JP2019160548A - プラグコネクタ、レセプタクルコネクタ及びコネクタ - Google Patents

Abstract

【課題】ピンコンタクトの破損を防止し、良好な嵌合操作性を得られるようにする。【解決手段】レセプタクルコネクタと嵌合されるプラグコネクタは、インシュレータ２０と、インシュレータ２０に配列保持された複数のピンコンタクト４０とを備える。ピンコンタクト４０はインシュレータ２０の内部底面（底板部２１の上面２１ａ）から内部底面と垂直な嵌合方向に起立し、相互に平行な両側の板面がそれぞれ接触面４２ａとされた接触片４２を備える。複数のピンコンタクト４０は配列ピッチのピッチ方向と接触面４２ａが平行とされて配列され、インシュレータ２０にはピッチ方向において隣接する接触片４２間にそれぞれ位置するように複数の突出片２７が内部底面から嵌合方向に起立して形成されている。【選択図】図１

Description

この発明はコネクタに関し、特に相互に嵌合されてそのコネクタを構成するプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタの構成に関する。

特許文献１にはプラグコネクタとレセプタクルコネクタとを備えるコネクタが記載されており、図１７は特許文献１に記載されているプラグコネクタの構成を示したものである。

プラグコネクタは複数のプラグコンタクト１１とブロック１２とを有する。プラグコンタクト１１は相手方のレセプタクルコンタクトと接触する接触部１１ａと、ブロック１２に固定される固定部（図では隠れて見えない）と、基板に接続される接続部１１ｂとを有している。

プラグコンタクト１１は固定部がブロック１２の挿入孔（図では隠れて見えない）に圧入されて装着されており、所要数のプラグコンタクト１１がブロック１２に配列、保持されている。

特開２００９−２３０９４５号公報

図１７に示したように、従来のプラグコネクタではピンコンタクト（プラグコンタクト）の接触部は配列ピッチのピッチ方向に空隙を隔てて配列されており、よってレセプタクルコネクタとの嵌合操作時に、レセプタクルコネクタのソケットコンタクトの一部やソケットコンタクトを保持するインシュレータの角部などがピンコンタクト間に嵌り込むといった状況が生じ、これにより嵌合操作性が悪いといった問題やピンコンタクトやソケットコンタクトが変形したり、破損したりするといった問題があった。

この発明の目的はこのような問題に鑑み、ピンコンタクト間にレセプタクルコネクタのソケットコンタクトの一部やインシュレータの角部などが嵌り込むことのないようにし、これにより良好な嵌合操作性が得られ、かつピンコンタクトやソケットコンタクトの変形、破損を防止することができるようにしたプラグコネクタを提供することにあり、さらにそのプラグコネクタと嵌合されるレセプタクルコネクタ及びプラグコネクタとレセプタクルコネクタとよりなるコネクタを提供することにある。

請求項１の発明によれば、レセプタクルコネクタと嵌合されるプラグコネクタは、インシュレータと、インシュレータに配列保持された複数のピンコンタクトとを備え、ピンコンタクトはインシュレータの内部底面から内部底面と垂直な嵌合方向に起立し、相互に平行な両側の板面がそれぞれ接触面とされた接触片を備え、複数のピンコンタクトは配列ピッチのピッチ方向と接触面が平行とされて配列され、インシュレータにはピッチ方向において隣接する接触片間にそれぞれ位置するように複数の突出片が前記内部底面から嵌合方向に起立して形成されているものとされる。

請求項２の発明では請求項１の発明において、突出片の両側の板面は隣接する接触片の両側の接触面とそれぞれ同一面上に位置されているものとされる。

請求項３の発明では請求項１又は２の発明において、接触片の、ピッチ方向を向き、突出片と対向する側面には、嵌合方向に延伸する凸条が形成され、凸条が嵌る溝が突出片に形成されているものとされる。

