JP5441309B2 - 揺動体装置、及び光偏向装置 - Google Patents

揺動体装置、及び光偏向装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5441309B2
JP5441309B2 JP2007023881A JP2007023881A JP5441309B2 JP 5441309 B2 JP5441309 B2 JP 5441309B2 JP 2007023881 A JP2007023881 A JP 2007023881A JP 2007023881 A JP2007023881 A JP 2007023881A JP 5441309 B2 JP5441309 B2 JP 5441309B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
time
oscillator
vibration
drive
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007023881A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008040460A (ja
JP2008040460A5 (ja
Inventor
一成 藤井
貴弘 秋山
達也 補伽
龍平 庄司
総一郎 鈴木
紳一郎 飯村
幸生 古川
信平 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2007023881A priority Critical patent/JP5441309B2/ja
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to KR1020087019740A priority patent/KR100979346B1/ko
Priority to US12/160,209 priority patent/US8400698B2/en
Priority to EP07714436A priority patent/EP1987388A1/en
Priority to CN2007800053558A priority patent/CN101384942B/zh
Priority to PCT/JP2007/052909 priority patent/WO2007094489A1/en
Publication of JP2008040460A publication Critical patent/JP2008040460A/ja
Publication of JP2008040460A5 publication Critical patent/JP2008040460A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5441309B2 publication Critical patent/JP5441309B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/0816Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements
    • G02B26/0833Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements the reflecting element being a micromechanical device, e.g. a MEMS mirror, DMD
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/0816Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements
    • G02B26/0833Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements the reflecting element being a micromechanical device, e.g. a MEMS mirror, DMD
    • G02B26/085Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements the reflecting element being a micromechanical device, e.g. a MEMS mirror, DMD the reflecting means being moved or deformed by electromagnetic means
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/105Scanning systems with one or more pivoting mirrors or galvano-mirrors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B81MICROSTRUCTURAL TECHNOLOGY
    • B81BMICROSTRUCTURAL DEVICES OR SYSTEMS, e.g. MICROMECHANICAL DEVICES
    • B81B2201/00Specific applications of microelectromechanical systems
    • B81B2201/04Optical MEMS
    • B81B2201/042Micromirrors, not used as optical switches

Description

本発明は、複数の揺動体を有する揺動体装置の技術分野に関連する技術であり、より詳しくは光偏向装置に好適なものに関する。また、この光偏向装置を使用した走査型ディスプレイやレーザビームプリンタやデジタル複写機等の画像形成装置に関するものである。
従来提案されている共振型光偏向装置は、ポリゴンミラー等の回転多面鏡を使用した光走査光学系に比べて、次の様な特徴を備える。すなわち、光偏向装置を大幅に小型化することが可能であること、消費電力が少ないこと、ミラー面の面倒れが理論的に存在しないことである。
一方、共振型偏向器においては、原理的にミラーの偏向角(変位角)が正弦的に変化するため、角速度が一定でない。この特性を補正するために、特許文献1及び特許文献2に記載されている手法が提案されている。
特許文献1では、基本周波数とその3倍の周波数の振動モードを有する共振型偏向器を用いることで、三角波駆動を実現している。図35に略三角波駆動を実現したマイクロミラーを示す。光偏向装置12は、揺動体14、16、ねじりばね18、20、駆動部23、50、検出部15、32、制御回路30から構成される。このマイクロミラーは基本共振周波数と略3倍の共振周波数を持ち、基本周波数と3倍の周波数との合成周波数で駆動する。これにより、ミラー面を持つ揺動体14は三角波駆動で駆動し、その偏向角は正弦駆動に比べ角速度の変化が少ない光偏向を実現する。その際、検出部15、32により揺動体14の振動を検出し、制御回路30により三角波実現のために必要な駆動信号を生成し、駆動部23、50によりマイクロミラーを駆動している。
また、特許文献2では、複数のねじりバネと複数の可動子からなる系が、分離した複数の固有振動モードを有するマイクロ揺動体が開示されている。このマイクロ揺動体では、分離した複数の固有振動モードの中に、基準周波数の固有振動モードである基準振動モードと、基準周波数の略偶数倍の周波数の固有振動モードである偶数倍振動モードが存在する。特許文献2では、これらの振動モードでマイクロ揺動体を振動させることで、鋸波駆動などを実現している。
また、特許文献3では、正弦波で駆動する偏向ミラーにより偏向された光ビームの走査位置を検知するために、偏向走査された光ビームが所定の位置を通過するときの時刻を光センサにより検出し、当該時刻を用いて偏向ミラーを制御している。
米国特許4859846号 特開2005−208578号公報 特開2005−292627号公報
上記文献により偏向器の揺動体の三角波駆動や鋸波駆動が実現しているが、揺動体の偏向角の制御性に関しては更なる改善が求められる。よって、本発明は揺動体装置の揺動体の偏向角(変位角)を高精度に制御することを目的としている。
上記課題に鑑み、第1の本発明に係る揺動体装置は次のように構成されている。
第1の揺動体と、第2の揺動体と、第1の揺動体と第2の揺動体とを接続する第1のねじりバネと、第2の揺動体に接続され且つ第1のねじりバネのねじり軸と共通するねじり軸を有する第2のねじりバネとを少なくとも有し構成される振動系と、振動系を支持する支持部とを備える。本発明の揺動体装置は、更に前記揺動体の少なくとも一つが複数の時間関数の和を含む式で表される振動となるように振動系を駆動する駆動部と、前記揺動体の少なくとも一つの揺動体の変位に応じて信号を出力する信号出力器と、信号出力器の出力信号に基づいて時間関数の振幅と位相の少なくとも一つが所定の値となるように駆動部を制御する駆動制御部とを備える。
また、第2の本発明に係る揺動体装置は次のように構成されている。
第1の揺動体と、第2の揺動体と、第1の揺動体と第2の揺動体とを接続する第1のねじりバネと、第2の揺動体に接続され且つ第1のねじりバネのねじり軸と共通するねじり軸を有する第2のねじりバネとを少なくとも有し構成される振動系と、振動系を支持する支持部とを備える。本発明の揺動体装置は、更に、前記揺動体の少なくとも一つの変位が、A1、A2を振幅、φを相対位相差、ωを角周波数、tを時間とした場合、A1sinωt+A2sin(nωt+φ)項を少なくとも含む数式(nは2以上の整数)で表される振動となるように振動系を駆動する駆動部と、前記揺動体の少なくとも一つの揺動体の変位に応じて信号を出力する信号出力器と、信号出力器の出力信号に基づいて前記数式のA1、A2、φの少なくとも一つが所定の値となるように駆動部を制御する駆動制御部とを備える。
また、第3の本発明に係る揺動体装置は次のように構成されている。
第1の揺動体と、第2の揺動体と、第1の揺動体と第2の揺動体とを接続する第1のねじりバネと、第2の揺動体に接続され且つ第1のねじりバネのねじり軸と共通するねじり軸を有する第2のねじりバネとを少なくとも有し構成される振動系と、振動系を支持する支持部とを備える。本発明の揺動体装置は、更に前記揺動体の少なくとも一つが、A1、A2を振幅、φを相対位相差、ωを角周波数、tを時間とした場合、その変位θ(t)に関して、
θ(t)=A1sinωt+ΣAnsin(nωt+φn-1) (nは2以上の整数)
で表される振動を起こすように振動系を駆動する駆動部と、前記揺動体の少なくとも一つの揺動体の変位に応じて信号を出力する信号出力器と、信号出力器の出力信号に基づいて前記数式のA1、A2、・・・An、φ1、φ2、・・・φn-1の少なくとも一つが所定の値となるように駆動部を制御する駆動制御部とを備える。
また、第4の本発明に係る揺動体装置は次のように構成されている。
支持部と、第1の揺動体、第2の揺動体、第1の揺動体と第2の揺動体とを接続する第1のねじりバネ、支持部と第2の揺動体とを接続し且つ第1のねじりバネのねじり軸と共通するねじり軸を有する第2のねじりバネとからなる振動系とからなる。更に本発明の揺動体装置は、前記2つの揺動体の1つが、A1、A2を振幅、φを相対位相差、ωを角周波数、tを時間とした場合、その変位θ(t)に関して、
θ(t)=A1sinωt+A2sin(2ωt+φ)
で表される振動となるように振動系を駆動する駆動部と、2つの揺動体の1つが異なる第1の変位角をとるときの第1及び第2の時刻情報と、第2の変位角を取るときの第3及び第4の時刻情報とを出力する信号出力器と、第1乃至第4の時刻情報に基づいて前記数式のA1、A2、φの少なくとも一つが所定の値となるように駆動部を制御する駆動制御部を備える。
本発明の揺動体装置では、高精度に揺動体の偏向角を制御することができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の揺動体装置を説明する。本実施形態の揺動体装置は、図1(a)、(b)に示すように、第1の揺動体101、第2の揺動体102、第1のねじりバネ111、第2の揺動体102、第2のねじりバネ112を少なくとも有する振動系と、振動系を支持する支持部121とを有する。第1のねじりバネは第1の揺動体と第2の揺動体とを接続している。第2のねじりバネは、第1のねじりバネのねじり軸と共通するねじり軸を有するように第2の揺動体に接続されている。本実施形態の振動系は、2つの揺動体と2つのねじりバネとを少なくとも有すればよく、図1に示すように振動系を3つ以上の揺動体と3つ以上のねじりバネで構成してもよい。
また、振動系に駆動力を印加する駆動部120と、駆動部120を調整する駆動制御部150とを有する。駆動部120は、複数の揺動体の少なくとも一つが複数の時間関数の和を含む式で表される振動となるように振動系を駆動する。駆動制御部150は、振動系にこのような振動を与えるような駆動信号を駆動部120に供給する。
本実施形態の揺動体装置を光偏向装置として用いる場合は、少なくとも一つの揺動体に反射ミラーを形成する。反射ミラーとしては、揺動体の表面に光反射膜を形成する。尚、揺動体の表面が十分平滑である場合は、光反射膜を形成しなくとも反射ミラーとして使用することができる。光偏向装置は、更に、光ビームを照射する光源131を有し、揺動体に設けた反射ミラーに光ビーム132を照射して光を走査する。
本実施形態の揺動体装置の動作原理を説明する。一般に、n個の揺動体とn個のねじりバネを含む振動系の自由振動の方程式は以下で与えられる。
Figure 0005441309
ただし、I:揺動体の慣性モ−メント、k:ねじりバネのバネ定数、θ:揺動体のねじれ角である(k=1・・・n)。この系のM−1Kの固有値をλとすると(k=1乃至n)、固有振動モードの角振動数(角周波数)ωは、ω=√(λ)で与えられる。
本発明の揺動体装置は、n個の揺動体とn個のねじりバネとを含むn個の振動モードを有する振動系において、これらωの中に基本周波数とその整数倍の周波数がn-1個あるように構成することで、揺動体に対して様々な運動をさせることができる。尚、本発明において整数倍とは略整数倍も含み、略整数倍とは基本周波数の0.98n〜1.02n倍程度(nは任意の整数)の数値範囲をいう。
特に、本実施形態の揺動体装置を2個の揺動体と2個のねじりバネとで構成し、ωkの中に基本周波数とその略偶数倍の周波数があるように構成することで、所定の範囲での揺動体の角速度の変動を抑えた略等角速度駆動を実現することができる。
更に、n=3とした場合、例えば図33に示すように、揺動体(101、102、103)とねじりバネ(111、112、113)とを有する振動系を、3つの振動モードの周波数比を1:2:3の関係になるように構成する。この振動系が有する振動モード1乃至3で振動系を同時に加振することで、n=2の場合よりも角速度の変動が小さい駆動が可能となる。各振動モードにおける周波数を1:2:3とし、各振動モードにおける振幅比を24:-6:1として、この振動系を駆動した場合の揺動体の変位角と時間の関係を図34に示す。振幅比がマイナスで表示されているのは、図34のモード2のように、原点から1/2周期までの変位がマイナスであることを意味している。
このように、振動モードの数を増やしていくことで、所定の範囲における揺動体の角速度の変動をより小さくすることができる。
また、本実施形態の揺動体装置を2個の揺動体と2個のねじりバネとで構成し、ωkの中に基本周波数とその略3倍の周波数があるように構成することで、揺動体を略三角波駆動することができる。
図1(a)、(b)のように、n個の揺動体とn個のねじりバネとから構成される振動系の振動に関して説明する。この振動系は、基本周波数で運動する振動運動と、その略整数倍のn-1個の周波数で運動する振動運動とを同時に発生可能な構成となっている。よって、本実施形態の第1の態様では、複数の揺動体の少なくとも一つが、複数の時間関数の和を含む式で表される振動となるように構成されている。尚、複数の時間関数の和を含む式には、定数項を含む式も含まれる。例えば、定数項を含む場合とは、駆動部に一定の直流バイアスを印加し、揺動体の変位角の原点(変位角が0の位置)をずらしている場合である。
また、本実施形態の第2の態様では、光偏向装置の偏向角θ(ここでは図3に示す如く走査中心の位置を基準として測っている)は、次の様になる。第1の振動運動の振幅及び角周波数を夫々A1、ωとし、第2の振動運動の振幅及び角周波数をA2、nωとし(nは2以上の整数)、第1及び第2の振動運動の相対位相差をφとする。すると、揺動体の運動はA1sinωt+A2sin(nωt+φ)項を少なくとも含む数式で表される振動となる。特にn=2の場合は、A1sinωt+A2sin(2ωt+φ)項を少なくとも含む数式になり、所定の範囲での揺動体の角速度の変動を抑えた略等角速度駆動を実現することができる。また、n=3の場合は、A1sinωt+A2sin(3ωt+φ)項を少なくとも含む数式になり、揺動体を略三角波駆動することができる。尚、この場合もA1sinωt+A2sin(nωt+φ)項を少なくとも含む数式には、定数項を含む式も含まれる。
また、本実施形態の第3の態様では、第1の振動運動の振幅及び角周波数を夫々A1、ωとし、第nの振動運動の振幅及び角周波数を夫々An、nωとし、第1及び第nの振動運動の相対位相差をφn-1とすると、揺動体の運動は下記の式で表すことができる。
θ(t)=A1sinωt+ΣAnsin(nωt+φn-1) 式2
ここで、nは2以上の整数である。nの値は、揺動体装置を構成する揺動体の数を増やせる限り大きくすることができる。実際に揺動体装置を作製する場合は、nは最大で3乃至5程度であることが好ましい。駆動部120は、電磁方式、静電方式、圧電方式などにより振動系に駆動力を印加することが可能な構成となっている。電磁駆動の場合は、例えば少なくとも1つの揺動体に永久磁石を設け、この永久磁石に磁場を印加するコイルを揺動体の近傍に配置してもよいし、永久磁石とコイルをこれとは逆の配置としてもよい。静電駆動の場合は、少なくとも1つの揺動体に電極を形成し、この電極との間に静電力を働かせるような電極を揺動体の近傍に形成する。圧電駆動の場合は、圧電素子を振動系や支持部に設けて駆動力を印加する。
また、駆動制御部150は振動系が上記第1乃至第3の態様で振動運動するような駆動信号を発生可能な構成となっており、その駆動信号を前記駆動部に印加する。
