
上記<8>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、高光沢な画像形成が可能な画像形成方法が提供される。
上記<9>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より定着性が改善された画像形成方法が提供される。
上記<10>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より高光沢な画像が提供される。
上記<11>に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比して、より高光沢な画像が提供される。
20℃≦T(1MPa)−T(10MPa)≦120℃ (1)
(式(1)中、T(10MPa)は、フローテスター印加圧力10MPaにおいて粘度が104Pa・sになるときの温度を表し、T(1MPa)は、フローテスター印加圧力1MPaにおいて粘度が104Pa・sになるときの温度を表す。)
本実施形態の画像形成装置は、上記の定着装置を備える。
また、本実施形態の画像形成方法は、像保持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、前記像保持体の表面に形成された潜像を少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、前記被転写体に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を有し、前記トナーが前記式(1)を満たし、前記定着工程において、複数回加圧することを特徴とする。
本発明の定着方法によれば、圧力定着性を有するトナーを定着するにあたり、複数回加圧する構成にすることにより、装置が小型化され、低消費電力化が達成される。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とを含んで構成される。二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置されている。さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙上にトナー像を二次転写する。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kの各々の感光体ドラム11に照射している。各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット30Y、30M、30C、30Kの現像器14によって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。
図2は、定着装置60の一実施態様を示す概略構成断面図である。
図2において、定着装置60は、対向する各ロール1−1〜1−5、2−1〜2−5がφ30のSUS(ステンレス鋼)製であり、圧力5MPa(50kgf/cm2)以上のニップ幅が1mmになるように図示しない加圧機構により荷重を調整している。図2では、このニップ部は50mm間隔で5つあり、ベルト張架ロール3、4によってベルト(無端状ベルト)5、6を張架している。
例えば、ベルト基材としては、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等が例示され、これらの中でも、ポリイミド系樹脂及びポリアミドイミド系樹脂を用いることが好ましい。また、ベルト基材の厚みは、0.02mm以上0.2mm以下であることが好ましい。
図2では、ベルト5、6として、厚さ100μmのポリイミドの基層上に離型層を形成している。離型層としては、厚さ10μmのシリコーンゴム等を用いることができる。各々のベルトは図示しない駆動機構により矢印方向に回転駆動する。
また、本実施形態の定着装置が加熱手段を有する場合、該加熱温度は100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがさらに好ましい。
通常の熱可塑性のトナーを定着する場合、定着装置の加圧部を例えば150℃程度に加熱し、熱と圧力によりトナーを溶融することが行われている。その際に、用紙やトナーの内部に含まれている水分が100℃以上に加熱されて水蒸気が発生し、用紙とトナーと定着部材との密着性不良や定着画像に水蒸気による点状の欠陥が発生する場合がある。そのために、本実施形態のように複数の加圧部材を隣接して設けるためには、各々のニップ部(加圧部)間のギャップでの圧力が水蒸気圧より低圧にならないようにロール間に固定部材を配置する等の対応が必要となり、設計上の規制が多い。本実施形態では、トナーの加熱温度を低く、又は、加熱なしにトナーを定着するため、水蒸気の発生による画像欠陥が抑制され、さらに、設計の自由度が向上するので好ましい。
図2では、ニップ部は、5対の加圧部材1−1、1−2、1−3、1−4、1−5と、対向部材2−1、2−2、2−3、2−4、2−5とを有し、加圧部材と対向部材との間で加圧(ニップ)することにより、トナーが転写された転写材7を定着する。
なお、本実施形態において加圧部材とは、転写材のトナーが保持された面側に存在し、対向部材はこれとは逆に、トナーが保持されていない面側に存在する。
図3に示すように、1つの加圧部材1と、これに対向する複数の対向部材2−1、2−2、2−3、2−4、2−5とを有していてもよく、図4に示すように、複数の加圧部材1−1、1−2、1−3、1−4、1−5と、これに対向する1つの対向部材2とを有していてもよい。
また、加圧部材及び/又は対向部材に沿って、加圧部材と対向部材との間に配置された無端状ベルトを有することが好ましい。無端状ベルトを有すると、定着装置と転写材との剥離部が低減し、トナーのオフセット及び像ズレが低減されるので好ましい。
図2に示す定着部材において、無端状ベルトが張架されていない場合には、剥離部は最終的な定着装置60と転写材7との剥離部以外に、加圧部材1−1と対向部材2−1より構成される第1のニップ部と、加圧部材1−2と対向部材2−2から構成される第2のニップ部との間、同様にして、第2のニップ部と第3のニップ部との間、第3のニップ部と第4のニップ部との間、第4のニップ部と第5のニップ部との間にも剥離部が存在し、最終的な剥離部を合わせて、合計5箇所の剥離部が存在する。
本実施形態において、複数存在するニップ部における印加圧力の内、より多くのニップ部において、印加圧力がP1以上であることがより好ましく、ニップ部の全てにおける印加圧力がP1以上であることがさらに好ましい。
なお、前記フローテスター溶融粘度が105Pa・sになる圧力P1は、機内温度で測定することが好ましいが、本実施形態では便宜的に25℃で測定する。
画像グロス飽和点の値、及び、画像グロス飽和点に達する圧力印加時間は以下の方法により測定される。
