JP5443010B2 - ペーパースラッジ焼却灰の水熱固化体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パルプ製造工程、紙製造工程、古紙処理工程等から発生するペーパースラッジを焼却処理した際に発生する焼却灰から、重金属類の溶出を抑制した、高強度、かつ、長期的に安定な粒状の土壌改良材・凍上抑制材に適した水熱固化体を製造する方法に関するものである。ペーパースラッジとは、一般的には、古紙を再生するときに生ずる産業廃棄物をいうが、ここでは、パルプ製造工程、紙製造工程、古紙処理工程等から発生するものを含む。
ペーパースラッジ焼却灰は嵩高であることにより輸送賃がかかることと、灰の形状が不均一であることにより、フライアッシュのようにセメント原料としての用途がない。
また、ペーパースラッジ焼却灰には、重金属類の有害物質が含まれており、直接埋立処分ができず、埋立を行う場合は、管理型処分場といわれる遮水シート等で外部への浸透水流出を防止した処分場で埋立処分をしなければならないように義務づけられている。
もしくは埋立処分とする場合、有害物質の溶出を抑制する中間処理が必要である。中間処理として薬剤(キレート)処理や溶融固化処理があるが、高価なキレート剤が処理すべき灰に対して数%程度必要であり、溶融固化処理では設備費及び多くのエネルギーが必要となり、これらの中間処理方法は焼却灰処理費用を増大させる要因となる。
また、埋立処分場を確保すること自体が、近年ますます困難になってきている。
そこで、ペーパースラッジ以外の焼却灰や廃棄物を有効利用することで処理費の抑制を図る方法のひとつとして、水熱固化反応を利用した固化体の製造方法が提案されている。特許文献1には、製紙工場から排出されるペーパースラッジを200〜1000℃で前処理した後、酸化珪素、水酸化ナトリウム及び酸化カルシウムを添加した後水熱合成することにより、イオン交換体として有用なトバモライト混合物を製造する方法が開示されている。
特許文献2には、陶磁器廃棄物、釉薬汚泥、生素地廃棄物、鋳物砂廃棄物、都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰、石炭灰、フライアッシュ、スラグ等に、生石灰、消石灰等の活性カルシウム源を添加・混合し、得られた混合物を加圧成形した後、水熱合成して舗装材等の建設材料として利用可能な固化体を製造する方法が開示されている。
特許文献3には、都市ごみ、産業廃棄物、ごみ固形燃料(RDF)等の廃棄物を焼却処理した際に発生する焼却飛灰から、固化体を製造する際に膨張を抑制する処理を行うことにより、高強度の固化体を製造することができ、長期的に安定で強度低下や崩壊等のない高品質の路盤材等に利用できる固化体を得ることができる廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法が開示されている。
特許文献4には、砕石副産物からなる水熱固化成形品の製造方法に関し、詳細には、砕石プラントで発生するシリカ(SiO2)を含有する砕石副産物である濁水ケーキや石粉にカルシウム化合物を添加・混合し、この原料混合物を最終的に水熱固化処理することにより、砕石副産物から高品質な建築用ブロック等の水熱固化成形品を製造する方法が開示されている。
特許文献5には、ペーパースラッジを焼却処理した際に発生する焼却灰に、水及び/又は温水、生石灰並びにセメントを加え、常温から98℃までの温度で混合して粒状に造粒した成形体を養生した後、水熱固化反応を利用して固化体を製造することを特徴とする、細孔性・多孔性構造を有するペーパースラッジ焼却灰水熱固化体の製造方法が開示されている。
特開平3−159913号公報 特開平10−296205号公報 特開2000−308867号公報 特開2002−137956号公報 特開2005−313032号公報
特許文献1に記載の方法では、単にスラリー反応から粉末状の生成物を得るためのものであるため、粒状もしくはブロック状の固化体を得ることはできない。