駆動信号は、例えば正弦波を合成した駆動信号でもよいし(図6(a))、また、パルス状の駆動信号(図6(b))でもよい。正弦波を合成した駆動信号の場合は、各正弦波の振幅と位相を調整することで所望の駆動信号を得ることができる。また、パルス状の信号を用いて駆動する場合は、パルスの数、間隔、幅などを時間的に変化させることで所望の駆動信号を生成することができる。その他、光偏向装置の偏向角が所望の偏向角となるように駆動できる駆動信号であればどのようなものでもよい。
また、本実施形態の揺動体装置は複数の揺動体の少なくとも一つの揺動体の変位に応じて信号を出力する信号出力器を有する。図1(a)においては信号出力器は受光素子140であり、図1(b)においては信号出力器はピエゾ抵抗体170である。このような信号出力器は変位角計測器として用いられる。以下では、信号出力器と変位角計測器は同等の意味で用いる。
ピエゾ抵抗体170を用いて揺動体の変位角を検出する場合は、例えばねじりバネにピエゾ抵抗体170を設け、このピエゾ抵抗体170から出力される信号に基づき揺動体がある変位角をとるときの時刻を検出する。ピエゾ抵抗体170は例えばp型の単結晶シリコンにリンを拡散することで作製する。ピエゾ抵抗体170は、ねじりバネのねじれ角に応じて信号を出力する。したがって、揺動体の変位角を測定する場合は、ピエゾ抵抗体170を複数のねじりバネに設け、複数のねじりバネのねじれ角の情報に基づいて揺動体の変位角を求めると精度良く測定することができる。
また、受光素子140を用いて揺動体の変位角を検出する場合は以下のようにして構成する。
揺動体が第1の変位角を取るときの走査光の照射位置に第1の受光素子を配置し、揺動体が第2の変位角を取るときの走査光の照射位置に第2の受光素子を配置する。第1及び第2の受光素子は、異なる素子でもよいし、同じ素子でもよい。また、走査光は、直接受光素子に入射する様にしてもよいし、少なくとも1つの反射部材を経て反射光を受光素子に入射する様にしてもよい。要するに、少なくとも1つの受光素子が、第1及び第2の走査角における走査光を受光して検出できる様に配置されていればよい。本実施形態に係る発明における信号出力器は、時間軸上で断続的に所定の変位角になったときに信号を出力するものでもよいし、時間軸上で連続的に変位に応じた信号を出力するものであってもよい。
尚、本明細書では、ミラーの偏向角とミラーで偏向・走査される走査光の走査角は一定の関係にあって同等に扱えるので、偏向角(変位角)と走査角は同等な意味で用いる。
例えば、図3(a)のように、第1及び第2の変位角にそれぞれ第1及び第2の受光素子を配置する構成としてもよい。また、図3(b)のように、第1及び第2の変位角に反射部材160を設けて、それぞれの反射部材160で反射された光(反射光)を第1及び第2の受光素子141、142で受光する構成としてもよい。また、図15のように、第1及び第2の変位角にそれぞれ受光素子140と反射部材160を設けてもよい。この場合、第1の変位角の走査光を受光素子140で検知し、第2の変位角の走査光を反射部材160で反射して第1の変位角に設けられた受光素子140で受光する。また、図3(c)のように、第1及び第2の変位角に反射部材160を設けて、それぞれの反射部材160で反射された光(反射光)を1つの受光素子140で受光する構成としてもよい。この場合、受光素子は揺動体に対して、光源と反対側の領域に設ける。尚、本実施形態では第1及び第2の変位角で走査光の通過時刻を測定する形態に限定されることなく、それよりも多くの変位角で走査光の通過時刻を測定してもよい。
尚、本発明において変位角とは揺動体が静止している時の変位角、すなわち変位角が0の場合も含まれる。
第1の態様の場合、駆動制御部150は、信号出力器の出力信号に基づいて、揺動体の振動運動を表す複数の時間関数の振幅と位相の少なくとも一つが所定の値となるように駆動部120を制御する。
また、第2の態様の場合は、揺動体の振動運動はA1sinωt+A2sin(nωt+φ)項を少なくとも含む数式で表されるので、次のようにして駆動部を制御する。すなわち、前記数式のA1、A2、φの少なくとも一つが所定の値となるように駆動部120を制御する。
また、第3の態様の場合は、揺動体の振動運動は式2で表されるので、次のようにして駆動部を制御する。すなわち、駆動制御部150は、信号出力器の出力信号に基づいて前記数式のA1、A2、・・・An、φ1、φ2、・・・φn-1の少なくとも一つが所定の値となるように駆動部120を制御する。
以上のように、本実施形態の揺動体装置では、簡単な構成でかつ高精度に揺動体の偏向角を制御することができる。
本実施形態に係る発明においては、前記信号出力器からの情報に基づき駆動を調整する。そして、信号出力器からの情報としては、揺動体の変位角が正の場合の前記信号出力器からの情報と、変位角が負の場合の前記信号出力器からの情報の両方を用いてその駆動を制御するのが好ましい。例えば、揺動体の変位角θに関して、信号出力器からの変位を反映した4つの時刻における情報を利用する場合、4つの時刻のうち2つは揺動体の変位角θが正の時の時刻情報であり、残りの2つは変位角θが負の時の時刻情報であることが好ましい。揺動体の時計回りの回転と反時計回りの回転との両方を調整するのに有効だからである。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の揺動体装置を説明する。本実施形態の揺動体装置は、図2(a)、(b)に示すように、第1の揺動体101、第2の揺動体102、第1のねじりバネ111、第2の揺動体102、第2のねじりバネ112からなる振動系と、振動系を支持する支持部121とを有する。第1のねじりバネ111は第1の揺動体101と第2の揺動体102とを接続している。第2のねじりバネ112は、第1のねじりバネのねじり軸と共通するねじり軸を有するように、支持部121と第2の揺動体102を接続している。
また、振動系に駆動力を印加する駆動部120と、駆動部を調整する駆動制御部150と、2つの揺動体の1つが、異なる第1及び第2の変位角を取るときの時刻情報を出力する信号出力器とを有する。この信号出力器は変位角計測器として用いられる。図2(a)においては変位角測定器は受光素子140であり、図2(b)においては変位角測定器はピエゾ抵抗体170である。本実施形態のピエゾ抵抗体170を用いて揺動体の変位角を検出する方法、及び受光素子140を用いて揺動体の変位角を検出する方法は、第1の実施形態に記載した内容と同様である。
また、少なくとも一つの揺動体には反射ミラーが形成されている。本揺動体装置を光偏向装置として用いる場合は、光ビームを照射する光源131を設け、揺動体に設けた反射ミラーに光ビーム132を照射して光を走査する。
振動系は、基本周波数である第1の周波数で運動する第1の振動運動と、基本周波数の整数倍の周波数である第2の周波数で運動する第2の振動運動とを同時に発生可能な構成となっている。
つまり、本実施形態の光偏向装置の偏向角θ(ここでは図3に示す如く走査中心の位置を基準として測っている)は、次の様になる。第1の振動運動の振幅、角周波数、位相を夫々A1、ω1、φ1、第2の振動運動の振幅、角周波数、位相を夫々A2、ω2、φ2、適当な時間を原点ないし基準時間としたときの時間をtとしたときに、次式の様に表現できる。
θ(t)=A1sin(ω1t+φ1)+A2sin(ω2t+φ2) 式3-1
また、光偏向装置の偏向角θは、第1の振動運動の振幅、角周波数を夫々A1、ω1、第2の振動運動の振幅、角周波数を夫々A2、ω2、2つの周波数の相対位相差をφ、適当な時間を基準時間としたときの時間をtとしたときに、次式の様に表現できる。
θ(t)=A1sin(ω1t)+A2sin(ω2t+φ) 式3-2
若しくは
θ(t)=A1sin(ω1t+φ)+A2sin(ω2t) 式3-3
式3-3は、制御時に基本波ω1側の位相を調整する可能性がある場合に、対応するものである。式3-1と式3-2並びに式3-3は、基準ないし原点の時間の取り方で表現の形が異なっているのみで、4つの未知の値を含む式である点(例えば、式3-2及び式3-3中のφはφ1−φ2若しくはφ2−φ1と表せる)において本質的に同じものである。
駆動部120は、電磁方式、静電方式、圧電方式などにより振動系に駆動力を印加することが可能であり、第1の実施形態と同様な構成となっている。
また、駆動制御部150は振動系が基本周波数とその整数倍の周波数で振動運動するような駆動信号を発生可能な構成となっており、その駆動信号を前記駆動部に印加する。
駆動信号は、例えば正弦波を合成した駆動信号でもよいし(図6(a))、また、パルス状の駆動信号(図6(b))でもよい。正弦波を合成した駆動信号の場合は、各正弦波の振幅と位相を調整することで所望の駆動信号を得ることができる。また、パルス状の信号を用いて駆動する場合は、パルスの数、間隔、幅などを時間的に変化させることで所望の駆動信号を生成することができる。その他、光偏向装置の偏向角が所望の偏向角となるように駆動できる駆動信号であればどのようなものでもよい。
変位角計測器は前記第1の振動運動の1周期内において、揺動体が第1の変位角を取るときの互いに異なる2つの時刻と第2の変位角を取るときの互いに異なる2つの時刻の4つの時刻を測定する。
駆動制御部150は、第1の周波数を有する第1の信号と第2の周波数を有する第2の信号とを合成した駆動信号を生成して前記駆動部120に供給すると共に、前記測定した4つの時刻が、予め設定された時刻となるように駆動信号を調整する。そして、調整された駆動信号を駆動部120に供給することで、揺動体装置を精度良く制御することができる。
また、駆動制御部150は、前記4つの時刻から式3-1における第1の振動運動の振幅及び位相、並びに第2の振動運動の振幅及び位相(式3-1のA1、φ1、A2、φ2)のうちの少なくとも1つの値を算出することができる。そして、駆動制御部150は、これらの値のうちの少なくとも1つの値が予め設定された値となるように、駆動信号を調整することができる。
駆動信号を調整する際は、駆動信号の第1の振動運動の振幅成分及び位相成分、並びに第2の振動運動の振幅成分及び位相成分を調整する。ここで、例えば駆動信号の第1の振動運動の振幅成分とは、駆動信号のうち、揺動体の第1の振動運動の振幅を変動することができる成分のことである。他の成分についても同様である。
このように調整された駆動信号を駆動部120に供給することで、揺動体装置を精度良く制御することができる。
尚、本実施形態では第1及び第2の変位角で走査光の通過時刻を測定する形態について記載したが、本発明はこれに限定されることなく、それよりも多くの変位角で走査光の通過時刻を測定してもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の揺動体装置を説明する。本実施形態の揺動体装置を用いた光偏向装置のブロック図を図2(a)に示す。基本構成は上記第1及び第2の実施形態の揺動体装置と同じである。本実施形態では、図3(a)に示すように走査光133を検出するために、第1及び第2の変位角にそれぞれ第1及び第2の受光素子を配置している。
本実施形態でも、光偏向装置の偏向角θは、第1の振動運動の振幅、角周波数、位相を夫々A1、ω1、φ1、第2の振動運動の振幅、角周波数、位相を夫々A2、ω2、φ2、時間をtとしたときに、上記式3-1の様に表現できる。
また、偏向角θは、第1の振動運動の振幅、角周波数を夫々A1、ω1、第2の振動運動の振幅、角周波数を夫々A2、ω2、2つの周波数の相対位相差をφ、適当な時間を基準としたときの時間をtとしたときに、上記式3-2、式3-3の様に表現できる。
ここで、第1及び第2の変位角に配置された第1及び第2の受光素子により、前記第1の振動運動の1周期内において所望の互いに異なる4つの時刻を検出する。そして、駆動制御部150で、走査光が第1及び第2の受光素子上を予め設定された時刻に通過する様に、駆動信号を調整する。
つまり、駆動制御部150は前記4つの時刻から式3-1における第1の振動運動の振幅及び位相、並びに第2の振動運動の振幅及び位相(式3-1のA1、φ1、A2、φ2)の値を算出することができる。これにより、所望する任意の光偏向装置の偏向角θを得ることができる。この際、前記4つの時刻は、第1及び第2の受光素子の位置に相当する偏向角を夫々θBD1、θBD2(図3(a)参照)とした場合、次の様になる。
或る時刻t1及びt2において
θ(t1)=θ(t2)=θBD1 式4
或る時刻t3及びt4において
θ(t3)=θ(t4)=θBD2 式5
つまり、駆動制御部150は4つの時刻を夫々所望する任意の時刻にすることで、第1及び第2の振動運動の振幅と位相を一意に決定できる。より具体的には、駆動制御部150は4つの時刻を予め設定された時刻にするために、駆動信号を生成して駆動部120へ印加することで第1及び第2の振動運動の夫々の振幅、位相ないし相対位相差を調整する。
駆動信号は、例えば正弦波を合成した駆動信号でもよいし(図6(a))、また、パルス状の駆動信号(図6(b))でもよい。正弦波を合成した駆動信号の場合は、各正弦波の振幅と位相を調整することで所望の駆動信号を得ることができる。また、パルス状の信号を用いて駆動する場合は、パルスの数、間隔、幅などを時間的に変化させることで所望の駆動信号を生成することができる。その他、光偏向装置の偏向角が所望の偏向角となるように駆動できる駆動信号であればどのようなものでもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の揺動体装置を説明する。本実施形態の揺動体装置を用いた光偏向装置のブロック図を図14に示す。基本構成は上記第1及び第2の実施形態の揺動体装置と同じである。本実施形態では、各周期の往復走査において、走査光133は、直接、受光素子140を2回通過し、かつ反射板160により2回偏向される。そして、反射板160により偏向された偏向光134は同じ受光素子140を2回通過する。駆動制御部150は、走査光133が受光素子140を通過する4つの時刻により駆動部120への駆動信号を生成する。
図15に本光偏向装置の偏向角θについて示す。揺動体101は表面に反射ミラーを有し、光源131からの光ビーム132を走査する。光偏向装置は受光素子と反射板を有し、受光素子140及び反射板160は夫々光偏向装置の最大偏向角より小さい偏向角の位置に配置される。図15では光偏向装置の走査光の直接の光路に受光素子140及び反射板160を配置したが、上述した様に、別の反射板等によってさらに偏向された走査光の光路に受光素子140及び反射板160を配置してもよい。
本実施形態でも、光偏向装置の偏向角θは、第1の振動運動の振幅、角周波数、位相を夫々A1、ω1、φ1、第2の振動運動の振幅、角周波数、位相を夫々A2、ω2、φ2、時間をtとしたときに、上記式3-1の様に表現できる。
また、偏向角θは、第1の振動運動の振幅、角周波数を夫々A1、ω1、第2の振動運動の振幅、角周波数を夫々A2、ω2、2つの周波数の相対位相差をφ、適当な時間を基準としたときの時間をtとしたときに、上記式3-2、式3-3の様に表現できる。
ここで、走査光が照射される所望の位置に受光素子と反射板を配置し、前記第1の振動運動の1周期内において所望の互いに異なる4つの時刻を検出する。そして、駆動制御部150で、走査光が受光素子上と反射板上を予め設定された時刻に通過する様に、駆動信号を調整する。
つまり、駆動制御部は前記4つの時刻から式3-1における第1の振動運動の振幅及び位相、並びに第2の振動運動の振幅及び位相(式3-1のA1、φ1、A2、φ2)の値を算出することができる。これにより、所望する任意の光偏向装置の偏向角θを得ることができる。この際、前記4つの時刻は、受光素子及び反射板の位置に相当する偏向角を夫々θBD、θMIRROR(図15参照)とした場合、次の様になる。
或る時刻t1及びt2において
θ(t1)=θ(t2)=θBD 式6
或る時刻t3及びt4において
θ(t3)=θ(t4)=θMIRROR 式7
つまり、駆動制御部150は4つの通過時刻(t1、t2、t3、t4)を夫々所望する任意の時刻にすることで、第1及び第2の振動運動の振幅と位相を一意に決定できる。より具体的には、駆動制御部150は4つの時刻を予め設定された時刻にするために、駆動信号を生成して駆動部120へ印加することで第1及び第2の振動運動の夫々の振幅、位相ないし相対位相差を調整する。
駆動信号は、例えば正弦波を合成した駆動信号でもよいし(図6(a))、また、パルス状の駆動信号(図6(b))でもよい。正弦波を合成した駆動信号の場合は、各正弦波の振幅と位相を調整することで所望の駆動信号を得ることができる。また、パルス状の信号を用いて駆動する場合は、パルスの数、間隔、幅などを時間的に変化させることで所望の駆動信号を生成することができる。その他、光偏向装置の偏向角が所望の偏向角となるように駆動できる駆動信号であればどのようなものでもよい。
(第5の実施形態)
第5の実施形態の揺動体装置を説明する。本実施形態の揺動体装置を用いた光偏向装置のブロック図を図22に示す。基本構成は上記第1及び第2の実施形態の揺動体装置と同じである。異なる所は、次の点である。本実施形態による光偏向装置を示すブロック図である図22(a)に示す様に、駆動制御部150が振動モード変換部151を有する点である。駆動制御部150は、基本周波数を有する第1の信号と、基本周波数の整数倍の周波数である第2の周波数を有する第2の信号とを合成した第1の駆動信号を生成する。更に、振動モード変換部151を有する駆動制御部150は、第1及び第2の信号の少なくとも一方に位相を加え、且つこれらの信号を合成した第2の駆動信号を生成し、第1の駆動信号と第2の駆動信号を選択的に供給可能な構成となっている。例として、所望の位相を加える前の振動系の第1の振動モードの駆動時の偏向角θを図22(b)に、所望の位相を加えた後の振動系の第2の振動モードの駆動時の偏向角θを図22(c)に示す。図示例では、第1の振動運動をA1sin(ω1t)で表し、第2の振動運動をA2sin(ω2t+φ)で表し、第2の振動モードの駆動時には第2の振動運動のみにπの位相を加えてA2sin(ω2t+φ+π)としている。図22(b)及び図22(c)の実線の曲線が示す様に、走査光133は受光素子140を2回ずつ合計4回通過する。駆動制御部150は4つの通過時刻から第1の振動運動と第2の振動運動を所望の運動にするための駆動信号を算出する。算出された駆動信号に基づいて駆動部120により振動系100は所望の振動運動を行うよう制御される。
図23に本実施形態の光偏向装置の偏向角について示す。揺動体101は表面に反射ミラーを有し、光源131からの光ビーム132を走査する。光偏向装置は1つの受光素子140を有し、受光素子140は光偏向装置の最大偏向角より小さい偏向角の位置に配置される。図23では光偏向装置の光路に受光素子140を配置したが、別の反射板等によってさらに偏向された走査光の光路に受光素子140を配置しても良い。
第1の振動運動の振幅、角周波数、位相を夫々A1、ω1、φ1、第2の振動運動の振幅、角周波数、位相を夫々A2、ω2、φ2、時間をtとしたときの第1の振動モードの光偏向装置の偏向角θaは、次の式で表現できる。