本実施形態において、画像グロス飽和点とは、画像グロス増加率(画像グロスのニップ時間に対する増加率)が0.2%/ms以下になる点を意味する。
具体的には、トップコートNの127gsmを評価用紙として、定着圧力をP1で一定とし、ニップ時間を変化させ、画像グロスを測定し、ニップ時間を横軸、画像グロスを縦軸としてグラフを作成し、該グラフの傾き(微分値)から、画像グロス増加率(%/ms)が算出される。なおこのとき、加圧は一段で行う。
画像グロスは、シアン、マゼンタ、イエロートナーを各々4g/m2用紙に重ねて転写したベタ画像を作成し、グロスメーター(日本電色工業(株)製、商品名「VGS−SENSOR」)により入射角60°で計測する。
I0について、さらに詳述する。I0の測定方法としては、加圧合計時間をT1で一定とし、インターバル時間を変化させる。このとき、印加圧力はP1以上であれば特に限定されないが、P1に基づき決定した、定着装置で使用する印加圧力で測定することが好ましい。
本実施形態において、ニップ部が5つある場合には、一つのニップ部での加圧時間は、(T1/5)であり、ニップ部の間隔や、搬送速度を調整することにより、加圧のインターバル時間が調整できる。インターバル時間を変化させながら、得られる画像のグロスを測定する。画像グロスは、シアン、マゼンタ、イエロートナーを各々4g/m2用紙に重ねて転写したベタ画像を作成し、グロスメーター(日本電色工業(株)製、商品名「VGS−SENSOR」)により入射角60°で計測する。
インターバル時間を長くすると、光沢度が低くなる傾向がある。インターバル時間を横軸、グロスを縦軸としてグラフを作成し、画像グロスがG1の50%となるインターバル時間I0を求める。
なお、各色についてI0を測定し、I1は最も短いI0以下とすることが好ましい。
本実施形態において、トナー(本明細書において、静電荷像現像用トナーともいう。)は、式(1)を満たす。
20℃≦T(1MPa)−T(10MPa)≦120℃ (1)
式(1)中、T(1MPa)は、フローテスター印加圧力1MPa(10kgf/cm2)においてトナー粘度が104Pa・sになるときの温度を表し、T(10MPa)は、フローテスター印加圧力10MPa(100kgf/cm2)においてトナー粘度が104Pa・sになるときの温度を表す。
なお、「20℃≦T(1MPa)−T(10MPa)≦120℃」という表記は、「20℃≦{T(1MPa)−T(10MPa)}≦120℃」と同義であり、「{T(1MPa)−T(10MPa)}の値が20℃以上、120℃以下」と同義である。
T(1MPa)−T(10MPa)が30℃以上であると、トナーの定着性に優れ、定着画像強度に優れる。また、T(1MPa)−T(10MPa)が120℃以下であると、定着不良を抑制でき、定着画像強度に優れる。
本実施形態においては、30℃≦T(1MPa)−T(10MPa)≦60℃が好ましい。上記の数値の範囲内であると定着性の観点で好ましい。
(株)島津製作所製フローテスターCFT−500Aを用い、開始温度19℃〜最大温度170℃、昇温速度3℃/min、予熱時間300sec、シリンダー圧力1MPa(10kgf/cm2)から10MPa(100kgf/cm2)まで可変とし、ダイL×D=1.0mm×1.0mmの条件で等速昇温した時の軟化状態を測定する。試料としては、トナーについてはトナーの樹脂のみを分取するのは困難であるため、トナー自体を秤量して用いる。プランジャー断面積は10cm2とする。測定方法は、等速昇温するに従い、試料は徐々に加熱され流出がはじまる。さらに昇温すると溶融状態となった試料が大きく流出し、プランジャー降下が停止し、1回の測定を終了する。各温度における流出量を19〜170℃まで3℃きざみで測定し、見かけ粘度η’(Pa・s)を得る。この際、フローテスター印加圧力1MPa(10kgf/cm2)とフローテスター印加圧力10MPa(100kgf/cm2)において、見かけ粘度η’(Pa・s)が1×104Pa・sとなる温度を求め、その差分を算出する。
本実施形態において、静電荷像現像用トナーに含まれる結着樹脂の80重量%以上が、バロプラスチックであることが好ましく、100重量%がバロプラスチックであることがより好ましい。
本実施形態に用いる静電荷像現像用トナーは、ブロック構造を有する共重合体(ブロック共重合体)を含むトナーであることが好ましい。
ブロック構造を有する共重合体は、高いガラス転移温度を有する樹脂(ブロックA)と低いガラス転移温度を有する樹脂(ブロックB)とを有する共重合体であることが好ましい。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、エチレン性不飽和化合物を重合させたブロックよりなるブロック共重合体を含む。これらブロック共重合体は種々のエチレン性不飽和化合物を重合させることにより得られる。
また、前記ブロックBのガラス転移点Tg(B)は20℃以下であることが好ましく、−100〜10℃であることがより好ましい。上記範囲内であると圧力下での良好な定着性が得られる。
ブロックA及びブロックBが、ブロック共重合体全体の60重量%以上を占めることが好ましく、80〜100重量%を占めることがより好ましく、ブロック共重合体がブロックA及びブロックBよりなるジブロック共重合体であることがさらに好ましい。ブロックA及びブロックBの含有量が上記範囲内であると、圧力下での良好な定着性が得られる。
また、ブロックAとブロックBとの比率としては、ブロックA及びブロックBの総量を100重量%として、ブロックAが占める割合は25〜75重量%であることが好ましく、40〜60重量%であることがより好ましい。上記範囲内であると、トナーとしての実用強度、定着後の画像強度が良好である。
ガラス転移点Tgの測定は、示差走査熱量計(DSC)を用いて−80℃から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行ったときのASTM D3418−82に規定された方法で測定した値をいう。
本実施形態に用いることができるラジカル重合性のエチレン性不飽和化合物としては、スチレン類、(メタ)アクリル酸エステル類(「(メタ)アクリル酸エステル」等の表記は「アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル」等と同義であり、以下同様とする。)、エチレン性不飽和ニトリル類、エチレン性不飽和カルボン酸、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類等が挙げられる。
また、Tg(B)が20℃以下であるブロックBの作製に好ましく用いることができるエチレン性不飽和化合物としては(メタ)アクリル酸エステル類が好ましく挙げられ、中でもアクリル酸エステル類がより好ましく、アルキル基が炭素数1〜8であるアクリル酸アルキルエステル類がさらに好ましく、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が特に好ましい。
