JP4561622B2 - 静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法、静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法 - Google Patents
静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法、静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法 Download PDFInfo
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Description
これらの製法はワックスの内包を実現するばかりでなく、トナーの小径化を容易とし、より高解像かつ鮮明な画像再現を可能とするものである。
さらに、重縮合型樹脂の重合には、200℃を越す高温下で大動力による撹拌、かつ高減圧下で10時間以上の時間に及ぶ反応が必要であり、大量のエネルギー消費を招く。またそのために反応設備の耐久性を得るために膨大な設備投資を必要とする場合が多い。
しかしながら、重縮合樹脂の乳化の際には150℃を超えるような高熱下での高せん断によって乳化するか、溶剤に溶解して低粘度化した溶液を水系媒体中に分散した後に溶剤を除くなどの極めて非効率かつエネルギー消費の大きな工程を必要とする。
また、水系媒体中への乳化の際に加水分解などの問題を回避することが困難であり、材料設計において不確定な要因の発生が不可避であった。
これらの問題は、結晶性樹脂において顕著ではあるが、これに限らず非結晶性樹脂でも同様である。
特許文献6には、モノマーと共重合性の不飽和ポリエステル樹脂の存在下で、オレフィン性不飽和モノマーを重合することにより調製された、カルボキシレート基と水酸基を含有する重合体変性ポリエステルを含有する水性バインダー組成物が記載されている。
これらはポリエステル単量体中の不飽和部とビニル樹脂の不飽和部とがグラフトした構造体を取り、ポリエステルの水分散性の向上を目的にポリエステル鎖中に不飽和基導入後ビニルモノマーとグラフトさせる(架橋構造)を取る発明であるが、こうしたグラフト化は、重合の制御が困難で例えば重合中にはゲル化が起こる場合がある。しかしながら不飽和基を有すポリエステルは扱いが困難であり例えば重合する場合安定性が低下し、また水分散液を作製しようとすると、ゲル化が起こる場合があった。さらにまた、グラフト化により、ポリエステルとアクリル樹脂がミクロ的には近接、あるいは相溶してしまうことになる。このためトナーの機械的強度が低下してしまい感光体へのトナーのフィルミングや、画質上は黒点や、筋などの画像欠陥を招く場合があった。
また、本発明の他の目的は、これを利用して、高温高湿下での帯電性及び長期画質維持性に優れ、高画質と低温定着を両立できる静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、これらを使用する画像形成方法を提供することである。
<1> ポリエステルを少なくとも含む樹脂粒子が分散媒に分散している樹脂粒子分散液であって、前記ポリエステルが、(a)付加重合性不飽和基を有しない多価酸単量体及び/又はその誘導体を全単量体中10〜80mol%、(b)付加重合性不飽和基を有しない多価アルコール単量体を全単量体中10〜80mol%、並びに、(c)カルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体及び/又はその誘導体を全単量体中0.5〜20mol%、の組成よりなる重縮合性単量体を重縮合し、末端に付加重合性不飽和基を有するポリエステルを得た後、前記ポリエステルの付加重合性不飽和基を付加重合して得られ、かつ、酸価が5〜70mg・KOH/gである末端付加重合ポリエステルを含むことを特徴とする静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液、
<2> 前記(a)〜(c)の組成よりなる重縮合性単量体を重縮合触媒を用いて重縮合し末端に付加重合性不飽和基を有するポリエステルを得る工程、前記ポリエステルを水系媒体中に分散する工程、及び、前記ポリエステル中の付加重合性不飽和基を付加重合する工程を含む上記<1>に記載の静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液の製造方法、
<3> 少なくとも樹脂粒子分散液を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、該凝集粒子を加熱して融合させる工程を含む静電荷像現像トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が、上記<1>に記載の静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液、又は、上記<2>に記載の製造方法により製造された静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液である静電荷像現像トナーの製造方法、
<4> 上記<3>に記載の製造方法により製造された静電荷像現像トナー、
<5> 上記<4>に記載の静電荷像現像トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤、
<6> 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、前記トナーとして上記<4>に記載の静電荷像現像トナー、又は、前記現像剤として上記<5>に記載の静電荷像現像剤を用いる画像形成方法。
また、本発明によれば、これを利用して、高温高湿下での帯電性及び長期画質維持性に優れ、高画質と低温定着を両立できる静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、これらを使用する画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
また、ポリエステルの乳化・粒子化の際に有機溶剤を用いる場合、回収設備に多大な投資が必要のみならず、環境安全上も好ましくない。さらにまた、用いた溶剤をトナーから完全に取り除くのは困難でありトナー保管安定性等、品質上の課題もある。
さらにまた、ポリエステルに水分散性を付与するために、不飽和結合を有するポリエステルとビニル系単量体をグラフトさせたポリエステルが提案されているが、グラフト制御の不十分さが招くゲル化が起きたりポリエステルの粘度上昇を引き起こし、トナー用として好適な樹脂粒子分散液までの微粒化が困難であった。さらにまたポリエステルとビニル系樹脂のグラフト化は相溶化を起こし、可塑化による影響のために、トナーとしてのガラス転移温度は容易に低下し、これが電子写真プロセスとしての機内温度と同等以下となりやすいために、画像欠陥を招くこととなる。
また、水分散後のラテックスに重合開始剤を添加し、付加重合性不飽和単量体を付加重合化することで、付加重合性不飽和基が持つ不安定性を回避することが可能となる。これによりトナー用に好適な粒径の樹脂粒子分散液をゲル化などの製法上の課題を引き起こすことなく作製可能となる。
さらにまた、付加重合性不飽和単量体を付加重合化することでラテックス表面に効果的に付加重合型樹脂を配置させることが可能となりトナーの帯電性を良好に保持できるものである。
本発明の樹脂粒子分散液は、ポリエステルを少なくとも含む樹脂粒子が分散媒に分散している樹脂粒子分散液であって、(a)〜(c)成分の組成よりなる重縮合性単量体を重縮合し、末端に付加重合性不飽和基を有するポリエステルを得た後、前記ポリエステルの付加重合性不飽和基を付加重合して得られ、かつ、酸価が5〜70mg・KOH/gである末端付加重合ポリエステルを含むことを特徴とする。