特許文献2及び特許文献4に記載の方法では、造粒ではなく加圧成形を行い固化体を製造している。
特許文献3に記載の方法では、成形もしくは造粒にて固化体を製造している。
一般廃棄物の焼却灰やフライアッシュ等から、長期的に安定な強度のある重金属類の有害成分の溶出を抑制した、加圧成形にて固化体を得る方法は提供されてはいるが、ペーパースラッジ焼却灰から固化体を製造する有効な方法は提供されていないのが現状である。
特許文献5に記載の方法では、原料としてセメントを添加しているため、コストの点において課題があった。
本発明は上記の諸点に鑑みなされたもので、本発明の課題は、ペーパースラッジ焼却灰の本来の性状である細孔性・多孔性を損なうことなく、高強度で重金属類の有害成分の溶出を抑制した、吸湿性や保水性を有する土壌改良材・凍上抑制材に適した粒状の固化体の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のペーパースラッジ焼却灰固化体の製造方法は、(a)ペーパースラッジを焼却処理した際に発生する焼却灰に、(b)水及び/又は温水を加えて、(c)更に生石灰と石炭灰を加え、(d)必要により硬化促進剤、分散剤を加え、造粒機に供給し、(e)常温〜98℃、望ましくは60〜95℃で5〜10分間混合し粒状に成形する造粒工程を行い、(f)その後造粒品を前養生した後、(g)恒温槽やオートクレーブ等の養生室にて40〜250℃で3〜24時間、望ましくは180℃で5時間、水蒸気養生を行うことにより、ペーパースラッジ焼却灰に対して、重金属類の有害物質の溶出を抑制した、高強度、かつ、長期的に安定な高品質の水熱固化体を製造するように構成されている。
本発明では、石炭灰に加えて、さらに、セメントを添加することができる。その量は、(セメント)/(石炭灰)の重量比で、0.25〜1.3の範囲であることができ、好ましくは、0.3〜1.0の範囲である。
本発明は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。
(1)ペーパースラッジ焼却灰の場合、適度な大きさを有する木質系有機物(微細繊維、柔細胞、紙で使われる有機顔料・填料等)とから成ることにより、空隙部とシリカが適当な間隔を持って存在するため、添加される生石灰と水熱固化反応がしやすく、より強度の高い安定的な粒状の水熱固化体が、得られることになる。よって、ペーパースラッジ焼却灰に、水及び/又は温水、生石灰及び石炭灰を加え、混合して粒状に造粒した成形体を前養生し、恒温槽やオートクレーブ等の養生室にて水蒸気養生を行うことにより、ペーパースラッジ焼却灰に対して、重金属類の有害物質の溶出を抑制した、高強度、かつ、長期的に安定な高品質の水熱固化体を製造することができる。
(2)ペーパースラッジ焼却灰は、上記の構造上の記述からも明らかなように、元々細孔性と多孔性であるため、得られる水熱固化体も、細孔性および多孔性であり吸水性や保水性を有している。また粒状であるため表面積が大きいことから、より吸水性や保水性の効果が大きいこと、水捌けの改善や地盤の沈下抑制をし作物の育成改善が成されること、尚且つ重金属等の有害物質の溶出基準を満たすこと、等土壌改良材・凍上抑制材に求められる品質・性状を備えている。
(3)原料として石炭灰を使用しているため、原料としてセメントを使用している特許文献5のような、コスト高でなく、コスト削減の課題を達成している。また、本来、廃棄物として処理される石炭灰を原料として使用しているため、廃棄物削減の課題をも達成している。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができるものである。
図1は、本発明の実施の形態によるペーパースラッジ焼却灰水熱固化体の製造方法を示している。図2は、本発明の他の実施の形態によるペーパースラッジ焼却灰水熱固化体の製造方法を示している。
