JP4631787B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法、画像形成装置、及び、印刷物 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法、画像形成装置、及び、印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した電子写真装置(画像形成装置)に利用し得る静電荷像現像用トナーに関するものである。また、本発明は、前記静電荷像現像用トナーを用いた静電荷像現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び印刷物に関する。
電子写真法等のように、静電潜像を経て画像情報を可視化する方法は、現在各種の分野で広く利用されている。前記電子写真法においては、帯電工程、露光工程等を経て電子写真用感光体(静電潜像担持体、以下、「感光体」という場合がある。)表面の静電荷像(静電潜像)を静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)により現像し、転写工程、定着工程等を経て前記静電荷像が可視化される。
近年、上記のようなトナー・現像剤技術を用いた電子写真による画像形成法は、デジタル化・カラー化の進展によって、印刷領域の一部へ適用されはじめ、オンデマンドプリンテイングを初めとするグラフィックアーツ市場における実用化が顕著となり始めている。ここで、上記グラフィックアーツ市場とは、版画のようなもので印刷した部数の少ない創作印刷物や、筆跡・絵画などのオリジナルの模写、複写、そしてリプロダクションとよばれる大量生産方式による印刷物製造関連業務市場全般を指し、印刷物の製造に関わる業種・部門を対象とする市場であると定義される。
しかしながら、本来の本格的従来型印刷と比較した場合、無版印刷としてのオンデマンド性の特徴はあるものの、その色再現域、解像度、光沢特性に代表される画質、質感、同一画像内における画質均一性、長時間連続プリント時の画質の維持性等、本格的に印刷を代替し、グラフィックアーツ領域において特に生産財としての市場価値を訴求するためには、性能面から見てもまだ数々の課題があることがわかってきている。
前記光沢特性という観点において、洗浄剤に関し下記の文献が知られている。
特許文献1では、シャンプー、ボディーシャンプー、洗顔料又は食品食器用洗浄剤などの洗浄剤の美観を高める目的で、洗浄剤組成物に良好なパール光沢を均一に且つ短時間に付与することができるアミドエステルからなるパール光沢付与剤、及びそれを含有する良好なパール光沢を有するパール光沢組成物が提案されている。
また、インクに関する特許文献2では、微粒化時の耐溶剤性の改良を目的とする−CONH−結合を架橋構造として有する樹脂と色材とを水系媒体に分散させてなる着色微粒子分散体が記載されており、電子写真用トナーにも転用可能な旨の記載がある。しかしながら、−CONH−結合におけるNH部位はpHの影響を受けやすく、極性が高く容易に塩構造をとりやすいという問題を有している。
特開2003−147396号公報 特開2004−217788号公報
本発明が解決しようとする課題は、高い光沢を有し、かつ、パール光沢を有する画像を得ることができる静電荷像現像用トナー、前記トナーを用いた静電荷像現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び印刷物を提供することである。
本発明が解決しようとする上記課題は、以下の<1>〜<6>によって解決された。
<1> 式(1)で表されるアミドエステルを含むことを特徴とする静電荷像現像用トナー、
Figure 0004631787
(式(1)中、R1CO−及びR2CO−は、それぞれ独立に、炭素数16〜24の水酸基を有していてもよい飽和又は不飽和のアシル基を表し、R3は、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、R4は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基又は炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニレン基を表す。)
<2> 上記<1>に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤、
<3> 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、前記トナーとして上記<1>に記載の静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤として上記<2>に記載の静電荷像現像剤を用いる画像形成方法、
<4> 上記<1>に記載の静電荷像現像用トナー、又は、上記<2>に記載の静電荷像現像剤を用いる画像形成装置、
<5> 上記<1>に記載の静電荷像現像用トナーにより形成された画像を有する印刷物。
本発明によれば、高い光沢を有し、かつ、パール光沢を有する画像を得ることができる静電荷像現像用トナー、前記トナーを用いた静電荷像現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び印刷物を提供することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
(静電荷像現像用トナー)
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、下記式(1)で表されるアミドエステルを含むことを特徴とする。また、本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂及び着色剤を含有することが好ましく、更に必要に応じて、離型剤等、その他の成分を含有していてもよい。
<式(1)で表されるアミドエステル>
本発明の静電荷像現像用トナーは、下記式(1)で表されるアミドエステルを含有する。式(1)で表されるアミドエステルは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
Figure 0004631787
(式(1)中、R1CO−及びR2CO−は、それぞれ独立に、炭素数16〜24の水酸基を有していてもよい飽和又は不飽和のアシル基を表し、R3は、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、R4は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基又は炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニレン基を表す。)
式(1)中、R1CO−及びR2CO−は、それぞれ独立に、炭素数16〜24の水酸基を有していてもよい飽和又は不飽和のアシル基を表す。R1CO−及びR2CO−が上記範囲の基であると、良好なパール光沢を付与することができる。
中でも、パルミチン酸、ステアリン酸又はイソステアリン酸からCOOH基中のOHを除いたアシル基であることが好ましく、パルミチン酸又はステアリン酸からCOOH基中のOHを除いたアシル基であることが特に好ましい。
式(1)中、R3は、アミド結合の活性なNH結合を無くし、pHによる影響や塩の形成を抑制できるため、光沢度に関し十分な効果が得られるという点から、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、好ましくはメチル基又はエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
式(1)中、R4は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基又は炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニレン基であり、好ましくは炭素数2又は3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基である。
本発明に用いることができる式(1)で表されるアミドエステルとして具体的には、N−ステアロイル−N−メチルアミノアルキルステアレートを好ましく例示でき、その中でも、N−ステアロイル−N−メチルアミノエチルステアレートが特に好ましい。
本発明のトナーは、式(1)で表されるアミドエステルを含有することにより、該トナーにより形成した画像において、光沢を付与する効果を有するものであり、そのメカニズムは以下の様に考えられる。
すなわち、前記アミドエステルは、トナーの結着樹脂と部分的な相溶化を示すものであり、前記アミドエステルを含有する本発明のトナーは、定着時の加熱により、定着部材との圧力に対し伸びるのと同時に、該定着部材が離れるときの剥離性が良いために、平滑なまま維持されるという効果が得られると考えられる。また、前記アミドエステルを含有することにより、樹脂が冷却する時の体積変化を減少させる効果を有するため、光沢度を高いまま維持できると考えられる。
さらに、本発明のトナーは前記アミドエステルを含有することにより、定着圧力による依存性が少ないため、フルカラー画像のようにトナーの載り量が一枚の画像中で差があるような画像を用いても、トナー載り量による光沢度差が少ない画像が得られると考えられる。
式(1)で表されるアミドエステルは融点が高く、また、極性が高いため、トナーの結着樹脂に対し十分な相溶性が得られる点から、一般に極性の低い重合系トナーよりも極性の高い重縮合系トナーに用いることが好ましく、また、重縮合系トナーとしては低温重縮合により得られた樹脂を用いることがより好ましい。
また、トナーが式(1)で表されるアミドエステルを含有することにより、良好な芳香を付与することができるため好ましい。
式(1)で表されるアミドエステルの使用量としては、トナーの総重量に対し、5〜65重量%であることが好ましく、10〜60重量%であることがより好ましく、10〜40重量%であることがさらに好ましい。アミドエステルの使用量が上記範囲であると、トナーにしたときの流動性が無添加の場合と同程度であるため好ましい。
<結着樹脂>
本発明の静電荷像現像用トナーに用いることができる結着樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のエチレン系樹脂、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)等を主成分とするスチレン系樹脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリアクリロニトリル等を主成分とする(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの共重合樹脂が挙げられるが、静電荷像現像用トナーとして用いる際の帯電安定性や現像耐久性の観点からエチレン性不飽和単量体を1種又は複数種、重合又は共重合して得られた樹脂であることが好ましく、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂とスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂及びポリエステル樹脂がより好ましく、低温重縮合により得られたポリエステル樹脂であることがさらに好ましい。