この場合、リビングラジカル重合法としては、NMRP法(Nitroxide Mediated Radical Polymerization)、ATRP法(Atom Transfer Radical Polymerization)、RAFT法(Reversible Addition Fragmentation Transfer)など既存の方法を用いることができる。中でも本実施形態においては、NMRP法が好ましい。
R2は水素原子、炭素数1〜8個の直鎖又は分岐を有するアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを表す。炭素数1〜8個の直鎖又は分岐を有するアルキル基としてはメチル基、エチル基等が挙げられ、炭素数6〜20のアリール基としてはフェニル基等が挙げられ、アルカリ金属イオンとしてはLi+、Na+、K+等が挙げられ、アンモニウムイオンとしてはNH4 +、NBu4 +、HNBu3 +等が挙げられる。中でも、本実施形態においては、R2は水素原子であることが好ましい。
また、溶剤、好ましくはエタノール等のアルコール、芳香族溶剤、塩素化溶剤、エーテル又は極性非プロトン溶媒の中から選択される溶剤の存在下又は非存在下で反応させることが好ましく、溶剤の非存在下で反応させることがより好ましい。
また、反応温度は30〜90℃の範囲内が好ましく、50〜90℃の範囲内がより好ましい。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、前記ブロック共重合体以外にさらにTgが40℃以上の樹脂を含有することが好ましく、Tgが50〜80℃の樹脂を含有することがより好ましい。静電荷像現像用トナーにTgが40℃以上の樹脂を配合することにより、さらに電子写真プロセス内でのトナーの機械的安定性を向上する。
本実施形態においては、Tgが40℃以上の樹脂により、静電荷像現像用トナーのシェル層を形成する態様が好ましい。
また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等が挙げられる。
これらの多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよく、また、2種以上を併用してもよい。
また、ジオール以外のポリオールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン等が挙げられる。
これらの多価アルコール(ポリオール)は、1種単独で使用してもよく、また、2種以上を併用してもよい。
親水性基としては、極性基が挙げられ、例えば、カルボキシ基、スルホ基、ホスホニル基等の酸性極性基:アミノ基等の塩基性極性基、アミド基、ヒドロキシ基、シアノ基、ホルミル基等の中性極性基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で、特に本実施形態の静電荷像現像用トナーに好ましく用いられるのは、酸性極性基である。この酸性極性基及びエチレン性不飽和結合を有する単量体が、樹脂粒子表面にある特定の範囲で存在することにより、樹脂粒子に凝集性を付与し、樹脂粒子のトナー化され、さらにトナーに十分な帯電性が与えられる。
好ましく用いられる酸性極性基としては、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。この酸性極性基を有する単量体としては、例えば、カルボキシ基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物及びスルホ基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。上記カルボキシ基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステルも挙げられる。これらの単量体は、1種を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、親水性基を有するエチレン性不飽和化合物をモノマー単位として含有する樹脂が好ましく、親水性基を有するエチレン性不飽和化合物を共重合比で0.1〜10mol%含有することが好ましい。上記範囲内であると、水系媒体中での静電荷像現像用トナーの製造工程において、Tgが40℃以上の樹脂がトナーのシェル層を容易に形成するため好ましい。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、ブロック共重合体として、結晶性ポリエステルブロック(以下、「結晶性ポリエステル樹脂」ともいう。)及び非結晶性ポリエステルブロック(以下、「非結晶性ポリエステル樹脂」ともいう。)を有するポリエステルブロック共重合体を使用することも好ましい。
本実施形態においては、結晶性ポリエステルブロックと非結晶性ポリエステルブロックを有するポリエステルブロック共重合体を使用することにより、一定以上の加圧下において流動性が付与され、それ以下の圧力においては、極めて固体的に振舞わせることができる。したがって、加圧又は加熱加圧定着時以外の現像工程、転写工程、クリーニング工程等における信頼性の向上が図られる。
特に、本実施形態の静電荷像現像用トナーは、加圧により可塑化流動挙動が得られるため、定着時に温度変動が発生しやすい厚紙への定着に好適に使用される。これまでは、高速定着が困難であり、定着速度を落としたり、高い加熱温度を設定したりしない限り困難であった厚紙への定着も、薄紙への定着と同様の定着速度や温度設定で行われる。
結晶性ポリエステルブロックのTgが0℃以下とは、ポリエステルブロック共重合体に用いる結晶性ポリエステル樹脂ホモポリマーのガラス転移点Tgが0℃以下であることを意味する。また、非結晶性ポリエステルブロックのTgが50℃以上とは、非結晶性ポリエステル樹脂のホモポリマーのガラス転移点が50℃以上であることを意味する。
結晶性ポリエステルのTgは圧力及び/又は温度による定着性能に影響を与え、この値が0℃以下であると、定着のための圧力や熱エネルギーを低減できる。また、非結晶性ポリエステル樹脂のTgはトナーの現像機内でのつぶれや凝集などに対する現像機内安定性に影響を与え、この値が50℃以上であると、現像機内での十分な安定性が得られる。
ポリエステルブロック共重合体は、結晶性ポリエステルブロック及び非結晶性ポリエステルブロックを50〜100重量%有することが好ましく、80〜100重量%有することがより好ましく、結晶性ポリエステルブロック及び非結晶性ポリエステルブロックよりなるポリエステルブロック共重合体が好ましい。