θa(t)=A1sin(ω1t+φ1)+A2sin(ω2t+φ2) 式8
また、振動モード変換部151により位相φ1及びφ2に所望の位相φ1´及びφ2´を加えた場合の第2の振動モードの光偏向装置の偏向角θbは、次の式で表現できる。
θb(t)=A1sin(ω1t+φ1+φ1´)+A2sin(ω2t+φ2+φ2´) 式9
走査光が照射される所望の位置に受光素子140を配置し、前記第1の振動運動の1周期内の或る点を原点とした所望の互いに異なる4つの時刻を検出する。そして、駆動制御部150で、走査光が受光素子上を予め設定された時刻に通過する様に、駆動信号を調整する。つまり、第1、第2の振動運動の振幅、角周波数、位相を前記4つの時刻から算出し、駆動信号を調整することで所望の光偏向装置の偏向角θを得ることができる。
4つの時刻は、受光素子140の位置に相当する偏向角をθaBDとした場合、或る時刻t1及びt2、並びに或る時刻t3及びt4において、次の様になる。
θa(t1)=θa(t2)=θaBD 式10
θb(t3)=θb(t4)=θaBD 式11
駆動制御部150は4つの通過時刻(t1、t2、t3、t4)を夫々所望の設定時刻にすることで、第1及び第2の振動運動の振幅と位相を一意に決定できる。より具体的には、駆動制御部150は4つの時刻を予め設定された時刻にするために、駆動信号を生成して駆動部120へ印加することで、第1、第2の振動運動の夫々の振幅、位相A1、φ1、A2、φ2を調整する。
または、第1の振動運動の振幅、角周波数をA1、ω1、第2の振動運動の振幅、角周波数をA2、ω2、2つの周波数の相対位相差をφ、適当な時間を0としたときの時間をtとしたときに、第1の振動モードの光偏向装置の偏向角θaは、次式で表現できる。
θa(t)=A1sin(ω1t)+A2sin(ω2t+φ) 式12
また、振動モード変換部151により第1、第2の振動運動に所望の位相φ1´及びφ2´を加えた場合、光偏向装置の第2の振動モードの偏向角θbは、次式で表現できる。
θb(t)=A1sin(ω1t+φ1´)+A2sin(ω2t+φ+φ2´) 式13
ここでも、走査光が照射される所望の位置に受光素子140を配置し、前記第1の振動運動の1周期内の或る点を原点とした所望の互いに異なる4つの時刻を検出する。そして、駆動制御部150で、走査光が受光素子上を予め設定された時刻に通過する様に、駆動信号を調整する。
つまり、第1、第2の振動運動の振幅、角周波数、位相を前記4つの時刻から算出し、駆動信号を調整することで所望の光偏向装置の偏向角θを得ることができる。
4つの時刻は、受光素子140の位置に相当する偏向角をθaBDとした場合、或る時刻t1及びt2、並びに或る時刻t3及びt4において、次の様になる。
θa(t1)=θa(t2)=θaBD 式14
θb(t3)=θb(t4)=θaBD 式15
駆動制御部150は4つの通過時刻(t1、t2、t3、t4)を夫々所望の設定時刻にすることで、第1及び第2の振動運動の振幅と位相を一意に決定できる。より具体的には、駆動制御部150は4つの時刻を予め設定された時刻にするために、駆動信号を生成して駆動部120へ印加することで、第1の振動運動の振幅A1、第2の振動運動の振幅A2、位相差φを調整する。
本実施形態においても、駆動信号は、例えば正弦波を合成した駆動信号でもよいし(図6(a))、また、パルス状の駆動信号(図6(b))でもよい。正弦波を合成した駆動信号の場合は、各正弦波の振幅と位相を調整することで所望の駆動信号を得ることができる。また、パルス状の信号を用いて駆動する場合は、パルスの数、間隔、幅などを時間的に変化させることで所望の駆動信号を生成することができる。その他、光偏向装置の偏向角が所望の偏向角となるように駆動できる駆動信号であればどのようなものでもよい。
以下に、本発明の更に具体的な実施例を図に沿って説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1による光偏向装置を説明する。実施例1の光偏向装置のブロック図は図2(a)に示されるものと同じである。図4は本実施例の具体的な構成図である。図4(a)は本光偏向装置の振動系の上面図である。プレート部材300が、シリコンウェハをエッチング加工して作製されている。平板状の揺動体301は、図中の上下を2本のねじりバネ311a、311bで支持されている。揺動体301の上面には、光反射膜(反射ミラー)331が成膜されている。枠形状の揺動体302は、その内側にねじりバネ311a、311bを支持しており、図中の上下を2本のねじりバネ312a、312bで支持されている。枠形状の支持枠321は、その内側においてねじりバネ312a、312bを支持している。
本実施例では、揺動体301と揺動体302は、それぞれ上下を2本のねじりバネで固定されているが、それぞれの揺動体は1本ねじりバネで片側だけ支持されていてもよい。例えば揺動体301は1本のねじりバネ311bで固定され、揺動体302は2本のねじりバネ312a、312bで固定されてもよい。逆に、揺動体301は2本のねじりバネ311a、311bで固定され、揺動体302は1本のねじりバネ312bで固定されてもよい。
揺動体301、302及びねじりバネ311、312を含む振動系は、2つの振動モードを有するが、それらの周波数の一方が他方の略2倍になる様に調整が施されている。例として、揺動体301、302の慣性モ−メントをI1、I2とし、ねじりバネ311a、311bからなるバネ定数をk1、ねじりバネ312a、312bからなるバネ定数をk2とすると、2つの固有角振動数は一意に決まる。本実施例では、ω1=2π×2000[rad/s]、ω2=2π×4000[rad/s]となるように慣性モーメントI 1 、I2、及びバネ定数k1、k2を調整している。
図4(b)は、本光偏向装置の駆動部を説明するための模式図である。図中、プレート部材300は、図4(a)の切断線390で切断した断面を示している。揺動体302の下面には永久磁石341が接着されていて、プレート部材300は、透磁率の高い材料で作成されたヨ−ク344に接着されている。ヨ−ク344の、永久磁石341に相い対する部位には、透磁率の高い材料で作成されたコア343が配置され、コア343の周囲にはコイル342が周回されている。永久磁石341、コイル342、コア343、ヨ−ク344は、電磁アクチュエータ(駆動部)340を構成しており、コイル342に電流を流すと、永久磁石341にトルクが作用し、揺動体302が駆動される。
図5(a)、図5(b)にコイルに電圧を印加した場合の揺動体301の変位角の伝達特性を示す。図5(a)はゲイン(変位角/印加電圧)と駆動周波数の関係を、図5(b)は印加電圧と変位角の位相差と駆動周波数の関係を示す。図5(a)に示すようにω1の振動モードに対しω2の振動モードのゲイン(効率)は異なり、図5(b)に示すようにω1の振動モードに対しω2の振動モードは位相が180deg遅れる。
図4(c)は、本光偏向装置の制御部150を示す。図中、351、352は2000Hz及び4000Hzの正弦波を生成する任意波形発生器である。夫々の正弦波の位相及び振幅は演算部360の指令により任意に変更可能である。生成された2つの正弦波は加算器370で足し合わされた後に増幅器380により増幅され、コイル342に電圧が印加されることで電流が流される。第1及び第2の受光素子141、142は図3(a)に示す様に配置され、第1及び第2の受光素子からの出力391、392は演算部360に取り込まれる。演算部360は第1及び第2の受光素子の出力391、392が任意の値を示す様に、つまり走査光133が所望する任意の時刻で第1及び第2の受光素子141、142を通過する様に、任意波形発生器351、352の夫々の正弦波の位相及び振幅を調整する。
本実施例では任意波形発生器351、352と加算器370を用い2つの周波数を合成した駆動信号(図6(a))を生成したが、演算部360の指令から固有角振動数ω1の1周期内の電圧波形を分割して多数のパルス列で構成してもよい(図6(b))。つまり、パルスの数、間隔、幅などを時間的に変化させ、その固有角振動数ω1とω2の振幅成分および位相を変化させるPWM(PulseWidthModulation)駆動部などを用いてもよい。
本実施例の光偏向装置を使用することで、2つの周波数成分を有する所望する任意の光走査(例えば、走査角が略鋸波状に変化する走査光)を実現できる。
(実施例2)
本発明の実施例2による光偏向装置を説明する。本実施例の光偏向装置のブロック図は図2(a)に示されるものと同じである。また、その構成は図4に示されるものと同じである。
本光偏向装置の偏向角θは、次の様に表現される。第1の振動運動の振幅、角周波数を夫々A1、ω1、第2の振動運動の振幅、角周波数を夫々A2、ω2、2つの周波数の夫々の位相をφ1、φ2とする。そして、第1の振動運動の1周期内の任意の時間を原点ないし基準としたときの時間をtとして、上記式3-1のθ(t)=A1sin(ω1t+φ1)+A2sin(ω2t+φ2)の様に表現できる。
ここで、A1=1、A2=0.2、φ1=0、φ2=0、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000とすると、本光偏向装置の偏向角θ及び角速度θ’の時間変化は図7に示す様になる。図7(a)の実線で示す偏向角θは正弦波(破線で示す)に比べ鋸波に近くなり、図7(b)の実線で示す角速度θ’は正弦波のそれ(破線で示す)に比べ、略等角速度領域において変化量が少なくなる。なお、図7における縦軸の単位は適当にとってある。
本実施例ではA1=1、A2=0.2、φ1=0、φ2=0、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000としたが、角速度θ’の変化量が正弦波に比べ略等角速度領域において少なくなる如何なるA1、A2、φ1、φ2、ω1、ω2としてもよい。好ましくは、第1の周波数の1周期内の20%以上の連続した時間において、その時間内での前記反射ミラーの角速度θ’の最大値と最小値が(最大値−最小値)/(最大値+最小値)<0.1の関係を満たすことが望ましい。これは、光偏向装置に要求される好ましい大まかな条件であり、他の実施例でも同様である。
この際、第1及び第2の受光素子141、142をA1の8割、つまり偏向角θが0.8(最大偏向角を1として)となる光偏向装置の走査中心から対称の位置に夫々配置すると、次の様になる。すなわち、第1及び第2の受光素子141、142を走査光133が通過する所望する目標時刻t10、t20、t30、t40(図7(a)参照)は0.052msec、0.154msec、0.346msec、0.448msecとなる。これら目標時刻は予め求められて記憶されている(こうしたことは、以下の実施例でも同様である)。よって、第1及び第2の受光素子141、142を走査光133が通過する時刻t1、t2、t3、t4が上記所望値になる様に、図6(a)、図6(b)に示すような駆動信号を制御部150で調整することで、図7の実線で示す偏向角θを得ることができる。
本実施例では、偏向角θが0.8となる光偏向装置の走査中心から対称の位置に第1及び第2の受光素子141、142を配置したが、任意の偏向角θの所でもよい。好ましくは、略等速領域における光学的な干渉を避けるため、偏向角θの絶対値が0.6以上で、1.0未満の範囲に第1及び第2の受光素子141、142を夫々配置することが望ましい。ここで偏向角θの絶対値が0.6以上で、1.0より小さい範囲とは、偏向角θが+1.0より小さく+0.6以上の範囲と、−0.6以下で−1.0より大きい範囲である。なお、反射ミラーの偏向中心を零とし所望の最大偏向角を±1としている。こうした配置についても、他の実施例でも同様である。
本実施例における、より具体的な偏向角の制御の方法を以下に説明する。図8は制御のフロ−を示す。
<A1制御>
まず、A1の制御を行なう。基本周波数で運動する第1の振動運動のみで光走査するために、任意波形発生器351の周波数を2000Hzの角周波数とし、任意波形発生器352の周波数を2000Hz及び4000Hz以外の零を含む任意の角周波数とする。すると、第2の振動運動は共振振動を起こさず、光偏向装置の偏向角θは次の式で表現できる。
θ(t)=A1sin(ω1t) 式16
そして、或る時刻t1、t2、t3、t4を次の様にする。
θ(t1)=θ(t2)=θBD1 式17
θ(t3)=θ(t4)=θBD2 式18
すると、t2−t1及びt4−t3のうち少なくとも一方の値が0.102msec(これは、図7に示す目標とする偏向角θの変化から、予め求めてある)になる様に任意波形発生器351の振幅を調整することで、A1を所望のA1とできる。決める未知の値は1つなので、この方法でA1を決められる。
この工程は、揺動体上の反射ミラーの第1の振動運動の振幅を決める工程であって、第2の振動運動を止め、第1の振動運動のみで光を走査している際に、第1の周波数の1周期内における或る時間を零ないし基準として、次の様に調整する工程である。すなわち、第1の受光素子を走査光が通過する互いに異なる2つの通過時刻の組と、第2の受光素子を走査光が通過する互いに異なる2つの通過時刻の組と、の内の少なくとも一方の組の時刻を所望の目標時刻になる様に第1の振動運動の振幅を調整する。
その後、任意波形発生器352の周波数を4000Hzに戻す。なお、本実施例では、基本周波数で運動する第1の振動運動のみで光走査するために、任意波形発生器352の周波数を2000Hz及び4000Hz以外の零を含む任意の周波数とした。すなわち、第2の振動運動を止める際に、駆動部から振動系に伝える駆動力の内、第2の周波数の周期的駆動力を止めて、かつ、第1の周波数と第2の周波数以外の周波数の第3の周波数の周期的駆動力を加えた。しかし、この際、任意波形発生器352の振幅A2を零にしても構わない。
<φ制御>
次に、第1及び第2の振動運動の位相差φを零に調整する。その際、次の様にする。
t2−t1=t4−t3 式19
かつ、
t3−t2>t30−t20 式20
式19を要求するのは、第1及び第2の受光素子141、142を光偏向装置の走査中心から対称の位置に夫々配置しているからである。こうなる様に任意波形発生器351、352の位相差を調整すると、第1及び第2の振動運動の位相差が零となる。ここでも、決める未知の値は1つなので、この方法でφを決められる。なお、式20は、振動運動が逆の位相になるのを避けるための条件である。
この工程は、反射ミラーの第1の振動運動と第2の振動運動の相対位相差を決める工程である。ここでは、第1の受光素子を走査光が通過する互いに異なる2つの通過時刻の差と、第2の受光素子を走査光が通過する互いに異なる2つの通過時刻の差と、が等しい値になる様に第1及び第2の振動運動の内の少なくとも一方の位相を調整する。
<A2制御>
続いて、A2の制御を行なう。第1及び第2の受光素子141、142を走査光133が通過する時刻をt1、t2、t3、t4とする。このうちの少なくとも1つ以上が、t1=0.052msec、t2=0.154msec、t3=0.346msec、t4=0.448msecを満たす様に任意波形発生器352の振幅を調整する。これにより、A2を所望のA2とすることができる。ここでも、決める未知の値は1つなので、この方法でA2を決められる。
この工程は、反射ミラーの第2の振動運動の振幅を決める工程であって、第1及び第2の受光素子を走査光が通過する時刻の内の少なくとも1つ以上を所望の値にする様に第2の振動運動の振幅を調整する工程である。
<制御終了確認>
ここで、t1、t2、t3、t4が或る許容誤差範囲内であれば制御終了とする。異なっていればA1制御に戻り再び上記制御を行なう。
以上の操作により所望の光偏向装置の偏向角θを実現できる。本実施例ではt1、t2、t3、t4、t10、t20、t30、t40を時刻として取り扱ったが、或るクロックを基準とするカウンタ値でもよい。また、本実施例ではt1、t2、t3、t4、t10、t20、t30、t40を決まった値としたが、一定の誤差範囲を持った値としてもよい。これらのことは、他の実施例でも同様である。
(実施例3)
本発明の実施例3による光偏向装置を説明する。本実施例の光偏向装置のブロック図は図2(a)に示されるものと同じである。また、その構成は図4に示されるものと同じである。
ここでも、第1の振動運動の振幅、角周波数を夫々A1、ω1、第2の振動運動の振幅、角周波数を夫々A2、ω2、2つの周波数の夫々の位相をφ1、φ2、第1の振動運動の1周期内の任意の基準時間を原点(0)としたときの時間をtとする。このとき、本光偏向装置の偏向角θも、上記式3-1のθ(t)=A1sin(ω1t+φ1)+A2sin(ω2t+φ2)で表現できる。
ここで、A1=1、A2=0.2、φ1=0、φ2=0、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000とすると、本光偏向装置の偏向角θは図7に示す様になる。本実施例ではA1=1、A2=0.2、φ1=0、φ2=0、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000としたが、角速度θ’の変化量が正弦波に比べ略等角速度領域において少なくなる如何なるA1、A2、φ1、φ2、ω1、ω2としてもよい。
この際、第1及び第2の受光素子141、142をA1の8割、つまり偏向角θが0.8となる夫々異なる位置に配置すると、偏向角θが0(走査中心)の時間を0とした場合、次の様になる。すなわち、第1及び第2の受光素子141、142を走査光133が通過する目標時刻t10、t20、t30、t40は0.052msec、0.154msec、0.346msec、0.448msecとなる。よって、第1及び第2の受光素子141、142を走査光133が通過する4つの検出時刻t1、t2、t3、t4が上記値になる様に制御部により駆動信号を調整することで、図7に示す光偏向装置の偏向角θを得ることができる。
本実施例では、偏向角θが0.8となる光偏向装置の走査中心から対称の位置に第1及び第2の受光素子141、142を配置したが、任意の偏向角θでもよい。また、本実施例では、偏向角θが0の時間を0としたが、第1の振動運動の角周波数の1周期の任意の時間を原点(0)としてもよい。
本実施例の制御方法を詳述する。本光偏向装置のA1、A2、φ1、φ2の何れかを含む制御パラメータXが目標値から微小に変化した場合の第1及び第2の受光素子141、142を走査光133が通過する検出時刻t1、t2、t3、t4の変化を表す係数、及び行列Mを予め求めておく。これらは次の様に表される。
Figure 0005441309
Figure 0005441309
したがって、反射ミラーの振幅と位相の操作量ΔA1、ΔA2、Δφ1、Δφ2は、4つの検出時刻t1、t2、t3、t4と4つの目標時刻t10、t20、t30、t40との時間差Δt1、Δt2、Δt3、Δt4によって、次の式で求まる。