前記重縮合樹脂の作製に用いる重縮合性単量体としては、脂肪族、脂環族、芳香族の多価カルボン酸及びそれらのアルキルエステル、多価アルコール及びそれらのエステル化合物、ヒドロキシカルボン酸化合物、並びに、ポリアミンなどが例示でき、例えば、「高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編:培風館)に記載されているような重縮合性単量体成分である、従来公知の2価又は3価以上の多価カルボン酸と、2価又は3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
前記重縮合性単量体は、それらを直接エステル化反応、エステル交換反応、直接アミド化反応などにより重縮合を行うことで、重縮合樹脂が得られる。
多価カルボン酸は、1分子中にカルボキシル基を2個以上含有する化合物である。このうち、ジカルボン酸は1分子中にカルボキシル基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、リンゴ酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、アゼライン酸、ピメリン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シトラコン酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−カルボン酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレン二酢酸、p−フェニレンジプロピオニック酸、m−フェニレンジプロピオニック酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、1,1−シクロペンテンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1、3−アダマンタン二酢酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等を挙げることができる。
また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。
上記のカルボン酸は、カルボキシル基以外の官能基を有していてもよく、酸無水物、酸エステル等のカルボン酸誘導体を用いることもできる。
これら多価カルボン酸のうち好ましく用いられる単量体は、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレン二酢酸、p−フェニレンジプロピオニック酸、m−フェニレンジプロピオニック酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸である。
多価アルコールとは、1分子中に水酸基を2個以上含有する化合物である。多価アルコールとしては、特に限定はされないが、次の単量体を挙げることができる。
ジオールは1分子中に水酸基を2個含有する化合物であり、例えば、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオール、オクタデカンジオール等を挙げることができる。
また、ジオール以外の多価オールとしては、例えば、グリコール、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン等を挙げることができる。
また、環状構造を有する多価アルコールとしては次の単量体を挙げることができる。例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF、ビスフェノールP、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノール、ビフェノール、ナフタレンジオール、1,3−アダマンタンジオール、1,3−アダマンタンジメタノール、1,3−アダマンタンジエタノール、ヒドロキシフェニルシクロヘキサン等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。本発明では、上記ビスフェノール類が少なくとも一つのアルキレンオキサイド基を有することが好ましい。アルキレンオキサイド基としては、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド等を挙げることができるが、これらに限定されない。好適には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドであり、その付加モル数は1〜3が好ましい。この範囲である場合、作製するポリエステルの粘弾性やガラス転移温度がトナーとして使用するために適切に制御することができる。
上述の単量体のうち、好適に使用される単量体としては、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールS、ビスフェノールZ、及び、これらビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物である。
また、一分子中にカルボン酸と水酸基を含有するヒドロキシカルボン酸化合物を用い、重縮合を実施することもできる。例えば、ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシノナン酸、ヒドロキシデカン酸、ヒドロキシウンデカン酸、ヒドロキシドデカン酸、ヒドロキシテトラデカン酸、ヒドロキシトリデカン酸、ヒドロキシヘキサデカン酸、ヒドロキシペンタデカン酸、ヒドロキシステアリン酸等を挙げることができるが、これに限定されることを意味しない。
また、重縮合性単量体としてポリアミンを用い、重縮合を実施することもできる。
ポリアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,4−ブテンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)等を挙げることができる。
また、必要に応じて、酸価や水酸基価の調整等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
前記ポリエステル樹脂は、前記の縮合性単量体成分の中から任意の組合せで、例えば、「重縮合」(化学同人、1971年刊)、「高分子実験学(重縮合と重付加)」(共立出版、1958年刊)や「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社編、1988年刊)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は、組み合わせて用いることができる。
重縮合樹脂を作製する際の重縮合反応では、反応速度を上げることができるため、重縮合触媒を用いること好ましい。
前記重縮合反応では、従来の高エネルギー消費型の製法を回避し、トータルな意味での樹脂の製造エネルギー・トナーの製造エネルギーを低減するためには極めて重要であるため、従来の反応温度よりも低温で反応させることが好ましい。
重縮合時の反応温度は、70〜150℃であることが好ましく、70℃以上140℃以下であることがより好ましく、80℃以上140℃未満であることがさらに好ましい。上記温度範囲よりも低い場合、モノマーの溶解性、触媒活性度の低下に起因する反応性の低下、分子量の伸長抑制等が生じることがあり、また、上記温度を超える温度であると、消費エネルギーを低く抑えることができるため好ましい。更に高温に起因する樹脂の着色や、生成した重縮合樹脂の分解等が起こることがある。また、重縮合時の反応時間は、反応温度にも依存するが、0.5〜72時間が好ましく、1〜48時間がより好ましい。
重縮合性単量体を150℃以下(好ましくは100℃以下)の低温で重縮合するためには、通常、重縮合触媒が用いられ、低温で触媒活性を有する重縮合触媒としては、酸系触媒、希土類含有触媒、又は加水分解酵素なども用いることができる。
酸系触媒としては、ブレンステッド酸様な酸性を示すものが好ましく、具体的にはトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、しょうのう(カンファー)スルホン酸等のスルホン酸、これらのNa塩が挙げられる。
さらにまた、界面活性効果を有する酸を用いても良い。界面活性効果を有する酸とは、疎水基と親水基とからなる化学構造を有し、少なくとも親水基の一部がプロトンからなる酸の構造を有するものである。
界面活性効果を有する酸としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、しょうのうスルホン酸などのアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルジスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アルキルナフタリンスルホン酸、アルキルテトラリンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸、高級アルコールエーテルスルホン酸、アルキルジフェニルスルホン酸、モノブチルフェニルフェノール硫酸、ジブチルフェニルフェノール硫酸ドデシル硫酸などの高級脂肪酸硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールエーテル硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキロール硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキル化硫酸エステル、ナフテニルアルコール硫酸、硫酸化脂肪、スルホ琥珀酸エステル、各種脂肪酸、スルホン化高級脂肪酸、高級アルキルリン酸エステル、樹脂酸、樹脂酸アルコール硫酸、ナフテン酸、パラトルエンスルホン酸、及び、これらすべての塩化合物などが挙げられ、必要に応じて複数を組み合わせてもよい。
希土類含有触媒としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイド元素としてランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などを含むものが有効であり、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩又はトリフラート構造を有するものなどが有効である。
希土類含有触媒としては、スカンジウムトリフラート、イットリウムトリフラート、及び、ランタノイドトリフラートなどのトリフラート構造を有するものが好ましい。ランタノイドトリフラートについては、有機合成化学協会誌、第53巻第5号、p44−54)に詳述されている。前記トリフラートとしては、構造式では、X(OSO2CF33が例示できる。ここでXは、希土類元素であり、これらの中でも、Xは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)などであることがさらに好ましい。