請求項４の発明によれば、プラグコネクタと嵌合されるレセプタクルコネクタは、インシュレータと、インシュレータに配列保持された複数のソケットコンタクトとを備え、ソケットコンタクトは相互に対向し、その対向方向にそれぞれ弾性変位するように支持された一対の接触片を有する接触部と、インシュレータに固定保持される固定部と、固定部に一端が連結され、固定部に対し、接触部を前記対向方向と平行方向に変位可能とするばね部と、ばね部の他端と接触部とを連結する連結部とを備え、一対の接触片とばね部は連結部に対し、プラグコネクタとの嵌合方向において同じ側に突出され、かつ複数のソケットコンタクトの配列ピッチのピッチ方向にずれて位置され、インシュレータにはピッチ方向に延伸する溝が形成され、複数のソケットコンタクトは溝の相互に対向する両壁面に各ソケットコンタクトの一対の接触片が位置するように配列されているものとされる。

請求項５の発明では請求項４の発明において、一対の接触片とばね部は前記対向方向と平行方向にずれて位置され、ばね部は溝から退避しているものとされる。

請求項６の発明によれば、コネクタは請求項１から３までの何れかに記載されたプラグコネクタと、請求項４又は５に記載されたレセプタクルコネクタとよりなり、ソケットコンタクトのばね部はプラグコネクタとレセプタクルコネクタとの嵌合時においてピンコンタクトと干渉しない位置に位置しているものとされる。

この発明によるプラグコネクタによれば、ピッチ方向に配列されたピンコンタクトにおいて隣接するピンコンタクトの接触片間にはインシュレータに形成した突出片が位置して隣接する接触片間には空隙がない構成となっているため、レセプタクルコネクタとの嵌合操作時にレセプタクルコネクタのソケットコンタクトの一部やインシュレータの角部などが接触片間に嵌り込むといったことは発生せず、よって良好な嵌合操作性が得られ、かつピンコンタクトやソケットコンタクトの変形、破損を防止することができる。

この発明によるレセプタクルコネクタは上記プラグコネクタと嵌合されてコネクタを構成するものであり、ソケットコンタクトの接触部はその一対の接触片の対向方向と平行方向にばね部によって変位可能とされているため、例えばプラグコネクタのピンコンタクトの接触力が作用する方向（列間方向）の位置精度が悪くても位置ずれを吸収することができ、よってピンコンタクトとソケットコンタクトとの安定した接触力を得ることができる。

Ａはこの発明によるプラグコネクタの一実施例を示す上方から見た斜視図、ＢはＡに示したプラグコネクタの下方から見た斜視図。 Ａは図１Ａに示したプラグコネクタの平面図、Ｂはその正面図、ＣはＢのＥ−Ｅ線断面図、ＤはＡのＦ−Ｆ線断面図。 Ａは図１Ａにおけるインシュレータの上方から見た斜視図、ＢはＡに示したインシュレータの下方から見た斜視図。 Ａは図３Ａに示したインシュレータの平面図、Ｂはその底面図、ＣはＡのＤ−Ｄ線断面図。 Ａは図１Ａにおけるピンコンタクトの斜視図、ＢはＡに示したピンコンタクトの逆側から見た斜視図。 Ａはピンコンタクトの他の形状例を示す斜視図、ＢはＡに示したピンコンタクトの逆側から見た斜視図。 Ａは図１Ａにおける金具の平面図、Ｂはその正面図、Ｃはその背面側から見た斜視図、Ｄはその正面側から見た斜視図。 Ａはこの発明によるレセプタクルコネクタの一実施例を示す上方から見た斜視図、ＢはＡに示したレセプタクルコネクタの下方から見た斜視図。 Ａは図８Ａに示したレセプタクルコネクタの正面図、Ｂはその底面図、ＣはＢのＤ−Ｄ線断面図。 Ａは図８Ａにおけるインシュレータの上方から見た斜視図、ＢはＡに示したインシュレータの下方から見た斜視図。 Ａは図１０Ａに示したインシュレータの平面図、Ｂはその底面図、ＣはＢのＤ−Ｄ線断面図。 Ａは図８Ａにおけるソケットコンタクトの正面図、Ｂはその斜視図、ＣはＢに示したソケットコンタクトの逆側から見た斜視図。 Ａは図８Ａにおける金具の平面図、Ｂはその正面図、Ｃはその背面側から見た斜視図、Ｄはその正面側から見た斜視図。 図１Ａに示したプラグコネクタと図８Ａに示したレセプタクルコネクタの嵌合状態を示す斜視図。 Ａは図１Ａに示したプラグコネクタと図８Ａに示したレセプタクルコネクタの嵌合状態を示す平面図、Ｂはその正面図。 Ａは図１５ＡのＣ−Ｃ線拡大断面図、Ｂは図１５ＢのＤ−Ｄ線拡大断面図、Ｃは図１５ＢのＥ−Ｅ線拡大断面図。 プラグコネクタの従来例を示す斜視図。