(1)ペーパースラッジ焼却灰は、パルプ製造工程、紙製造工程、古紙処理工程等から発生するペーパースラッジをボイラーで焼却処理した焼却灰のことである。ボイラーには流動層ボイラーやストーカ焼却炉等種々あるが、この場合、形式は限定されるものではない。また、助燃用とする程度であれば重油や石炭をペーパースラッジと共に、ボイラーで混焼しても構わない。
さらに、ペーパースラッジ焼却灰の本来の性状である細孔性や多孔性を損なわない程度であれば、RDF(ごみ固形燃料)、RPF(産業系廃プラスチック・古紙類固形燃料)、その他一般可燃物もペーパースラッジと共に、ボイラーでの混焼は構わない。
助燃用に石炭を使用した場合の、ペーパースラッジ焼却灰は微量ながらも重金属類(六価クロム、砒素、セレン、フッ素、ホウ素等)を含んでいるのが、一般的である。
(2)ペーパースラッジ焼却灰に加える水及び/又は温水は、焼却灰100重量部に対して、60〜100重量部、望ましくは75〜95重量部である。
水及び/又は温水の添加量は、造粒条件や造粒後の強度に影響する。
焼却灰に対して、水及び/又は温水の添加量が多くなると、造粒時間は短くなる。これは、水及び/又は温水が速く焼却灰に浸透することで、造粒も速く進むと考えられる。但し、造粒後の強度は低くなる傾向にある。一方、焼却灰に対して、水及び/又は温水の添加量が少なくなると、造粒時間は長くなるが、造粒後の強度は高くなる傾向である。
このことから、造粒後の強度も高く、製造効率も高い望ましい範囲を追究したところ、上記記載の、ペーパースラッジ焼却灰に加える水及び/又は温水は、焼却灰100重量部に対して、60〜100重量部、望ましくは75〜95重量部であることが得られた。
(3)ペーパースラッジ焼却灰に加える生石灰量は、ペーパースラッジ焼却灰に含有される生石灰分量にもよるが、焼却灰100重量部に対して、1〜20重量部の範囲が望ましい。また、ボイラーの脱硫用として、燃焼時に添加される炭酸カルシウムを増やすことで、ペーパースラッジ焼却灰に含有される生石灰量が増すため、混合時に加える生石灰量を少なくすることができる。焼却灰とよく混合できるように、生石灰は粒状もしくは粉状が望ましい。添加される生石灰(CaO)は、ペーパースラッジ焼却灰に元々含有している石灰分(CaO)と共に、後述するシリカ(SiO2)と、水熱固化反応において強度向上及び重金属類の有害物質の溶出抑制に、重要な役割を果たす。
ペーパースラッジ焼却灰に加える石炭灰は、石炭灰に含有するシリカ分(SiO2)が、ペーパースラッジ焼却灰に元々含有しているシリカ分(SiO2)と共に、先述した石灰分(CaO)と、水熱固化反応において強度向上及び重金属類の有害物質の溶出抑制に、重要な役割を果たす。従って、焼却灰100重量部に対して、1〜50重量部が望ましい。
(4)必要により添加される硬化促進剤、分散剤は、ペーパースラッジ焼却灰、水及び/又は温水、生石灰、石炭灰との混合物において、水和作用を促進して早期に強度を発現させる役割があり、後述する前養生及び水蒸気養生の処理時間を短くする効果がある。硬化促進剤、分散剤には、塩化カルシウム、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、炭酸ソーダ、炭酸カリ、珪弗化亜鉛、珪弗化マグネシウム、珪弗化ソーダ等がある。
(5)ペーパースラッジ焼却灰、水及び/又は温水、生石灰、石炭灰、必要により硬化促進剤、分散剤を加え、混合工程及び造粒工程を行う。
混合・造粒工程の温度は、常温〜98℃、望ましくは60〜95℃を保持することが強度向上のためには必要である。
混合・造粒時間は先述したように、水及び/又は温水の添加量に影響され、また、混合装置(撹拌子の回転数や大きさ等)にも影響されるが、5〜10分間が望ましい。
なお、ペーパースラッジ焼却灰、水及び/又は温水、生石灰、石炭灰は造粒機に別々に供給してもよく、予め混合した状態で供給してもよい。
土壌改良材・凍上抑制材を用途とする場合、粒径は1.18mm〜16mmの粒が全体重量の70%以上を有することが望ましい。