加水分解酵素としては、エステル合成反応を触媒するものであれば特に制限はない。加水分解酵素としては、例えば、カルボキシエステラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、アセチルエステラーゼ、ペクチンエステラーゼ、コレステロールエステラーゼ、タンナーゼ、モノアシルグリセロールリパーゼ、ラクトナーゼ、リポプロテインリパーゼ等のEC(酵素番号)3.1群(丸尾・田宮監修「酵素ハンドブック」朝倉書店(1982)等参照)に分類されるエステラーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ、キシロシダーゼ等のグリコシル化合物に作用するEC3.2群に分類される加水分解酵素エポキシドヒドラーゼ等のEC3.3群に分類される加水分解酵素、アミノペプチダーゼ、キモトリプシン、トリプシン、プラスミン、ズブチリシン等のペプチド結合に作用するEC3.4群に分類される加水分解酵素、フロレチンヒドラーゼ等のEC3.7群に分類される加水分解酵素等を挙げることができる。
これらエステラーゼのうち、グリセロールエステルを加水分解し脂肪酸を遊離する酵素を特にリパーゼと呼ぶが、リパーゼは有機溶媒中での安定性が高く、収率良くエステル合成反応を触媒し、さらに安価に入手できることなどの利点がある。したがって、本発明のポリエステルの製造方法においても、収率やコストの面からリパーゼを用いることが好ましい。
リパーゼには種々の起源のものを使用できるが、好ましいものとして、シュードモナス(Pseudomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、カンジダ(Candida)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhizopus)属、ムコール(Mucor)属等の微生物から得られるリパーゼ、植物種子から得られるリパーゼ、動物組織から得られるリパーゼ、さらに、パンクレアチン、ステアプシン等を挙げることができる。このうち、シュードモナス属、カンジダ属、アスペルギルス属の微生物由来のリパーゼを用いることが望ましい。
これら重縮合触媒は、単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。さらにこれらの触媒は必要により回収再生することも可能である。
重縮合樹脂の製造方法としては、バルク重合、乳化重合、懸濁重合等の水中重合、溶液重合、界面重合等公知の重縮合法で実施することが可能であるが、水中重縮合法が好ましく用いることができる。また、大気圧下で反応が可能であるが、ポリエステルなどの重縮合樹脂の高分子量化等を目的とした場合、減圧、窒素気流下等の一般的な条件を広く用いることができる。
前記重縮合反応又は後述する重合反応は、水系媒体を用いて行ってもよい。
本発明に用いることのできる水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水や、エタノール、メタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらの中でも、エタノールや水であることが好ましく、蒸留水及びイオン交換水等の水が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、水系媒体には、水混和性の有機溶媒を含んでいてもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アセトンや酢酸等が挙げられる。
前記重縮合反応又は後述する重合反応は、有機溶剤を用いて行ってもよい。
本発明に用いることができる有機溶剤の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、ジクロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、p−クロロトルエン等のハロゲン系溶媒、3−ヘキサノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン系溶媒、ジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、o−ジメトキシベンゼン、p−ジメトキシベンゼン、3−メトキシトルエン、ジベンジルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、メトキシナフタレン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、フェニルスルフィド、チオアニソール等のチオエーテル溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、安息香酸メチル、フタル酸メチル、フタル酸エチル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶媒、ジフェニルエーテル、又は、4−メチルフェニルエーテル、3−メチルフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン等のアルキル置換ジフェニルエーテル、又は、4−ブロモフェニルエーテル、4−クロロフェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4−メチル−4’−ブロモジフェニルエーテル等のハロゲン置換ジフェニルエーテル、又は、4−メトキシジフェニルエーテル、4−メトキシフェニルエーテル、3−メトキシフェニルエーテル、4−メチル−4’−メトキシジフェニルエーテル等のアルコキシ置換ジフェニルエーテル、又は、ジベンゾフラン、キサンテン等の環状ジフェニルエーテル等のジフェニルエーテル系溶媒が挙げられ、これらは、混合して用いてもよい。そして、溶媒として容易に水と分液分離できるものが好ましく、特に平均分子量の高い重縮合樹脂を得るためにはエステル系溶媒、エーテル系溶媒及びジフェニルエーテル系溶媒がより好ましく、アルキル−アリールエーテル系溶媒及びエステル系溶媒が特に好ましい。
さらにまた、本発明において、平均分子量の高いポリエステルを得るため、有機溶剤に脱水、脱モノマー剤を加えても良い。脱水、脱モノマー剤の具体例としては、例えば、モレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13X等のモレキュラーシーブ類、アルミナ、シリカゲル、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、五酸化二リン、濃硫酸、過塩素酸マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、あるいは水素化カルシウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物、又は、ナトリウム等のアルカリ金属等が挙げられる。中でも、取扱い及び再生の容易さからモレキュラーシーブ類が好ましい。
本発明に用いることができる重縮合樹脂の重量平均分子量は1,500〜60,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜40,000の範囲である。重量平均分子量が1,500以上であると、バインダー樹脂の凝集力が低下せず、ホットオフセット性が良好であるため好ましい。重量平均分子量が60,000以下であると、ホットオフセット性が良好であり、かつ、最低定着温度が上昇しないため好ましい。また、単量体のカルボン酸価数、アルコール価数の選択などによって一部枝分かれや架橋などを有していても良い。
また、本発明に用いることができる結着樹脂としては、付加重合型樹脂も有用である。付加重合型樹脂を作製する付加重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体、カチオン重合性単量体、及び、アニオン重合性単量体が挙げられ、ラジカル重合性単量体であることが好ましく、エチレン性不飽和単量体であることがより好ましい。ラジカル重合型樹脂としては、スチレン系樹脂及び(メタ)アクリル系樹脂、特にスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂が好ましく例示できる。
スチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂としては、例えば、エチレン性不飽和基を有する芳香族単量体(スチレン系単量体)60〜90重量部、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体((メタ)アクリル酸エステル系単量体)10〜40重量部、及びエチレン性不飽和酸単量体1〜3重量部よりなる単量体混合物を重合して得られる共重合体を界面活性剤で分散安定化したラテックスを好ましく使用することができる。上記の共重合体のガラス転移点は50〜70℃であることが好ましい。
本発明に用いることができる結着樹脂の作製において、好適に使用することできる重合性単量体について、以下に説明する。
スチレン系単量体としては、スチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等がある。スチレン系単量体としては、スチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、(メタ)アクリル酸n−メチル、(メタ)アクリル酸n−エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘプチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ビフェニル、(メタ)アクリル酸ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸ターフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸β−カルボキシエチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド等が例示できる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸n−ブチルが好ましい。
ここで、上記の「(メタ)アクリル酸エステル」の表記は、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの両方の構造を取り得ることを表す省略的表記である。
エチレン性不飽和酸単量体は、カルボキシル基、スルホン酸基、酸無水物等の酸性基を含有するエチレン性不飽和単量体である。
前記スチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合樹脂にカルボキシル基を含有させる場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体とともに共重合させることによって得ることができる。