前記ポリエステルブロック共重合体は、Tgが0℃以下である結晶性ポリエステルブロック及びTgが50℃以上である非結晶性ポリエステルブロックを有することが好ましい。Tgが0℃以下である結晶性ポリエステルブロック及びTgが50℃以上である非結晶性ポリエステルブロックの他に、他の結晶性又は非結晶性ポリエステルブロックを有することもできるが、少なくとも1種以上のTgが0℃以下である結晶性ポリエステルブロック及び少なくとも1種以上のTgが50℃以上である非結晶性ブロックのみからなるポリエステルブロック共重合体であることが好ましく、1種のTgが0℃以下である結晶性ポリエステルブロック及び1種のTgが50℃以上である非結晶性ポリエステルブロックのみからなるジブロック共重合体であることがより好ましい。中でも、1つのTgが0℃以下である結晶性ポリエステルブロック及び1つのTgが50℃以上である非結晶性ブロックのみからなるジブロック共重合体がさらに好ましい。
このうち、ジカルボン酸は1分子中にカルボキシ基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、グルタル酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−カルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等が挙げられる。
また、これらカルボン酸のカルボキシ基を酸無水物、混合酸無水物、酸塩化物、又は、エステル等に誘導したものを用いてもよい。
また、ジオール以外の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン等が挙げられる。
これらの多価アルコールは水系媒体に難溶あるいは不溶であるため、多価アルコールが水系媒体に分散したモノマー滴中でエステル合成反応が進行する。
具体的には、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシウンデカン酸、乳酸が例示できる。これらの中でも乳酸を使用することが好ましい。
本実施形態においては、これらの重縮合性単量体の組み合わせにより非結晶性ポリエステルブロックや結晶性ポリエステルブロックを容易に得られる。
また、カプロラクトンなど環状単量体を開環重合することにより得られる結晶性ポリエステルブロックも好ましく用いられる。
これらの中でも、テレフタル酸やその低級エステル、ジフェニル二酢酸、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることが好ましい。なお、低級エステルとは、炭素数1〜8の脂肪族アルコールのエステルをいう。
また非結晶性ポリエステル樹脂としてヒドロキシカルボン酸の重縮合体が用いられる。
なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、数平均分子量Mn=13.7×104となることにより確認される。
また、用いるGPCのカラムとしては、前記条件を満足するものであるならばいかなるカラムを採用してもよい。具体的には、例えばTSK−GEL、GMH(東ソー(株)製)等が用いられる。なお、溶媒及び測定温度は上記に記載した条件に限定されるものではなく、適当な条件に変更してもよい。
具体的には、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の数平均分子量に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造される。
反応温度が150℃以下であると、低エネルギーで製造することができるので好ましい。中でも、ポリエステルブロック共重合体を形成する工程が、結晶性ポリエステルブロック及び非結晶性ポリエステルブロックに、触媒として硫黄酸触媒を添加し、150℃以下にて加熱することにより得られたものであることが好ましい。
希土類含有触媒としては具体的には、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイド元素として、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などを含むものが有効である。これらは、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、トリフラート構造を有するものが有効であり、前記トリフラートとしては、構造式では、X(OSO2CF3)3が例示できる。ここでXは、希土類元素であり、これらの中でも、Xは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)などであることが好ましい。
また、ランタノイドトリフラートについては、有機合成化学協会誌、第53巻第5号、p44−54に詳しい。
上記のエステラーゼのうち、グリセロールエステルを加水分解し脂肪酸を遊離する酵素を特にリパーゼと呼ぶが、リパーゼは有機溶媒中での安定性が高く、収率良くエステル合成反応を触媒し、さらに安価に入手できることなどの利点がある。したがって、本実施形態においても、収率やコストの面からリパーゼを用いることが好ましい。
リパーゼには種々の起源のものを使用できるが、好ましいものとして、シュードモナス(Pseudomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、カンジダ(Candida)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhizopus)属、ムコール(Mucor)属等の微生物から得られるリパーゼ、植物種子から得られるリパーゼ、動物組織から得られるリパーゼ、さらに、パンクレアチン、ステアプシン等が挙げられる。このうち、シュードモナス属、カンジダ属、アスペルギルス属の微生物由来のリパーゼを用いることが好ましい。
また、アルコール性水酸基との化合物やアセチルアセトンとのキレート化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
エチレン性不飽和化合物とは、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する単量体であって、エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スチリル基、(メタ)アクリルアミド基、及び、ビニルエーテル基等が好ましく例示できる(なお、「(メタ)アクリルオキシ基」等は「アクリルオキシ基及び/又はメタクリルオキシ基」を意味しており、以下、同様とする。)。
さらにエチレン性不飽和結合を有する単量体としては、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等が挙げられる。
スチレン及びその誘導体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン及びその誘導体が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等を例示することができる。本実施形態に用いることができるエチレン性不飽和化合物は、これらに制限されることはなく、またこれらのエチレン性不飽和化合物は単独又は2種類以上併用して用いてもよい。