本発明の樹脂粒子分散液は、静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液(以下、単に「樹脂粒子分散液」ともいう。)として好適に用いることができる。
本発明の樹脂粒子分散液は、樹脂粒子が水系媒体中にメジアン径0.05μm以上2.0μm以下で乳化分散している樹脂粒子分散液であることが好ましく、また、樹脂粒子分散液が付加重合性不飽和基を有しないポリエステル生成重縮合性単量体とカルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体及び/又はその誘導体とを重縮合触媒存在下で重縮合した後、ポリエステル末端における付加重合性不飽和基を付加重合したポリエステル(以下、「重縮合樹脂」ともいう。)を得た後、ポリエステルを水系媒体中に分散、粒子化することにより得ることが好ましい。なお、(c)成分におけるカルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体の誘導体とは、カルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体のオリゴマー、又は、カルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体のプレポリマーを表す。オリゴマー及びプレポリマーについては、後述にて説明する。
本発明の樹脂粒子分散液は、後述する製造方法により製造することが好ましい。
この際重要なのは、多価酸単量体、その無水物及び/又はその低級アルキルエステル単量体と多価アルコール単量体との比率であり、好ましい比率は、多価酸単量体:多価アルコール単量体のモル比で、例えば多価酸単量体を多価アルコール単量体で割った値として、0.5〜2.0が好ましく、0.7〜1.5がさらに好ましく、重縮合上、0.8〜1.2が最も好ましい。
なお、「全単量体」とは、末端付加重合ポリエステルを構成する全ての単量体のことを表し、前記(a)〜(c)成分の全てを含むものである。
また、(a)成分における多価酸単量体の誘導体とは、多価酸の無水物又は多価酸の低級アルキルエステルを表す。また、本発明において、前記低級アルキルエステルとは、エステルのアルコキシ部分の炭素数が1〜8であるアルキルエステルを表す。
なお、(a)成分におけるカルボキシル基とは、カルボキシル基、酸無水物基、低級アルキルエステル基を含み、さらに酸無水物基は2つのカルボキシル基として、また、低級アルキルエステル基は1つのカルボキシル基として換算する。
重縮合性単量体としては、(c)カルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体及び/又はその誘導体を、全単量体中0.5〜20mol%含有する。
前記(b)成分と反応するカルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体及び/又はその誘導体((c)成分)は、全単量体中0.5〜20mol%で使用することができ、さらに1.0〜10mol%で使用することが好ましい。(c)成分の使用量が0.5mol%を下回るとポリエステルが充分に親水性化されず、樹脂粒子分散液として好適な粒径まで粒子を小さくすることができなくなる。(c)成分の使用量が20mol%を超えるとポリエステルの親水性が強くなりすぎトナーにした際、高温・高湿下での帯電性が低下してしまう。
カルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体中のカルボキシル基の個数は1つ以上であればよいが、(c)成分をポリエステルの内部ではなく末端へ容易に重縮合できる点、及び、(a)〜(c)成分を一緒に混合して重縮合しても末端に付加重合性不飽和基を有するポリエステルが容易に得られる点から1つであることが好ましい。
本発明に用いることができる(c)成分としては、カルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体、そのオリゴマー、及び、そのプレポリマーのうち、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、付加重合性不飽和単量体として1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において、カルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体のオリゴマーとは、2以上の上記単量体の重合体であって、分子量が2,500以下のものであり、好ましくは分子量が500〜2,500であり、付加重合性不飽和単量体のプレポリマーとは、2以上の上記単量体の重合体であって、分子量が2,500〜10,000のものである。また、ポリマーとは、分子量が10,000以上の重合物及び重縮合物を指すものである。また、本発明においては前記オリゴマー及びプレポリマーは単量体として扱うものとする。
付加重合性不飽和基としては、付加重合可能な不飽和基であればよく、エチレン性不飽和基が好ましく挙げられるが、付加重合が困難である不飽和基、例えば、芳香環構造内の不飽和基などは含まれない。
ここで本発明に用いることのできるカルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体としては、ラジカル重合性単量体、カチオン重合性単量体、又は、アニオン重合性単量体であってもよく、それらの中でも、ラジカル重合性不飽和単量体であることが好ましい。
次にポリエステル生成重縮合性単量体に関し説明する。
本発明に用いることのできるポリエステル生成重縮合性単量体としては、例えば、多価カルボン酸、ポリオール、ヒドロキシカルボン酸、又は、それらの混合物が挙げられるが、付加重合性不飽和基を有しないことが重要である。特に、重縮合性単量体としては、多価カルボン酸とポリオールと更にはこれらのエステル化合物(オリゴマー及び/又はプレポリマー)であることが好ましく、直接エステル反応、又はエステル交換反応を経て、ポリエステルを得るものがよい。この場合、重合されるポリエステルとしてはアモルファス(無定形)ポリエステル(非結晶性ポリエステル)、結晶性ポリエステルなどのいずれかの形態、又はそれらの混合形態をとることができる。
また、(a)成分における多価酸単量体は、多価カルボン酸であることが好ましい。
また、これらの重縮合性単量体の組み合わせにより非結晶性樹脂や結晶性樹脂を容易に得ることができる。
また、非結晶性樹脂のガラス転移点は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値をいう。
なお、重縮合樹脂粒子のメジアン径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、前記(a)〜(c)の組成よりなる重縮合性単量体を重縮合触媒を用いて重縮合し末端に付加重合性不飽和基を有するポリエステルを得る工程(以下、「重縮合工程」ともいう。)、前記ポリエステルを水系媒体中に分散する工程(以下、「分散工程」ともいう。)、及び、前記ポリエステル中の付加重合性不飽和基を付加重合する工程(以下、「付加重合工程」ともいう。)を含むことが好ましい。
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法における工程としては、重縮合性単量体とこれと反応するカルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体及び/又はその誘導体を基に重縮合触媒を用いてポリエステルを得る工程が第一にある。このときカルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体及び/又はその誘導体は重縮合性単量体と共に初めから用いても良く、また重縮合の途中で添加しても良いが、ポリエステルの分子量を所望の範囲まで到達させるには重縮合途中に加えるのが好ましい。
