JP5440196B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
また、コールド商品とホット商品を併売する自動販売機では、庫内を左右に並ぶ複数の商品室に区画してその商品室の相互間を断熱性の仕切板で断熱,隔離した上で、商品室ごとに冷却,ないし加熱ユニットを設置して商品を保冷,加温するようにしている。
一方、前記の本体キャビネットについて、以前の自動販売機では鋼板製の外箱と内箱の間の空間に発泡樹脂を充填した構造であったが、最近は自動販売機のリサイクル化,軽量化の観点から鋼板製外箱の内壁面に発泡ウレタン(硬質のウレタンフォーム)などで作られたパネル状の断熱材を布設して内箱を省略した内箱レス構造が多く採用されており(例えば、特許文献1参照)、次に内箱レス構造の本体キャビネットを採用した自動販売機の構成を図3〜図6に示す。
まず、図3において、1は本体キャビネット、2はキャビネット1の外郭を構成する鋼板製の外箱、3は外箱の内壁面(天井面,底面,左右側面,および背面)に布設したパネル状の断熱材、4は庫内の中間位置に立設して左右に並ぶ複数の商品室に区画する断熱性の仕切板、5は各商品室に収設した商品ラック、6は庫内底部に配置した冷却/加熱ユニット、7は本体キャビネット1の庫外側底部の機械室に配置した冷凍機のコンデンシングユニット、8は庫内天井側で断熱材3の下面側に設置したラック支持フレーム、9は庫内底部の断熱材3の上に敷設して冷却/加熱ユニット6を搭載した庫内トレーである。なお、図示してないが、庫内背面側に布設した断熱材3の前面には冷却/加熱ユニット6から吹き出した冷気,ないし暖気を庫内上方域に導く導風ダクトが配置されている。
一方、仕切板4は、図6で示すように断熱材で作られた方形状のパネル4aの上下端面,および後端面に、ガスケットとして機能する軟質樹脂フォームで作られたクッション材4b,4c,4dを被着している。そして、この仕切板4を本体キャビネット1の庫内に挿入セットする際に、上下端面のクッション材4b,4cを押し潰した状態で前記の支持レールに沿って庫内に押込み、その挿入位置でクッション材4b,4c,4dをこれと対面する断熱材3に押接してその重ね合わせ面をシールしている。なお、クッション材自体は表面の摩擦抵抗が大きく、このままでは仕切板4の挿入性が悪いので、実際の組立作業では摩擦抵抗の小さなクラフト紙などをクッション材4b,4cの表面に貼着して挿入性を確保するようにしている。
また、前記とは別に、従来の組立構造はシール性確保の面で次記のような問題がある。すなわち、仕切板4の挿入位置ではその後端面に被着したクッション材4dを庫内の背面断熱材3へ圧縮状態に押付けて断熱材との重ね合わせ面をシールしている。
ところで、発泡ウレタン樹脂などで作られた断熱材ボードは、その製造工程で表裏両面にクラフト紙などの表面材をラミネートして発泡成形するようにしている。
このために、本体キャビネット1の庫内に発泡ウレタンボード製の断熱材3を布設した組立状態で自動販売機を運転すると、商品室の保冷/加熱に伴って断熱材3の表面材(クラフト紙)、特に商品室内の冷気,暖気に直接曝される庫内側に面した表面材は乾燥化が進んで次第に収縮し、この表面材の収縮に連れて断熱材自体が庫内前方から見て凹状に湾曲変形するようになる。しかも、この断熱材3を庫内壁面に布設した本体キャビネット1の外箱2は板厚が0.6mm程度の薄鋼板製であり、前記のように断熱材3が湾曲変形すると外箱2の背面壁面も断熱材と一緒に背後側に湾曲するようになる。
この発明は上記の点に鑑みなされたものであり、前記課題を解決して本体キャビネットの内面に布設した断熱材と庫内に立設して左右に並ぶ商品室を区画する仕切板の上下端部との間で高いシール性を確保できるように仕切板のシール構造を改良した自動販売機を提供することを目的とする。
(1)第1の発明では、前記レール部材に沿って天井側,底部側の断熱材にシート状の遮風材の一端縁を貼り付けておき、仕切板の挿入位置で前記遮風材の他端側の裾部を仕切板の側壁面に貼り付けて仕切板と断熱材との間を目貼りするものとし(請求項1)、その遮風材にはマイラーシートなどの樹脂シートを用いる(請求項2)。
(2)また、第2の発明では、本体キャビネットの庫内背面に布設した断熱材の表面には、前記仕切板の後端面と対向する部位に両面接着テープを貼着しておき、仕切板の庫内挿入位置でその後端面に被着したクッション材を前記両面接着テープに貼り合わせて断熱材に接合する(請求項3)。