土壌改良材・凍上抑制材は土中に層状(例えば約50〜150cm厚さ)に施工された上に、表土(例えば土壌改良材では約100cm)を施工することで、水捌けを改良するものである。
表土からの雨水等の水捌けが良好であるためには、土壌改良材・凍上抑制材の粒子間に間隙があり、水の抜け道があることが必要である。表土下の土壌改良材層・凍上抑制層が保水性を持ち表土水分が低下した場合に水分補給が可能であることも必要である。そのためには、土壌改良材・凍上抑制材の粒子が細孔性や多孔性であることで、吸水性や保水性を有することが必要である。土壌改良材層・凍上抑制層が保水性を持つことで、農作物の旱害・冬害を防ぐこともできる。また、粒子の表面積が大きい方が吸水性や保水性には有利であり、粒径が小さいほど粒子の表面積が大きくなる。但し、粒子が球状に近い場合は、小粒径だけでは施工上締め固めがしにくく、また逆に大粒径だけでも同様に締め固めがしにくい。粒径の大きなものの間隙に粒径の小さなものが充填されることにより締め固めしやすくなる。これより、土壌改良材・凍上抑制材として施工上締め固めしやすく、また土壌改良材・凍上抑制材に必要な適性を持った粒径範囲が規定されることとなる。
造粒機には、押出造粒機、転動造粒機、ロール成形機、打錠式造粒機、フレーカ式造粒機等がある。押出造粒機は、一定の穴径を備えたダイスから材料を強制的に圧縮押出するものである。転動造粒機は、回転体に供給された材料が回転運動により相互に付着成長しながら、比較的ソフトで形状の整った球状物を大量に作るのに適している。ロール成形機は、相対する一対の回転ロールに凹状のポケットが刻んであり、上部より材料を供給し形状一定の造粒物を作る装置である。打錠式造粒機は、円板上に放射線上に並んだ金型に材料が充填され、押棒により圧縮され、次いで造粒物が排出される、これを連続で行うものである。フレーカ式造粒機は、溶融物やスラリー状の材料を回転ドラムやスチームベルトに付着させ、冷却又は加熱することによりフレーク状に造粒するものである。
本発明の造粒機は、土壌改良材・凍上抑制材に適した細孔性及び多孔性を保持する必要から、粒子自体がソフトに成形でき、さらに、施工上締め固めしやすいように一定の粒径ではなく、ある範囲をもった粒度分布が得られ、また、用途上、大量生産に適したものでなければならない。これから、上記の造粒機の中では、転動造粒機がもっとも好適である。
(6)造粒工程後、造粒品を前養生する必要がある。前養生を行うことにより造粒品の強度が増し、それによってその後の水熱固化体の強度も増すことになるため、この前養生は重要である。養生方法には、大きく分けて自然養生と強制養生がある。自然養生とは、特に手を加えることなく、時間をかけることによる養生方法である。強制養生とは、高温状態に保持して、短時間で効率的な養生方法である。本発明においては、どちらの養生方法でも構わない。
(7)前養生後、水蒸気養生を行うことにより、ペーパースラッジ焼却灰に元々含有している石灰分(CaO)とシリカ(SiO2)及び添加する生石灰(CaO)と石炭灰に含有するシリカ(SiO2)とから、水熱固化反応によってケイ酸カルシウム(トバモライト、5CaO・6SiO2・5H2O)の結晶が生成して、高強度、かつ、長期的に安定な粒状の土壌改良材に適した水熱固化体が得られる。
元々ペーパースラッジ焼却灰に含有している石灰分とシリカだけでは、水熱固化反応で充分な強度を得ることはできないため、後添加の生石灰と石炭灰が必要である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
[実施例1]
表1に示す組成のペーパースラッジ焼却灰100重量部に対し、水91重量部、生石灰5重量部、表2に示す組成を有する石炭灰20重量部を造粒機で混合し造粒した粒状の造粒品を、前養生として2日間の自然養生を行い、さらに水熱固化処理として180℃で5時間の水蒸気養生を行って水熱固化体を得た。表3にその組成を示す。この水熱固化体と、同一組成の水熱固化処理をしていない造粒品における有害物質の溶出分析値の比較を表4に示した。さらに、水熱固化前及び水熱固化後の組成物の強度試験を行った。結果を表5に示した。