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法における工程としては、次に、末端に付加重合性不飽和基を有するポリエステルを水系媒体中に分散する工程を含むことが好ましく、この際ポリエステル末端のカルボン酸基、あるいはカルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体及び/又はその誘導体のカルボン酸基をアルカリで中和するのがより好ましい。中和に用いるアルカリの量は酸価を基に調整され、酸価の50%〜200%の範囲が好ましい。これにより親水化されたポリエステルは通常の乳化、及び/又は、分散機の剪断で粒子化される。
本発明の樹脂粒子分散液の製造方法は、さらに次の工程として、ポリエステルの付加重合性不飽和基を付加重合する工程を含むことが好ましい。
本発明の重縮合工程における重縮合反応は、バルク重合、乳化重合、懸濁重合等の水中重合、溶液重合、界面重合等一般の重縮合法で実施することが可能であるが、好適には水中重合が用いられる。また、大気圧下で反応が可能であるが、ポリエステル分子量の高分子量化等を目的とした場合、減圧、窒素気流下等の一般的な条件を広く用いることができる。
本発明における重縮合反応では、反応速度を上げることができるため、重縮合触媒を用いること好ましい。
上述したポリエステルの重縮合においては、重縮合触媒を用いて重縮合反応を行う。また、必要により既知の重縮合触媒を予め重縮合性単量体中に配合させることもできる。また、重縮合性単量体を150℃以下又は100℃以下の低温で重縮合するためには、通常、重縮合触媒が用いられ、低温で触媒活性を有する重縮合触媒としては、酸系触媒、希土類含有触媒、又は加水分解酵素なども用いることができる。
さらにまた、界面活性効果を有する酸を用いても良い。界面活性効果を有する酸とは、疎水基と親水基とからなる化学構造を有し、少なくとも親水基の一部がプロトンからなる酸の構造を有するものである。
界面活性効果を有する酸としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、しょうのうスルホン酸などのアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルジスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アルキルナフタリンスルホン酸、アルキルテトラリンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸、高級アルコールエーテルスルホン酸、アルキルジフェニルスルホン酸、モノブチルフェニルフェノール硫酸、ジブチルフェニルフェノール硫酸ドデシル硫酸などの高級脂肪酸硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールエーテル硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキロール硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキル化硫酸エステル、ナフテニルアルコール硫酸、硫酸化脂肪、スルホ琥珀酸エステル、各種脂肪酸、スルホン化高級脂肪酸、高級アルキルリン酸エステル、樹脂酸、樹脂酸アルコール硫酸、ナフテン酸、パラトルエンスルホン酸、及び、これらすべての塩化合物などが挙げられ、必要に応じて複数を組み合わせてもよい。
希土類含有触媒としては、スカンジウムトリフラート、イットリウムトリフラート、及び、ランタノイドトリフラートなどのトリフラート構造を有するものが好ましい。ランタノイドトリフラートについては、有機合成化学協会誌、第53巻第5号、p44−54)に詳述されている。前記トリフラートとしては、構造式では、X(OSO2CF3)3が例示できる。ここでXは、希土類元素であり、これらの中でも、Xは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)などであることがさらに好ましい。
本発明における前記分散工程では、分散効率の上昇や樹脂粒子分散液の安定性向上のため、界面活性剤等を添加し、分散を行うことが好ましい。
前記ポリエステルを水系媒体中に分散、粒子化する方法としては、例えば、機械的な既存の樹脂粉砕法、また、上述したようにポリエステルの製造を行う際に、水系媒体中で懸抱重合法、溶解懸濁法、ミニエマルジョン法、マイクロエマルジョン法、多段膨潤法やシード重合を含む乳化重合法などの方法が挙げられる。
本発明に用いることのできる水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水や、エタノール、メタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらの中でも、エタノールや水であることが好ましく、蒸留水及びイオン交換水等の水が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、水系媒体には、水混和性の有機溶媒を含んでいてもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アセトンや酢酸等が挙げられる。
これら水系媒体中での重合に際し重合前の単量体成分に加え着色剤、ワックス等を予め混合しておく事も可能である。こうすることにより着色剤やワックスを取り込んだ形で重合性複合粒子を得ることができる。
自己乳化法、転相乳化法に関しては、「超微粒子ポリマーの応用技術(シーエムシー出版)」に記載されている。自己乳化に用いる極性基としては、カルボキシル基、スルホン基等を用いることができるが、本発明に用いることができるポリエステルに適用する場合、カルボキシル基が好ましく用いられる。
例えば、ポリエステル含有物を乳化後、有機溶剤の一部を除去することにより粒子として固形化するのが好ましい。固形化の具体的方法としては、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した後、溶液を撹拌しながら空気、あるいは窒素等の不活性ガスを送り込みながら、気液界面での有機溶剤の乾燥を行う方法(廃風乾燥法)、又は、減圧下に保持し必要に応じて不活性ガスをバブリングしながら乾燥を行う方法(減圧トッピング法)、更には、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した乳化分散液若しくは重縮合樹脂含有物の乳化液を細孔からシャワー状に放出し例えば皿状の受けに落としこれを繰り返しながら乾燥させる方法(シャワー式脱溶剤法)などがある。使用する有機溶剤の蒸発速度、水への溶解度などからこれら方式を適時選択、あるいは組み合わせて脱溶剤を行うのが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3’−ジスルホンジフェニル尿素−4,4’−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2’,5,5’−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4’−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
また高分子分散剤としては、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、無機分散剤としては、炭酸カルシウムなどを例示することが出来るが、これらは何ら本発明を制限するものではない。