Figure 0005441309
上記関係式から目標時刻t10、t20、t30、t40からの時間差Δt1、Δt2、Δt3、Δt4から操作量ΔA1、ΔA2、Δφ1、Δφ2が算出される。そして、その値に基づき任意波形発生器351、352の出力を変更する。以上の制御を繰り返すことで目標時刻t10、t20、t30、t40に収束し、所望の光偏向装置の偏向角θを得ることができる。
上記工程を図9のブロック図に示す。光源410からの光を光偏向装置(反射ミラー)420により偏向することで、偏向光430は第1及び第2の受光素子441、442を通過する。制御部450では、第1及び第2の受光素子441、442で検出された検出時刻451と目標時刻452とを差分し、時間差453を算出する。そして、式23に示す様に時間差453から演算器454により行列演算することで操作量455を算出し、任意波形発生器351、352と加算器370と増幅器380によって光偏向装置420の駆動部に入力する信号を生成する。
本実施例においても、例えば図6(a)のような正弦波を合成した駆動信号を生成してもよいし、また、図6(b)のようなパルス状の駆動信号を生成してもよい。すなわち、受光素子で検出された検出時刻が目標時刻となるような駆動信号であれば、どのような駆動信号でもよい。
図5に示す揺動体301の変位角の伝達特性は、環境温度などの環境変化、揺動体の振動特性の経時変化により変化する。よって制御部150は、光偏向器のω1の振動周期毎に駆動波形を更新し所望の光偏向装置の偏向角θを得られるように制御する。本実施例ではω1の振動周期毎に駆動波形を更新するとしたが、それより短い周期、例えば受光素子に信号が入力される時刻で制御してもよい。もしくは光偏向器のω1の振動周期より長い周期で制御しても構わない。
(実施例4)
本発明の実施例4による光偏向装置を説明する。本実施例の光偏向装置のブロック図は図2(a)に示されるものと同じである。また、その構成は図4に示されるものと同じである。本光偏向装置の偏向角θは、第1の振動運動の振幅、角周波数を夫々A1、ω1、第2の振動運動の振幅、角周波数を夫々A2、ω2、2つの周波数の夫々の位相の差をφ、時間をtとしたときに、上記式3-2若しくは上記式3-3で表現できる。式3-2ならびに式3-3中のφはφ1−φ2若しくはφ2−φ1である。
ここで、A1=1、A2=0.2、φ=0、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000とする。本実施例ではA1=1、A2=0.2、φ=0(φ1=0、φ2=0)、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000としたが、角速度θ’の変化量が正弦波に比べ略等角速度領域において少なくなる如何なるA1、A2、φ1、φ2、ω1、ω2としてもよい。第1及び第2の受光素子141、142をA1の8割、つまり偏向角θが0.8となる夫々異なる位置に配置し、第1及び第2の受光素子141、142を走査光133が通過する目標時刻t10、t20、t30、t40の内のt10を基準の時間とする。すると、基準時間からの相対目標時間t20−t10、t30−t10、t40−t10は0.102msec、0.294msec、0.396msecとなり本光偏向装置の偏向角θは図7に示す様になる。よって、第1及び第2の受光素子141、142を走査光133が通過する3つの検出相対時間t2−t1、t3−t1、t4−t1が上記値になる様に制御部により駆動信号を調整することで、図7に示す光偏向装置の偏向角θを得ることができる。φ1とφ2はφ=φ1−φ2若しくはφ=φ2−φ1の関係式で表現され、図7中の上記式3-1は、上記式3-2に、若しくは上記式3-3に変換される。
本実施例でも、偏向角θが0.8となる光偏向装置の走査中心から対称の位置に第1及び第2の受光素子141、142を配置したが、任意の偏向角θでもよい。
本実施例の制御方法を詳述する。光偏向装置のA1、A2、φの何れかを含む制御パラメータXが目標値から微小に変化した場合の第1及び第2の受光素子141、142を走査光133が通過する検出相対時間t2−t1、t3−t1、t4−t1の変化を表す係数、及び行列Mを予め求めておく。これらは次の様に表される。
Figure 0005441309
Figure 0005441309
したがって、ミラーの振幅と位相の操作量ΔA1、ΔA2、Δφは、3つの検出相対時間t2−t1、t3−t1、t4−t1と3つの目標時間t20−t10、t30−t10、t40−t10との時間差Δt2、Δt3、Δt4によって、次の式で求まる。
Figure 0005441309
上記関係式から目標時間t20−t10、t30−t10、t40−t10からの時間差Δt2、Δt3、Δt4から操作量ΔA1、ΔA2、Δφが算出される。そして、その値に基づき任意波形発生器351、352の出力を変更する。以上の制御を繰り返すことで目標時刻t10、t20、t30、t40に収束し、所望の光偏向装置の偏向角θを得ることができる。
上記工程を図9のブロック図により説明する。光源410からの光を光偏向装置420により偏向することで、偏向光430は第1及び第2の受光素子441、442を通過する。制御部450では、第1及び第2の受光素子441、442で検出された検出時刻451と目標時刻452とを差分し、時間差453を算出する。さらに、式26に示す様に時間差453から演算器454により行列演算することで操作量455を算出し、任意波形発生器351、352と加算器370と増幅器380によって光偏向装置420の駆動部に入力する信号を生成する。この場合、t10を基準時間としているので、図9に示す任意波形発生器351への操作量455は2つではなく、1つになるか、若しくは任意波形発生器352への操作量455は2つではなく、1つになる。つまり、2つの周波数の夫々の位相の差φは、任意波形発生器351と任意波形発生器352のどちらによってでも調整され得る。
本実施例においても、例えば図6(a)のような正弦波を合成した駆動信号を生成してもよいし、また、図6(b)のようなパルス状の駆動信号を生成してもよい。すなわち、受光素子で検出された検出時刻が目標時刻となるような駆動信号であれば、どのような駆動信号でもよい。
以上の制御により所望の光偏向装置の偏向角θを実現できる。本実施例でもt20−t10、t30−t10、t40−t10を決まった値としたが、誤差範囲を持った値としてもよい。
(実施例5)
本発明の実施例5による光偏向装置を説明する。本実施例の光偏向装置のブロック図は図2(a)に示されるものと同じである。また、その構成は図4に示されるものと同じである。
本光偏向装置の偏向角θは、第1の振動運動の振幅、角周波数を夫々A1、ω1、第2の振動運動の振幅、角周波数を夫々A2、ω2、2つの周波数の夫々の位相の差をφ、時間をtとしたときに、上記式3-2若しくは上記式3-3で表現できる。式3-2ならびに式3-3中のφはφ1−φ2若しくはφ2−φ1である。
ここで、A1=1、A2=0.2、φ=0、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000とする。本実施例ではA1=1、A2=0.2、φ=0(φ1=0、φ2=0)、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000としたが、角速度θ’の変化量が正弦波に比べ略等角速度領域において少なくなる如何なるA1、A2、φ1、φ2、ω1、ω2としてもよい。本実施例でも、光偏向装置の走査中心から対称の位置θ1、θ2に第1及び第2の受光素子141、142を配置したが、任意の偏向角θでもよい。
本実施例の制御方法を詳述する。図10に光偏向装置の時間と偏向角の関係を示す(式3-2の場合)。図10示すように、光偏向装置の偏向角がθ1を通過する時刻から振動の端部で折り返して再びθ1を通過する時刻までの時間をt1とし、θ1の偏向角を通過する時刻から振動の中心を通過しθ2を通過する時刻までの時間をt12とする。更に、θ2を通過する時刻から振動の端部で折り返して再びθ2を通過する時刻までの時間をt2とし、θ2を通過する時刻から振動の中心を通過してθ1を通過する時刻までの時間をt21とする。
駆動制御部150はt1、t2、t12、t21のうちの1つ以上の時間から光偏向装置の周波数ω1の振幅A1、周波数ω2の振幅A2、周波数ω1と周波数ω2の位相差φの誤差量を算出し、この誤差量をもとに光偏向装置の駆動信号を生成する。
以下で各誤差信号の算出について具体的に述べる。まず、φの誤差信号の算出について述べる。
図10に示す合成波の式(式3-2)のA1sin(ω1t)を第1の成分とし、A2sin(ω2t+φ)を第2の成分とする。第1の成分と第2の成分の位相が変動した場合、位相の変動によりt1の値が減少するとt2の値が増加し、逆に位相の変動によりt1の値が増加するとt2の値が減少する。つまり、第1の成分と第2の成分の位相の変動に対して、t1とt2の増減は逆に変化する関係にある。
一方、第1の成分の振幅A1が変動した場合、振幅A1の変動によりt1の値が増加するとt2の値も増加し、逆にt1の値が減少するとt2の値も減少する。つまり、第1の成分の振幅A1の変動に対して、t1とt2の増減は同じように変化する。よって、t1とt2を減算することで、第1の成分の振幅A1の変動がキャンセルされ、第1の成分と第2の成分の位相変動分だけを抽出することができる。
ここで、θ1とθ2が光偏向装置の走査中心から対称の位置にあれば、t1-t2の演算を行なうだけで第1の成分と第2の成分の位相変動分を抽出することができる。また、θ1とθ2が対称の位置に置かれていない場合は、t1とt2の減算比を調整することにより良好な信号を得ることができる。
以上より、φ0を制御目標値とすると、φ成分の誤差量を示すφの
誤差信号は以下の式により得ることができる。


φの誤差信号=t1−δ×t2−φ0 (δ≧0) 式27−1
次に、第1の成分の振幅A1の誤差信号の算出について述べる。
第1の成分の振幅A1が変動した場合、振幅A1の変動によりt12の値が増加するとt21の値も増加し、逆にt12の値が減少するとt21の値も減少する。つまり、第1の成分の振幅A1の変動に対して、t12とt21の増減は同じように変化する。
一方、第2の成分の振幅A2が変動した場合、振幅A2の変動によりt12の値が増加するとt21の値が減少し、逆にt12の値が減少するとt21の値が増加する。つまり、第2の成分の振幅A2の変動に対して、t12とt21の増減は逆に変化する。よって、t12とt21を適当な比率で加算することで、第2の成分の振幅A2の変動をキャンセルすることができる。
また、同様に第1の成分の振幅A1の変動に対しては、t1とt12、及びt2とt21はともに増減が逆に変化する関係にある。よって、t1とt12、及びt2とt21をそれぞれ減算すれば、第1の成分の振幅A1の変動成分をキャンセルすることができ、誤差信号を増加することができる。
以上より、A10を制御目標値とすると、A1成分の誤差量を示すA1
の誤差信号は以下の式により得ることができる。
A1の誤差信号=t1+δ×t2-α×(t12+β×t21)-A10(α、β、δ≧0)式27−2
次に、第2の成分の振幅A2の誤差信号の算出について述べる。
第2の成分の振幅A2の誤差信号についても、第1の成分の振幅A1の誤差信号の算出と同様の原理により求めることができる。
上述したように、第1の成分の振幅A1の変動に対して、t12とt21の増減は同じように変化する。一方、第2の成分の振幅A2の変動に対して、t12とt21の増減は逆に変化する。よって、t12とt21を適当な比率で減算することで、第1の成分の振幅A1の変動をキャンセルすることができる。
以上より、A20を制御目標値とすると、A2成分の誤差量を示す
A2の誤差信号は以下の式により得ることができる。
A2の誤差信号=t12-γ×t21-A20
(γ≧0) 式27−3
図11に、上記式により誤差信号を算出する誤差検出回路を示す。この誤差検出回路では、入力信号であるt1、t2、t12、t21、制御目標であるφ0、A10、A20の値を、加算器、減算器を用いて演算することで、φ誤差信号、A1誤差信号、A2誤差信号をそれぞれ算出することができる。その際、それぞれの時間の加算比、減算比を調整するために、必要に応じてα、β、γ、δの値をそれぞれの時間に乗算してもよい。
α、β、γ、δは、以下のようにして調整する。δの値は、第1成分の振幅A1に外乱を入力し、Out1(つまり、t1−δ×t2)の変動が最小になるように調整する。βの値は、第2成分の振幅A2に外乱を入力し、Out3(つまり、t12+β×t21)の変動が最小になるように調整する。αの値は、第1成分の振幅A1に外乱を入力し、Out2(つまり、t1+t2+α×(t12+β×t21))の変動が最小になるように調整する。γの値は、第1成分の振幅A1に外乱を入力し、Out4(つまり、t12−γ×t21)の変動が最小になるように調整する
α、β、γ、δの値は実際にA1、A2、φに外乱を入力して求めてもよいし、数値計算により求めてもよい。
図12に、制御回路のブロック図を示す。尚、図11の誤差検出回路と図12の制御回路は図2(a)の駆動制御部150に設けられている。図12の制御回路では、上記式27−1、式27−2、式27−3の誤差信号が0になるような駆動信号を生成し、光偏向装置を駆動する。図11の誤差検出回路により算出されたA1、A2、φの誤差信号はそれぞれローパスフィルタ(LPF)を通り整形される。発振回路で発振した周波数ω2の正弦波の振幅成分A2は、誤差検出回路で生成したA2の誤差信号に基づいて調整される。その後、位相φの誤差信号に基づいて、位相φの値が調整される。一方、発振回路で発振した周波数ω1の正弦波の振幅成分A1は、誤差検出回路で生成したA1の誤差信号に基づいて調整される。その後、加算器で調整後の周波数ω1の正弦波と調整後の周波数ω2の正弦波が加算され駆動信号を生成し、この駆動信号は駆動部120に出力される。光偏向装置は、加算された駆動信号に基づき駆動部により駆動される。
本実施例ではノイズカットのためのローパスフィルタを用いたが、いかなるフィルタによって信号整形を行って制御してもかまわない。また、フィルタを用いなくともよい。本実施例では光偏向器の角度θを、θ(t)=A1sin(ω1t)+A2sin(ω2t+φ)としたが、A1sin(ω1t+φ)+A2sin(ω2t)などの別の表現とした場合も本質的には同じであり、本制御方式および制御回路は適用可能である。
(実施例6)
本発明の実施例6による光偏向装置を説明する。本実施例は、誤差検出回路が図13に示すものであること以外は、実施例5の内容と同様である。本実施例では光偏向装置の走査中心から対称の位置θ1、θ2に第1及び第2の受光素子141、142を配置しており、非対称に配置された場合を除いている。したがって、実施例5のように減算比、加算比を調整するためのパラメータ(α、β、γ、δ)を考慮する必要がないため、より簡単に誤差信号を算出することができる。それぞれの誤差信号の算出方法に関しては、実施例5と同様の考えに基づいている。
実施例6では、次のようにしてA1、A2、φの誤差信号を算出している。
図13に本実施例の誤差検出回路のブロック図を示す。A1の誤差信号は、A1の誤差信号を表す信号からA1の制御目標値A10を減算することで求めることができ、次の式で表すことができる。
A1の誤差信号=t1+t2-A10 式28−1
また、A2の誤差信号は、A2の振幅変動を表す信号からA2の制御目標値A20を減算することで求めることができ、次の式で表すことができる。
A2の誤差信号=t12-A20 (もしくはt21-A20) 式28−2
また、φの誤差信号は、φの位相変動を表す信号からφの制御目標値φ0を減算することで求めることができ、次の式で表すことができる。
φの誤差信号=t1-t20 式28−3
本実施例による誤差検出回路により、より単純な演算で各パラメータの誤差信号を算出することができる。この誤差信号は図12に示す制御回路に出力され、制御回路において光偏向装置の駆動信号を生成する。この駆動信号は図2(a)に示す駆動部120に出力され、光偏向装置が駆動される。制御回路での信号処理などは、実施例5と同様である。
(実施例7)
本発明の実施例7の光偏向装置のブロック図は図14に示されるものと同じである。図4(a)、図4(b)、及び図16は本実施例の具体的な構成図である。図4(a)、図4(b)の構成については実施例1で説明した通りである。
本実施例でも、揺動体301、302及びねじりバネ311、312は、2つの振動モードを有するが、一方の周波数が他方の略2倍になる様に調整が施されている。また、本実施例でも、2つの固有角振動数(固有角周波数)は、ω1=2π×2000[Hz]、ω2=2π×4000[Hz]となる様に調整する。
図16は、本光偏向装置の制御部を示す。図16の構成は基本的に図4(c)の構成と同じである。異なるのは、次の点である。受光素子140及び反射板160は図15に示す様に配置され、受光素子140からの出力390は演算部360に取り込まれる。そして、演算部360は受光素子の出力390が任意の値を示す様に、つまり光偏向装置の走査光133が所望する任意の設定時間で受光素子140及び反射板160を通過する様に、任意波形発生器351、352の夫々の位相及び振幅を調整する。
本実施例の光偏向装置を使用することでも、2つの周波数成分を有する所望する任意の光走査(例えば、偏向角が略鋸波状に変化する走査光)を実現できる。
(実施例8)
本発明の実施例8による光偏向装置を説明する。本実施例の光偏向装置のブロック図は図14に示されるものと同じである。また、その構成は図4(a)、図4(b)、及び図16に示されるものと同じである。
本光偏向装置の偏向角θも、上記式3-1のθ(t)=A1sin(ω1t+φ1)+A2sin(ω2t+φ2)の様に表現できる。ここで、A1=1、A2=0.2、φ1=0、φ2=0、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000とすると、本光偏向装置の偏向角θ及び角速度θ’の時間変化は図17(a)、(b)に示す様になる。偏向角θは正弦波に比べ鋸波に近くなり、角速度θ’は正弦波に比べ略等角速度領域において変化量が少ない。
本実施例でも、A1=1、A2=0.2、φ1=0、φ2=0、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000としたが、角速度θ’が正弦波に比べ略等角速度領域において変化量が少なくなる如何なるA1、A2、φ1、φ2、ω1、ω2としてもよい。
