JP5439129B2 - ユニット式建物の構造計算装置 - Google Patents
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この特許文献1に記載の構造解析方法では、立体モデルを形成するために、建物ユニットを立体的に配置するための入力作業が必要であり、各ユニットに設定された項目についての入力作業も必要であった。そこで、このような入力作業を容易にする検討がなされている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に記載の構造計算装置では、建物を構成するユニット毎に格子状の立面グリッドを仮想設定している。そして、この立面グリッドに含まれる柱および梁が形成する長方形枠をフレームの二次元モデルとし、この二次元モデルに基づいて構造計算をする構成が採られている。
この構成によれば、データ記憶部5に記憶されている荷重データ54,55のコピーに連層フレームデータ56の名称と一部が一致する名称を付してデータ記憶部5に記憶させるため、記憶済みの荷重データ54,55を様々な連層フレームRの計算用フレームデータ56の生成に利用でき、計算用フレームデータ56の生成ごとに荷重データ54,55を新たに生成する必要がなくなる。
この構成によれば、梁の長さおよび柱の長さがそれぞれ共通する単層のフレームF1,F2からなる、標準的な連層フレームRをあらかじめ設定するため、汎用性を向上できる。さらに、梁の長さまたは柱の長さが共通しない単層のフレームF1,F2からなる連層フレームRと比べて、使用頻度が高い連層フレームRをあらかじめ設定することで、入力作業が容易になる。
この構成によれば、特定のフレームF1,F2の種別やモジュールに対応するフレームデータ53を容易に識別でき、データ管理や編集が容易になる。
図1には、本実施形態のユニット式建物の構造計算装置1が示されている。この構造計算装置1は、コンピュータであり、柱の上下端を梁で連結した立体的なフレームを備えた建物ユニットが複数組み合わされたユニット式建物の構造計算を行うものである。
なお、建物ユニットのフレームは、柱に梁を剛接合やピン接合した、いわゆるラーメン構造となっている。また、建物ユニットとしては、四隅の柱の上下端を梁で連結した直方体状のフレームを有する標準建物ユニット、直方体状のフレームから玄関部分の床梁を省略した玄関用建物ユニット、四隅の柱の上端を連結する天井梁の少なくとも一部が傾斜した台形ユニット、平面視で床梁よりも室内側へ外壁部が後退したセットバックユニット、内部に階段室が設けられた階段建物ユニット、下階の天井が上階の天井と同じ高さレベルに設けられる吹き抜け室を形成するための吹き抜け用建物ユニット、建物の外壁面に突設されるバルコニーユニット、エレベータシャフトが設けられるエレベータユニット、および、内部に車庫が設けられるとともに、車庫部の床梁が省略されたカーポートユニットなどが例示できる。
そして、この構造計算装置1は、キーボードやマウスなどから構成される操作手段2と、出力手段としてのモニタ3と、出力手段としてのプリンタ4と、データ記憶部5と、演算部6と、を備えている。
メンバーリスト52は、柱メンバー自体や梁メンバー自体の部材コード、部材名、部材種別、ヤング係数、断面積、断面二次モーメント、断面係数、塑性断面係数、断面二次半径などのデータから構成されている。このメンバーリスト52は、断面構成リスト51の編集に用いられる。
単層フレームデータ53は、ユニット式建物に設けられる各種の建物ユニットのフレームのデータであり、「Frame.xml」という拡張子を有している。
設計荷重データ54は、ユニット式建物に加わる固定荷重、積載荷重、積雪荷重、柱自重、荷重負荷方向(荷重を長辺梁または短辺梁に負担させるか)などのデータであり、「Load.xml」という拡張子を有している。
荷重割当データ55は、設計荷重データの荷重がフレームの柱や梁にどのような比率で割り当てられるかを表すデータであり、「Share.xml」という拡張子を有している。
計算用フレームデータ56は、連接された複数のフレームから構成される連層フレームに関するデータであり、「Misuc.xml」という拡張子を有している。
計算結果データ57は、構造計算結果を表すデータであり、「Result.xml」という拡張子を有している。
計算結果グラフィックデータ58は、構造計算結果をモニタ3で表示させたり、プリンタ4で印刷させたりするためのデータであり、「Graphic.xml」という拡張子を有している。
なお、各データの拡張子として、上記のもの以外を適用してもよい。
そして、基本情報入力手段631は、OKボタンA258が選択されると、各欄A251〜A257に入力されている情報を保存する。