さらに通常水系媒体中でのエマルジョン粒子のOstwald Ripning現象を防ぐために、ヘプタノールやオクタノールに代表される高級アルコール類、及び/又は、ヘキサデカンに代表される高級脂肪族炭化水素類を安定助剤として配合することも可能である。
本発明においては、前記単量体を含有する油相の平均粒子径を特定の範囲に保ために、共界面活性剤を併用することができ、その共界面活性剤としては、水不溶性若しくは難溶性で且つ単量体可溶性であり、詳細を後述する、従来公知の“ミニエマルジョン重合”において用いられている共界面活性剤を用いることができる。好適な共界面活性剤の例としては、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の炭素数8〜30のアルカン類、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数8〜30のアルキルアルコール類、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数8〜30のアルキル(メタ)アクリレート類、ドデカンチオール、ラウリルメルカプタン、セチルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等の炭素数8〜30のアルカンチオール類、及び、その他ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のポリマー又はポリアダクト類、カルボン酸類、ケトン類、アミン類等が挙げられる。
本発明の付加重合工程において、カルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体で末端変性したポリエステルを付加重合する方法については特に制限はないが、水系媒体中に分散、付加重合する重合方法であることが好ましく、水系媒体中での重合方法としては、懸濁重合法、溶解懸濁法、ミニエマルジョン法、マイクロエマルジョン法、多段膨潤法やシード重合を含む乳化重合法などの通常の水系媒体中での重合形態を利用することが可能である。またこの場合、上記に示した様に重縮合反応、特に最終分子量や重合速度が粒子の最終径に依存することから、最も好ましい粒子形態としての1μm以下を達成し、しかも効率的な製造を達成することが可能な方法として、ミニエマルジョン法、マイクロエマルジョン法等のサブミクロン粒子をその最終形態にする重合法が最も好ましい方法として挙げられる。
これら付加重合性単量体はその重合法として、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤又はアニオン重合開始剤を用いる方法、熱による自己重合、紫外線照射を用いる方法、既知の重合方法を用いることができる。
ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤又はアニオン重合開始剤としては、公知の開始剤を用いることができ、単独で用いても、2種以上の開始剤を併用してもよい。
ラジカル開始剤は、油溶性、水溶性のものがあるがどちらの開始剤を使用しても構わない。
ラジカル開始剤として具体的には、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ヒドロクロリド等のアゾビスニトリル類、アセチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、α−クミルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等のパーオキシエステル、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシカーボネート等の有機過酸化物類、過酸化水素等の無機過酸化物類、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類等のラジカル重合開始剤が挙げられる。なお、公知のレドックス重合開始剤を併用することもできる。
また、例えば、J. S. Guo, M. S. El-Aasser, and J. W. Vanderhoff, J. Polym. Sci.: Polym. Chem. Ed.,第27巻,691頁(1989)等に記載されている、粒子径5〜50nmの微粒子の所謂“マイクロエマルジョン重合”は、本発明における“ミニエマルジョン重合”と同様の分散構造及び重合機構を有するものであるが、“マイクロエマルジョン重合”では、臨界ミセル濃度(CMC)以上の界面活性剤を多量に使用するものであり、得られる重合体微粒子中に多量の界面活性剤が混入するとか、あるいは、その除去のために水洗浄、酸洗浄、あるいはアルカリ洗浄等の工程に多大な時間を要する等の問題が存在する。
本発明の静電荷像現像トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の製造方法は、少なくとも樹脂粒子分散液を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、該凝集粒子を加熱して融合させる工程を含む静電荷像現像トナーの製造方法であって、前記樹脂粒子分散液が上述の本発明の樹脂粒子分散液であることを特徴とする。
また前述の凝集工程において本発明のポリエステル樹脂を含む樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液を予め凝集し、第一の凝集粒子形成後、さらに本発明のポリエステルを含む樹脂粒子分散液又は別のポリマー粒子分散液を添加して第一の粒子表面に第二のシェル層を形成することも可能である。この例示においては着色剤分散液を別に調整しているが、当然、本発明の樹脂粒子分散液中の樹脂粒子に予め着色剤が配合されても良い。
更に、凝集処理後、粒子表面からの着色剤の滲出を抑える等の目的で、熱処理を施す等により粒子表面を架橋せしめてもよい。なお、用いた界面活性剤等は、必要に応じて、水洗浄、酸洗浄、あるいはアルカリ洗浄等によって除去してもよい。
その帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン系樹脂等の正荷電性帯電制御剤、又は、クロム、コバルト、アルミニウム、鉄等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸若しくはアキルサリチル酸やベンジル酸等のヒドロキシカルボン酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等の金属塩や金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物等の負荷電性帯電制御剤等、公知のものを用いることができる。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ワックス、パラフィン系ワックス、水添ヒマシ油、カルナバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、モンタン酸エステル等の高級脂肪酸エステル系ワックス、アルキル変性シリコーン、ステアリン酸等の高級脂肪酸ステアリルアルコール等の高級アルコール、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン等、公知のものを用いることができる。
更に、本発明の静電荷像現像トナーの製造方法には、必要に応じてこの種のトナーに用いられる酸化防止剤、紫外線吸収剤等の公知の各種内添剤を用いてもよい。