本実施例では、図15に示す様に、光偏向装置の走査中心を原点とした際、受光素子140を光偏向装置の偏向角θが+0.85となるθBDの位置に配置し、偏向板160を光偏向装置の偏向角θが−0.8となるθMIRRORの位置に配置する。すなわち、光偏向装置の走査中心に対して非対称な位置に受光素子140と偏向板160を配している。理想状態では、受光素子140を走査光133、偏向光134が通過する目標時刻t10a、t20a、t30a、t40aは0.057msec、0.154msec、0.346msec、0.448msecとなる。よって、これらの時刻を4つの設定時刻に設定する。受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する検出時刻(すなわち通過時刻)t1、t2、t3、t4を上記設定値になる様に制御部(駆動制御部)により駆動信号を調整することで、図17(a)に示す光偏向装置の偏向角θを得ることができる。
以下に、振幅A1を調整する方法を示す。任意波形発生器352から周波数4000Hzの正弦波の発生をストップし、周波数2000Hzの正弦波のみを任意波形発生器351から発生させると光偏向装置は第1の振動運動のみで運動する。光偏向装置の偏向角θは、上記式16のθ(t)=A1sin(ω1t)で表現できる。
このとき、受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する検出時刻(すなわち通過時刻)をta、tb、tc、tdとすると、偏向角と通過時刻の関係は、次式で表される。
θ(ta)=θ(tb)=θBD 式29
θ(tc)=θ(td)=θMIRROR 式30
A1が目標値であった場合の時間と走査角の関係が図17(a)中の破線で示される。ここでは、受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する理想的な時刻をta0、tb0、tc0、td0で表している。tb0−ta0の値は0.095msec(これは予め求めてある)であるので、設定時間を0.095msecに設定する。こうして、tb−taの値を0.095msecになる様に任意波形発生器351の振幅を調整することで所望のA1とすることができる。
その後、任意波形発生器352から周波数4000Hzの正弦波を重畳して発生させることで2つの周波数で光偏向装置を駆動させる。ここでも、任意波形発生器352からの周波数4000Hzの正弦波の発生をストップするかわりに、2000Hzの正弦波に加えて4000Hz以外の零を含む任意の周波数(第3の周波数)の正弦波を発生させてもよい。このとき、光偏向装置の共振周波数から外れているので第3の周波数で光偏向装置が運動することはない。ここでの利点は、常に2つの周波数の信号を光偏向装置の駆動部に供給しているので、投入エネルギ−の変化が抑えられて、実際に起こる駆動を変化させることによる光偏向装置の温度変化が低減することである。このことは、他の実施例でも言い得ることである。
本実施例では、受光素子140を光偏向装置の偏向角θが+0.85となるθBDの位置に配置し、偏向板160を光偏向装置の偏向角θが−0.8となるθMIRRORの位置に配置したが、任意の偏向角θのところでもよい。ここでも、好ましくは、略等速領域の光学的な干渉を避けるため、偏向角θが+1.0より小さく+0.6より大きい範囲と、−0.6より小さく−1.0より大きい範囲に受光素子140及び反射板160を配置することが望ましい。
本実施例では、tb−taの値を0.095msecになる様に任意波形発生器351の振幅を調整したが、td−tc若しくはその他の時間間隔の内の少なくとも1つ以上の値を所望する任意の値にするよう任意波形発生器351の振幅を調整してもよい。しかしながら、本実施例では|θBD|>|θMIRROR|であるのでtb−taの値が最も振幅に敏感なため、tb−taの値を任意の値になる様に任意波形発生器351の振幅を調整する方が好ましい。|θMIRROR|>|θBD|とした場合はtd−tcの値が最も振幅に敏感なため、td−tcの値を所望する任意の値になる様に任意波形発生器351の振幅を調整する方が好ましい。
上記工程は、反射ミラーの第1の振動運動の振幅を決める工程であって、第2の振動運動を止め、第1の振動運動のみで光を走査している際に、次の様にしている。すなわち、第1の周波数の1周期内における或る時間を零として、1つの受光素子を走査光が通過する互いに異なる少なくとも2つ以上の通過時刻を所望の目標時刻になる様に第1の振動運動の振幅を調整する。本実施例では、この工程において、1つの受光素子を走査光が通過する複数の時間間隔の内、最も短い時間間隔を所望の目標時間になる様に第1の振動運動の振幅を調整している。
(実施例9)
本発明の実施例9による光偏向装置を説明する。本実施例の光偏向装置のブロック図は図14に示されるものと同じである。また、その構成は図4(a)、図4(b)、及び図16に示されるものと同じである。図15に示す光偏向装置(反射ミラー101)と受光素子140と反射板160の配置は実施例8と同様である。本実施例の光偏向装置の偏向角θは実施例8で示した図17と同じである。
第1の周波数の1周期内の図17に示す時間零を基準時間とした場合、走査光133、偏向光134が受光素子140を通過する目標時刻をt10a、t20a、t30a、t40aとする。すると、t10a、t20a、t30a、t40aは夫々0.057msec、0.154msec、0.346msec、0.448msecとなる。これらの目標時刻は予め求められている。よって、これらの時刻を4つの設定時刻に設定する。受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する4つの検出時刻(すなわち通過時刻)t1、t2、t3、t4が上記目標値になる様に制御部により駆動信号を調整することで、図17に示す光偏向装置の偏向角θを得ることができる。
以下に、本実施例の上記制御方法について説明する。本光偏向装置のA1、A2、φ1、φ2の何れかを含む制御パラメータXが目標値から微小に変化した場合の受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する検出時刻t1、t2、t3、t4の変化を表す係数を上記式21とする。行列Mは、上記式22とする。これらは予め求められて、記憶されている。反射ミラー101の振幅と位相の操作量ΔA1、ΔA2、Δφ1、Δφ2は、4つの検出時刻t1、t2、t3、t4と4つの目標時刻t10a、t20a、t30a、t40aとの時間差Δt1、Δt2、Δt3、Δt4によって上記式23で求まる。
上記関係式から、目標時刻t10a、t20a、t30a、t40aからの時間差Δt1、Δt2、Δt3、Δt4により操作量ΔA1、ΔA2、Δφ1、Δφ2が算出される。そして、その値に基づき、任意波形発生器351、352の出力を変更する。以上を繰り返すことで、目標時刻t10a、t20a、t30a、t40aに収束し、所望の偏向角θを得ることができる。これらのことは上記実施例3で説明したことと基本的に同じである。
上記工程を図19のブロック図により示す。光源410からの光を光偏向装置(反射ミラー)420により偏向することで、走査光430は受光素子441を通過し、かつ、走査光430は偏向板460によって偏向され偏向光431は受光素子441に入射する。制御部450では、受光素子441で検出された検出時刻451と目標時刻452とを差分し、時間差453を算出する。さらに、式15に示す様に時間差453から演算器454により行列演算することで操作量455を算出し、任意波形発生器351、352と加算器370と増幅器380によって光偏向装置420に入力する信号を生成する。
(実施例10)
本発明の実施例10による光偏向装置を説明する。本実施例の光偏向装置のブロック図は図14に示されるものと同じである。また、その構成は図4(a)、図4(b)、及び図16に示されるものと同じである。図15に示す光偏向装置(反射ミラー101)と受光素子140と反射板160の配置は実施例8と同様である。本実施例の光偏向装置の偏向角θは図17に示されている。図17中のφ1とφ2はφ=φ1−φ2若しくはφ=φ2−φ1の関係式で表現され、図17中の上記式3-1は、上記式3-2に、若しくは上記式3-3に変換される。
ここでは、受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する目標時刻t 10a 、t 20a 、t 30a 、t 40a の内、t 10a を基準時間とする。基準時間からの相対目標時間t 20a −t 10a 、t 30a −t 10a 、t 40a −t 10a は0.097msec、0.289msec、0.391msec(これらは予め求められている)となり、光偏向装置の偏向角θは図17に示す様になる。よって、これらの時間を3つの設定時間に設定する。受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する3つの検出相対時間t2−t1、t3−t1、t4−t1が上記設定値になる様に制御部により駆動信号を調整することで、図17に示す光偏向装置の偏向角θを得ることができる。
本実施例の制御方法について示す。受光素子140には走査光133及び偏向光134が共に入射され、第1の周波数の1周期内に4つのタイミングが検出される。そのため、本実施例で基準としたいt 10a が4つのタイミングの内のどれかを検出する必要がある。
上記タイミングを検出するために本実施例では、任意波形発生器352からの周波数4000Hzの正弦波の発生をストップし、周波数2000Hzの正弦波のみを発生させる。すると、光偏向装置は第1の振動運動のみで運動する。光偏向装置の偏向角θは、上記式16のθ(t)=A1sin(ω1t)で表現できる。
このとき、受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する検出時刻(すなわち通過時刻)をta、tb、tc、td(ta<tb<tc<td)とすると偏向角と通過時刻の関係は、上記式29、式30と同様に次の式で表される。
θ(ta)=θ(tb)=θBD
θ(tc)=θ(td)=θMIRROR
この時、時間差tb−ta、tc−tb、td−tcの関係は、受光素子140と反射板160の配置が非対称になっているので以下のようになる。
tb−ta<td−tc<tc−tb 式31
A1が目標値であった場合の時間と走査角の関係が、図17(a)中の破線で示されている。ここで、受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する理想的な時刻がta0、tb0、tc0、td0で表されている。tb0−ta0<td0−tc0<tc0−tb0であるから基準時間t10aはtaと判断できる。
その後、任意波形発生器352から周波数4000Hzの正弦波を重畳して発生させることで、2つの周波数で光偏向装置を駆動させる。
本実施例では、t10aを基準時間としたが、他の基準時間でも上記時間差の大小関係から判別が可能である。上記工程は、基準時間を決める工程であって、この工程では、第2の振動運動を止め、第1の振動運動のみで光を走査している際に、受光素子を走査光が通過する時間間隔の大小関係から基準時間を決定している。
以下に、本実施例の上記制御方法について更に説明する。光偏向装置のA1、A2、φの何れかを含む制御パラメータXが目標値から微小に変化した場合の受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する検出相対時間t2−t1、t3−t1、t4−t1の変化を表す係数を上記式24とする。行列Mは、上記式25とする。反射ミラー101の振幅と位相の操作量ΔA1、ΔA2、Δφは、3つの検出相対時間t2−t1、t3−t1、t4−t1と3つの目標時間t 20a −t 10a 、t 30a −t 10a 、t 40a −t 10a との時間差Δt2、Δt3、Δt4より式26で求まる。
上記関係式から、目標時間t 20a −t 10a 、t 30a −t 10a 、t 40a −t 10a からの時間差Δt2、Δt3、Δt4により操作量ΔA1、ΔA2、Δφが算出される。そして、その値に基づき、任意波形発生器351、352の出力を変更する。以上を繰り返すことで、目標時刻t10b、t20b、t30b、t40bに収束し、所望の偏向角θを得ることができる。これらのことは上記実施例4で説明したことと基本的に同じである。
上記工程を図19のブロック図により示す。基本的には、実施例9のところで説明した通りである。ここでは、式26に示す様に時間差453から演算器454により行列演算することで操作量455を算出し、任意波形発生器351、352と加算器370と増幅器380によって光偏向装置420に入力する信号を生成する。本実施例では、図19に示す任意波形発生器351への操作量455は2つではなく、1つになるか、若しくは任意波形発生器352への操作量455は2つではなく、1つになる。つまり、2つの周波数の夫々の位相の差φは、任意波形発生器351と任意波形発生器352のどちらによってでも調整され得る。
(実施例11)
本発明の実施例11による光偏向装置を説明する。本実施例の光偏向装置のブロック図は図14に示されるものと同じである。また、その構成は図4(a)、図4(b)、及び図16に示されるものと同じである。図15に示す光偏向装置(反射ミラー101)と受光素子140と反射板160の配置関係は実施例8と同様であるが、その位置は次の様になっている。すなわち、光偏向装置の走査中心を原点としたとき、受光素子140を光偏向装置(ミラー)の偏向角θが+0.8となるθBDの位置に配置する。偏向板160は、光偏向装置の偏向角θが−0.8となるθMIRRORの位置に配置する。すなわち、両者は走査中心に対して対称に配置されている。
受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する目標時刻t10b、t20b、t30b、t40bの内、t10bを基準時間とする。基準時間からの相対目標時間t20b−t10b、t30b−t10b、t40b−t10bは0.102msec、0.294msec、0.396msec(これらは予め求められている)となる。光偏向装置の偏向角θは図18に示す様になる。よって、受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する3つの検出相対時間t2−t1、t3−t1、t4−t1が上記目標値になる様に制御部により駆動信号を調整する。このことで、図18に示す光偏向装置の偏向角θを得ることができる。
本実施例の制御方法について示す。本実施例でも、受光素子140には走査光133及び偏向光134が共に入射され、第1の周波数の1周期内に4つのタイミングが検出される。そのため、本実施例で基準としたいt10bが4つのタイミングの内のどれかを検出する必要がある。
上記タイミングを検出するために本実施例でも、任意波形発生器352からの周波数4000Hzの正弦波の発生をストップし、周波数2000Hzの正弦波のみを発生させる。すると、光偏向装置は第1の振動運動のみで運動する。光偏向装置の偏向角θは、上記式16のθ(t)=A1sin(ω1t)で表現できる。
このとき、受光素子140を走査光133及び偏向光134が通過する検出時刻(すなわち通過時刻)をta、tb、tc、td(ta<tb<tc<td)とすると偏向角と通過時刻の関係は、上記式29、式30と同様に次の式で表される。
θ(ta)=θ(tb)=θBD
θ(tc)=θ(td)=θMIRROR
その時、時間差tb−ta、tc−tb、td−tcの関係は、受光素子140と反射板160の配置が対称になっているので次のようになる。
tb−ta=td−tc、tb−ta<tc−tb
式32
加えて、本実施例では、反射ミラー101から受光素子140までの走査光の光路長と反射ミラー101から反射板160を経由し受光素子140までの走査光の光路長が異なる様に、受光素子140及び反射板160が配置されている。よって、反射ミラーから受光素子までの走査光と反射ミラーから反射板を経由し受光素子までの走査光との間で、受光素子140を通過する速度が異なる。そのため、受光素子140に光が入射している持続時間が異なる。通過時刻ta、tb、tc、tdの走査光133及び偏向光134が、夫々、有限の面積を有する受光素子140を通過する時刻twa、twb、twc、twdは以下の関係になる。
twa=twb、twc=twd、twa>twc 式33
上記関係式から基準時間t10bはtaと判断できる。
その後、任意波形発生器352から周波数4000Hzの正弦波を重畳して発生させることで、2つの周波数で光偏向装置を駆動させる。
上記式24、式25、式26を用いた本実施例の制御方法については、実施例10で説明した制御方法と基本的に同じである。図19のブロック図の工程についても、実施例10で説明した工程と同じである。
本実施例では、受光素子140を光偏向装置(反射ミラー)の偏向角θが+0.8となるθBDの位置に配置し、偏向板160を光偏向装置の偏向角θが−0.8となるθMIRRORの位置に配置したが、任意の偏向角θの所でもよい。好ましくは、略等速領域の光学的な干渉を避けるため、偏向角θが+1.0より小さく+0.6より大きい範囲と、−0.6より小さく−1.0より大きい範囲に受光素子140及び反射板160を配置することが望ましい。
本実施例では、反射ミラー101から反射板160を経由し受光素子140までの走査光の光路長の方を長く設定したが、反射ミラー101から反射板160を経由し受光素子140までの走査光の光路長の方を短く設定してもよい。いずれにせよ、光路長の長い方が受光素子140を通過する時間が短いという関係に基づいて基準時間の判断を行なえばよい。
本実施例では、t10bを基準時間としたが、他の基準時間でも、上記時間差と受光素子140を通過する時間から判別が可能である。
(実施例12)
本発明の実施例12による光偏向装置(電子写真式の画像形成装置)を説明する。本実施例の光偏向装置のブロック図は図2(a)に示されるものと同じである。また、その構成は図4(a)、(b)、(c)に示されるものと同じである。
本実施例の全体の外観構成を図20の斜視図に示す。光源510から出射した光は、コリメ−タレンズ520で整形された後、光偏向装置500によって1次元に偏向される。走査光は光学系である結合レンズ530を経て感光ドラム540上に結像する。感光ドラム540の有効領域を画成する範囲以外にある光偏向装置500の偏向角の所に、2つの受光素子550が配置される。そして、上記実施例2、3、4、5、6などで説明した制御方法によって、光偏向装置の偏向角の角速度を所定の領域(図7で示す略等角速度領域)で略等角速度になる様に調整する。その結果、結合レンズ530に所謂fθ機能を持たせることで感光ドラム540の有効領域上で略等速度に光走査できる様になる。本実施例により、正弦波で駆動した場合に比べ角速度の変化が少ないため、良好な印字が可能となる。
(実施例13)