まず、仕切板の挿入位置で仕切板の上下端縁部とこれに対向する庫内の天井面,底面の断熱材との間に遮風材に貼着して仕切板と断熱材との間を目貼りした第1の発明によれば、仕切板の挿入位置でその上下端のクッション材と断熱材の間に隙間が生じていても、この隙間が遮風材に覆われて商品室の相互間に空気が流通するのが阻止され、これにより商品室相互間の空気流通に起因する熱リークを防ぐことができる。しかも、仕切板の挿入に先立って遮風材の一端を庫内に布設した断熱材に貼着しておくことにより、仕切板の挿入性を阻害することなしに簡単な作業で仕切板を庫内に挿入セットできる。
また、仕切板の後端面に対向して庫内背面に布設した断熱材の表面に両面接着テープを貼着しておき、仕切板の挿入位置でその後端面のクッション材を前記両面接着テープに貼り付けて断熱材に接合するようにした第2の発明によれば、発泡ウレタンボードのようにボードにラミネートした表面材(クラフト紙)が庫内の冷却/加熱により乾燥,収縮し、これに連れて断熱材自体が湾曲変形して仕切板の後端面に被着したクッション材との重ね合わせ面が離間しようとしても、両面接着テープで断熱材に貼り付けたクッション材は断熱材の湾曲変形に追従して強制的に復元される。したがって、クッション材の弾力性が経年変化により低下しても支障なく、長期に亘って仕切板のシール機能を確保して信頼性が向上する。
まず、庫内の奥行き寸法に合わせて所定寸法に裁断したシート状の遮風材10を用意し、その上下両端の縁部に沿った面域にあらかじめ両面接着テープを貼り付けておく。そして、図1(a)のように仕切板4を庫内に挿入する前の段階で、庫内天井側に設置した支持レール8aに沿って遮風材10の一端側を庫内天井側の断熱材3に貼着し、遮風材10の他端側(裾)は図示のように庫内側に垂らしておく。なお、この場合に遮風材10を支持レール8aの壁面にあらかじめ仮止めしておくと断熱材3への貼着作業が楽に行える。
また、天井側への遮風材の貼着作業と並行して、庫内底部側に布設した断熱材3に対しても、前記と同様な手順で庫内トレー9(図3参照)の起立側縁に沿って遮風材10を貼着しておく。なお、庫内底部の断熱材に貼着した遮風材10の他端側は仕切板4の挿入経路からずらすように折り畳んで庫内トレー9の上に載せておく。
この実施例の構成によれば、発泡ウレタンボードなどで作られた断熱材3の表面にラミネートされている表面材(クラフト紙)が庫内の冷却/加熱により乾燥,収縮して断熱材3自体が湾曲変形し、このために仕切板4の後端面に被着したクッション材4dと断熱材2の重ね合わせ面が離間しようとしても、両面接着テープ11を介して断熱材3の表面に接合された圧縮状態のクッション材3dは断熱材3の湾曲変形に追従して強制的に復元される。これにより、クッション材4dの自己復元性が経年変化により低下していても、断熱材3との間の隙間発生を防止して仕切板4の高いシール機能を長期に亘り確保して商品室相互間の熱リーク発生を抑制できる。
2:外箱
3:断熱材(発泡ウレタンボード)
4:仕切板
4a,4b,4c:クッション材
5:商品ラック
6:冷却/加熱ユニット
8:ラック支持フレーム
8a:支持レール
9:庫内トレー
10:遮風材
11:両面接着テープ
Claims (3)
- 外箱の内壁面にパネル状の断熱材を布設した断熱構造になる本体キャビネットの庫内を左右に並ぶ複数の商品室に区画し、その相互間に断熱性の仕切板を立設して各商品室の間を断熱,隔離した自動販売機であって、本体ケースの庫内天井部および底部に前方から庫内に挿入した前記仕切板の上下端部を支えるレール部材を備えるとともに、仕切板にはその上下端面,および後端面にクッション材を被着し、該クッション材を前記断熱材の板面に押し当てて商品室間をシールするようにしたものにおいて、
前記レール部材に沿って天井側,底部側の断熱材にシート状の遮風材の一端を貼り付けておき、仕切板の庫内挿入位置で前記遮風材の他端側を仕切板の側壁面に貼り付けして仕切板と断熱材との間を目貼りしたことを特徴とする自動販売機。
自動販売機。 - 請求項1に記載自動販売機において、遮風材が樹脂シートであることを特徴とする自動販売機。
- 外箱の内壁面にパネル状の断熱材を布設した断熱構造になる本体キャビネットの庫内を左右に並ぶ複数の商品室に区画し、その相互間に断熱性の仕切板を立設して各商品室の間を断熱,隔離した自動販売機であって、本体ケースの庫内天井部および底部に前方から庫内に挿入した前記仕切板の上下端部を支えるレール部材を備えるとともに、仕切板にはその上下端面,および後端面にクッション材を被着し、該クッション材を前記断熱材の板面に押し当てて商品室間をシールするようにしたものにおいて、
本体キャビネットの庫内背面に布設した断熱材には、前記仕切板の後端面と対向する部位に両面接着テープを貼着しておき、仕切板の庫内挿入位置でその後端面に被着したクッション材を前記両面接着テープに貼り合わせて接合したことを特徴とする自動販売機。
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