本発明の静電荷像現像トナーの製造方法により得られるトナーは、1〜10μmの平均粒子径を有することが好ましく、また、その粒子中に、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、更に好ましくは0.5〜40重量部、特に好ましくは1〜25重量部の着色剤を含有する。
本発明のトナーに用いることのできる着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドCローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレート、チタンブラックなどの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などが挙げられる。前記着色剤として、具体的には、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoic Blue3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)、これらの混合物などを好ましく用いることができる。
着色剤の使用量は、トナー100重量部に対して通常0.1〜20重量部であり、特に0.5〜10重量部が好ましい。また、着色剤として、これらの顔料や染料等を1種単独で使用する、又は、2種以上を併せて使用することができる。
これらの分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。また、これらの着色剤微粒子は、その他の微粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段階で添加してもよい。
前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属若しくは合金、又は、これらの元素を含む化合物、あるいは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、または二酸化クロム、その他を挙げることができる。例えば黒色のトナーを得る場合においては、それ自身黒色であり着色剤としての機能をも発揮するマグネタイトを特に好ましく用いることができる。またカラートナーを得る場合においては、金属鉄などのように黒みの少ないものが好ましい。またこれらの磁性体のなかには着色剤としての機能をも果たすものがあり、その場合には着色剤として兼用してもよい。これら磁性体の含有量は、磁性トナーとする場合にはトナー100重量部当り20〜70重量部であることが好ましく、より好ましくは40〜70重量部である。
定着性向上剤としては、例えばポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルおよび脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、流動または固形のパラフィンワックス、ポリアミド系ワックス、多価アルコールエステル、シリコンワニス、脂肪族フルオロカーボンなどを用いることができる。特に軟化点(環球法:JIS K2207:96)が60〜150℃のワックスが好ましい。
荷電制御剤としては、従来から知られているものを用いることができ、例えば、ニグロシン系染料、含金属染料等が挙げられる。
本発明において用いられる前記無機粒子としては、一次粒子径が5nm〜2μmであり、好ましくは5nm〜500nmである粒子である。またBET法による比表面積は20〜500m2/gであることが好ましい。トナーに混合される割合は0.01〜5重量%であり、好ましくは0.01〜2.0重量%である。このような無機粒子としては例えば、シリカ粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ粉末が特に好ましい。
ここでいうシリカ粉末はSi−O−Si結合を有する粉末であり、乾式法および湿式法で製造されたもののいずれも含まれる。また、無水二酸化ケイ素の他、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などいずれでもよいが、SiO2を85重量%以上含むものが好ましい。
これらシリカ粉末の具体例としては種々の市販のシリカがあるが、表面に疎水性基を有するものが好ましく、例えばAEROSIL R−972、R−974、R−805、R−812(以上アエロジル社製)、タラックス500(タルコ社製)等を挙げることができる。その他シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有するシリコンオイル等で処理されたシリカ粉末などが使用可能である。
形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡画像を画像解析装置によって解析することによって数値化され、例えば、次のようにして求められる。形状係数SF1の測定は、まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーについて下記式のSF1を計算し、平均値を求めることにより得られる。
以上説明した本発明の静電荷像現像トナーの製造方法により得られるトナーは、静電荷像現像剤として使用することができる。この現像剤は、この静電荷像現像トナーを含有することのほかは特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
本発明に用いることができるキャリアとしては、特に限定されないが、通常、鉄粉、フェライト、酸化鉄粉、ニッケル等の磁性体粒子;磁性体粒子を芯材としてその表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、樹脂被覆層を形成させてなる樹脂被覆キャリア;結着樹脂中に磁性体粒子を分散させてなる磁性体分散型キャリア等が挙げられる。中でも、樹脂被覆キャリアは、トナーの帯電性やキャリア全体の抵抗を樹脂被覆層の構成により制御可能となるため特に好ましい。
二成分系の静電荷像現像剤における本発明のトナーとキャリアとの混合割合は、通常、キャリア100重量部に対して、トナー2〜10重量部である。また、現像剤の調製方法は、特に限定されないが、例えば、Vブレンダー等で混合する方法等が挙げられる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーとして本発明の静電荷像現像トナー、又は、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする。
本発明の画像形成方法としては、上記のような特定のトナーを用いて現像剤を調製し、それを用いて常用の電子写真複写機により静電像の形成および現像を行い、得られたトナー像を転写紙上に静電転写した上加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により定着して複写画像を形成する。
本発明の画像形成方法は、転写紙上のトナーと加熱ローラとの接触時間が1秒間以内、特に0.5秒間以内であるような高速定着を行う際に特に好ましく用いられる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担体上に静電潜像を形成する工程である。前記トナー画像形成工程は、現像剤担体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、前記本発明の静電荷像現像トナーを含有する本発明の静電荷像現像剤を含んでいれば特に制限はない。前記転写工程は、前記トナー画像を転写体上に転写する工程である。前記クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留する静電荷像現像剤を除去する工程である。本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