このようなカルボキシル基含有重合性単量体の具体例としては、アクリル酸、アコニット酸、アトロパ酸、アリルマロン酸、アンゲリカ酸、イソクロトン酸、イタコン酸、10−ウンデセン酸、エライジン酸、エルカ酸、オレイン酸、オルト−カルボキシケイ皮酸、クロトン酸、クロロアクリル酸、クロロイソクロトン酸、クロロクロトン酸、クロロフマル酸、クロロマレイン酸、ケイ皮酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シトラコン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ジヒドロキシケイ皮酸、チグリン酸、ニトロケイ皮酸、ビニル酢酸、フェニルケイ皮酸、4−フェニル−3−ブテン酸、フェルラ酸、フマル酸、ブラシジン酸、2−(2−フリル)アクリル酸、ブロモケイ皮酸、ブロモフマル酸、ブロモマレイン酸、ベンジリデンマロン酸、ベンゾイルアクリル酸、4−ペンテン酸、マレイン酸、メサコン酸、メタクリル酸、メチルケイ皮酸、メトキシケイ皮酸等が例示でき、重合体形成反応の容易性などからアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などが好ましく、アクリル酸がより好ましい。
結着樹脂として用いる付加重合型樹脂の重量平均分子量は、5,000〜50,000であることが好ましく、8,000〜40,000であることがより好ましい。
分子量が上記範囲内であると、常温におけるトナーの粉体特性を良好に保ち、高温定着時に定着画像のオフセットを防止することができるので好ましい。
付加重合型樹脂のガラス転移点は45〜65℃であることが好ましく、50〜65℃であることがより好ましい。
ガラス転移点が上記範囲内であると、離型剤による粉体特性の悪化を防止し、定着時の離型剤のしみだしを容易にすることができるので好ましい。
本発明においては、単量体と予め作製しておいた単量体のプレポリマーとの重縮合又は重合反応とを含むこともできる。プレポリマーは、前記単量体に溶融又は均一混合できるポリマーであれば限定されない。
さらに、本発明に用いることができる結着樹脂は、前述した単量体の単独重合体、上述した単量体を含む単量体を2種以上組み合わせた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していても良い。
本発明において、重縮合性単量体とラジカル重合性単量体を重合せしめる場合、水系媒体中での重合工程において、ラジカル重合性単量体を予め重縮合単量体と混合し、最終的に重縮合およびラジカル重合を経て、それらポリマーのハイブリッド粒子とする事も可能である。
さらに重縮合反応において、予め塊状重合法や溶液重合法などにより低分子量の重合体を形成させ、それらを水系媒体中に乳化または分散し、さらに重縮合反応を行い最終分子量に到達させることも可能であり、この場合にもラジカル重合性単量体を、低分子量の重縮合性樹脂と、または低分子量の重縮合性樹脂および重縮合性単量体と混合した後、乳化分散させることができる。
本発明における水系媒体中での重縮合及び/又は重合においては、樹脂の酸価が最終分子量やまたは重合速度に影響を与えるため、水系媒体への溶解度の低いラジカル重合性のビニルモノマーなどを重縮合中に共存させる手法、さらには、予め重縮合性単量体を乳化分散に支障がない程度の低分子量体(または中分子量体)に調製し、酸価をより低い状態に調整した上で、水系媒体中で最終的な高分子量体を得る方法、またはこれら両法の併用、即ちラジカル重合性単量体と重縮合性単量体の予備重合法を併用する手法を用いてもよい。
同様に、本発明における重合においては、複数の重合を同時、または逐次実施させることができる。例えば、重合を行うモノマー成分として、ラジカル重合性の単量体を重縮合単量体と共に混合し、ラジカル重合と重縮合反応とを同時に実施、または、重縮合反応の後にラジカル重合を行う、または、その反対でラジカル重合の後に重縮合反応を実施することができる。このとき、重縮合性触媒は水系媒体中、単量体成分中のどちらに添加することもでき、更にラジカル重合性触媒(ラジカル重合開始剤)に関しては、単量体混合物(油相)または水系媒体中のいずれにも添加することができる。また、ラジカル重合開始剤を、重縮合前又は重縮合中、あるいは重縮合を行った後に添加することが可能である。
また、本発明の水系媒体中での重縮合又は重合に際し、重縮合前の単量体成分と着色剤や離型剤などの定着助剤、その他帯電助剤、鎖延長剤など、一般の重合反応およびトナー製造に必要な成分を予め混合しておくことも可能である。
本発明に用いることができる結着樹脂は、その重合時に連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、特に制限はないが、チオール成分を有する化合物を好ましく用いることができる。具体的には、ヘキシルメルカプタン、ヘプチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類が好ましく例示できる。連鎖移動剤を用いることで、結着樹脂における分子量分布が狭くなるため、高温時のトナーの保存性が良好になり好ましい。
本発明に用いることができる結着樹脂には、必要に応じて架橋剤を添加し、架橋樹脂とすることもできる。架橋剤としては、分子内に2以上のエチレン型重合性不飽和基を有する多官能単量体が代表的である。
このような架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類;フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル/トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類;ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類;ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール−2−カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類;ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル/ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル/ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’−チオジプロピオン酸ジビニル、trans−アコニット酸ジビニル/トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多ビニルエステル類等が挙げられる。
本発明において、これらの架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いても良い。また、上記架橋剤のうち、本発明における架橋剤としては、ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類などを用いることが好ましい。
前記架橋剤の好ましい含有量は、重合性単量体総量の0.05〜5重量%の範囲が好ましく、0.1〜1.0重量%の範囲がより好ましい。
本発明のトナーに用いる結着樹脂のうち、重合性単量体のラジカル重合により製造することができるものはラジカル重合用開始剤を用いて重合することができる。
ここで用いるラジカル重合用開始剤としては、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類、1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
また、結着樹脂の製造において、水系媒体中にて重縮合及び/又は重合を行う場合に、単量体の粒子エマルジョンをなすには、例えば、共界面活性剤を加えた単量体溶液(油相)と、界面活性剤の水系媒体溶液(水相)とを、ピストンホモジナイザー、マイクロ流動化装置(例えば、マイクロフルー、ディックス社製「マイクロフルーダイザー」)、超音波分散機等の剪断混合装置によって均一に混合し、乳化させる方法が例示できる。その際、水相に対する油相の仕込み量は、水相と油相との合計量に対して0.1〜50重量%程度であることが好ましい。界面活性剤の使用量は、形成されるエマルジョンの存在下において臨界ミセル濃度(CMC)未満とすることが好ましく、又、共界面活性剤の使用量は、油相100重量部に対して、好ましくは0.1〜40重量部であり、更に好ましくは0.1〜20重量部である。
なお、前述のように、臨界ミセル濃度(CMC)未満の界面活性剤量及び共界面活性剤の併用による単量体エマルジョンの重合開始剤の存在下での該単量体の重合である“ミニエマルジョン重合法”は、単量体粒子(油滴)内で付加重合性単量体が重合することから均一な重合体粒子が形成されるので好ましい。更に、本発明において、重縮合性/付加重合性複合重合体においても、“ミニエマルジョン重合法”では、重合過程において単量体の拡散が不要なことから、重縮合性重合体はそのまま重合体粒子内に存在し得る利点を有する。
また、例えば、J. S. Guo, M. S. El-Aasser, J. W. Vanderhoff; J. Polym. Sci.: Polym. Chem. Ed., 第27巻, 691頁(1989)等に記載されている、粒子径5〜50nmの粒子の所謂“マイクロエマルジョン重合法”は、本発明における“ミニエマルジョン重合法”と同様の分散構造及び重合機構を有するものであり、本発明において使用することができる。“マイクロエマルジョン重合法”は、臨界ミセル濃度(CMC)以上の界面活性剤を多量に使用するものであり、得られる重合体粒子中に多量の界面活性剤が混入するとか、或いは、その除去のために水洗浄、酸洗浄、或いはアルカリ洗浄等の工程に多大な時間を要する等の問題が生じる場合がある。
さらに、結着樹脂の製造において水系媒体中にて重縮合及び/又は重合を行う場合に、共界面活性剤を用いることが好ましく、単量体総量に対し0.1〜40重量%の共界面活性剤を用いることがより好ましい。共界面活性剤は、所謂ミニエマルジョン重合において、オストワルト熟成を減少させるために添加される。共界面活性剤としては、一般にミニエマルジョン法の共界面活性剤として公知のものを使用できる。
好適な共界面活性剤の例としては、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の炭素数8〜30のアルカン類、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数8〜30のアルキルアルコール類、ラウリルメルカプタン、セチルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等の炭素数8〜30のアルキルメルカプタン類、及び、その他、アクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類とこれらのポリマー、ポリスチレン、ポリエステル等のポリマー又はポリアダクト類、カルボン酸類、ケトン類、アミン類等が挙げられるが、これらに限定されない。
以上に例示した共界面活性剤のうち、好ましく使用されるものとしては、ヘキサデカン、セチルアルコール、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、ポリエステル、ポリスチレンである。特に、揮発性有機物質の発生を回避する目的では、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、ポリエステル、ポリスチレンがさらに好ましい。