この発明の実施形態を図面を参照して実施例により説明する。

図１及び２はこの発明によるプラグコネクタの一実施例として基板同士を電気的に接続するために用いられる基板対基板コネクタにおけるプラグコネクタを示したものであり、プラグコネクタ１００はこの例ではハウジングを構成するインシュレータ２０と、インシュレータ２０に配列保持された２４本のピンコンタクト４０と、インシュレータ２０の周りに取り付けられた一対の金具５０とによって構成されている。まず、各部品の構成について説明する。

インシュレータ２０は例えば液晶ポリマーなどの耐熱性を有する樹脂製とされ、この例では図３及び４に示したように長方形形状の底板部２１を有し、底板部２１の周縁には側壁が設けられている。側壁は底板部２１の長辺部分に位置する一対の側壁２２と、底板部２１の短辺部分に位置する一対の側壁２３とによって構成されている。

底板部２１には貫通穴２４が底板部２１の長辺方向に６つ、短辺方向に４つ、格子状に配列されて２４個形成されている。以下、貫通穴２４が６つ配列されている方向をピッチ方向といい、４つ配列されている方向を列間方向という。貫通穴２４はピッチ方向に細長い角穴とされ、底板部２１の下面２１ｂ側は図４Ｃに示したようにピッチ方向にやや幅広（長さが大）とされている。

底板部２１にはさらに貫通穴２５が貫通穴２４と同様、ピッチ方向に６つ、列間方向に４つ、格子状に配列されて２４個形成されている。各貫通穴２５は貫通穴２４と対をなし、貫通穴２４のピッチ方向一端側において列間方向にずれた位置に形成されている。貫通穴２５は角穴とされ、底板部２１の下面２１ｂには対をなす貫通穴２４と２５間に、貫通穴２４と２５を連通する凹部２６が形成されている。

ピッチ方向において各隣接する貫通穴２４間には突出片２７がインシュレータ２０の内部底面をなす底板部２１の上面２１ａから垂直上方に起立して形成され、ピッチ方向において両端に位置する貫通穴２４の、ピッチ方向各外側にも突出片２８が底板部２１の上面２１ａから上方に起立して形成されている。以下、底板部２１の上面２１ａに対する突出片２７の起立方向（垂直上方向）を嵌合方向という。

突出片２７は隣接する貫通穴２４間の底板部２１の上面２１ａ全域から起立して形成されており、突出片２７のピッチ方向を向く両側の側面にはそれぞれ貫通穴２４上にはみ出すように２本の凸条２７ａが嵌合方向に延伸して形成されている。２本の凸条２７ａは突出片２７の側面の列間方向両端に位置し、これら凸条２７ａにより突出片２７の両側の側面には嵌合方向に延伸する断面台形状をなす溝２７ｂがそれぞれ形成されている。

一方、突出片２８のピッチ方向を向き、貫通穴２４が位置する側の側面にも突出片２７と同様、貫通穴２４上にはみ出すように２本の凸条２８ａが形成され、これら凸条２８ａにより嵌合方向に延伸する断面台形状をなす溝２８ｂが形成されている。なお、突出片２８は突出片２７の高さより高さがやや低くされ、貫通穴２４がない側のピッチ方向を向く側面は傾斜面とされている。

ピッチ方向に１列に配列されて位置する突出片２７，２８の、列間方向における両側には、突出片２７，２８の基端部を挟み込むように基端部と連結して畝状をなす補強部２９が底板部２１の上面２１ａ上に形成されており、底板部２１の上面２１ａ上に起立する突出片２７，２８は補強部２９によって強度補強されている。なお、補強部２９はピッチ方向、一端側に位置する突出片２８から他端側に位置する突出片２８まで形成されているが、各貫通穴２４が位置する部分は部分的に切り欠かれている。この例では図４Ａに示したように貫通穴２４のピッチ方向一半部（右半部）において補強部２９は切り欠かれている。

