JP5444734B2 - マイクロ波処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子を用いて構成したマイクロ波発生部を備えたマイクロ波処理装置に関するものである。
従来のこの種のマイクロ波処理装置は、一般には直方体形状の加熱室で構成され、一つあるいは複数の給電部を備えている。複数の給電部の構成としては、給電部を加熱室の上壁面と底壁面に設け、専用のマイクロ波発生部からそれぞれの給電部にマイクロ波を供給したものがある。
また、被加熱物の加熱の均一化を促進することを狙いとして、加熱室を6面以上の多面体に形成し、各壁面の一部あるいは全部の面から給電部である放射アンテナを加熱室内に突出して配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、互いの放射アンテナを異なる面に配したことで、互いの干渉を防止できるとしている。さらには、放射アンテナがそれぞれ異なる方向を向いているので、放射された電波は加熱室内のあらゆる方向に伝播し、壁面にて反射して散乱するため、加熱室内で電波は均一に分布するとしている。
また、固体発振器が接続された各アンテナのうち、少なくとも2個を加熱室の同一壁面に配置させるものがある(例えば、特許文献2参照)。そして、アンテナの設置数を増やすことにより加熱むらが少なくなり、均一加熱ができ、かつアンテナ相互の向き関係により反射波の影響をも無くすとしている。
また、位相器を備えたものとして、半導体発振部と、発振部の出力を複数に分割する分配部と、分配された出力をそれぞれ増幅する複数の増幅部と、増幅部の出力を合成する合成部とを有し、分配部と増幅部との間に位相器を設けたものがある(例えば、特許文献3参照)。そして、位相器は、ダイオードのオンオフ特性により、マイクロ波の通過線路長を切り替える構成としている。また、合成部は90度および180度ハイブリッドを用いることで、合成部の出力を2つにすることができ、位相器を制御することで2出力の電力比を変化させたり、2出力間の位相を同相あるいは逆相にすることができるとしている。
また、この種のマイクロ波処理装置は、電子レンジに代表されるように、一般にはマイクロ波発生部にマグネトロンと称される真空管を用いている。
特開昭52−19342号公報 実開昭52−16654号公報 特開昭56−132793号公報
しかしながら、前記従来の複数給電部は、各給電部間の干渉を回避させるように配置させたものであり、それぞれの給電部から放射されたマイクロ波は、放射方向がそれぞれ異なっているが、加熱室壁面での反射に伴う散乱、およびその散乱したマイクロ波が壁面にぶつかってさらに散乱、という繰返しにより広範囲の散乱になるので、他の放射アンテナから放射されたマイクロ波からの干渉を防止することは不可能である。
また、加熱室同一壁面に複数のアンテナを配置させるものにあっては、単純にアンテナ数を複数設けたものとの差異が明確でなく、同一壁面に設けることの効果の内容開示がないので、単に実現の可能性のみを示しているに過ぎない。
さらに、位相器を備えたものにおいては、合成部の2つの出力から放射されるマイクロ波は、位相器によって位相を変化させることで、2つの放射アンテナからの放射電力比や位相差を任意にかつ瞬時に変化させることは可能だけれども、その放射によってマイクロ波が供給される加熱室内に収納されたさまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を所望の状態に加熱することは、難しいという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、複数の給電部それぞれから放射されるマイクロ波を最適に相互干渉させることで、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を所望の状態に加熱するマイクロ波処理装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のマイクロ波処理装置は、加熱室を構成する1壁面に複数設けた給電部から放射する、マイクロ波の電界または磁界の向きが一致する位置に給電部を回転動作して、給電部から増幅部方向に反射するマイクロ波電力の合計値が、予め設定した閾値以下で最小となる周波数を検出し、検出した条件で加熱処理する構成としたものであり、複数の給電部から放射したマイクロ波により、加熱室内に収納する被加熱物を効率よく加熱する装置を提供できる。
本発明のマイクロ波処理装置は、従来、周波数条件と位相制御条件を最適に選択しても、反射電力の合計値が予め設定した閾値より大きく、十分な加熱処理の効率が得られないような場合でも、さらに給電部を回転動作して、異なる角度に設置し直し、最適な周波数条件、位相制御条件を再度見極めるので、マイクロ波電力の負荷である被加熱物の最適加熱条件を見出し易く、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱するマイクロ波処理装置を提供することができる。