そして、立面補助線設定手段632は、X方向またはY方向の複写距離が設定入力されると、基準X軸Lx0または基準Y軸Ly0から複写距離だけ移動した位置に補助線を追加する。例えば、立面補助線設定手段632は、設定入力に基づいて、図6に示すように、基準X軸Lx0と基準Y軸Ly0の交点を原点としたX座標が1820(mm)の位置に玄関柱位置を表すY補助線Ly1を表示させ、X座標が5519(mm)(6M(モジュール))の位置にユニット右端の位置を表すY補助線Ly2を表示させる。また、Y座標が2622(mm)の位置に、ユニット上端を表すX補助線Lx1を表示させる。このX補助線Lx1のY座標は、ユニットの標準時の階高に対応している。さらに、原点から玄関柱までの間の中央位置であるX座標が910(mm)の位置と、玄関柱からユニット右端までの間の中央位置であるX座標が3669.5(mm)の位置とに、たわみ計算節点用のY補助線Ly3,Ly4をそれぞれ表示させる。
右端座標移動欄A32は、部材の右下端座標がモジュールあるいは階高により移動する場合に、その座標を入力するための欄であり、左端座標移動欄A31と同様の情報を設定するための欄を有している。
接合条件欄A33は、部材の左上端の接合状態が入力される左端接合欄A331と、部材の右下端の接合状態が入力される右端接合欄A332と、を備えている。この各接合欄A331,A332には、剛接合またはピン接合である旨が入力される。
部材欄A34は、種別欄A341と、メンバー欄A342と、を備えている。種別欄A341には、梁の種別として、天井梁、床梁、中間床梁、R階梁のうちのいずれかが入力される。なお、柱ボタンA223が選択されている柱の追加モードでの種別欄A341には、柱の種別として、主柱、または、間柱が入力される、また、その他ボタンA225が選択されているその他部材の追加モードでの種別欄A341には、その他部材の種別として、サブフレーム、ラチス、軸ブレース、ダミーフレーム、その他部材のうちのいずれかが入力される。メンバー欄A342には、部材種別が柱または梁でありメンバーが計算条件(システム、配置、建設地域、階数、躯体仕様、モジュール)から自動取得される場合、空欄とされ、それ以外の場合、メンバーが入力される。
具体的には、作図エリアA21の立面補助線上には、柱、梁、または、その他部材を青い線分で表す部材線Na(aは1以上の整数)と、節点を赤い丸で表す節点マークSb(bは1以上の整数)と、ピン接合の接合部分を青い白抜きの丸で表すピン接合マークPc(cは1以上の整数)とを表示させる。さらに、ピン支点を赤い三角で表すピン支点マークQd(dは1以上の整数)を表示させる。なお、図8において、部材線N4は、節点マークS3〜S5の節点を結ぶ1つの部材を表している。
荷重割当データ生成手段65は、荷重ポップアップメニューから荷重割当設定ボタンが選択されると、荷重割当の設定を促すメニューを表示させ、入力された荷重割当に関するデータにファイル名を付して荷重割当データ55として保存する。ここで、荷重割当データ55は、部材(R階梁、天井梁、床梁、中間梁)、荷重種別(固定荷重、積載荷重、積雪荷重など)、加力点(荷重種別が集中荷重の場合、部材左端から加力点までの距離)、負担比率(指定した加力点が負担する荷重の比率)、モジュール、などに関するデータから構成されている。
この条件設定メニューA35は、日付や担当者などが入力される管理情報欄A36と、建物に関する情報が入力される建物情報欄A37と、を備えている。また、建物情報欄A37は、システム種別が入力されるシステム欄A371と、ユニット配置が並列または直交である旨が入力される配置欄A372と、建設地域が入力される建設地域欄A373と、階数が入力される階数欄A374と、躯体仕様が入力される躯体仕様欄A375と、通りが外通りまたは内通りである旨が入力される通り欄A376と、下屋フレームの種別が入力される下屋欄A377と、R階梁である場合にチェックされるR階梁チェック欄A378と、を備えている。さらに、建物情報欄A37は、モジュール欄A379と、R階梁フレーム欄A380と、各階ダミーフレーム欄A381と、各階フレーム欄A382と、を備えている。
R階梁フレーム欄A380は、R階梁チェック欄A378がチェックされた場合に表示され、チェックされていない場合に表示されない。このR階梁フレーム欄A380には、長辺、短辺のそれぞれのR階梁に使用する単層フレームデータ53のファイル名が入力される。
各階ダミーフレーム欄A381と各階フレーム欄A382とは、階数欄A374で設定された階数と同じ数だけ表示される。各階ダミーフレーム欄A381と各階フレーム欄A382には、各階の長辺、短辺のそれぞれについて、1つずつのダミーフレーム、フレームに使用する単層フレームデータ53のファイル名と、高さ寸法と、に関する情報が入力可能である。
ここで、計算用フレームデータ生成手段66は、各欄A380〜A382の入力を促す場合、オペレータにより該当するセルが選択されると、フレームの種別に応じてデータ記憶部5に保存されている単層フレームデータ53のファイル名とともに、当該単層フレームデータ53に対応するフレームの構面を表す図形を表示させる。そして、いずれかのファイル名が選択されると、この選択されたファイル名を各欄A380〜A382に表示させる。
そして、計算用フレームデータ生成手段66は、連層フレームRを構成するフレームF1,F2の単層フレームデータ53に基づいて、連層フレームRに関する計算用フレームデータ56を生成し、オペレータにより入力されたファイル名を付して、データ記憶部5に保存する(連層フレームデータ生成処理)。
さらに、計算用フレームデータ56と違うファイル名の設計荷重データ54を指定する旨の入力を認識すると、この設計荷重データ54のコピーに計算用フレームデータ56と同じファイル名を付して計算用フレームデータ56と同じフォルダに保存する(荷重データ指定処理)。
つまり、計算用フレームデータ56と名称の一部が一致する設計荷重データ54と荷重割当データ55とを、計算用フレームデータ56と同じフォルダに保存する。
条件設定欄A41には、図9に示す条件設定メニューA35の各欄A371〜A378と同様の内容が入力される。
荷重ファイル欄A42には、設計荷重データ54と、荷重割当データ55とが保存されているフォルダが入力される。
組合せ欄A43には、条件設定メニューA35の各欄A379〜A382と同様の内容が入力される。なお、組合せ欄A43には、長辺、短辺のそれぞれについて、複数ずつのモジュール、ダミーフレーム、フレームに関する情報が入力可能である。
また、計算手段67は、一括生成処理により生成された計算用フレームデータ56が保存された後に、一括処理メニューA40の計算ボタンA404が選択されると、計算対象の計算用フレームデータ56の選択を要求するダイアログを表示させる。そして、計算用フレームデータ56が選択された後に安全率が入力されると、計算対象の計算用フレームデータ56に関する構造計算を実行して計算結果データ57を保存する。
そして、計算結果出力手段68は、フレーム、荷重ケース、表示項目が選択された状態でOKボタンA456が選択されると、計算結果を例えばテキスト形式で表示させる。
また、計算結果出力手段68は、表示項目欄A48の特定項目選択ボタンA481が選択されると、この選択された特定項目選択ボタンA481の左側に表示された特定の項目のみの計算結果を表示させる。さらに、この表示された結果を保存する旨、あるいは、プリンタ4で印刷する旨の入力を認識すると、この認識した処理を実施する。
また、計算結果出力手段68は、計算結果出力メニューA45の応力図タグA453が選択されると計算結果に基づく応力図(M図、Q図、N図)を表示させ、P−δタグA454が選択されるとP−δグラフを表示させる。そして、表示させているグラフィック(応力図、P−δグラフ)を保存する旨の入力を認識すると、その計算結果グラフィックデータ58を計算用フレームデータ56と同じファイル名で計算用フレームデータ56と同じフォルダに保存する。
さらに、計算結果出力手段68は、計算結果出力メニューA45のフレームDBタグA455が選択されると、剛性、許容水平耐力、保有水平耐力を所定のデータベースに出力する。
(1)構造計算装置1は、フレームデータ53を登録済みの単層のフレームF1,F2から構成される連層フレームRをあらかじめ設定している。このため、様々なユニット式建物の構造計算をする場合、個々のフレームF1,F2のフレームデータ53をオペレータに新たに入力させる必要がなくなり、オペレータに構造計算時のデータ入力作業を容易に実施させることができる。
すなわち、水平方向に並ぶフレームを複数連接して形成される連層フレームRを設定してもよい。
また、設計荷重データ54、荷重割当データ55、計算用フレームデータ56に同じのファイル名を付して同じフォルダに保存して、これらのデータに基づいて連層フレームRに荷重を割り当てたが、設計荷重データ54、荷重割当データ55、計算用フレームデータ56に互いに異なるファイル名を付して同じフォルダに保存して、これらのデータに基づいて連層フレームRに荷重を割り当ててもよい。また、設計荷重データ54、荷重割当データ55、計算用フレームデータ56に同じファイル名を付して異なるフォルダに保存して、これらのデータに基づいて連層フレームRに荷重を割り当ててもよい。
さらに、データ記憶部5に保存済みの設計荷重データ54や荷重割当データ55のコピーに計算用フレームデータ56と同じファイル名を付けて保存せずに、連層フレームRに荷重を割り当てるごとに新たな設計荷重データ54や荷重割当データ55を生成してもよい。
2…操作手段
3…出力手段としてのモニタ
4…出力手段としてのプリンタ
5…データ記憶部
54…荷重データとしての設計荷重データ
55…荷重データとしての荷重割当データ
56…連層フレームデータとしても機能する計算用フレームデータ
66…連層フレーム設定手段としての計算用フレームデータ生成手段
632…立面補助線設定手段
633…部材入力手段
635…単層フレームデータ出力制御手段としての単層フレームデータ保存手段
Claims (4)
- 複数の建物ユニットを組み合わせたユニット式建物の構造計算装置であって、
前記建物ユニットの側面を表す格子状の立面補助線を設定する立面補助線設定手段と、
前記建物ユニットのフレームを構成する柱および梁の部材を前記立面補助線に沿って設定するとともに、前記部材同士の接合状態を入力する部材入力手段と、データ記憶部と、前記データ記憶部に単層フレームデータを保存する単層フレームデータ出力制御手段と、前記データ記憶部に記憶された単層フレームデータから前記フレームを複数連接して形成される連層フレームを設定する連層フレーム設定手段と、を備え、
前記連層フレーム設定手段は計算用データ生成手段を備え、
前記計算用フレームデータ生成手段は、前記連層フレームを構成する単層のフレームのフレームデータに基づいて、前記連層フレームの部材に関する連層フレームデータを生成し、入力操作に基づく所定の名称を付して前記データ記憶部に記憶させる連層フレームデータ生成処理と、
所定の前記連層フレームの部材に割り当てる荷重を指定する入力操作を認識すると、前記荷重に関する荷重データを生成し、前記所定の連層フレームの連層フレームデータの名称と一部が一致する名称を付して前記データ記憶部に記憶させる荷重データ指定処理と、
前記所定の連層フレームの部材に荷重を割り当てる旨の入力操作を認識すると、前記所定の連層フレームの連層フレームデータと名称の一部が一致する前記荷重データに基づいて、前記計算用フレームデータを生成する計算用フレームデータ生成処理と、を実施する
ことを特徴とするユニット式建物の構造計算装置。 - 複数の建物ユニットを組み合わせたユニット式建物の構造計算装置であって、
前記建物ユニットの側面を表す格子状の立面補助線を設定する立面補助線設定手段と、
前記建物ユニットのフレームを構成する柱および梁の部材を前記立面補助線に沿って設定するとともに、前記部材同士の接合状態を入力する部材入力手段と、データ記憶部と、前記データ記憶部に単層フレームデータを保存する単層フレームデータ出力制御手段と、前記データ記憶部に記憶された単層フレームデータから前記フレームを複数連接して形成される連層フレームを設定する連層フレーム設定手段と、を備え、
前記データ記憶部は前記連層フレームの部材に割り当てる荷重に関する荷重データを記憶し、
前記連層フレーム設定手段は計算用データ生成手段を備え、
前記計算用フレームデータ生成手段は、前記連層フレームを構成する単層のフレームのフレームデータに基づいて、前記連層フレームの部材に関する連層フレームデータを生成し、入力操作に基づく所定の名称を付して前記データ記憶部に記憶させる連層フレームデータ生成処理と、
所定の前記連層フレームの部材に割り当てる荷重として前記データ記憶部に記憶された前記荷重データの荷重を指定する入力操作を認識すると、前記指定された荷重データのコピーに前記所定の連層フレームの連層フレームデータの名称と一部が一致する名称を付して前記データ記憶部に記憶させる荷重データ指定処理と、
前記所定の連層フレームの部材に荷重を割り当てる旨の入力操作を認識すると、前記所定の連層フレームの連層フレームデータと名称の一部が一致する前記荷重データに基づいて、前記計算用フレームデータを生成する計算用フレームデータ生成処理と、を実施する
ことを特徴とするユニット式建物の構造計算装置。 - 請求項1または請求項2に記載のユニット式建物の構造計算装置において、
前記連層フレーム設定手段は、梁の長さおよび柱の長さがそれぞれ共通する前記建物ユニットの単層のフレームを上下に連接して前記連層フレームを設定することを特徴とするユニット式建物の構造計算装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のユニット式建物の構造計算装置において、
前記フレームデータは、フレームの種別およびモジュールに関する情報を含むことを特徴とするユニット式建物の構造計算装置。
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