本発明の実施例13による光偏向装置(電子写真式の画像形成装置)を説明する。本実施例の光偏向装置のブロック図は図14に示されるものと同じである。また、その構成は図4(a)、図4(b)、図16に示されるものと同じである。
本実施例の全体の外観構成を図21の斜視図に示す。図20の構成と基本的に同じであるが、次の点で異なる。ここでは、感光ドラム540の有効領域を画成する範囲以外にある光偏向装置500の偏向角の所に、1つの受光素子550と反射板560が配置される。そして、上記実施例8、9、10、11などで説明した制御方法によって、光偏向装置の偏向角の角速度を所定の領域(図17、図18で示す略等角速度領域)で略等角速度になる様に調整する。その結果、ここでも、結合レンズ530に所謂fθ機能を持たせることで感光ドラム540の有効領域上で略等速度に光走査できる様になる。本実施例によっても、正弦波で駆動した場合に比べ角速度の変化が少ないため、良好な印字が可能となる。
(実施例14)
実施例1乃至13は上記第1乃至第4の実施形態のタイプに属する実施例であった。以下に、上記第5の実施形態のタイプに属する実施例を説明する。実施例14の光偏向装置のブロック図は図22に示されるものと同じである。
本実施例の具体的な構成は、図4(a)及び図4(b)に示されるものと同じである。本実施例でも、2つの固有角振動数は、ω1=2π×2000[Hz]、ω2=2π×4000[Hz]となる様に調整されている。
本実施例の光偏向装置の駆動部も、次の点を除いて、図4(c)と同じである。異なる点は、1つの受光素子140が図23に示す様に配置されるので、1つの受光素子140のみからの出力が演算部360に取り込まれる。演算部360は、1つの受光素子140の出力が所望の値を示す様に、調整を行う。つまり、上記第1及び第2の振動モードの駆動時において、夫々、光偏向装置の走査光133が所望する任意の時刻で受光素子140を通過する様に、任意波形発生器351、352の夫々の正弦波の位相及び振幅を調整する。
本実施例の光偏向装置を使用することで、2つの周波数成分を有する所望の光走査を実現できる。
(実施例15)
本実施例も本発明による光偏向装置の第5の実施形態に属する実施例である。本実施例の光偏向装置のブロック図は図22に示されるものと同じである。構成も基本的に実施例14と同じである。本実施例は、タイプは異なるが、上記実施例2に対応するものである。
本実施例の光偏向装置の偏向角θaは、次の様に表現される。第1の振動運動の振幅、角周波数を夫々A1、ω1、第2の振動運動の振幅、角周波数を夫々A2、ω2とする。また、2つの周波数の夫々の位相をφ1、φ2とする。第1の振動運動の1周期内の所望の基準時間を0としたときの時間をtとする。その際の第1の振動モードの光偏向装置の偏向角θaは、上記式8の様に表現できる。
ここで、A1=1、A2=0.2、φ1=0、φ2=0、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000とすると、光偏向装置の偏向角θa及び角速度θa’の時間変化は図24に示す様になる(ただし、図24では位相差φを用いて表している)。偏向角θaは正弦波に比べ鋸波に近くなる。角速度θa’は正弦波のそれに比べ、略等角速度領域において変化量が少なくなる。
本実施例ではA1=1、A2=0.2、φ1=0、φ2=0、ω1=2π×2000、ω2=2π×4000としたが、角速度θa’の変化量が正弦波に比べ略等角速度領域において少なくなる如何なるA1、A2、φ1、φ2、ω1、ω2としても良い。
このとき、図23に示す様に、光偏向装置の走査中心を原点とした際、受光素子140を光偏向装置の偏向角θが+0.8となるθBDの位置に配置すると次の様になる。すなわち、第1の振動モードによる駆動時に受光素子140を走査光133が通過する目標時刻t10、t20は0.052msec、0.154msecとなる。
さらに、第1の周波数を有する第1の周期的駆動力と第2の周波数を有する第2の周期的駆動力に夫々πの位相を加えた際の第2の振動モードによる駆動時に光偏向装置の偏向角θbは、次式で表現できる。
θb(t)=A1sin(ω1t+φ1+π)+A2sin(ω2t+φ2+π)
式34
光偏向装置の偏向角θbを図25(a)に示す(ただし、図25(a)でも位相差φを用いて表している)。この際、受光素子140を走査光133が通過する目標時刻t30、t40は0.346msec、0.448msecとなる。ここで、光偏向装置の偏向角θaの走査光133が受光素子140を通過する検出時刻t1、t2、及び光偏向装置の偏向角θbの走査光133が受光素子140を通過する検出時刻t3、t4が、目標時刻t10、t20、t30、t40になる様にする。すなわち、こうなる様に制御部(駆動制御部)により駆動部への駆動信号を調整することで、所望の光偏向装置の偏向角を得ることができる。
本実施例におけるより具体的な偏向角の制御の方法を以下に説明する。
まず、振幅A1を調整する。基本周波数で運動する第1の振動運動のみで光走査するために、任意波形発生器352からの周波数4000Hzの正弦波の発生をストップし、周波数2000Hzの正弦波のみを発生させる。すると、光偏向装置の偏向角θは、θ(t)=A1sin(ω1t)で表現できる。
このとき、受光素子140を走査光133が通過する検出時刻(すなわち通過時刻)をta、tbとすると、偏向角と通過時刻の関係は、θ(ta)=θ(tb)=θBDで表される。
A1が目標値であった場合の時間と走査角の関係を図24(a)中の破線で示す。受光素子140を走査光133が通過する理想的な時刻をta0、tb0で表す。tb0−ta0の値は0.102msec
であるので、設定時間を0.102msecに設定する。tb0−ta0の値を0.102msecになる様に任意波形発生器の振幅を調整することで所望のA1とすることができる。
その後、任意波形発生器から周波数4000Hzの正弦波を重畳して発生させることにより、2つの周波数で光偏向装置を駆動させる。ここにおいて、上述した様に第1及び第2の振動モードの駆動を行ない、A2、φ1、φ2を目標値にもって行く。
ここで、任意波形発生器からの周波数4000Hzの正弦波の発生をストップするかわりに、2000Hzの正弦波に加えて、4000Hz以外の零を含む所望の周波数(第3の周波数)の正弦波を発生させてもよい。このとき、光偏向装置の共振周波数から外れているので第3の周波数で光偏向装置が運動することはない。ここでの利点は、駆動を変化させることによる光偏向装置の温度変化が低減することである。
本実施例では、第1の周波数を有する第1の周期的駆動力と第2の周波数を有する第2の周期的駆動力に夫々πの位相を加えたが、第1の周波数を有する第1の周期的駆動力と第2の周波数を有する第2の周期的駆動力に所望の位相を加えても良い。
(実施例16)
本実施例も本発明による光偏向装置の第5の実施形態に属する実施例である。本実施例は、タイプは異なるが、上記実施例3に対応するものである。
本実施例において、第1の周波数の1周期内の図24に示す時間零を基準時間とした場合、受光素子を走査光133が通過する目標時刻t10、t20は0.057msec、0.154msecとなる。第2の周波数を有する第2の周期的駆動力のみにπの位相を加えた際の第2の振動モードの光偏向装置の偏向角θは、次式で表現できる。
θ(t)=A1sin(ω1t+φ1)+A2sin(ω2t+φ2+π) 式35
光偏向装置の偏向角θを図25(b)に示す。第2の周波数を有する第2の周期的駆動力のみにπの位相を加えた際の受光素子を走査光133が通過する目標時刻t30、t40は0.096msec、0.198msecとなる。
よって、これらの時刻を4つの設定時刻(目標値)に設定する。ここで、受光素子140を走査光133が通過する2つの検出時刻(通過時刻)t1、t2、及び第2の周波数を有する第2の周期的駆動力にπの位相を加えた際の受光素子140を走査光133が通過する2つの検出時刻(通過時刻)t3、t4を調整する。すなわち、これらが目標時刻t10、t20、t30、t40になる様に制御部により駆動信号を調整することで、所望の光偏向装置の偏向角を得ることができる。
ここでも、実施例3で説明した様に、受光素子140を走査光133が通過する検出時刻t1、t2、t3、t4の変化を表す係数、行列Mを求めておく。そして、目標時刻t10、t20、t30、t40からの時間差Δt1、Δt2、Δt3、Δt4から操作量ΔA1、ΔA2、Δφ1、Δφ2が算出され、その値に基づき任意波形発生器の出力を変更する。以上を繰り返すことで目標時刻t10、t20、t30、t40に収束し、所望の偏向角を得ることができる。
上記工程を図26のブロック図により示す。光源410からの光を光偏向器420により偏向することで、走査光430は受光素子440を通過する。制御部450では、受光素子440で検出された検出時刻451と目標時刻452とを差分し、時間差453を算出する。次に、第2の周波数を有する第2の周期的駆動力のみにπの位相を加え、同様に、受光素子440で検出された検出時刻451と目標時刻452とを差分し時間差453を算出する。そして、これらの時間差453から演算器454により行列演算することで操作量455を算出し、任意波形発生器351、352と加算器370と増幅器380によって光偏向器420の駆動部に入力する信号を生成する。
本実施例では、第2の周波数を有する第2の周期的駆動力のみにπの位相を加えたが、第1の周波数を有する第1の周期的駆動力と第2の周波数を有する第2の周期的駆動力に所望の位相を加えても良い。
(実施例17)
本実施例も本発明による光偏向装置の第5の実施形態に属する実施例である。本実施例は、タイプは異なるが、上記実施例4に対応するものである。
本実施例において、第1の周波数の1周期内の図24に示す時間零を基準時間とする。第1の振動モードの駆動時において、受光素子140を走査光133が通過する目標時刻をt10、t20とする。また、第2の振動モードの駆動時において、第1の周波数を有する第1の周期的駆動力と第2の周波数を有する第2の周期的駆動力に夫々πの位相を加えた際の受光素子140を走査光133が通過する目標時刻をt30、t40とする。以上の4つの目標時刻の内のt10を基準時間とする。基準時間からの相対目標時間t20−t10、t30−t10、t40−t10は0.102msec、0.294msec、0.396msecとなり、光偏向装置の偏向角θは図24に示す様になる。
よって、これらの時間を3つの設定時間(目標値)に設定する。ここで、受光素子140を走査光133が通過する3つの検出相対時間t2−t1、t3−t1、t4−t1が上記目標値になる様に制御部により駆動信号を調整することで、図24に示す光偏向装置の偏向角θを得ることができる。
本実施例では、t10を基準時間としたが、他の基準時間でも上記時間差の大小関係から判別が可能である。
本実施例の制御方法を説明する。光偏向装置のA1、A2、φの何れかを含む制御パラメータXが目標値から微小に変化した場合の、受光素子140を走査光133が通過する検出相対時間t2−t1、t3−t1、t4−t1の変化を表す係数、行列Mを上記実施例4で説明した様に求めておく。これにより、ミラーの振幅と位相の操作量ΔA1、ΔA2、Δφは、3つの検出相対時間t2−t1、t3−t1、t4−t1と3つの目標時間t20−t10、t30−t10、t40−t10との時間差Δt2、Δt3、Δt4により実施例4と同様に求まる。
こうして、目標時間t20−t10、t30−t10、t40−t10からの時間差Δt2、Δt3、Δt4から操作量ΔA1、ΔA2、Δφが算出される。そして、その値に基づき任意波形発生器の出力を変更する。以上を繰り返すことで目標時刻t10、t20、t30、t40に収束し、所望の偏向角θを得ることができる。
上記工程を図26のブロック図に示す。光源410からの光を光偏向器420により偏向し、走査光430の受光素子440を通過する。制御部450では、受光素子440で検出された検出時刻451と目標時刻452とを差分し時間差453を算出する。次に、第1の周波数を有する第1の周期的駆動力と第2の周波数を有する第2の周期的駆動力に夫々πの位相を加えて第2の振動モードの駆動とし、同様に、受光素子440で検出された検出時刻451と目標時刻452とを差分し時間差453を算出する。
さらに、上記実施例4で説明した様に時間差453から演算器454により行列演算することで操作量455を算出し、任意波形発生器351、352と加算器370と増幅器380によって光偏向器420に入力する信号を生成する。本実施例では、任意波形発生器351、352のいずれか一方への操作量455は1つである。
本実施例では、第1の周波数を有する第1の周期的駆動力と第2の周波数を有する第2の周期的駆動力に夫々πの位相を加えたが、第1の周波数を有する第1の周期的駆動力と第2の周波数を有する第2の周期的駆動力に所望の位相を加えても良い。
(実施例18)
次に、本発明の実施例18による画像形成装置を説明する。本実施例は、本発明による第5の実施形態のタイプの光偏向装置を用いる。本実施例の光偏向装置のブロック図は図22に示されるものと同じである。
本実施例の構成は、図20の構成において一方の受光素子550を省略したものである。光源510から出射した光は、コリメ−タレンズ520で整形された後、光偏向装置500によって1次元に偏向される。走査光は光学系である結合レンズ530を経て感光ドラム540上に結像する。感光ドラム540の有効領域上以外の光偏向装置500の偏向角の所に、受光素子350を配置し、実施例14,15,16,17で説明した制御方法によって、光偏向装置の偏向角の角速度が感光ドラム540上で略等角速度になる様に調整する。本実施例により、正弦波で駆動した場合に比べ角速度の変化が少ないため良好な印字が可能となる。
(実施例19)
次に、所望の駆動信号を生成するまでの光ビーム発生のタイミングを調整する技術に係る光偏向装置の実施例を説明する。
本実施例の光偏向装置のブロック図は図2(a)と同じである。基本構成は上記実施例1などの光偏向装置と同じである。本実施例では、光ビーム発生制御部によって、反射ミラー付き揺動体が異なる第1及び第2の変位角を取るときに、光ビームを発生する様に光源を調整する。そして、揺動体の1つが異なる第1及び第2の変位角を取るときの走査光を検出する様に受光素子を設けることによって、揺動体の1つが、第1及び第2の変位角を取るときの時刻を計測する。ここにおて、所望の駆動信号を生成する動作は実施例1などに説明した通りである。
本実施例の画像形成装置の全体構成及び制御方法について説明する。本実施例に係わる画像形成装置の構成を図27に示す。図中、601は静電潜像を形成する感光ドラム、604は各感光ドラム601を駆動するモータ、610は、画像信号に応じて露光を行ない感光ドラム601上に静電潜像を形成するレーザスキャナである。また、611はトナーを格納する現像器、603は、現像器611より排出されたトナーを感光ドラム601上に排出する現像ローラ、606は、用紙を各色の画像形成部に順次搬送する無端状の搬送ベルトである。更に、615は、モータとギア等でなる駆動部と接続され搬送ベルト606を駆動する駆動ローラ、616は駆動ローラ615を駆動するモータ、617は、用紙に転写されたトナーを溶融及び固着させる定着器である。そして、612は、用紙カセットから用紙を搬送するピックアップローラ、613、614は、用紙を搬送ベルト606に導く搬送ローラである。この構成自体は通常のものである。
図28は、半導体レーザを用いた光ビーム源を持つレーザスキャナユニット610の平面図を示している。ここで、712は光源である半導体レーザ、711は、半導体レーザ712より発振された光ビーム720を偏向させる上述した振動系を含む光偏向器、713a、713bは、偏向された光ビーム720の照射を検出する受光素子である。また、715、716は、光偏向器711により偏向された光ビーム720を感光体ドラム601上にて集光させ且つ走査速度を一定速に補正するfθレンズ、717は、速度補正された光ビーム720を感光体ドラム601側へ反射させる折り返しミラーである。さらに、718a、718bは光偏向器711の最大偏向角時の光ビーム720の走査方向を示し、718cは光偏向器711の走査中心を示している。
第1及び第2の受光素子713 a、713bは、上述した様に、夫々、光偏向器の最大偏向角より小さい偏向角の位置(θBD1とθBD2の位置)に配置される。
図29は、画像形成に係わる本実施例のシステムブロック図を示している。ここで、753は半導体レーザ712の発光制御を行なうレーザドライバ、751は光偏向器711の駆動制御を行なうスキャナドライバ(駆動部)である。760は、受光素子713が受信した光ビーム720の受信タイミングを報知するBD(beamdetector)信号である。756はBD信号760の受信間隔を計測するBD周期計測部、754はレーザ712の発光タイミング指示信号及び画像データの出力タイミング信号を出力する光ビーム発生制御部、755は光偏向器711の起動指示及び駆動力を調整する駆動制御部である。更に、750はスキャナ制御部、752は、画像データをレーザドライバ753へ送信するビデオコントローラである。
上記構成において、制御部750は、不図示のプリンタ全体を調整する制御部からプリント動作開始の指示を受けると、光偏向器711の起動とレーザ712の発光制御を開始する。スキャナ制御部750は、受光素子713から送られるBD信号760の情報を基にプリント可能状態となるよう、光偏向器711の振動及び半導体レーザ712の発光を調整する。この光偏向器711の振動状態の調整は上記実施例で説明した様に行われる。
プリント可能状態となると、用紙カセットから用紙が供給されて搬送ベルト606に到達させられ、搬送ベルト606により用紙が各色の画像形成部に順次搬送される。搬送ベルト606による用紙搬送とタイミングを合わせて、画像信号が各レーザスキャナ610に送られ、感光ドラム601上に静電潜像が形成される。こうして、感光ドラム上601に当接された現像器611及び現像ローラ603により、静電潜像がトナーで現像され、図示しない転写部で用紙上に転写される。その後、用紙は搬送ベルト606から分離され、定着器617で熱によってトナー像が用紙上に定着され、外部へ排出される。上記工程を経て、外部機器から指示された画像情報は用紙上に印刷される。
本実施例の光偏向器711は上記実施例1などで説明されたものと同じである。ここにおいて、光ビーム発光制御部754により光源712の発光が調整され、光ビーム720が光偏向器711により走査される。光ビーム発生制御部754は、揺動体の1つが所定の変位角を取るときに光ビーム720を発生する様に調整を行なう。