第1の発明は、被加熱物を収容する加熱室と、発振部と、前記発振部の出力を複数に分配して出力する電力分配部と、前記電力分配部の少なくともひとつの出力位相を可変する位相可変部と、前記電力分配部および/または前記位相可変部の出力をそれぞれ電力増幅する増幅部と、前記増幅部の出力を前記加熱室に供給する給電部と、それぞれの前記給電部から前記増幅部方向に反射するマイクロ波電力を検出する電力検出部と、前記発振部の発振周波数と前記位相可変部の位相量を制御する制御部とを備え、前記加熱室を構成する1壁面に前記給電部を複数設け、前記給電部を回転動作可能とし、前記制御部は、前記給電部の回転動作により前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを変え、前記給電部から前記増幅部方向に反射するマイクロ波電力を前記電力検出部により検出する構成と共に、前記制御部は、前記加熱室に収容された被加熱物を加熱処理する前段階で、複数設けた前記給電部を回転動作して、前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを一致させ、前記給電部から前記増幅部方向に反射するマイクロ波電力を前記電力検出部で検出して、検出したマイクロ波電力の合計値が最小となる周波数を得る予備検出動作を行う構成としたものであり、被加熱物を含む加熱室内の特性に合わせ、複数の給電部から放射するマイクロ波の相互干渉を効果的に制御する加熱処理条件を得ることができ、加熱室に放射したマイクロ波を被加熱物に効率的に吸収させることができ、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱することができる。
2の発明は、特に、第1の発明の制御部は、予備検出動作を行い検出した、給電部から増幅部方向に反射するマイクロ波電力の合計値の最小値が、予め設定した閾値を超える場合、加熱室を構成する1壁面に複数設けた給電部を回転動作して、給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを異なる位置で一致させ、再度予備検出動作を行う構成としたものであり、被加熱物を含む加熱室内の特性に合わせ、複数の給電部から放射するマイクロ波の相互干渉をより効果的に制御する加熱処理条件を得ることができ、加熱室に放射したマイクロ波を被加熱物に効率的に吸収させることができ、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱することができる。
3の発明は、特に、第1または2の発明の制御部は、予備検出動作を行い検出した、
給電部から増幅部方向に反射するマイクロ波電力の合計値が最小となる周波数で、予め設定した閾値を超える給電部は、被加熱物の加熱処理に使用しない構成としたものであり、効率の良い給電部のみで加熱処理ができ、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱することができる。
4の発明は、特に、第1から3のいずれか1つの発明の制御部は、被加熱物の加熱処理に使用しない給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きが、被加熱物の加熱処理に使用する給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きと、略直角となる位置に被加熱物の加熱処理に使用しない給電部を回転動作する構成としたものであり、被加熱物の加熱処理に使用しない給電部でのマイクロ波電力損失を減らすことができ、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱することができる。
5の発明は、特に、第1の発明の加熱室に収容された被加熱物の配置位置を検出する位置検出手段を有し、制御部は、位置検出手段により検出した被加熱物の配置位置に応じて、加熱処理に使用する給電部を決定し、加熱処理に使用する給電部を使用して、予備検出動作を行う構成としたものであり、複数の給電部から被加熱物設置位置が強い電磁界分布を発生させる給電部の組み合わせを検出することで、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱することができる。
6の発明は、特に、第1の発明の加熱室に収容された被加熱物の加熱処理の進捗を検出する処理状態検出手段を有し、制御部は、処理状態検出手段により検出した被加熱物の加熱処理の進捗検出結果および/または加熱処理の経過時間に基づき、前記被加熱物の加熱処理に使用する前記給電部を再度決定しなおし、再度決定しなおした加熱処理に使用する給電部を使用して、予備検出動作を再度行う構成としたものであり、被加熱物の昇温などの変化に追随して、条件を更新して高効率な加熱処理を継続することで、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱することができる。
7の発明は、特に、第1の発明の制御部は、処理状態検出手段により検出した被加熱物の加熱処理の進捗検出結果および/または加熱処理の経過時間に基づき、位置検出手段による被加熱物の配置位置の検出を再度行い、検出結果に応じて被加熱物の加熱処理に使用する給電部を再度決定しなおし、再度決定しなおした加熱処理に使用する給電部を使用して、予備検出動作を再度行う構成としたものであり、被加熱物の昇温や、配置、形状などの変化に追随して、条件を更新して高効率な加熱処理を継続することで、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱することができる。
8の発明は、特に、第1の発明の加熱室を構成する1壁面に設けた複数の給電部の少なくとも1つを回転動作しない構成とし、制御部は、回転動作しない給電部と回転動作する給電部間の透過電力により、回転動作しない給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを基準として、回転動作する給電部間から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを検出する構成としたものであり、給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを随時把握でき、決定した加熱処理条件を精度よく実行でき、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱することができる。
9の発明は、特に、第1の発明の加熱室を構成する1壁面に設けた複数の給電部の少なくとも1つに回転位置検出手段を設けた構成とし、制御部は、回転位置検出手段を設けた給電部と他の給電部間の透過電力により、回転位置検出手段を設けた給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを基準として、他の給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを検出する構成としたものであり、給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを随時把握でき、決定した加熱処理条件を精度よく実行でき、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱することができる。
10の発明は、特に、第1の発明の加熱室を構成する1壁面に設けた複数の給電部の少なくとも1つに回転位置を制限する手段を設けた構成とし、制御部は、回転位置を制限する手段を設けた給電部と他の給電部間の透過電力により、回転位置を制限する手段を設けた給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを基準として、他の給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを検出する構成としたものであり、給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを随時把握でき、決定した加熱処理条件を精度よく実行でき、さまざまな形状・種類・量の異なる被加熱物を効率よく加熱することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるマイクロ波処理装置の構成図である。
図1において、マイクロ波発生部は半導体素子を用いて構成した発振部1a、1c、発振部1a、1cの出力を2分配する電力分配部2a、2c、電力分配部2a、2cそれぞれの出力を増幅する半導体素子を用いて構成した増幅部4a〜4d、増幅部4a〜4dによって増幅されたマイクロ波出力を加熱室内に放射する給電部5a〜5d、および電力分配部2a、2cと増幅部4a〜4dを接続するマイクロ波伝播路に挿入され入出力に任意の位相差を発生させる位相可変部3a〜3d、増幅部4a〜4dと給電部5a〜5dを接続するマイクロ波伝播路に挿入され、給電部5a〜5dから増幅部4a〜4d方向に反射するマイクロ波電力(以下、反射電力という)を検出する電力検出部6a〜6d、電力検出部6a〜6dによって検出される反射電力に応じて発振部1a、1cの発振周波数と位相可変部3a〜3dの位相量を制御する制御部7とで構成している。
また、本発明のマイクロ波処理装置は、被加熱物9を収納する略直方体構造からなる加熱室8を有し、加熱室8は金属材料からなる壁面および被加熱物9を収納するために開閉する開閉扉(図示していない)と、被加熱物9を載置する載置台10にて、供給されるマイクロ波を内部に閉じ込めるように構成している。そして、発振部1a、1cで発生したマイクロ波出力が伝播され、加熱室8内に放射供給する4ヶ所の給電部5a〜5dは、全て加熱室8を構成する底壁面に配置されている。4ヶ所の給電部5a〜5dは、制御部7の制御により、回転動作部12a〜12dを動作させ、アンテナ向きを回転することができ、放射するマイクロ波の励振電界11a、11cの向きを制御できる。
増幅部4a〜4dは、低誘電損失材料から構成した誘電体基板の片面に形成した導電体パターンにて回路を構成し、各増幅部4a〜4dの増幅素子である半導体素子を良好に動作させるべく、各半導体素子の入力側と出力側にそれぞれ整合回路を配している。電力分配部2a、2cは、例えばウィルキンソン型分配器のような、出力間に位相差を生じない同相分配器であってもよいし、ブランチライン型やラットレース型のような、出力間に位相差を生じる分配器であっても構わない。この電力分配部2a、2cによって、各々の出力には、発振部1a、1cから入力されたマイクロ波電力の略1/2の電力が伝播される。位相可変部3a〜3dは、印加電圧に応じて容量が変化する容量可変素子を用いて構成し、各々の位相可変範囲は、0度から略180度の範囲としている。