なお、本実施例のトナーは、下記の樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液をそれぞれ調製し、これを所定の割合で混合し撹拌しながら、金属塩の重合体を添加し、イオン的に中和させて凝集粒子を形成した。次いで、無機水酸化物を添加して系内のpHを弱酸性から中性に調整した後、前記樹脂粒子のガラス転移点以上又は融点以上の温度に加熱して融合・合一を行った。反応終了後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の工程を経て所望のトナーを得た。以下、それぞれの調製方法、及び、各特性値の測定方法を説明する。
示差走査熱量測定法(DSC)に従い、「DSC−20」(セイコー電子工業社製)を使用し、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加熱し、ベースラインと吸熱ピークから融点を求めた。
重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの値は、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって、以下に記す条件で重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定した。温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し、測定を行った。また、試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択するものとする。
なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、
重量平均分子量Mw=28.8×104
数平均分子量Mn=13.7×104
となることにより確認することができる。
また、用いたGPCのカラムとしては、TSK−GEL、GMH(東ソー(株)社製)を用いた。
なお、溶媒及び測定温度は、測定試料にあわせ、適当な条件に変更して行った。
ポリエステルとして脂肪族ポリエステルを用い、付加重合型性樹脂として芳香族を含むモノマーを用いた樹脂粒子分散液を作製した場合、両者の分子量をGPCで解析する際、検出器としてUVとRIを分離する装置を後付けし、それぞれの分子量を解析する事もできる。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 175重量部
ビスフェノールA エチレンオキサイド1モル付加物 210重量部
ビスフェノールA プロピレンオキサイド1モル付加物 100重量部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.35重量部
上記材料を混合し、攪拌機を備えた2,000mlのリアクターに投入し、窒素雰囲気下120℃で7時間重縮合を実施した。重合時間7時間後、アクリル酸2−カルボキシエチル(β−CEA、ローデア社製)20重量部を添加し、さらに3時間重縮合を実施したところところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。GPCによる重量平均分子量は16,000、ガラス転移温度(オンセット)は57℃、樹脂酸価は31mg・KOH/gであった。
分析用に樹脂を少量取り、テトラヒドロフラン(THF)に溶解後、水に再沈させた後、乾燥させポリマーを得た。NMRを測定すると4.5ppm近傍にβ−CEAの末端由来のピークが得られた。なお、比較のために上記組成でβ−CEAを用いない以外は全て同一にして作製したポリエステルからは本ピークが観察されなかった。
1,4−フェニレンジ酢酸 222重量部
ビスフェノールA プロピレンオキサイド1モル付加物 200重量部
ビスフェノールA エチレンオキサイド1モル付加物 86重量部
シクロヘキサンジメタノール 83重量部
p−トルエンスルホン酸 0.7重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた2,000mlのリアクターに投入し、窒素雰囲気下120℃で7時間重縮合を実施した。さらに7時間後、アクリル酸オリゴマー(アクリル酸の3〜5量体)18重量部を添加し、さらに3時間重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。GPCによる重量平均分子量は12,800、ガラス転移温度(オンセット)は55℃、樹脂酸価は20mg・KOH/gであった。同じくNMRで分析した結果、4.5ppm近傍にピークが観察されポリエステル末端にアクリル酸オリゴマーがキャップされていることが確認された。
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.36重量部
1,6−ヘキサンジオール 59重量部
ドデカン二酸 101重量部
500mlフラスコ中にて混合し、マントルヒーターで130℃に加熱し、混合物を融解した後、スリーワンモーターにて撹拌し脱気しながら80℃に4時間保持すると内容物が粘調な溶融体となった。その後、アクリル酸2−カルボキシエチル(β−CEA、ローデア社製)20重量部を加え、さらに3時間重合を継続したところ、均一透明な結晶性ポリエステル樹脂を得た。GPCによる重量平均分子量は22,000、融点は72℃、樹脂酸価は16mg・KOH/gであった。同じくNMRで分析した結果、4.5ppm近傍にピークが観察されポリエステル末端にアクリル酸オリゴマーがキャップされている事が確認された。同じく80℃に加熱したイオン交換水650重量部に1N NaOH水溶液2.0重量部を溶解した中和用水溶液をフラスコ中に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した後、さらに開始剤として過硫酸カリウムを0.5重量部添加し、さらに90℃で5時間反応を継続し共重合体樹脂の樹脂粒子分散液を得た。室温水にてフラスコを冷却した。これにより樹脂粒子の中心径が350nm、固形分量が20%の結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(C1)を得た。本分散液を乾燥させ分析すると、GPCによる重量平均分子量は23,500、融点は71℃、樹脂酸価は19mg・KOH/gであった。
ペンタデシルベンゼンスルホン酸 0.6重量部
1,6−ヘキサンジオール 80重量部
ドデカン二酸 115重量部
アクリル酸の2〜5量体 5重量部
を混合し、120℃に加熱し融解した後、
ドデシルベンゼンスルホン酸 2.5重量部
イオン交換水 860重量部
上記の水溶液に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した後、さらに超音波バス中で5分乳化後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で70℃に維持し、15時間保持した。さらに開始剤として過硫酸カリウムを0.5重量部添加し、さらに90℃で5時間反応を継続し共重合体樹脂の樹脂粒子分散液(C2)を得た。
これにより樹脂粒子の中心径が350nm、融点が70℃、重量平均分子量が9,800、酸価が25mg・KOH/g、固形分量が20%の樹脂粒子分散液(C2)を得た。
実施例1において、β−CEA、及び、開始剤を添加しない以外は全て同じにし、100℃で乳化することにより、樹脂粒子の中心径が3,200nm、ガラス転移点が54℃、重量平均分子量が12,000、酸価が8mg・KOH/g、固形分量が20%の非結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A3)を得た。