[実施例2]
生石灰5重量部を10重量部、石炭灰20重量部を5重量部に置き換え、セメント5重量部を混合した以外は、実施例1と同様な操作を行った。その組成を表3に示す。この水熱固化体と、同一組成の水熱固化処理をしていない造粒品における有害物質の溶出分析値の比較を表4に示した。さらに、水熱固化前及び水熱固化後の組成物の強度試験を行った。結果を表5に示した。
[実施例3]
生石灰5重量部を10重量部、石炭灰20重量部を7.5重量部に置き換え、セメント2.5重量部を混合した以外は、実施例1と同様な操作を行った。その組成を表3に示す。この水熱固化体と、同一組成の水熱固化処理をしていない造粒品における有害物質の溶出分析値の比較を表4に示した。さらに、水熱固化前及び水熱固化後の組成物の強度試験を行った。結果を表5に示した。
[比較例1]
ペーパースラッジ焼却灰100重量部に対し、生石灰を10重量部、セメント10重量部に置き換えた以外は、実施例1と同様な操作を行った。その組成を表3に示す。
この水熱固化体と、同一組成の水熱固化処理をしていない造粒品における有害物質の溶出分析値の比較を表4に示した。さらに、水熱固化前及び水熱固化後の組成物の強度試験を行った。結果を表5に示した。
Figure 0005443010
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溶出試験結果から、水熱固化前は実施例1のフッ素・ホウ素、実施例2及び3のフッ素が土壌環境基準を越えていたが、水熱固化後はフッ素・ホウ素を含め、その他の分析項目でも土壌環境基準内であり、有害物質の溶出抑制の効果が確認できた。
強度試験結果から、水熱固化前の実施例1、2及び3に示すとおり、セメント10重量部を混合した比較例1に比べ、石炭灰を混合することにより若干強度は落ちるが、水熱固化後は実施例1、2及び3ともに、比較例1と遜色のない強度が得られることがわかった。
総体的には、実施例1、2及び3の水熱固化体の結果から、ペーパースラッジ焼却灰の本来の性状である細孔性・多孔性を損なうことなく、重金属類の有害物質溶出を抑制した、高強度、かつ、長期的に安定な高品質の水熱固化体の製造が可能であることが確認できた。
また、セメント混合比率を下げることで、コスト削減の課題を達成し、さらには、本来、廃棄物として処理される石炭灰を混合することで廃棄物削減の課題をも達成できた。
本発明の実施の形態によるペーパースラッジ焼却灰の水熱固化体の製造方法を示す工程図である。 本発明の他の実施の形態によるペーパースラッジ焼却灰の水熱固化体の製造方法を示す工程図である。

Claims (4)

  1. ペーパースラッジを焼却処理した際に発生する焼却灰100重量部に対して、水及び/又は温水を60〜100重量部、生石灰を1〜20重量部並びに石炭灰を1〜50重量部加え、かつセメントを添加しないで、常温から98℃までの温度で混合して粒状に造粒した成形体を養生した後、水熱固化反応を利用して固化体を製造することを特徴とする、細孔性・多孔性構造を有するペーパースラッジ焼却灰水熱固化体の製造方法。
  2. 前記焼却灰が、石炭を焼却処理した際に発生する焼却灰を含む、請求項に記載の方法。
  3. 前記水及び/又は温水、前記生石灰並びに前記石炭灰を、一成分ずつ任意の順番で前記焼却灰に添加する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記焼却灰に、硬化促進剤及び/又は分散剤をさらに添加する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
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