これによって、位相可変部3a〜3dより出力されるマイクロ波電力の位相差は、0度から±180度の範囲となるよう制御することができる。電力検出部6a〜6dは、給電部5a〜5dから増幅部4a〜4d方向に反射するマイクロ波、いわゆる反射電力を抽出するものであり、電力結合度を例えば約40dBとし、反射電力の約1/10000の電
力量を抽出する。この電力信号はそれぞれ、検波ダイオード(図示していない)で整流化しコンデンサ(図示していない)で平滑処理し、その出力信号を制御部7に入力させている。
制御部7は、使用者が直接入力する被加熱物9の加熱条件や被加熱物9の配置位置を検出する位置検出手段から得られる負荷情報、あるいは加熱中に被加熱物9の加熱処理の進捗状態を検出する処理状態検出手段から得られる加熱情報と電力検出部6a〜6dの反射電力情報に基づいて、マイクロ波発生部の構成要素である発振部1a、1cと増幅部4a〜4dのそれぞれに供給する駆動電力の制御や、位相可変部3a〜3dに供給する電圧の制御や、回転動作部12a〜12dを動作させ放射するマイクロ波の励振電界11a、11cの向きの制御を行う。また、制御部7には、電力検出部6a〜6dで得られる反射電力の合計値と比較するための閾値が、設定されている。これらにより、制御部7は、加熱室8内に収納された被加熱物9を最適に加熱する。
以上のように構成されたマイクロ波処理装置について、以下その動作、作用を説明する。
まず、被加熱物9を加熱室8に収納し、その加熱条件を操作部(図示していない)から入力し、加熱開始キーを押す。加熱開始信号を受けた制御部7の制御出力信号によりマイクロ波発生部が動作を開始する。制御手段7は、駆動電源(図示していない)を動作させて、発振部1a、1cに電力を供給する。この時、発振部1a、1cの初期の発振周波数は、例えば2400MHzに設定する電圧信号を供給し、発振が開始する。発振部1a、1cを動作させると、その出力は電力分配部2a、2cにて各々略1/2分配され、4つのマイクロ波電力信号となる。以降、駆動電源を制御して増幅部4a〜4dを動作させる。そして、それぞれのマイクロ波電力信号は、並列動作する増幅部4a〜4d、電力検出部6a〜6dを経て、給電部5a〜5dにそれぞれ出力され、加熱室8内に放射される。
加熱室8内に供給されるマイクロ波電力が、被加熱物9に100%吸収されると、加熱室8からの反射電力は0Wになるが、被加熱物9の種類・形状・量により、加熱室8のインピーダンスが変わり、マイクロ波電力供給側との整合ずれなどにより、給電部5a〜5dから増幅部4a〜4d方向に伝播するマイクロ波電力が生じる。電力検出器6a〜6dは、このマイクロ波電力を検出し、その反射電力量に比例した検出信号を制御部7に送る。
加熱室8に収容された被加熱物9を加熱処理する加熱処理工程の前段階の加熱条件検出工程で、制御部7は、回転動作部12a〜12dを制御して、給電部5a〜5dから放射するマイクロ波の励振電界11a、11cの向きを一致させ、発振部1a、1cと位相可変部3a〜3dを制御して、電力検出器6a〜6dで検出する反射電力の合計値を極小化する発振周波数を見極め、加熱処理条件を確定する予備検出動作を行う。この加熱条件検出工程における予備検出動作で、制御部7は、発振部1a、1cの発振周波数を例えば2400MHzから1MHzピッチで周波数可変範囲の上限である2500MHzに到達するまで動作させ、同時に給電部5a〜5dから増幅部4a〜4d方向に反射するマイクロ波電力を電力検出器6a〜6dにて検出することで、反射電力の合計値を最小とする周波数条件を得ることができる。
同様に、給電部間の相対的位相差を位相可変部3a〜3dの制御により調整し、電力検出器6a〜6dで検出する反射電力の合計値を極小化する位相制御条件を見極めることができる。従来、周波数条件と位相制御条件を最適に選択しても、反射電力の合計値が予め設定した閾値より大きく、十分な加熱処理の効率が得られないことがあった。しかしながら本実施の形態では、その場合でも、さらに回転動作部12a〜12dを制御して、異な
る角度に設置しなおして、最適な周波数条件、位相制御条件を再度見極める。これにより、マイクロ波電力の負荷である被加熱物9の最適加熱条件を見出し易い。
制御部7は、反射電力が最も小さくなる発振周波数と位相差の条件で、発振部1a、1cおよび位相可変部3a〜3dを制御するとともに、入力された加熱条件に対応した出力が得られるように発振出力を制御する。制御部7の制御に応じた発振周波数のマイクロ波は、増幅部4a〜4dで、制御に応じた電力となり、それぞれの給電部5a〜5d入力部に制御に応じた位相差で供給され、さらに加熱室8内に放射される。このように予備検出動作で得た、反射電力を最小とする周波数条件および位相制御条件に基づいて、被加熱物9を含む加熱室8内の特性に合わせて加熱を開始することで、加熱室8に放射したマイクロ波を効率的に被加熱物9に吸収させることができる。