底板部２１の長辺部分に位置する一対の側壁２２のピッチ方向各中央部には外面側に突出し、かつ嵌合方向に突出する凸部３１がそれぞれ形成されており、一対の側壁２２にはさらにピッチ方向において凸部３１を挟む両側にそれぞれ一対の凸部３２が外面側に突出して形成されている。

一方、底板部２１の短辺部分に位置する一対の側壁２３の列間方向各両端部には外面側に突出する凸部３３がそれぞれ形成されている。

ピンコンタクト４０は図５に示したような形状を有するものとされ、二股形状をなす固定部４１と、固定部４１上に起立する接触片４２と、固定部４１の一方の脚部が折り曲げられて先端が接触片４２の起立方向（嵌合方向）に曲げ返された折り曲げ部４３とよりなる。

接触片４２は板状とされ、相互に平行な両側の板面がそれぞれ相手方ソケットコンタクトとの接触面４２ａとされる。接触片４２の幅方向両側の側面及び先端面（上面）には面取りが形成されており、これにより接触片４２の側面には断面台形形状をなす凸条４２ｂが嵌合方向に延伸してそれぞれ形成されている。なお、折り曲げ部４３の中間部はプラグコネクタ１００が実装される基板の電極パッドと接続される接続部４３ａをなす。

ピンコンタクト４０は例えばＣｕ合金製とされ、表面にはＡｕめっきが施されたものとされる。

金具５０は図７に示したような形状を有するものとされ、全体としてコ字形状をなす。コ字の両脚部５１はそれぞれインシュレータ２０の側壁２２の上面に被せられる上板部５１ａと、側壁２２の外面側に沿って位置される側板部５１ｂとよりなり、側板部５１ｂの長手方向中央部分の下端には側板部５１ｂから外側に折り曲げ延長されて固定片５２が形成されている。なお、固定片５２が位置する部分の両側の側板部５１ｂにはそれぞれ切欠き５３が形成されており、切欠き５３に突出する突起５４が脚部５１の先端側の側板部５１ｂに形成されている。

一方、金具５０のコ字の中間部５５はインシュレータ２０の側壁２３の上面に被せられる上板部５５ａと、側壁２３の外面側に沿って位置される側板部５５ｂとよりなり、側板部５５ｂは隣接する側板部５１ｂと離間されている。側板部５５ｂの長手方向両端面には互いに外向きに突出する突起５６が形成されており、長手方向中央部分の下端には側板部５５ｂから外側に折り曲げ延長されて固定片５７が形成されている。

次に、図１及び２に示したプラグコネクタ１００の組立てについて説明する。

ピンコンタクト４０はインシュレータ２０の底板部２１の貫通穴２４に、底板部２１の下面２１ｂから接触片４２が挿入され、次に固定部４１が圧入されて図２Ｄに示したようにインシュレータ２０に取り付けられる。この際、ピンコンタクト４０の折り曲げ部４３は底板部２１の下面２１ｂの凹部２６に収容され、先端は底板部２１の貫通穴２５に嵌め込まれる。折り曲げ部４３の中間の接続部４３ａは底板部２１の下面２１ｂに露出される。

ピンコンタクト４０の接触片４２は底板部２１の上面２１ａから突出して嵌合方向に起立する。ピッチ方向において隣接する接触片４２間にはそれぞれ突出片２７が位置し、接触片４２のピッチ方向を向き、突出片２７と対向する側面に形成されている凸条４２ｂは突出片２７の溝２７ｂに嵌る。なお、ピッチ方向両端に位置する接触片４２のピッチ方向外側の凸条４２ｂは突出片２８の溝２８ｂに嵌る。

このように取り付けられることにより、ピンコンタクト４０は接触面４２ａがピッチ方向と平行とされて配列される。ピッチ方向において隣接する接触片４２間にはそれぞれ突出片２７が位置するため、ピッチ方向において隣接する接触片４２間の空隙は突出片２７によって塞がれる。なお、この例では突出片２７，２８の列間方向の厚さは接触片４２の厚さと等しくされ、これにより突出片２７，２８の両側の板面は隣接する接触片４２の両側の接触面４２ａとそれぞれ同一面上に位置されている。