本実施例に係わる光ビーム発生制御部754について説明する。図30に、本実施例におけるレーザ制御のタイミングチャートを示す。図中、860a、860bは夫々受光素子713a、713bで受信したBD信号である。lowレベルが受光を表し、highレベルが非受光状態を表す。また、861は光偏向器711の同調振動状態での振動周期、870は、レーザ間欠発光時の自動光量補正発光(以下、APC発光と記載する)による発光タイミングを示す信号、871は光ビーム720の発光制御を行なう際の基準位置を表す。更に、872は、光ビーム720が感光体ドラム601上を走査する画像領域、T1乃至T4は、上述した第1の振動運動の1周期内の所望の時刻(T1)を基準としたときの各BD信号の受信時刻を示す。そして、T5、T7は基準時刻(T1)から光ビーム消灯までの経過時間、T6、T8は基準時刻(T1)から光ビーム点灯までの経過時間を示している。
光ビーム発生制御部754は、光偏向器711の反射ミラーを有する揺動体が異なる第1及び第2の変位角を取るときに光ビーム720を発生する様に、870に示す発光タイミングにより半導体レーザ712を駆動・調整する。このとき、半導体レーザ712は、例えば、始めは連続発振されていて、光ビーム720が受光素子713を或る状態ないし有効条件で通過し始めた後に、発光タイミング870により半導体レーザ712を駆動・調整する。本実施例では、基準時刻をT1としたが他のいかなる時間であっても良い。また、870の発光タイミングをAPC発光としたが単に強制発光としても良い。また、T1乃至T4をBD信号の立ち上がり及び立下りとしたが、立ち上がり立下り何れによっても光偏向器711の制御は可能である。更に、上記説明では、光ビーム発生制御部754が上記第2の実施形態のタイプに属する実施例に適用された例を示したが、上記第2乃至第5の実施形態のタイプに属する実施例にも原理的に同じ方法で適用できる。このことは、以下の実施例でも同様である。
(実施例20)
本発明の実施例20を説明する。本実施例の画像形成装置の構成に関しては、上記実施例19と同じである。本実施例では、図31に示す様に、APC発光による発光タイミングが実施例19と異なる。本実施例では、光ビーム720が受光素子713を走査端方向に通過して折り返して走査中央方向に戻って来るタイミングの所でも消灯する発光タイミングとしている。このことで、光源の発光時間が短くできるという効果が得られる。本実施例におけるレーザ制御のタイミングチャートを示す図31において、870は、レーザ間欠発光時のAPC発光による発光タイミングを示す信号である。また、T5、T7、T9、T11は基準時刻(T1)から光ビームの消灯までの経過時間を、T6、T8、T10、T12は基準時刻(T1)から光ビームの点灯までの経過時間を示している。本実施例でも、基準時刻をT1としたが他のいかなる時間であっても良い。
(実施例21)
本発明の実施例21を説明する。本実施例でも、画像形成装置の構成に関しては実施例19と同様である。本実施例は、起動時の画像形成装置の制御の手法に特徴がある。図32に、本実施例の制御に係わるシーケンス図を示す。本実施例におけるレーザ制御を示すタイミングチャートは、実施例19で説明した図30と同じである。
図32に示す様に、プリント制御部より光偏向器の起動指示を受けると、初めに駆動制御部755は、駆動部751に、所望の駆動力で光偏向器711を駆動するよう指示する(S1)。この際、上記第2の振動運動の駆動力を除いた駆動力、つまり単一の正弦波にて振動するのが望ましい。
次に、光ビーム発生制御部ないしレーザ発光制御部754は、レーザドライバ753に、半導体レーザ712のAPC発光を指示する(S2)。所定時間経過後(S3)、BD周期計測部756にて測定した時刻T1からの時刻T2までの時間(すなわち(T2−T1))が規定時間範囲内となったかどうか(この範囲に入るほど長くなったか否かという有効条件)を判別する(S4)。BD信号の受信間隔が上記規定時間範囲外の場合、駆動制御部755は、駆動部751に、上記第1の振動運動の駆動力の増加を指示し(S5)、所定時間経過後、再びBD信号の受信間隔に関する判別を、規定時間範囲内となるまで、繰り返し行なう。BD信号の受信間隔が規定時間範囲内の場合、レーザ発光制御部754はBD信号の受信タイミング及び受信間隔から光ビームの走査位置を判別し、判別結果から光ビーム発光制御のための基準時刻T1を設定する(S6)。
更に、レーザ発光制御部754は、レーザ712の発光タイミングを規定した基準位置T1からの経過時間を算出し、所定のタイミングでレーザドライバ753にレーザ712の点灯/消灯を指示する(S7)。この時、経過時間T5乃至T8は、基準時刻T1から画像領域872にかからないタイミングで、かつ受光素子713によりT1乃至T4のBD信号が検出できる様に設定される。
更に、BD周期計測部756はBD信号の受信時刻(T1乃至T4)を測定する(S8)。レーザ発光制御部754は、T1乃至T4が予め決められた画像形成時のBD信号の受信時刻(目標時刻)に等しくなっているかを判別する(S9)。等しくない場合、駆動制御部755はT1乃至T4を夫々所望の時刻にするために、駆動信号を適当に生成して駆動部620へ印加する。このことで第1及び第2の振動運動の夫々の振幅、位相ないし相対位相差を調整する(S10)。この工程は上記実施例で説明した通りである。BD信号の受信間隔が画像形成時のBD信号の受信間隔に等しくなった時点で、プリント制御部にプリント可能状態であることを報知して(S11)、光偏向器の起動処理を終了する。
以上の様に、本実施例の光ビーム発光制御を行なうことにより、レーザの常時点灯状態からレーザ間欠点灯状態にスム−ズに移行することができる。また、これにより、光偏向器が画像形成時の振動状態に達する前にレーザの間欠点灯制御に移行できるため、感光ドラム601への不要なレーザ光の照射を低減することができる。
尚、本実施例では、レーザの点灯方式の切り替えをT1の時刻から判別したが、T2、T3、T4の何れで判別してもよい。また、T1乃至T4の複数の時刻が同時に各々設けられた規定時刻に対して範囲内であるかどうかを判別条件にしてもよい。また、本実施例では、基準位置をT1の始まりとしたが、無論T2、T3、T4の何れかの始まりとしても構わない。更に、基準位置を複数設けて、T5、T6を別々の基準位置から算出してもよい。ステップS4での判別を(T2−T1)としたが、他のいかなる時間間隔或いは時刻としても構わない。レーザの間欠点灯制御時のレーザの消灯のタイミングは、所望のBD信号を検出完了した時でも、基準位置から決められた時間経過後としてもよい。
また、本実施例ではスキャナ起動時のレーザ発光後、BD周期の受信間隔を測定するまでに待ち時間を設けているが、振動ミラーの同調振動に至るまでの遷移時間が短いようであれば、待ち時間を0としても構わない。また、本実施例では、レーザ制御を示すタイミングチャートを実施例19において図30で示したものとした。しかし、実施例20において図31で示したものとし、経過時間T5乃至T12を基準時刻T1から画像領域872にかからないタイミング(画像形成領域以外)で、かつ受光素子713によりT1乃至T4のBD信号が検出できる様に設定されてもよい。そして、BD周期計測部756がBD信号の受信時刻(T1乃至T4)を測定する(ステップS8)ことにより同様な効果を得られる。
上記実施例19乃至21において、前記有効条件とは、受光素子713の検出信号の内の少なくとも2つが互いに異なる設定時刻もしくは時間間隔である。また、駆動開始後、前記有効条件を満たすまでの第1の駆動制御は、振動系を第1の振動運動のみで揺動させ、受光素子713の検出信号に基づき第1の周期的駆動力を調整している。また、駆動開始後、前記有効条件を満たすまでの第1の光ビーム発生タイミング制御は、揺動体の振動駆動開始から前記有効条件の満たすまでの間、光ビームを連続発生させる制御である。
しかし、前記第1の光ビーム発生タイミング制御は、揺動体の振動駆動開始から所定時間経過後に光レーザを発光し、前記有効条件の満たすまでの間、光ビームを連続発生させる制御であってもよい。この所定時間は、例えば、揺動体の振動運動が過渡振動状態から同調振動状態に移行するまでの時間である。
また、上記実施例19乃至21において、前記有効条件到達後の第2の駆動制御は、実施例1などで説明した様に、振動系を第1の振動運動及び第2の振動運動で揺動させ、受光素子713の検出信号に基づき第1の周期的駆動力及び第2の周期的駆動力を調整する。更に、前記有効条件到達後の第2の光ビーム発生タイミング制御は、基本周波数の1周期の時間内かつ画像可視化手段の画像領域に照射する時間以外(画像形成領域以外)で、光ビームを2回以上強制発光・消灯させる制御である。また、前記第2の光ビーム発生タイミング制御は、基本周波数の1周期の時間内に受光素子の検出信号の1つを基準に光ビームを強制発光・消灯させる制御である。
上記実施例19乃至21の画像形成装置によれば、画像可視化手段による画像形成と、振動系の振動を調整するために揺動体の1つが所定の変位角を取るときの時刻を計測することとが同時に実現可能となる。その際、予め記憶された駆動条件に基づき振動ミラーの初期駆動を行なうものではないので、振動ミラーの振動特性の固体ばらつき、環境変化、時間経過による変動がある場合でも、それらの特性変動に応じて振動ミラーを駆動することができる。また、振動ミラーの走査角度のマージンを振動ミラーの振動特性に基づいて設定できることから、当該マージンを可能な限り小さくすることができ、画像形成に利用できる光ビームの走査角度を比較的大きく取ることができる。
本発明の揺動体装置の第1の実施形態及びそのタイプの実施例による光偏向装置のブロック図である。変位角計測器に受光素子を用いた場合(a)と、変位角計測器にピエゾ素子を用いた場合(b)である。 本発明の揺動体装置の第2の実施形態及びそのタイプの実施例による光偏向装置のブロック図である。変位角計測器に受光素子を用いた場合(a)と、変位角計測器にピエゾ素子を用いた場合(b)である。 図1及び図2の光偏向装置の偏向角などについて説明する平面図である。 本発明の揺動体装置の適用形態である光偏向装置の振動系の一例を示す平面図(a)、その光偏向装置の駆動部の一例の断面図(b)、及び図1の光偏向装置の駆動制御部の一例のブロック図(c)である。 図1の光偏向装置の偏向角の伝達特性を示す図である。ゲインと駆動周波数の関係を示すグラフ(a)、及び位相差と駆動周波数の関係を示すグラフ(b)である。 図1の光偏向装置を駆動するための駆動信号の例である。 図1の光偏向装置の偏向角の時間変化を示すグラフ(a)、及び角速度の時間変化を示すグラフ(b)である。 本発明の実施例2などによる光偏向装置の制御フロ−を示す図である。 本発明の実施例3などによる光偏向装置の制御方法を説明するブロック図である。 本発明の実施例5及び実施例6に係る光偏向装置の偏向角の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例5に係る誤差検出回路のブロック図である。 本発明の実施例5及び実施例6に係る制御回路のブロック図である。 本発明の実施例6に係る誤差検出回路のブロック図である。 本発明の揺動体装置の第4の実施形態及びそのタイプの実施例による光偏向装置のブロック図である。 図14の光偏向装置の偏向角などについて説明する平面図である。 図14の光偏向装置の駆動制御部の一例のブロック図である。 図14の光偏向装置の偏向角の時間変化の一例を示すグラフ(a)、及び角速度の時間変化の一例を示すグラフ(b)である。 図14の光偏向装置の偏向角の時間変化の他の例を示すグラフ(a)、及び角速度の時間変化の他の例を示すグラフ(b)である。 本発明の実施例3などによる光偏向装置の制御方法を説明するブロック図である。 図1のタイプの光偏向装置を用いた実施例12による画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。 図14のタイプの光偏向装置を用いた実施例13による画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。 本発明の揺動体装置の第5の実施形態及びそのタイプの実施例による光偏向装置のブロック図(a)、この光偏向装置の第1の振動モードによる駆動時の偏向角の時間変化の一例を説明するグラフ(b)、及びこの光偏向装置の第2の振動モードによる駆動時の偏向角の時間変化の一例を説明するグラフ(c)である。 図22の光偏向装置の偏向角などについて説明する平面図である。 図22の光偏向装置の第1の振動モードによる駆動時の偏向角の時間変化の一例を示すグラフ(a)、及び角速度の時間変化を示すグラフ(b)である。 図22の光偏向装置の第2の振動モードによる駆動時の偏向角の時間変化の一例を示すグラフ(a)、及び同じく時間変化の他の例を示すグラフ(b)である。 本発明の実施例14などによる光偏向装置の制御方法を説明するブロック図である。 本発明の実施例19などによる光偏向装置を用いた画像形成装置を説明する図である。 本発明の実施例19などによる光偏向装置を説明する平面図である。 本発明の実施例19などによる光偏向装置のスキャナ制御を説明するブロック図である。 本発明の実施例19に係るレーザ制御を説明するタイミングチャートである。 本発明の実施例20に係るレーザ制御を説明するタイミングチャートである。 本発明の実施例21に係るスキャナ起動制御を説明するシーケンス図である。 3つの振動モードを有する振動系を説明する図である。 3つの振動モードを有する振動系を振動させた場合の、変位角と時間との関係を示す図である。 光偏向装置の従来例の構成を示すブロック図である。
符号の説明
100 振動系
101、102、103、301、302 揺動体
111、112、113、311a、311b、312a、312b
ねじりバネ
120、340、751 駆動部(電磁アクチュエータ)
121 支持部
131、410、510、712 光源(半導体レーザ)
140、141、142、441、442、550、713 信号出力器(変位角計測器、受光素子、第1の受光素子、第2の受光素子)
150、450、755 駆動制御部(制御部)
151 振動モード変換部
160、460、560 信号出力器(変位角計測器、反射部材)
170 信号出力器(変位角計測器、ピエゾ抵抗体)
500、711 光偏向装置
754 光ビーム発生制御部(レーザ発光制御部)

Claims (11)

  1. 複数の揺動体と複数のねじりバネとを含み構成される揺動体装置であって、
    第1の揺動体と、第2の揺動体と、該第1の揺動体と該第2の揺動体とを接続する第1のねじりバネと、前記第2の揺動体に接続され且つ前記第1のねじりバネのねじり軸と共通するねじり軸を有する第2のねじりバネと、を少なくとも有し構成される振動系と、
    前記振動系を支持する支持部と、
    前記揺動体の少なくとも一つの変位が、A1、A2を振幅、φを相対位相差、ωを角周波数、tを時間とした場合、A1sinωt+A2sin(nωt+φ)項を少なくとも含む数式(nは2以上の整数)で表される振動となるように前記振動系を駆動する駆動部と、
    前記揺動体の少なくとも一つの揺動体が、最大変位角より小さい第1及び第2の変位角をとるときの時刻情報を含む信号を出力する信号出力器と、
    前記信号出力器の出力信号に基づいて前記数式のA1、A2、φの少なくとも一つが所定の値となるように前記駆動部を制御する駆動制御部と、
    を有し、
    前記信号出力器が出力する信号は、前記第1の変位角をとるときの異なる第1及び第2の時刻情報と前記第2の変位角をとるときの異なる第3及び第4の時刻情報を含む時刻情報を含んでおり、
    前記駆動制御部は、前記第1乃至第4の4つの時刻情報に基づいて前記駆動部を制御することを特徴とする揺動体装置。
  2. 複数の揺動体と複数のねじりバネとを含み構成される揺動体装置であって、
    第1の揺動体と、第2の揺動体と、該第1の揺動体と該第2の揺動体とを接続する第1のねじりバネと、前記第2の揺動体に接続され且つ前記第1のねじりバネのねじり軸と共通するねじり軸を有する第2のねじりバネと、を少なくとも有し構成される振動系と、
    前記振動系を支持する支持部と、
    前記揺動体の少なくとも一つが、A1、Anを振幅、φn-1を相対位相差、ωを角周波数、tを時間とした場合、その変位θ(t)に関して、
    θ(t)=A1sinωt+ΣAnsin(nωt+φn-1) (nは2以上の整数)
    で表される振動を起こすように前記振動系を駆動する駆動部と、
    前記揺動体の少なくとも一つの揺動体が、最大変位角より小さい第1及び第2の変位角をとるときの時刻情報を含む信号を出力する信号出力器と、
    前記信号出力器の出力信号に基づいて前記数式のA1、A2、・・・An、φ1、φ2、・・・φn-1の少なくとも一つが所定の値となるように前記駆動部を制御する駆動制御部と、
    を有し、
    前記信号出力器が出力する信号は、前記第1の変位角をとるときの異なる第1及び第2の時刻情報と前記第2の変位角をとるときの異なる第3及び第4の時刻情報を含む時刻情報を含んでおり、
    前記駆動制御部は、前記第1乃至第4の4つの時刻情報に基づいて前記駆動部を制御することを特徴とする揺動体装置。
  3. 前記第1の変位角となる時刻から、振動の端部で折り返して再び前記第1の変位角となる時刻までの時間をt1とし、
    前記第1の変位角となる時刻から振動の中心を通過して、前記第2の変位角となる時刻までの時間をt12とし、
    前記第2の変位角を通過する時刻から振動の端部で折り返して再び前記第2の変位角となる時刻までの時間をt2とし、
    前記第2の変位角を通過する時刻から振動の中心を通過して前記第1の変位角となる時刻までの時間をt21とし、
    前記駆動制御部は、前記t1、t12、t2、t21のうちの少なくとも1つの時間を用いて前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の揺動体装置。
  4. 前記駆動制御部は、前記φを制御する際に、t1-δ×t2(δ≧0)が所定の値となるように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項3に記載の揺動体装置。
  5. 前記駆動制御部は、前記A1を制御する際に、t1+δ×t2-α×(t12+β×t21) (α、β、δ≧0)が所定の値となるように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項3に記載の揺動体装置。
  6. 前記駆動制御部は、前記A2を制御する際に、t12-γ×t21(γ≧0)が所定の値となるように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項3に記載の揺動体装置。
  7. 揺動体装置であって、
    支持部と、
    第1の揺動体と、第2の揺動体と、該第1の揺動体と該第2の揺動体とを接続する第1のねじりバネと、前記支持部と第2の揺動体とを接続し且つ前記第1のねじりバネのねじり軸と共通するねじり軸を有する第2のねじりバネとからなる振動系と、