ここで、主成分であるとは、スチレン及びその誘導体が全エチレン性不飽和化合物のうち50重量%以上であることを意味する。スチレン及びその誘導体の含有量が50重量%以上であると、トナーとして使用する場合において、帯電特性(帯電量、帯電速度)が良好である。
また、前記エチレン性不飽和化合物の重合体の数平均分子量は5,000〜50,000が好ましく、8,000〜30,000がより好ましい。上記の数値の範囲内であると、トナーのシステム内強度、定着性、定着後の画像強度が良好であるため好ましい。
上記の数値の範囲内であると、トナーの現像機内での安定性に優れ、トナーつぶれや凝集が生じることなく、優れた画質特性を獲得することができ、ポリエステルブロック共重合体による十分な低エネルギー定着特性が得られる。
親水性基としては、極性基が挙げられ、例えば、カルボキシ基、スルホ基、ホスホニル基等の酸性極性基、アミノ基等の塩基性極性基、アミド基、ヒドロキシ基、シアノ基、ホルミル基等の中性極性基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらの中で、特にトナーに好ましく用いられるのは、酸性極性基である。この酸性極性基及びエチレン性不飽和結合を有する単量体が、樹脂粒子表面に一定量存在することにより、樹脂粒子に凝集性を付与し、樹脂粒子のトナー化が容易となり、さらにトナーに十分な帯電性が与えられる。
好ましく用いられる酸性極性基としては、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。この酸性極性基を有する単量体としては、例えば、カルボキシ基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物及びスルホ基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。上記カルボキシ基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物としては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステルを挙げられる。
これらの単量体は、1種を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本実施形態においては、前記内殻は少なくとも前記ポリエステルブロック共重合体を結着樹脂として含む粒子であることが好ましく、結着樹脂の他にも着色剤及び離型剤等を含む粒子であることがより好ましい。
また、外殻は前記内殻の表面を被覆する結着樹脂層であることが好ましく、機械的強度の観点から、前記ポリエステルブロック共重合体を含まない結着樹脂層であることがより好ましい。トナーの機械的強度を増加させるときには、前記外殻として用いる結着樹脂としては、前記エチレン性不飽和化合物の重合体、非結晶性ポリエステル樹脂等の樹脂を単独又は複数を組み合わせて用いることが好ましい。
本実施形態に用いるトナーは、コアシェル構造を有する樹脂粒子(以下、コアシェル粒子ともいう。)を凝集して得られる静電荷像現像用トナーとすることもできる。
トナー中に含まれるコアシェル構造の樹脂粒子が複数個以上であることを確認する方法は、特に制限はなく、透過型電子顕微鏡にてトナーの断面観察を行う方法や、染色などによりコントラストを明瞭にして断面を走査型電子顕微鏡で観察する方法等が挙げられる。また、製造時のトナー粒径とコアシェル粒子の比、コアシェル粒子の使用量、製法等からトナー中に含まれるコアシェル粒子が2個以上であることが明らかである場合もある。
本実施形態において、静電荷像現像用トナーの製造方法は、前記バロプラスチックを含む樹脂粒子及び離型剤粒子を含む分散液中で前記樹脂粒子及び前記離型剤粒子を凝集して凝集粒子を得る工程(以下、「凝集工程」ともいう。)、並びに、前記凝集粒子を加熱して融合合一する工程(以下、「融合合一工程」ともいう。)を含むことが好ましい。
樹脂粒子分散液は、界面活性剤や、高分子分散剤、無機分散剤などの添加物を含んでいてもよい。上記の乳化分散の際に必要に応じて界面活性剤や高分子分散剤、無機分散剤などを水系媒体中に添加することも可能である。
また、水系媒体は、水混和性の有機溶媒を含んでいてもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アセトンや酢酸等が挙げられる。
前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用することが好ましい。
さらに、通常、水系媒体中での単量体エマルジョン粒子のOstwald Ripening現象を防ぐためにしばしば、ヘプタノールやオクタノールに代表される高級アルコール類、ヘキサデカンに代表される高級脂肪族炭化水素類を安定助剤として配合することもある。
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等が挙げられる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等が挙げられる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が挙げられる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどが挙げられる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等が挙げられる。
また、これらの着色剤は極性を有する界面活性剤を用いて、ホモジナイザーによって水系に分散され、また、その他の粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段回で添加してもよい。
黒色着色剤として磁性体を用いる場合は、他の着色剤とは異なり、12〜240重量%添加される。
前記の着色剤の配合量は、定着時の発色性を確保するために好ましい量である。
また、トナー中の着色剤粒子の中心径(メジアン径)を100〜330nmにすることにより、OHP透明性及び発色性が確保される。
なお、着色剤粒子の中心径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−920)で測定される。
これらのワックス類は、室温付近では、トルエンなど溶剤にはほとんど溶解しないか、溶解しても極めて微量である。
これらのワックス類を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断付与能力を有するホモジナイザーや圧力吐出型分散機(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で粒子状に分散させ、1μm以下の粒子の分散液が作製される。
