JP5444284B2 - 電気コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、電気コネクタに関する。
相手コネクタを受け入れて該相手コネクタと嵌合接続される電気コネクタとして、例えば、特許文献1に開示されるコネクタが知られている。
この特許文献1のコネクタは、下方に配される相手コネクタに対して上方から嵌合されるようになっており、この嵌合のために上壁および周壁によって囲まれ下方へ開口した受入空間が形成された略直方体外形のハウジングと、該ハウジングの周壁のうち互いに対向してハウジング長手方向に延びる二つの側壁で二列をなして配列保持される複数の端子とを有している。該コネクタは、相手コネクタのハウジングの突壁部を上記受入空間に下方から受け入れることにより相手コネクタと嵌合可能となっている。
上記端子は、上記受入空間の内壁面を形成する側壁の内側面に沿って上下方向に延び相手コネクタの端子(相手端子)と接触可能な接触脚部と、該接触脚部の上端で屈曲され側壁同士の対向方向で外側へ向けて延びる被保持部と、該被保持部の外側端部からクランク状に屈曲してハウジング外へ延び回路基板の対応回路部と半田接続される接続部とを有している。該端子は、上記接触脚部および被保持部でハウジングに一体成形されることにより保持されている。
上記端子の接触脚部は、受入空間側に位置し該受入空間に向けて露出した面に、四角形状に没した凹状の接触部が形成されている。一方、相手端子は、弾性腕部の自由端部が突状の対応接触部として形成されていて、該対応接触部が上記端子の凹状の接触部内に収容されて該接触部と接触するとともに該接触部の縁部と上下方向で係止するようになっている。
特開2001−143801
上記特許文献1では、コネクタの端子の接触部が凹状に形成され、相手コネクタの端子の対応接触部が突状に形成されているが、製造工程を考慮せず完成品としてのコネクタの形状にだけ着目した場合、上記接触部の形状と対応接触部の形状を逆にして、コネクタの端子の接触部を突状に形成し、相手コネクタの端子の対応接触部を凹状や平坦面として形成することも考えられる。
しかし、コネクタの製造時を考えると、上記端子の接触部を、受入空間に向けて突出する突部として形成し、その突出量で接圧をもって弾性接触しやすくしようとしても、後述するように、従来は、上記受入空間を形成するための金型の形状に起因した問題が存在するので、上記突部を突出させることができなかった。
例えば、二つの側壁間の受入空間が上方へ開口して形成される場合(上記特許文献1のコネクタを上下反転した姿勢の場合)を考えると、一体成形時に受入空間を形成するための金型は、その挿抜方向について、上記側壁の存在が支障となり側方から配置することができないので、上方(受入空間の開口側)から配置することとなる。金型を上方から配置する場合、該金型は、側壁と対向する面に、端子配列方向での端子の突部と対応する位置で、該突部を三方から囲む溝部が上記側壁へ向けて開放して形成される。そして、該溝部は、上方から金型を配置する際に金型が上記突部と干渉しないように、下方にも開放して形成して形成する必要がある。
このように金型の溝部が下方にも開放されていると、該金型の配置後、樹脂の充填前の状態において、該溝部は、該溝部の下方の空間、すなわち底壁が形成されるべき空間と連通している。したがって、金型の配置後に金型内へ樹脂が充填されたとき、該溝部の開放下端から該溝部内へ樹脂が下方から流入してしまう。
この結果、本来ならば、突部の下方には、底壁との間に樹脂不存在の空間が形成されているべきであるにもかかわらず、上述したように、上記溝部内へ樹脂が流入してしまうので、上記空間が形成されずに上記突部の頂部は、この流入した樹脂と同一面となり突出しなくなる。このようにして作られたコネクタでは、上記突出部は突出量がなくなるので、もはや突出部として機能しなくなり、相手端子の対応接触部が平坦面である場合には、上記端子の突部は該対応接触部と接圧をもって接触することができなし、また、該対応接触部が凹部である場合には、該端子の突部は、該対応接触部と接圧をもって接触できないことに加え、該凹部への突入による対応接触部との上下方向での係止が不可能となる。
このような事情に鑑みて、本発明は、受入空間内へ向けて突出する突部を有する端子がハウジングと一体成形された状態において、該突部が確実に突出する電気コネクタを提供することを目的とする。
本発明に係る電気コネクタは、上方から相手コネクタを受け入れて該相手コネクタと嵌合接続される電気コネクタであって、底壁から上方に起立し互いに対向する少なくとも一対の起立壁を有するハウジングと、上記一対の起立壁のうち少なくとも一方の起立壁に一体成形により配列保持された複数の端子とを備え、上記ハウジングは、上記一対の起立壁の互いに対向する対向面同士間に、上記相手コネクタを受け入れるための受入空間が形成されており、上記端子は、少なくとも一方の起立壁の対向面に沿って上下方向に延び該起立壁に保持され受入空間内に向けて露呈する脚部と、上記一対の起立壁の対向方向にて上記受入空間に対応する範囲を含む範囲で上記底壁に沿って上記対向方向に延びる基部とを有している。
かかる電気コネクタにおいて、本発明では、上記脚部は、上記対向方向で上記受入空間へ向けて突出し相手コネクタの端子と接触可能な突部を有し、上記基部は、上記受入空間に対応する範囲内に位置する部分が、上記対向方向で上記突部の位置を含む範囲で上面が受入空間内に向けて露呈していることを特徴としている。
本発明に係る電気コネクタを製造するための複数の金型のうち、受入空間を形成するために上方から配置される金型は、端子の突部に対応する部分が上下方向に延びる溝部として形成されていて、該溝部は該突部と干渉しないように下方に向けて開放している。本発明では、起立壁の対向方向に延びる端子の基部は、受入空間に対応する範囲内に位置する部分が、上記対向方向で上記突部の位置を含む範囲で上面が受入空間内に向けて露呈している。したがって、上記金型の下面が上記端子の基部の上面に当接する位置まで該金型を上方からもたらすと、上記溝部の下端が上記基部によって塞がれる。この結果、一体成形時にて、樹脂が上記金型の開放下端から溝部内へ流入してしまうことが上記基部によって阻止されるので、一体成形後、上記突部の下方に樹脂不存在による空間が確保され、該突部は確実に突出する。