上記共界面活性剤に使用できる、重合体、重合体を含む組成物には、例えば、他の単量体との共重合体、ブロック共重合体、混合物等を含むことができる。また、複数の共界面活性剤を併用することもできる。
共界面活性剤は、油相及び水相のいずれにも添加することができる。
本発明のトナーの製造において、例えば、前記懸濁重合法における分散時の安定化、前記乳化重合凝集法における樹脂粒子分散液、着色剤分散液、及び、離型剤分散液等の分散安定を目的として界面活性剤を用いることができる。
上記界面活性剤としては、例えば硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤がより好ましい。
本発明のトナーにおいては、一般的にはアニオン系界面活性剤は分散力が強く、樹脂粒子、着色剤の分散に優れている。また、離型剤を分散させるための界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤を用いることが有利である。
非イオン系界面活性剤は、前記アニオン系界面活性剤またはカチオン系界面活性剤と併用することが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩類;スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
カチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼントリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
界面活性剤の各分散液中における含有量としては、本発明を阻害しない程度であれば良く、一般的には少量であり、具体的には0.01〜3重量%の範囲であり、より好ましくは0.05〜2重量%の範囲であり、さらに好ましくは0.1〜2重量%の範囲である。含有量が上記範囲内であると、樹脂粒子分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液等の各分散液が安定であり、凝集や特定粒子の遊離も生じず、また、カルシウム化合物の添加量に影響を与えず、本発明の効果が十分に得られる。一般的には粒子径の大きい懸濁重合トナー分散物は、界面活性剤の使用量が少量でも安定である。
前記懸濁重合法等に用いる前記分散安定剤としては、難水溶性で親水性の無機微粉末を用いることができる。使用できる無機微粉末としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム(ヒドロキシアパタイト)、クレイ、ケイソウ土、ベントナイト等が挙げられる。これらの中でも炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム等は微粒子の粒度形成の容易さと、除去の容易さの点で好ましい。
また、常温で固体の水性ポリマー等も分散安定剤として用いることができる。具体的には、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系化合物、ポリビニルアルコール、ゼラチン、デンプン、アラビアゴム等が使用できる。
<帯電制御剤>
本発明のトナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度(%)の制御と廃水汚染の低減との点で、水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。なお、本発明のトナーは、磁性材料を内包する磁性トナー及び磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
<凝集剤>
本発明におけるトナーの製造に乳化凝集合一法を用いた場合、凝集工程においてpH変化により凝集を発生させ、粒子を調製することができる。同時に粒子の凝集を安定に、また迅速に、またはより狭い粒度分布を持つ凝集粒子を得るため、凝集剤を添加しても良い。
該凝集剤としては一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、その化合物の具体例としては、前述のイオン性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の水溶性界面活性剤類、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類等が挙げられる。
凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮した場合、凝集剤としては、無機酸の金属塩が性能、使用の点で好ましい。具体的には塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩などが挙げられる。
これらの凝集剤の添加量は、電荷の価数により異なるが、いずれも少量であって、一価の場合トナーの全量に対して3重量%以下程度、二価の場合は1重量%以下程度、三価の場合は0.5重量%以下程度である。凝集剤の量は少ない方が好ましいため、価数の多い化合物を用いることが好ましい。
<着色剤>
本発明に用いることができる着色剤としては特に制限はなく公知の着色剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。着色剤を1種単独で用いてもよいし、同系統の着色剤を2種以上混合して用いてもよい。また異系統の着色剤を2種以上混合して用いてもよい。さらに、これらの着色剤を表面処理して用いてもよい。
着色剤の具体例としては、以下に示すような黒色、黄色、橙色、赤色、青色、紫色、緑色、白色系の着色剤を例示することができる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化カルシウム、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ファストイエロー、ファストイエロー5G、ファストイエロー5GX、ファストイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等が例示できる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等が例示できる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が例示できる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、ウルトラマリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG等の有機、無機系着色剤類が例示できる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が例示できる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が例示できる。
<着色剤の分散方法>
本発明のトナーにおける着色剤は、公知の方法を用いて結着樹脂中に分散することができる。トナーが混練粉砕法によるものであれば、そのまま用いても良く、また予め樹脂中に高濃度に分散させた後、混練時に結着樹脂とともに混練する、いわゆるマスターバッチを用いても良く、更には着色剤合成後に乾燥前のウェットケーキの状態で樹脂中に分散させるフラッシングを用いても良い。
上記の着色剤は、懸濁重合法によるトナー作製にそのまま用いることができ、懸濁重合法においては、樹脂中に分散させた着色剤を重合性単量体中に溶解、または分散させることにより、造粒粒子中に着色剤を分散することができる。
トナー製法が乳化重合凝集法の場合は、着色剤を界面活性剤等の分散剤とともに機械的な衝撃等により、水系媒体中に分散することにより着色剤分散液を作製し、これを樹脂粒子等とともに凝集させトナー粒径に造粒することによって、得ることができる。
機械的な衝撃等による着色剤分散の具体例としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を用いて着色剤粒子の分散液を調製することができる。また、これらの着色剤は極性を有する界面活性剤を用いて、ホモジナイザーによって水系に分散することもできる。
着色剤は、定着時の発色性を確保するために、トナーの固体分総重量に対して、4〜15重量%の範囲で添加することが好ましく、4〜10重量%の範囲で添加することがより好ましい。ただし、黒色着色剤として磁性体を用いる場合は、12〜48重量%の範囲内で添加することが好ましく、15〜40重量%の範囲で添加することがより好ましい。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、黒色トナー、白色トナー、緑色トナー等の各色トナーが得られる。
<離型剤>
本発明のトナーは、必要に応じて、離型剤を添加してもよい。離型剤は一般に離型性を向上させる目的で使用される。
前記離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが例示できる。本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの離型剤の添加量としては、トナー粒子の全量に対して、1〜20重量%であることが好ましく、5〜15重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、離型剤の効果が十分であり、また、現像機内部においてトナー粒子が破壊されにくいため、離型剤のキャリアへのスペント化が生じず、帯電も低下しにくいので好ましい。
<離型剤の分散方法>
本発明のトナーにおける離型剤は、公知の方法を用いて結着樹脂中に分散することができる。懸濁重合法によるトナー作製にそのまま用いることができるが、樹脂中に混練等により分散させた離型剤を重合性単量体中に溶解、または分散させることにより、造粒粒子中に着色剤を分散することができる。
トナー製法が乳化重合凝集法の場合は、離型剤を界面活性剤等の分散剤とともに機械的なせん断力等により、水系媒体中に分散することにより離型剤分散液を作製し、これを樹脂粒子等とともに凝集させトナー粒径に造粒することによって、得ることができる。
機械的なせん断力等による離型剤分散の具体例としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を用いて離型剤粒子の分散液を調製することができる。
<磁性体>
本発明の静電荷像現像用トナーは、必要に応じ磁性体を含有してもよい。
前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属若しくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、または二酸化クロム、その他を挙げることができる。例えば黒色のトナーを得る場合においては、それ自身黒色であり着色剤としての機能をも発揮するマグネタイトを特に好ましく用いることができる。またカラートナーを得る場合においては、金属鉄などのように黒みの少ないものが好ましい。またこれらの磁性体のなかには着色剤としての機能をも果たすものがあり、その場合には着色剤として兼用してもよい。これらの磁性体の含有量は、磁性トナーとする場合にはトナー100重量部当り20〜70重量部が好ましく、より好ましくは40〜70重量部である。
<内添剤>
本発明のトナーは、トナー内部に内添剤を添加してもよい。内添剤は一般に定着画像の粘弾性制御の目的で使用される。
前記内添剤の具体例としては、シリカ、チタニアのような無機粒子や、ポリメチルメタクリレート等の有機粒子などが例示でき、また、分散性を高める目的で表面処理されていてもよい。またそれらは単独でも、2種以上の内添剤を併用してもよい。
<外添剤>
本発明のトナーには、流動化剤や帯電制御剤等の外添剤を添加処理してもよい。
外添剤としては、表面をシランカップリング剤などで処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、カーボンブラック等の無機粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー粒子、アミン金属塩、サリチル酸金属錯体等、公知の材料を用いることができる。本発明に用いることができる外添剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナーの累積体積平均粒径D50は3.0〜9.0μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは3.0〜5.0μmの範囲である。D50が3.0μm以上であると、付着力が適度であり、現像性が良好であるため好ましい。また、D50が9.0μm以下であると画像の解像性に優れるため好ましい。
また、本発明のトナーの体積平均粒度分布指標GSDvは1.30以下であることが好ましい。GSDvが1.30を以下であると解像性が良好であり、トナー飛散やカブリ等が起こりにくく、画像欠陥が生じにくいため好ましい。
本発明のトナーの累積体積平均粒径D50や平均粒度分布指標は、例えば、コールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16P、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50P、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84Pと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16V1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84P/D16P1/2として算出される。
また、トナーの形状係数であるSF1は110〜140の範囲であることが好ましく、より好ましくは120〜140である。電子写真工程における転写工程においては球形トナーほど転写されやすく、また、クリーニング工程においては不定形トナーほどクリーニングが容易であるのは公知である。
SF1は、トナー粒子表面の凹凸の度合いを示す形状係数であり、以下のようにして算出される。トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナー粒子についてトナー粒子の最大長の2乗/投影面積((ML)2/A)から、下記式のSF1を計算し、平均値を求めることにより得られたものである。
Figure 0004631787
式中、MLはトナー粒子の最大長を示し、Aは粒子の投影面積を示す。
(静電荷像現像用トナーの製造方法)
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法としては、粉砕法等の機械的製法、又は、該結着樹脂を使用して樹脂粒子分散液を製造し、樹脂粒子分散液からトナーを製造する、いわゆる化学製法によりトナーを製造することができる。本発明のトナーは、いわゆる、粉砕トナー又は重合トナーのいずれであってもよいが、重合トナーであることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法としては、混練粉砕法、乳化重合凝集法、懸濁重合法等、公知の方法であれば、特に制限はないが、特に好ましいのは乳化重合凝集法である。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、乳化重合凝集法である、少なくとも結着樹脂粒子及び前記式(1)で表されるアミドエステルを含む分散液中で該樹脂粒子及び該アミドエステルを凝集して凝集粒子を得る工程(以下、「凝集工程」ともいう。)、及び、該凝集粒子を加熱して融合させる工程(以下、「融合工程」ともいう。)を含む方法であることが好ましい。
前記凝集工程において式(1)で表されるアミドエステルは、前記凝集工程において、結着樹脂やその他の成分と同時又は逐次混合してもよく、また、結着樹脂の作製時において、結着樹脂に混合し、式(1)で表されるアミドエステルを含有した結着樹脂として用いてもよい。
また、乳化重合凝集法において、式(1)で表されるアミドエステルは、乳化剤と同時に添加することが好ましい。粉砕法において、式(1)で表されるアミドエステルは、着色剤と同時に添加することが好ましい。
前記凝集工程において結着樹脂を、結着樹脂粒子分散液として用いることが好ましい。
結着樹脂を水系媒体中に分散、粒子化する方法としては、例えば、強制乳化法、自己乳化法、転相乳化法など、既知の方法からも選択することができる。これらのうち、乳化に要するエネルギー、得られる乳化物の粒径制御性、安定性等を考慮すると、自己乳化法、転相乳化法が好ましく適用される。
自己乳化法、転相乳化法に関しては、「超微粒子ポリマーの応用技術(シーエムシー出版)」に記載されている。自己乳化に用いる極性基としては、カルボキシル基、スルホン基等を用いることができる。
前記樹脂粒子分散液の作製において有機溶剤を用いた場合、有機溶剤の一部を除去し、樹脂粒子を形成することが好ましい。
例えば、結着樹脂含有物を乳化後、有機溶剤の一部を除去することにより粒子として固形化するのが好ましい。固形化の具体的方法としては、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した後、溶液を撹拌しながら空気、あるいは窒素等の不活性ガスを送り込みながら、気液界面での有機溶剤の乾燥を行う方法(廃風乾燥法)、又は、減圧下に保持し必要に応じて不活性ガスをバブリングしながら乾燥を行う方法(減圧トッピング法)、更には、重縮合樹脂含有物を水系媒体中に乳化分散した乳化分散液若しくは重縮合樹脂含有物の乳化液を細孔からシャワー状に放出し例えば皿状の受けに落としこれを繰り返しながら乾燥させる方法(シャワー式脱溶剤法)などがある。使用する有機溶剤の蒸発速度、水への溶解度などからこれら方式を適時選択、あるいは組み合わせて脱溶剤を行うのが好ましい。
前記樹脂粒子分散液のメジアン径(中心径)は、0.05μm以上2.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上1.5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上1.0μm以下である。このメジアン径が上記範囲となることで、上述のように水系媒体中における樹脂粒子の分散状態が安定するため好ましい。また、トナー作製に用いた場合、粒径の制御が容易であり、また、定着時の剥離性やオフセット性に優れるため好ましい。
なお、樹脂粒子のメジアン径は、例えば、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定することができる。
前記凝集工程における凝集法としては、特に限定されるものではなく、従来より静電荷像現像用トナーの乳化重合凝集法において用いられている凝集法、例えば、昇温、pH変化、塩添加等によってエマルジョンの安定性を低減化させてディスパーザー等で撹拌する方法等が用いられる。
また、前記凝集工程においては、例えば、互いに混合された樹脂粒子分散液、着色剤分散液、及び、必要に応じて離型剤分散液中の各粒子が凝集してトナー粒径の凝集粒子を形成することができる。該凝集粒子はヘテロ凝集等により形成され、また、該凝集粒子の安定化、粒度/粒度分布制御を目的として、前記凝集粒子とは極性が異なるイオン性界面活性剤や、金属塩等の一価以上の電荷を有する化合物が添加することができる。
また、前記凝集工程においては、例えば、水相中に乳化分散された油滴を、重合開始剤の存在下に該油滴中の単量体を重合させることにより樹脂重合体粒子となし、次いで、形成された重合体粒子を、少なくとも着色剤粒子を含む粒子(着色剤が前記重合工程において樹脂中に予め添加されている場合は、それ自体が着色粒子)を凝集(会合)させる既知の凝集法により凝集(会合)させることによりトナー粒子径及び分布を調整することが可能である。好適には、乳化重合凝集法におけるトナー粒子の製造が用いられる。詳細には、得られた樹脂粒子分散液を、前記式(1)で表されるアミドエステル、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液などと混合し、さらに凝集剤を添加し、ヘテロ凝集を生じさせることによりトナー径の凝集粒子を形成し、その後、樹脂粒子のガラス転移点以上または融点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一し、洗浄、乾燥することにより得ることができる。この製法は加熱温度条件を選択することでトナー形状を不定形から球形まで制御できる。
前記凝集工程においては、2種類以上の樹脂粒子分散液を混合し、凝集以降の工程を実施することも可能である。その際、樹脂粒子分散液を予め凝集し、第一の凝集粒子を形成後、さらに別の樹脂粒子分散液を添加し、第一の凝集粒子表面に第二のシェル層を形成する等、粒子を多層化することも可能である。また、当然に前記例と逆の順序で多層粒子を作製することも可能である。
更に、凝集処理後、粒子表面からの着色剤の滲出を抑える等の目的で、熱処理を施す等により粒子表面を架橋させてもよい。なお、用いられた界面活性剤等は、必要に応じて、水洗浄、酸洗浄、あるいはアルカリ洗浄等によって除去してもよい。
前記融合工程においては、前記凝集粒子中の結着樹脂が、その融点又はガラス転移点以上の温度条件で溶融し、凝集粒子は不定形からより球形へと変化する。その後、凝集物を水系媒体から分離、必要に応じて洗浄、乾燥させることによってトナー粒子を形成する。
凝集工程及び融合工程終了後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナーを得てもよい。洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
前記粉砕トナーは、公知の方法により製造することができ、例えば、混練粉砕法等により製造することができる。
混練粉砕法により粉砕トナーを製造する場合は、上記のように製造した結着樹脂を予め他のトナー原材料と、溶融混練前に、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等で攪拌混合されることが好ましい。このとき、撹拌機容量、撹拌機の回転速度、撹拌時間等を組み合わせて選択しなければならない。
次いで、結着樹脂と他のトナー原材料との撹拌物は、公知の方法により溶融状態での混練を行う。一軸又は多軸押出し機による混練が、分散性が向上するため好ましい。このとき混練装置のニーディングスクリュウゾーン数、シリンダー温度、混練速度等を全て適切な値に設定し、制御する必要がある。混練時の各制御因子のうち、混練状態に特に大きな影響を与えるのは、混練機の回転数と、ニーディングスクリュウゾーン数、シリンダー温度である。一般に、回転数は300〜1,000rpmが望ましく、ニーディングスクリュウゾーン数は1段よりも2段スクリュウ等多段ゾーンを用いたほうがよりよく混練される。シリンダー設定温度は、例えば、結着樹脂の主成分が、非結晶性ポリエステルである場合、非結晶性ポリエステルの軟化温度より決定し、通常軟化温度よりも−20〜+100度程度が好ましい。上記範囲であると、充分な混練分散が得られ、凝集が起こりにくく、混練シェアが掛かり、充分な分散及び混練後の冷却が容易にできるため好ましい。
溶融混練された混練物は十分に冷却した後、ボールミル、サンドミル、ハンマーミル等の機械的粉砕方法、気流式粉砕方法等の公知の方法で粉砕する。常法での冷却が充分できない場合は、冷却又は凍結粉砕法も選択できる。
トナーの粒度分布を制御する目的で、粉砕後のトナーを分級することもある。分級により、不適切な径の粒子を排除することにより、トナーの定着性や画像品質を向上する効果がある。
(静電荷像現像剤)
以上説明した本発明の静電荷像現像用トナーは、静電荷像現像剤として使用することができる。この現像剤は、この静電荷像現像用トナーを含有することのほかは特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
本発明に用いることができるキャリアとしては、特に限定されないが、通常、鉄粉、フェライト、酸化鉄粉、ニッケル等の磁性体粒子;磁性体粒子を芯材としてその表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、樹脂被覆層を形成させてなる樹脂被覆キャリア;結着樹脂中に磁性体粒子を分散させてなる磁性体分散型キャリア等が挙げられる。中でも、樹脂被覆キャリアは、トナーの帯電性やキャリア全体の抵抗を樹脂被覆層の構成により制御可能となるため特に好ましい。
二成分系の静電荷像現像剤における本発明のトナーとキャリアとの混合割合は、通常、キャリア100重量部に対して、トナー2〜10重量部であることが好ましい。また、現像剤の調製方法は、特に限定されないが、例えば、Vブレンダー等で混合する方法等が挙げられる。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーとして本発明の静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする。
本発明の画像形成方法としては、上記のような特定のトナーを用いて現像剤を調製し、それを用いて常用の電子写真複写機により静電荷像の形成および現像を行い、得られたトナー像を転写紙上に静電転写した上加熱ローラの温度を一定温度に設定した加熱ローラ定着器により定着して複写画像を形成する。
本発明の画像形成方法は、転写紙上のトナーと加熱ローラとの接触時間が1秒間以内、特に0.5秒間以内であるような高速定着を行う際に特に好ましく用いられる。
また、本発明の静電荷像現像剤(静電荷像現像用トナー)は、通常の静電荷像現像方式(電子写真方式)の画像形成方法に使用することができる。本発明の画像形成方法は、具体的には、例えば、静電潜像形成工程、トナー画像形成工程、転写工程、及びクリーニング工程を含む。前記各工程は、それ自体一般的な工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担体上に静電潜像(静電荷像)を形成する工程である。前記トナー画像形成工程は、現像剤担体上の現像剤層により前記静電潜像を現像してトナー画像を形成する工程である。前記現像剤層としては、前記本発明の静電荷像現像用トナーを含有する本発明の静電荷像現像剤を含んでいれば特に制限はない。前記転写工程は、前記トナー画像を転写体上に転写する工程である。前記クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留する静電荷像現像剤を除去する工程である。
本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像用トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、本発明の静電荷像現像用トナー、又は、本発明の静電荷像現像剤を用いる画像形成装置である。
また、本発明の画像形成装置は、前記画像形成方法を行うことができる装置であることが好ましく、また、潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー組成物を用いて現像する現像手段と、前記トナー画像を記録材に転写する転写手段とを含む画像形成装置であることが好ましい。
前記転写手段では、中間転写体を用いて2回以上の転写を行ってもよい。
特に、本発明の画像形成方法におけるフルカラー画像形成では、用紙汎用性、高画質の観点から、各色のカラートナー画像を、中間転写体としての中間転写ベルトまたは中間転写ドラム表面に一旦転写して積層させた後、該積層されたカラートナー画像を一度に紙等の記録材表面に転写する、あるいは搬送ベルトにより搬送された記録材へ直接、各色のカラー画像を積層転写してもよい。
また、前記画像形成装置としては、特に前記潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電荷像をトナーを用いて現像する現像手段と、前記トナー画像を中間転写体、あるいは記録材に転写する転写手段とを複数備えるもの、すなわち、タンデム型の画像形成装置であってもよい。
前記静電潜像担持体、及び、上記の各手段は、前記の画像形成方法の各工程で述べた構成を好ましく用いることができる。
前記の各手段は、いずれも画像形成装置において公知の手段が利用できる。また、本発明の画像形成装置は、前記した構成以外の手段や装置等を含むものであってもよい。また、本発明の画像形成装置は、前記した手段のうちの複数を同時に行っても良い。
(印刷物)
本発明の印刷物は、本発明の式(1)で表されるアミドエステルを含む静電荷像現像用トナーを用いて形成された画像を有する印刷物であり、本発明の画像形成方法、又は、本発明の画像形成装置により形成された画像を有する印刷物であることが好ましい。なお、前記「画像」とは、絵などの画像のみでなく、文字や文章等も含む広義の画像を意味する。
また、本発明の印刷物は、本発明のトナーにより形成された画像が印刷物の一部にあればよい。
トナー画像を転写する被記録体としては、トナー画像の形成が可能であれば、特に制限はないが、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が好ましく挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被記録体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
本実施例のトナーは、下記の樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液をぞれぞれ調製し、これを所定の割合で混合し撹拌しながら、金属塩の重合体を添加し、イオン的に中和させて凝集粒子を形成する。次いで、無機水酸化物を添加して系内のpHを弱酸性から中性に調整した後、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して融合・合一する。反応終了後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の工程を経て所望のトナーを得る。以下、それぞれの調製方法を説明する。
<結晶融点及びガラス転移点の測定>
示差走査熱量測定法(DSC)に従い、DSC−20(セイコー電子工業社製)を使用し、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加熱し、ベースラインと吸熱ピークから融点を求めた。
<重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの測定>
重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの値は、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって、以下に記す条件で重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定した。温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し、測定を行った。また、試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択するものとする。
なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、
重量平均分子量Mw=28.8×104
数平均分子量Mn=13.7×104
となることにより確認することができる。
また、用いたGPCのカラムとしては、TSK−GEL、GMH(東ソー(株)製)を。
なお、溶媒及び測定温度は、測定試料にあわせ、適当な条件に変更して行った。
ポリエステルとして脂肪族ポリエステルを用い、付加重合型樹脂として芳香族を含むモノマーを用いた樹脂粒子分散液を作製した場合、両者の分子量をGPCで解析する際、検出器としてにUVとRIを分離する装置を後付けし、それぞれの分子量を解析する事もできる。
(樹脂粒子分散液(A)の調製)
・ドデシルベンゼンスルホン酸:36重量部
・1,9−ノナンジオール:80重量部
・1,10−デカメチレンジカルボン酸:115重量部
・イオン交換水:1,000重量部
上記配合に従って、まず、ドデシルベンゼンスルホン酸、1,9−ノナンジオール、及び1,10−デカメチレンジカルボン酸を混合し、120℃に加熱し融解した後、この油系の溶液を95℃に加熱したイオン交換水へ投入し、直後にホモジナイザー(IKA 社製、ウルトラタラックス)で5分間乳化した。その後、さらに超音波バス中で5分乳化後、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で70℃に維持し、15時間保持した。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が400nm、融点が70℃、重量平均分子量が5,500、固形分量が18%の結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(A)を得た。
また、樹脂粒子分散液(A)の粒子は、メジアン径が0.03μm以下又は5.0μm以上の粒子の全体比率(以下、大小粒子全体比率と記載)が、1.2%であった。
(樹脂粒子分散液(B)の調製:非結晶性ビニル系樹脂ラテックス)
・スチレン:460重量部
・n−ブチルアクリレート:140重量部
・アクリル酸:12重量部
・ドデカンチオール:9重量部
上記配合に従って、各成分を混合溶解して溶液を調製した。他方、アニオン性界面活性剤(ローディア社製、ダウファックス)12重量部をイオン交換水250重量部に溶解し、前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化した(単量体乳化液A)。さらに、同じくアニオン性界面活性剤(ローディア社製、ダウファックス)1重量部を555重量部のイオン交換水に溶解し、重合用フラスコに仕込んだ。重合用フラスコを密栓し、還流管を設置し、窒素を注入しながら、ゆっくりと撹拌しながら、75℃まで重合用フラスコをウオーターバスで加熱し、保持する。
次に、過硫酸アンモニウム9重量部をイオン交換水43重量部に溶解し、重合用フラスコ中に定量ポンプを介して、20分かけて滴下した後、単量体乳化液Aをやはり定量ポンプを介して200分かけて滴下する。
その後、ゆっくりと撹拌を続けながら重合用フラスコを75℃に、3時間保持して重合を終了する。
これにより粒子の中心径(メジアン径)が210nm、ガラス転移点が53.5℃、重量平均分子量が31,000、固形分量が42%のアニオン性樹脂粒子分散液(B)を得た。
また、樹脂粒子分散液(B)の粒子は、大小粒子全体比率が0.2%であった。
(着色剤粒子分散液(Y)の調製)
・黄色顔料(大日精化社製、C.I.Pigment Yellow 74):50重量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製、ネオゲンRK):5重量部
・イオン交換水200重量部
上記配合に従って、成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)5分と超音波バスにより10分間分散し、中心径(メジアン径)240nm、固形分量21.5%のYellow着色剤粒子分散液(1)を得た。
(着色剤粒子分散液(C)の調製)
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりにシアン顔料(大日精化社製、銅フタロシアニン C.I.Pigment Blue 15:3)を用いた以外は着色剤粒子分散液(Y)と同様に調製して、中心径(メジアン径)190nm、固形分量21.5%のCyan着色剤粒子分散液(C)を得た。
(着色剤粒子分散液(M)の調製)
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりにマゼンタ顔料(大日インキ化学社製、C.I.Pigment Red 122)を用いた以外は、着色剤粒子分散液(Y)と同様に調製して、中心径(メジアン径)165nm、固形分量21.5%の着色剤粒子分散液(M)を得た。
(着色剤粒子分散液(BK)の調製)
着色剤粒子分散液(1)の調製において、黄色顔料の代わりに黒顔料(キャボット社製、カーボンブラック リーガル330)を用いた以外は、着色剤粒子分散液(Y)と同様に調製して、中心径(メジアン径)170nm、固形分量21.5%の着色剤粒子分散液(BK)を得た。
(離型剤粒子分散液の調製)
・パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP9;融点70℃):50重量部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル製ダウファクス):5重量部
・イオン交換水200重量部
上記配合に従って、成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で分散処理し、中心径(メジアン径)180nm、固形分量21.5%の離型剤粒子分散液を得た。
(パール光沢付与剤(N−ステアロイル−N−メチルアミノエチルステアレート)の合成)
ステアリン酸メチル100重量部とN−メチルエタノールアミン26重量部に、28%ナトリウムメチラート50重量部を添加し、90℃でメタノールを除去しながらアミド化反応を行った。その後、35%塩酸66重量部を用いてナトリウムメチラートを分解し、脱水後、濾過して塩化ナトリウムを取り除いた。固形物100重量部にステアリン酸33重量部を添加し、170℃で脱水しながらエステル化反応を行うことによりN−ステアロイル−N−メチルアミノエチルステアレートを得た。
〔フルカラートナー実施例1〕
(トナー粒子の調製)
・N−ステアロイル−N−メチルアミノエチルステアレート:10重量部
・樹脂粒子分散液(A):233重量部(樹脂42重量部)
・樹脂粒子分散液(B):50重量部(樹脂21重量部)
・着色剤粒子分散液(Y):40重量部(顔料8.6重量部)
・離型剤粒子分散液:40重量部(離型剤8.6重量部)
・ポリ塩化アルミニウム:0.15重量部
・イオン交換水:300重量部
上記配合に従って、成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら42℃まで加熱し、42℃で60分間保持した後、樹脂粒子分散液(B)を50重量部(樹脂21重量部)追加して緩やかに撹拌した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0に調整した後、撹拌を継続しながら95℃まで加熱した。95℃までの昇温の間、通常の場合、系内のpHは、5.0以下まで低下するが、ここでは水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが5.5以下とならない様に保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、真空乾燥を12時間行いトナー粒子を得た。
このトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、累積体積平均粒径D50が4.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は130のポテト形状であった。
上記トナー粒子50重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)1.2重量部を添加し、サンプルミルで混合して外添トナーを得た。
そして、ポリメチルメタアクリレート(綜研化学社製)を1%被覆した平均粒径50μmのフェライトキャリアを用い、トナー濃度が5%になるように前記の外添トナーを秤量し、両者をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤を調製した。
(トナーの評価)
上記現像剤を使用し、富士ゼロックス社製のDocuCentreColor500の改造機において、転写用紙として富士ゼロックス社製Jコート紙を使用し、プロセススピードを180mm/secに調整してトナーの定着性を調べたところ、PFAチューブ定着ロールによるオイルレス定着性は良好であり、最低定着温度(この温度は、画像の布摺擦により、画像の汚染で判定)は120℃以上で、画像は充分な定着性を示すとともに転写用紙は何ら抵抗無く剥離されていることが確認された。この定着温度140℃における画像の表面光沢は65%と良好であり、現像性、転写性とも良好であり、画像欠陥もなく高品質で良好な画像(○)を示した。定着温度200℃においてもホットオフセットの発生は見られなかった。
また、トナーの調製前に、用いた樹脂粒子分散液(1)の安定性を、樹脂粒子分散液100gを300mlステンレスビーカーに秤取し、ビーカー中でIKA社製ウルトラタラックスT50で1分間せん断ホモジナイズ後、77ミクロンナイロンメッシュで樹脂粒子分散液をろ過し、凝集発生の有無を観察する方法により調べたところ、凝集物の発生は、まったく見られず分散液は安定な状態(◎)であった。
〔実施例2〕
N−ステアロイル−N−メチルアミノエチルステアレートを60重量部に、また着色剤粒子分散液(Y)を着色剤粒子分散液(C)に変更した以外は実施例1と同様にトナー、及び、現像剤を調製し、評価を行った。
〔実施例3〕
N−ステアロイル−N−メチルアミノエチルステアレートを40重量部に、また着色剤粒子分散液(Y)を着色剤粒子分散液(M)に変更した以外は実施例1と同様にトナー、及び、現像剤を調製し、評価を行った。
〔実施例4〕
N−ステアロイル−N−メチルアミノエチルステアレートを5重量部に、また着色剤粒子分散液(Y)を着色剤粒子分散液(BK)に変更した以外は実施例1と同様にトナーを作製し、評価を行った。
〔比較例1〜3〕
N−ステアロイル−N−メチルアミノエチルステアレートを添加しなかった以外はそれぞれ実施例1〜4と同様の方法でトナー、及び、現像剤を調製し、評価を行った。
実施例1〜4、及び、比較例1〜3で得られたトナー、及び、現像剤を用い、以下の評価を行った。これらの評価結果を以下の表1に示す。
<光沢度の評価>
前記記載の方法にて得られた現像剤を、富士ゼロックス社製DocuCentreColor500CP改造機を用い、140℃にて定着を行った画像サンプルに対し、村上色彩技術研究所製GM26Dを用い、画像サンプルへの入射光角度が60度の条件で光沢度の測定を行った。
<パール光沢の有無>
パール光沢の有無に関しては、目視で評価した。
Figure 0004631787
表1より、本発明の前記式(1)で表されるアミドエステルを含む静電荷像現像用トナーは、高い光沢を有し、かつ、パール光沢を有する画像を得ることができた。一方、比較例では、パール光沢を得ることができない。

Claims (5)

  1. 式(1)で表されるアミドエステルを含むことを特徴とする
    静電荷像現像用トナー。
    Figure 0004631787
    (式(1)中、R1CO−及びR2CO−は、それぞれ独立に、炭素数16〜24の水酸基を有していてもよい飽和又は不飽和のアシル基を表し、R3は、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を表し、R4は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基又は炭素数2〜6の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニレン基を表す。)
  2. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤。
  3. 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、
    前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
    前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程、及び、
    前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、
    前記トナーとして請求項1に記載の静電荷像現像用トナー、又は、前記現像剤として請求項2に記載の静電荷像現像剤を用いる
    画像形成方法。
  4. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナー、又は、請求項2に記載の静電荷像現像剤を用いる画像形成装置。
  5. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーにより形成された画像を有する印刷物。
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