テレフタル酸ジメチル 155重量部
ビスフェノールA エチレンオキサイド1モル付加物 210重量部
ビスフェノールA プロピレンオキサイド1モル付加物 100重量部
フマル酸 50重量部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.35重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた2,000mlのリアクターに投入し、窒素雰囲気下120℃で7時間重縮合を実施した。重合途中から、樹脂の粘度は上昇してゆき、重合時間7時間後は透明性の低い粘ちょう樹脂成分を得た。さらに7時間後、
グリシジルメタクリレート 15重量部
メチルメタクリレート 2重量部
アクリル酸 5重量部
を添加し、さらに3時間重縮合を実施したところところ、不透明なポリエステル樹脂を得た。GPCによる重量平均分子量は10,000、ガラス転移温度(オンセット)は41℃でブロードなピークであった。また、樹脂酸価は45mg・KOH/gであった。
分析用に樹脂を少量取り、THFに溶解後、水に再沈させた後、乾燥させポリマーを得た。NMRを測定するとフマル酸のピークが消失しポリエステルとビニル樹脂のグラフトが作製できた。
ベンゼンスルホン酸 0.6重量部
1,6−ヘキサンジオール 80重量部
セバシン酸 115重量部
SDSP(イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム) 20重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた2,000mlのリアクターに投入し、窒素雰囲気下120℃で7時間重縮合を実施したところ、均一透明な結晶性ポリエステル樹脂を得た。GPCによる重量平均分子量は19,000、融点は68℃、樹脂酸価は55mg・KOH/gであった。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 175重量部
ビスフェノールA エチレンオキサイド1モル付加物 210重量部
ビスフェノールA プロピレンオキサイド1モル付加物 100重量部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.35重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた2,000mlのリアクターに投入し、窒素雰囲気下120℃で7時間重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。GPCによる重量平均分子量は12,000、ガラス転移温度(オンセット)は54℃、樹脂酸価は25mg・KOH/gであった。
ドデシル硫酸 30重量部
イオン交換水 852重量部
パルミチン酸 188重量部
ペンタエリスリトール 25重量部
を混合し、250℃に加熱し融解した後、上記のドデシル硫酸水溶液に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した後、さらに超音波バス中で5分乳化後乳化物を撹拌しながらフラスコ中で70℃に維持し、15時間保持した。
これにより離型剤粒子の中心径が310nm、融点が72℃、固形分量が20%の離型剤粒子分散液(W1)を得た。
シアン顔料(大日精化工業(株)製、C.I.Pigment Blue 15:3)
50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR) 5重量部
イオン交換水 200重量部
前記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)5分間と超音波バスにより10分間分散し、中心径190nm、固形分量21.5%のシアン着色剤粒子分散液(P1)を得た。
<トナー粒子の調製>
非結晶性樹脂粒子分散液(A1) 210重量部(樹脂42重量部)
着色剤粒子分散液(P1) 40重量部(顔料8.6重量部)
離型剤粒子分散液(W1) 40重量部(離型剤8.6重量部)
ポリ塩化アルミニウム 0.15重量部
イオン交換水 300重量部
前記成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら42℃まで加熱し、42℃で60分間保持した後、非結晶性樹脂粒子分散液(A1)を50重量部(樹脂21重量部)追加して緩やかに撹拌した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0に調整した後、撹拌を継続しながら80℃まで加熱した。
80℃までの昇温の間、通常の場合、系内のpHは、5.0以下まで低下するが、ここでは水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが5.5以下とならない様に保持した。反応終了後、55℃まで冷却し、この温度で3時間保持した後、室温まで再度冷却した。さらに濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、真空乾燥12時間行いトナー粒子(トナー1)を得た。このトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が5.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.17であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は135のポテト形状であった。
ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と略す場合がある)で表面疎水化処理した一次粒子平均粒径40nmのシリカ(SiO2)粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物である一次粒子平均粒径20nmのメタチタン酸化合物粒子とを、それぞれ1重量%づつ添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、シアン外添トナーを作製した。
体積平均粒子径40μmのCu−Znフェライト粒子100重量部にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1重量部を含有するメタノール溶液を添加し、ニーダーで被覆した後、メタノールを留去し、さらに120℃で2時間加熱して上記シラン化合物を完全に硬化させた。この粒子に、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体(共重合比40:60)をトルエンに溶解させたものを添加し、真空減圧型ニーダーを使用してパーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体のコーティング量が0.5重量%となるように樹脂被覆型キャリアを製造した。
上述のように作製した各トナー5重量部を、得られた樹脂被覆型キャリア100重量部とVブレンダーにて20分混合して、静電荷像現像剤を作製した。これを以下に示す評価において現像剤として使用した。
上記現像剤を使用し、富士ゼロックス社製のDocuCenterColor500の改造機において、転写用紙として富士ゼロックス社製Jコート紙を使用し、プロセススピードを180mm/secに調整してトナーの定着性を調べたところ、PFAチューブ定着ロールによるオイルレス定着性は良好であり、定着温度(この温度は、画像の布摺擦により、画像の汚染で判定)は120℃以上で、画像は充分な定着性を示した。現像性、転写性とも良好であり、画像欠陥もなく高品質で良好な初期画質(○)を示した。
さらに高温・高湿下における現像剤の帯電量を以下の方法で測定した。即ち、調整した現像剤を30℃80%の高温・高湿環境下に20時間放置し、トナーの電荷分布測定装置(イースパートアナライザー:細川ミクロン社製)にて逆極性トナー量を測定した。
[高温高湿下における帯電性評価基準]
○:逆極性トナーの量が5%未満である。
△:逆極性トナーの量が5%以上10%未満である。
×:逆極性トナーの量が10%以上である。
○を合格とした。
トナーの最低定着温度を以下の方法で評価した。
上記富士ゼロックス社製のDocuCenterColor500の改造機において、転写用紙として富士ゼロックス社製Jコート紙を使用し、プロセススピードを180mm/secに調整し、定着ロール温度を90℃から5℃刻みで設定し、最低定着温度を測定した。トナーの最低定着温度の評価は以下である。
[トナー定着性評価基準]
○:最低定着温度が120℃未満である。
△:最低定着温度が120℃以上140℃未満である。
×:最低定着温度が140℃以上である。
○を合格とした。
上記の条件で画像を形成し、初期画質を以下の基準で評価した。
○:画像濃度、背景部汚れ、細線再現性ともに極めて良好(画像欠陥なし)。
△:画像濃度、背景部汚れ、細線再現性でやや劣るが使用上問題なし(画像欠陥若干あり)。
×:画像濃度、背景部汚れ、細線再現性いずれかで劣る(画像欠陥あり)。
○を合格とした。
上記改造機において、30℃80%の高温高湿下の条件で5万枚の連続プリント試験を行ったが、初期の良好な画質を最後まで維持し、感光体へのフィルミングなどの発生も皆無であった(高温高湿下における画質評価:○)。
[高温・高湿下における画質評価基準]
○:画質維持性良好、感光体へのフィルミング発生なし。
△:5万枚連続プリントの範囲では、画質維持性良好。ただし、感光体への軽度なフィルミング発生が観察される。
×:画質劣化がみられる。かつ感光体へのフィルミング発生も観察される。
実施例1に使用したトナーと同様に、表2に示した樹脂粒子分散液(A2)を用いトナー2を作製し、実施例1と同様に現像剤を作製した。
実施例1に使用したトナーと同様に、表2に示した樹脂粒子分散液(A1)、及び、(C1)を用いトナー3を作製し、実施例1と同様に現像剤を作製した。樹脂粒子分散液(A1)、及び、(C1)の混合率は以下に示す。
非結晶性樹脂粒子分散液(A1) 210重量部(樹脂42重量部)
結晶性樹脂粒子分散液(C1) 50重量部(樹脂21重量部)
着色剤粒子分散液(P1) 40重量部(顔料8.6重量部)
離型剤粒子分散液(W1) 40重量部(離型剤8.6重量部)
ポリ塩化アルミニウム 0.15重量部
イオン交換水 300重量部
製法は実施例1と同様に行い、下記表2に示す結果を得た。
実施例3に使用したトナーと同様に、表2に示した樹脂粒子分散液(A1)、及び、(C2)を用いトナー4を作製し、実施例1と同様に現像剤を作製した。樹脂粒子分散液(A1)、及び、(C2)の混合率は実施例3と同様にし、製法も以下同様とした。
樹脂粒子分散液(A1)を(A3)に代えた以外は、実施例1と同様にトナー5を作製し、さらに実施例1と同様に現像剤を作製した。
樹脂粒子分散液(A1)を(A4)に代えた以外は、実施例1と同様にトナー6を作製し、さらに実施例1と同様に現像剤を作製した。
樹脂粒子分散液(A1)を(C3)に代えた以外は、実施例1と同様にトナー7を作製し、さらに実施例1と同様に現像剤を作製した。
樹脂粒子分散液(A1)を(A5)に代えた以外は、実施例1と同様にトナー8を作製し、さらに実施例1と同様に現像剤を作製した。
用いるβ−CEAの量を代えた以外は実施例1と同様に重縮合し分散液を得た。
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸 175重量部
ビスフェノールA エチレンオキサイド1モル付加物 210重量部
ビスフェノールA プロピレンオキサイド1モル付加物 100重量部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.35重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えた2,000mlのリアクターに投入し、窒素雰囲気下120℃で7時間重縮合を実施した。重合時間7時間後、アクリル酸2−カルボキシエチル(β−CEA、ローデア社製)200重量部を添加し、さらに3時間重縮合を実施したところところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂を得た。GPCによる重量平均分子量は4,500、ガラス転移温度(オンセット)は31℃、樹脂酸価は65mg・KOH/gであった。
分析用に樹脂を少量取り、THFに溶解後、水に再沈させた後、乾燥させポリマーを得た。NMRを測定すると4.5ppm近傍にβ−CEAの末端由来のピークが得られた。
実施例1と同様にトナーと現像剤を作製し評価し、表3の結果を得た。
Claims (6)
- ポリエステルを少なくとも含む樹脂粒子が分散媒に分散している樹脂粒子分散液であって、
前記ポリエステルが、
(a)付加重合性不飽和基を有しない多価酸単量体及び/又はその誘導体を全単量体中10〜80mol%、
(b)付加重合性不飽和基を有しない多価アルコール単量体を全単量体中10〜80mol%、並びに、
(c)カルボキシル基及び付加重合性不飽和基を有する単量体及び/又はその誘導体を全単量体中0.5〜20mol%、
の組成よりなる重縮合性単量体を重縮合し、末端に付加重合性不飽和基を有するポリエステルを得た後、前記ポリエステルの付加重合性不飽和基を付加重合して得られ、かつ、
酸価が5〜70mg・KOH/gである末端付加重合ポリエステルを含むことを特徴とする
静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液。 - 前記(a)〜(c)の組成よりなる重縮合性単量体を重縮合触媒を用いて重縮合し末端に付加重合性不飽和基を有するポリエステルを得る工程、
前記ポリエステルを水系媒体中に分散する工程、及び、
前記ポリエステル中の付加重合性不飽和基を付加重合する工程を含む請求項1に記載の静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液の製造方法。 - 少なくとも樹脂粒子分散液を含む分散液中で該樹脂粒子を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、
該凝集粒子を加熱して融合させる工程を含む静電荷像現像トナーの製造方法であって、 前記樹脂粒子分散液が、請求項1に記載の静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液、又は、請求項2に記載の製造方法により製造された静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液である
静電荷像現像トナーの製造方法。 - 請求項3に記載の製造方法により製造された静電荷像現像トナー。
- 請求項4に記載の静電荷像現像トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤。
- 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、
前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、
前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、
前記トナーとして請求項4に記載の静電荷像現像トナー、又は、前記現像剤として請求項5に記載の静電荷像現像剤を用いる
画像形成方法。
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