これらの離型剤は、トナー構成固体分総重量に対して5〜25重量%の範囲で添加することが、オイルレス定着システムにおける定着画像の剥離性を確保する上で好ましい。
なお、得られた離型剤粒子分散液の粒径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−920)で測定される。また、離型剤を使用するときには、樹脂粒子、着色剤粒子及び離型剤粒子を凝集した後に、さらに樹脂粒子分散液を追加して凝集粒子表面に樹脂粒子を付着することが帯電性、耐久性を確保する観点から好ましい。
帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができるが、凝集や合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
本実施形態に用いることができる無機粒子としては、好ましくは一次粒径が5nm〜2μmであり、より好ましくは5nm〜500nmである粒子である。またBET法による比表面積は20〜500m2/gであることが好ましい。トナーに混合される割合は0.01〜5重量%であり、好ましくは0.01〜2.0重量%である。
また、本実施形態に用いるトナーの体積平均粒度分布指標GSDvは1.30以下であることが好ましい。GSDvが1.30以下であると解像性が良好で、トナー飛散やカブリ等の画像欠陥が起こりにくいため好ましい。
本実施形態に用いるトナーの累積体積平均粒径D50や平均粒度分布指標GSDvは、例えば、コールターカウンターTA−II(ベックマン・コールター(株)製)、マルチサイザーII(ベックマン・コールター(株)製)等の測定機器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16P、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50P、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84Pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84P/D16P)1/2として算出される。
SF1={(ML)2/A}×(π/4)×100
式中、MLはトナー粒子の最大長を示し、Aは粒子の投影面積を表す。
ブロック化ビニル樹脂の合成例を説明する。
還流冷却管、窒素導入管、撹拌機を取り付けたガラス容器にスチレンモノマー(St)150部と2−エチルヘキシルアクリレート7部、MBPAP(MBPAP:2−メチル−2−[N−(tert−ブチル)−N−(1−ジエトキシホスホリル−2,2−ジメチルプロピル)−アミノキシ]−プロピオン酸)14.8部を添加し、窒素気流下80℃にてよく混合し、温度を110℃に上昇させスチレンと2−エチルヘキシルアクリレートの重合を行った。分子量をGPCにて随時測定し、スチレンの数平均分子量が10,000になった時点で、重量減量法にて残留スチレン量を測定し重合率(転化率)を求めたところ99.5%であった。その後、ステアリルアクリレート(StA)210部と2−エチルヘキシルアクリレート20部を添加し130℃にて重合を継続し、ステアリルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートでの鎖延長を行った。
ステアリルアクリレートブロックユニットの数平均分子量数が40,000、初めに重合したスチレン鎖との合計が数平均分子量で60,000になったところで室温まで冷却した。重合物をTHF(THF:テトラヒドロフラン)225部に溶解して取り出し、メタノールに滴下してブロックポリマーを再沈殿させた後、沈殿物を濾過、さらにメタノールで洗浄を繰り返した後、真空凍結乾燥を行い、スチレンとステアリルアクリレートのブロック共重合樹脂(1)を得た。
ブロック共重合樹脂(1)のガラス転移温度は28℃であった。また、フローテスター粘度測定におけるT(1MPa)−T(10MPa)は、32℃であった。
上記ブロック共重合樹脂(1)400部に、ソルビタンセスキオレートを8.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部を溶解したメチルエチルケトン(MEK)120部を添加し、還流冷却管、撹拌機、イオン交換水滴下装置、加熱装置の付いた反応器に投入後、65℃にてよく混合した。その後、65℃にて1時間加熱混合を行った後、1,000部のイオン交換水を1部/minの速度で滴下し、ブロック共重合樹脂(1)の転相乳化を行った。さらに転相乳化物を冷却し、エバポレーターを用い、60℃減圧下において、乳化液からMEKを除去し、樹脂粒子分散液(1)を得た。
得られた樹脂粒子分散液(1)中の樹脂粒子の体積平均粒子径は210nm、固形分濃度40%であった。
シアン顔料 50重量部
(大日精化工業(株)製、銅フタロシアニン C.I.Pigment Blue15:3)
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR) 5重量部
イオン交換水 200重量部
前記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)により5分間分散した後、超音波バスにより10分間分散し、中心径190nm、固形分量21.5%のシアン着色剤粒子分散液を得た。
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR) 2重量部
イオン交換水 800重量部
カルナバワックス 215重量部
上記成分を混合し、100℃に加熱し融解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で15分間乳化した後、さらにゴーリンホモジナイザーを用いて100℃にて乳化を行った。これにより粒子の中心径が170nm、融点が83℃、固形分量が21.5%の離型剤粒子分散液を得た。
次に、トナーの調製についてについて説明する。配合は以下の通りである。
樹脂粒子分散液(1) 272部(樹脂54.4部)
着色剤粒子分散液(C1) 40部(顔料8.6部)
離型剤粒子分散液(W1) 80部(離型剤17.2部)
ポリ塩化アルミニウム 0.15部
イオン交換水 300部