    前記2つの揺動体の1つが、A1、A2を振幅、φを相対位相差、ωを角周波数、tを時間とした場合、その変位θ(t)に関して、
    θ(t)=A1sinωt+A2sin(2ωt+φ)
    で表される振動となるように前記振動系を駆動する駆動部と、
    前記2つの揺動体の1つが最大変位角より小さい第1の変位角をとるときの異なる第1及び第2の時刻情報と、最大変位角より小さい第2の変位角を取るときの異なる第3及び第4の時刻情報とを出力する信号出力器と、
    前記第1乃至第4の時刻情報に基づいて前記数式のA1、A2、φの少なくとも一つが所定の値となるように前記駆動部を制御する駆動制御部と、
    を有することを特徴とする揺動体装置。
  8. 前記駆動制御部は、
    前記振動系における基本周波数を有する第1の信号と、該基本周波数の整数倍の周波数である第2の周波数を有する第2の信号とを合成した第1の駆動信号と、
    前記第1及び第2の信号の少なくとも一方に位相を加え、且つこれらの信号を合成した第2の駆動信号と
    を選択的に供給可能であり、且つ、
    前記第1の駆動信号での駆動時に前記信号出力器から出力される出力信号と、前記第2の駆動信号での駆動時に前記信号出力器から出力される出力信号とに基づいて、前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の揺動体装置。
  9. 前記第1の駆動信号での駆動時に前記信号出力器から出力される出力信号は異なる2つの時刻情報であり、
    前記第2の駆動信号での駆動時に前記信号出力器から出力される出力信号は異なる2つの時刻情報であり、
    前記駆動制御部は、前記4つの時刻情報に基づいて前記駆動部を制御することを特徴とする請求項8に記載の揺動体装置。
  10. 光ビームを発生する光源と、前記揺動体の少なくとも1つに反射ミラーが形成された請求項1乃至9のいずれかに記載の揺動体装置と、を有することを特徴とする光偏向装置。
  11. 請求項10に記載の光偏向装置と光学系とを少なくとも含み、前記光源からの光ビームを前記光偏向装置により走査し、前記光学系により目標位置に走査光を集光することを特徴とする画像形成装置。
JP2007023881A 2006-02-13 2007-02-02 揺動体装置、及び光偏向装置 Expired - Fee Related JP5441309B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007023881A JP5441309B2 (ja) 2006-02-13 2007-02-02 揺動体装置、及び光偏向装置
US12/160,209 US8400698B2 (en) 2006-02-13 2007-02-13 Oscillator device, optical deflecting device and method of controlling the same
EP07714436A EP1987388A1 (en) 2006-02-13 2007-02-13 Oscillator device, optical deflecting device and method of controlling the same
CN2007800053558A CN101384942B (zh) 2006-02-13 2007-02-13 振荡器装置、光学偏转装置及图像形成设备
KR1020087019740A KR100979346B1 (ko) 2006-02-13 2007-02-13 요동체 장치, 광 편향기 및 이를 제어하는 방법
PCT/JP2007/052909 WO2007094489A1 (en) 2006-02-13 2007-02-13 Oscillator device, optical deflecting device and method of controlling the same

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006035491 2006-02-13
JP2006035491 2006-02-13
JP2006189947 2006-07-11
JP2006189947 2006-07-11
JP2007023881A JP5441309B2 (ja) 2006-02-13 2007-02-02 揺動体装置、及び光偏向装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008040460A JP2008040460A (ja) 2008-02-21
JP2008040460A5 JP2008040460A5 (ja) 2010-03-18
JP5441309B2 true JP5441309B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=37986072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007023881A Expired - Fee Related JP5441309B2 (ja) 2006-02-13 2007-02-02 揺動体装置、及び光偏向装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8400698B2 (ja)
EP (1) EP1987388A1 (ja)
JP (1) JP5441309B2 (ja)
KR (1) KR100979346B1 (ja)
CN (1) CN101384942B (ja)
WO (1) WO2007094489A1 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5065116B2 (ja) 2007-06-14 2012-10-31 キヤノン株式会社 揺動体装置、光偏向装置、及びその制御方法
JP2009058616A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Canon Inc 揺動体装置、光偏向装置、及びそれを用いた画像形成装置
JP2009069392A (ja) 2007-09-12 2009-04-02 Canon Inc 揺動体装置、揺動体装置によって構成される光偏向器及び画像形成装置
JP2009122383A (ja) 2007-11-14 2009-06-04 Canon Inc 揺動体装置の製造方法、該製造方法により製造された揺動体装置によって構成される光偏向器及び光学機器
US7920313B2 (en) * 2008-03-12 2011-04-05 Canon Kabushiki Kaisha Oscillator device, optical deflector and image forming apparatus using the optical deflector
JP5408887B2 (ja) * 2008-03-12 2014-02-05 キヤノン株式会社 揺動体装置、揺動体装置を用いた画像形成装置
JP5283966B2 (ja) * 2008-05-14 2013-09-04 キヤノン株式会社 光偏向装置、及び画像形成装置
JP5296428B2 (ja) * 2008-06-20 2013-09-25 キヤノン電子株式会社 光走査装置及び該光走査装置を用いた画像形成装置、及び画像読み取り装置とディスプレイ
JP5264337B2 (ja) * 2008-07-15 2013-08-14 キヤノン株式会社 光学走査装置及びそれを備える画像形成装置
KR101279441B1 (ko) * 2008-08-21 2013-07-05 삼성전자주식회사 멤스 미러, 미러 스캐너, 광주사 유닛 및 광주사 유닛을 채용한 화상형성장치
JP5424995B2 (ja) 2010-06-24 2014-02-26 キヤノン株式会社 光走査装置及び画像形成装置
JP5450496B2 (ja) * 2011-03-29 2014-03-26 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 光走査装置及びこれを備えた画像形成装置
CN103620477B (zh) * 2012-02-22 2015-04-29 京瓷办公信息系统株式会社 光扫描装置和图像形成装置
JP6077938B2 (ja) * 2012-05-31 2017-02-08 日本電産サンキョー株式会社 振れ補正機能付き光学ユニット
EP2977811A1 (de) * 2014-07-25 2016-01-27 Trumpf Laser Marking Systems AG System mit einem piezoresistiven Positionssensor
JP6587430B2 (ja) * 2015-06-23 2019-10-09 キヤノン株式会社 画像生成装置及び画像生成方法
JP6389846B2 (ja) 2016-07-25 2018-09-12 キヤノン株式会社 画像形成装置およびコントローラ
EP3521894B1 (en) * 2018-02-06 2023-11-08 Murata Manufacturing Co., Ltd. Mems reflector system with trajectory control
JP2019200376A (ja) 2018-05-18 2019-11-21 キヤノン株式会社 走査装置及び画像形成装置
DE102018114388A1 (de) * 2018-06-15 2019-12-19 Valeo Schalter Und Sensoren Gmbh Verfahren zur Steuerung einer Antriebseinrichtung eines Mikroschwingspiegels, Steuervorrichtung und Umlenkspiegeleinrichtung
WO2020032274A1 (ja) * 2018-08-10 2020-02-13 浜松ホトニクス株式会社 アクチュエータ装置、及びアクチュエータ装置の製造方法
CN109557661B (zh) * 2018-10-15 2021-02-26 武汉光迅科技股份有限公司 驱动光学转镜转动的方法及用于驱动光学转镜转动的装置
US11270418B1 (en) * 2020-11-19 2022-03-08 VPIX Medical Incorporation Method and system for correcting phase of image reconstruction signal

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4859846A (en) * 1988-07-21 1989-08-22 Burrer Gordon J Dual-mode resonant scanning system
DE69030304T2 (de) * 1989-12-27 1997-08-14 Canon Kk Bildaufzeichnungsgerät, welches Lichtstrahlen verwendet
EP0775969B1 (en) * 1990-07-05 2000-11-02 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus and constant current circuit switching device for use therewith
US20040004775A1 (en) * 2002-07-08 2004-01-08 Turner Arthur Monroe Resonant scanning mirror with inertially coupled activation
US8054522B2 (en) * 2003-04-21 2011-11-08 Technion Research & Development Foundation Ltd. Oscillating mirror having a plurality of eigenmodes
JP4492252B2 (ja) * 2003-09-05 2010-06-30 セイコーエプソン株式会社 アクチュエータ
US7659918B2 (en) * 2003-10-08 2010-02-09 Texas Instruments Incorporated Apparatus and methods for adjusting the rotational frequency of a scanning device
JP4323939B2 (ja) * 2003-12-11 2009-09-02 キヤノン株式会社 画像形成装置及び画像形成方法
JP4027359B2 (ja) * 2003-12-25 2007-12-26 キヤノン株式会社 マイクロ揺動体、光偏向器、画像形成装置
JP3793208B2 (ja) * 2004-03-23 2006-07-05 キヤノン株式会社 変調光源、それを有する画像表示装置、および変調光源の駆動方式
JP2005292627A (ja) * 2004-04-02 2005-10-20 Ricoh Co Ltd 光走査装置
JP2005326462A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Canon Inc 光偏向器およびその制御方法
JP2005326475A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Canon Inc 電子写真装置及びプロセスカートリッジ
JP2005326746A (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Canon Inc 光偏向装置およびその制御方法
JP4447963B2 (ja) * 2004-05-31 2010-04-07 キヤノン株式会社 光偏向器制御装置
JP5159028B2 (ja) * 2004-06-29 2013-03-06 キヤノン株式会社 揺動体を有する光偏向装置、及びその調整方法
KR100682881B1 (ko) * 2005-01-19 2007-02-15 삼성코닝 주식회사 결정 성장 방법
US7474165B2 (en) * 2005-11-22 2009-01-06 Canon Kabushiki Kaisha Oscillating device, optical deflector and optical instrument using the same
US7436566B2 (en) 2005-11-22 2008-10-14 Canon Kabushiki Kaisha Oscillating device, optical deflector and method of controlling the same
JP5065116B2 (ja) * 2007-06-14 2012-10-31 キヤノン株式会社 揺動体装置、光偏向装置、及びその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8400698B2 (en) 2013-03-19
CN101384942A (zh) 2009-03-11
JP2008040460A (ja) 2008-02-21
KR100979346B1 (ko) 2010-08-31
WO2007094489A1 (en) 2007-08-23
EP1987388A1 (en) 2008-11-05
CN101384942B (zh) 2012-05-23
US20090051992A1 (en) 2009-02-26
KR20080094045A (ko) 2008-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5441309B2 (ja) 揺動体装置、及び光偏向装置
JP5064864B2 (ja) 光偏向装置、画像形成装置、及び光偏向装置の駆動方法
JP4533407B2 (ja) 画像形成装置
JP5404102B2 (ja) 揺動体装置、及びそれを用いる光偏向装置
JP5065116B2 (ja) 揺動体装置、光偏向装置、及びその制御方法
JP2009192640A (ja) 揺動体装置及び光偏向装置
JP2009058616A (ja) 揺動体装置、光偏向装置、及びそれを用いた画像形成装置
US20110064470A1 (en) Light deflector device and image forming apparatus
US20080297869A1 (en) Oscillator device and drive control method for oscillation system of oscillator device
US20080231683A1 (en) Image forming apparatus and control method for same
JP5188315B2 (ja) 揺動体装置、光偏向装置、及びそれを用いた光学機器
US20090212874A1 (en) Oscillator device
JP5341372B2 (ja) 揺動体装置、揺動体装置を用いた画像形成装置
JP2009265285A (ja) 揺動体装置
JP2010048928A (ja) 揺動体装置、及びそれを用いた光偏向装置
JP5408887B2 (ja) 揺動体装置、揺動体装置を用いた画像形成装置
JP2009086557A (ja) 揺動体装置、光偏向装置、及びそれを用いた光学機器
JP2009258392A (ja) 揺動体装置、これを用いた光偏向装置、及び揺動体装置の駆動制御方法
US7911160B2 (en) Oscillation device, optical deflection apparatus, and drive-signal generating method
JP2009034961A (ja) 画像形成装置
JP2009042579A (ja) 光偏向装置、及び揺動体のジッタ抑制方法
JP2009020404A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2008040081A (ja) 光学走査装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131217

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5441309

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees