JP5439878B2 - 半導体装置の製造方法、半導体装置、電気光学装置および電子機器 - Google Patents
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上記課題の少なくともひとつを解決するために本願に係るひとつの半導体装置は、酸化物半導体層をチャネル領域に用いた薄膜トランジスターを基板上に有する半導体装置であって、前記酸化物半導体層の上面および下面のうちの少なくとも一方の面側では、アルミニウム、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、およびニオブからなる群から選ばれた単体金属あるいはそれらの合金からなる易酸化性金属層の酸化物層が前記チャネル領域に接し、前記酸化物半導体層の上層には、前記易酸化性金属層と同一形状をもって前記易酸化性金属層に平面的に重なるチャネルストッパー層を備え、前記チャネルストッパー層の上層でソース電極とドレイン電極とが分離されていることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明は、薄膜トランジスターを基板上に有する半導体装
置の製造方法であって、前記薄膜トランジスターのチャネル領域を形成するための酸化物
半導体層を形成する酸化物半導体層形成工程と、該酸化物半導体層形成工程の前および後
の少なくとも一方において、前記酸化物半導体層の上面および下面のうちの少なくとも一
方の面側で前記チャネル領域に接するように、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)
、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、およびニオブ(Nb)
からなる群から選ばれた単体金属あるいはそれらの合金からなる易酸化性金属層を形成す
る易酸化性金属層形成工程と、前記酸化物半導体層形成工程および前記易酸化性金属層形
成工程を行なった後、熱処理を行なって前記酸化物半導体層から前記易酸化性金属層に酸
素を移動させる加熱工程と、を有することを特徴とする。
図1(a)、(b)は各々、本発明を適用した液晶装置(電気光学装置)をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。図1(a)、(b)において、本形態の液晶装置1は、TN(Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、あるいはVAN(Vertical Aligned Nematic)モードの透過型のアクティブマトリクス型の液晶装置である。この液晶装置1では、シール材22を介して素子基板10(半導体装置)と対向基板20とが貼り合わされ、その間に液晶1fが保持されている。素子基板10において、シール材22の外側に位置する端部領域には、データ線駆動用IC60、および走査線駆動用IC30がCOG(Chip On Glass)実装されているとともに、基板辺に沿って実装端子12が形成されている。シール材22は、素子基板10と対向基板20とをそれらの周辺で貼り合わせるための光硬化樹脂や熱硬化性樹脂などからなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。シール材22には、その途切れ部分によって液晶注入口25が形成され、液晶1fを注入した後、封止材26により封止されている。
図2は、図1に示す液晶装置の素子基板10の電気的な構成を示す説明図である。図2に示すように、素子基板10には、画像表示領域1aに相当する領域に複数のソース線6a(データ線)およびゲート線3a(走査線)が互いに交差する方向に形成され、これらの配線の交差部分に対応する位置に画素1bが構成されている。ゲート線3aは走査線駆動用IC30から延びており、ソース線6aはデータ線駆動用IC60から延びている。また、素子基板10には、液晶1fの駆動を制御するための画素スイッチング用の薄膜トランジスター1cが各画素1bに形成され、薄膜トランジスター1cのソースにはソース線6aが電気的に接続され、薄膜トランジスター1cのゲートにはゲート線3aが電気的に接続されている。
図3(a)、(b)は、本発明を適用した液晶装置(電気光学装置)の画素1つ分の平面図、およびA1−B1に相当する位置で液晶装置を切断したときの断面図である。図3(a)では、画素電極を太くて長い点線で示し、ゲート線およびそれと同時形成された薄膜を細い実線で示し、ソース線およびそれと同時形成された薄膜を細い一点鎖線で示し、半導体層を細くて短い点線で示してある。コンタクトホールについては、ゲート線などと同様、細い実線で示してある。
図4(a)、(b)は各々、本発明を適用した液晶装置(電気光学装置)に用いた薄膜トランジスター1cの拡大断面図、および半導体層7aの下面に接する酸化物層の説明図である。
図5〜図7は、本形態の液晶装置1に用いた素子基板10の製造方法を示す工程断面図である。なお、素子基板10を製造するには、素子基板10を多数取りできる大型基板の状態で以下の工程が行われるが、以下の説明では、大型基板についても素子基板10として説明する。
以上説明したように、本形態では、薄膜トランジスター1cのチャネル領域7cを酸化物半導体層により構成するにあたって、図5(b)を参照して説明したように、高抵抗の酸化物半導体層7からなる半導体層7aを形成する。このため、酸化物半導体層7を形成した以降、酸化物半導体層7のドライエッチングによるパターニング、エッチングストッパー用薄膜8のプラズマCVD法による成膜、ソース・ドレイン電極のドライエッチングによるパターニング形成などの際のプラズマの影響を受けても、半導体層7aの抵抗値が低下しにくい。それ故、薄膜トランジスター1cのオン/オフ比が低下しない。また、高抵抗の酸化物半導体層7(半導体層7a)に接するように易酸化性金属層5aを形成しておき、図6(e)に示す加熱工程によって、半導体層7a(酸化物半導体層)から易酸化性金属層5aに酸素を移動させることにより、半導体層7aの抵抗値を下げる。このため、オン電流が高い薄膜トランジスター1cを得ることができる。
図5〜図8を参照して説明した製造方法では、酸化シリコン膜によってエッチングストッパー層8aを形成したが、アルミニウム、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブなどの単体金属あるいはそれらの合金からなる易酸化性金属層の上層にシリコン酸化膜などを積層したものをエッチングストッパー層8aとして用いてもよい。かかる場合でも、図6(e)に示す加熱工程を行なった際、易酸化性金属層が酸化物に変化するので、ソース電極(ソース線6a)とドレイン電極6bとが短絡することがない。
上記実施の形態では、ソース電極(ソース線6a)およびドレイン電極6bのパターニング形成後に加熱工程を行なったが、半導体層7a(酸化物半導体層7)および酸化性金属層5aを形成した以降であればいずれのタイミングで加熱工程を行なってもよい。
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置100を搭載した電子機器について説明する。図9(a)に、電気光学装置100を備えたモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す。パーソナルコンピューター2000は、表示ユニットとしての電気光学装置100と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。図9(b)に、電気光学装置100を備えた携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置100に表示される画面がスクロールされる。図9(c)に、電気光学装置100を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置100を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置100に表示される。
Claims (11)
- 薄膜トランジスターを基板上に有する半導体装置の製造方法であって、
前記薄膜トランジスターのチャネル領域を形成するための酸化物半導体層を形成する酸化物半導体層形成工程と、
該酸化物半導体層形成工程の前および後の少なくとも一方において、前記酸化物半導体層の上面および下面のうちの少なくとも一方の面側で前記チャネル領域に接するように、アルミニウム、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、およびニオブからなる群から選ばれた単体金属あるいはそれらの合金からなる易酸化性金属層を形成する易酸化性金属層形成工程と、
前記酸化物半導体層形成工程および前記易酸化性金属層形成工程を行なった後、熱処理を行なって前記酸化物半導体層から前記易酸化性金属層に酸素を移動させる加熱工程と、
前記酸化物半導体層の上層にエッチングストッパー用薄膜を形成した後、当該エッチングストッパー用薄膜を前記易酸化性金属層と同一形状にパターニングしてエッチングストッパー層を前記易酸化性金属層と平面的に重なる位置に形成する工程と、
を有し、
前記エッチングストッパー層上でソース電極とドレイン電極との分離を行なうことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記酸化物半導体層は、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物層であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記易酸化性金属層の膜厚は、0.5〜2.0nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記薄膜トランジスターはボトムゲート構造を備え、
前記薄膜トランジスターのゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
前記薄膜トランジスターのゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、
前記易酸化性金属層形成工程と、
前記酸化物半導体層形成工程と、
前記加熱工程と、
を順に行なうことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 請求項1乃至4の何れか一項に記載の製造方法により得られたことを特徴とする半導体装置。
- 酸化物半導体層をチャネル領域に用いた薄膜トランジスターを基板上に有する半導体装置であって、
前記酸化物半導体層の上面および下面のうちの少なくとも一方の面側では、アルミニウム、タンタル、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、およびニオブからなる群から選ばれた単体金属あるいはそれらの合金からなる易酸化性金属層の酸化物層が前記チャネル領域に接し、
前記酸化物半導体層の上層には、前記易酸化性金属層と同一形状をもって前記易酸化性金属層に平面的に重なるチャネルストッパー層を備え、
前記チャネルストッパー層の上層でソース電極とドレイン電極とが分離されていることを特徴とする半導体装置。 - 前記易酸化性金属層の酸化物層が1.0〜4.0nmの膜厚をもって前記チャネル領域に接していることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
- 前記酸化物半導体層は、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物層であることを特徴とする請求項6または7に記載の半導体装置。
- 前記薄膜トランジスターはボトムゲート構造を備え、
前記基板上には、ゲート電極、ゲート絶縁膜、前記易酸化性金属層の酸化物層、および前記酸化物半導体層が順に積層されていることを特徴とする請求項6乃至8の何れか一項に記載の半導体装置。 - 請求項6乃至9の何れか一項に記載の半導体装置を備えた電気光学装置であって、
前記半導体装置は、前記薄膜トランジスターからなる画素トランジスターと、該画素トランジスターに電気的に接続する画素電極を備えた素子基板であることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項10に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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