しかし、多種多様な被加熱物9の中には、給電部5a〜5d全ての反射を低く抑える条件が見つからない場合もあるが、反射の小さい給電部のみを使用することで、被加熱物9の加熱効率を高く保つことができ、さらに使用しない給電部の励振電界向きを使用する給電部の励振電界向きと略直角になる方向にすることで、使用しない給電部でのマイクロ波受信による電力損失を抑えられ、より高効率な加熱ができる。また、映像認識装置や赤外線センサーなどにより、加熱室8内に配置した被加熱物9の配置位置検出結果に基づき、効率的な加熱を行なえる給電部の組み合わせを制御部7にて決定し、使用する給電部の回転動作部を動作して励振電界向き一致させ、さらに加熱に使用しない給電部の励振電界向きを略直角の方向に調整した後、予備検出動作を行なうことで、高効率な加熱条件をより早く見極めることができる。
加熱処理中も加熱処理の経過時間や、赤外線センサーなどで検出した、加熱処理の進捗検出結果および操作部で選択された加熱条件に基づき、制御部7は効率的な加熱を行なえる給電部を決定し直し、回転動作部12a〜12dを制御して、加熱に使用する給電部から放射するマイクロ波の励振電界11a、11cの向きを一致させ、加熱に使用しない給電部の励振電界向きを略直角の方向にして予備検出動作を再度行ない動作条件を修正することで、高効率な加熱を維持できる。
また、加熱処理の経過時間や、赤外線センサーなどにより加熱室8内に配置した被加熱物9の配置位置検出結果に基づき、被加熱物9の配置位置の検出を再度繰り返して得られた負荷情報に基づき、効率的な加熱を行なえる給電部の組み合わせを制御部7にて決定し直し、使用する給電部の回転動作部を動作して励振電界向きを一致させ、さらに加熱に使用しない給電部の励振電界向きを略直角の方向に調整した後、予備検出動作を再度行うことで、被加熱物9を含む加熱室8内の特性の変化に合わせた動作条件の修正を行え、様々な形状・種類・量の異なる被加熱物9に対しても、反射電力が最も小さくなる所期の動作条件で高効率な加熱を続けることができ、増幅部4a〜4dに備えられた半導体素子が反射電力によって過剰に発熱することも防止でき、熱的な破壊を回避することができる。
また、給電部5a〜5dのうち1ヶ所に回転動作部12a〜12dを設けず、回転しない給電部を設けて、回転しない給電部の励振電界の向きを基準として、他の給電部を制御することができる。給電部5dの回転動作部12dを設けていない場合、励振電界11cの向きは、基準方向として固定することができる。給電部は、その励振電界の向きが合っているマイクロ波を効率よく受信するので、給電部5dのみからマイクロ波を放射させ、給電部5a〜5cを回転動作しながら、電力検出器6a〜6cで検出する反射電力の変化より、給電部5dに対する相対的な向きを把握することができる。
さらにまた、給電部5a〜5dのうち1ヶ所に回転動作部12a〜12dによる回転動作の回転位置を検出する手段を設け、複数の励振方向を基準方向として、他の給電部を制
御することができる。また、給電部5a〜5dの1ヶ所の回転動作部12a〜12dの回転範囲に制限を設け、その回転限度位置での励振方向を基準方向として他の給電部を制御することもができる。
本実施の形態では4ヶ所給電の構成を示しているが、本実施の形態に拘束されるものではなく、給電部を増やしたりした場合も同様に、それぞれの励振方向の制御により、様々な形状・種類・量の異なる被加熱物9に対しても、反射電力が最も小さくなる所望の設定条件で高効率な加熱をすることができる。
以上のように、本発明にかかるマイクロ波処理装置は、加熱室を構成する1壁面に複数設けた給電部にて反射するマイクロ波電力が最小となる周波数で加熱処理することができるので、電子レンジで代表されるような誘電加熱を利用した加熱装置や生ゴミ処理機、あるいは半導体製造装置であるプラズマ電源のマイクロ波電源などの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるマイクロ波処理装置の構成図
1a、1c 発振部
2a、2c 電力分配部
3a〜3d 位相可変部
4a〜4d 増幅部
5a〜5d 給電部
6a〜6d 電力検出部
7 制御部
8 加熱室
9 被加熱物
10 載置台
11a、11c 励振方向
12a〜12d 回転動作部

Claims (10)

  1. 被加熱物を収容する加熱室と、発振部と、前記発振部の出力を複数に分配して出力する電力分配部と、前記電力分配部の少なくともひとつの出力位相を可変する位相可変部と、前記電力分配部および/または前記位相可変部の出力をそれぞれ電力増幅する増幅部と、前記増幅部の出力を前記加熱室に供給する給電部と、それぞれの前記給電部から前記増幅部方向に反射するマイクロ波電力を検出する電力検出部と、前記発振部の発振周波数と前記位相可変部の位相量を制御する制御部とを備え、
    前記加熱室を構成する1壁面に前記給電部を複数設け、前記給電部を回転動作可能とし、前記制御部は、前記給電部の回転動作により前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを変え、前記給電部から前記増幅部方向に反射するマイクロ波電力を前記電力検出部により検出する構成と共に、