端子の脚部はその下端が基部と連続しているあるいは該基部の上面に当接していることが好ましい。端子の脚部の下端が基部と連続しているあるいは該基部の上面に当接していると、両者間に隙間が形成されないので、端子とハウジングとの一体成形時において、上記金型の溝部へ起立壁側の開口から樹脂が流入することも阻止できる。
以上のように、本発明では、一体成形時にて、受入空間を形成するための金型の溝部の下端が端子の基部によって塞がれるので、該溝部内への下方からの樹脂が流入してしまう不具合が生じることがなく、端子の突部の下方に空間が確保され、突部は確実に突出する。したがって、コネクタ嵌合状態にて、突部の本来の機能を発揮して、該突部を相手端子の対応接触部と十分な接圧をもって接触させたり、該突部を相手コネクタの凹状の接触部と上下方向で係止させてコネクタ同士の抜けを防止したりすることが可能となる。
実施形態に係る電気コネクタの斜視図である。 相手コネクタの斜視図である。 図1のコネクタと図2の相手コネクタの嵌合前の状態を示す断面図であり、ハウジング長手方向における端子の位置での断面を示している。 第二実施形態に係るコネクタの断面図であり、ハウジング長手方向における端子の位置で断面を示している。 第三実施形態に係るコネクタの断面図であり、ハウジング長手方向における端子の位置で断面を示している。 第四実施形態に係るコネクタと相手コネクタとの嵌合前の状態を示す断面図であり、ハウジング長手方向における端子の位置での断面を示している。 第五実施形態に係るコネクタと相手コネクタとの嵌合前の状態を示す断面図であり、ハウジング長手方向における端子の位置での断面を示している。
以下、添付図面に基づいて本発明に係る電気コネクタの実施形態を説明する。
<第一実施形態>
図1は、本実施形態に係る電気コネクタ1(以下「コネクタ1」という)の斜視図であり、図2は、相手コネクタ2の斜視図である。図3は、図1のコネクタと図2の相手コネクタの嵌合前の状態を示す断面図であり、ハウジング長手方向における端子20の位置での断面を示している。また、図4は、図1のコネクタ1を上下反転させた斜視図である。なお、図2の相手コネクタ2は嵌合側を上方へ向けて図示されており、嵌合直前を示す図3とは上下反転して図示されている。
[コネクタの構成]
コネクタ1は、回路基板上に配されるレセプタクル型の回路基板用電気コネクタであり、他の回路基板上に配されるプラグ型の相手コネクタ2(図2ないし図4参照)を上方から受け入れて該相手コネクタ2と嵌合接続される電気コネクタである。該コネクタ1は、比較的薄い略直方体外形をなす合成樹脂製のハウジング10と、該ハウジング10の長手方向で該ハウジング10に配列保持される複数の金属製の端子20と、該ハウジング10の長手方向、すなわち端子配列方向で端子20の配列範囲に対して両方の外側位置で該ハウジング10に保持される固定金具30とを有している。
図1に示されているように、上記ハウジング10は、回路基板(図示せず)の面に対面する底壁11と、該底壁11から上方に起立する中央壁部12、突壁部13および周壁とを有している。上記中央壁部12は、上記長手方向に対して直角な短手方向でのハウジング10の中央位置で上記長手方向に延びている。上記突壁部13は、上記短手方向で上記中央壁部12に対して対称をなすようにして該中央壁部12の両側に二つ形成されており、該中央壁部12と対面して長手方向に延びている。上記周壁は、上記中央壁部12および突壁部13を囲んで形成されており、互いに対向して上記長手方向に延びる二つの側壁14と、該二つの側壁14の端部同士を連結し上記短手方向に延びる二つの端壁15とを有している。
図1に見られるように、上記中央壁部12は、上記長手方向で上記端壁15同士を連結している。また、二つの突壁部13は、ほぼ端子配列範囲に対応する長さで形成されていて、該突壁部13の両端部と端壁15との間には間隔が形成されている。ハウジング10には、上記中央壁部12によって上記短手方向で隔てられた二つの受入空間16が形成されており、各受入空間16は、上記突壁部13と、該突壁部13を囲む上記中央壁部12、上記側壁14および上記端壁15との間で上方に開口した四角環状の空間であり、後述するように、該受入空間16で相手コネクタ2を上方から受け入れるようになっている。
図3によく見られるように、上記受入空間16は、上記短手方向で互いに対向して対をなす突壁部13と側壁14との対向面同士間に位置する外側受入空間16Aと、上記中央壁部12と上記突壁部13との対向面同士間に位置する内側受入空間16Bとを有している。
図3に見られるように、底壁11は、上記長手方向(紙面に対して直角な方向)での端子20と対応する位置で、上記短手方向(図3での左右方向)で上記外側受入空間16Aから側壁14にわたって対応する範囲で下面が没していて、後述する端子20の外側接続部24の一部および内側接続部22Aを収容するための収容凹部11Aが形成されている(図4をも参照)。また、該底壁11は、図4に見られるように、上記長手方向での固定金具30と対応する位置で、側壁14に対応する範囲で下面(図4では上面)が没していて、後述する固定金具30の内側固定部31および外側固定部32を収容する収容凹部11Bが形成されている。
図3によく見られるように、端子20は、帯状の金属板状片を板厚方向に屈曲して作られていて、該ハウジング10に一体モールド成形されて上記長手方向で配列保持されている。該端子20は、ハウジング10の側壁14に保持される第一逆U字状部21と、第一逆U字状部21の後述の第一内側脚部21Aの下端で屈曲されて上記短手方向内側へ延びる基部22と、該基部22の該短手方向内側の端部で屈曲され突壁部13に保持される第二逆U字状部23と、上記第一逆U字状部21の後述の第一外側脚部21Bの下端で屈曲されて上記短手方向外側へ延びる外側半田付部としての外側接続部24とを有している。
上記第一逆U字状部21は、ハウジング10の側壁14に一体モールド成形により保持されており、上記短手方向にて外側受入空間16A側に位置する第一内側脚部21Aと、該第一内側脚部21Aより外側に位置する第一外側脚部21Bと、該第一内側脚部21Aおよび第一外側脚部21Bの上端同士を連結する第一連結部21Cとを有している。第一内側脚部21Aは、上記外側受入空間16A内に向く外面が露呈して上下方向に延びていて、上記外面には、側縁同士間で上記短手方向(板厚方向)に没したロック凹部21A−1が形成されている。該ロック凹部21A−1は、図1によく見られるように、端子20の幅寸法(ハウジング10の長手方向での寸法)よりも小さい幅寸法で、例えばプレス加工により形成されている。
上記第一逆U字状部21が側壁14に一体モールド成形により保持された状態において、上記第一内側脚部21Aは、両側端面(ハウジング10の長手方向での両側の端面)および第一外側脚部21Bに対向する板面(内面)が側壁14に接面保持されていて、該側壁14から露呈した板面(外面)が、該側壁14の内側面と同一レベルの面をなすように位置している。また、第一外側脚部21Bおよび第一連結部21Cは、側壁14に埋設保持されている。
図3によく見られるように、上記第二逆U字状部23は、突壁部13に一体モールド成形により保持されており、上記短手方向にて内側受入空間16B側に位置する第二内側脚部23Aと、該第二内側脚部23Aより外側に位置する第二外側脚部23Bと、該第二内側脚部23Aおよび第二外側脚部23Bの上端同士を連結する第二連結部23Cとを有している。第二内側脚部23Aは、上記内側受入空間16B内に向く外面が露呈して上下方向に延びていて、上記外面には、側縁同士間で上記短手方向(板厚方向)に没したロック凹部23A−1が形成されている。該ロック凹部23A−1は、図1に見られるように、上記ロック凹部21A−1と同様に、端子20の幅寸法よりも小さい幅寸法で、例えばプレス加工により形成されている。
上記第二外側脚部23Bは、上記外側受入空間16A内に向く外面が露呈して上下方向に延びていて、該外面には、側縁同士間で上記短手方向(板厚方向)に突出して第一逆U字状部21のロック凹部21A−1に対向するロック突部23B−1が形成されている。該ロック突部23B−1は、図1によく見られるように、端子20の幅寸法よりも小さい幅寸法で、例えばプレス加工により形成されている。
上記第二逆U字状部23が突壁部13に一体モールド成形により保持された状態において、上記第二内側脚部23A、第二外側脚部23Bおよび第二連結部23Cは、両側端面と逆U字状部分の内側の板面とが突壁部13に接面保持されていて、突壁部13から露呈した逆U字状部分の外側の板面が、ハウジング10の突壁部13の内側面、外側面および上面と同一レベルの面をなすように位置している。
本実施形態では、端子20の第一内側脚部21Aのロック凹部21A−1、第二内側脚部23Aのロック凹部23A−1および第二外側脚部23Bのロック突部23B−1は、コネクタ同士の不用意な抜けを防止するロック部としての機能とともに、相手端子50との接触部としての機能をも有している。
上記基部22は、ハウジング10の底壁11に一体モールド成形により保持されている。該基部22は、第一逆U字状部21の第一内側脚部21Aと第二逆U字状部23の第二内側脚部23Aの下端部同士を連結している。図4によく見られるように、基部22は、上記短手方向で外側受入空間16Aに対応する範囲を含むように延びていて、該外側受入空間16Aに対応する範囲内でクランク状の屈曲部分を有している。
上記基部22は、上記短手方向にて上記屈曲部分より外側に位置する部分の下面が底壁11の下面とほぼ同じレベルに位置して露呈していて、該部分は回路基板上に半田付けされる内側半田付部としての内側接続部22Aとして形成されている。本実施形態では、該内側接続部22Aは、回路基板上のパッドに半田付けされることにより該回路基板の対応回路部との電気的な接続が可能となっている。また、該内側接続部22Aは、回路基板へのコネクタ1の固定強度の向上に寄与する。
また、上記基部22は、上記短手方向にて上記屈曲部分よりも内側に位置する部分が、上記内側接続部22Aよりも上方に位置しており、その上面が底壁11の上面とほぼ同じレベルに位置していて、上記外側受入空間16Aに対応する範囲にて該外側受入空間16A内へ露呈している。図3に見られるように、該外側受入空間16A内に上面が露呈した部分は、上記短手方向にて第二外側脚部23Bのロック突部23B−1の位置を含む範囲に位置している。また、第二逆U字状部23の第二外側脚部23Bの下端は、上記基部22の露呈した上面に当接している。
上記外側接続部24は、既述の側壁14の下端直下で上記短手方向での外側へ向けて延びており、該外側接続部24の下面が底壁11の下面とほぼ同じレベルに位置していて、回路基板の対応回路部上のパッドに半田付けされることにより該回路基板の対応回路部との電気的な接続が可能となっている。該外側接続部24が半田付けされるパッドは、上述の内側接続部22Aが半田付けされるパッドと共用されてもよく、また、両パッドが互いに分離して設けられていてもよい。該外側接続部24は、上記内側接続部22Aと相俟って回路基板へのコネクタ1の固定強度の向上に寄与する。
図1,3によく見られるように、該外側接続部24の先端(自由端)は、外側から見て目視可能な程度に、上記短手方向にて側壁14の外側面の位置よりも若干外側に位置している。なお、該外側接続部24の先端が側壁14の外側面の位置よりも外側に位置していることは必須ではなく、該先端は側壁14の外側面の位置と同位置あるいは該外側面の位置よりも内側に位置していてもよい。
図3,4に見られるように、上記内側接続部22A全体と外側接続部24の一部は、ハウジング10の収容凹部11A内に収容されている。該収容凹部11Aは、該内側接続部22Aおよび外側接続部24のそれぞれに融着される半田に十分な空間をもたらすとともに、該半田を該収容凹部11A内に留めるので、該半田を該内側接続部22Aの半田付けおよび外側接続部24の半田付けに確実に供することができる。また、ハウジング10の長手方向にて収容凹部11A同士を隔てる壁部によって、該長手方向で互いに隣接する内側接続部同士22Aそして外側接続部24同士が不用意に半田で接続されて短絡することも防止できる。本実施形態では、上記内側接続部22Aおよび外側接続部24は一つの収容凹部11A内に収容されているが、これ代えて、該内側接続部22Aと外側接続部24とが、それぞれ別個の収容凹部に収容されていてもよい。
固定金具30は、帯状の金属板条片を板厚方向に屈曲して作られていて、コネクタ1の平面形状における四隅で一体モールド成形により端壁15に保持されている。図4に見られるように、該固定金具30は、端子20の内側接続部22Aおよび外側接続部24と同形状の内側固定部31および外側固定部32がハウジング10の収容凹部11B内に収まるように位置しており、該内側固定部31および外側固定部32が回路基板上に半田付けされることにより、端子20と相俟って回路基板へのコネクタ1の固定強度の向上に寄与する。
[コネクタ1の製造]
コネクタ1は、以下の要領で製造される。まず、上方、下方および側方から配した金型(図示せず)によって端子20および固定金具30を保持する。ここで、上方、下方および側方から配される金型をそれぞれ「上側金型」、「下側金型」および「側方金型」とする。上記上側金型は、ハウジング10の受入空間16(外側受入空間16Aおよび内側受入空間16B)に適合した形状の突条部分を有していて、該受入空間16を形成するようになっている。また、下側金型は、ハウジング10の収容凹部11A,11Bに適合した形状の突条部分を有していて、上記収容凹部11A,11Bを形成するようになっている。そして、上記上側金型、下側金型および側方金型で端子20および固定金具30を保持した状態で、これらの金型同士間に樹脂を充填することにより、端子20および固定金具30がハウジング10と一体モールド成形されてコネクタ1が完成する。
上記上側金型は、突壁部13と対向する面に、端子配列方向での端子20のロック突部23B−1と対応する位置で、該ロック突部23B−1を三方から囲み上下方向に延びる溝部が上記突壁部13側へ向けて開放して形成されている。そして、該溝部は、下方にも開放しており、上記上側金型を上方から配置する際に該上側金型が上記ロック突部23B−1と干渉しないようになっている。
本実施形態では、既述したように、端子20の基部22は、上記短手方向にて第二外側脚部23Bのロック突部23B−1の位置を含む範囲にて、その上面が該外側受入空間16A内に露呈している。したがって、上側金型の下面が上記基部22の上面に当接する位置まで該上側金型を上方からもたらすと、該上側金型の溝部の下端が上記端子20の基部22によって塞がれる。この結果、一体成形時にて、樹脂が該上側金型の開放下端から溝部内へ流入してしまうことが上記基部22によって阻止されるので、一体成形後、ロック突部23B−1の下方に樹脂不存在による空間が確保される。
また、本実施形態では、図3に見られるように、上記第二外側脚部23Bの下端が上記基部22の上面に当接していて両者間に隙間が形成されていないので、一体成形時において、上側金型の溝部へ上記突壁部13側から樹脂が流入することもない。
このように、上側金型の溝部内への樹脂の流入を確実に防止して上記ロック突部23B−1の下方に上記空間を確保することにより、該ロック突部23B−1は確実に突出する。したがって、コネクタ嵌合状態にて、ロック突部23B−1の本来の機能を発揮して、該ロック突部23B−1を後述の相手端子50の被ロック凹部51A−1と上下方向で係止させてコネクタ同士の抜けを防止することが可能となる。
[相手コネクタの構成]
図2に示される相手コネクタ2は、図3に示されるコネクタ嵌合時の姿勢を上下反転させて上側を嵌合側とした状態で示されている。したがって、図3で上方に位置する後述の上壁41は、図2では下方に位置している。図2に見られるように、相手コネクタ2は、比較的薄い略直方体外形をなす合成樹脂製のハウジング40と、該ハウジング40の長手方向で該ハウジング40に配列保持される複数の金属製の端子50(以下「相手端子50」という)と、該ハウジング40の長手方向、すなわち端子配列方向で相手端子50の配列範囲に対して両方の外側位置で該ハウジング40に保持される固定金具60とを有している。
図2に示される上記ハウジング40は、上方(図3では下方)へ向け開口する相手受入空間46でコネクタ1を受け入れるようになっており、他の回路基板(図示せず)の面に対面する上壁41と、該上壁41から上方(図3での下方)に起立して並設された二つの突壁部43およびこれらを囲む周壁とを有している。上記二つの突壁部43は、ハウジング40の短手方向での中央寄り位置にて互いに対面して上記長手方向に延びている。
上記周壁は、上記突壁部43を囲んで形成されており、互いに対向して上記長手方向に延びる二つの側壁44と、該二つの側壁44の端部同士を連結し上記短手方向に延びる二つの端壁45とを有している。図2に見られるように、上記突壁部43は、上記長手方向で上記端壁45同士を連結している。
ハウジング40は、該突壁部43、側壁44および端壁45によって囲まれて形成された相手外側受入空間46Aを二つ有しているとともに、上記二つの突壁部43同士間、すなわち上記短手方向での中央位置に、相手内側受入空間46Bが形成されており、相手受入空間46は、該相手外側受入空間46Aおよび相手内側受入空間46Bから成っている。後述するように、コネクタ嵌合時にて、上記相手外側受入空間46Aは既述のコネクタ1の突壁部13を受け入れるとともに、相手内側受入空間46Bはコネクタ1の中央壁部12を受け入れるようになっている。
相手端子50は、帯状の金属板状片を板厚方向に屈曲して作られていて、該ハウジング40に一体モールド成形されて上記長手方向で配列保持されている。図3に見られるように、該相手端子50は、ハウジング40の側壁44に保持される第一U字状部51と、第一U字状部51の後述の相手第一内側脚部51Aの上端で屈曲されて上記短手方向内側へ延びる基部52と、該基部52の該短手方向内側の端部で屈曲され突壁部43に保持される第二U字状部53と、上記第一U字状部51の後述の相手第一外側脚部51Bの上端で屈曲されて上記短手方向外側へ延びる接続部54とを有している。
上記第一U字状部51は、ハウジング40の側壁44に一体モールド成形により保持されており、上記短手方向にて相手外側受入空間46A側に位置する相手第一内側脚部51Aと、該相手第一内側脚部51Aより外側に位置する相手第一外側脚部51Bと、該相手第一内側脚部51Aおよび相手第一外側脚部51Bの下端同士を連結する相手第一連結部51Cとを有している。
図3に見られるように、相手第一内側脚部51Aは、上記相手外側受入空間46A内に向く外面が露呈して上下方向に延びていて、上記外面には、側縁同士間で上記短手方向(板厚方向)に没した被ロック凹部51A−1が形成されている。また、相手第一外側脚部51Bは、上記短手方向外方に向く外面が露呈して上下方向に延びていて、上記外面には、側縁同士間で上記短手方向外方へ向けて突出する被ロック突部51B−1が形成されている。上記被ロック凹部51A−1および被ロック突部51B−1は、図2によく見られるように、相手端子50の幅寸法(ハウジング40の長手方向での寸法)よりも小さい幅寸法で、例えばプレス加工により形成されている。
上記第一U字状部51が側壁44に一体モールド成形により保持された状態において、上記相手第一内側脚部51A、相手第一外側脚部51Bおよび相手第一連結部51Cのそれぞれは、両側端面およびU字状部分の内側の板面が側壁44に接面保持されていて、側壁44から露呈したU字状部分の板面(外面)が、該側壁44の内側面、外側面および下面と同一レベルの面をなすように位置している。
図3によく見られるように、上記第二U字状部53は、突壁部43に一体モールド成形により保持されており、上記短手方向にて相手内側受入空間46B側に位置する相手第二内側脚部53Aと、該相手第二内側脚部53Aより外側に位置する相手第二外側脚部53Bと、該相手第二内側脚部53Aおよび相手第二外側脚部53Bの下端同士を連結する相手第二連結部53Cとを有している。相手第二外側脚部53Bは、上記相手外側受入空間46A内に向く外面が露呈して上下方向に延びていて、上記外面には、側縁同士間に上記短手方向(板厚方向)で外側に向けて突出する被ロック突部53B−1が形成されている。該被ロック突部53B−1は、図2に見られるように、上記被ロック突部51B−1と同様に、端子20の幅寸法よりも小さい幅寸法で、例えばプレス加工により形成されている。
上記第二U字状部53が突壁部43に一体モールド成形により保持された状態において、上記相手第二内側脚部53A、相手第二外側脚部53Bおよび相手第二連結部53Cは、両側端面およびU字状部分の内側の板面が突壁部43に接面保持されていて、突壁部43から露呈したU字状部分の板面(外面)が、該突壁部43の内側面、外側面および上面と同一レベルの面をなすように位置している。
本実施形態では、相手端子50の相手第一内側脚部51Aの被ロック凹部51A−1、相手第一外側脚部51Bの被ロック突部51B−1および相手第二外側脚部53Bの被ロック突部53B−1は、コネクタ同士の不用意な抜けを防止するロック部としての機能とともに、コネクタ1の端子20との接触部としての機能をも有している。
上記基部52は、ハウジング40の上壁41に一体モールド成形により保持されている。該基部52は、第一U字状部51の相手第一内側脚部51Aと第二U字状部53の相手第二内側脚部53Aの上端部同士を連結している。基部52は、上記短手方向で相手外側受入空間46Aに対応する範囲を含む範囲で直状に延びている。
図3に見られるように、上記基部52の下面(図2では上面)は、上壁41の下面とほぼ同じレベルに位置していて、上記相手外側受入空間46Aに対応する範囲にて該相手外側受入空間46A内へ露呈している。該相手外側受入空間46A内に下面が露呈した部分は、上記短手方向にて相手第二外側脚部53Bの被ロック突部53B−1の位置を含む範囲に位置している。また、第二U字状部53の相手第二外側脚部53Bの上端は、上記基部52の露呈した下面に当接している。
固定金具60は、帯状の金属板条片を板厚方向に屈曲して作られていて、相手コネクタ2の平面形状における四隅で一体モールド成形により端壁45に保持されている。図2に見られるように、該固定金具60は、相手端子50の接続部54と同形状の固定部61を有しており、相手端子50と相俟って該固定部61が回路基板上に半田付けされることにより、回路基板へのコネクタ1の固定強度の向上に寄与する。
[相手コネクタ2の製造]
相手コネクタ2は、図2に示されるような相手受入空間46が上方へ開口した姿勢で作られ、上述したコネクタ1と同様に、上側金型、下側金型および側方金型によって相手端子50および固定金具60を保持した状態で金型間に樹脂を充填して、該相手端子50および固定金具60をハウジング40と一体モールド成形することによって製造される。
また、既述したように、相手端子50の基部52は、ハウジング40の短手方向にて相手第二外側脚部53Bの被ロック突部53B−1の位置を含む範囲にて、図2での上面(図3では下面)が上壁41の上面(図3では下面)とほぼ同じレベルに位置して該相手外側受入空間46A内に露呈しているとともに、上記相手第二外側脚部53Bの下端(図3での上端)は、上記基部52の上面(図3での下面)に当接している。したがって、一体成形時にて、既述したコネクタ1と同様に、上側金型の溝部に樹脂が流入することが防止され、被ロック突部53B−1が確実に突出する。
[コネクタ嵌合動作]
以下、コネクタ1と相手コネクタ2との嵌合動作について説明する。まず、コネクタ1の端子20そして固定金具30を回路基板に半田付けするとともに、相手コネクタ2の端子50および固定金具60を他の回路基板に半田付けする。次に、図3に見られるように、コネクタ1を受入空間16が上方へ開口した姿勢とするとともに、相手コネクタ2を相手受入空間46が下方へ開口した姿勢として該コネクタ1の上方位置へもたらす。
そして、図3にて矢印で示されるように、相手コネクタ2を下方へ移動させ、相手コネクタ2の側壁44および突壁部43をコネクタ1の外側受入空間16Aおよび内側受入空間16B内へ上方からそれぞれ嵌入させる。また、これと同時に、コネクタ1の突壁部13および中央壁部12を相手コネクタ2の相手外側受入空間46Aおよび相手内側受入空間46B内へ下方からそれぞれ嵌入させる。
相手コネクタ2の側壁44をコネクタ1の外側受入空間16A内へ上方から嵌入させることにより、相手コネクタ2の相手端子50の第一U字状部51は、コネクタ1の端子20のロック凹部21A−1およびロック突部23B−1との間を押し拡げて進入する。また、相手コネクタ2の突壁部43をコネクタ1の内側受入空間16B内へ上方から嵌入させることにより、相手コネクタ2の相手端子50の第二U字状部53は、コネクタ1の端子20のロック凹部23A−1と中央壁部12との間を押し拡げて進入する。
また、コネクタ1の突壁部13を相手コネクタ2の相手外側受入空間46A内へ下方から嵌入させることにより、コネクタ1の端子20の第二逆U字状部23が相手コネクタ2の相手端子50の被ロック凹部51A−1と被ロック突部53B−1との間を押し広げて進入する。
コネクタ同士の嵌合動作がさらに進行すると、コネクタ1のロック凹部21A−1、ロック突部23B−1およびロック凹部23A−1が相手コネクタ2の被ロック突部51B−1、被ロック凹部51A−1および被ロック突部53B−1と上下方向で係止する。この結果、コネクタの端子同士が電気的に導通するとともに互いにロックされ、コネクタ同士の嵌合接続が完了する。
上述したように、コネクタ嵌合途中において、相手端子50の第一U字状部51は端子20のロック凹部21A−1およびロック突部23B−1との間を押し拡げて進入するので、ハウジング10の短手方向で外側へ向けた押圧力が端子20の第一内側脚部21Aおよびハウジング10の側壁14に作用して、該第一内側脚部21Aおよび側壁14の下部を支点として外側に向くモーメントが生じる。
本実施形態では、第一内側脚部21Aの下端から上記短手方向内側へ向け延びる内側接続部22Aが該短手方向にて第一内側脚部21Aより内側に位置しているので、上記モーメントに対抗して、上記内側接続部22Aと回路基板との半田付け部分にて抗力が生じる。したがって、この抗力の分だけ、端子20の外側接続部24と回路基板との半田付け部分に作用する外力が小さくなるので、該半田付け部分の損傷を防止できる。
また、本実施形態では、各端子20と相手端子50とは三箇所でロックされるので、従来のように端子同士が一箇所でロックされていた場合と比較してロックされる箇所数が多くなり、その分、ロック強度が大きくなる。また、単に、ロックがロック箇所数の分だけ強力になるというだけでなく、ロック箇所同士間に距離があるので、傾きを生じさせるような外力によるモーメントに対して強くなる。したがって、端子20および相手端子50の板厚寸法を小さくしてコネクタ1および相手コネクタ2を低背化した場合であっても、コネクタ全体でのロック強度は低下せず、コネクタ同士の不用意な抜けを良好に防止できる。
本実施形態では、コネクタの端子は、第一内側脚部にロック凹部、第二内側脚部にロック凹部、第二外側脚部にロック突部が形成されていることとしたが、端子の基部の形状に応じて、いずれの脚部にロック突部またはロック凹部を形成するかを適宜変更してもよい。具体的には、ハウジングの短手方向にて端子の基部の上面が受入空間に露呈している範囲内では、一体成形時に上側金型の溝部内へ樹脂が流入するおそれがないので、ロック突部およびロック凹部のいずれを形成してもよい。一方、上記基部の上面が露呈していない範囲内では、一体成形時に上側金型の溝部内へ下端開口から樹脂が流入するのを防止できないので、ロック突部を形成できず、ロック凹部が形成される。
また、下方で基部の上面が露出しているのであれば、上記第一内側脚部、第二内側脚部および第二外側脚部の全ての脚部にロック突部を形成することも可能であるし、下方に基部の上面が露出しているかどうかにかかわらず、上記全ての脚部にロック凹部を形成することも可能である。そして、相手コネクタの相手端子には、コネクタの端子の各脚部のロック突部およびロック凹部に対応させて、被ロック凹部および被ロック突部が形成される。
また、本実施形態では、上記第一内側脚部、第二内側脚部および第二外側脚部の三つの脚部の全てにロック突部またはロック凹部が形成されることとしたが、これに代えて、上記三つの脚部のうち二つの脚部にロック突部またはロック凹部を形成し、一つの脚部はロック突部またはロック凹部を形成せずに平坦な接触部としてもよい。
本実施形態では、端子のロック突部およびロック凹部は、端子の幅寸法よりも小さい寸法で形成されていることとしたが、これに代えて、例えば、端子を板厚方向に屈曲させることにより、該ロック突部およびロック凹部端子を端子の幅方向全域にわたって形成することも可能である。
また、本実施形態では、端子の第一逆U字状部の第一内側脚部の外面、第二逆U字状部の外面および基部の上面は、それぞれ側壁、突壁部および底壁と同一レベルの面をなして露呈することとしたが、これに代えて、側壁、突壁部および底壁よりも突出したレベルに位置していてもよい。
本実施形態では、端子の基部が第一逆U字状部の第一内側脚部と第二逆U字状部の内側脚部との下端同士を連結することとしたが、これに代えて、基部は、例えば、第一逆U字状部の第一内側脚部の下端と第二逆U字状部の第二外側脚部の下端とを連結することとしてもよい。また、この場合には、各端子に三つ以上の逆U字状部を設けるとともに、ハウジングに各逆U字状部を保持する側壁あるいは突壁部を設け、互いに隣接する逆U字状部にて、本実施形態で説明したのと同様にロック突部およびロック凹部が形成してもよい。これによって、ロックの箇所数がさらに多くなるので、その分、ロック強度を増大させることができる。
以上に述べた変形例は、相手コネクタについても適用可能である。
本実施形態では、端子の内側半田付部および外側半田付部の両方を、回路基板の対応回路部との電気的な接続のための接続部としたが、これに代えて、いずれか一方を接続部とし、他方を、回路基板と電気的には接続されず該回路基板へのコネクタの固定のために半田付けされる固定部としてもよい。
また、本実施形態では、相手コネクタのハウジングは、側壁および突壁部を有していて、該側壁が相手端子の第一U字状部を保持し、突壁部が相手端子の第二U字状部を保持することとしたが、これに代えて、ハウジングに突壁部を設けないこととして、相手端子の第二U字状部がハウジングに保持されずに単独で位置していてもよい。
また、本実施形態では、本発明をレセプタクル型のコネクタに適用した場合を説明したが、これに代えて、本発明をプラグ型のコネクタに適用することも可能である。この場合、相手端子の被ロック突部および被ロック凹部はロック突部およびロック凹部として機能する。
本実施形態では、相手コネクタは回路基板用電気コネクタであることとしたが、相手コネクタの形態はこれに限られず、例えば、相手端子がケーブルと接続されたケーブル用電気コネクタであってもよい。また、本実施形態では、相手コネクタは、相手端子とハウジングとが一体成形されることとしたが、これに代えて、相手端子がハウジングへ圧入されることにより該ハウジングに保持されていてもよい。
また、本実施形態では、相手コネクタのハウジングは、側壁および突壁部を有していて、該側壁が相手端子の第一U字状部を保持し、突壁部が相手端子の第二U字状部を保持することとしたが、これに代えて、ハウジングに突壁部を設けないこととして、相手端子の第二U字状部がハウジングに保持されずに単独で位置していてもよい。
<第二実施形態>
第一実施形態では、図3に見られるように、基部22が第一逆U字状部21の第一内側脚部21Aと第二逆U字状部23の第二内側脚部23Aとの下端同士を連結していたが、本実施形態は、第一逆U字状部の第一内側脚部の下端から延びる基部が第二逆U字状部の第二外側脚部の下端と連結している点で第一実施形態と構成が相違している。
図4は、本実施形態に係るコネクタ101の断面図であり、ハウジング110の長手方向での端子120の位置での断面を示している。該コネクタ101は、上述した相違点を除き、第一実施形態のコネクタ1と構成が同じであるので、第一実施形態と同じ部分には第一実施形態の符号に「100」を加えた符号を付して説明を省略し、上記相違点を中心に説明する。
図4に見られるように、コネクタ101の端子120の基部122は、第一逆U字状部121の第一内側脚部121Aの下端から延びて、第二逆U字状部123の第二外側脚部123Bの下端と連結している。本実施形態では、基部122と第二外側脚部123Bとが連続していて両者の間に隙間が生じ得ないので、第一実施形態のように第二外側脚部123Bの下端が基部122の上面に当接している場合と比較して、一体成形時にて突壁部113側から上側金型の溝部内へ樹脂が流入することを、より確実に阻止できる。この結果、一体成形後、上記第二外側脚部123Bのロック突部123B−1の下方に樹脂不存在による空間が確保されるので、該ロック突部123B−1を確実に突出させて本来の機能を発揮させることが可能となる。
<第三実施形態>
本実施形態に係るコネクタは、端子の二つの逆U字状部のうちハウジングの側壁側に位置する第一逆U字状部の第一内側脚部にロック突部、ハウジングの突壁部側に位置する第二逆U字状部の第二内側脚部および第二外側脚部のそれぞれにロック凹部が形成されている点で、第一内側脚部および第二内側脚部にロック凹部、第二外側脚部にロック突部が形成されている第一実施形態と構成が相違している。また、本実施形態では、端子の基部の固定部の上面が外側受入空間に露呈している点でも、固定部の上面がハウジングの底壁に接面していて樹脂に覆われている第一実施形態と構成が相違している。
図5は、本実施形態に係るコネクタ201の断面図であり、ハウジング210の長手方向での端子220の位置での断面を示している。該コネクタ201は、上述した相違点を除き、第一実施形態のコネクタ1と構成が同じであるので、第一実施形態と同じ部分には第一実施形態の符号に「200」を加えた符号を付して説明を省略し、上記相違点を中心に説明する。
図5に見られるように、コネクタ201の端子220は、端子220の第一逆U字状部221の第一内側脚部221Aにロック突部221A−1、第二逆U字状部223の第二内側脚部223Aにロック凹部223A−1、該第二逆U字状部223の第二外側脚部223Bにロック凹部223B−1が形成されている。
上記端子220の基部222は、ハウジング210の短手方向(図5にて左右方向)にて外側受入空間216Aに対応する範囲で上面が該外側受入空間216Aに向けて露呈している。すなわち、第一実施形態とは異なり、上記基部222の固定部222Aの上方には樹脂が存在していない。したがって、上記コネクタ201の製造工程にて、上側金型の下面が上記基部222の上面に当接する位置まで該上側金型がもたらされると、上記ロック突部221A−1に対応して上側金型に形成された溝部の下端が上記固定部222Aの上面によって塞がれる。この結果、一体成形時にて、樹脂が該上側金型の開放下端から溝部内へ流入してしまうことが上記固定部222Aによって阻止されるので、一体成形後、ロック突部221A−1の下方に樹脂不存在による空間が確保され、該ロック突部221A−1を確実に突出させて本来の機能を発揮させることが可能となる。
<第四実施形態>
第一実施形態では、図3に見られるように、コネクタ1の端子20の第一内側脚部21Aにロック凹部21A−1が形成されていたが、本実施形態は、第一内側脚部にロック突部が形成されている点で第一実施形態と相違している。また、第一実施形態では、コネクタ1の端子20の基部22がクランク状に屈曲して形成されていたが、本実施形態は、端子の基部がハウジングの底壁に沿って直状となっている点で第一実施形態と相違している。
図6は、本実施形態に係るコネクタ301と相手コネクタ302との嵌合前の状態を示す断面図であり、ハウジング長手方向における端子320の位置での断面を示している。コネクタ301は、上述した相違点を除き、第一実施形態のコネクタ1と構成が同じであるので、第一実施形態と同じ部分には第一実施形態の符号に「300」を加えた符号を付して説明を省略し、上記相違点を中心に説明する。
図6に見られるように、コネクタ301の端子320は、第一逆U字状部321の第一内側脚部321Aにロック突部321A−1が、第二逆U字状部323の第二外側脚部323Bにロック突部323B−1がそして第二内側脚部323Aにロック凹部323A−1が形成されている。