上記配合に従って、成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら42℃まで加熱し、42℃で60分間保持した後、樹脂粒子分散液(1)を105部(樹脂21部)追加して緩やかに撹拌した。その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0に調整した後、撹拌を継続しながら95℃まで加熱した。95℃までの昇温の間、通常の場合、系内のpHは、5.0以下まで低下するが、ここでは水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが5.5以下とならない様に保持した。反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、40℃のイオン交換水中に再分散し、15分、300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、真空乾燥を12時間行いシアントナー粒子(1)を得た。このトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が5.8μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.25であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は133のポテト形状であった。
上記トナー粒子50部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.5部を添加し、サンプルミルで混合してシアン色の静電荷像現像用トナー(1)を得た。
そして、ポリメチルメタクリレート(綜研化学(株)製、Mw75,000)を1%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5%になるように前記の外添トナーを秤量し、両者をボールミルで5分間撹拌・混合して静電荷像現像剤(1)を調製した。
静電荷像現像用トナー(1)は、(株)島津製作所製フローテスターCFT−500A型で10MPa、1Mpaの圧力下での104Pa・sになるときの温度がそれぞれ、24℃、102℃であり、78℃の温度差が観測された。
マゼンタ、イエロー及びブラックの静電荷像現像用トナー(1)は、シアン顔料の代わりにマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド57:2)、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー97)又はブラック顔料(カーボンブラック R330)を用いた以外は、シアンの静電荷像現像用トナー(1)と同様にして調製した。マゼンタ、イエロー及びブラックの静電荷像現像用トナー(1)について、(株)島津製作所製フローテスターCFT−500A型を用いて10MPa、1MPaの圧力下での104Pa・sになるときの温度を測定した結果、シアンの静電荷像現像用トナー(1)と同じ結果が得られた。
この装置のニップ構成を決めるにあたり実施した実験結果を以下に示す。図5に25℃でのフローテスター印加圧力におけるトナー粘度を示す。これより、本トナーは圧力3MPa以上で急激に粘度が低下し5MPa以上で約104Pa・sとなりほぼ飽和している。印加圧力としては、図5でトナー粘度が105Pa・s以下になるような圧力にすると、トナーが流動しやすくなり高い画像グロスが得やすくなるので好ましい。そこで、5MPaで加圧するロール対の構成とした。
ここで「飽和」という言葉の定義について説明する。本実施例において、画像グロス増加率(画像グロスのニップ時間に対する増加率)を図6より算出し、画像グロス増加率が0.2%/ms以下になった点を飽和したとする。
図6では、100msで傾きが0.2%/ms以下になっており、飽和点は100msとした。これより、定着装置としては圧力5MPa(50kgf/cm2)以上、ニップ時間が100ms以上であれば高光沢の性能を出せる。しかしながら、1つのロール対でこの条件を満たすには、大径ロール、大荷重、また大荷重を支えるための筐体が必要となり、装置としては非常に大型になってしまう。
図8にトナーの粘度が加圧・解放によって変化する様子を概念図で示す。加圧でトナー粘度が大きく低下するが、圧力を解放してもすぐには元の粘性には戻らない特性であるため、粘性が元に戻る前に次の加圧をすることでより短いニップ時間でも粘性が低くなる。これを繰り返すことにより、トナーを十分流動させるための粘性に達し、複数の加圧部をニップ間隔1s程度で離して配置しても高光沢が得られることが分かる。
また、通常の熱可塑性のトナーを定着する場合には、定着装置の加圧部を例えば150℃程度に加熱して熱と圧力によりトナーを溶融する必要がある。その際に、用紙やトナーの内部に含まれている水分が100℃以上に加熱されて水蒸気が発生し、用紙とトナーと定着部材との密着性不良や定着画像の水蒸気による点状の画像欠陥が発生することがある。そのために、本発明のように複数の加圧部を隣接して設けるためには、各々の加圧部間のギャップでの圧力が水蒸気圧より低圧にならないようにロール間に固定部材を配置する等の対応が必要となり設計上の規制が多い。本発明では、熱を用いず圧力のみでトナーを安定して溶融させるために、水蒸気発生による画像欠陥がないばかりでなく設計の自由度が増す利点も有している。
これらの結果から、ニップ間隔が1sの条件では複数加圧の回数が多いほど画像グロスは増加し、間隔が60sの条件では画像グロスが約5回加圧で飽和し値も小さくなっており、ニップ間隔1sの条件では圧力解放後にトナーが流動できる粘度が残っていることが分かる。また、熱可塑性のトナーは非加熱では画像グロスの変化が小さく高光沢が得難く、本発明構成が優位であることが示されている。
比較例では、実施例で使用した樹脂粒子分散液(1)の代わりに、以下の樹脂粒子分散液(C1)を用いた以外はすべて実施例と同様にトナーを作製し評価した。
<比較用トナー粒子(1)の調製、樹脂粒子分散液(C1)の作製(スチレン−ブチルメタクリレート系、2−ヒドロキシエチルメタクリレート)>
丸型ガラスフラスコ中に、300部のイオン交換水と1.5部のTTAB(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、(株)シグマ社製)を入れ、20分間、窒素バブリングを実施し、撹拌しながら65℃まで昇温した。n−ブチルメタクリレートモノマー40部を加え、さらに20分間撹拌を行った。開始剤V−50(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、和光純薬工業(株)製)0.5部を予め、10部のイオン交換水に溶解後、フラスコ中に投入した。65℃で、3時間保持し、スチレンモノマー50部と、n−ブチルアクリレートモノマー25部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部及び0.8部のドデカンチオールを0.5部のTTABを溶解したイオン交換水100部に乳化した乳化液を2時間かけて定量ポンプを用いてフラスコ中に連続的に投入した。温度を70℃に昇温、さらに2時間保持して、重合を完了した。