一対の金具５０はインシュレータ２０の側壁２２，２３に上方から嵌め込まれて図１に示したように取り付けられる。側板部５５ｂに形成されている一対の突起５６は側壁２３に形成されている凸部３３にくい込んで係止され、側板部５１ｂに形成されている突起５４は側壁２２に形成されている凸部３２にくい込んで係止される。これにより金具５０は堅固にインシュレータ２０に固定される。金具５０の固定片５２，５７はインシュレータ２０の底板部２１の下面２１ｂ側に位置される。

上記のような構成とされたプラグコネクタ１００ではピッチ方向において隣接するピンコンタクト４０の接触片４２間にはインシュレータ２０の突出片２７が位置し、接触片４２間には空隙がない構成となっているため、レセプタクルコネクタとの嵌合操作時にレセプタクルコネクタのソケットコンタクトの一部やインシュレータの角部などが接触片４２間に嵌り込むといったことは発生せず、よってピンコンタクト４０やソケットコンタクトの変形、破損を防止することができ、良好な嵌合操作性を得ることができる。

なお、この例ではピンコンタクト４０の接触片４２のピッチ方向を向く側面に凸条４２ｂを形成し、凸条４２ｂがインシュレータ２０の突出片２７，２８の溝２７ｂ，２８ｂに嵌る構造を採用しているため、接触片４２の起立状態はインシュレータ２０によって堅固に維持されるものとなっている。凸条４２ｂの断面形状はこの例では台形としているが、三角形としてもよく、また凸字形状としてもよい。インシュレータ２０の突出片２７，２８には接触片４２の凸条４２ｂの形状に対応する溝が形成される。

一方、ピンコンタクト及びインシュレータの形状を単純化するため、ピンコンタクトの接触片に凸条を設けない構成としてもよい。図６はピッチ方向を向く側面に凸条が形成されていない接触片４２’を有するピンコンタクト４０’の形状を例示したものである。

上述した例ではピンコンタクト４０はインシュレータ２０に圧入されて配置されるものとなっているが、圧入に替え、例えばインサートモールドによってピンコンタクトをインシュレータに配置することもできる。

次に、上述したプラグコネクタ１００と嵌合されるこの発明によるレセプタクルコネクタの構成について説明する。

図８及び９はこの発明によるレセプタクルコネクタの一実施例を示したものであり、レセプタクルコネクタ２００はこの例ではハウジングを構成するインシュレータ６０と、インシュレータ６０に収容されて配列保持された２４個のソケットコンタクト８０と、インシュレータ６０の周りに取り付けられた一対の金具９０とによって構成されている。まず、各部品の構成について説明する。

インシュレータ６０はインシュレータ２０と同様、液晶ポリマーなどの耐熱性を有する樹脂製とされ、この例では図１０及び１１に示したように長方形の角部が切り欠かれた形状の底板部６１を有し、底板部６１の周縁には側壁が設けられている。側壁は底板部６１の長辺部分に位置する一対の側壁６２と、底板部６１の短辺部分に位置する一対の側壁６３とによって構成されている。

底板部６１はプラグコネクタ１００との嵌合方向に突出する台状部６４を有しており、台状部６４の上面６４ａにはソケットコンタクト８０の配列ピッチのピッチ方向に延伸する溝６５が４本配列形成されている。さらに、台状部６４にはピッチ方向に６つ、列間方向に４つ、格子状に配列されて２４個の貫通穴６６が台状部６４の上面６４ａから底板部６１の下面６１ａに至って形成されており、ピッチ方向に配列されている６つの貫通穴６６はそれぞれ溝６５を横切るように位置され、これにより溝６５の延伸方向（ピッチ方向）に沿い、相互に対向する壁面（内壁面）には相互に対向する凹部６７の組が６組形成された構成となっている。

底板部６１の下面６１ａには貫通穴６６とピッチ方向に連通する凹部６８が各貫通穴６６と対とされて形成されている。

底板部６１の長辺部分に位置する一対の側壁６２の各中央部には内面側及び外面側に突出し、かつ嵌合方向に突出する凸部６９がそれぞれ形成されており、さらにピッチ方向において凸部６９を挟む両側には内面側及び嵌合方向に突出する凸部７１がそれぞれ形成されている。

一方、底板部６１の短辺部分に位置する一対の側壁６３の各中央部には内面側及び嵌合方向に突出する凸部７２がそれぞれ形成されており、さらに側壁６２と側壁６３がなす４つの角部の外面には角枠７３が外側に突出して形成されている。

ソケットコンタクト８０は図１２に示したような形状を有するものとされ、相互に対向し、その対向方向にそれぞれ弾性変位するように支持された一対の接触片８１ａを有する接触部８１と、固定部８２と、接続部８３と、ばね部８４と、連結部８５とを備える。

一対の接触片８１ａはピンコンタクト４０の接触片４２を挟んで２点接触するもので、先端は互いに外向きに折り曲げられている。固定部８２はインシュレータ６０の底板部６１に固定保持される箇所で、レセプタクルコネクタ２００が実装される基板の電極パッドと接続される接続部８３は固定部８２の下端側中央部が少し切り起こされて形成され、固定部８２と連結されて形成されている。

ばね部８４はＵ字形状をなし、一端は固定部８２に連結されている。連結部８５はばね部８４の他端と接触部８１とを連結しており、このばね部８４は固定部８２に対し、接触部８１を一対の接触片８１ａの対向方向と平行方向に変位可能とする機能を有する。

ばね部８４と一対の接触片８１ａは連結部８５に対し、プラグコネクタ１００との嵌合方向において同じ側に突出する構成とされており、かつソケットコンタクト８０の配列のピッチ方向にずれて位置されている。また、ばね部８４と一対の接触片８１ａは、一対の接触片８１ａの対向方向と平行方向にもずれて位置されている。

ソケットコンタクト８０はピンコンタクト４０と同様、例えばＣｕ合金製とされ、表面にはＡｕめっきが施されたものとされる。

金具９０は図１３に示したような形状を有するものとされ、全体としてコ字形状をなす。コ字の両脚部はそれぞれインシュレータ６０の側壁６２の外面側に沿って位置される側板９１よりなり、側板９１の長手方向中央部を除く２箇所には内側に折り曲げられてなる折り曲げ片９２，９３が形成されている。側板９１の長手方向先端側に位置する折り曲げ片９２には突出部９２ａが内側に突出して形成されている。なお、側板９１の下端には延長片９４が形成され、延長片９４の端面には突起９５が形成されている。

金具９０のコ字の中間部はインシュレータ６０の側壁６３の外面側に沿って位置される側板９６よりなり、側板９６の長手方向中央部分の下端には側板９６から外側に折り曲げ延長されて固定片９７が形成されている。さらに、側板９６の長手方向において固定片９７が形成されている部分の両側には内側に折り曲げられてなる折り曲げ片９８，９９がそれぞれ形成されている。

次に、図８及び９に示したレセプタクルコネクタ２００の組立てについて説明する。

ソケットコンタクト８０はインシュレータ６０の底板部６１の貫通穴６６に、底板部６１の下面６１ａから接触部８１が挿入され、固定部８２が図９Ｂに示したように底板部６１の下面６１ａに形成されている凹部６８に圧入されてインシュレータ６０に取り付けられる。接触部８１の一対の接触片８１ａは図８Ａに示したように溝６５の壁面に相互に対向して形成されている凹部６７に位置される。

ソケットコンタクト８０のばね部８４は凹部６８に収容され、接続部８３や連結部８５は底板部６１の下面６１ａに露出される。

一対の金具９０はインシュレータ６０の側壁６２，６３に上方から嵌め込まれて図８に示したように取り付けられる。側板９１の延長片９４に形成されている突起９５は側壁６２と６３がなす角部に形成されている角枠７３にくい込んで係止される。折り曲げ片９２，９３はそれぞれ側壁６２を挟み込み、折り曲げ片９８，９９はそれぞれ側壁６３を挟み込む。このようにして金具９０はインシュレータ６０に取り付けられ、金具９０の固定片９７はインシュレータ６０の底板部６１の下面６１ａ側に位置される。

上記のような構成とされたレセプタクルコネクタ２００ではインシュレータ６０にピッチ方向に延伸する４本の溝６５が形成され、各溝６５に６つのソケットコンタクト８０の接触部８１が配列された構成となっている。

ソケットコンタクト８０は上述したように接触部８１を一対の接触片８１ａの対向方向と平行方向に変位可能とするばね部８４を備えているため、一対の接触片８１ａ間に挿入されてくる相手方ピンコンタクト４０の接触片４２の列間方向の位置精度、つまり接触力が働く方向の位置精度が悪くても、その位置ずれを吸収することができ、よって接触力が変動することなく、所望の安定した接触力を得ることができる。

なお、ばね部８４は連結部８５に対し、一対の接触片８１ａと同じ側に突出して設けられており、またピッチ方向においては一対の接触片８１ａとずれた位置に位置しているため、これらの点からばね部８４を設けたことによってレセプタクルコネクタ２００の嵌合方向の厚さ及び列間方向の寸法が増大することはない。

また、ばね部８４は一対の接触片８１ａの対向方向と平行方向、すなわち列間方向においても一対の接触片８１ａとずれて位置されており、これによってばね部８４は図８Ａ及び図１６Ｂに示したように溝６５の内部に突出する部位を有することなく、溝６５から列間方向に退避した位置に位置される。

以上説明したプラグコネクタ１００とレセプタクルコネクタ２００は基板同士を電気的に接続する基板対基板コネクタを構成し、プラグコネクタ１００はピンコンタクト４０、接続部４３ａ及び金具５０の固定片５２，５７が基板の電極パッドにはんだ付けされて基板の実装面に実装され、レセプタクルコネクタ２００はソケットコンタクト８０の接続部８３及び金具９０の固定片９７が相手方の基板の電極パッドにはんだ付けされて基板の実装面に実装される。プラグコネクタ１００及びレセプタクルコネクタ２００の各インシュレータ２０，６０の底板部２１，６１はそれぞれ基板の実装面に搭載される。

プラグコネクタ１００とレセプタクルコネクタ２００は実装面と垂直方向に嵌合されて接続される。図１４及び１５はプラグコネクタ１００とレセプタクルコネクタ２００が嵌合された状態を基板の図示を省略して示したものであり、図１６はその断面構造を示したものである。

プラグコネクタ１００においてピッチ方向に１列に配列されている接触片４２及び突出片２７，２８の列はレセプタクルコネクタ２００の溝６５に挿入され、接触片４２はソケットコンタクト８０の一対の接触片８１ａに図１６Ｃに示したように挟み込まれてピンコンタクト４０とソケットコンタクト８０が接続される。

金具５０が取り付けられているプラグコネクタ１００の側壁２２，２３はレセプタクルコネクタ２００の金具９０が取り付けられている側壁６２，６３と台状部６４間に存在する凹部に嵌め込まれて収容される。プラグコネクタ１００の金具５０とレセプタクルコネクタ２００の金具９０は金具９０に設けられている突出部９２ａにおいて所望の接触力で接触して導通される。

ソケットコンタクト８０のばね部８４は溝６５から列間方向に退避した位置に位置されるため、図１６Ｂに示したようにピンコンタクト４０の接触片４２と列間方向にずれて干渉することがない。

以上、基板の実装面に実装され、嵌合方向が実装面と垂直方向とされて嵌合されるプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタについて説明したが、この発明によるプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタはこれに限るものではなく、基板の実装面に実装されて実装面と平行方向に嵌合されるプラグコネクタとレセプタクルコネクタであってもよく、また例えばケーブル端末に取り付けられるプラグコネクタやレセプタクルコネクタであってもよい。

１１ プラグコンタクト １１ａ 接触部
１１ｂ 接触部 １２ ブロック
２０ インシュレータ ２１ 底板部
２１ａ 上面 ２１ｂ 下面
２２，２３ 側壁 ２４，２５ 貫通穴
２６ 凹部 ２７ 突出片
２７ａ 凸条 ２７ｂ 溝
２８ 突出片 ２８ａ 凸条
２８ｂ 溝 ２９ 補強部
３１，３２，３３ 凸部 ４０，４０’ ピンコンタクト
４１ 固定部 ４２，４２’ 接触片
４２ａ 接触面 ４２ｂ 凸条
４３ 折り曲げ部 ４３ａ 接続部
５０ 金具 ５１ 脚部
５１ａ 上板部 ５１ｂ 側板部
５２ 固定片 ５３ 切欠き
５４ 突起 ５５ 中間部
５５ａ 上板部 ５５ｂ 側板部
５６ 突起 ５７ 固定片
６０ インシュレータ ６１ 底板部
６１ａ 下面 ６２，６３ 側壁
６４ 台状部 ６４ａ 上面
６５ 溝 ６６ 貫通穴
６７，６８ 凹部 ６９，７１，７２ 凸部
７３ 角枠 ８０ ソケットコンタクト
８１ 接触部 ８１ａ 接触片
８２ 固定部 ８３ 接続部
８４ ばね部 ８５ 連結部
９０ 金具 ９１ 側板
９２ 折り曲げ片 ９２ａ 突出部
９３ 折り曲げ片 ９４ 延長片
９５ 突起 ９６ 側板
９７ 固定片 ９８，９９ 折り曲げ片
１００ プラグコネクタ ２００ レセプタクルコネクタ

Claims (6)

1. レセプタクルコネクタと嵌合されるプラグコネクタであって、
   インシュレータと、前記インシュレータに配列保持された複数のピンコンタクトとを備え、
   前記ピンコンタクトは、前記インシュレータの内部底面から前記内部底面と垂直な嵌合方向に起立し、相互に平行な両側の板面がそれぞれ接触面とされた接触片を備え、
   前記複数のピンコンタクトは、配列ピッチのピッチ方向と前記接触面が平行とされて配列され、
   前記インシュレータには、前記ピッチ方向において隣接する前記接触片間にそれぞれ位置するように複数の突出片が前記内部底面から前記嵌合方向に起立して形成されていることを特徴とするプラグコネクタ。
2. 請求項１に記載のプラグコネクタにおいて、
   前記突出片の両側の板面は隣接する前記接触片の両側の前記接触面とそれぞれ同一面上に位置されていることを特徴とするプラグコネクタ。
3. 請求項１又は２に記載のプラグコネクタにおいて、
   前記接触片の、前記ピッチ方向を向き、前記突出片と対向する側面には、前記嵌合方向に延伸する凸条が形成され、
   前記凸条が嵌る溝が前記突出片に形成されていることを特徴とするプラグコネクタ。
4. プラグコネクタと嵌合されるレセプタクルコネクタであって、
   インシュレータと、前記インシュレータに配列保持された複数のソケットコンタクトとを備え、
   前記ソケットコンタクトは、相互に対向し、その対向方向にそれぞれ弾性変位するように支持された一対の接触片を有する接触部と、前記インシュレータに固定保持される固定部と、前記固定部に一端が連結され、前記固定部に対し、前記接触部を前記対向方向と平行方向に変位可能とするばね部と、前記ばね部の他端と前記接触部とを連結する連結部とを備え、
   前記一対の接触片と前記ばね部は、前記連結部に対し、前記プラグコネクタとの嵌合方向において同じ側に突出され、かつ前記複数のソケットコンタクトの配列ピッチのピッチ方向にずれて位置されており、
   前記インシュレータには前記ピッチ方向に延伸する溝が形成され、
   前記複数のソケットコンタクトは、前記溝の相互に対向する両壁面に各前記ソケットコンタクトの前記一対の接触片が位置するように配列されていることを特徴とするレセプタクルコネクタ。
5. 請求項４に記載のレセプタクルコネクタにおいて、
   前記一対の接触片と前記ばね部は、前記対向方向と平行方向にずれて位置されており、前記ばね部は前記溝から退避していることを特徴とするレセプタクルコネクタ。
6. 請求項１から３までの何れかに記載されたプラグコネクタと、請求項４又は５に記載されたレセプタクルコネクタとよりなり、
   前記ソケットコンタクトの前記ばね部は、前記プラグコネクタと前記レセプタクルコネクタとの嵌合時において前記ピンコンタクトと干渉しない位置に位置していることを特徴とするコネクタ。

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