JP4846876B1 - 焼却灰を原料とした資材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特殊な機械装置を使用せずに、任意のサイズでしかも型崩れが少ない破砕石からなる土木・建築などに好適な資材を極めて安価に製造できる資材の製造方法を提供する。
【解決手段】資材の製造方法は、焼却灰に、セメントを加えて組成調整して混合する混合工程I、混合物に混練水を投入し、ファニキュラー状態(スランプ5〜7)の混練物を得る混練工程II、ファニキュラー状態の混練物から水分を蒸発させてベンジュラー状態(スランプゼロ又は略0)に解す解し工程III、ベンジュラー状態に解した混練物を成形型枠に移して固体物に成形するとともに所定の圧縮力を加えて圧縮する成形・圧縮工程IV、成形・圧縮した固体物を成形型枠内で保温及び保湿状態で養生して固化体にする養生工程V、固化体を破砕して粒径調整を行い所定大きさの破砕石からなる資材を得る破砕工程VIを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼却灰を原料とした資材の製造方法及び資材に係り、さらに詳しくは、産業廃棄物などを焼却した焼却灰を原料として土木・建築等に使用し得る資材に再生する資材の製造方法及び前記製造方法で製造した資材に関する。
現在、紙や電気製品、加工食品などの工業製品が大量に生産されまた大量に消費される時代にあって、工場、商店、一般家庭などからは、日々、多種多様な大量の産業廃棄物や都市ごみなど(以下、これらを総称して「廃棄物」という)が排出されている。これらの廃棄物としては、例えば工場からの製紙スラッジ、プラスチックなどが含まれ、都市ごみとしては、商店からの紙くず、ダンボール、木くずなど及び一般家庭からの野菜くずなどの生ごみ、廃棄された新聞や雑誌等が含まれている。そして、これらの廃棄物が処理されて生じた各種の汚泥及び焼却灰なども多種多様なものとなっている。
これらの廃棄物のうち、有害化学物質が溶出しないものは、そのままの状態或いは焼却して灰にした後に埋立て処分されている。また、例えば製紙スラッジをプラスチック固形化燃料、タイヤチップ、木材チップ、石炭などと共に焼却した焼却灰には、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、水銀、セレンなどの重金属の有害化学物質が含まれており、これらをそのまま地中に埋めると溶出する恐れがあるので、直接埋立て処分することができない。そのために、これらの重金属の有害化学物質を含む焼却灰は、セメントの原料、或いは溶融固化、薬剤(キレート剤)処理や溶媒抽出等の処理を行った後に埋め立て処分されている。しかしながら、これらの処理方法のうち、薬剤処理方法は処理する焼却灰に対して高価なキレート剤が数%程度必要となり、また、溶融固化処理方法は設備費用が高額になると共に大量のエネルギーが必要となる。そのために、これらの処理方法では、廃棄物の処理費用が増大し、経済的に採算性が悪くなり、採用に当たっての課題となっている。
一方でまた、埋立て処分或いはセメント原料への使用にあっても、近年では困難な状況・環境にある。すなわち、埋立て処分には、その埋立て場所の確保が必須となるが、この埋立て場所の選定・確保が年々極めて難しくなって来ており、都市部にあっては既に限界状態にあり、地方にあっても見つけるのが厳しい状況になっている。また、セメント原料への使用にあっても、近年の財政難などから公共事業が減少し、これに伴ってセメント需要も頭打ち状態になっており、今後も使用拡大が期待できない状況にある。しかしながら、このような状況・環境にあっても、毎日、多種多様の大量の廃棄物が排出されている。そのために、これらの廃棄物を埋立て以外で処分できる処理技術の開発、それも、これらの廃棄物には再資源化(リサイクル)して再利用可能なものも含まれていることから、これらの廃棄物の有効利用を図ることができる循環型社会の構築のために、再生技術の開発が進められている。この再生技術として、従来、水和固化反応(水熱固化反応)により、焼却灰からの有害化学物資の溶出を防止するとともに、例えば、路盤材、土地改良材などの資材に再生できる水熱固化技術が開発されている。
は、この水熱固化技術を用いた公知の基本的な造粒・固化プラントシステムのシステムフロー図である。この造粒・固化プラントシステム(以下、SPSという)は、焼却灰に所定量の添加材を添加し、混練して所定粒径の粒状体を得る造粒工程Aと、この粒状体を養生して固化体にする水熱固化工程Bと、この固化体を所定粒径の粒状体にする破砕工程Cと、を含むシステムとなっている。より具体的には、廃棄物を焼却した焼却灰に所定量のセメント及び生石灰などを混合機に入れて混合し、この混合物に所定量の水を加えて造粒機で混練・造粒して造粒体を得、この造粒体を蒸気処理装置で養生して固化体にして、この固化体を破砕機で破砕し所定粒径の粒状固体を得るものとなっている。なお、このSPSでは、造粒工程Aで得た粒状体をそのまま製品として使用することも可能であるが、有害化学物資の重金属等の溶出値が環境基準をクリアしない恐れもあるので、造粒工程A後に蒸気処理装置で水熱固化処理をしている。
このSPSにおいて、造粒工程Aは混合機及び造粒機などからなる造粒設備で実行され、造粒機は押出式、転動式、ロール式、打錠式、フレーカ式のいずれかが使用されている。これらの造粒機のうち、押出式造粒機は一定の穴径を備えたダイスから混練物を強制的に圧縮押出することにより造粒する装置である。転動式造粒機は回転体に供給された混練物が回転運動により相互に付着成長させて一定の造粒物を造る装置である。ロール式造粒機は、相対する一対の回転ロールに凹状のポケットが刻んであり、上部より混練物が供給されて形状一定の造粒物を造る装置である。打錠式造粒機は、円板上に放射線上に並んだ金型に混練物が充填され、押棒により圧縮され、次いで得られた造粒物を排出することにより造粒する装置である。また、フレーカ式造粒機は、溶融物やスラリー状の混練物を回転ドラムやスチームベルトに付着させ、冷却又は加熱することによりフレーク状に造粒するものである。さらに、水熱固化工程Bは、蒸気処理装置及びボイラなどからなる水熱固化設備で実行され、この蒸気処理装置は、高圧・高温蒸気装置であってオートクレーブとも呼ばれているもが使用されている。なお、これらの造粒機及び高圧・高温蒸気装置は、殆どが汎用機でなく特注の機械装置となっている。
このSPSは、基本的なものであり、大抵の廃棄物焼却灰を処理できるものであるが、焼却灰のうち、製紙スラッジ焼却灰は、その特性からこのSPSをそのまま使用することが難しいとしてそれを改良した製法や装置が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、製紙スラッジ焼却灰には、燃焼時の助燃材に含まれる硫黄分により異なる水和反応性を有するので、製紙スラッジ焼却灰を粒状体の製造に使用すると所定の品質と安全性を満足しない粒状体が製造されてしまうことがあること、及び製紙スラッジの燃焼時の助燃材に含まれる金属アルミニウム分により、この焼却灰を用いた粒状体の製造に際し、混練・成形工程で大量の水素ガスが発生し、この水素ガスにより成形体が膨張して固化が阻害されることなどの問題があることなどを理由に、上記のSPSをそのまま利用して固化させることが難しいとしている。
ここで、図を参照して、この特許文献1に記載された粒状体製造装置を説明する。なお、図は、下記特許文献1に記載された粒状体製造装置の概念模式図である。この粒状体製造装置20では、まず、電気集塵機21において、製紙スラッジ焼却灰が採取されてサイロ切替機22を経由して灰中のSO含有量が0.7重量%以上のもののみが原料灰サイロ23へ送り込まれる。その際、化学組成における未燃炭素含有量が5〜15%、金属アルミニウム含有量が0.5%以下であれば、これが原料灰として使用される。原料灰は原料灰サイロ23から粉砕装置24へ送られて平均粒径を1000μm未満の微粉に粉砕されて、中間サイロ25へ送られる。次に、原料灰は混練装置26へ投入されて、石灰ホッパ27Aから石灰、石膏ホッパ27Bから石膏が投入された後に所定量の混練水が水タンク27Cより投入される。この混練によりファニキュラー状態にした後、成形機28に供給して型枠に入れて振動成形によりブロック状にした後に、即時脱型させて養生装置29に搬入して固化反応により固化させる。その後、これを破砕機30で最大粒径50mm未満の粒状体に破砕するものである
この粒状体製造装置20では、最大粒径50mm未満の粒状体を得ることによって、一般に流通している砕石と同様の扱いができる利点があり、また、成形機21には振動式の成形機及び養生機には蒸気装置が使用されている。そして、この粒状体製造装置20によれば、所定の未燃炭素含有量、所定の金属アルミニウム含有量及び所定のSO含有量の製紙スラッジ焼却灰を原料灰として使用しているので、固化反応に寄与しない未燃炭素による粒状体の強度低下を防止するとともに、金属アルミニウム含有量も調整することによる水素ガス膨張を抑えて、製紙スラッジ焼却灰の水和反応性を一定にして所定の品質と安全性を満足させる粒状体を得ることができるとされている。
また、下記特許文献2には、φ50mm×H100mmの成形体を得る廃棄物焼却灰固化体の製造方法が記載されている。さらに、下記特許文献3には、粒径1.18mmから16mmの粒状体を得るペーパースラッジ焼却灰の水熱固化体の製造方法が記載されている。なお、これらの文献の製造方法は、いずれも成形機及び養生装置を使用し、養生装置はオートクレーブとなっている。なお、下記特許文献4には、焼却灰に3〜20重量%の水を加えて、非加熱下、100〜500kg/cmで1秒〜30分加圧して固化させる焼却灰の固化方法が記載されている。
特開2006−122726号公報(段落〔0030〕〜〔0034〕、図1) 特開2000−308867号公報(段落〔0024〕、〔0025〕、図1) 特開2010−173912号公報(段落〔0017〕、図1) 特開平5−57267号公報(段落〔0019〕〜〔0021〕)
一般の廃棄物焼却灰は、これを主原料にして図に示したような基本的なSPSによって再利用可能な資材に再生できる。また、製紙スラッジ焼却灰もこの基本的なSPSを改良した上記特許文献1〜3に示されている粒状体製造装置及び製造方法により、同様の資材に再生できる。したがって、この廃棄物焼却灰の資材化は、埋立て以外の処分になると共に再利用可能な資源として再生できるので、現在、積極的に推進されている循環型社会の構築に大きく貢献できる。
しかしながら、これらのSPS及び粒状体製造装置などは、いずれも専用の造粒機やオートクレーブと称される高圧・高温蒸気装置などの機械設置が不可欠となる。そのために、これらの機械装置は、汎用機ではなく、概ね特注の機械装置となるのでその価格が高価となり、プラントを作るには高額な投資が必要になると共に大量のエネルギー消費が避けられない。この高額投資は最終的に資材製品へ転嫁されて製品価格の高騰を招き、しかも大量のエネルギー消費によってCO排出量が多くなり、地球温暖化の要因ともなる。また、これらのSPS及び粒状体製造装置で製造される固化体は粒状体であり、しかもその粒径が50mm未満や1.18〜16mm(上記文献1、3参照)と小粒径であるので、用途により非粒状体及びより粒径が大きものが要求されると、この要求に応じることができず用途が制限されたものとなる。
なお、粒状体の粒径を大きくするには、このような設備・装置でも可能であると推定されるが、そのためには大型の造粒機及び高圧・高温蒸気装置などが必要となり、一方でまたエネルギー消費量もさらに増大することになって、高額投資及びさらに製品価格の高騰等を招き、しかも、CO排出量も多くなる。したがって、これまでのSPS及び粒状体製造装置などでは、非粒状体及び大粒径の粒状体を製造する場合には、高額な設備投資が必要であり、しかも、資材(製品)の価格アップを招き、経済的に採算性がとれないために実用化が難しく、しかも製品の普及拡大の期待ができないなどの課題が潜在している。
そのために、従来技術のSPS及び粒状体製造装置は、上記のような課題を抱えており、一方でまた、地球温暖化の緩和が急務の環境にあって、その一環として積極的に推進されている循環型社会の構築に寄与するためには、この課題解決が不可欠である。そこで、発明者らは、このような高価な設備投資を不要にすると共に、省エネルギー化を図り、任意の粒径サイズでしかも低価格化で製品提供ができないかについて、試行錯誤を繰り返して検討した。その結果、膨張の原因である金属アルミニウムが0.5%以上含有した焼却灰であっても混練工程において、前の混合工程で混合した混合物に比較的多い混練水を加水してファニキュラー状態にして十分混練し、次の工程でこの混練物から水分を蒸発させて混練物をンジュラー状態になるまで解して、この解した混練物を所定の形状に成形すると共に所定の圧縮力を加えて圧縮し、その後、所定の環境で養生すると、任意の粒径サイズ、特に大型の固化体が製造できること、高価な設備投資が不要になると共にエネルギー消費量を最低限に抑制できること、しかも膨張抑制剤などを使用せずに金属アルミニウムに起因して発生する水素膨張が抑えられて、大岩石化が可能になることを見出して、本発明を完成させるに至ったものである。
そこで、本発明の目的は、特殊な機械装置を使用せずに、安全性が環境基準に適合し、任意の粒径サイズでしかも型崩れが少ない破砕石からなる土木・建築などに好適な資材を極めて安価に製造できる焼却灰を原料とした資材の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、焼却灰が保有する細孔性、多孔性を損なうことなく、所定の強度で重金属類の有害成分の溶出が抑制され且つ吸湿性や保水性を有する資材を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法は、以下の工程(a)〜()を含むことを特徴とする。
(a)焼却灰100質量%に、セメントを5〜25質量%加えて混合する混合工程、
(b)前記混合工程の後、前記焼却灰及びセメントの混合物に混練水を投入して混練することで、前記焼却灰及びセメントに含まれる生石灰を消化させてファニキュラー状態の混練物を得る混練工程、
(c)前記混練工程の後、前記ファニキュラー状態の混練物の所定量を解し型枠へ入れた後、放置または撹拌して水分を蒸発させてペンジュラー状態の混練物を得る解し工程、
(d)前記解し工程の後、前記ペンジュラー状態の混練物を成形型枠に移すと共に所定の圧縮力を加えることで固体物を得る成形・圧縮工程、
(e)前記成形・圧縮工程の後、前記固体物を前記成形型枠内で保温及び保湿状態で養生して固化体にする養生工程
(f)前記養生工程の後に、前記固化体を破砕して粒径調整を行い所定大きさの破砕石からなる資材を得る破砕工程。
また、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法は、前記焼却灰は、都市ごみ、木材チップ、タイヤチップ、製紙スラッジ、下水汚泥、バイオマスなどの廃棄物焼却灰、或いは、石炭、ゴミ固形化燃料、プラスチック固形化燃料等の焼却灰のいずれか又はこれらを混合したものであることを特徴とするとする。
また、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法は、前記(a)の混合工程において、前記混合物に対して石灰を添加混合し、その割合を全混合物の30〜40質量%にしたことを特徴とする。
また、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法は、前記(a)の混合工程において、前記混合物に対して無機性汚泥を5〜10質量%混合したことを特徴とする。
また、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法は、前記(b)の混練工程において、前記混合物100質量%に対して35〜55質量%の水を加えて混練することを特徴とする。
また、本発明の態様の焼却灰を原料とした資材の製造方法は、前記(a)の混合工程において、前記混合物に水を15〜25質量%添加して混合し、次の前記(b)の混練工程で20〜30質量%の混練水を投入して所定量を順次連続して混練して、その後の前記(c)の解し工程において、前記混練工程で順次所定量の連続し混練された混練物を順次解して前記(d)の成形・圧縮工程へ移送して、前記成形・圧縮工程では、前記成形型枠内で移送された所定量の解した混練物を集積して大型の固体物に成形するとともに所定の圧縮力を加えて圧縮し、前記()の養生工程で成形・圧縮した固体物を前記成形型枠内で養生して固化体にすることを特徴とする。
また、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法は、前記(c)の解し工程において、10〜50分間、前記混練物を放置又は撹拌して水分を蒸発させることを特徴とする。
また、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法は、前記()の成形・圧縮工程において、前記成形型枠内で前記解した混練物をそのまま成形又は集積して成形すると共に、所定の圧縮力を加えて圧縮することを特徴とする。
また、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法は、前記解し型枠及び成形型枠はいずれも地面に掘った竪穴又は地表面から所定の高さに積み上げた土又は石壁で囲まれた型枠で形成したものであることを特徴とする。
また、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法は、前記()の養生工程において、前記成形型枠を養生被覆層で覆って養生して固化体にすることを特徴とする。
また、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法においては、前記(f)の破砕工程において、大型の固化体を中型の固化体に一次破砕し、次いで、この中型固化体を更に小型に二次破砕すると共に所定大きさのものを選別して、最大粒径が300mm以下の資材を得るようにしてもよい。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、特殊な機械装置を使用せずに、安全性が環境基準に適合し、任意サイズでしかも型崩れが少ない破砕石からなる土木・建築などに好適な資材を極めて安価に製造できる。具体的には、従来技術で必要としていた特殊及び高価な成形機及び蒸気養生機械装置並びに膨張抑制剤などを不要にして、たとえ金属アルミニウムの含有の多い焼却灰が原料であっても、混練物から水分を蒸発させる解し工程を経た後、解した混練物を成形型枠内で成形・圧縮し、さらに前記成形型枠をそのまま使用して前記型枠内で保温及び保湿状態で養生することによって、膨張が抑制されて且つ所定硬度の大型塊状固化体が得られるため、型崩れが少ない破砕石からなる土木・建築などに好適な資材をこの大型塊状固化体の破砕によって任意サイズ(任意の粒度分布)で極めて安価に製造できる。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、殆ど全ての焼却灰を再利用可能な資材に再生できる。特に、製紙スラッジを含んだ焼却灰を原料にすると、前記焼却灰が保有する細孔性、多孔性を損なうことなく、所定の強度で重金属類の有害成分の溶出を抑制し、吸湿性や保水性を有する資材を製造できる。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、焼却灰100質量%に対してセメントを5〜25質量%加えて混合することによって、焼却灰の状況に応じて少ないセメント量で効率よく固化させることができる。なお、セメント添加量が5質量%を下回ると資材の強度が弱すぎるものとなり、また、25質量%を越えると資材の強度が高くなるが必要以上の強度となるので不経済となる。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、焼却灰中の生石灰(CaO)成分の含有量が極端に少ない場合においても、生石灰を追加混入することによって、消化反応の熱の発生をより活発化できる。なお、生石灰の含有割合が30質量%を下回ると消化反応の熱の発生が少なくなると共に重金属の固定能力が低下するので好ましくない。また、生石灰の含有割合が40質量%を越えると、消化反応の熱の発生は充分となるが、過剰の生石灰成分となり、そのために資材のアルカリ性が強くなるので好ましくない。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、焼却灰の種類によっては固化に必要なシリカ(SiO)成分が少ない場合があるが、シリカ成分が極端に少なければ強度発現にも影響が出る。そこで、このシリカ成分が少ない場合であっても、無機性汚泥は、その主成分が岩石質の微粒分であって、シリカ分が多く含まれているので、この無機性汚泥を添加することによって安価でシリカ成分を追加補充できる。なお、無機性汚泥の添加量が5質量%を下回ると無機性汚泥中のシリカ添加の効果が良好に現れず、10質量%を越えると相対的に資材中の生石灰成分含有割合が低下するので、消化反応の熱の発生が少なくなると共に重金属の固定能力が低下するので好ましくない。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、混練水を混合物100質量%に対して35〜55質量%に加水することにより、焼却灰とセメント等のより良い混練がなされると共に、水にカルシウムが勢いよく溶け、生石灰と水の消化反応が急速に進むため,次工程の解し、成形及び養生がスムーズになる。なお、混練水の添加量が35質量%を下回ると、混練物の粘度が大きくなりすぎて混練し難くなり、均一な組成の資材を得難くなるので好ましくない。また、混練水の添加量が55質量%を越えると、混練物の粘度が小さくなるので混練し易くなるが、過剰な水分の蒸発に時間を要するようになるので、好ましくない。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、(a)の工程において水を混合物に対して15〜25質量%添加することによって、混合時の粉塵発生低減と早めに生石灰の消化反応を開始し、多少湿らせることにより次の混練工程において、さらに(b)の工程における水を加えての混練がスムーズに移行されて固化に必要な反応が促進される。すなわち、連続製造がスムーズになる。なお、(a)の工程における加水量が15質量%を下回ると混練時に粉塵の飛翔が生じるために作業環境が悪化し、また、25質量%を超えると粒状化する可能性がありセメントとの混合に影響がでるため好ましくない。また、(b)の工程における加水量が20質量%を下回ると生石灰成分の消化反応が促進されず、さらに、30質量%を越えると液化してしまうために生石灰成分の消化反応による温度上昇が少なくなる可能性があるので好ましくない。なお、加水する水は、98℃程度までの温水であってもよい。
ァニキュラー状の混練物は、焼却灰に含まれる金属アルミ二ウムの成分にアルカリ水が反応してガスが発生して膨張するので、このまま直ぐに成形し養生しても膨張量が多すぎて製品強度に影響が出る、すなわち、成形した後の過度の膨張により固化体強度が極端に低下してしまい、簡単に再微粉化するものとなって実用品にならないし、膨張度合いのバラツキも多い。一方、本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、混練時の消化反応により熱が発生し、ファニキュラー状の混練物は混練水で混練したにも拘わらず消化反応により温度が上昇し、水分が少なくなればアルカリ反応による膨張が無くなるので、その温度を利用して短時間に混練物の水分を蒸発させて減らしてから成形する。さらに加圧(圧縮)により、膨張度合いが少なくなり、膨張による強度低下が最小限に抑えられる。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、混練物を解し型枠に入れて放置又は撹拌することによって、混練物の水分を効率よく蒸発させることができる。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、成形型枠内で混練物を所定形状の固化体の原型となる固化体に形成できる。特に、混練物を順次集積することによって、大型の固化体を形成できる。また、加圧力が50kg/cmを下回ると固化体の強度が弱くなる可能性があり、また80kg/cmを超えても、固化体の強度は飽和しているので無駄となり、そして圧力が高すぎると養生体の固化に必要な水分まで失われてしまうことがある。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、成形型枠を地面に掘った竪穴で形成することによって、その形成は地面を掘るだけの作業で造れるので、コストが掛らず、その結果、製品のコスト低減に貢献でき、また、任意大きさ及び形状に簡単に形成できる。また、解し型枠及び成形型枠をいずれも地表面から所定の高さに積み上げた土又は石壁で囲まれた型枠で形成しても、同様の効果を奏することができる。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、成形型枠を養生被覆層で覆うことによって、水分の過剰蒸発を防ぎ固化に必要な水分が確保されて成形型枠内で安定した状態で養生して大型の固化体を造ることができる。特に、成形型枠は、養生枠体と兼用されているので、この養生が地面に掘った竪穴内で安定した保温及び保湿状態で行われる。成形型枠の地面に掘った竪穴は、地面が例えば粘性の山土であると概ね30〜80%の水分を含み、しかも温度も安定している。すなわち、四季を通じて保温力・保湿力に優れており、たとえ固化体の温度が上昇しても固化に必要な水分が失われることなく保たれて効率よく且つ効果的な水熱固化がなされる。具体的には、この養生枠体内で大型の固化体の温度が約60〜98℃又はそれ以上に上昇し、この温度上昇により水熱固化が促進され、約3時間〜8時間で固化される。なお、この温度上昇は、他から加えられたものでなく、自然養生によって養生固化体自体から発生する消化熱であって、しかも、大型の固化体にしたことにより、効率且つ効果的に熱が発生すると共に温度上昇が安定し、従来技術の蒸気発生装置を利用した場合と同等の養生固化を実現することができる。
なお、上記特許文献4には、上記の固化に関連して以下の記載がある。すなわち、「CaOを多量(例えば、10重量%以上)に含む焼却灰は、水の添加により、CaO+HO→Ca(OH)の反応で発熱する。このように、水を添加することにより発する焼却灰については、これをそのまま加圧すると、圧縮により更に水分との反応が促進され、固化後においても反応熱でより一層温度が上昇し、固化体の膨潤、水分蒸発によるクラック発生が起き、著しい場合には固化体が崩壊する。このため、このような焼却灰は、水を添加して混練した後、外気温度+10℃以下になるまで温度を低下させてから加圧を行なう。これにより、安定した強固な固化体を得ることができる。」。この技術は、消化熱を逆に下げるものとなっているが、本発明ではこのような現象は発生しない。その理由は、加圧力が上記技術では300kg/cmと非常に高いが本発明では50〜80kg/cmと低く抑えており、また、養生体が100℃まで上昇したとしても養生枠体が保温・保湿に優れているからではないかと推測される。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、大型の固化体を一次破砕及び二次破砕・選別することによって、最大粒径が300mm以下の固化体を得ることができる。
本発明の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、有害化学物質の溶出が土壌環境基準に適合し安全性が確保され、また、所定の硬度が得られると共に任意のサイズに対応でき、さらに、製紙スラッジ焼却灰を原料にしても、焼却灰が保有する細孔性、多孔性を損なうことなく、所定の強度で重金属類の有害成分の溶出が抑制され、吸湿性や保水性を有する資材が低コストで得られる。
本発明の実施形態1に係る焼却灰を原料とした資材製造方法の製法工程図である。 図1の解し工程及び成形・圧縮工程などの型枠の模式断面図である。 養生工程の型枠及びその変形例を示した断面図である。 本発明の実施形態2に係る焼却灰を原料とした資材製造方法の製法工程図である。 従来技術の造粒・固化プラントシステムのシステムフロー図である。 他の従来技術の粒状体製造装置の概念模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための焼却灰を原料とした資材の製造方法を例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。例えば、本発明の実施形態に係る製造方法においては、一部工程が重機等を用いて混練物などを移送したものとなっているが、これらの工程を移送装置などの機械・装置を設置して自動化した場合に対しても適用可能である。
[実施形態1]
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態1に係る焼却灰を原料とした資材の製造方法を説明する。なお、図1は本発明の実施形態1に係る焼却灰を原料とした資材の製造方法の製法工程図であり、図2は図1の解し工程及び圧縮成形工程などの型枠の模式断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る焼却灰を原料とした資材の製造方法は、以下の工程(a)〜(g)を含んでいる。
(a)焼却灰に、セメントを加えて組成調整して混合する混合工程I、
(b)この混合物に混練水を投入し、ファニキュラー状態の混練物を得る混練工程II、
(c)このファニキュラー状態の混練物から水分を蒸発させてベンジュラー状態に解す解し工程III、
(d)このベンジュラー状態に解した混練物を成形型枠に移して固体物に成形するとともに所定の圧縮力を加えて圧縮する成形・圧縮工程IV、
(f)この成形・圧縮した固体物を前記成形型枠内で保温及び保湿状態で養生して固化体にする養生工程V、
(g)この固化体を破砕・選別して粒度調整を行い所定大きさの破砕石からなる資材を得る破砕・選別工程VI。
上記のファニキュラー及びベンジュラー状態とは、生コンクリートの流動性を表す「スランプ」単位で表すと、前者はスランプ5〜7、後者はスランプゼロ(0)又は略0とした状態に相当する。この製造方法によれば、特殊な機械装置を使用せずに、任意の粒径サイズ(任意の粒度分布)で、しかも型崩れが少ない破砕石からなる土木・建築などに好適な資材を極めて安価に製造できる。
以下、これらの各工程I〜VIを詳述する。
(混合工程I)
この混合工程Iは、焼却灰にセメント及び水を混入する工程である。焼却灰は、ここではプラスチック固形化燃料やタイヤチップなどを約40〜60%、木材チップを約10〜20%及び石炭を約10〜20%にした主燃料に、製紙スラッジ5〜10%を混入して、燃焼した焼却灰を使用している。なお、製紙スラッジは、一般に古紙を再生するときに生じるものであるが、ここではパルプ製造工程、製紙製造工程や古紙処理工程から発生するものも含んでいる。また、セメントは、ここでは高炉セメントを使用している。
この混合工程Iは、所定量の処理能力を有する混合機を用いて行う。この混合機は、特殊なものではなく汎用機でよい。この混合機に、所定量の焼却灰を入れると共に、この焼却灰100質量%に対して、固化材として高炉セメント約5〜25質量%を加えて混合する。なお、セメント添加量が5質量%を下回ると資材の強度が弱すぎるものとなるので好ましくない。また、セメント添加量が25%を超えると、資材の強度は極めて高くなるが、一方で必要以上の強度となるので不経済となる。この混合工程では、約5〜10分程度掛けて行い焼却灰中に固化材の高炉セメントが均一に分散するようによく混合する。
この焼却灰には、場合によっては以下の添加材を混入するのが好ましい。
(生石灰)
焼却灰中の生石灰(CaO)成分が少なく消化反応の熱の発生が少ない場合は、所定量の生石灰を混入する。混入後の生石灰質量%が全混合物の約30〜40質量%になるように調整する。なお、生石灰分の含有割合が30質量%を下回ると消化反応の熱の発生が少なくなると共に重金属の固定能力が低下するので好ましくない。また、生石灰分の含有割合が40質量%を超えると、消化反応の熱の発生は充分となるが、過剰な生石灰成分となり、このために資材のアルカリ性が強くなるので、好ましくない。
(無機性汚泥)
また、補強材として無機性汚泥(例えば、建設汚泥)を約5〜10質量%混入してもよい。この無機性汚泥は、その主成分が岩石の微粒分であり、シリカ(SiO)成分が多く含まれている。焼却灰の種類によっては固化に必要なシリカ(SiO)成分が少ない場合があるが、シリカ成分が極端に少なければ強度発現にも影響が出る。そこで、シリカ成分が少ない場合であっても、無機性汚泥は、その主成分が岩石質の微粒分であって、シリカ分が多く含まれているので、この無機性汚泥を添加することによって安価でシリカ成分を追加補充できる。なお、無機性汚泥の添加量が5質量%を下回ると無機性汚泥中のシリカ添加の効果が良好に現れず、無機性汚泥の添加量が10質量%を越えると相対的に資材中の生石灰成分含有割合が低下するので、消化反応の熱の発生が少なくなると共に固体の吸湿性が低下するので好ましくない。
この混合工程Iでは、また、所定量の水(常温〜98℃程度まで)を混入して、焼却灰に含まれる生石灰と水とを消化反応させながら混合する。この水分量は、焼却灰に対して約15〜25質量%以下とする。
すなわち、(a)の工程において水を混合物に対して15〜25質量%加水することによって、混合時の粉塵発生低減と早めに生石灰の消化反応を開始し、多少湿らせることにより次の混練工程において、さらに(b)の工程における水を加えての混練がスムーズに移行されて固化に必要な反応が促進される。すなわち、連続製造がスムーズになる。なお、(a)の工程における水の加水量が15質量%を下回ると混練時に粉塵の飛翔が生じるために作業環境が悪化し、また、25質量%を越えると粒状化する可能性がありセメントとの混合に影響がでるため好ましくない。また、(b)の工程における水の添加量が20質量%を下回ると生石灰成分の消化反応が促進されず、さらに、30質量%を越えると液化してしまうために生石灰成分の消化反応による温度上昇が少なくなる可能性があるので好ましくない。なお、加水する水は、98℃程度までの温水であってもよい。
第8の態様の焼却灰を原料とした資材の製造方法によれば、ファニキュラー状の混練物は、焼却灰に含まれる金属アルミニウムの成分にアルカリ水が反応してガスが発生して膨張するので、このまま直ぐに成形し養生しても膨張量が多すぎて製品強度に影響が出る、すなわち、成形した後の過度の膨張により固化体強度が極端に低下してしまい、簡単に再微粉化するものとなって実用品にならないし、膨張度合いのバラツキも多い。しかしながら、混練時の消化反応により熱が発生し、ファニキュラー状の混練物は混練水で混練したにも拘わらず消化反応により温度が上昇し、水分が少なくなればアルカリ反応による膨張が無くなるので、その温度を利用して短時間に混練物の水分を蒸発させて減らしてから成形する。さらに加圧(圧縮)により、膨張度合いが少なくなり、膨張による強度低下が最小限に抑えられる。
焼却灰は、この焼却灰に限定されるものでなく他の焼却灰でもよい。例えば、都市ごみ、木材チップ、タイヤチップ等の産業廃棄物の焼却灰、下水汚泥、バイオマスなどの廃棄物焼却灰(煤塵・燃え殻)、或いは、石炭、RDF(ゴミ固形化燃料)、RPF(紙・プラスチック)等の焼却灰であってもよい。これらは、単独或いは幾つかを混合したものでもよい。なお、これらの焼却灰のうち、微粉化さていないものは、微粉砕・異物除去等の前処理をして使用するとよい。また、焼却灰中の重金属の含有量は環境省告示第19号「土壌汚染対策法施工規則(平成14年環境省令第29号)第5条第4項第2号の規定に基づき、環境大臣が定める土壌含有量調査に係る基準」に基づく含有量基準値内である方が好ましい。
(混練工程II)
前混合工程Iで混合した所定量の混合物を混練機に入れて混練する。この混練は、上記の混合物に対して水(常温〜98℃程度まで)を約20〜30質量%加えて約5〜40分程度掛けてよく混練する。この混練工程IIは、ファニュキラー(ねばねば)状(スランプ5〜7)になるように水分調整して、生石灰(CaO)と水を良く消化反応させ固化に必要な消石灰(Ca(OH))を析出させる。しっかり混練することで未反応カルシウム成分をできる限り無くすると同時に、熱の発生を促進させる。この混練工程では、水分量が重要になっている。すなわち、練り始めの水分量が少な過ぎると反応が促進されず、また、多すぎると液化し、消化反応による温度が上昇しなくなることがあるので、必要充分な総水分量となるよう調整して混練する。この総水分量は、混合工程で15〜25質量%加水した後に混練工程において20〜30質量%加水した合計量となる。なお、従来技術(例えば、図のSPSなど)は、この水分量をできる限り下げて粒状化させているために、カルシウムの析出反応やその他の反応が充分に行われないことがあり得るので、重金属固定にも影響が出る恐れがあるが、この実施形態1では、多めの総水分量となるようにして混練しているのでこの課題が解消される。
この混練工程IIでは、混練物の温度が40〜50℃又はそれ以上に上昇する。この温度上昇は、焼却灰や高炉セメントに含まれる生石灰(CaO)成分と水(HO)との反応熱及び温水を使用することによるものである。この温度上昇により、次の解し工程での水分の蒸発が活発化し、さらに次の養生工程で最高温度に到達するまでの時間を短縮させることができ、養生時間を短縮することができる。すなわち、従来例の自然養生では養生に場合によっては1〜6日程度掛るが、この実施形態の自然養生では養生期間を約3〜8時間程度に短縮できる。この混練工程IIでは、前の混合工程Iからの所定量の混合物をこの工程で順次連続して、混練物を次の解し工程へ移送する。
(解し工程III)
この解し工程IIIでは、図2Aに示すように、混練工程IIから移送された所定量、例えば、混練機10の1回分の混練能力量(以下、この量を便宜上「一杯分」と言い、この量は概ね例えば4m程度である)の混練物Nを所定大きさの解し型枠11へ入れて、そのまま自然放置又は撹拌して、混練物中の水分を蒸発させて、ばさばさとしたペンジュラー状(スランプがゼロ又は略0)にする。解し型枠11は、図2Aに示すように、一杯分の混練物が入る大きさに地面Gを掘った竪穴で形成する。この竪穴は、例えば縦横2.5m及び深さ1.0mに掘って形成する。解し型枠11を地面Gに掘った竪穴で形成することによって、その形成は地面を掘るだけの作業でできるので、コストが掛らず(むしろ、この掘った土は売却や補強材として活用できる)製品のコスト低減に反映できる。勿論、その他の型枠、例えば、内壁面をセメントなどで固めた竪穴、或いはピット、運搬用車両等でもよい。
解し型枠11に入れた一杯分の混練物は、約10〜50分間、放置又は撹拌して、ムラなく全体の水分を蒸発させて、ばさばさとしたペンジュラー状(スランプがゼロ又は略0)となるようにする。この混練物は、混練機10から排出され、排出直後は20〜25℃だが消化反応により短時間に40〜50℃に上昇しこの際に水分が蒸発する。なお、蒸発が遅い場合或いは迅速に水分を蒸発させる必要がある場合は、撹拌するとよい。この発明では、この解し工程が重要になっているので、更に詳述する。移送された直後の混練物は、流動性を有するファニュキラー状(スランプ5〜7)になっているが、この解し工程IIIで、この混練物に含まれる水分を蒸発させて、流動性を無くしたばさばさしたペンジュラー状、すなわちスランプがゼロ又は略0にする。この解し工程IIIは、次の成形・圧縮工程IVへ移行し固体化するのに重要な働きをしている。
すなわち、ファニキュラー状の混練物Nは、焼却灰に含まれる金属アルミ二ウムの成分にアルカリ水が反応してガスが発生して膨張するので、このまま直ぐに成形し養生しても膨張量が多すぎて製品強度に影響が出る、すなわち、成形した後の過度の膨張により固化体強度が極端に低下してしまい、簡単に再微粉化するものとなって実用品にならないし、膨張度合いのバラツキも多い。そこで、実施形態1では、混練時の消化反応により熱を発生させ、ファニキュラー状の混練物の温度を上昇させ、蒸発により水分が少なくなればアルカリ反応による膨張が無くなるので、その温度を利用して短時間に混練物の水分を減らしてから成形する。さらに加圧(圧縮)すると、膨張度合いが少なく均一になり、膨張による強度低下が最小限に抑えられるようになる。そして、混練終了から解し終了までの時間は気温等の影響もあるが、約10分〜50分の自然放置でペンジュラー(ばさばさ)状態になるので、それを見極めて成形工程で成形する。
なお、この解し工程IIIでは、混練した後に結果的に水分を減らしたことになるので、このように混練時の水分を最後に減らすのであれば、最初から水分を少なくすれば膨張を抑えることができるもと考えられる。しかしながら、このようにすると、確かに膨張を抑えることが可能であろうが、次の養生工程においては養生温度を充分上昇させる必要があるために、粒状固化の場合のような少ない水分量では充分な消化熱が発生しない。そのために、2度手間のような工程になるが、必要充分な水分を加えて練り、その後に水分を下げる解し工程IIIが必要になる。
(成形・圧縮工程IV)
解し工程IIIでは、所定量(例えば一杯分4m程度)の混練物を解した後に、この解した混練物N〜Nを順次重機(例えば、バックホー等)12を用いて、解し型枠11より大きい例えば10杯分の解し混練物が入る成形型枠13を用意して置き、この成形型枠13へ移送する。成形型枠13内では、順次、移送される混練物を集積して、10杯分(一杯分4m×10杯)の解し混練物の容積を有する大型の固化体ΣNnを形成する。この固化体ΣNnは混練物の10杯分、すなわち解した混練物N〜Nの集積体となる。この固化体ΣNnの大きさ及び形状は、後述する成形型枠13の大きさ及び形状となる。なお、この10杯分の解し混練物は、例えば1日の処理量となっている。この量は、混合機や混練機の稼働率に応じて、任意の杯数分により任意の大きさの固化体で形成してもよい。
成形型枠13は、図2に示すように、10杯分の混練物が入る大きさに地面Gを掘った竪穴で形成する。この竪穴は、地面Gを例えば縦横10m×2m及び深さ2.0m掘って形成する。成形型枠13を地面Gに掘った竪穴で形成することによって、その作成は地面Gを掘るだけの作業で造れるので、コストが掛らず、その結果、製品のコスト低減に貢献でき、また、任意大きさ及び形状に簡単に作成できる。さらに、この成形型枠13は、次の養生工程の養生型枠としても兼用する。養生型枠は、所定の保温力及び保湿力が必要となるが、地面Gに掘った竪穴は、地面が例えば粘性の山土であると概ね30〜80%の水分を含み、しかも温度も安定している。すなわち、四季を通じて土中温度が安定しており、養生固化に良好な条件を備えたものとなっている。また、この地面Gに掘った竪穴は、たとえ固化体の温度が上昇しても固化に必要な水分が失われることがなく、所定の安定した値に保ち効果的な水熱固化が行われる。
成形型枠13は、図2のものに限定されるものではない。そこで、図3を参照して、他の成形型枠を説明する。図3Aに示した成形型枠13は、地面Gに形成した図2に示した型枠と同一形状のものを示している。なお、参照符号14は養生シートを表している。また、図3Bに示した成形型枠13Aは、地面Gに掘った竪穴の底部及び側壁面をコンクリートなどの保護材13aで覆ったものである。また、図3Cに示した成形型枠13Bは、地面Gの表面に土砂やコンクリートなどの枠壁13bで囲ったものである。これらの成形型枠13A、13Bは、いずれも任意の大きさ及び形状で簡単且つ安価に作成できる。
成形型枠13内では、順次、移送される混練物を集積して大型の固化体ΣNnを形成するが、その際に重機等などを用いて加圧・圧縮又は転圧して成形型枠内に隙間がないようにして詰込む。この加圧力(圧縮力)は約50〜80kg/cmを掛ける。なお、固化体ΣNnに必要な空隙(多孔質)を考慮して加圧力は適時変更してもよい。これにより、10杯分の固化体ΣNnは、大型の固化体ΣNnの原型となる。なお、加圧圧力が50kg/cmを下回ると固化体の強度が弱くなる可能性があり、また、80kg/cmを超えても、固化体の強度は飽和しているので無駄となり、そして圧力が高すぎると養生体の固化に必要な水分まで失われてしまう可能性がある。
(養生工程V)
成形・圧縮工程IV終了後に、成形型枠13に詰め込んだ大型の固化体ΣNnの上部を養生シート14等(図2C参照)で覆い必要以上に水分が蒸発しないようにして養生・固化させる。この養生シートは、このようなシートに限定されるものでなく、その他の蓋体被覆層で形成してもよい。なお、この養生シート等は特許請求の範囲で養生被覆層と表現されている。この成形型枠13は、養生枠体と兼用されているので、固化体ΣNnは、地面Gに掘った竪穴内で養生・固化される。この養生・固化は、地面Gに掘った竪穴内で安定した保温及び保湿状態で行われる。この地面Gに掘った竪穴は、地面が例えば粘性の山土であると30〜80%の水分を含み、しかも温度も安定している。すなわち、四季を通じて保温力・保湿力に優れており、たとえ固化体ΣNnの温度が上昇しても固化に必要な水分が失われることなく保たれて効率よく且つ効果的な水熱固化がなされる。具体的には、この養生枠体内で大型の固化体ΣNnの温度が約60〜98℃又はそれ以上に上昇し、この温度上昇により、水熱固化が始まり約3時間〜8時間で固化される。
なお、この温度上昇は、他から加えられたものでなく、養生中の固化体ΣNn自体から発生する消化熱であって、しかも、大型の固化体ΣNnにしたことにより、効率且つ効果的に発生し、しかもこの大型化で温度上昇が安定し、この消化熱の利用により、従来技術の蒸気発生装置を利用した場合と同等の蒸気養生固化が実現できる。なお、従来の自然養生の場合は、この固化に1〜6日の日数を要するが、この日数が大幅に短縮される。また、固化体ΣNnのpHも安定する。この養生方法は、常温温度の養生と比べて約0.5から1pHが下がる。pH値が高すぎれば重金属が溶出しやすくなる傾向があるが、このことからも無害化に役立つ養生方法となっている。無害化、すなわち安全性については後述する。さらに、この固化体ΣNnの硬度は約12〜18N/mmとなる。なお、従来技術の山積みした状態の自然養生での硬度は、金属アルミニウムにより多大な膨張が発生した場合は約1〜4N/mmとなり重機で踏むと簡単に破壊されるが、この固化体ΣNnでは壊れることがない。この養生工程Vによれば、従来技術が必要としていた膨張抑制剤や養生設備・蒸気発生装置等を必要とせず、短時間に省エネルギーで混練物に含まれる成分を効率よく利用し、高効率の蒸気養生で大型の固化体(岩石)が製造できる。
(破砕工程VI)
この破砕工程VIは、大型岩石を中型に破砕する一次破砕工程と、この中型岩石を更に小型にする二次破砕工程と、これらを所定大きさに選別する選別工程となっている。
(一次破砕工程)
養生を終了した固化体ΣNnは、成形枠体の大きさの大型岩石になっている。この大型岩石を重機などを用いて、中型岩石R、例えば最大粒径約500mm程度のブロック体に破砕する。このブロック体は、面積の異なる多面体形状、例えば4〜8面体或いはそれ以上の面を有する立方体からなり、最大長さが500mmとなっている。以下においては、粒径は、このような多面体形状にあって、最大長を示している。
Figure 0004846876
(二次破砕工程)
この二次破砕工程では、500mm以下のサイズに破砕する。この破砕サイズは、任意サイズでよいが、例えば表1に示した300〜0mm、80〜0mm、40〜0mm、30〜0mm、20〜0mm、40〜20mmに破砕して粒径調整する。粒度調整は振動スクリーンを使用した振るい分けをし、路盤砕石用の製品の粒度分布は、道路用砕石の再生クラッシャーランの「骨材フルイ試験」の粒度範囲内に入るよう調整する。
以下、これらのサイズ破砕、粒度調整を説明する。300〜0mmの破砕は、重機を使用して行い、振るい分けをしない。80〜0mmの破砕・粒径調整は、約100mm以下に破砕して約80〜83mmの網目の振動スクリーンで振るい分けをする。以下同様にして、40〜0mmは約60mm以下に破砕して約40〜43mmの網目のサイズの振動スクリーンで振るい分けをする。30〜0mmの破砕・粒径調整は、約60mm以下に破砕し、約30〜33mmの網目のサイズの振動スクリーンで振るい分けをする。20〜0mmの破砕・粒径調整は、約40mm以下に破砕し、約20〜23mmの網目サイズの振動スクリーンで振るい分けをする。また、40〜20mmの破砕・粒径調整は、約60mm以下に破砕し、約40〜43mmと約20〜23mmの網目サイズの振動スクリーンで振るい分けをして、40mm以下20mm以上の製品とする。なお、「0」は網目0,075mmで振るい分けをして通過重量百分率2〜10%の範囲内とする。
得られた固化体粒子の物性の一例を表2に、実施形態及び比較例で製造された資材の強度試験結果を表3にそれぞれ示した。なお、表3の比較例の資材は、同じ条件で混合・混練したのち排出コンベアから採取し、試験体を縦800mm横600mm深さ150mmのプラスチック容器に入れて約40分間解して水分を蒸発させバサバサ状態になった後に、内径100mm高さ200mmの円柱の型枠に詰め、大岩石化養生型枠内中心部に埋め込み約7時間養生した。その後、型枠から取り出し1軸圧縮試験を行った。比較例の試験体は上記混練後に排出コンベアから混練物を採取し、直ちに上記と同等の型枠に詰め自然養生(常温25℃)を4日行った後に膨張して型枠からはみ出した部分を切り取り1軸圧縮試験を行ったものである。
Figure 0004846876
Figure 0004846876
また、実施形態で作成された資材について、「平成3年8月23日環境庁告示46溶出試験」に従った重金属などの溶出試験を毎月1回実施したところ、表4に示す結果が得られた。
Figure 0004846876
この表4に示した試験結果から、実施形態の資材によれば、全ての値が土壌環境基準内にあることが確認できた。
これらの資材は、有害化学物質の溶出が土壌環境基準に適合し安全性が確保され、また、所定の硬度が得られると共に任意のサイズに対応でき、さらに、製紙スラッジ焼却灰を含んだ焼却灰を原料にすると焼却灰が保有する細孔性、多孔性を損なうことなく、所定の強度で重金属類の有害成分の溶出を抑制し、吸湿性や保水性を有する資材となり、さらにまた、低価格にできるのでその用途は多用途に拡大でき
以上、実施形態1の製造方法及び装置の特徴を説明したが、以下に、さらに具体例を例示して従来技術のものと比較して説明する。
(イ)設備費及びランニングコスト
1日の製造量を60tと仮定すると、従来技術では1.5トン(t)〜2.0トンの重油ボイラ2基と養生槽室(約250m×2)とが必要になる。このボイラ1基及び養生槽室250mの設備費は、約1000万円弱であることから、60tの生産を行うには、ボイラ及び養生槽室のセットが2セット必要となり、設備費は約2000万円弱と養生槽室面積500mが必要となる。これに対して、実施形態1では養生面積が350mで済む。これらの対比から、従来技術の養生面積は、実施形態1と比べて1.5倍必要となる。仮に、実施形態1の養生槽室(枠体)をコンクリート等で壁を行った場合、約400万円弱が掛り、60tの生産を行う設備費は、t当たり67.000円となり、かたや従来技術の蒸気養生施設の設備費は、t当たり334.000円となり約5倍となる。また、養生段階でのランニングコストは、実施形態1ではt当たり約1.700円/tであるのに対して、従来技術の蒸気養生施設の場合、ボイラ2基(8時間稼動)と養生作業の人員8人機械2台が必要となり、t当たり4500円/tと換算し、約2.6倍のランニングコストがかかる計算になる。
(ロ)特性
(資材粒度)
実施形態1では、サイズが300mm〜0mm間の任意の粒度範囲で製造できる。これに対して、従来技術の粒状化の場合は、40mm〜0mmの粒度範囲が大半であり、50mm以上の製品の製造は難しい。実施形態1の300〜0間の粒度範囲の製品が製造可能の場合、使用用途の巾が広くなる。
(最大乾燥密度)
実施形態1の資材の乾燥密度は、1.11g/cmであり、道路用の自然砕石は2.35g/cm、山土は2.093g/cmあるのに対して格段に軽量である。
(最適含水比)
この最適含水比は、最大乾燥密度を求める際の含水比となっている。実施形態1の資材の最適含水比は、40.8%であり、従来の山土の10〜14%より高く、吸湿性が非常に良い。
(修正CBR試験)
この試験は、路盤材料・盛土材料の品質基準を表し、JISA1211の試験方法に準じた実施を行った。その結果、実施形態1の資材の修正CBR試験値が79.4%となり、この数値は粒度調整砕石の上層路盤工の路盤材料に近い値となっている。従来技術での粒状固化した製品の修正CBR値は30%〜45%程度であり、この数値の差が、実施形態1によって製造された製品に優位性があることを示している。また、実施形態1の資材の吸水率は33.8%を示し、自然砕石の吸水率の材料規格は3%以下となっている、この数値の差は、実施形態1の資材の骨材内(固体内)の空隙率として解釈でき、実施形態1の資材が多孔質であることを示している。
[実施形態2]
を参照して、本発明の実施形態2に係る焼却灰を原料とした資材の製造方法を説明する。なお、図は本発明の実施形態2に係る焼却灰を原料とした資材製造方法の製法工程図である。実施形態2に係る資材の製造方法は、成形・圧縮工程以降の工程IV'〜VI'おいて、混練工程II'で混練した1回分の混練物を成形・圧縮、養生、破砕する方法となっている。なお、混合工程I'、混練工程II'及び解し工程III'は、実施形態1の資材製造方法の各工程I、II及びIIIと略同じになっている。混練工程II'では、混合物100質量%に対して35〜55質量%の水を加えて混練する。この製造方法によれば、少ない量でも製造できる。この実施形態2では、混練水を混合物100質量%に対して35〜55質量%に加水することにより、焼却灰とセメント等のより良い混練がなされると共に、水にカルシウムが勢いよく溶け、生石灰と水の消化反応が急速に進むため次工程の解し、成形及び養生がスムーズになる。なお、混練水の添加量が35質量%を下回ると、混練物の粘度が大きくなりすぎて混練し難くなり、均一な組成の資材を得難くなるので好ましくない。また、混練水の添加量が55質量%を超えると、混練物の粘度が小さくなるので混練し易くなるが、過剰な水分の蒸発に時間を要するようになるので、好ましくない。
I、I' 混合工程
II、II' 混練工程
III、III' 解し工程
IV、IV' 成形・圧縮工程
V、V' 養生工程
VI、VI' 破砕工程
10 混練機
11 解し型枠
12 重機
13、13A、13B 成形枠型
14 養生シート(養生被覆層)
15 資材
16A、16B U字溝
〜N 混練

Claims (11)

  1. 以下の工程(a)〜()を含むことを特徴とする焼却灰を原料とした資材の製造方法。
    (a)焼却灰100質量%に、セメントを5〜25質量%加えて混合する混合工程、
    (b)前記混合工程の後、前記焼却灰及びセメントの混合物に混練水を投入して混練することで、前記焼却灰及びセメントに含まれる生石灰を消化させてファニキュラー状態の混練物を得る混練工程、
    (c)前記混練工程の後、前記ファニキュラー状態の混練物の所定量を解し型枠へ入れた後、放置または撹拌して水分を蒸発させてペンジュラー状態の混練物を得る解し工程、
    (d)前記解し工程の後、前記ペンジュラー状態の混練物を成形型枠に移すと共に所定の圧縮力を加えることで固体物を得る成形・圧縮工程、
    (e)前記成形・圧縮工程の後、前記固体物を前記成形型枠内で保温及び保湿状態で養生して固化体にする養生工程
    (f)前記養生工程の後に、前記固化体を破砕して粒径調整を行い所定大きさの破砕石からなる資材を得る破砕工程。
  2. 前記焼却灰は、都市ごみ、木材チップ・タイヤチップ、製紙スラッジ、下水汚泥、バイオマスなどの廃棄物焼却灰、或いは、石炭、ゴミ固形化燃料、紙・プラスチック固形化燃料等の焼却灰のいずれか又はこれらをミックスしたものであることを特徴とする請求項1に記載の焼却灰を原料とした資材の製造方法。
  3. 前記(a)の混合工程において、前記混合物に対して石灰を添加混合し、その割合を全混合物の30〜40質量%にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の焼却灰を原料とした資材の製造方法。
  4. 前記(a)の混合工程において、前記混合物に対して無機性汚泥を5〜10質量%混合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の焼却灰を原料とした資材の製造方法。
  5. 前記(b)の混練工程において、前記混合物100質量%に対して35〜55質量%の水を加えて混練することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の焼却灰を原料とした資材の製造方法。
  6. 前記(a)の混合工程において、前記混合物に混合水を15〜25質量%加水して混合し、次の前記(b)の混練工程で20〜30質量%の混練水を投入して所定量を順次連続して混練して、その後の前記(c)の解し工程において、前記混練工程で順次所定量の連続し混練された混練物を順次解して前記(d)の成形・圧縮工程へ移送して、前記成形・圧縮工程では、前記成形型枠内で移送された所定量の解した混練物を集積して大型の固体物に成形するとともに所定の圧縮力を加えて圧縮し、前記(e)の養生工程で成形・圧縮した固体物を前記成形型枠内で養生して固化体にすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の焼却灰を原料とした資材の製造方法。
  7. 前記(c)の解し工程において、10〜50分間、前記混練物を放置または撹拌することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の焼却灰を原料とした資材の製造方法。
  8. 前記(d)の成形・圧縮工程において、前記成形型枠内で前記解した混練物をそのまま成形又は集積して成形すると共に、所定の圧縮力を加えて圧縮することを特徴とする請求項1又は6に記載の焼却灰を原料とした資材の製造方法。
  9. 前記解し型枠及び成形型枠は、いずれも地面に掘った竪穴又は地表面から所定の高さに積み上げた土又は石壁で囲まれた型枠で形成したものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の焼却灰を原料とした資材の製造方法。
  10. 前記(e)の養生工程において、前記成形型枠を養生被覆層で覆って養生して固化体にすることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の焼却灰を原料とした資材の製造方法。
  11. 前記(f)破砕工程において、大型の固化体を中型の固化体に一次破砕し、次いで、この中型固化体を更に小型に二次破砕すると共に所定大きさのものを選別して、最大粒径が300mm以下の資材を得ることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の焼却灰を原料とした資材の製造方法。
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