    前記制御部は、前記加熱室に収容された被加熱物を加熱処理する前段階で、複数設けた前記給電部を回転動作して、前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを一致させ、前記給電部から前記増幅部方向に反射するマイクロ波電力を前記電力検出部で検出して、検出したマイクロ波電力の合計値が最小となる周波数を得る予備検出動作を行う構成としたマイクロ波処理装置。
  2. 制御部は、予備検出動作を行い検出した、給電部から増幅部方向に反射するマイクロ波電力の合計値の最小値が、予め設定した閾値を超える場合、加熱室を構成する1壁面に複数設けた前記給電部を回転動作して、前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを異なる位置で一致させ、再度前記予備検出動作を行う構成とした請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  3. 制御部は、予備検出動作を行い検出した、給電部から増幅部方向に反射するマイクロ波電力の合計値が最小となる周波数で、予め設定した閾値を超える前記給電部は、被加熱物の加熱処理に使用しない構成とした請求項1または2に記載のマイクロ波処理装置。
  4. 制御部は、被加熱物の加熱処理に使用しない給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きが、前記被加熱物の加熱処理に使用する前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きと、略直角となる位置に前記被加熱物の加熱処理に使用しない前記
    給電部を回転動作する構成とした請求項1から3のいずれか1項に記載のマイクロ波処理装置。
  5. 加熱室に収容された被加熱物の配置位置を検出する位置検出手段を有し、制御部は、前記位置検出手段により検出した前記被加熱物の配置位置に応じて、加熱処理に使用する前記給電部を決定し、加熱処理に使用する給電部を使用して、前記予備検出動作を行う構成とした請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  6. 加熱室に収容された被加熱物の加熱処理の進捗を検出する処理状態検出手段を有し、制御部は、前記処理状態検出手段により検出した前記被加熱物の加熱処理の進捗検出結果および/または加熱処理の経過時間に基づき、前記被加熱物の加熱処理に使用する給電部を再度決定しなおし、再度決定しなおした加熱処理に使用する前記給電部を使用して、前記予備検出動作を再度行う構成とした請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  7. 制御部は、処理状態検出手段により検出した被加熱物の加熱処理の進捗検出結果および/または加熱処理の経過時間に基づき、位置検出手段による前記被加熱物の配置位置の検出を再度行い、検出結果に応じて前記被加熱物の加熱処理に使用する給電部を再度決定しなおし、再度決定しなおした加熱処理に使用する前記給電部を使用して、前記予備検出動作を再度行う構成とした請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  8. 加熱室を構成する1壁面に設けた複数の給電部の少なくとも1ヶ所を回転動作しない構成とし、制御部は、回転動作しない前記給電部と回転動作する前記給電部間の透過電力により、回転動作しない前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを基準として、回転動作する前記給電部間から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを検出する構成とした請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  9. 加熱室を構成する1壁面に設けた複数の給電部の少なくとも1ヶ所に回転位置検出手段を設けた構成とし、制御部は、回転位置検出手段を設けた前記給電部と他の前記給電部間の透過電力により、前記回転位置検出手段を設けた前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを基準として、他の前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを検出する構成とした請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
  10. 加熱室を構成する1壁面に設けた複数の給電部の少なくとも1ヶ所に回転位置を制限する手段を設けた構成とし、制御部は、回転位置を制限する手段を設けた前記給電部と他の前記給電部間の透過電力により、前記回転位置を制限する手段を設けた前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを基準として、他の前記給電部から放射するマイクロ波の電界または磁界の向きを検出する構成とした請求項1に記載のマイクロ波処理装置。
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