本実施形態では、図6に見られるように、上記端子320の基部322は、ハウジング310の短手方向(図6での左右方向)にて外側受入空間316Aに対応する範囲で直状に延び、該基部322の上面が該外側受入空間316Aに露呈している。また、基部322は、第一実施形態の内側接続部22Aに対応する接続部を有していない。本実施形態においても、第一実施形態と同様に、一体成形時にて該基部322の上面が金型の溝部の端部を塞ぐことにより、該溝部内への樹脂の流入が防止される。この結果、上記短手方向で外側受入空間316Aへ向けて上記ロック突部321A−1およびロック突部323B−1を確実に突出させて本来の機能を発揮させることが可能となる。
また、上記コネクタ301と嵌合接続される相手コネクタ302は、図6に見られるように、コネクタ301の第一内側脚部321Aのロック突部321A−1,第二外側脚部323Bのロック突部323B−1そして第二内側脚部323Aのロック凹部323A−1のそれぞれに対応して、相手第一外側脚部351Bに被ロック突部351B−1、相手第一内側脚部351Aに被ロック凹部351A−1そして相手第二外側脚部353Bに被ロック突部353B−1が形成されている。
<第五実施形態>
本実施形態では、本発明がプラグ型のコネクタに適用されており、相手コネクタがレセプタクル型のコネクタとして構成されている。本実施形態のコネクタおよび相手コネクタは、それぞれ第一実施形態の相手コネクタ2およびコネクタ1と基本的な構成は同じである。第一実施形態では、相手コネクタ2の相手端子50にロック突部51B−1,53B1およびロック凹部51A−1が形成され、コネクタ1の端子20にロック突部23B−1およびロック凹部21A−1,23A−1が形成されていたが、本実施形態は、コネクタの端子にロック突部のみが形成されているとともに相手コネクタの端子にロック凹部のみが形成されている点で、第一実施形態と相違している。本実施形態では、第一実施形態の相手コネクタ2およびコネクタ1と同じ部分には該相手コネクタ2およびコネクタ1の符号に「400」を加えた符号を付して説明を省略し、上記ロック突部およびロック凹部を中心に説明する。
図7は、本実施形態に係るコネクタ402と相手コネクタ401との嵌合前の状態を示す断面図であり、ハウジング長手方向における端子450の位置での断面を示している。図7に見られるように、本実施形態に係るコネクタ402は、端子450の第一U字状部451の第一内側脚部451Aにロック突部451A−1、該第一U字状部451の第一外側脚部451Bにロック突部451B−1、第二U字状部453の第二外側脚部453Bにロック突部453B−1が形成されている。
上記コネクタ402と嵌合接続される相手コネクタ401は、図7に見られるように、コネクタ402のロック突部451A−1,451B−1,453B−1のそれぞれに対応して、相手第二外側脚部423Bに被ロック凹部423B−1、相手端子420の相手第一内側脚部421Aに被ロック凹部421A−1、相手第二内側脚部423Aに被ロック凹部423A−1が形成されている。
図7に見られるように、上記コネクタ402は上記短手方向にて外側受入空間456Aに対応する範囲で直状に延び、基部452の下面が外側受入空間446Aに露呈しているので、一体成形時にて該基部452の下面が金型の溝部の端部を塞ぐことにより、該溝部内への樹脂の流入が防止される。この結果、ハウジング440の短手方向(図7にて左右方向)で外側受入空間446Aへ向けて上記ロック突部451A−1およびロック突部453B−1を確実に突出させて本来の機能を発揮させることが可能となる。
1 コネクタ 301 コネクタ
2 相手コネクタ 310 ハウジング
10 ハウジング 311 底壁
11 底壁 313 突壁部(起立壁)
13 突壁部(起立壁) 314 側壁(起立壁)
14 側壁(起立壁) 316A 外側受入空間(受入空間)
16A 外側受入空間(受入空間) 320 端子
20 端子 321A 第一内側脚部(脚部)
22 基部 321A−1 ロック突部(突部)
23B 第二外側脚部(脚部) 322 基部
23B−1 ロック突部(突部) 323B 第二外側脚部(脚部)
50 相手端子 323B−1 ロック突部(突部)
101 コネクタ 221A 第一内側脚部(脚部)
110 ハウジング 221A−1 ロック突部(突部)
111 底壁 222 基部
113 突壁部(起立壁) 401 相手コネクタ
114 側壁(起立壁) 402 コネクタ
116A 外側受入空間(受入空間) 440 ハウジング
120 端子 441 底壁
122 基部 443 突壁部(起立壁)
123B 第二外側脚部(脚部) 444 側壁(起立壁)
123B−1 ロック突部(突部) 446A 外側受入空間(受入空間)
201 コネクタ 450 端子
210 ハウジング 451A 第一内側脚部(脚部)
211 底壁 451A−1 ロック突部(突部)
213 突壁部(起立壁) 452 基部
214 側壁(起立壁) 453B 第二外側脚部(脚部)
216A 外側受入空間(受入空間) 453B−1 ロック突部(突部)
220 端子

Claims (1)

  1. 上方から相手コネクタを受け入れて該相手コネクタと嵌合接続される電気コネクタであって、底壁から上方に起立し互いに対向する少なくとも一対の起立壁を有するハウジングと、上記一対の起立壁のうち少なくとも一方の起立壁および上記底壁の両方に対して一体成形されることにより配列保持された複数の端子とを備え、上記ハウジングは、上記一対の起立壁の互いに対向する対向面同士間に、上記相手コネクタを受け入れるための受入空間が形成されており、上記端子は、少なくとも一方の起立壁の対向面に沿って上下方向に延び該起立壁に保持され受入空間内に向けて露呈する脚部と、上記一対の起立壁の対向方向にて上記受入空間に対応する範囲を含む範囲で上記底壁に沿って上記対向方向に延び上記底壁に保持される基部とを有している電気コネクタにおいて、
    上記脚部は、上記対向方向で上記受入空間へ向けて突出し相手コネクタの端子と接触可能な突部を有し、上記基部は、上記受入空間に対応する範囲内に位置する部分が、上記対向方向で上記突部の位置を含む範囲で上面が受入空間内に向けて露呈しており、上記脚部の下端が上記基部と連続しているあるいは該基部の上面に当接していることを特徴とする電気コネクタ。
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