重量平均分子量Mwは19,000、平均粒径は280nm、固形分量が25重量%の樹脂粒子分散液(C1)を得た。樹脂を40℃で風乾後、−150℃から(株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC)でガラス転移温度を分析すると、25℃付近にポリブチルメタクリレートによるガラス転移が観測され、また42℃付近にスチレン−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体からなると考えられる共重合体によるガラス転移が観測された(ガラス転移温度差:17℃)。
実施例1と同様に静電荷像現像用トナー(C1)を作製し、トナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が5.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.19であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は129のポテト形状であった。
実施例1と同様に(株)島津製作所製フローテスターCFT−500A型で10MPa、1MPaの圧力下での104Pa・sになるときの温度がそれぞれ、120℃、110℃であり、10℃の温度差が観測された。
図3に第二の実施例説明図を示す。本実施例は、実施例1に対してトナー側の加圧部材1を単一のロールで構成した以外は実施例1と略同一である。
図4に第三の実施例説明図を示す。本実施例は、実施例1に対してトナーの載り面と反対面の対向部材2を単一のロールで構成した以外は実施例1と略同一である。
2、2−1、2−2、2−3、2−4、2−5 対向部材
3、4 ベルト張架ロール
5、6 ベルト(無端状ベルト)
7 転写材
10 一次転写部
11 感光体ドラム
12 帯電器
13 レーザ露光器
14 現像器
15 中間転写ベルト
16 一次転写ロール
17 ドラムクリーナ
20 二次転写部
22 二次転写ロール
25 バックアップロール
30Y、30M、30C、30K 画像形成ユニット
31 駆動ロール
40 制御部
60 定着装置
Claims (11)
- 複数のニップ部と、
トナーが転写された転写材をニップ部に搬送する搬送手段と、を有し、
前記ニップ部における印加圧力の少なくとも1つが、前記トナーのフローテスター溶融粘度が10 5 Pa・sになる圧力P1以上であり、
前記トナーのフローテスター溶融粘度が10 5 Pa・sになる圧力P1以上で加圧している時間の合計T1は、前記圧力P1においてニップ時間を長くした場合に画像グロス飽和点の値G1の80%に達する時間T0以上であり、
前記ニップ部において前記圧力P1以上で加圧するインターバル時間I1は、加圧合計時間をT1にして加圧間隔を長くしたときに画像グロスが画像グロス飽和点の値G1の50%になる時間以下であり、
前記トナーが下記式(1)を満たすことを特徴とする
定着装置。
20℃≦T(1MPa)−T(10MPa)≦120℃ (1)
(式(1)中、T(10MPa)は、フローテスター印加圧力10MPaにおいて粘度が104Pa・sになるときの温度を表し、T(1MPa)は、フローテスター印加圧力1MPaにおいて粘度が104Pa・sになるときの温度を表す。) - 前記トナーがエチレン性不飽和化合物を重合させたブロックよりなるブロック共重合体を含有する、請求項1に記載の定着装置。
- 前記ブロック共重合体が、ブロックA及びブロックBよりなるジブロック共重合体であり、ブロックAのガラス転移点Tg(A)が60℃以上であり、ブロックBのガラス転移点Tg(B)が20℃以下である、請求項2に記載の定着装置。
- 前記Tg(A)と、前記Tg(B)との差が60℃以上である、請求項3に記載の定着装置。
- 前記定着装置と前記転写材との剥離部が1箇所である、請求項1〜4いずれか1つに記載の定着装置。
- 前記ニップ部が加圧部材及び対向部材を有し、前記加圧部材及び/又は前記対向部材に沿って、加圧部材と対向部材との間に配置された無端状ベルトを有する、請求項1〜5いずれか1つの定着装置。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記像保持体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像を現像剤によりトナー像に現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、
前記被転写体に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、
前記定着手段として、請求項1〜6いずれか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 像保持体表面を帯電させる帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成工程と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、
前記被転写体に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を有し、
前記定着工程における印加圧力の少なくとも1つが、前記トナーのフローテスター溶融粘度が10 5 Pa・s以下になる圧力以上であり、
前記定着工程において、前記トナーのフローテスター溶融粘度が10 5 Pa・s以下になる圧力P1以上で加圧している時間の合計T1は、前記圧力P1においてニップ時間を長くした場合に画像グロス飽和点の値G1の80%に達する時間T0以上であり、
前記定着工程において、前記圧力P1以上で加圧するインターバル時間I1は、加圧合計時間をT1にして加圧間隔を長くしたときに画像グロスが画像グロス飽和点の値G1の50%になる時間以下であり、
前記トナーが下記式(1)を満たし、
前記定着工程において、複数回加圧することを特徴とする
画像形成方法。
20℃≦T(1MPa)−T(10MPa)≦120℃ (1)
(式(1)中、T(10MPa)は、フローテスター印加圧力10MPaにおいて粘度が104Pa・sになるときの温度を表し、T(1MPa)は、フローテスター印加圧力1MPaにおいて粘度が104Pa・sになるときの温度を表す。) - 前記トナーがエチレン性不飽和化合物を重合させたブロックよりなるブロック共重合体を含有する、請求項8に記載の画像形成方法。
- 前記ブロック共重合体が、ブロックA及びブロックBよりなるジブロック共重合体であり、ブロックAのガラス転移点Tg(A)が60℃以上であり、ブロックBのガラス転移点Tg(B)が20℃以下である、請求項9に記載の画像形成方法。
- 前記Tg(A)と、前記Tg(B)との差が60℃以上である、請求項10に記載の画像形成方法。
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